JP2018146087A - 電磁比例弁の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を適切に設定可能な電磁比例弁の制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】電磁比例弁の制御装置は、無段変速機の油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御を行う電磁比例弁の制御装置において、作動油の制御油圧の情報を取得する取得部と、制御油圧の振幅の情報に基づいて電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定するディザ設定部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、電磁比例弁の制御装置及び制御方法に関する。
無段変速機(以下、「CVT(Continuously Variable Transmission)」ともいう)は、ベルトやチェーンが巻き掛けられたプライマリプーリ及びセカンダリプーリの溝幅を変化させることで連続的な変速比の切り換えを可能とした変速機である。無段変速機の各プーリの溝幅は油圧室に供給する制御油圧を調節することによって可変となっている。無段変速機の各プーリの油圧室に制御油圧を供給する油圧システムでは、電磁比例弁に供給する電流を制御することにより制御油圧が調節される。電磁比例弁はアーマチャ(可動鉄心)の摺動摩擦や電磁的な要因によってヒステリシスを生じ得る。このため電磁比例弁を備えた油圧システムでは、電磁比例弁のヒステリシスを低減するために電磁比例弁の制御信号にディザ信号を重畳させている。ディザ信号を付加することにより電磁比例弁のアーマチャが微少振動し、アーマチャの摺動摩擦や電磁的な要因によるヒステリシスを低減することができる。
電磁比例弁により油圧を制御する油圧システムにおいては、ヒステリシスが作動油の油温に依存して大きく変化する。これに対して特許文献1にはディザ信号の条件を作動油の油温に応じて変更する技術が開示されている。具体的に特許文献1の油圧システムでは油温が所定値以上のときに高油温用のディザが使用され、油温が所定値未満のときに低油温用のディザが使用される。
特開2012−021629号公報
しかしながら特許文献1に開示された技術では、あらかじめ設定された高油温用のディザと低油温用のディザとが使い分けされることから、油圧システムの構成部品の個体差や想定外の作動油の汚染等の多くの場合に対応できないおそれがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を適切に設定可能な電磁比例弁の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、無段変速機の油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御を行う電磁比例弁の制御装置において、作動油の制御油圧の情報を取得する取得部と、制御油圧の振幅の情報に基づいて電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定するディザ設定部とを備える電磁比例弁の制御装置が提供される。
また、本発明によれば、コンピュータにより無段変速機の油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御を行う電磁比例弁の制御方法において、電磁比例弁により制御される制御油圧の振幅の情報を取得するステップと、制御油圧の振幅の情報に基づいて、電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定するステップと、ディザ信号を重畳させた制御信号を出力させるステップとを備える電磁比例弁の制御方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、油圧システムに設けられた電磁比例弁の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を適切に設定することができる。
自動変速機構のプーリの油圧室に制御油圧を供給する油圧システムの模式図である。 本発明の実施の形態に係る電磁比例弁の制御装置の構成例を示すブロック図である。 同実施形態に係る電磁比例弁の制御処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る電磁比例弁の制御装置によるディザ信号の条件の設定方法を示す説明図である。 同実施形態に係る油圧振幅の差分とディザ信号の補正量との関係を示す説明図である。 変速状態と制御油圧ヒステリシスとの関係を示す説明図である。 電流値と電磁力ヒステリシスとの関係を示す説明図である。 制御油圧の大きさと制御油圧ヒステリシスとの関係を示す説明図である。 同実施形態に係るディザ信号の条件の設定処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る油圧振幅に基づく第1のディザ補正量の設定処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る変速状態に基づく第2のディザ補正量の設定処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る要求電流値及び目標油圧に基づく第3のディザ補正量の設定処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る油圧システムの故障診断処理の第1の例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る油圧システムの故障診断処理の第2の例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお本明細書及び図面において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.油圧システム>
(1−1.油圧システムの構成例)
図1を参照して本発明の実施の形態に係る電磁比例弁の制御装置を適用可能な油圧システム10の構成例について説明する。図1は自動車等の車両のCVTの変速比を制御するための油圧システム10の一例を示している。油圧システム10はCVTのプライマリプーリの油圧室11P及びセカンダリプーリの油圧室11Sに供給する制御油圧を制御することにより各プーリに巻き掛けられるベルト又はチェーンの巻き付き径を変化させて変速比を制御する。各プーリは例えば固定シーブと可動シーブとを有する。油圧室11Sの油圧に応じて可動シーブがスラスト移動してプーリの溝幅が変化することによりベルト等の巻き付き径が変化する。
油圧システム10はポンプ51と、第1の電磁比例弁13Pと、第1の圧力制御弁17Pと、第2の電磁比例弁13Sと、第2の圧力制御弁17Sと、第1の圧力センサ25Pと、第2の圧力センサ25Sとを備える。ポンプ51は例えば車両のエンジンの出力を利用して駆動され、油圧室11P及び油圧室11Sに作動油を供給する。ポンプ51の吐出ポート51aは吐出ライン53に接続されている。第1の圧力センサ25Pはプライマリプーリの油圧室11Pに供給される制御油圧を検出する。第2の圧力センサ25Sはセカンダリプーリの油圧室11Sに供給される制御油圧を検出する。
プライマリプーリの油圧室11Pに供給する制御油圧の制御は第1の圧力制御弁17P及び第1の電磁比例弁13Pにより行われる。第1の圧力制御弁17Pはポンプ51から油圧室11Pへの作動油の供給のオンオフを切り換えて油圧室11Pに供給する制御油圧を制御する。第1の圧力制御弁17Pはパイロット作動型の弁であり、ピストン19Pを2つの位置に切り換える切換弁である。第1の圧力制御弁17Pのピストン19Pが図示した第1の位置にある場合、吐出ライン53と油圧室11Pに通じる圧力ライン23Pとは遮断され圧力ライン23Pとタンク59が連通する。また第1の圧力制御弁17Pのピストン19Pが第2の位置にある場合、吐出ライン53と圧力ライン23Pとが連通する。
第1の電磁比例弁13Pはピストン15Pを2つの位置に切り換える切換弁であり、第1の圧力制御弁17Pをパイロット操作する。第1の電磁比例弁13Pは図示しない制御装置により駆動される。第1の電磁比例弁13Pの非通電時にはピストン15Pの位置が図示した第1の位置にあり、第1の電磁比例弁13Pの通電時にはピストン15Pが図示の左側に移動してピストン15Pの位置が第2の位置に切り換えられる。第1の電磁比例弁13Pのピストン15Pが図示した第1の位置にある場合、吐出ライン53とパイロット圧供給ライン21Pとが遮断されパイロット圧供給ライン21Pとタンク59とが連通する。また第1の電磁比例弁13Pのピストン15Pが第2の位置にある場合、吐出ライン53とパイロット圧供給ライン21Pとが連通する。
セカンダリプーリの油圧室11Sに供給する制御油圧の制御は第2の圧力制御弁17S及び第2の電磁比例弁13Sにより行われる。第2の圧力制御弁17Sはポンプ51から油圧室11Sへの作動油の供給のオンオフを切り換えて油圧室11Sに供給する制御油圧を制御する。第2の圧力制御弁17Sはパイロット作動型の弁であり、ピストン19Sを2つの位置に切り換える切換弁である。第2の圧力制御弁17Sのピストン19Sが図示した第1の位置にある場合、吐出ライン53と油圧室11Sに通じる圧力ライン23Sとが連通する。また第2の圧力制御弁17Sのピストン19Sが第2の位置にある場合、吐出ライン53と圧力ライン23Sとは遮断され圧力ライン23Sとタンク59が連通する。
第2の電磁比例弁13Sはピストン15Sを2つの位置に切り換える切換弁であり、第2の圧力制御弁17Sをパイロット操作する。第2の電磁比例弁13Sは図示しない制御装置により駆動される。第2の電磁比例弁13Sの非通電時にはピストン15Sの位置が図示した第1の位置にあり、第2の電磁比例弁13Sの通電時にはピストン15Sが図示の左側に移動してピストン15Sの位置が第2の位置に切り換えられる。第2の電磁比例弁13Sのピストン15Sが図示した第1の位置にある場合、吐出ライン53とパイロット圧供給ライン21Sとが連通する。また第2の電磁比例弁13Sのピストン15Sが第2の位置にある場合、吐出ライン53とパイロット圧供給ライン21Sとが遮断されパイロット圧供給ライン21Sとタンク59とが連通する。
(1−2.油圧システムの動作例)
油圧システム10は以下のように動作する。エンジンが始動してポンプ51が作動すると、ポンプ51は吐出ライン53に作動油を吐出する。吐出ライン53に吐出された作動油は第1の圧力制御弁17P、第1の電磁比例弁13P、第2の圧力制御弁17S及び第2の電磁比例弁13Sに供給される。図示した油圧システム10において、CVTの変速比を大きくする場合、第1の電磁比例弁13P及び第2の電磁比例弁13Sへの通電量は増大させられる。第1の電磁比例弁13Pへの通電量が増大すると、ピストン15Pの位置が図示した第1の位置から第2の位置に切り換わる。そうするとパイロット圧供給ライン21Pを介して第1の圧力制御弁17Pに作動油が供給される。この作動油の圧力がパイロット圧となって、第1の圧力制御弁17Pのピストン19Pの位置は図示した第1の位置から第2の位置に切り換わる。これにより第1の圧力制御弁17P及び圧力ライン23Pを介して作動油が油圧室11Pに供給され、油圧室11Pの油圧が上昇する。
一方第2の電磁比例弁13Sへの通電量が増大すると、ピストン15Sの位置が図示した第1の位置から第2の位置に切り換わる。そうするとパイロット圧供給ライン21Sの作動油がタンク59に戻され、第2の圧力制御弁17Sのパイロット圧が低下する。このため第2の圧力制御弁17Sのピストン19Sの位置は図示した第1の位置から第2の位置に切り換わる。これにより圧力ライン23S及び第2の圧力制御弁17Sを介して油圧室11Sの作動油がタンク59に戻され、油圧室11Sの油圧が低下する。
また図示した油圧システム10において、CVTの変速比を小さくする場合、第1の電磁比例弁13P及び第2の電磁比例弁13Sへの通電量は減少させられる。第1の電磁比例弁13Pへの通電量が減少すると、ピストン15Pの位置は図示した第1の位置に戻される。そうするとパイロット圧供給ライン21Pの作動油がタンク59に戻され、第1の圧力制御弁17Pのパイロット圧が低下する。このため第1の圧力制御弁17Pのピストン19Pの位置は図示した第1の位置に戻される。これにより圧力ライン23P及び第1の圧力制御弁17Pを介して油圧室11Pの作動油がタンク59に戻され、油圧室11Pの油圧が低下する。
一方第2の電磁比例弁13Sの通電量が減少すると、ピストン15Sの位置が図示した第1の位置に戻される。そうするとパイロット圧供給ライン21Sを介して第2の圧力制御弁17Sに作動油が供給される。この作動油の圧力がパイロット圧となって、第2の圧力制御弁17Sのピストン19Sの位置は図示した第1の位置に戻される。これにより第2の圧力制御弁17S及び圧力ライン23Sを介して作動油が油圧室11Sに供給され、油圧室11Sの油圧が上昇する。
<2.制御装置の構成例>
次に本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置の構成例について説明する。なお以下の説明においては、第1の電磁比例弁13P及び第2の電磁比例弁13Sを区別することなく電磁比例弁13と表記し、油圧室11P,11Sを区別することなく油圧室11と表記し、第1の圧力センサ25P及び第2の圧力センサ25Sを区別することなく圧力センサ25と表記する。
図2は電磁比例弁の制御装置100の構成例を示している。制御装置100はCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサを含む制御部110と、記憶部130と、駆動回路を含む電磁比例弁駆動部135とを備える。制御部110は取得部111と、油圧振幅算出部113と、ディザ設定部115と、電磁比例弁制御部117と、故障診断部119とを備える。これらの各部はプロセッサによるソフトウェアプログラムの実行により実現される機能となっている。
記憶部130はソフトウェアプログラム及び制御パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)や取得した情報、制御パラメータ及び演算処理結果の情報等を記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶素子を含んでもよい。また記憶部130はCD−ROMやストレージ装置等の他の記憶媒体による記憶装置を含んでもよい。なお、制御部110の一部又は全部はCPUやMPU等のプロセッサにより構成される以外に、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよく、またCPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
取得部111はセンサや他の制御装置から演算処理に用いる情報を取得する。本実施形態において取得部111は圧力センサ25により検出される制御油圧P_detの情報を取得する。例えば取得部111は少なくとも電磁比例弁13の制御信号に重畳させたディザ信号に起因する油圧振幅値Ap_actを算出できる程度の時間間隔で検出された制御油圧P_detの情報を取得する。取得部111は制御油圧P_detの情報を圧力センサ25から直接受け取ってもよく、あるいは図示しない他の制御装置を介して受け取ってもよい。
また取得部111は車両の加速度指令値Acc_cmd、CVTの変速速度指令値Vc_cmd及び油圧変化率指令値Rp_cmd等のCVTの変速状態の情報を取得してもよい。CVTの変速速度指令値Vc_cmd及び油圧変化率指令値Rp_cmdは例えば車両の加速要求やエンジン回転数、エンジントルク等の情報に基づいて設定される値である。取得部111はこれらの変速状態の情報を、例えば車両の駆動力を制御する図示しない制御装置から受け取ってもよい。さらに取得部111は電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtの情報を受け取ってもよい。この他取得部111は電磁比例弁13及び圧力制御弁17に供給されるライン圧の情報、作動油の油温の情報、電磁比例弁13の温度の情報及び油圧システム10の雰囲気温度等の情報を取得してもよい。なお取得部111がある情報を「取得する」ことには、センサの出力情報又は制御装置100の他の各部によって算出された情報を取得することだけでなく、取得部111自身がある情報を演算により求めることを含む。
油圧振幅算出部113は取得部111が取得した制御油圧P_detの情報に基づいて油圧振幅値Ap_actを算出する。算出される油圧振幅値Ap_actは電磁比例弁13の制御信号に重畳させたディザ信号に起因する制御油圧P_detの振幅の大きさの情報として用いられる。
ディザ設定部115は電磁比例弁13の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定する。ディザ設定部115はディザ信号の条件としてディザ信号の振幅Ad及び周波数Fdを設定する。本実施形態においてディザ設定部115は少なくとも油圧振幅算出部113が算出した油圧振幅値Ap_actの情報に基づいてディザ信号の条件を設定する。ディザ設定部115はさらにCVTの変速状態の情報に基づいてディザ信号の条件を設定してもよい。ディザ設定部115はさらに電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び油圧室11の目標油圧P_tgtのうちの少なくとも一方の情報に基づいてディザ信号の条件を設定してもよい。この他ディザ設定部115は油圧システム10のいずれかの位置で検出し得る作動油の温度(油温)Toの情報に基づいてディザ信号の条件を設定してもよい。
電磁比例弁制御部117は電磁比例弁13の要求電流値I_tgtを算出するとともに要求電流値I_tgtに基づいて駆動指令信号を生成し、電磁比例弁駆動部135に出力する。例えば電磁比例弁制御部117は要求電流値I_tgt及び油圧変化率指令値Rp_cmdに基づいて電磁比例弁13に制御信号を出力させるよう、電磁比例弁駆動部135に駆動指令信号を出力する。このとき電磁比例弁制御部117は制御信号にディザ信号を重畳させて出力するよう駆動指令信号を出力する。電磁比例弁駆動部135は入力された制御信号にしたがって電磁比例弁13の電磁コイル(アクチュエータ)に通電し、電磁比例弁13を駆動する。
故障診断部119は油圧振幅算出部113が算出した油圧振幅値Ap_actに基づいて油圧システム10の故障診断を行う。例えば故障診断部119は油圧振幅値Ap_actとディザ信号の条件の設定値D_setに応じた要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔApに基づいて油圧システム10の故障診断を行ってもよい。また故障診断部119はディザ設定部115が算出したディザ信号の条件の設定値D_setを用いて油圧システム10の故障診断を行ってもよい。
<3.制御装置の処理動作>
次に本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100の各部による処理動作について具体的に説明する。
(3−1.電磁比例弁の駆動制御処理)
図3は電磁比例弁13の駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。まず制御装置100の電磁比例弁制御部117は電磁比例弁13の要求電流値I_tgtを算出する(ステップS11)。例えば電磁比例弁制御部117は現在の変速比、変速比の目標値、検出される制御油圧P_det等の情報に基づいて電磁比例弁13の要求電流値I_tgtを算出する。
次いで制御装置100のディザ設定部115は電磁比例弁13の制御信号に付加するディザ信号の条件を設定する(ステップS13)。本実施形態においてディザ設定部115は少なくとも制御油圧P_detの振幅(油圧振幅値)Ap_actの情報に基づいてディザ信号の条件を設定する。具体的なディザ信号の条件の設定処理は後述する。
次いで電磁比例弁制御部117は要求電流値I_tgt及びディザ信号の条件に基づいて電磁比例弁駆動部135に対して駆動指令信号を出力する(ステップS15)。電磁比例弁制御部117は電磁比例弁駆動部135に対してディザ信号の条件に応じたディザ信号を重畳させて制御信号を出力するよう駆動指令信号を出力する。制御装置100は以上のステップS11〜ステップS15を一サイクルとする電磁比例弁13の駆動制御を繰り返し実行する。
(3−2.ディザ信号の条件設定処理)
(3−2−1.概略)
図4は本実施形態に係るディザ信号の条件を設定する処理の概略を示す模式図である。図4に示した例では、ディザ信号の条件の基準値(以下、「ディザ基準値」ともいう。)D_bsに対して第1のディザ補正、第2のディザ補正、第3のディザ補正及び追加ディザ補正が行われてディザ信号の条件の設定値(以下、「ディザ設定値」ともいう。)D_setが求められる。本実施形態においては圧力センサ25により検出される制御油圧P_detの振幅(油圧振幅値)Ap_actに基づいて行われる第1のディザ補正が必須とされる一方、第2のディザ補正、第3のディザ補正及び追加ディザ補正は省略されてもよい。
第1のディザ補正ではディザ基準値D_bsが油圧振幅値Ap_actをフィードバックすることにより補正あるいは更新される。例えばディザ基準値D_bsは油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔApに基づいて補正される。第2のディザ補正ではディザ基準値D_bsがCVTの作動状態の情報に基づいて補正あるいは更新される。第3のディザ補正ではディザ基準値D_bsが電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtのうちの少なくとも一方の情報に基づいて補正あるいは更新される。追加ディザ補正ではディザ基準値D_bsが油温To等のさらに別の情報に基づいて補正あるいは更新される。
ここでディザ基準値D_bsはディザ信号の振幅Ad及び周波数Fdの値を含んで構成される。CVTの作動状態は、作動要求の指令値、例えば変速速度指令値V_cmd、油圧変化率指令値Rp_cmd及び目標油圧P_tgt等の情報のうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。また補正後のディザ設定値D_setはディザ信号の振幅Ad_fin及び周波数Fd_finの値を含んで構成される。ディザ基準値D_bsを補正して求められたディザ設定値D_setが求められると、当該ディザ設定値D_setに応じてディザ信号が制御信号に重畳され、電磁比例弁13の駆動制御が行われる。これにより圧力制御弁17のパイロット圧が制御され油圧室11に供給される制御油圧P_detが制御される。この制御油圧P_detが再びフィードバックされディザ基準値D_bsの補正に用いられる。
第1のディザ補正においてディザ設定部115は例えば油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtに収束するようにディザ基準値D_bsを補正する。ディザ基準値D_bsはCVTの作動状態に基づいて設定される値である。要求圧力振幅値Ap_tgtはあらかじめ実験あるいはシミュレーションにより定められる、CVTの制御に最適な値である。図5は油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔAp(=Ap_act−Ap_tgt)の値と、ディザ信号の補正によるヒステリシス低減効果(ディザ効果)の増減度合いとの関係を示す説明図である。油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtよりも小さいほど(ΔAp<0)ディザ効果が増大するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。また油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtよりも大きいほどディザ効果が減少するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照して差分ΔApに応じたディザ信号の条件の補正量(以下、「第1のディザ補正量」ともいう。)を求めてもよい。
第2のディザ補正においてディザ設定部115は例えばCVTの変速状態に応じたディザ補正量(以下、「第2のディザ補正量」ともいう。)を設定してディザ基準値D_bsを補正してもよい。CVTの変速状態は例えばCVTを搭載した車両の加速度指令値Acc_cmd、変速速度指令値V_cmd及び油圧変化率指令値Rp_cmdのうちの少なくとも一つの情報であってもよい。図6は加速度指令値Acc_cmdと制御圧力ヒステリシスとの関係を示す説明図である。加速度指令値Acc_cmdが大きいほど制御圧力ヒステリシスは大きくなる。このため加速度指令値Acc_cmdが大きいほどディザ効果が増大するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。変速速度指令値V_cmd又は油圧変化率指令値Rp_cmdと制御圧力ヒステリシスとの関係も加速度指令値Acc_cmdと制御圧力ヒステリシスとの関係と同様になる。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照してそれぞれの変速状態の情報に応じたディザ補正量を求めてもよい。
第3のディザ補正においてディザ設定部115は例えば電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtのうちの少なくとも一つの情報に応じたディザ補正量(以下、「第3のディザ補正量」ともいう。)を設定してディザ基準値D_bsを補正してもよい。図7は電磁比例弁13の電流値と電磁力ヒステリシスとの関係を示す説明図である。電流値が大きいほど電磁力ヒステリシスは大きくなる。このため要求電流値I_tgtが大きいほどディザ効果が増大するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照して要求電流値I_tgtに応じたディザ補正量を求めてもよい。また図8は制御油圧P_detと制御油圧ヒステリシスとの関係を示す説明図である。制御油圧P_detが大きいほど制御油圧ヒステリシスは大きくなる。このため目標油圧P_tgtが大きいほどディザ効果が増大するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照して目標油圧P_tgtに応じたディザ補正量を求めてもよい。
第4のディザ補正においてディザ設定部115は例えば油温Toその他の情報に応じたディザ補正量(追加ディザ補正量)を設定してディザ基準値D_bsを補正してもよい。油温Toに基づいてディザ基準値D_bsを補正する場合、油温Toが低いほど作動油の粘度が増大し制御油圧ヒステリシスが生じやすくなるため、油温Toが低いほどディザ効果が増大するようにディザ基準値D_bsの補正が行われる。
第1のディザ補正量〜第3のディザ補正量及び追加ディザ補正量はディザ信号の振幅Ad及び周波数Fdのうちの少なくとも一方の値の補正量を含んで構成される。ディザ設定部115がディザ信号の振幅Adの増大及び周波数Fdの減少あるいはいずれか一方の補正を行うことによりディザ効果が増大する。またディザ設定部115がディザ信号の振幅Adの減少及び周波数Fdの増大あるいはいずれか一方の補正を行うことによりディザ効果が減少する。
なお図4には、制御油圧P_detの振幅値(油圧振幅値)Ap_actに基づいて油圧システム10の診断が行われることが併せて示されている。故障診断処理については後述する。
(3−2−2.フローチャート)
図9はディザ信号の条件設定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは図3に示すフローチャートのステップS13において実行される処理のフローチャートの具体例である。
まず制御装置100のディザ設定部115はCVTの作動状態に基づいてディザ基準値D_bsを設定する(ステップS21)。ディザ設定部115は例えば変速速度指令値V_cmd、油圧変化率指令値Rp_cmd及び目標油圧P_tgt等のCVTの作動状態の情報のうちの少なくとも一つの情報に基づいてディザ基準値D_bsを設定してもよい。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納されたディザ基準マップを参照してCVTの作動状態に基づいてディザ基準値D_bsを求めてもよい。
次いでディザ設定部115は油圧振幅値Ap_actに基づいて第1のディザ補正量を設定する(ステップS23)。図10は第1のディザ補正量設定処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートの例ではまず油圧振幅算出部113は、取得部111が取得した制御油圧P_detの情報に基づいて油圧振幅値Ap_actを算出する(ステップS31)。油圧振幅算出部113は例えば所定の時間間隔で取得された制御油圧P_detの変化率が正の値で推移するそれぞれの期間又は負の値で推移するそれぞれの期間における制御油圧P_detの最大値と最小値との差の値を油圧振幅値Ap_actとしてもよい。ただし油圧振幅値Ap_actの算出方法はこの例に限られない。
次いでディザ設定部115は算出された油圧振幅値Ap_actを要求圧力振幅値Ap_tgtと比較する(ステップS33)。例えばディザ設定部115は油圧振幅値Ap_actから要求圧力振幅値Ap_tgtを引いた差分ΔApを求める。要求圧力振幅値Ap_tgtはそれぞれのディザ基準値D_bsに対応する油圧振幅Apの基準値であり、ディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された要求油圧振幅マップを参照してディザ基準値D_bsに対応する要求圧力振幅値Ap_tgtを求めてもよい。
次いでディザ設定部115は油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの比較結果に基づいて第1のディザ補正量を算出する(ステップS35)。例えばディザ設定部115は油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtに収束するように第1のディザ補正量を設定する。本実施形態ではディザ設定部115は差分ΔApの値が小さいほどディザ効果が増大するように第1のディザ補正量を設定し、差分ΔApの値が大きいほどディザ効果が減少するように第1のディザ補正量を設定する。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照して差分ΔApに応じた第1のディザ補正量を求めてもよい。
例えば異物が噛み込む等により電磁比例弁13や圧力制御弁17の摺動抵抗が大きくなると制御油圧ヒステリシスが大きくなることが知られているが、このような場合には電磁比例弁13のピストン15の動きが小さくなって油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtよりも小さくなる。ディザ設定部115はこのような場合にディザ効果が増大するように第1のディザ補正量を設定する。一方油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtよりも大きくなって制御油圧P_detが不安定になっている場合にはディザ効果が減少するように第1のディザ補正量を設定する。
図9に戻り、次いでディザ設定部115はCVTの変速状態の情報に基づいて第2のディザ補正量を設定する(ステップS24)。図11はCVTの変速状態の情報に基づく第2のディザ補正量設定処理の一例を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートの例ではまず取得部111がCVTの変速状態の情報を取得する(ステップS41)。取得部111はCVTの変速状態の情報として例えばCVTを搭載した車両の加速度指令値Acc_cmd、変速速度指令値V_cmd及び油圧変化率指令値Rp_cmdのうちの少なくとも一つの情報を取得する。
次いでディザ設定部115は取得した変速状態の情報に基づいて第2のディザ補正量を算出する(ステップS43)。例えばディザ設定部115は加速度指令値Acc_cmdが大きいほどディザ効果が増大するように第2のディザ補正量を設定する。同様にディザ設定部115は変速速度指令値V_cmd又は油圧変化率指令値Rp_cmdが大きいほどディザ効果が増大するように第2のディザ補正量を設定する。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された補正マップを参照してそれぞれの変速状態の情報に応じた第2のディザ補正量を求めてもよい。
図9に戻り、次いでディザ設定部115は電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtのうちの少なくとも一つの情報に基づいて第3のディザ補正量を設定する(ステップS25)。図12は電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtの情報に基づく第3のディザ補正量設定処理の一例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートの例ではまず取得部111が要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtの情報を取得する(ステップS51)。次いでディザ設定部115は要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtの情報に基づいて第3のディザ補正量を設定する(ステップS53)。例えばディザ設定部115は要求電流値I_tgtが大きいほどディザ効果が増大するように第3のディザ補正量を設定する。またディザ設定部115は目標油圧P_tgtが大きいほどディザ効果が増大するように第3のディザ補正量を設定する。例えばディザ設定部115はあらかじめ記憶部130に格納された要求電流補正マップ及び目標油圧補正マップを参照して第3のディザ補正量を求めてもよい。
ディザ設定部115は要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtの情報に基づいて第3のディザ補正量を設定するのではなく、要求電流値I_tgt又は目標油圧P_tgtのいずれか一方の情報のみに基づいて第3のディザ補正量を設定してもよい。
図9に戻り、次いでディザ設定部115はさらに別の情報に基づいて追加ディザ補正量を設定する(ステップS26)。さらに別の情報は例えば油温Toの情報、電磁比例弁13及び圧力制御弁17に供給されるライン圧の情報、電磁比例弁13の温度の情報及び油圧システム10の雰囲気温度等の情報のうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。これらの情報に基づく追加ディザ補正量は、あらかじめ実験やシミュレーション等により求められる制御油圧ヒステリシスあるいは電磁力ヒステリシスに応じて設定されて、補正マップとして記憶部130に格納されてもよい。ディザ設定部115は記憶部130に格納された補正マップを参照して追加ディザ補正量を求めてもよい。
図9に戻り、次いでディザ設定部115はディザ基準値D_bsに対して第1のディザ補正量〜第3のディザ補正量及び追加ディザ補正量を加減算してディザ設定値D_setを算出する(ステップS28)。例えばディザ設定部115はディザ基準値D_bsの振幅Ad及び周波数Fdを第1のディザ補正量〜第3のディザ補正量及び追加ディザ補正量に含まれる振幅及び周波数の補正量に応じて加減算してディザ設定値D_setの振幅Ad_fin及び周波数Fd_finを設定する。このようにして設定されたディザ設定値D_setに応じたディザ信号が制御信号に重畳されて電磁比例弁13の駆動制御が行われる。
(3−3.故障診断処理)
次に制御装置100の故障診断部119により実行される油圧システム10の故障診断処理の例について説明する。
(3−3−1.第1の例)
図13は油圧システム10の故障診断処理の第1の例を示すフローチャートである。故障診断処理の第1の例では、故障診断部119は油圧振幅算出部113により算出される油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔApをあらかじめ設定した閾値ΔAp_0と比較することにより油圧システム10の故障診断を行う。
まず制御装置100の故障診断部119は油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔApの情報を取得する(ステップS61)。本実施形態では故障診断部119はディザ設定部115が算出した差分ΔApの情報を取得する。ただし故障診断部119が差分ΔApを算出する等、差分ΔApの情報の取得のしかたは特に限定されない。
次いで故障診断部119は差分ΔApがあらかじめ設定した閾値ΔAp_0以上であるか否かを判別する(ステップS63)。閾値ΔAp_0は油圧システム10上で行われる実験やシミュレーション等によって設定される値であって、油圧振幅値Ap_actが要求圧力振幅値Ap_tgtを想定以上に上回っていることを判別可能な適宜の値に設定される。また閾値ΔAp_0は油温Toに応じて変わり得る可変値であってもよい。この場合、油温Toが低いほど大きな値となるように閾値が設定されてもよい。
差分ΔApが閾値ΔAp_0以上である場合(S63/Yes)、故障診断部119は油圧システム10に故障が生じていると判定し(ステップS65)、故障診断処理を終了する。この場合、故障診断部119はディザ設定部115によるディザ信号の条件の補正を停止させてもよい。また故障診断部119は警告ランプを点灯させる等ドライバに故障を知らせる処理を実行してもよい。一方差分ΔApが閾値ΔAp_0未満である場合(S63/No)、故障診断部119は油圧システム10に故障は生じていないと判定し(ステップS67)、故障診断処理を終了する。
(3−3−2.第2の例)
図14は油圧システム10の故障診断処理の第2の例を示すフローチャートである。故障診断処理の第2の例では、故障診断部119はディザ設定部115により設定されるディザ設定値D_setをあらかじめ設定したディザ基準モデルと比較することにより油圧システム10の故障診断を行う。
ここでディザ基準モデルは例えば油温To、要求電流値I_tgt、目標油圧P_tgt及び油圧変化率指令値Rp_cmdに応じて設定され得るディザ信号の条件のモデルであり、油温To、要求電流値I_tgt、目標油圧P_tgt及び油圧変化率指令値Rp_cmdの関数fとして表すことができる。ディザ信号の振幅モデル値Ad_mdlは例えば下記式(1)で表すことができる。
Figure 2018146087
… (1)
t:油温To
i:要求電流値T_tgt
p:目標油圧P_tgt
r:油圧変化率指令値Rp_cmd
c:係数
またディザ信号の周波数モデル値Fd_mdlは例えば下記式(2)で表すことができる。
Figure 2018146087
… (2)
t:油温To
i:要求電流値T_tgt
p:目標油圧P_tgt
r:油圧変化率指令値Rp_cmd
c:係数
まず制御装置100の故障診断部119はディザ設定部115が算出したディザ設定値D_setの情報を取得する(ステップS71)。ディザ設定値D_setは少なくとも制御油圧P_detの振幅値(油圧振幅値)Ap_actに基づいて補正されたディザ信号の条件の設定値である。本実施形態では故障診断部119はディザ設定値D_setとしてディザ信号の振幅Ad及び周波数Fdの値を取得してもよい。
次いで故障診断部119は油温To、要求電流値T_tgt、目標油圧P_tgt及び油圧変化率指令値Rp_cmdの情報に基づき、上記式(1)及び(2)を用いて現在のCVTの作動状態におけるディザ信号の振幅モデル値Ad_mdl及び周波数モデル値を算出する(ステップS73)。
次いで故障診断部119はディザ設定値D_setの振幅Ad及び周波数Fdの値と振幅モデル値Ad_mdl及び周波数モデル値Fd_mdlとを比較する(ステップS75)。本実施形態では故障診断部119はディザ設定値D_setの振幅Adと振幅モデル値Ad_mlとの差分ΔAdを求めるとともに、ディザ設定値D_setの周波数Fdと周波数モデル値Fd_mdlとの差分ΔFdを求める。
次いで故障診断部119はディザ設定値D_setの振幅Adと振幅モデル値Ad_mdlとのズレ、及びディザ設定値D_setの周波数Fdと周波数モデル値Fd_mdlとのズレがともに許容範囲内であるか否かを判別する(ステップS77)。本実施形態ではステップS75で求めた差分ΔAd,ΔFdがそれぞれあらかじめ設定した閾値ΔAd_0,ΔFd_0以下であるか否かを判別する。
差分ΔAd,ΔFdがともに閾値ΔAd_0,ΔFd_0以下である場合(S77/Yes)、故障診断部119は油圧システム10に故障は生じていないと判定し(ステップS79)、故障診断処理を終了する。一方差分ΔAdが閾値ΔAd_0を超えるか又は差分ΔFdが閾値ΔFd_0を超えている場合(S77/No)、故障診断部119は油圧システム10に故障が生じていると判定し(ステップS81)、故障診断処理を終了する。この場合、故障診断部119はディザ設定部115によるディザ信号の条件の補正を停止させてもよい。また故障診断部119は警告ランプを点灯させる等ドライバに故障を知らせる処理を実行してもよい。
<4.効果>
以上説明したように、本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100は電磁比例弁13の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を制御油圧P_detの振幅値(油圧振幅値)Ap_actをフィードバックすることにより設定する。このため電磁比例弁13の制御装置100はアーマチャの摺動摩擦や電磁的な要因により生じるヒステリシスだけでなく、それ以外の理由で発生している制御油圧ヒステリシスを低減することができる。これによりCVTの動作状態にかかわらず制御油圧ヒステリシスが低減され、制御油圧が安定することにより、油圧システム10の特性を改善することができる。
また本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100はCVTの作動状態に基づいて設定されるディザ基準値D_bsを油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分に基づいて補正する。このため制御油圧P_detに生じている振幅のずれが解消されるようにディザ信号の条件が補正されて油圧システム10の特性が改善される。
また本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100はさらにCVTの変速状態の情報に基づいてディザ信号の条件を補正する。このため制御油圧P_detが不安定になりやすい状況においてはディザ効果が適切に抑制されて油圧システム10の特性をさらに改善することができる。
また本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100はさらに電磁比例弁13の要求電流値I_tgt及び目標油圧P_tgtのうちの少なくとも一方の情報に基づいてディザ信号の条件を補正する。このため制御油圧ヒステリシスの要因に関連するパラメータに応じてディザ信号が適切に補正されて油圧システム10の特性をさらに改善することができる。
また本実施形態に係る電磁比例弁の制御装置100は油圧振幅値Ap_actと要求圧力振幅値Ap_tgtとの差分ΔApに基づいて油圧システムの10の故障診断を行う。このため油圧システム10の故障が原因でCVTの動作が正常に行われない場合に、CVTのシステム全体ではなく油圧システム10の部品の交換等によってCVTの動作異常を解消することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 油圧システム
11 油圧室
13 電磁比例弁
17 圧力制御弁
25 圧力センサ
100 制御装置
110 制御部
111 取得部
113 油圧振幅算出部
115 ディザ設定部
117 電磁比例弁制御部
119 故障診断部

Claims (7)

  1. 無段変速機の油圧システム(10)に設けられた電磁比例弁(13P,13S)の制御を行う電磁比例弁の制御装置(100)において、
    作動油の制御油圧の情報を取得する取得部(111)と、
    前記制御油圧の振幅の情報に基づいて前記電磁比例弁(13P,13S)の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定するディザ設定部(115)とを備える
    電磁比例弁の制御装置。
  2. 前記ディザ設定部(115)は、前記制御油圧の振幅値と要求圧力振幅値との比較結果に基づいて前記ディザ信号の条件を設定する
    請求項1に記載の電磁比例弁の制御装置。
  3. 前記ディザ設定部(115)は、前記制御油圧の振幅値が前記要求圧力振幅値よりも小さい場合に、前記ディザ信号の振幅の増大及び周波数の減少あるいはいずれか一方を行う
    請求項2に記載の電磁比例弁の制御装置。
  4. 前記ディザ設定部(115)は、前記制御油圧の振幅値が前記要求圧力振幅値よりも大きい場合に、前記ディザ信号の振幅の減少及び周波数の増大あるいはいずれか一方を行う
    請求項2に記載の電磁比例弁の制御装置。
  5. 前記ディザ設定部(115)は、前記無段変速機の作動状態に基づいて設定されるディザ基準値を前記制御油圧の振幅の情報に基づいて補正する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁比例弁の制御装置。
  6. 前記制御油圧の振幅値と前記要求圧力振幅値との差分に基づいて故障診断を行う故障診断部(119)を備える
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の電磁比例弁の制御装置。
  7. コンピュータ(110)により無段変速機の油圧システム(10)に設けられた電磁比例弁(13P,13S)の制御を行う電磁比例弁の制御方法において、
    前記電磁比例弁(13P,13S)により制御される制御油圧の振幅の情報を取得するステップ(S13,S31)と、
    前記制御油圧の振幅の情報に基づいて、前記電磁比例弁(13P,13S)の制御信号に重畳させるディザ信号の条件を設定するステップ(S13)と、
    前記ディザ信号を重畳させた制御信号を出力させるステップ(S15)とを備える
    電磁比例弁の制御方法。
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CN117231592A (zh) * 2023-11-16 2023-12-15 邢台纳科诺尔精轧科技股份有限公司 液压恒压控制方法、装置、控制器及液压系统

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