JP6552709B1 - 使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、使用済み衛生用品に付着している細菌類として特に芽胞菌を確実に殺菌することができる使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法を提供とする。【解決手段】本発明の使用済み衛生用品の処理方法は、処理液は、分離槽7内に投入された使用済み衛生用品2の量に対して所定量のカルシウム化合物と、遊離残留塩素が所定濃度以上となるように添加された次亜塩素酸と、分離槽7内に投入された使用済み衛生用品の量に対して所定の温度に加熱された所定量の熱湯水とからなり、分解した素材のうちのパルプとプラスチックに所定の温度の熱風を吹き付け、分解した素材を殺菌する。【選択図】 図1

Description

本発明は、回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に使用済み衛生用品を分解するとともに殺菌し、分解した素材のうちのパルプとプラスチックを乾燥させて選別し、殺菌する使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法に関する。
近年、病院や老人ホーム等の施設では、使い捨てのおむつとして紙製のおむつが用いられている。この紙製のおむつは、パルプ等からなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。また、尿取りパッド等もパルプ等からなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。これらの使用した後の使用済み紙おむつや尿取りパッド等の衛生用品は、現状では一般廃棄物として処理(処分)されている。
ところが、これらの使用済み紙おむつや使用済み尿取りパッド等の衛生用品をそのまま一般廃棄物として、例えば焼却処分すると有害物質が生成されたり、埋め立て処分すると感染物質等により土壌が悪化する可能性がある。
そこで、環境的、衛生的な観点から、衛生用品としての使用済み紙おむつを素材ごとに分解して処理する使用済み紙おむつの処理装置が、特許文献1、2、3において提案されている。同文献1、2、3にて提案されている使用済み紙おむつの処理装置では、回転するドラム内で、使用済み紙おむつを処理液と混合させることで、使用済み紙おむつをパルプ、高分子ポリマー、プラスチックの素材に分解している。また、使用済み紙おむつには、種々の細菌類が付着している場合がある。このため、処理液の温度を高くして細菌類を殺菌したり、処理液中に殺菌剤や抗菌剤を投入することで細菌類を殺菌している。
特許第3895081号公報 特許第3597492号公報 特許第3569260号公報
しかしながら、細菌類の中で大腸菌等の一般細菌(常在菌)は、処理液の温度を60℃〜85℃に設定することで殺菌効果は認められているが、芽胞菌は、100℃の温度でも死滅することはなく処理液の温度を高温にしても殺菌効果は認められない。また、殺菌剤や抗菌剤を用いても、一般細菌を殺菌することはできても、芽胞菌を必ずしも殺菌することはできない。
そこで、本発明は、使用済み衛生用品に付着している細菌類として特に芽胞菌を確実に殺菌することができる使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法の提供を目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、使用済み衛生用品を、衛生用品を構成する複数種の素材に分離するとともに、使用済み衛生用品内の汚物を分離し、前記素材を選別する使用済み衛生用品の処理装置に用いられ、前記使用済み衛生用品の処理装置の回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に使用済み衛生用品を分離し、分解した素材のうちのパルプとプラスチックを乾燥させて選別する使用済み衛生用品の処理方法であって、前記分離槽は、該分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量に対して28rpmから700rpmの回転数で回転し、前記処理液は、前記分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量に対して2.85%から10.0%の重量の石灰と、遊離残留塩素が250ppm以上の濃度の次亜塩素酸と、60℃から85℃で前記分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量の3倍から5.3倍の量の熱湯水とからなり、分解した素材のうちのパルプとプラスチックに所定の温度の熱風を吹き付け、分解した素材を殺菌することを特徴とする。
本発明の第の態様は、使用済み衛生用品を、衛生用品を構成する複数種の素材に分離するとともに、使用済み衛生用品内の汚物を分離し、前記素材を選別する使用済み衛生用品の処理装置に用いられ、回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に分解し、分解した素材のうちパルプとプラスチックを乾燥させて選別するとともに選別されるパルプとプラスチックを殺菌する使用済み衛生用品の殺菌方法であって、使用済み衛生用品の重量に対して2.85%から10.0%の重量のカルシウム化合物と、処理する使用済み衛生用品の重量の3から5.3倍の重量であって60から85℃に加熱された熱湯水と、遊離残留塩素が250ppm以上となるように添加された次亜塩素酸と、からなる処理液で使用済み衛生用品を衛生品を構成する素材に分解するとともに殺菌し、分解した素材のうちパルプとプラスチックに80℃の熱風を吹き付けて殺菌することを特徴とする。
本発明によれば、所定の温度に加熱された熱湯水により一般細菌が死滅し、遊離残留塩素が所定濃度以上となるように添加された次亜塩素酸により芽胞菌が死滅するので、使用済み衛生用品に付着している細菌類として特に芽胞菌を確実に殺菌することができる。また、本発明によれば、所定の温度の熱風を分解した素材のうちパルプとプラスチックに吹き付けることにより、分解したパルプとプラスチックに付着している一般細菌を確実に死滅させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法が用いられる使用済み衛生用品の処理装置を示す概略構成図。
以下、本発明の実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法について説明する。初めに使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法が用いられる使用済み衛生用品の処理装置の概要について説明する。
図1に示すように、使用済み衛生用品の処理装置1は、使用済み衛生用品としての使用済み紙おむつ2を紙おむつを構成する素材に分解する分離機3と、分離機3内の処理液とともに汚物を含む排水を外部へ排出する排出部4と、分離機3によって分離された素材が投入され乾燥させることで紙おむつを構成する少なくともパルプとプラスチックを選別する選別機25とを備えている。
分離機3は、筐体5に固定された外胴分離槽6と、外胴分離槽6内に回転自在に配置された内胴分離槽7と、分解水供給部8とで構成されている。外胴分離槽6は、円筒状で、一方の端面に筐体5に設けた投入・取出口9に連通する開口部10が形成され、他方の端面は閉塞されている。投入・取出口9が投入・取出扉11によって閉じている状態では、外胴分離槽6は内部が密封されている。
内胴分離槽7は、外胴分離槽6の内径より小さい内径の円筒形状で、外周面(側面)全体に小径の穴が、パンチング等によって形成されている。内胴分離槽6の一方の端面が筐体5の前面側に位置し、他方の端面が筐体5の後面側に位置している。内胴分離槽7の一方の端面側には、筐体5の投入・取出口9と連通する開口部12が形成されている。内胴分離槽7の他方の端面側からは、回転駆動軸7aが筐体5の後面側に向けて突出している。この回転駆動軸7aには、図示しない駆動モータから回転駆動力が伝達され、内胴分離槽7が回転駆動する。この内胴分離槽7内には、使用済み紙おむつ2が投入される。
使用済み紙おむつ2は、一般家庭や、病院、老人ホーム等から集積された後に、図1に示すように、計量コンベア13によって計量されて所定量の重さの一塊とされる。この一塊とされた使用済み紙おむつ2が、投入機14によって吊り下げられ、分離機3の前面側まで移動され、投入・取出口9から筐体5の内部、すなわち内胴分離槽7内に投入される。使用済み紙おむつ2が投入された内胴分離槽7内には、分解剤供給部8によって処理液(分解剤、洗剤)が供給される。
分解水供給部8は、分解剤タンク15と、洗剤タンク16と、分解水供給口17と、供給ポンプ18と、管路19、20とで構成されている。分解剤タンク15には、所定の割合に調合された分解剤と水と殺菌剤とを混合した処理液としての処理液が貯留されている。この処理液は、ポンプ18によって内胴分離槽7内の上部側から内胴分離槽7内に供給される。内胴分離槽7内に処理液が供給される際には、内胴分離槽7は、所定の回転数で回転している。
使用済み紙おむつ2が投入され、所定の回転数で回転駆動している状態で処理液が供給された内胴分離槽7内では、使用済み紙おむつ2が、紙おむつを構成する素材として、パルプ、高分子ポリマー、プラスチック、その他に分離され、加えて高分子ポリマーの内部から汚物(汚水)が分離される。内胴分離槽7内で使用済み紙おむつ2を分解処理した後の処理液(排液)は排出部4に排出される。このとき、処理液に溶けることのない固形物(溶けなかったパルプ、プラスチック)は内胴分離槽7内に残り、処理液に溶けたパルプや汚物(汚水)は、排出部4に排出される。
排出部4は、外胴分離槽6内の処理液が排出される排水受け槽21と、排水を濾過して一旦貯留する排水ピット22と、排水受け槽21と排水ピット22とを連通し排水を排水ピット22に流す排水管23とで構成されている。そして、排水受け槽21内には、供給された処理液によって使用済み紙おむつ2から分解され、高分子ポリマーに含まれていた汚物(尿等の汚水)付着していた汚物、パルプが混在した処理液が排出される。排水受け槽21内に排水されたパルプを含む処理液は、排水管23を通って排水ピット22に貯留される。排水ピット22に貯留された処理液中には、パルプが大量に含まれており、図示しないパルプ回収装置によってパルプが処理液と分離されて回収される。
処理液に溶けることがなく内胴分離槽7内に残った固形物(溶けなかったパルプ、プラスチック)は、内胴分離槽7への処理液の供給を停止した後に、内胴分離槽7を回転させることにより、パルプとプラスチックに残っていた水分が脱水される。この脱水によってパルプとプラスチックが取り出された処理液は排出部4に排出される。脱水後の固形物、すなわち処理液に溶けることのなかった固形物であるパルプとプラスチックは、投入・取出口9からコンベア24によって選別機25へと送られる。
選別機25は、筐体26内に固定、支持された外胴選別槽27と、外胴選別槽27内に回転可能に配置された内胴選別槽28と、外胴選別槽27の下部に設けられた取出搬送部29と、筐体26の上部に配置されて外胴選別槽27内に乾燥風を供給する乾燥風供給部30とで構成されている。
外胴選別槽27は、円筒形状で一方の端面が筐体26の一面側の内面に密着され、他方の端面側が筐体26の他面側の内面に密着された状態で筐体26に固定されている。一方の端面には、筐体26の投入口31に連通する投入側の開口部が形成され、他方の端面には、筐体26の取出口32に連通する取出側の開口部が形成されている。この外胴選別槽27内には、乾燥風供給部30から乾燥風が導入され、内胴選別槽28内のパルプとプラスチックとが乾燥される。
内胴選別槽28は、外胴選別槽27より若干小径の円筒形状で、軸方向の両端面は開口され、外胴選別槽27の両端の開口部とそれぞれ連通されている。また、内胴選別槽28は、周方向の側面にパンチング等によって形成された複数の貫通穴が全体的に形成されている。そして、回転する内胴選別槽28内のパルプとプラスチックが、外胴選別槽27内に乾燥風供給部30から導入された乾燥風によって乾燥される。
乾燥風供給部30は、ヒータ33と、ファン34と、乾燥風導入路35と、搬送風排出路36とで構成されている。ヒータ33は、複数の熱交換用のパイプで形成され、このパイプには高温の蒸気が供給されている。パイプの周囲を外気が通過することによって外気が加熱されることにより乾燥風が生成され、この乾燥風が乾燥風導入路35によって外胴選別槽27内に送り込まれる。ファン34は、外胴選別槽27内の乾燥風を乾燥風排出路36を通して吸い出してダクト37内へ送風する。ダクト37は、バグフィルタを有するパルプ回収装置38に接続されている。ファン34が、外胴選別槽27内から乾燥風を排出(吸い出す)することにより、ヒータ33に外気が導入され、ヒータ33によって外気が加熱されることにより乾燥風が生成されて、外胴選別槽27内に供給される。
これにより、回転する内胴選別槽28内のパルプとプラスチックとから水分が蒸発しパルプとプラスチックが乾燥されて選別される。また、ファン34によって外胴選別槽27内から吸い出された乾燥風は、ダクト37を介してパルプ回収装置38に送られ、バグフィルタによって乾燥風に含まれるパルプが回収される。
パルプとプラスチックとが乾燥されると、パルプとプラスチックは分離されて選別される。選別されたパルプとプラスチックのうちパルプは、取出搬送部29によって外部に取り出され、プラスチックは、取出口32から外部に取り出される。
次に、本発明の実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理方法及び使用済み衛生用品の殺菌方法について以下に説明する。本発明の実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理方法は、使用済み衛生用品である使用済み紙おむつ2を、紙おむつを構成する複数種の素材に分離するとともに、使用済み紙おむつ2の汚物を分離し、素材を選別する使用済み紙おむつの処理装置、すなわち、上述した使用済み衛生用品の処理装置1等に用いられる。
本実施の形態に係る使用済み紙おむつの処理方法は、使用済み紙おむつの処理装置1の回転する内胴分離槽7内で、処理液を供給しながら紙おむつを構成する素材に使用済み紙おむつ2を分解し、分解した素材のうちのパルプとプラスチックを乾燥させて選別する使用済み紙おむつ2の処理方法である。
本実施の形態に係る使用済み紙おむつの処理方法では、内胴分離槽7は、内胴分離槽7内に投入された使用済み紙おむつ2の重量に対して所定の回転数で回転する。また、処理液は、内胴分離槽7内に投入された使用済み紙おむつ2の重量に対して所定量のカルシウム化合部である石灰と、遊離残留塩素が所定濃度以上となるように添加された次亜塩素酸と、所定の温度に加熱され前記分離槽内に投入された使用済み紙おむつ2の重量に対して所定量の熱湯水とからなる。また、分解した素材のうちのパルプとプラスチックに所定の温度の熱風を吹き付け、分解した素材を殺菌する。
本実施の形態に係る使用済み紙おむつの処理方法では、上記石灰は、内胴分離槽7内に投入された使用済み紙おむつ2の重量に対して2.85%〜10.0%の重量に設定されている。上記次亜塩素酸は、遊離残留塩素が250ppm以上の濃度に設定されている。上記熱湯水は、60℃〜85℃で内胴分離槽7内に投入された使用済み紙おむつ2の重量の3倍〜5.3倍の量に設定されている。
また、本実施の形態に係る使用済み紙おむつの処理方法では、内胴分離槽7は、この内胴分離槽7内に投入された使用済み紙おむつ2の重量に対して28rpm〜700rpmの回転数に設定されている。
上記の使用済み衛生用品の処理装置1を用いて実際に所定量の使用済み紙おむつを分解処理した実施例について説明する。
処理する使用済み紙おむつの量・・・・250kg〜310kg
処理液中の石灰の量・・・・・・・・・7.25kg〜31kg
(2.85%〜10.0%)
処理液中の次亜塩素酸の濃度・・・・・320ppm〜360ppm
(残留塩素が300ppm以上になるように添加)
処理液中の熱湯水の量・・・・・・・・・750kg〜800kg
(使用済み衛生用品の処理装置1を分離のみ1回稼動しすすぎ工程なし)
1,300kg〜1,650kg
(使用済み衛生用品の処理装置を分離のみ1回稼動しすすぎ工程2回)
内胴分離槽7の回転数・・・・・・28rpm〜700rpm
内胴分離槽7を回転させる時間・・・55分〜70分
(消毒・分離・すすぎ工程)
使用済み紙おむつを処理した後の排液・・・1,300L〜1650L
以上の条件にて使用済み紙おむつを12回処理し、処理後の各々の紙おむつを構成する各素材に付着している一般細菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の量について表1に示す。
Figure 0006552709
表1に示すように、素材として選別機25によって選別された乾燥後のプラスチックとパルプに付着している一般細菌の菌数は、処理回数12回の全てで1g当たり10万個(10以下)を下回っており、大腸菌類、黄色ブドウ球菌は処理回数12回の全てで検出されなかった。また、芽胞菌についても処理回数12回の全てで検出されなかった。
また、素材として選別機25によって選別された乾燥後のパルプに付着している一般細菌の菌数は、処理回数12回の全てで1g当たり10万個を下回っており、大腸菌類、黄色ブドウ球菌は処理回数12回の全て検出されなかった。また、芽胞菌についても処理回数12回の全てで検出されなかった。
さらに、素材として分離機3によって分離された後のパルプ、すなわち排水ピット22に回収され、その後処理液中から分離されたパルプに付着している一般細菌の菌数は、処理回数12回の全てで1g当たり10万個を下回っており、大腸菌類、黄色ブドウ球菌は処理回数12回の全て検出されなかった。また、芽胞菌についても処理回数12回の全てで検出されなかった。
また、回収されたパルプとプラスチックを材料として生成した固形燃料(RPF)についても付着している一般細菌の菌数は、処理回数12回の全てで1g当たり10万個を下回っており、大腸菌類、黄色ブドウ球菌は処理回数12回の全て検出されなかった。また、芽胞菌についても処理回数12回の全てで検出されなかった。
本実施の形態に係る使用済み紙おむつの殺菌方法は、使用済み紙おむつの重量に対して2.85%〜10.0%の重量のカルシウム化合物であるカルシウム化合物である石灰と、処理する使用済み紙おむつの重量の3〜5.3倍の重量であって60℃〜85℃に加熱された熱湯水と、遊離残留塩素が250ppm以上となるように添加された次亜塩素酸と、からなる処理液で使用済み紙おむつを紙おむつを構成する素材に分解するとともに殺菌する。さらに、分解した素材のうちパルプとプラスチックに80℃の熱風を吹き付けて殺菌する。
上記の殺菌方法は、いわゆるクリーニング業法(昭和25年5月27日:法律207号)に規定されている方法に倣って使用済み紙おむつを分解した素材を殺菌処理している。クリーニング業法では、
厚生労働省:「環境指導157」おしぼり・清拭タオルの衛生的処理に関する指導基準において、「大腸菌/黄色ブドウ球菌が検出されないこと」、「一般細菌は、1平方センチ当たり10万個を超えないことが望ましい」。
蒸気による消毒:蒸気滅菌機等を使用し、100℃以上の温熱に10分以上作用させること。
熱湯による消毒:80℃以上の熱湯に10分以上浸すこと。
次亜塩素酸ナトリウムによる消毒:遊離残留塩素250ppm以上
となっている。
Figure 0006552709

Figure 0006552709

Figure 0006552709
表2、表3、表4は、クリーニングと公衆衛生に関する研究委員会の研究結果を示す。表2は、次亜塩素酸ナトリウム水によるBacillus subtilis菌の殺芽胞効果を示し、表3はBacillus cereus菌の殺芽胞効果を示す。表4は芽胞菌であるBacillus subtilis菌、Bacillus cereus菌の耐熱試験結果を示す。表2、3から判るように、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水に20分間以上漬けることにより完全に死滅することができる。ところが、表4に示すよう芽胞菌であるBacillus subtilis菌、Bacillus cereus菌は、80℃で10分間加熱しても、死滅することはない。
上記、表2、表3、表4の結果から、本実施の形態の殺菌方法では、上記したように、遊離残留塩素が250ppm以上となるように添加された次亜塩素酸を含む処理液で殺菌することにより、使用済み衛生用品に付着している細菌類として特に芽胞菌を確実に殺菌することができる。
また、本実施例では、所定量のカルシウム化合物として石灰を用いている。この石灰からも細菌類を死滅する消毒効果が得られる。石灰には、消石灰(水酸化カルシウム)、生石灰(酸化カルシウム)、ドロマイト石灰(水酸化カルシウム・水酸化マグネシウム)、苦土石灰等がある。いずれの石灰も強アルカリ(pH12)で消毒効果を有しており、畜産分野の消毒や、植物の肥料として用いられている。本実施例では、次亜塩素酸ナトリウム水による殺菌効果に加えて、石灰を用いることにより使用済み紙おむつに付着している細菌類を殺菌する効果を有している。
以上説明したように、本実施の形態の使用済み紙おむつの処理方法によれば、所定の温度に加熱された熱湯水により一般細菌が死滅し、遊離残留塩素が所定濃度以上となるように添加された次亜塩素酸により芽胞菌が死滅するので、使用済み衛生用品に付着している細菌類として特に芽胞菌を確実に殺菌することができる。また、本発明によれば、所定の温度の熱風を分解した素材のうちパルプとプラスチックに吹き付けることにより、分解したパルプとプラスチックに付着している一般細菌を確実に死滅させることができる。
また、本実施の形態の使用済み紙おむつの殺菌方法によれば、60℃〜85℃の熱湯水によって、使用済み紙おむつを分解した各素材に付着している一般細菌を死滅させることができ、遊離残留塩素が250ppm以上となるように添加された次亜塩素酸によってセレウス菌等の芽胞菌を確実に死滅させることができる。
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によって本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が請求項に含まれることが意図されている。
本発明に係る使用済み衛生用品の処理方法及び殺菌方法は、使用済み紙おむつを処理する際に用いる他に、布製のおむつや清掃時に使用した雑巾等を殺菌する場合にも利用可能である。
1 使用済み衛生用品の処理装置
2 使用済み紙おむつ
7 内胴分離槽(分離槽)

Claims (2)

  1. 使用済み衛生用品を、衛生用品を構成する複数種の素材に分離するとともに、使用済み衛生用品内の汚物を分離し、前記素材を選別する使用済み衛生用品の処理装置に用いられ、前記使用済み衛生用品の処理装置の回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に使用済み衛生用品を分離し、分解した素材のうちのパルプとプラスチックを乾燥させて選別する使用済み衛生用品の処理方法であって、
    前記分離槽は、該分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量に対して28rpmから700rpmの回転数で回転し、
    前記処理液は、前記分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量に対して2.85%から10.0%の重量の石灰と、
    遊離残留塩素が250ppm以上の濃度の次亜塩素酸と、
    60℃から85℃で前記分離槽内に投入された使用済み衛生用品の重量の3倍から5.3倍の量の熱湯水とからなり、
    分解した素材のうちのパルプとプラスチックに所定の温度の熱風を吹き付け、
    分解した素材を殺菌することを特徴とする使用済み衛生用品の処理方法。
  2. 使用済み衛生用品を、衛生用品を構成する複数種の素材に分離するとともに、使用済み衛生用品内の汚物を分離し、前記素材を選別する使用済み衛生用品の処理装置に用いられ、回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に分解し、分解した素材のうちパルプとプラスチックを乾燥させて選別するとともに選別されるパルプとプラスチックを殺菌する使用済み衛生用品の殺菌方法であって、
    使用済み衛生用品の重量に対して2.85%から10.0%の重量の石灰と、処理する使用済み衛生用品の重量の3倍から5.3倍の重量であって60℃から85℃に加熱された熱湯水と、遊離残留塩素が250ppm以上となるように添加された次亜塩素酸と、からなる処理液で使用済み衛生用品を衛生品を構成する素材に分解するとともに殺菌し、分解した素材のうちパルプとプラスチックに80℃の熱風を吹き付けて殺菌することを特徴とする使用済み衛生用品の殺菌方法。
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