JP6554848B2 - 電磁弁の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁弁の制御装置に関する。さらに詳しくは、電磁弁の不感帯の影響を低減できる制御装置に関する。
電磁比例弁の切り換えは入力信号に従ってソレノイドを駆動してスプールを動かすことにより行われる。スプールには抵抗があるため、入力信号が小さすぎるとスプールが動かない。電磁比例弁にはこのような不感帯が存在するため、操作開始時に遅れが生じたり、微小操作時に応答性が悪くなったりする。
これに対して特許文献1には、電磁比例減圧弁において、入力信号のレベルをスタート時に瞬時に立ち上げるジャンプ回路を設けることが開示されている。ジャンプ回路により瞬時に入力信号のレベルが立ち上がるため、ほとんどスタート直後からスプールを動かすことができる。
特開平4−354793号公報
スプールに作用する抵抗は作動油の温度や流量などの条件により変化する。作動油は温度が低くなると粘度が高くなるため、スプールに作用する抵抗が大きくなる。作動油が電磁比例弁を通過する際にはスプールにフローフォース(流体力)が作用する。作動油の流量が大きくなるとフローフォースが大きくなるため、スプールに作用する抵抗が大きくなる。そのため、電磁比例弁の不感帯は作動油の条件により変化する。前記特許文献1の技術ではジャンプ値を一定の値としているため、場合によっては不感帯の影響を十分に低減できないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、作動油の条件によらず不感帯の影響を低減できる電磁弁の制御装置を提供することを目的とする。
第1発明の電磁弁の制御装置は、パルス幅変調制御によりスプールが駆動される電磁弁の制御装置であって、前記電磁弁のソレノイドに駆動パルスを出力する制御部と、前記電磁弁のスプール位置を検出する位置検出器と、を備え、前記制御部は、スプール位置の目標値と前記位置検出器の検出値との偏差から、不感帯を考慮しない一次パルス幅を求め、前記一次パルス幅に前記制御部に記憶された底上値を加算して、不感帯を考慮した二次パルス幅を求め、前記二次パルス幅を有する前記駆動パルスを前記ソレノイドに出力し、予め記憶されたパルス幅と1パルス当りのスプール変位と最小パルス幅との関係から、前記二次パルス幅と前記位置検出器の検出値から求めた1パルス当りのスプール変位とに対応する最小パルス幅を求め、求めた最小パルス幅で前記底上値を更新することを特徴とする。
第2発明の電磁弁の制御装置は、駆動電流に比例してスプール位置が制御される電磁弁の制御装置であって、前記電磁弁のソレノイドに駆動電流を出力する制御部と、前記電磁弁のスプール位置を検出する位置検出器と、を備え、前記制御部は、スプール位置の目標値と前記位置検出器の検出値との偏差から、不感帯を考慮しない一次電流値を求め、前記一次電流値に前記制御部に記憶された底上値を加算して、不感帯を考慮した二次電流値を求め、前記二次電流値を有する前記駆動電流を前記ソレノイドに出力し、予め記憶された電流値とスプール位置と最小電流値との関係から、前記二次電流値と前記位置検出器の検出値とに対応する最小電流値を求め、求めた最小電流値で前記底上値を更新することを特徴とする。
第1発明によれば、底上値を最小パルス幅の変動に従い常に最適な値に更新するので、作動油の条件によらず不感帯の影響を低減できる。その結果、常に操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
第2発明によれば、底上値を最小電流値の変動に従い常に最適な値に更新するので、作動油の条件によらず不感帯の影響を低減できる。その結果、常に操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
第1実施形態に係る制御装置1の説明図である。 高速応答弁30の駆動パルスの説明図である。 高速応答弁30のパルス幅Wと1パルス当りのスプール変位Dとの関係の説明図である。 高速応答弁30の制御系のブロック線図である。 制御部10の処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置2の説明図である。 電磁比例弁70の駆動電流Aとスプール位置Sとの関係の説明図である。 第2実施形態に係る制御装置2のブロック線図である。 制御部50の処理のフローチャートである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る制御装置1は、パルス幅変調(PWM: pulse width modulation)制御によりスプールが駆動される電磁弁の制御装置である。このようなタイプの電磁弁は高速応答弁と称される。
(高速応答弁30)
まず、高速応答弁30を説明する。
図1に示すように、本実施形態の高速応答弁30は、4ポート3位置の方向流量制御弁である。例えば、高速応答弁30は、油圧ポンプ41と油圧シリンダ42との間に設けられ、油圧ポンプ41から油圧シリンダ42に供給される作動油の方向や流量を制御するのに用いられる。
なお、図1に示す油圧回路は一例であり、高速応答弁30の用途は特に限定されない。高速応答弁30が用いられる油圧回路はクレーンをはじめとする油圧機械に用いられるが、その用途は特に限定されない。作動油の供給先は油圧シリンダ42に限定されず、油圧モータなどの他の油圧アクチュエータでもよいし、油圧アクチュエータ以外の機器でもよい。高速応答弁30のポートの数や切換位置の数は特に限定されない。
高速応答弁30のスプール31にはパイロットシリンダ32が取り付けられている。パイロットシリンダ32の動作によりスプール31が駆動される。パイロットシリンダ32は複動形シリンダである。パイロットシリンダ32には、右側油室へのパイロット油の給排を行なう電磁弁33Rと、左側油室へのパイロット油の給排を行なう電磁弁33Lとが接続されている。電磁弁33R、33LはON−OFF弁であり、それぞれに設けられたソレノイドSR、SLの駆動によりONとOFFが切り換えられる。
電磁弁33RをON(ソレノイドSRをON)にするとパイロットシリンダ32の右側油室にパイロット油を供給する。電磁弁33RをOFF(ソレノイドSRをOFF)にするとパイロットシリンダ32の右側油室からパイロット油を排出する。同様に、電磁弁33LをON(ソレノイドSLをON)にするとパイロットシリンダ32の左側油室にパイロット油を供給する。電磁弁33LをOFF(ソレノイドSLをOFF)にするとパイロットシリンダ32の左側油室からパイロット油を排出する。
電磁弁33R、33LのON/OFFを制御することで、パイロットシリンダ32を動作させ、スプール31を駆動できる。より詳細には、電磁弁33RをOFFに、電磁弁33LをONにすると、パイロットシリンダ32の右側油室からパイロット油が排出されるとともに左側油室にパイロット油が供給され、スプール31が右側に動かされる。電磁弁33LをOFFに、電磁弁33RをONにすると、パイロットシリンダ32の左側油室からパイロット油が排出されるとともに右側油室にパイロット油が供給され、スプール31が左側に動かされる。両方の電磁弁33R、33LをONにすると、パイロットシリンダ32の両側の油室がパイロット圧となり、スプール31の位置が固定される。なお、スプール31およびパイロットシリンダ32の左右は便宜的に付したものであって、一方向と他方向を意味するにすぎない。
電磁弁33R、33LのON/OFFの切り換えはパルス幅変調制御により行われる。図2に示すように、ソレノイドSR、SLには一定の周期Tで駆動パルスが入力されている。周期Tの時間幅は特に限定されないが、一般的には数十ミリ秒オーダーである。駆動パルスのパルス幅Wを調整することで、スプール31が動く方向と速度を制御できる。パルス幅Wが短いほど1パルス当りのスプール変位が小さくなり、スプール31の動きが遅くなる。パルス幅Wが長いほど1パルス当りのスプール変位が大きくなり、スプール31の動きが速くなる。なお、本実施形態ではソレノイドSR、SLは基本的にONの状態であり、OFFの状態のパルス幅Wが調整される。
図2はスプール31を左側に駆動する場合を示している。この場合、ソレノイドSRに入力される駆動パルスのパルス幅Wは0に調整される。すなわちソレノイドSRは常にONである。ソレノイドSLに入力される駆動パルスのパルス幅Wは所定の幅に調整される。
図3に示すように、パルス幅Wが長くなるほど1パルス当りのスプール変位Dが大きくなる。しかし、パルス幅Wが0の近傍には、パルス幅Wが0でないにもかかわらずスプール変位Dが0となる領域がある。本実施形態ではこの領域を「不感帯」と称する。不感帯では、ソレノイドSR、SLに駆動パルスを出力しているにもかかわらず、スプール31が動かない。この不感帯はスプール31に作用する抵抗により生じる。
本実施形態では、スプール31の変位が生じるのに必要なパルス幅Wの最小値を最小パルス幅Wminと称する。最小パルス幅Wminは不感帯の幅と同一である。前述のごとく、スプール31に作用する抵抗は作動油の温度や流量などの条件により変化する。一定の条件下ではパルス幅Wとスプール変位Dとの関係は一意に決まる。作動油の条件が変わると、パルス幅Wとスプール変位Dとの関係も変わる。具体的には、スプール31に作用する抵抗が大きくなると、パルス幅Wとスプール変位Dとの関係が、パルス幅Wが大きくなる方向にシフトする。逆に、スプール31に作用する抵抗が小さくなると、パルス幅Wとスプール変位Dとの関係が、パルス幅Wが小さくなる方向に変位する。これにともない、不感帯の幅、すなわち最小パルス幅Wminも作動油の条件により増減する。
(制御装置1)
つぎに、本実施形態の制御装置1を説明する。
図1に示すように、制御装置1は制御部10と位置検出器20とを備えている。制御部10はCPUやメモリなどで構成されたコンピュータである。制御部10はソレノイドSR、SLに接続されており、これらに駆動パルスを出力して高速応答弁30を制御する。
制御部10には操作機器43の操作信号が入力されている。操作機器43としては特に限定されないが、レバーや無線操作端末が挙げられる。また、制御部10に他の制御機器からの操作信号が入力される構成でもよい。例えば、制御部10にはレバーの操作量(傾倒量)が入力される。制御部10はレバーの操作量に従って、高速応答弁30のスプール位置を制御する。
高速応答弁30のスプール31にはスプール位置を検出する位置検出器20が取り付けられている。位置検出器20の検出値は制御部10に入力されている。位置検出器20としては特に限定されないが、作動トランスやポテンショメータが挙げられる。
図4に高速応答弁30の制御系のブロック線図を示す。
制御部10は、減算部11、PWM演算部12、加算部13、最小パルス幅演算部14およびパルス発生器15からなる。このうち、減算部11、PWM演算部12、加算部13および最小パルス幅演算部14は、制御部10のCPUがメモリに記憶されたソフトウエアを実行することで実現される。なお、これらの一部または全部を電子回路で構成してもよい。パルス発生器15は指定されたパルス幅を有する駆動パルスを出力する駆動回路である。
図4中rはスプール位置の目標値である。目標値rは操作機器43などの操作信号に従って設定される。減算部11はスプール位置の目標値rから位置検出器20の検出値Sを減算して、目標値rと検出値Sとの偏差Eを求める。
PWM演算部12は公知の方法で偏差Eから駆動パルスに必要なパルス幅W1を求める。一般的には、偏差Eが小さいほどパルス幅W1を小さくし、偏差Eが大きいほどパルス幅W1を大きくする。PWM演算部12が求めたパルス幅W1は不感帯が考慮されていない。以下、PWM演算部12が求めた不感帯を考慮しないパルス幅W1を一次パルス幅W1と称する。
加算部13は一次パルス幅W1に底上値Wrを加算して二次パルス幅W2を求める。ここで、底上値Wrは最小パルス幅演算部14から取得される。最小パルス幅演算部14による底上値Wrの演算方法は後に説明する。二次パルス幅W2には底上値Wrが加算されているので、一次パルス幅W1が不感帯に属する場合でも、強制的にパルス幅を大きくし、スプール31を動かすことができる。すなわち、不感帯の影響を低減できる。このように、二次パルス幅W2は不感帯が考慮されたパルス幅である。
パルス発生器15は、二次パルス幅W2を有する駆動パルスを生成してソレノイドSR、SLに出力する。そうすると、高速応答弁30のスプール31が駆動する。なお、ソレノイドSRおよびSLのいずれに駆動パルスを出力するかは、スプール31を動かす方向に依存する。スプール31を右側に駆動するにはソレノイドSRに駆動パルスが出力される。スプール31を左側に駆動するにはソレノイドSLに駆動パルスが出力される。左右の別は偏差Eの正負により判定できる。
制御部10には位置検出器20の検出値Sがフィードバックされている。検出値Sは減算部11に入力されるとともに、最小パルス幅演算部14に入力されている。また、最小パルス幅演算部14には二次パルス幅W2が入力されている。最小パルス幅演算部14は以下の手順で検出値Sと二次パルス幅W2から最小パルス幅Wminを求める。
制御部10のメモリには、予め、種々の条件におけるパルス幅Wと1パルス当りのスプール変位Dと最小パルス幅Wminとの関係が記憶されている。例えば、図3に示すように、種々のパルス幅Wに対するスプール変位Dを試験により求めて、パルス幅Wとスプール変位Dとの関係を関数(D=f(W))として記憶すればよい。この場合、種々の条件、すなわち異なる最小パルス幅Wminを有する複数の関数を記憶する。また、関数に代えて、種々の条件におけるパルス幅Wとスプール変位Dと最小パルス幅Wminとの関係をテーブル形式で記憶してもよい。
なお、最小パルス幅Wminは直接記憶されていなくてもよい。例えば、パルス幅Wに対するスプール変位Dを関数(D=f(W))として記憶する場合には、スプール変位Dが0となるパルス幅Wから最小パルス幅Wminを求めることができる。このように、「パルス幅と1パルス当りのスプール変位と最小パルス幅との関係」には、パルス幅Wとスプール変位Dから最小パルス幅Wminを求めることができる情報が含まれていればよい。
まず、最小パルス幅演算部14は、位置検出器20の検出値Sから今回のスプール変位Diを求める。最小パルス幅演算部14には駆動パルスの一周期ごとに検出値Sが入力されている。最小パルス幅演算部14は前回の駆動パルスにおける検出値Si-1を保持している。最小パルス幅演算部14は今回の駆動パルスにおける検出値Siから前回の駆動パルスにおける検出値Si-1を減算することで、今回のスプール変位Diを求める。
つぎに、最小パルス幅演算部14は、記憶されたパルス幅Wとスプール変位Dと最小パルス幅Wminとの関係から、二次パルス幅W2と今回のスプール変位Diとに対応する最小パルス幅Wminを求める。図3に示すように、パルス幅Wに対するスプール変位Dが関数として記憶されている場合には、複数の関数のうち、二次パルス幅W2におけるスプール位置D(W2)(=f(W2))が今回のスプール変位Diに近い関数を選択する。そして選択した関数のスプール変位Dが0となるパルス幅Wを最小パルス幅Wminとする。パルス幅Wとスプール変位Dと最小パルス幅Wminとの関係がテーブル形式で記憶されている場合には、そのテーブルから二次パルス幅W2と今回のスプール変位Diとに対応する最小パルス幅Wminを取得する。
最小パルス幅演算部14は、以上のように求めた最小パルス幅Wminで底上値Wrを更新する。すなわち、底上値Wrに最小パスル幅Wminを代入する。この底上値Wrは次回の周期において加算部13に入力され、二次パルス幅W2の演算に用いられる。
つぎに、図5に基づき、制御部10の処理を説明する。
まず、制御部10は操作機器43などの操作信号にしたがってスプール位置の目標値rを設定する。また、制御部10には位置検出器20の検出値Sが入力されている。減算部11は目標値rから検出値Sを減算して偏差Eを求める(ステップS101)。
つぎに、PWM演算部12は偏差Eから、不感帯を考慮しない一次パルス幅W1を求める(ステップS102)。
つぎに、加算部13は一次パルス幅W1に底上値Wrを加算して、不感帯を考慮した二次パルス幅W2を求める(ステップS103)。ここで、底上値Wrとして制御部10のメモリに一時記憶された値を用いる。
つぎに、パルス発生器15は、二次パルス幅W2を有する駆動パルスを生成してソレノイドSR、SLに出力する(ステップS104)。そうすると、高速応答弁30のスプール31が駆動する。二次パルス幅W2には底上値Wrが加算されているので、一次パルス幅W1が不感帯に属する場合でも、強制的にパルス幅を大きくし、スプール31を動かすことができる。そのため、不感帯の影響を低減できる。その結果、操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
つぎに、最小パルス幅演算部14は二次パルス幅W2と位置検出器20の検出値Sとから最小パルス幅Wminを求める。求めた最小パルス幅Wminで制御部10のメモリに記憶された底上値Wrを更新する(ステップS105)。
以上のステップS101からS105は、駆動パルスの一周期の間に処理される。そして、駆動パルスの周期にあわせて繰り返し処理される。ステップS105で更新された底上値Wrは、次回の周期のステップS103において二次パルス幅W2の演算に用いられる。
以上のように、底上値Wrは最小パルス幅Wminの変動に従い常に最適な値に更新される。作動油の温度や流量などの条件が変化して不感帯が増減しても、それに追従して底上値Wrを増減させることができる。そのため、作動油の条件によらず不感帯の影響を低減できる。その結果、常に操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
なお、本実施形態では、駆動パルスの一周期ごとに底上値Wrを更新するよう構成したが、所定周期数ごとまたは所定時間ごとに底上値Wrを更新するよう構成してもよい。駆動パルスの周期(数十ミリ秒オーダー)に対して不感帯の時間変化は緩やかである。そのため、底上値Wrの更新周期は駆動パルスの周期より長くでも十分である。また、このような構成とすれば、制御部10の演算負荷を低減できる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る制御装置2は、駆動電流に比例してスプール位置が制御される電磁弁の制御装置である。このようなタイプの電磁弁は電磁比例弁と称される。
(電磁比例弁70)
まず、電磁比例弁70を説明する。
図6に示すように、本実施形態の電磁比例弁70は、4ポート3位置の方向流量制御弁である。例えば、電磁比例弁70は、油圧ポンプ41と油圧シリンダ42との間に設けられ、油圧ポンプ41から油圧シリンダ42に供給される作動油の方向や流量を制御するのに用いられる。
なお、図6に示す油圧回路は一例であり、電磁比例弁70の用途は特に限定されない。電磁比例弁70が用いられる油圧回路はクレーンをはじめとする油圧機械に用いられるが、その用途は特に限定されない。作動油の供給先は油圧シリンダ42に限定されず、油圧モータなどの他の油圧アクチュエータでもよいし、油圧アクチュエータ以外の機器でもよい。電磁比例弁70のポートの数や切換位置の数は特に限定されない。
電磁比例弁70のスプールには左右にソレノイドSR、SLが取り付けられている。ソレノイドSR、SLがスプールを押す力とスプリングがスプールを押す力とがバランスする位置でスプールが止まる。ソレノイドSR、SLがスプールを押す力は駆動電流に比例する。ソレノイドSR、SLの駆動電流を増減させてソレノイドSR、SLがスプールを押す力を調整することで、スプール位置を制御する。
両方のソレノイドSR、SLの駆動電流を0にすると、スプリングの付勢によりスプールは中立位置となる。ソレノイドSRの駆動電流を高くするに従い、スプールが右側に動かされる。同様に、ソレノイドSLの駆動電流を高くするに従い、スプールが左側に動かされる。なお、スプールの左右は便宜的に付したものであって、一方向と他方向を意味するにすぎない。
図7に示すように、駆動電流Aが高くなるほどスプール位置Sが中立位置から遠ざかる。しかし、駆動電流Aが0の近傍には、駆動電流Aが0でないにもかかわらずスプール位置Aが0(中立位置)となる領域がある。本実施形態ではこの領域を「不感帯」と称する。不感帯では、ソレノイドSR、SLに駆動電流を出力しているにもかかわらず、スプールが中立位置から動かない。この不感帯はスプールに作用する抵抗により生じる。
本実施形態では、スプールが中立位置から変位するのに必要な駆動電流Aの最小値を最小電流値Aminと称する。最小電流値Aminは不感帯の幅と同一である。前述のごとく、スプールに作用する抵抗は作動油の温度や流量などの条件により変化する。一定の条件下では駆動電流Aとスプール位置Sとの関係は一意に決まる。作動油の条件が変わると、駆動電流Aとスプール位置Sとの関係も変わる。具体的には、スプールに作用する抵抗が大きくなると、駆動電流Aとスプール位置Sとの関係が、駆動電流Aが大きくなる方向にシフトする。逆に、スプールに作用する抵抗が小さくなると、駆動電流Aとスプール位置Sとの関係が、駆動電流Aが小さくなる方向に変位する。これにともない、不感帯の幅、すなわち最小電流値Aminも作動油の条件により増減する。
(制御装置2)
つぎに、本実施形態の制御装置2を説明する。
図6に示すように、制御装置2は制御部50と位置検出器60とを備えている。制御部50はCPUやメモリなどで構成されたコンピュータである。制御部50はソレノイドSR、SLに接続されており、これらに駆動電流を出力して電磁比例弁70を制御する。
制御部50には操作機器43の操作信号が入力されている。操作機器43としては特に限定されないが、レバーや無線操作端末が挙げられる。また、制御部50に他の制御機器からの操作信号が入力される構成でもよい。例えば、制御部50にはレバーの操作量(傾倒量)が入力される。制御部50はレバーの操作量に従って、電磁比例弁70のスプール位置を制御する。
電磁比例弁70のスプールにはスプール位置を検出する位置検出器60が取り付けられている。位置検出器60の検出値は制御部50に入力されている。位置検出器60としては特に限定されないが、作動トランスやポテンショメータが挙げられる。
図8に電磁比例弁70の制御系のブロック線図を示す。
制御部50は、減算部51、PID演算部52、加算部53、最小電流値演算部54および電流発生器55からなる。このうち、減算部51、PID演算部52、加算部53および最小電流値演算部54は、制御部50のCPUがメモリに記憶されたソフトウエアを実行することで実現される。なお、これらの一部または全部を電子回路で構成してもよい。電流発生器55は指定された電流値を有する駆動電流を出力する駆動回路である。
図8中rはスプール位置の目標値である。目標値rは操作機器43などの操作信号に従って設定される。減算部51はスプール位置の目標値rから位置検出器60の検出値Sを減算して、目標値rと検出値Sとの偏差Eを求める。
PID演算部52は公知のPID制御により偏差Eから駆動電流に必要な電流値A1を求める。PID演算部52が求めた電流値A1は不感帯が考慮されていない。以下、PID演算部52が求めた不感帯を考慮しない電流値A1を一次電流値A1と称する。
加算部53は一次電流値A1に底上値Arを加算して二次電流値A2を求める。ここで、底上値Arは最小電流値演算部54から取得される。最小電流値演算部54による底上値Arの演算方法は後に説明する。二次電流値A2には底上値Arが加算されているので、一次電流値A1が不感帯に属する場合でも、強制的に電流値を大きくし、スプール31を動かすことができる。すなわち、不感帯の影響を低減できる。このように、二次電流値A2は不感帯が考慮された電流値である。
電流発生器55は、二次電流値A2を有する駆動電流を生成してソレノイドSR、SLに出力する。そうすると、電磁比例弁70のスプールが駆動する。なお、ソレノイドSRおよびSLのいずれに駆動パルスを出力するかは、スプールを動かす方向に依存する。スプールを右側に駆動するにはソレノイドSRに駆動電流が出力される。スプールを左側に駆動するにはソレノイドSLに駆動電流が出力される。左右の別は偏差Eの正負により判定できる。
制御部50には位置検出器60の検出値Sがフィードバックされている。検出値Sは減算部51に入力されるとともに、最小電流値演算部54に入力されている。また、最小電流値演算部54には二次電流値A2が入力されている。最小電流値演算部54は以下の手順で検出値Sと二次電流値A2から最小電流値Aminを求める。
制御部50のメモリには、予め、種々の条件における駆動電流の電流値Aとスプール位置Sと最小電流値Aminとの関係が記憶されている。例えば、図7に示すように、種々の電流値Aに対するスプール位置Sを試験により求めて、電流値Aとスプール位置Sとの関係を関数(S=f(A))として記憶すればよい。この場合、種々の条件、すなわち異なる最小電流値Aminを有する複数の関数を記憶する。また、関数に代えて、種々の条件における電流値Aとスプール変位Dと最小電流値Aminとの関係をテーブル形式で記憶してもよい。
なお、最小電流値Aminは直接記憶されていなくてもよい。例えば、電流値Aに対するスプール位置Sを関数(S=f(A))として記憶する場合には、スプール位置Sが0となる電流値Aから最小電流値Aminを求めることができる。このように、「電流値とスプール位置と最小電流値との関係」には、電流値Aとスプール位置Sから最小電流値Aminを求めることができる情報が含まれていればよい。
最小電流値演算部54は、記憶された電流値Aとスプール位置Sと最小電流値Aminとの関係から、二次電流値A2と位置検出器60の検出値Sとに対応する最小電流値Aminを求める。図7に示すように、電流値Aに対するスプール位置Sが関数として記憶されている場合には、複数の関数のうち、二次電流値A2におけるスプール位置S(A2)(=f(A2))が検出値Sに近い関数を選択する。そして選択した関数のスプール位置Sが0となる電流値Aを最小電流値Aminとする。電流値Aとスプール位置Sと最小電流値Aminとの関係がテーブル形式で記憶されている場合には、そのテーブルから二次電流値A2と検出値Sとに対応する最小電流値Aminを取得する。
最小電流値演算部54は、以上のように求めた最小電流値Aminで底上値Arを更新する。すなわち、底上値Arに最小電流値Aminを代入する。この底上値Arは加算部53に入力され、二次電流値A2の演算に用いられる。
つぎに、図9に基づき、制御部50の処理を説明する。
まず、制御部50は操作機器43などの操作信号にしたがってスプール位置の目標値rを設定する。また、制御部50には位置検出器60の検出値Sが入力されている。減算部51は目標値rから検出値Sを減算して偏差Eを求める(ステップS201)。
つぎに、PID演算部52は偏差Eから、不感帯を考慮しない一次電流値A1を求める(ステップS202)。
つぎに、加算部53は一次電流値A1に底上値Arを加算して、不感帯を考慮した二次電流値A2を求める(ステップS203)。ここで、底上値Arとして制御部50のメモリに一時記憶された値を用いる。
つぎに、電流発生器55は、二次電流値A2を有する駆動電流を生成してソレノイドSR、SLに出力する(ステップS204)。そうすると、電磁比例弁70のスプールが駆動する。二次電流値A2には底上値Arが加算されているので、一次電流値A1が不感帯に属する場合でも、強制的に電流値を大きくし、スプールを動かすことができる。そのため、不感帯の影響を低減できる。その結果、操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
つぎに、最小電流値演算部54は二次電流値A2と位置検出器60の検出値Sとから最小電流値Aminを求める。求めた最小電流値Aminで制御部10のメモリに記憶された底上値Arを更新する(ステップS205)。
以上のステップS201からS205は繰り返し処理される。ステップS205で更新された底上値Arは、次回のステップS203において二次電流値A2の演算に用いられる。
以上のように、底上値Arは最小電流値Aminの変動に従い常に最適な値に更新される。作動油の温度や流量などの条件が変化して不感帯が増減しても、それに追従して底上値Arを増減させることができる。そのため、作動油の条件によらず不感帯の影響を低減できる。その結果、常に操作開始時の遅れを低減でき、微小操作時の応答性を良くできる。
なお、制御部50の処理周期ごとに底上値Arを更新するように構成してもよいし、電磁比例弁70のスプールが中立位置に戻った時に底上値Arを更新するよう構成してもよい。電磁比例弁70の場合、不感帯の影響が出るのはスプールが中立位置から動き始める時のみである。そのため、スプールが中立位置に戻った時に底上値Arを更新する構成とすれば、十分に不感帯の影響を低減できる。
1、2 制御装置
10 制御部
11 減算部
12 PWM演算部
13 加算部
14 最小パルス幅演算部
15 パルス発生器
20 位置検出器
30 高速応答弁
50 制御部
51 減算部
52 PID演算部
53 加算部
54 最小電流値演算部
55 電流発生器
60 位置検出器
70 電磁比例弁

Claims (2)

  1. パルス幅変調制御によりスプールが駆動される電磁弁の制御装置であって、
    前記電磁弁のソレノイドに駆動パルスを出力する制御部と、
    前記電磁弁のスプール位置を検出する位置検出器と、を備え、
    前記制御部は、
    スプール位置の目標値と前記位置検出器の検出値との偏差から、不感帯を考慮しない一次パルス幅を求め、
    前記一次パルス幅に前記制御部に記憶された底上値を加算して、不感帯を考慮した二次パルス幅を求め、
    前記二次パルス幅を有する前記駆動パルスを前記ソレノイドに出力し、
    予め記憶されたパルス幅と1パルス当りのスプール変位と最小パルス幅との関係から、前記二次パルス幅と前記位置検出器の検出値から求めた1パルス当りのスプール変位とに対応する最小パルス幅を求め、
    求めた最小パルス幅で前記底上値を更新する
    ことを特徴とする電磁弁の制御装置。
  2. 駆動電流に比例してスプール位置が制御される電磁弁の制御装置であって、
    前記電磁弁のソレノイドに駆動電流を出力する制御部と、
    前記電磁弁のスプール位置を検出する位置検出器と、を備え、
    前記制御部は、
    スプール位置の目標値と前記位置検出器の検出値との偏差から、不感帯を考慮しない一次電流値を求め、
    前記一次電流値に前記制御部に記憶された底上値を加算して、不感帯を考慮した二次電流値を求め、
    前記二次電流値を有する前記駆動電流を前記ソレノイドに出力し、
    予め記憶された電流値とスプール位置と最小電流値との関係から、前記二次電流値と前記位置検出器の検出値とに対応する最小電流値を求め、
    求めた最小電流値で前記底上値を更新する
    ことを特徴とする電磁弁の制御装置。
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