JP6550962B2 - 炭化珪素半導体のエピタキシャル成長装置 - Google Patents

炭化珪素半導体のエピタキシャル成長装置 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)半導体をエピタキシャル成長させることができるエピタキシャル成長装置に関するものである。
従来、特許文献1において、SiC半導体基板の表面にガスを均一に供給しつつ、メンテナンス頻度を下げることができるCVD(chemical vapor deposition)装置が提案されている。このCVD装置では、インレットへの堆積物を最小限とすることでメンテナンス頻度を下げられるように、冷却機構を備えたプレート状のインレットを用いている。
具体的には、図9に示すように、平板状のインレットJ1に複数の穴を設けてガス導入孔J2を構成し、各ガス導入孔J2から、エピタキシャル成長が行われる反応室内にSi(シリコン)を含むSi原料ガスやC(炭素)を含むC原料ガスを供給している。また、ガス導入孔J2のうちSi原料ガスやC原料ガスが導入されるものと異なるものより、p型不純物のドーパントガスを供給している。そして、ガス導入孔J2が形成されたインレットJ1の内部に冷却水J3が流通させられる冷却水通路J4が設けられ、インレットJ1が冷却されるようにしている。
特表2008−508744号公報
しかしながら、図9に示したように、インレットJ1のうち反応室側の先端は平面状となっていることから、図中の破線矢印で示したようなガス流の淀みが生じ得る。これにより、ドーパントガスが対流し、エピタキシャル成長させるSiC半導体層の深さ方向のキャリア濃度の制御性が悪くなるという問題がある。すなわち、エピタキシャル成長させるSiC半導体層の深さ方向において、キャリア濃度を急峻に変えるような構造を実現することが難しい。特に、SiC半導体のような高温雰囲気でエピタキシャル成長が行われるものにおいては、インレット近傍の温度勾配が大きく、ガス流の淀みが生じやすい。
本発明は上記点に鑑みて、エピタキシャル成長させるSiC半導体層のキャリア濃度を制御性良く形成可能なSiC半導体におけるエピタキシャル成長装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、成長室を構成するチャンバー(20)と、チャンバー内に構成される成長室内に備えられ、SiC半導体基板(70)が設置される設置面を構成するサセプタ部(50)と、Si原料含有ガス、C原料含有ガス、SiC半導体の不純物となる元素を含むドーパントガスが導入される複数の分離部屋(40)を構成すると共に、該分離部屋に導入されたガスを成長室に導入するガス導入口(31a〜31d)を有するインレット(30)と、SiC半導体基板を加熱するヒータ(60)と、を有し、ヒータにてSiC半導体基板を加熱しつつ、ガス導入口を通じて、Si原料含有ガス、C原料含有ガスおよびドーパントガスを成長室内に導入することで、SiC半導体基板の上にSiC半導体層をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長装置であって、インレットは、複数の分離部屋と成長室とを区画すると共にガス導入口を構成し、内部に冷却機構(35)が備えられた導入口構成部(34)を有し、導入口構成部は、同心状に配置された枠状の複数の構成部(34a〜34c)を有した構成とされると共に、該複数の構成部の間にガス導入口を構成しており、複数の分離部屋それぞれから成長室に向かう方向に対して複数の構成部のうちガス導入口を構成している壁面が傾斜させられることで該複数の構成部が先細り形状とされており、該複数の構成部のうち最も成長室側の先端に至るまで壁面が傾斜させられていることを特徴としている。
このように、複数の構成部のうち最も成長室側の先端に至るまで壁面を傾斜させている。つまり、複数の構成部の先端に平坦面の無い構造とされている。このため、当該構成部の先端において、ガス流の淀みが発生することを抑制できる。このため、ドーパントガスが対流することを抑制でき、SiC半導体層に含まれるキャリア濃度を制御性良く調整することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるエピタキシャル成長装置10の断面図である。 図1のII−II断面図である。 図1中のインレット30からのガス流れを示した断面図である。 キャリア濃度と深さの関係を示した図である。 本発明の第2実施形態にかかるエピタキシャル成長装置10の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるエピタキシャル成長装置10の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるエピタキシャル成長装置10の断面図である。 他の実施形態で説明する導入口構成部34a〜34cの先端形状を示した断面図である。 従来のインレットJ1からのガス流れを示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態にかかるSiC半導体のエピタキシャル成長装置10について説明する。なお、図2は、図1のII-II断面図に相当し、図1は、図2のI−I断面図に相当している。
図1に示すように、SiC半導体におけるエピタキシャル成長装置10は、チャンバー20、インレット30、分離部屋40、サセプタ部50およびヒータ60を備えた構成とされている。エピタキシャル成長装置10は、図1の紙面上下方向が天地方向となるように設置されている。
チャンバー20は、例えばSUSなどの金属によって構成されており、成長室を構成する中空部を有した円筒形状部材によって構成されている。エピタキシャル成長装置10は、このチャンバー20の内部における上方位置にインレット30によって構成される分離部屋40を備えていると共に、分離部屋40の下方位置にサセプタ部50を備え、サセプタ部50に設置されたSiC半導体基板70の表面にSiC半導体層80をエピタキシャル成長させる。
チャンバー20には冷却機構21が備えられている。冷却機構21は、例えば冷却水22が循環させられる流水経路を構成するものであり、図示しない流水入口と流水出口が形成されていて、流水入口から冷却水22が導入され、流水出口より排出されることで、常にチャンバー20を冷却できるようになっている。例えば、チャンバー20の側壁23においては、上下方向に延設される仕切り壁が設けられることで冷水経路を仕切っており、その仕切り壁の両側に流水入口と流水出口が設けられることで、冷却水22がチャンバー20の側壁23の周方向に沿って流動させられるようになっている。また、チャンバー20の底面24においては、図では略全域に流水経路を設けた構造として示してあるが、例えば螺旋状に流水経路が設けられ、螺旋の両端に流水入口と流水出口が設けられることで、冷却水22が螺旋状に流動させられるようになっている。
なお、チャンバー20における底面24には、ガス排出口25が設けられており、このガス排出口25を通じてチャンバー20内からのガス排出が行われるようになっている。
インレット30は、チャンバー20の上蓋を構成しつつガス導入を行うものであり、例えばSUSなどの金属によって構成されている。インレット30は、内部に分離部屋40として第1〜第4部屋40a〜40dを形成していると共に第1〜第4部屋40a〜40dそれぞれをチャンバー20内に設けられる内部空間と連通させてガス導入を行うガス導入口31a〜31dを備えている。具体的には、インレット30は、板状部32と、板状部32の下面(チャンバー20の内側)に配置された仕切壁部33と、仕切壁部33の先端に設けられた導入口構成部34とを有した構成とされている。
板状部32は、チャンバー20の上蓋を構成するものであり、本実施形態の場合は円盤状の部材によって構成されている。板状部32のうち第1〜第4部屋40a〜40dと対応する位置にはガス流入穴32a〜32dが形成され、ガス流入穴32a〜32dを通じて第1〜第4部屋40a〜40dへのガス流入が行われる。
仕切壁部33は、第1〜第4部屋40a〜40bを仕切ると共に空間として区画する役割を果たす。具体的には、仕切壁部33は、板状部32の中心より同心円状に配置された円形枠状の突起部によって構成されている。仕切壁部33は、第1部屋40aの周囲を囲む第1仕切壁33a、第1仕切壁33aを囲み第1仕切壁33aとの間に第2部屋40bを構成する第2仕切壁33b、第2仕切壁33bを囲み第2仕切壁33bとの間に第3部屋40cを構成する第3仕切壁33c、第3仕切壁33cを囲み第3仕切壁33cとの間に第4部屋40dを構成する第4仕切壁33dを備える。第1〜第4仕切壁33a〜33dがそれぞれ円形枠状とされていることから、第1部屋40aは円形状、第2〜第4部屋40b〜40dがそれぞれ円環状の部屋とされている。
導入口構成部34は、第1〜第4部屋40a〜40dとチャンバー20内の成長室とを区画すると共に、第1〜第4部屋40a〜40dに流入された各種ガスを成長室内へ導入するガス導入口31a〜31dが備えられたものである。図2に示すように、本実施形態では、ガス導入口31a〜31dは、円形状とされた第1導入口31aと、第1導入口31aを中心として同心円状に設けられた円環状の第2〜第4導入口31b〜31dとによって構成されている。第1〜第4導入口31a〜31dは、それぞれ開口幅、具体的には径方向寸法が等しくされている。ただし、開口幅については任意であり、異なる開口幅であっても良く、例えば中央に位置する第1導入口31aから最も外周側に位置する第4導入口31dに掛けて順に開口幅が増加もしくは減少させたものであっても構わない。
導入口構成部34には、その内部に冷却機構35が備えられており、例えば導入口構成部34を200℃以下に冷却できるようにされている。この冷却機構35によって、導入口構成部34のうち第1〜第4導入口31a〜31dを構成している壁面および第1〜第4導入口31a〜31dを通じて導入される各種ガスを冷却することで、導入口構成部34への堆積物の付着を抑制している。ここでいう堆積物とは、SiCやドーパントとされるAlなどが該当する。具体的には、導入口構成部34は、第1〜第4導入口31a〜31dによって第1〜第3構成部34a〜34cに分割されており、第1〜第3構成部34a〜34cそれぞれに冷却機構35が設けられている。
冷却機構35は、例えば冷却水36が循環させられる流水経路を構成するものであり、図示しない流水入口と流水出口が形成されている。そして、冷却機構35に備えられた流水入口から冷却水36が導入され、流水出口より排出されることで、エピタキシャル成長中に常に第1〜第3構成部34a〜34cを冷却できるようになっている。例えば、板状部32および仕切壁部33に冷却水36が導入される経路の一部が設けられ、第1〜第3構成部34a〜34c内に冷却水36が流動させられるようになっている。その場合、例えば、第1〜第3構成部34a〜34c内において一部を切り欠いた円環状の流水経路とし、その切り欠かれた一端を流水入口、他端を流水出口とするにできる。
また、第1〜第3構成部34a〜34cは、それぞれ、チャンバー20における成長室側において、先端部が先細り形状とされている。より詳しくは、第1〜第3構成部34a〜34cのうち、各部屋40a〜40dより成長室に向かう方向(サセプタ部50の表面に対する法線方向)に対して第1〜第4導入口31a〜31dを構成する壁面(側面)が傾斜させられ、第1〜第4導入口31a〜31dの開口幅が成長室側に向けて徐々に広げられている。本実施形態の場合、図1に示す断面において、当該壁面のうちの成長室側の部分を直線状に傾斜させることでテーパ面としている。当該壁面は、第1〜第3構成部34a〜34cのうち最もサセプタ部50側の先端に至るまで傾斜させられており、先端に平坦面の無い構造とされている。
ガス流入穴32a〜32dは、SiC半導体の原料を含有するガスやキャリアガスなどを第1〜第4部屋40a〜40dそれぞれに別々に導入する入口となる。本実施形態の場合には、ガス流入穴32a〜32dとして、第1〜第4流入穴32a〜32dの4種類が備えられており、第1〜第4流入穴32a〜32dそれぞれより各種ガスを導入する。具体的には、第1〜第4流入穴32a〜32dは、第1〜第4部屋40a〜40dそれぞれに対応した位置に形成されている。第1〜第4流入穴32a〜32dは、それぞれ単数であっても良いが複数とされていても良い。本実施形態の場合、例えば円環状とされた第2〜第4部屋40b〜40dについては第2〜第4流入穴32a〜32dを同心円状に複数個配置してある。
第1〜第4流入穴32a〜32dには、ぞれぞれガス配管41〜44が繋げられており、ガス配管41〜44を通じて各種ガスが導入される。各ガス配管41〜44には、ガスボンベ45〜48が接続され、マスフローコントローラ(以下、MFCという)41a〜41d、42a〜42d、43a〜43d、44a〜44dにて流量制御が行えるようになっている。
ガスボンベ45は、Si原料ガスを収容しており、シラン系ガス(例えば、TCS(トリクロロシラン))を供給する。ガスボンベ46は、C原料ガスを収容しており、プロパン系ガス(例えば、C38(プロパン))を供給する。ガスボンベ47は、p型不純物を含むドーパントガス(例えばTMA(トリメチルアルミニウム))を供給する。ガスボンベ48は、キャリアガスなどを収容しており、例えば、H2(水素)や不活性ガスなどを供給する。
なお、ここではSi原料ガス、C原料ガス、ドーパントガス、キャリアガスの一例を示しているが、勿論、他のガスを用いても構わない。
分離部屋40は、チャンバー20内に構成された成長室内の上部において水平方向に複数に分離されて構成され、第1〜第4流入穴32a〜32dからのガスを分離した状態で導入できる部屋である。本実施形態の場合、分離部屋40は、第1〜第4部屋40a〜40dによって構成されており、第1〜第4部屋40a〜40dは、上記した第1〜第4仕切壁33a〜33dによって区画されている。これにより、第1部屋40aが円形状、第2〜第4部屋40b〜40cが第1部屋40aを囲むように同心円状に配置された円環状とされている。
サセプタ部50は、SiC半導体基板70を設置するマウント部となる部材である。サセプタ部50は、上面がSiC半導体基板70の設置面とされており、本実施形態の場合、円盤形状とされている。サセプタ部50には、下方に延びる棒状の支持軸51が備えられている。図示していないが、支持軸51は、チャンバー20の底面24より外部まで引き出されていて、図示しない回転機構に連結されることで回転可能とされている。
ヒータ60は、サセプタ部50におけるSiC半導体基板70の設置面と対向する円盤状のヒータなどによって構成されている。ヒータ60には、図示しない配線を通じて外部からの通電が行われる。これにより、ヒータ60にて、サセプタ部50の裏面側からSiC半導体基板70をSiC半導体層80の成長に適した温度に加熱する。
なお、図示していないが、チャンバー20内は減圧装置によって減圧雰囲気に制御することが可能となっており、SiC半導体層80の成長時には空気などを除いてガスボンベ45〜48からのガス種のみで成長室内を満たせるようになっている。
以上のような構成によりエピタキシャル成長装置10が構成されている。このように構成されたエピタキシャル成長装置10を用いて、次のようにしてSiC半導体基板70の表面にSiC半導体層80を成膜する。
具体的には、ヒータ60によってSiC半導体基板70を加熱(例えば1600℃)にしつつ、減圧雰囲気(例えば、13.3kPa=100Torr)とし、MFC41a〜41d、42a〜42d、43a〜43d、44a〜44dにて流量制御を制御しつつ、ガスボンベ45〜48より各種ガスを供給する。そして、ガス配管41〜44を通じて第1〜第4部屋40a〜40dに各種ガスが流入され、第1〜第4導入口31a〜31dを通じてチャンバー20の成長室内に導入される。このガスが加熱されたSiC半導体基板70の近傍において加熱分解されることで、SiC半導体基板70の表面にSiC半導体層80がエピタキシャル成長させられる。このとき、ドーパントとなる元素であるAlを含むTMAを導入すると、SiC半導体層80としてp型エピタキシャル層を成長させることができる。これにより、SiC半導体基板70の上に、所望の不純物濃度のp型のSiC半導体をエピタキシャル成長させたエピ基板を得ることができる。
ここで、上記したように、第1〜第3構成部34a〜34cのうち、第1〜第4導入口31a〜31dを構成する壁面を成長室側において傾斜させ、第1〜第4導入口31a〜31dの開口幅を成長室側に向けて徐々に広げている。このため、図3に矢印で示したように、各種ガスの導入範囲を広げられる。したがって、SiC半導体基板70の表面にほぼ面内分布無く均一に各種ガスを供給することが可能となる。
また、第1〜第3構成部34a〜34cのうち、第1〜第4導入口31a〜31dを構成する壁面は、第1〜第3構成部34a〜34cのうち最もサセプタ部50側の先端に至るまで傾斜させられており、先端に平坦面の無い構造とされている。このため、当該壁面の先端において、ガス流の淀みが発生することを抑制できる。このため、ドーパントガスが対流することを抑制でき、SiC半導体層80に含まれるキャリア濃度(本実施形態の場合はp型不純物の不純物濃度)を制御性良く調整することが可能となる。したがって、エピタキシャル成長させるSiC半導体層80の深さ方向において、キャリア濃度を急峻に変えるような構造を実現することが可能となる。具体的には、図4中に実線で示したように、SiC半導体層80の深さ方向に対するキャリア濃度の変化が急変になり、図4中に破線で示したような緩やかな変化にならないようにできる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してインレット30の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、ガス導入口31a〜31dから各種ガスをすべて混合させた状態で導入しているが、本実施形態では、各種ガスの少なくとも一部が別々に導入されるようにする。
図5に示すように、ガス導入口31a〜31dにパイプ部材31aa〜31daを配置している。パイプ部材31aa〜31daの先端は、第1〜第3構成部34a〜34cにおける第1〜第4導入口31a〜31dを構成する壁面のうち傾斜させられている部分の根元位置(最も成長室と反対側の位置)よりも突き出させられている。
このような構成において、パイプ部材31aa〜31daの内側からSi原料ガス(例えばTCS)、C原料ガス(例えばC38)、ドーパントガス(例えばTMA)およびキャリアガス(例えばH2、不活性ガス)を導入している。また、ガス導入口31a〜31dのうちパイプ部材31aa〜31daよりも外側からパージガス(例えばH2)を導入する。なお、ここではパージガスをキャリアガスと同じガスとしたが、異なるガスとしても良い。
このように、Si原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスの周囲にパージガスを導入する形態としても良い。このような構造とすれば、より導入口構成部34への堆積物の付着を抑制することが可能となる。
なお、このような構成とする場合、ガス配管41〜44内で各種ガスが混合されるようにするのではなく、少なくともSi原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスとパージガスとが別配管で供給されるようにする必要がある。また、第1〜第4部屋40a〜40dについても、Si原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスが導入されてパイプ部材31aa〜31daの内側と繋がる部屋とパージガスが導入されてパイプ部材31aa〜31daの外側と繋がる部屋とに分ける必要がある。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対してインレット30の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、図6に示すように、ガス導入口31a〜31dを導入口構成部34a〜34cの先端側とは反対側となる根元側に配置された根元側のガス導入口31a〜31dとして、それに加えて、各導入口構成部34a〜34cのうち最もサセプタ部50側の先端部を通過する先端側の第5〜第7ガス導入口31e〜31gを形成している。そして、第5〜第7ガス導入口31e〜31gからSi原料ガス(例えばTCS)、C原料ガス(例えばC38)、ドーパントガス(例えばTMA)およびキャリアガス(例えばH2、不活性ガス)を導入している。また第1〜第4ガス導入口31a〜31dからパージガス(例えばH2)を導入する。
このように、各導入口構成部34a〜34cのうち最もサセプタ部50側の先端部を通る線上を通過するように、第5〜第7ガス導入口31e〜31gを形成し、そこからSi原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスの周囲にパージガスを導入する形態としても良い。このような構造とすれば、Si原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスの周囲が導入口構成部34a〜34cにおける傾斜させた壁面を通過しないことになるため、より導入口構成部34への堆積物の付着を抑制することが可能となる。
なお、このような構成とする場合も、ガス配管41〜42内で各種ガスが混合されるようにするのではなく、少なくともSi原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスとパージガスとが別配管で供給されるようにする必要がある。また、第1〜第4部屋40a〜40dに加えて、第5〜第7部屋40e〜40fを備え、第5〜第7部屋40e〜40fにSi原料ガス、C原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスが導入されるようにする必要がある。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対してインレット30の構成を変更したものであり、その他については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、各導入口構成部34a〜34cの先端を加熱手段を備えた構造とする。具体的には、図7に示すように、各導入口構成部34a〜34cの先端に加熱手段として抵抗加熱によるヒータ37を備えてある。このように、ヒータ37を備えることにより、例えばドーパントガスに含まれるAlの付着温度(例えば1200℃)以上の温度に各導入口構成部34a〜34cの先端、具体的には傾斜させられている壁面を加熱する。このようにすれば、より導入口構成部34への堆積物の付着を抑制することが可能となる。
なお、ここでは冷却機構35による冷却とヒータ37による加熱を熱的に分離して行えるように、各導入口構成部34a〜34cの先端については根元部分(SUS)と異なる材料で構成している。この場合、温度の高いガスによって昇華してSiCに対する汚染物質が形成されてしまわないようにする必要があるため、例えばカーボンや高融点炭化金属(TaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)など)を用いて各導入口構成部34a〜34cの先端を構成するようにしている。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、各導入口構成部34a〜34cの先端の傾斜については、必ずしも断面形状が直線状になっている必要はなく、図8(a)に示すような膨らんだ曲線状もしくは図8(b)に示すような凹んだ曲線状であっても良い。また、各導入口構成部34a〜34cの先端についても、平坦面が構成されていなければ良く、例えば、図8(c)に示すような丸まった形状とされていても良い。
また、各実施形態相互間において組み合わせ可能なものについては、組み合わせることも可能である。例えば、第4実施形態のヒータ37を第1、第3実施形態の構造に対して適用することもできる。
また、上記各実施形態では、導入口構成部34a〜34cが分離された構造としているが、ガス導入口31a〜31dをライン状にするのではなく点在させ、各導入口構成部34a〜34cが繋がった構造とすることもできる。ただし、その場合、各ガス導入口31a〜31dの間において平坦面が形成されることになり、その部分に堆積物が生じたり、ガス流の対流が生じる可能性があることから、好ましくはガス導入口31a〜31dをライン状にするのが良い。
さらに、上記各実施形態では、導入口構成部34a〜34cを同心円状に配置した円環状の部材としているが、これは一例を示したに過ぎず、同心状の枠形状の部材としていれば良い。
10 エピタキシャル成長装置
20 チャンバー
30 インレット
31a〜31g ガス導入口
34 導入口構成部
35 冷却機構
37 ヒータ
40 分離部屋
50 サセプタ部
70 SiC半導体基板
80 SiC半導体層

Claims (8)

  1. 成長室を構成するチャンバー(20)と、
    前記チャンバー内に構成される前記成長室内に備えられ、炭化珪素半導体基板(70)が設置される設置面を構成するサセプタ部(50)と、
    Si原料含有ガス、C原料含有ガス、炭化珪素半導体の不純物となる元素を含むドーパントガスが導入される複数の分離部屋(40)を構成すると共に、該分離部屋に導入されたガスを前記成長室に導入するガス導入口(31a〜31d)を有するインレット(30)と、
    前記炭化珪素半導体基板を加熱するヒータ(60)と、を有し、
    前記ヒータにて前記炭化珪素半導体基板を加熱しつつ、前記ガス導入口を通じて、前記Si原料含有ガス、前記C原料含有ガスおよび前記ドーパントガスを前記成長室内に導入することで、前記炭化珪素半導体基板の上に炭化珪素半導体層をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長装置であって、
    前記インレットは、前記複数の分離部屋と前記成長室とを区画すると共に前記ガス導入口を構成し、内部に冷却機構(35)が備えられた導入口構成部(34)を有し、
    前記導入口構成部は、同心状に配置された枠状の複数の構成部(34a〜34c)を有した構成とされると共に、該複数の構成部の間に前記ガス導入口を構成しており、前記複数の分離部屋それぞれから前記成長室に向かう方向に対して前記複数の構成部のうち前記ガス導入口を構成している壁面が傾斜させられることで該複数の構成部が先細り形状とされており、該複数の構成部のうち最も前記成長室側の先端に至るまで前記壁面が傾斜させられていることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
  2. 前記複数の構成部は、同心円状に配置された円環状とさていることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
  3. 前記冷却機構により、前記導入口構成部が200℃以下に冷却されることを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャル成長装置。
  4. 前記ガス導入口には、パイプ部材(31aa〜31da)が配置され、前記ガス導入口のうち前記パイプ部材の内側より前記Si原料含有ガス、前記C原料含有ガス、前記ドーパントガスおよびキャリアガスを導入し、前記パイプ部材の外側よりパージガスを導入することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエピタキシャル成長装置。
  5. 前記パイプ部材は、先端が前記壁面のうち傾斜させられている部分における最も前記成長室と反対側の位置よりも前記成長室側に突き出していることを特徴とする請求項4に記載のエピタキシャル成長装置。
  6. 前記導入口構成部には、前記ガス導入口を該導入口構成部の先端側とは反対側となる根元側に配置された根元側のガス導入口として、該根元側のガス導入口に加えて、該導入口構成部のうち最も前記サセプタ部側の先端部を通過するように先端部側のガス導入口(31e〜31g)が形成されており、
    前記根元側のガス導入口よりパージガスを導入すると共に、前記先端部側のガス導入口より前記Si原料含有ガス、前記C原料含有ガス、前記ドーパントガスおよびキャリアガスを導入することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエピタキシャル成長装置。
  7. 前記導入口構成部の先端には、前記壁面における傾斜した部分を加熱する加熱手段(37)が備えられていることを特徴する請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエピタキシャル成長装置。
  8. 前記加熱手段により、前記壁面における傾斜した部分を1200℃以上に加熱することを特徴とする請求項7に記載のエピタキシャル成長装置。
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