JP6551041B2 - 交流−直流変換装置 - Google Patents
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Description
図7において、1は交流電源、100はリアクトル、101,102は接地コンデンサ、103〜106は整流回路を構成するダイオード、107〜110は半導体スイッチング素子、111,112はコンデンサ、113は負荷、200は制御回路、201は絶縁電流検出器、202,203はゲート駆動回路である。
この回路の動作は、特許文献1に詳しく説明されているように、高周波でオン/オフするスイッチング素子107〜110のスイッチング電圧レベルを0[V],E/2,Eの3レベル(ここで、Eは正負出力端子P,N間の出力電圧)とすることにより、スイッチング損失の低減やリアクトル100の小形化を可能にしている。
(1)課題1:ゲート駆動回路や電流検出回路の構成部品が高価になる。
図7の制御回路200では、高価な絶縁部品の使用を極力減らすために、基準電位(いわゆるGND電位)を主回路の一点と共通にすることが多い。このように共通電位とする点は、もっぱら主回路の負側出力端子、すなわち図7におけるN点である。
このため、シャント抵抗の代わりに、ホール素子等を用いた絶縁電流検出器201を用いて電流を検出することになるが、制御回路200及び主回路の基準電位を共通化したにも関わらず、結局、絶縁部品が必要となる。
一般に商用の交流電源を入力とする機器では、交流電源の一端が直接外部で接地されている場合を除き、図7に示すように、装置の内部で交流入力の両端を、接地コンデンサ01,102により接地することが多い。このため、装置の交流入力電圧は、大地電位に対して一定電位または低周波で変動する。以下では、高周波やステップ状の電位変動を伴わないこのような電位の状態を、安定電位と呼ぶ。
また、接地電流は、直流回路と交流入力端との間の長い経路を流れるため、物理的な電流ループが長く、これが放射ノイズの原因ともなる。
図7の回路では、ダイオード103〜106として、耐圧が出力電圧Eより大きいダイオードが4個必要である。特許文献1の図3に示された従来技術では、上記4個のダイオード全てに、また、同文献の図1に示された従来技術では2個のダイオードに、逆回復損失の小さいファーストリカバリダイオードを使用する必要がある。
特に、ファーストリカバリダイオードとして、スイッチング損失を低減するために、ワイドバンドギャップ半導体である炭化珪素(SiC)等からなるショットキーバリアダイオードを用いる場合には、ダイオードのコストが高くなる。
また、スイッチング素子107〜110としては、耐圧がE/2より大きい4個の高周波スイッチング素子が必要となる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、安価な非絶縁部品を使用可能にすると共にノイズを低減し、更にはスイッチング素子等の部品数を減少させてコストの削減を可能にした交流−直流変換装置を提供することにある。
第1のダイオード、第2のダイオード、第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子を順次、直列に接続してスイッチング部を構成すると共に、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの接続点と、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点との間に第1のコンデンサを接続し、
前記整流回路の正負の出力端子を、リアクトルを介して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との直列回路の両端にそれぞれ接続し、
その両端が負荷に接続される前記スイッチング部に並列に第2のコンデンサを接続し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のオン/オフを制御するための制御回路の基準電位を、前記第2のコンデンサの負側出力端子の電位とし、
前記第2のコンデンサの負側出力端子を、接地コンデンサを介して接地したものである。
第1のダイオード、第2のダイオード、第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子を順次、直列に接続してスイッチング部を構成すると共に、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの接続点と、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点との間に第1のコンデンサを接続し、
前記整流回路の正負の出力端子を、リアクトルを介して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との直列回路の両端にそれぞれ接続し、
その両端が負荷に接続される前記スイッチング部に並列に第2のコンデンサを接続し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のオン/オフを制御するための制御回路の基準電位を、前記第2のコンデンサの負側出力端子の電位とした交流−直流変換装置において、
前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子よりも耐圧が低く、かつ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子よりも順電圧降下が小さい第3のスイッチング素子と、前記第1のダイオード及び前記第2のダイオードより逆回復損失が大きく、かつ、前記第1のダイオード及び前記第2のダイオードの順電圧降下の和よりも順電圧降下が小さい第3のダイオードと、を直列に接続してなる回路を、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの直列回路に並列に接続したものである。
また、高周波動作する半導体スイッチング素子の数を減少させることにより、課題3を解決することができる。
図1は、本発明の基本形態を示す回路図である。図1において、交流電源1の両端には、コンデンサ2を介してダイオード3〜6からなる整流回路51が接続されている。この整流回路51の正側出力端子はリアクトル7の一端に接続され、その他端と整流回路51の負側出力端子との間には、第1,第2の半導体スイッチング素子(以下、単にスイッチング素子ともいう)8,9が直列に接続されている。なお、スイッチング素子8,9は、MOSFETに限らずパワトランジスタ等であっても良い。
上記ダイオード10,11には、例えば、ワイドバンドギャップ半導体であるSiCにより形成されたショットキーバリアダイオードが使用されている。
また、コンデンサ13の両端には負荷14が接続されており、この負荷14には、直流電圧を入力とするDC/DCコンバータ等の電力変換器も含まれる。
ここで、図1におけるVinは交流入力電圧、Iinは交流入力電流、Vr1は整流回路51の直流出力電圧、ILはリアクトル7の電流、Vr2はスイッチング素子8,9の直列回路の両端電圧、Vcはコンデンサ12の両端電圧、Eはコンデンサ13の両端電圧(直流出力電圧)である。
図2において、コンデンサ12の電圧Vcは、装置の停止中には予備充電回路(図示せず)により、装置の運転中には以下の制御により、概ねE/2に保たれるものとする。このように電圧Vcを概ねE/2にしておくのは、後述するように、ダイオード10,11の導通時にスイッチング素子9に過電圧が印加されるのを防止するためである。
次に、図2(b)に示すように、スイッチング素子8をオフして同9をオン状態のまま維持すると、電圧Vr2はコンデンサ12の電圧Vc、すなわち概ねE/2に等しくなり、図示する電流経路でコンデンサ12が充電される。次いで、図2(c)に示すように、スイッチング素子8をオンして同9をオフすると、電圧Vr2は(E−Vc)、すなわち概ねE/2に等しくなり、図示する電流経路でコンデンサ12が放電される。ここで、コンデンサ12のキャパシタンスは、上記の充電または放電動作の1回で充放電される電荷量に対して大きく、充放電にともなう電圧変動は小さい(例えばE/2の10%以下)ものとする。更に、図2(d)に示すごとく、スイッチング素子8,9を共にオフすると、電圧Vr2はコンデンサ13の電圧Eに等しくなる。
リアクトル7の電流ILは、N点から整流回路51側に戻る電流を、N点電位に設けた電流検出器21としてのシャント抵抗により測定することができる。この電流検出方法は、一般的な2レベルのPFC回路において良く用いられている方法である。
図4の整流回路51を構成するダイオード3〜6は、交流入力電圧Vinの周波数(例えば、商用周波数の50または60[Hz])で動作する低周波ダイオードであり、電圧Vin及び電流Iinの極性が正の時にはダイオード3,6がオンしている。このとき、N点の電位は交流電源1のV点の電位に等しい。
この第2実施形態と図1との相違点は、ダイオード10,11の直列回路に、スイッチング素子41とダイオード42との直列回路を並列に接続した点である。
従って、図1の回路によれば、半導体素子のコストを削減することが可能である。
これに対し、図7の回路では、同様の状態でダイオード103,106が導通するのみであるから、導通するダイオードの個数を単純に比較すると、図1では図7の2倍となる。実際には、ダイオード3〜6に商用周波用のダイオードを用いれば順電圧降下が小さく、また、ダイオード10,11は前述したように所要耐圧が1/2で済むため順電圧降下は小さい。従って、図1の回路におけるダイオードの導通損失は、単純に図7の2倍とはならないが、なお導通損失の増加が懸念される。
ダイオード42は、ダイオード3〜6と同様の商用周波用ダイオードであり、耐圧としてはE以上が必要であるが、ダイオード10,11の直列回路よりも順電圧降下が小さい。
そこで、スイッチング素子8または9をオンする直前に、スイッチング素子41をオフする。このとき、スイッチング素子41に印加される電圧は、ダイオード10,11の順電圧降下相当であって小さい値である。よって、スイッチング素子41には、耐圧が極めて小さく(例えば、10[V]程度)、安価で順電圧降下をほとんど無視可能なMOSFETを使用することができる。
バイパス用のダイオード42の存在により、ダイオード10または11に電流が流れる期間が短くなり、これらの電流容量を低減することができる。従って、特に、ダイオード10,11として高価なショットキーバリアダイオードを用いる場合、部品点数は増えたとしても、トータルでの部品コストを低減することができる。
この時、回路に流れる電流の一部がダイオード11→コンデンサ12→抵抗17の経路で流れ、コンデンサ12を充電すると共に、抵抗16にも電流が流れ始める。
前述したように、抵抗16,17の抵抗値をほぼ等しくしておけば、コンデンサ12の電圧Vcが概ねE/2にまで充電された時点でバランスする。
このとき、コンデンサ13の電圧Eが、ダイオード10,コンデンサ12,抵抗17の直列回路に印加されるが、この電圧Eはダイオード10に対して逆方向であるため、ダイオード10のインピーダンスは極めて高くなる。従って、電圧Vcが低い時にはEに近い電圧がダイオード10に逆方向に印加され、ダイオード10の耐圧を超える恐れがある。
2,12,13:コンデンサ
3〜6,10,11:ダイオード
7:リアクトル
8,9:半導体スイッチング素子
14:負荷
15:初期充電抵抗
16,17:分圧抵抗
20:制御回路
21:電流検出器(シャント抵抗)
22,23:ゲート駆動回路
24:伝送回路
25:直流電源
26:ダイオード
27:コンデンサ
31,101,102:接地コンデンサ
32:対地寄生容量
41:半導体スイッチング素子
42:ダイオード
51:整流回路
SW:スイッチング部
Claims (8)
- 交流電圧を整流回路により整流して得た直流電圧を、半導体スイッチング素子のオン/オフにより異なる大きさの直流電圧に変換して負荷に供給する交流−直流変換装置であって、
第1のダイオード、第2のダイオード、第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子を順次、直列に接続してスイッチング部を構成すると共に、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの接続点と、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点との間に第1のコンデンサを接続し、
前記整流回路の正負の出力端子を、リアクトルを介して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との直列回路の両端にそれぞれ接続し、
その両端が負荷に接続される前記スイッチング部に並列に第2のコンデンサを接続し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のオン/オフを制御するための制御回路の基準電位を、前記第2のコンデンサの負側出力端子の電位とし、
前記第2のコンデンサの負側出力端子を、接地コンデンサを介して接地したことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項1に記載した交流−直流変換装置において、
前記整流回路と前記第2のコンデンサの負側出力端子との間に流れる電流を検出して前記制御回路に与える電流検出手段を備え、前記電流検出手段は、その電流検出部と前記制御回路との間の絶縁機能を持たないことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項1または2に記載した交流−直流変換装置において、
前記制御回路に接続され、かつ、前記第2のスイッチング素子のオン/オフを直接制御する第2の駆動手段と、前記第2の駆動手段を動作させるための直流電源と、を備え、
前記直流電源の基準電位を、前記制御回路の基準電位と等しくしたことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項3に記載した交流−直流変換装置において、
前記制御回路に接続され、かつ、前記第1のスイッチング素子のオン/オフを直接制御する第1の駆動手段と、
前記第2のスイッチング素子のオン時に、前記第1の駆動手段を動作させるための電力を前記直流電源から供給するブートストラップ回路と、
を備えたことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 交流電圧を整流回路により整流して得た直流電圧を、半導体スイッチング素子のオン/オフにより異なる大きさの直流電圧に変換して負荷に供給する交流−直流変換装置であって、
第1のダイオード、第2のダイオード、第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子を順次、直列に接続してスイッチング部を構成すると共に、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの接続点と、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点との間に第1のコンデンサを接続し、
前記整流回路の正負の出力端子を、リアクトルを介して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との直列回路の両端にそれぞれ接続し、
その両端が負荷に接続される前記スイッチング部に並列に第2のコンデンサを接続し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のオン/オフを制御するための制御回路の基準電位を、前記第2のコンデンサの負側出力端子の電位とした交流−直流変換装置において、
前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子よりも耐圧が低く、かつ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子よりも順電圧降下が小さい第3のスイッチング素子と、前記第1のダイオード及び前記第2のダイオードより逆回復損失が大きく、かつ、前記第1のダイオード及び前記第2のダイオードの順電圧降下の和よりも順電圧降下が小さい第3のダイオードと、を直列に接続してなる回路を、前記第1のダイオードと前記第2のダイオードとの直列回路に並列に接続したことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載した交流−直流変換装置において、
前記第1のダイオードまたは前記第2のダイオードのうちの少なくとも一方が、ワイドバンドギャップ半導体を用いたショットキーバリアダイオードであることを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載した交流−直流変換装置において、
前記第1のコンデンサに並列に第1の抵抗を接続すると共に、前記第2のスイッチング素子に並列に、前記第1の抵抗とほぼ等しい抵抗値を有する第2の抵抗を接続したことを特徴とする交流−直流変換装置。 - 請求項7に記載した交流−直流変換装置において、
前記第1のダイオードに並列に第3の抵抗を接続し、前記第2のコンデンサの電圧を前記第1,第2,第3の抵抗の直列回路により分圧したときの前記第3の抵抗の両端電圧が、前記第1のダイオードの耐圧よりも低いことを特徴とする交流−直流変換装置。
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