JP6550815B2 - 人体局部洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人体局部洗浄装置に関する。
人体局部洗浄装置の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、人体局部洗浄装置1は、洗浄水を加熱する熱交換ユニット30、洗浄水を脈動させる脈動バルブ40、水路を切り替えるとともに洗浄水の流量を調整する水路切替バルブ50および洗浄水を人体局部に向かって噴出する孔63,64,65を有するノズルユニット60を備えている。脈動バルブ40は、特許文献1の図2に示されているように、シリンダ室41、シリンダ室41に対してストロークするピストン46、ピストン46のストロークに応じて変形するダイアフラム47、モータ(図示なし)およびモータの回転運動をピストン46の直線運動に変換する偏心カム48を備えている。人体局部洗浄装置1は、脈動バルブ40によって洗浄水を脈動させることにより、使用者に十分な洗浄感を与えている。
特開2011−63989号公報
しかしながら、特許文献1の人体局部洗浄装置1においては、脈動バルブ40は、上述したように、比較的部品点数が多い。部品点数が多いことは、人体局部洗浄装置が高コスト化する。一方、人体局部洗浄装置の低コスト化の要請がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、洗浄水を脈動させる機能を有する人体局部洗浄装置を、比較的低コストにて提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る人体局部洗浄装置は、水源から供給される洗浄水を噴出穴から噴出させることにより人体局部を洗浄する局部洗浄ノズルと、水源から洗浄水が供給され、洗浄水の圧力を調整する圧力調整部と、圧力調整部によって圧力が調整された洗浄水を脈動させる脈動発生部と、圧力調整部を少なくとも制御する制御部と、を備えた人体局部洗浄装置であって、脈動発生部は、圧力調整部から洗浄水が供給されるとともに、噴出穴と接続する弁室と、弁室内に、圧力調整部によって調整された洗浄水の圧力である調整圧力に応じて移動可能に配設され、噴出穴を開閉可能な弁体と、弁体を調整圧力に抗して付勢するスプリングと、を備え、制御部は、圧力調整部によって調整圧力を、噴出穴を開閉するように弁体が周期的に往復運動する脈動発生圧力に調整することにより、脈動発生部によって洗浄水を脈動させる脈動制御を行う脈動制御部を備人体局部洗浄装置は、圧力調整部および脈動発生部に接続され、弁室内にて噴出穴が閉じられたときに増加する洗浄水の圧力である増加圧力を蓄える蓄圧部と、蓄圧部および弁室に接続された洗浄水を流通させる流路である蓄圧流路の流路抵抗を変更する流路抵抗変更部をさらに備え、制御部は、流路抵抗変更部によって蓄圧流路の流路抵抗を変更して、増加圧力が蓄圧部に伝播する伝播時間を調整することにより、洗浄水が脈動する周波数を変更する周波数制御を行う周波数制御部をさらに備えている。
これによれば、洗浄水の脈動を発生させる脈動発生部は、弁室、弁室内に配設された弁体およびスプリングによって構成されているため、従来技術の脈動発生バルブと比べて、部品点数を少なくすることができる。よって、脈動発生部ひいては人体局部洗浄装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の第一実施形態に係る人体局部洗浄装置の構成を示す概要図である。 図1に示す圧力調整部の軸方向断面図である。 図2に示すIII−III線に沿った圧力調整部の断面図であり、筒弁体が原点位置に位置している状態を表している。 図2に示すIII−III線に沿った圧力調整部の断面図であり、筒弁体がおしり洗浄範囲内に位置している状態を表している。 図1に示すおしりノズルの側面図である。 図4に示すおしりノズルの先端部の部分拡大断面図であり、洗浄水がおしりノズルに供給されていない状態を表している。 図4に示すおしりノズルの先端部の部分拡大断面図であり、洗浄水が常流圧力にておしりノズルに供給され、噴出穴から噴出している状態を表している。 図5に示す軸弁体の移動量とスプリング荷重との第一相関関係を示す図である。 図5に示す軸弁体の移動量とおしりノズルに供給される洗浄水の常流圧力との第二相関関係を示す図である。 図5に示す軸弁体の移動量と絞り流路の第二流路面積との第三相関関係を示す図である。 図4に示すおしりノズルに供給される洗浄水の常流圧力と絞り流路における第二流路面積との第四相関関係を示す図である。 図4に示すおしりノズルの先端部の部分拡大断面図であり、洗浄水が脈動発生圧力にておしりノズルに供給され、軸弁体と弁座が離れている状態を表している。 図4に示すおしりノズルの先端部の部分拡大断面図であり、洗浄水が脈動発生圧力にておしりノズルに供給され、軸弁体と弁座が接触している状態を表している。 本発明の第二実施形態に係る人体局部洗浄装置の構成を示す部分概要図である。 図13に示す人体局部洗浄装置の制御部を示す図である。 図13に示す蓄圧部の構成を示す断面図である。 図13に示す流路抵抗変更部の軸方向断面図である。 図13に示す蓄圧流路の長さと脈動周波数との第五相関関係を示す図である。 図13に示す蓄圧流路の長さと図4に示す脈動発生部によって脈動されている洗浄水が噴出穴から噴出したときにおける洗浄水の平均荷重との第六相関関係を示す図である。 図4に示す脈動発生部によって脈動されている洗浄水が噴出穴から噴出したときにおける洗浄水の荷重のタイムチャートである。
本発明に係る人体局部洗浄装置1の第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。人体局部洗浄装置1は、洗浄水Wを噴出することにより、人体局部を洗浄するものである。人体局部洗浄装置1は、図1に示すように、操作部10、温水機能部20、温水機能部20に回動可能に支持される便座(図示なし)および便蓋(図示なし)を備えている。操作部10は、人体局部洗浄装置1を遠隔操作するものである。操作部10は、人体局部洗浄装置1を操作するための複数のスイッチ(図示なし)を備えている。操作部10は、使用者によってスイッチを操作されることにより、温水機能部20に所定の制御信号を無線送信する。
温水機能部20は、分岐水栓20a、ストレーナ20b、逆止弁20c、定流量弁20d、止水電磁弁20e、リリーフバルブ20f、温水タンク20g、ヒータ20hおよび温度センサ20i、圧力調整切替バルブ20j(30)(本発明の圧力調整部に相当)、おしりノズル20k(本発明の局部洗浄ノズルに相当)、ビデノズル20mおよび制御装置20n(本発明の制御部に相当)を備えている。
また、温水機能部20は、洗浄水Wが流通する第一流路L1、第二流路L2、第三流路L3および第四流路L4をさらに備えている。第一流路L1は、分岐水栓20aと温水タンク20gとを接続する流路である。第一流路L1には、分岐水栓20aから順に、ストレーナ20b、逆止弁20c、定流量弁20d、止水電磁弁20eおよびリリーフバルブ20fが配設されている。また、第二流路L2は、温水タンク20gと圧力調整切替バルブ20jとを接続する流路である。第三流路L3は、圧力調整切替バルブ20jとおしりノズル20kとを接続する流路である。第四流路L4は、圧力調整切替バルブ20jとビデノズル20mとを接続する流路である。
分岐水栓20aは、水道配管2(本発明の水源に相当)に取り付けられ、水道配管2に流れる上水を洗浄水Wとして第一流路L1に導入するものである。ストレーナ20bは、上水に含まれるゴミ等を除去するものである。逆止弁20cは、分岐水栓20aから温水タンク20gへの洗浄水Wの流れを許容するが、逆方向の流れを規制するものである。定流量弁20dは、第一流路L1に流れる洗浄水Wの流量を一定に維持するものである。止水電磁弁20eは、制御装置20nからの制御信号により、第一流路L1を開状態または閉状態にするものである。本実施形態においては、止水電磁弁20eは、通常時(非制御時)に第一流路L1を閉状態にする。リリーフバルブ20fは、水道配管2から供給された洗浄水Wを排出することにより、温水タンク20gおよび各ノズル20k,20mに供給される洗浄水Wの圧力を調節するものである。
温水タンク20gは、内部に洗浄水Wを貯留するものである。温水タンク20gは、例えばポリプロピレン等の樹脂材料によって中空の箱状に形成されている。ヒータ20hは、温水タンク20gに貯留された洗浄水Wを、制御装置20nから送信される制御信号にしたがって加熱するものである。ヒータ20hは、例えばシーズヒータである。温度センサ20iは、温水タンク20gに貯留された洗浄水Wの温度を検出し、検出結果を制御装置20nに送信するものである。
圧力調整切替バルブ30は、第二流路L2から洗浄水Wが供給され、洗浄水Wの圧力を調整するものである。圧力調整切替バルブ30は、洗浄水Wの圧力を調整することにより、各ノズル20k,20mから噴出される洗浄水Wの水勢を調整する(後述する)。また、第二流路L2から供給された洗浄水Wを、各流路L3,L4に選択的に切り替えて導出するものである。圧力調整切替バルブ30は、図2乃至図3Bに示すように、バルブケース31、筒弁体32、第一シール部材33、第二シール部材34およびモータ35を備えている。
バルブケース31は、一端(図2の左側)を開口する円筒状に形成され、内部に筒弁体32を軸線30a周りに回動可能に収納するものである。バルブケース31は、一端をバルブケース31内部と接続する3つのポート31a〜31cを備えている。第一ポート31aは、バルブケース31の他端(図2の右側)に形成され、一端を第一開口部31dにてバルブケース31内部と接続され、他端を第二流路L2に接続されている。第二ポート31bは、図3Aに示すように、バルブケース31の側壁から図3Aの右側に向かって突出し、一端を第二開口部31eにてバルブケース31内部と接続され、他端を第三流路L3に接続されている。第三ポート31cは、バルブケース31の側壁から図3Aの左側に向かって突出し、一端を第三開口部31fにてバルブケース31内部と接続され、他端を第四流路L4に接続されている。
筒弁体32は、図2に示すように、バルブケース31の他端側を第一開口部31dに向けて開口する円筒状に形成されている。筒弁体32の外周面は、バルブケース31の内周面と液密に周方向に摺動可能に形成されている。筒弁体32の側壁には、図2乃至図3Bに示すように、筒弁体32内部と第二開口部31eとを連通可能に形成された第一連通穴32a、および、筒弁体32内部と第三開口部31fとを連通可能に形成された第二連通穴32bが形成されている。このようにバルブケース31および筒弁体32を形成することにより、第二流路L2から供給される洗浄水Wは、第一ポート31aの第一開口部31dから筒弁体32内部に供給される。筒弁体32内部に供給された洗浄水Wは、筒弁体32が回動することにより、第一連通穴32aを介して第二開口部31eから第二ポート31bさらに第三流路L3に導出される。また、筒弁体32内部に供給された洗浄水Wは、同様に、第二連通穴32bを介して第三開口部31fから第三ポート31cさらに第四流路L4に導出される。
筒弁体32が図2および図3Aに示す原点位置HPに位置する場合、筒弁体32内部と、各開口部31e,31fとが、各連通穴32a,32bを介して連通される。また、筒弁体32は、原点位置HPから図3Bに矢印にて示す時計周りCWに回動することにより、おしり洗浄回動範囲内に位置する。おしり洗浄回動範囲は、筒弁体32の回動可能な範囲のうち、おしりノズル20kのみから洗浄水Wが噴出する範囲である。具体的には、おしり洗浄回動範囲は、筒弁体32内部と第二開口部31eとが第一連通穴32aを介して連通され、かつ、筒弁体32内部と第三開口部31fとが遮断される範囲である。
第一連通穴32aは、図2に示すように、周方向長さを第二開口部31eの周方向長さより長く、かつ、筒弁体32の周方向に沿って一方から他方に向かうにしたがって軸線30a方向に沿った長さを短くする三角形状に形成されている。このように第一連通穴32aを形成することによって、筒弁体32の回動角度を調整することで、第一連通穴32aが第二開口部31eに対して開口することにより形成される流路の面積である第一流路面積Aaを調整することができる。具体的には、筒弁体32が原点位置HPから時計周りCWに回動するにしたがって、第一流路面積Aaが増加するように調整される。第一流路面積Aaを調整することで、筒弁体32内部と第二開口部31eとの間に形成される流路の流路抵抗を調整することができる。これにより、第二流路L2から供給される洗浄水Wの圧力(以下、供給圧力Psとする。)は、第四流路L4を介しておしりノズル20kに供給される洗浄水Wの圧力(以下、調整圧力Paとする。)に調整される。
また、筒弁体32は、原点位置HPから反時計周りに回動することにより、ビデ洗浄回動範囲内に位置する。ビデ洗浄回動範囲は、筒弁体32が回動可能な範囲のうち、ビデノズルのみから洗浄水Wが噴出する範囲である。具体的には、ビデ洗浄回動範囲は、筒弁体32内部と第三開口部31fとが第二連通穴32bを介して連通され、かつ、筒弁体32内部と第二開口部31eとが遮断されるビデ洗浄回動範囲内に位置する。また、第二連通穴32bの形状は、第一連通穴32aの形状と同様に形成されている。よって、筒弁体32がビデ洗浄回動範囲内にて回動することによって、上述したおしりノズル20kの場合と同様に、ビデノズル20mに供給される洗浄水Wの圧力が調整される。
また、筒弁体32には、図2に示すように、周方向に全周に亘って形成された第一環状溝32cおよび第二環状溝32dが形成されている。
第一シール部材33は、第一環状溝32cに配設され、第一開口部31dから供給される洗浄水Wが筒弁体32の外周面とバルブケース31の内周面との間から各開口部31e,31fへ漏れることを防ぐものである。第二シール部材34は、第二環状溝32dに配設され、各連通穴32a,32bから導出される洗浄水Wがバルブケース31の一端側から外部へ漏れることを防ぐものである。各シール部材33,34は、例えばOリングである。
モータ35は、制御装置20nから送信される制御指令値に従って、筒弁体32をバルブケース31に対して回動させるものである。モータ35は、例えばステッピングモータである。モータ35は、出力軸35aが筒弁体32の一端面から窪むように形成された凹部32eに嵌るように、バルブケース31の一端部に固定されている。
おしりノズル20kは、第三流路L3から供給される洗浄水Wを噴出させることにより人体局部を洗浄するものである。おしりノズル20kは、樹脂材料を射出成型することにより形成されている。おしりノズル20kは、図4および図5に示すように、筒部20k1および先端部20k2(40)を備えている。
筒部20k1は、図4に示すように、第三流路L3に接続され、内部に洗浄水Wを流通させる第五流路L5を有する筒状に形成されている。筒部20k1は、第五流路L5を介して、一端にて第三流路L3から供給される洗浄水Wを導入し、他端から洗浄水Wを先端部20k2に導出する。筒部20k1の他端部には、図5に示すように、先端部20k2と嵌合する小径部20k1aが形成されている。小径部20k1aには周方向に全周に亘って形成された環状溝20k1bが形成されている。環状溝20k1bには、筒部20k1と先端部20k2との嵌合部から洗浄水Wが漏洩することを防止する第三シール部材20k3(例えばOリング)配設されている。
先端部40は、図5に示すように、先端部材41、噴出穴42および脈動発生部43を備えている。先端部材41は、開口部41aおよび第六流路L6が形成されている。開口部41aは、先端部材41の一端にて筒部20k1に向かって開口し、筒部20k1の小径部20k1aと嵌合するように形成されている。先端部40は、開口部41aにて小径部20k1aと嵌合することにより取り付けられている。先端部40は、筒部20k1に取り付けられた状態において、例えばスナップフィット(図示なし)によって固定されている。先端部40は、筒部20k1に対して図5の右側に引き抜かれることにより、筒部20k1から取り外される。
第六流路L6は、開口部41aと噴出穴42とを接続して、洗浄水Wを流通させる流路である。第六流路L6は、開口部41a側にて第五流路L5から供給される洗浄水Wを導入し、噴出穴42に洗浄水Wを導出する。
噴出穴42は、洗浄水Wを人体局部に向けて噴出するものである。噴出穴42は、一端を第六流路L6に接続され、他端をおしりノズル20kの外部に向けて開口する貫通穴である。噴出穴42は、導入部42aおよび整流部42bを備えている。導入部42aは、第六流路L6に接続され、第六流路L6から洗浄水Wを導入するものである。導入部42aは、上下方向(図中に矢印にて示す)に沿って下端から上端に向かって徐々に内径を小さくするテーパ状に形成されている。整流部42bは、洗浄水Wを整流するものである。整流部42bは、断面円状の貫通穴である。
脈動発生部43は、圧力調整切替バルブ30によって調整圧力Paに調整された洗浄水Wを脈動させるものである。また、脈動発生部43は、噴出穴42の開口面積を調整するものである。噴出穴42の開口面積は、噴出穴42に形成される流路面積のうち最も小さい流路面積である。脈動発生部43は、第六流路L6に配設され、弁室43a、弁座43b、軸弁体43c(本発明の弁体に相当)、案内部材43d、およびスプリング43eを備えている。
弁室43aは、上下方向に沿って延びる円筒状に形成され、下端にて第六流路L6と接続し、上端にて噴出穴42と接続する。弁室43a内には、軸弁体43c、案内部材43dおよびスプリング43eが収容されている。
弁座43bは、噴出穴42の導入部42aに形成されている。すなわち、弁座43bは、上述したように上下方向に沿って下端から上端に向かって徐々に内径を小さくするテーパ状に形成されている。弁座43bのテーパ角度は、45°以上、かつ、60°以下の範囲内に設定されている。これにより、弁座43bと軸弁体43cとの食い付きを抑制することができる。弁座43bは、軸弁体43cと接触可能に形成されている。
軸弁体43cは、調整圧力Paに応じて弁座43bに向けて上下方向に沿って移動可能に配設され、噴出穴42を開閉可能に形成されている。軸弁体43cは、樹脂材料を射出成型することにより形成されている。軸弁体43cは、軸部43c1、鍔部43c2、突起部43c3、弁連通穴43c4(本発明の連通穴に相当)および貫通穴43c5を備えている。軸部43c1は、上下方向に沿って延びる円柱状に形成されている。軸部43c1の上端部には、球状の曲面部43c1aが形成されている。また、軸弁体43cの曲面部43c1aと弁座43bとの間には、洗浄水Wが流れるときに洗浄水Wの流量を絞る絞り流路Lrが形成される。絞り流路Lrの流路面積は、噴出穴42の流路面積のうち最も小さい流路面積に相当する。すなわち、絞り流路Lrの流路面積は、噴出穴42の開口面積に相当する。
鍔部43c2は、軸部43c1の下端部に、軸部43c1の全周に亘って径方向外側に向かって突出するように形成されている。鍔部43c2の外周面は、弁室43aの内周面に沿って上下方向に摺動可能に形成されている。突起部43c3は、鍔部43c2の下端面から下方向に向かって突出するように形成されている。
弁連通穴43c4は、軸部43c1を上下方向に沿って貫通するように形成されている。弁連通穴43c4は、軸弁体43cと弁座43bとが接触した場合、噴出穴42と弁室43a内とを連通する。貫通穴43c5は、鍔部43c2を上下方向に沿って貫通するように形成されている。貫通穴43c5は、鍔部43c2の周方向に沿って均等に複数(例えば3つ)配設されている。
案内部材43dは、軸弁体43cが上下方向に移動する際に、軸弁体43cを案内するものである。案内部材43dは、円板状に形成され、弁室43a内に例えば圧入によって固定されている。案内部材43dは、案内穴43d1および貫通穴43d2が形成されている。案内穴43d1は、軸弁体43cの軸部43c1が貫通する穴である。案内穴43d1の内周面は、軸部43c1の外周面と摺動可能に形成されている。貫通穴43d2は、案内穴43d1から径方向外側にて案内部材43dを上下方向に沿って貫通するように形成されている。貫通穴43d2は、案内部材43dの周方向に沿って均等に複数(例えば3つ)配設されている。
スプリング43eは、案内部材43dと軸弁体43cの鍔部43c2との間に配設され、軸弁体43cを調整圧力Paに抗して下方に付勢するものである。スプリング43eは、例えばコイルばねである。また、スプリング43eは、ばねの変位量と復元力とが比例する線形ばねである。スプリング43eの変位量は、軸弁体43cの移動量Mに相当する。よって、軸弁体43cの移動量Mとスプリング43eが軸弁体43cを下方に付勢するスプリング荷重Fsとの第一相関関係C1は、図7に示すように比例関係となる。軸弁体43cの移動量Mは、軸弁体43cの突起部43c3の下端と弁室43aの底面とが接触した位置を基準とした軸弁体43cの上方への移動距離である。
ビデノズルは、第四流路L4から供給される洗浄水Wを噴出させることにより人体局部を洗浄するものである。ビデノズルは、内部に洗浄水Wを流通させるビデ流路(図示なし)を有する筒状に形成されている。ビデノズルは、ビデ流路を介して第四流路L4から洗浄水Wを導入し、導入した洗浄水Wを噴出穴(図示なし)から噴出する。
制御装置20nは、止水電磁弁20e、ヒータ20h、温度センサ20iおよび圧力調整切替バルブ20jと、電気的に接続されている。制御装置20nは、操作部10から無線送信される制御信号に基づいて、温度センサ20iの検出信号から、止水電磁弁20e、ヒータ20hおよび圧力調整切替バルブ20jに所定の制御信号を送信して温水機能部20を制御するものである。また、制御装置20nは、図1に示すように、水勢制御部20n1および脈動制御部20n2をさらに備えている。
水勢制御部20n1は、圧力調整切替バルブ30によって調整圧力Paを、常流圧力Pcに調整して、噴出穴42から噴出される洗浄水Wの水勢を調整する水勢制御を行うものである。常流圧力Pcは、噴出穴42の開口面積を調整するように軸弁体43cが移動する調整圧力Paである(後述する)。
脈動制御部20n2は、圧力調整切替バルブ30によって調整圧力Paを、脈動発生圧力Pmに調整することにより、脈動発生部43によって洗浄水Wを脈動させる脈動制御を行うものである。脈動発生圧力Pmは、噴出穴42を開閉するように軸弁体43cが周期的に往復運動する調整圧力Paである(後述する)。また、脈動発生圧力Pmの圧力値は、常流圧力Pcの圧力値より大きくなるように設定されている。
次に、上述した人体局部洗浄装置1が、おしりノズル20kから洗浄水Wを噴出させて人体局部の洗浄(以下、おしり洗浄とする。)を行う場合の動作について説明する。説明を簡単にするために、おしり洗浄において、洗浄水Wの水勢が、弱水勢、中水勢および強水勢の3段階に設定されている場合について説明する。弱水勢、中水勢、強水勢の順に水勢が強くなるように調整されている。洗浄水Wの水勢は、噴出穴42から噴出される洗浄水Wの流速を調整することによって調整されている。具体的には、弱水勢、中水勢、強水勢の順に洗浄水Wの流速が大きくなるように調整されている。
中水勢および弱水勢にておしり洗浄が行われる場合、制御装置20nは、水勢制御部20n1にて水勢制御を行う。また、強水勢にておしり洗浄が行われる場合、制御装置20nは、脈動制御部20n2にて脈動制御を行う。はじめに、水勢制御部20n1が行う水勢制御について説明する。
使用者によって、おしり洗浄を中水勢にて行うための操作部のスイッチ(図示なし)がオン操作されて、そのオン操作に応じた制御信号を制御装置20nが受信した場合、制御装置20nの水勢制御部20n1は、中水勢にておしり洗浄を開始する。
水勢制御部20n1は、止水電磁弁20eを制御して、第一流路L1を開状態にする。これにより、水道配管2から洗浄水Wが第一流路L1に導入され、第一流路L1、温水タンク20g、第二流路L2を介して圧力調整切替バルブ30に洗浄水Wが供給される。洗浄水Wが第一流路L1を流通する際に、洗浄水Wの供給圧力Ps圧力値が、定流量弁20dおよびリリーフバルブ20fによって第一供給圧力値Ps1に調整される。
また、水勢制御部20n1は、圧力調整切替バルブ30の筒弁体32を、おしり洗浄回動範囲内におけるおしり洗浄の中水勢に設定された位置である中水勢位置に回動させる。これにより、第二流路L2から圧力調整切替バルブ30の第一ポート31aに供給された洗浄水Wは、筒弁体32内部、第一連通穴32aおよび第二ポート31bを介して第三流路L3に導出される。また、このとき、第一流路面積Aaが中水勢の第一流路面積Aaである第一中流路面積Aa1に調整されることで、流路抵抗が調整される。これにより、洗浄水Wが第一連通穴32aを通過するときに、洗浄水Wの圧力値が、第一供給圧力値Ps1から常流圧力Pcに調整される。具体的には、洗浄水Wの圧力値は、中水勢の常流圧力Pcの圧力値である中常流圧力値Pc1に調整される。
第三流路L3に導出された洗浄水Wは、第五流路L5からおしりノズル20kに導入され、第六流路L6に導出される。第六流路L6に導出された洗浄水Wは、脈動発生部43の弁室43a内に導入される。
弁室43a内に導入された洗浄水Wは、図6に示すように、軸弁体43cの鍔部43c2の下方に導出され、貫通穴43c5を介して、鍔部43c2の上方に導出される。このとき、弁室43a内に導入された洗浄水Wの常流圧力Pcが、軸弁体43cの鍔部43c2の下端面に作用する。これにより、軸弁体43cを上方に移動させるように押し付ける押圧荷重Fpが発生する。押圧荷重Fpの大きさは、常流圧力Pcの圧力値と軸弁体43cの圧力を受ける面積である受圧面積との積(押圧荷重Fp=常流圧力Pcの圧力値×受圧面積)である。受圧面積は、本実施形態において、噴出穴42の上端の面積である。軸弁体43cは、中水勢の押圧荷重Fpである中押圧荷重Fp1(=中常流圧力値Pc1×受圧面積)によって、上方に向けて移動する。
軸弁体43cが上方に移動することにより、スプリング荷重Fsが増加する。そして、軸弁体43cの移動量Mが中水勢における移動量Mである中移動量M1となったとき、スプリング荷重Fsと中押圧荷重Fp1とがつり合うことにより、軸弁体43cが停止する。このときのスプリング荷重Fsは、中水勢における中スプリング荷重Fs1である。すなわち、軸弁体43cが停止した状態においては、スプリング荷重Fs(=ばね定数×移動量M)と押圧荷重Fp(=常流圧力Pcの圧力値×受圧面積)とが同じである。また、本実施形態においては、ばね定数および受圧面積が、軸弁体43cの移動量Mにかかわらず一定であるため、移動量Mと常流圧力Pcとの第二相関関係C2は、図8に示すように、第一相関関係C1と同様に比例関係となる。
鍔部43c2の上方に導出された洗浄水Wは、図6に示すように、貫通穴43d2を介して、導入部42aに導入される。そして、洗浄水Wは、弁座43bと軸弁体43cとの間に形成され、洗浄水Wの流量を絞る流路である絞り流路Lrに導入される。洗浄水Wが絞り流路Lrを流通するときに、絞り流路Lrの絞り量が調整されることにより、洗浄水Wの流量が調整される。
絞り流路Lrの絞り量の調整は、絞り流路Lrの流路面積である第二流路面積Abが調整されて、絞り流路Lrの流路抵抗が調整されることにより行われる。第二流路面積Abは、軸弁体43cの移動量Mによって調整される。本実施形態において、軸弁体43cの先端形状が曲面であり、弁座43bがテーパ状に形成されているため、軸弁体43cの移動量Mと第二流路面積Abとの第三相関関係C3は、図9に示すように、移動量Mが増加するにしたがって第二流路面積Abが減少し、かつ、下側を凸状とする曲線状の関係となる。軸弁体43cの移動量Mが中移動量M1である場合、第二流路面積Abは、中水勢の第二流路面積Abである第二中流路面積Ab1となるように調整されている。
また、上述した第二相関関係C2および第三相関関係C3から、図10に示す常流圧力Pcと第二流路面積Abとの第四相関関係C4が導出される。第四相関関係C4は、常流圧力Pcが大きくなるにしたがって、第二流路面積Abが小さくなり、かつ、下側を凸状とする曲線状の関係となる。
絞り流路Lrから導出した洗浄水Wは、整流部42bを流通するときに整流され、噴出穴42から噴出する。絞り流路Lrの第二流路面積Abが第二中流路面積Ab1に調整されることにより、絞り流路Lrから導出される洗浄水Wの流量が中水勢の流量である中流量に調整される。換言すれば、中水勢の洗浄水Wの流量を中流量とするように、上述した各相関関係が設定されている。中流量は、例えば0.5L/分に調整されている。
また、絞り流路Lrから導出した洗浄水Wは、噴出穴42から中水勢の流速である中流速にて噴出する。なお、中流速は、中流量を第二中流路面積Ab1にて除算することにより算出される(中流速=中流量/第二中流路面積Ab1)。
次に、上述したように、中水勢にておしり洗浄が行われているときに、水勢が弱水勢に変更された場合における人体局部洗浄装置1の動作について、主として、中水勢の場合と異なる部分について説明する。おしり洗浄が中水勢にて行われているときに、おしり洗浄を弱水勢にて行うための操作部のスイッチ(図示なし)がオン操作されて、そのオン操作に応じた制御信号を水勢制御部20n1が受信した場合、水勢制御部20n1は、水勢を中水勢から弱水勢に変更する。
水勢制御部20n1は、圧力調整切替バルブ30の筒弁体32を、中水勢位置から、図3Bにおける反時計回りに回動させて、おしり洗浄回動範囲内におけるおしり洗浄の弱水勢に設定された位置である弱水勢位置に回動させる。これにより、第一流路面積Aaが弱水勢の第一流路面積Aaである第一弱流路面積Aa2に調整されて、流路抵抗が調整される。第一弱流路面積Aa2が、第一中流路面積Aa1より小さく設定されているため、流路抵抗が大きくなる。そして、洗浄水Wが第一連通穴32aを通過するときに、洗浄水Wの圧力値が、第一供給圧力値Ps1から弱水勢の常流圧力Pcの圧力値である弱常流圧力値Pc2に調整される。流路抵抗が大きくなったため、弱常流圧力値Pc2は、中常流圧力値Pc1より小さい。
また、常流圧力Pcの圧力値が、中常流圧力値Pc1から弱常流圧力値Pc2に調整されるため、押圧荷重Fp(=常流圧力Pcの圧力値×受圧面積)が中押圧荷重Fp1から中押圧荷重Fp1より小さい弱押圧荷重Fp2に変化する。このとき、押圧荷重Fpよりスプリング荷重Fsが大きくなるため、軸弁体43cが下方に移動する。そして、スプリング43eの移動量Mが小さくなり、スプリング荷重Fsが弱押圧荷重Fp2とつり合う弱水勢のスプリング荷重Fsである弱スプリング荷重Fs2となったとき、軸弁体43cが停止する。このときの移動量Mは、第一相関関係C1(図7参照)に示すように、弱水勢の移動量Mに相当する弱移動量M2である。弱移動量M2は、中移動量M1より小さい。
さらに、軸弁体43cが移動することで、第三相関関係C3(図9参照)に示すように、弱水勢の第二流路面積Abである第二弱流路面積Ab2は、第二中流路面積Ab1より大きくなるため、流路抵抗が小さくなる。このように、脈動発生部43は、常流圧力Pcが小さくなるにしたがって、噴出穴42の開口面積に相当する第二流路面積Abを大きくするように、軸弁体43cの移動量Mを調整する。
水勢が中水勢から弱水勢に変更された場合、常流圧力Pcが低下するとともに、第二流路面積Abが増加している。絞り流路Lrから導出されて噴出穴42から噴出する洗浄水Wの弱水勢の流速である弱流速は、洗浄水Wの弱流量を第二弱流路面積Ab2で除算することにより導出される(弱流速=弱流量/第二弱流路面積Ab2)。例えば、噴出穴42の開口面積が固定されている場合においては、水勢が中水勢から弱水勢に変更された場合においても、第二流路面積Abが第二中流路面積Ab1のままである。よって、第二流路面積Abを増加させたときの弱流速と、第二流路面積Abを固定させたときの弱流速とを同じ弱流速にする場合においては、第二流路面積Abを増加させたときの弱流量は、第二流路面積Abを固定させたときの弱流量より多くなる。よって、水勢が中水勢から弱水勢に変更されたときに第二流路面積Abが増加する場合、弱流量を、噴出穴42の開口面積が固定されている場合に比べて、増加させるように設定することができる。なお、本実施形態においては、弱水勢の流量である弱流量は、中流量とおよそ同一となるように設定されている。
また、水勢が中水勢から弱水勢に変更された場合において、中流量と弱流量とがおよそ同一であり、かつ、第二弱流路面積Ab2が第二中流路面積Ab1より増加しているため、弱流速(=弱流量/第二弱流路面積Ab2)は、中流速(=中流量/第二中流路面積Ab1)より小さくなる。
使用者によって操作部における人体局部の洗浄を停止するためのスイッチ(図示なし)が操作され、その操作に応じた制御信号を水勢制御部20n1が受信した場合、水勢制御部20n1は、止水電磁弁20eによって第二流路L2を閉状態にし、モータ35によって、筒弁体32を弱水勢位置から図3Aに示す原点位置HPに戻す。これにより、洗浄水Wの噴出が停止する。
次に、おしり洗浄における脈動制御部20n2が行う脈動制御について、主として上述した水勢制御と異なる部分について説明する。使用者によって、おしり洗浄を強水勢にて行うための操作部のスイッチ(図示なし)がオン操作されて、そのオン操作に応じた制御信号を制御装置20nが受信した場合、制御装置20nの脈動制御部20n2は、強水勢にておしり洗浄を開始する。
脈動制御部20n2は、止水電磁弁20eを制御して、第一流路L1を開状態にするとともに、圧力調整切替バルブ30の筒弁体32を、おしり洗浄回動範囲内におけるおしり洗浄の強水勢に設定された位置である強水勢位置に回動させる。これにより、第二流路L2から第一ポート31aに供給された洗浄水Wは、第三流路L3に導出される。また、このとき、第一流路面積Aaが強水勢の第一流路面積Aaである第一強流路面積Aa3に調整される。第一強流路面積Aa3が第一中流路面積Aa1より大きくなるように設定されているため、流路抵抗が小さくなる。これにより、洗浄水Wが第一連通穴32aを通過するときに、洗浄水Wの圧力値が、第一供給圧力値Ps1から常流圧力Pcより大きい脈動発生圧力Pmに調整される。具体的には、洗浄水Wの圧力値は、強水勢の脈動発生圧力Pmの圧力値である第一脈動発生圧力値Pm1に調整される。
第一脈動発生圧力値Pm1は、中常流圧力値Pc1より大きいため、弁室43a内に導入された洗浄水Wの脈動発生圧力Pmによって生じる強水勢の押圧荷重Fpである強押圧荷重Fp3は、中押圧荷重Fp1より大きい。よって、このとき、軸弁体43cの移動量Mは、中移動量M1より大きくなる。すなわち、強水勢の場合、中水勢の場合より、軸弁体43cが、弁座43bに近づく。これにより、絞り流路Lrにおいて洗浄水Wの流速が速くなり、図11に示すように、この洗浄水Wによる負圧が大きくなる。この負圧の大きさが所定値以上となったとき、負圧によって生じる負圧荷重Fh(図11参照)によって軸弁体43cが、さらに上方に移動して、図12に示すように、弁座43bと接触し、噴出穴42が閉状態となる。
軸弁体43cと弁座43bとが接触した場合、弁室43a内の圧力が増加する。これに対して、絞り流路Lrにおける洗浄水Wの流れが無くなることにより負圧荷重Fhがゼロになり、さらに、弁連通穴43c4から噴出穴42に向けて噴出される洗浄水Wの流速が大きくなり、弁室43a内の圧力が徐々に減少する。これにより、軸弁体43cと弁座43bとが接触しているときの押圧荷重Fpがスプリング荷重Fsより小さくなったときに、軸弁体43cが、弁座43bから離れて下方に移動し、噴出穴42が開状態となる。
そして、軸弁体43cと弁座43bとが離れたことで、絞り流路Lrに洗浄水Wが流れるため、負圧が再度発生する。そして、軸弁体43cが、強押圧荷重Fp3によって上方に再度移動して、負圧の大きさが所定値以上に再度なったとき、軸弁体43cと弁座43bとが再度接触する。そして、軸弁体43cは、上述したように下方に再度移動する。このように、軸弁体43cは、弁座43bと離れまたは接触することにより、噴出穴42を開閉するように周期的に往復運動する。すなわち、軸弁体43cは、噴出穴42を開閉するように自励振動する。これにより、噴出穴42から噴出する洗浄水Wが脈動する。
本第一実施形態によれば、人体局部洗浄装置1は、水道配管2から供給される洗浄水Wを噴出穴42から噴出させることにより人体局部を洗浄するおしりノズル20kと、水道配管2から洗浄水Wが供給され、洗浄水Wの圧力を調整する圧力調整切替バルブ30と、圧力調整切替バルブ30によって圧力が調整された洗浄水Wを脈動させる脈動発生部43と、圧力調整切替バルブ30を少なくとも制御する制御装置20nと、を備えている。脈動発生部43は、圧力調整切替バルブ30から洗浄水Wが供給されるとともに、噴出穴42と接続する弁室43aと、弁室43a内に、圧力調整切替バルブ30によって調整された洗浄水Wの圧力である調整圧力Paに応じて移動可能に配設され、噴出穴42を開閉可能な軸弁体43cと、軸弁体43cを調整圧力Paに抗して付勢するスプリング43eと、を備え、制御装置20nは、圧力調整切替バルブ30によって調整圧力Paを、噴出穴42を開閉するように軸弁体43cが周期的に往復運動する脈動発生圧力Pmに調整することにより、脈動発生部43によって洗浄水Wを脈動させる脈動制御を行う脈動制御部20n2を備えている。
これによれば、洗浄水Wの脈動を発生させる脈動発生部43は、弁室43a、弁室43a内に配設された軸弁体43cおよびスプリング43eによって構成されているため、従来技術の脈動発生バルブと比べて、モータ等の動力源を用いることなく、比較的簡便に構成することができるとともに、部品点数を少なくすることができる。よって、脈動発生部43ひいては人体局部洗浄装置1の低コスト化を図ることができる。さらに、従来技術の脈動発生バルブと比べて、脈動発生部43の部品点数が少ないため、脈動発生部43の小型化を図ることができる。さらに、脈動発生部43は、従来技術の脈動発生バルブのようにモータ等の動力源を用いていないため、従来技術の脈動発生バルブと比べて、洗浄水Wが脈動するときに生じる振動ひいては異音を小さくすることができる。
また、脈動発生部43は、噴出穴42における洗浄水Wを導入する導入部42aに、軸弁体43cと接触可能に形成された弁座43bをさらに備え、軸弁体43cは、弁座43bと離れまたは接触することにより噴出穴42を開閉する。
これによれば、噴出穴42に弁座43bを形成し、軸弁体43cを弁座43bに向けて移動可能に配設して、脈動発生部43をおしりノズル20kの先端部40内に形成することで、脈動発生部43の小型化を図ることができる。さらに、これにより、人体局部洗浄装置1内部の省スペース化ひいては人体局部洗浄装置1の小型化を図ることができる。
また、制御装置20nは、圧力調整切替バルブ30によって調整圧力Paを、脈動発生圧力Pmより小さく、かつ、噴出穴42の開口面積を調整するように軸弁体43cが移動する常流圧力Pcに調整して、噴出穴42から噴出される洗浄水Wの水勢を調整する水勢制御を行う水勢制御部20n1をさらに備え、脈動発生部43は、常流圧力Pcが小さくなるにしたがって、噴出穴42の開口面積を大きくするように、軸弁体43cの移動量Mを調整する。
これによれば、噴出穴42から噴出される洗浄水Wの水勢を弱くする際に、圧力調整切替バルブ30によって、おしりノズル20kに供給される洗浄水Wの調整圧力Paを低くするように調整された場合、脈動発生部43は、噴出穴42の開口面積を大きくするように、軸弁体43cの移動量Mを調整する。このとき、例えば噴出穴42の開口面積が固定されている場合と比べて、洗浄水Wの流量の減少を抑制しながら、洗浄水Wの流速を小さくすることができる。よって、洗浄水Wの水勢が弱い(流速が小さい)場合においても、使用者の洗浄感を向上させることができる。
また、軸弁体43cは、弁座43bと接触した場合に、噴出穴42と弁室43a内とを連通させて、噴出穴42を介して洗浄水Wを噴出させる弁連通穴43c4を有している。
これによれば、例えば圧力調整切替バルブ30が故障して調整圧力Paの圧力値が強調整圧力値Pa1より大きくなることで、軸弁体43cと弁座43bが接触する場合においても、洗浄水Wを噴出穴42から噴出させることができる。よって、このような故障が発生した場合においても、おしり洗浄を行うことができる。また、この場合、軸弁体43cに弁連通穴43c4が形成されていない場合と比べて、調整圧力Paが低下するため、押圧荷重Fpを抑制することができる。よって、軸弁体43cの弁座43bへの食い付きを抑制することができる。脈動制御が行われている場合において軸弁体43cと弁座43bとが接触しているときに、洗浄水Wが弁連通穴43c4から噴出することで、弁室43a内に発生した増加圧力の減少速度を速くすることができる。
さらに、弁座43aと軸弁体43cとが接触している場合においても洗浄水Wを噴出させることができるため、洗浄水Wが脈動している場合における使用者の洗浄感を向上させることができる。
次に、本発明による人体局部洗浄装置1の第二実施形態について、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。本第二実施形態の人体局部洗浄装置1は、蓄圧室150(本発明における蓄圧部に相当)および流路抵抗変更装置160(本発明の周波数変更部に相当)および周波数制御部120n3をさらに備えている。蓄圧室150および流路抵抗変更装置160は、図13に示すように、圧力調整切替バルブ30とおしりノズル20kとの間に、この順に配設されている。また、上述した第一実施形態においては、圧力調整切替バルブ30およびおしりノズル20kに接続され、洗浄水Wを流通させる第三流路L3を備えているが、本第二実施形態においては、これに代えて、洗浄水Wを流通させる流路として、圧力調整切替バルブ30および蓄圧室150に接続された第七流路L7、蓄圧室150および流路抵抗変更装置160に接続された第八流路L8、および、流路抵抗変更装置160およびおしりノズル20kに接続された第九流路L9を備えている。
周波数制御部120n3は、図14に示すように、制御装置20nが有している。
蓄圧室150は、図15に示すように、箱部151、第一接続ポート152および第二接続ポート153を備えている。箱部151は、中空の箱状に形成されている。箱部151内部は、底部に洗浄水Wが流通する流通層151aおよび流通層151aの上方に空気が溜まっている空気層151bが形成されている。第一接続ポート152は、一端を第七流路L7に接続され他端を箱部151内部の下方に接続されている。第二接続ポート153は、一端を箱部151内部の下方に接続され、他端を第八流路L8に接続されている。蓄圧室150は、弁室43a内にて噴出穴42が閉じられたときに増加する洗浄水Wの圧力である増加圧力を空気層151bにて蓄えるものである(後述する)。
流路抵抗変更装置160は、蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更するものである。流路抵抗変更装置160は、本実施形態においては、蓄圧流路Ltの長さを変更する。蓄圧流路Ltは、蓄圧室150と脈動発生部43との間の流路である。蓄圧流路Ltは、具体的には、第八流路L8、流路抵抗変更装置160、第九流路L9、第五流路L5および第六流路L6によって構成されている。流路抵抗変更装置160は、図16に示すように、ケース161、円柱弁体162、スプリング163、長ホース164、短ホース165およびモータ166を備えている。
ケース161は、円筒状に形成されている。ケース161内部は、円柱弁体162によって第一空間S1および第二空間S2に区画されている。第一空間S1は、ケース161内部における円柱弁体162より図16の左側の空間である。第二空間S2は、ケース161内部における図16の右側の空間である。ケース161は、導入ポート161a、第一長接続ポート161b、第二長接続ポート161c、第一短接続ポート161d、第二短接続ポート161eおよび導出ポート161fを備えている。導入ポート161a、第一長接続ポート161bおよび第二長接続ポート161cは、ケース161の側壁から図16の下方に延びるように形成されている。導入ポート161aは、一端を第八流路L8に接続され、他端を第一空間S1に接続するものである。第一長接続ポート161bは、一端を円柱弁体162を介して第一空間S1に接続され、他端を長ホース164に接続するものである。第二長接続ポート161cは、一端を長ホース164に接続し、他端を円柱弁体162を介して第二空間S2に接続するものである。
第一短接続ポート161dおよび第二短接続ポート161eは、ケース161の側壁から図16の上方に延びるように形成されている。第一短接続ポート161dは、一端を円柱弁体162を介して第一空間S1に接続され、他端を短ホース165に接続するものである。第二短接続ポート161eは、一端を短ホース165に接続し、他端を円柱弁体162を介して第二空間S2に接続するものである。導出ポート161fは、ケース161の端面から図16の右側に向かって延びるように形成され、第二空間S2と第九流路L9とを接続するものである。
円柱弁体162は、円柱状に形成され、ケース161内部に配設されている。円柱弁体162の外周面は、ケース161の内周面と液密に周方向に回動可能に形成されている。円柱弁体162は、第一連通路162aおよび第二連通路162bが形成されている。第一連通路162aは、第一空間S1と第一長接続ポート161bおよび第一短接続ポート161dの一方と連通可能なL字状に形成されている。第二連通路162bは、第二長接続ポート161cおよび第二短接続ポート161eの一方と第二空間S2とを連通可能なL字状に形成されている。
円柱弁体162は、回動することにより、第一連通路162aが第一空間S1と第一長接続ポート161bとを接続し、かつ、第二連通路162bが第二長接続ポート161cと第二空間S2とを接続する長連通位置R1、および、第一連通路162aが第一空間S1と第一短接続ポート161dとを接続し、かつ、第二連通路162bが第二短接続ポート161eと第二空間S2とを接続する短連通位置R2を有している。
スプリング163は、第二空間S2に配設され、円柱弁体162を第二空間S2から第一空間S1に向けて付勢するものである。
長ホース164は、洗浄水Wを流通させるホースである。長ホース164は、一端を第一長接続ポート161bに、他端を第二長接続ポート161cに接続されている。
短ホース165は、洗浄水Wを流通させるホースである。短ホース165の長さは、長ホース164の長さより短くなるように形成されている。また、短ホース165の内径は、長ホース164の内径と同一となるように形成されている。短ホース165は、一端を第一短接続ポート161dに、他端を第二短接続ポート161eに接続されている。
モータ166は、制御装置20nに電気的に接続され、制御装置20nから送信される制御指令値にしたがって、ケース161に対して円柱弁体162を回動させるものである。モータ166は、例えばステッピングモータである。モータ166は、出力軸166aが、ケース161に形成された貫通穴161gを貫通して、円柱弁体162の一端面から窪むように形成された凹部162cに嵌るように、ケース161の一端部に固定されている。出力軸166aには、出力軸166aと貫通穴161gとの間から洗浄水Wが漏出することを防止するシール部材(図示なし)が配設されている。
周波数制御部120n3は、脈動発生部43によって洗浄水Wを脈動させている場合において、前記洗浄水Wが脈動する周波数を変更する周波数制御を行うものである。周波数制御部120n3は、流路抵抗変更装置160によって蓄圧流路Ltの長さを変更することにより、蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更する。蓄圧流路Ltの長さと洗浄水Wが脈動する周波数(以下、脈動周波数Fmとする。)との第五相関関係C5は、図17に示すように、蓄圧流路Ltが長くなるにしたがって、脈動周波数Fmが小さくなる。なお、脈動周波数Fmと噴出穴42から噴出した脈動する洗浄水Wの平均荷重Faとの第六相関関係C6は、図18に示すように、上側を凸とする曲線状になる。噴出穴42から噴出した脈動する洗浄水Wの平均荷重Faは、洗浄水Wの脈動の周期より長い所定時間T1内における洗浄水Wの荷重Fwのうち、脈動の周期毎の最大荷重Fwxの平均値である(図19参照)。各相関関係C5,C6は、実験等により実測されて導出されている。
次に、制御装置20nの周波数制御部120n3が行う周波数制御について説明する。流路抵抗変更装置160において、円柱弁体162が長連通位置R1に位置し、上述した脈動制御が行われている場合について説明する。流路抵抗変更装置160において、円柱弁体162が長連通位置R1に位置しているため、圧力調整切替バルブ30から蓄圧室150を介して流路抵抗変更装置160に供給された洗浄水Wは、導入ポート161aから導入され、第一空間S1、第一連通路162a、第一長接続ポート161b、長ホース164、第二長接続ポート161c、第二連通路162bおよび第二空間S2を介して導出ポート161fから導出され、おしりノズル20kに供給される。
脈動制御が行われている場合、軸弁体43cが噴出穴42を開閉するように周期的に往復運動している。軸弁体43cと弁座43bが接触したとき、弁室43a内の圧力が増加するが、これに対して、上述したように、弁連通穴43c4から噴出穴42に向けて噴出される洗浄水Wの流速が大きくなるため、弁室43a内の圧力が徐々に減少する。さらに、本第二実施形態においては、弁室43a内にて噴出穴42が閉じられたときに増加する洗浄水Wの圧力である増加圧力が、蓄圧流路Ltを伝播して蓄圧室150に到達し、蓄圧室150の空気層151bに蓄えられる。これにより、上述した実施形態における蓄圧室150が無い場合に比べて、弁室43a内の圧力の減少速度が速くなる。そして、押圧荷重Fpがスプリング荷重Fsより小さくなったとき、軸弁体43cが、弁座43bから離れて下方に移動することにより、噴出穴42が開状態になる。このように、本第二実施形態においては、上述した第一実施形態に比べて弁室43a内の圧力の減少速度が速いため、軸弁体43cと弁座43bとが接触している接触時間が短くなる。
そして、噴出穴42が開状態になったとき、蓄圧室150に蓄えられていた増加圧力が、蓄圧流路Ltを伝播して弁室43aに到達する。これにより、軸弁体43cの下面に作用する圧力は、脈動発生圧力Pmに増加圧力が加わった圧力になるため、上述した第一実施形態における蓄圧室150が無い場合に比べて、押圧荷重Fpが大きくなることで、軸弁体43cの上方向に移動する速度が速くなる。このように、本第二実施形態においては、上述した実施形態に比べて軸弁体43cの上方向に移動する速度が速いため、軸弁体43cと弁座43bとが離れている時間が短くなる。よって、本第二実施形態においては、上述した第一実施形態と比べて、軸弁体43cの往復運動の周期が短くなるため、洗浄水Wの脈動周波数Fmが大きくなる。
このような脈動制御が行われている状態において、脈動周波数Fmを変更するために、例えば脈動周波数Fmを変更するための操作部のスイッチ(図示なし)がオン操作されて、そのオン操作に応じた制御信号を制御装置20nが受信した場合、制御装置20nの周波数制御部120n3は、脈動周波数Fmを変更する。
周波数制御部120n3は、具体的には、流路抵抗変更装置160の円柱弁体162の位置を、長連通位置R1から短連通位置R2に変更する。これにより、流路抵抗変更装置160に供給された洗浄水Wは、第一空間S1から短ホース165を経由して第二空間S2に導出されるように切り替えられるため、長ホース164を経由させる場合に比べて流路抵抗変更装置160内の洗浄水Wの流路の長さが短くなる。これにより、蓄圧流路Ltの流路抵抗が小さくなるように変更されるため、上述した弁室43a内にて生じる増加圧力が蓄圧室150に伝播する伝播時間が短くなる。よって、洗浄水Wを短ホース165に流通させる場合、軸弁体43cが噴出穴42を閉状態にしたときにおける弁室43a内の圧力の減少速度が、洗浄水Wを長ホース164に流通させる場合に比べて速くなる。さらに、洗浄水Wを短ホース165に流通させる場合、軸弁体43cが噴出穴42を開状態にしたときにおいて、蓄圧室150に蓄えられていた増加圧力が弁室43aに伝播する伝播時間が、洗浄水Wを長ホース164に流通する場合に比べて短くなるため、軸弁体43cが上方向に移動する速度が、洗浄水Wを長ホース164に流通させる場合に比べて速くなる。よって、洗浄水Wが短ホース165を流通する場合における脈動周波数Fmは、洗浄水Wが長ホース164を流通する場合における脈動周波数Fmより大きくなる。
このように、周波数制御部120n3は、流路抵抗変更装置160によって蓄圧流路Ltの長さを変更することにより蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更して、増加圧力が蓄圧室150に伝播する伝播時間を調整することにより、洗浄水Wが脈動する脈動周波数Fmを変更する。なお、本第二実施形態において、洗浄水Wが短ホース165を流通する場合における脈動周波数Fmは、第六相関関係C6において、洗浄水Wの平均荷重Faが最も大きくなる脈動周波数Fmに設定されている。
本第二実施形態によれば、人体局部洗浄装置1は、圧力調整切替バルブ30および脈動発生部43に接続され、弁室43a内にて噴出穴42が閉じられたときに増加する洗浄水Wの圧力である増加圧力を蓄える蓄圧室150をさらに備えている。
これによれば、上述した第一実施形態のように蓄圧室150が無い場合に比べて、洗浄水Wの脈動周波数Fmを大きくすることができる。よって、使用者の快適感を向上させる脈動周波数Fmに設定することができる。
また、人体局部洗浄装置1は、蓄圧室150および弁室43aに接続された洗浄水Wを流通させる流路である蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更する流路抵抗変更装置160をさらに備え、制御装置20nは、流路抵抗変更装置160によって蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更して、増加圧力が蓄圧室150に伝播する伝播時間を調整することにより、洗浄水Wが脈動する周波数を変更する周波数制御を行う周波数制御部120n3をさらに備えている。
これによれば、脈動制御が行われている場合において、周波数制御部120n3が脈動周波数Fmを変更する。よって、使用者が人体局部洗浄装置1を使用するときにおける洗浄感または快適感に合わせて、脈動周波数Fmを周波数制御部120n3によって変更することができる。さらに、脈動周波数Fmを変更することにより、使用者の洗浄感または快適感を向上させる洗浄水Wの荷重に調整することができる。
なお、上述した各実施形態において、人体局部装置の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、上述した各実施形態において、軸弁体43cは、弁連通穴43c4を有しているが、これに代えて、弁連通穴43c4を有さないようにしても良い。同様に、貫通穴43c5を有さないようにしても良い。また、案内部材43dを有さないようにしても良いこの場合、案内穴43d1に相当する形状を弁室43aに形成する。
また、上述した各実施形態において、ビデノズルは、脈動発生部43を備えていないが、これに代えて、ビデノズルにも脈動発生部43を備えるようにしても良い。この場合ビデノズルは、本発明の局部洗浄ノズルに相当する。
また、上述した各実施形態において、弁座43bの形状は、上下方向に沿って下端から上端に向かって徐々に内径を小さくするテーパ状に形成されているが、これに代えて、弁座43bの形状を、上下方向に沿って下端から上端に向かって内径を大きくする勾配を有するように形成された曲面状にしても良い。
また、上述した各実施形態において、強流量と弱流量とをおよそ同一とするようにしているが、これに代えて、弱流量を強流量より少なくするようにしても良い。
また、上述した各実施形態において、弁座43bおよび軸弁体43cは、樹脂材料にて形成されているが、これに代えて、弁座43bと軸弁体43cとが接触する部位を、弁座43bおよび軸弁体43cにおける他の部位に比べて耐摩耗性を高くするように形成するようにしても良い。例えば、弁座43bと軸弁体43cとが接触する部位に、硬度が比較的高い樹脂材料(例えばPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂))や金属材料(例えばステンレス鋼材のSUS304)を例えばインサート成型により配置するようにしても良い。
これによれば、弁座43bと軸弁体43cとが接触する部位が、弁座43bおよび軸弁体43cにおける他の部位に比べて耐摩耗性を高くなるように形成されているため、軸弁体43cと弁座43bとが繰り返し接触することによる軸弁体43cまたは弁座43bの変形を抑制することができる。
また、上述した第二実施形態において、流路抵抗変更装置160は、流路の長さを変更することにより、蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更しているが、これに代えて、流路の太さを変更することにより、蓄圧流路Ltの流路抵抗を変更しても良い。具体的には、短ホース165と長ホース164との長さを同じにして、さらに、短ホース165の内径を長ホース164の内径より大きくするようする。
また、上述した第二実施形態において、人体局部洗浄装置1は、流路抵抗変更装置160を備えているが、これに代えて、流路抵抗変更装置160を備えないようにしても良い。この場合、例えば複数の被験者に対するおしり洗浄に関するアンケートの結果に基づいて、被験者の快適感を最も向上させるような脈動周波数Fmおよび洗浄水Wの平均荷重Faとするように、蓄圧流路Ltの長さを設定すると良い。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、スプリング43eのばね特性、軸弁体43cの形状、軸弁体43cの移動方向、おしりノズル20kに対して洗浄水Wが噴出する角度や、脈動発生部43の位置等を変更しても良い。
1…人体局部洗浄装置、20j(30)…圧力調整切替バルブ(圧力調整部)、20k…おしりノズル(局部洗浄ノズル)、20m…ビデノズル、20n…制御装置、20n1…水勢制御部、20n2…脈動制御部、42…噴出穴、42a…導入部、43…脈動発生部、43a…弁室、43b…弁座、43c…軸弁体(弁体)、43e…スプリング、120n3…周波数制御部、150…蓄圧室、160…流路抵抗変更装置(流路抵抗変更部)、Aa…第一流路面積、Ab…第二流路面積、Fm…脈動周波数、Fp…押圧荷重、Fs…スプリング荷重、Lr…絞り流路、Lt…蓄圧流路、M…移動量、Pa…調整圧力、Pc…常流圧力、Pm…脈動発生圧力、W…洗浄水。

Claims (5)

  1. 水源から供給される洗浄水を噴出穴から噴出させることにより人体局部を洗浄する局部洗浄ノズルと、
    水源から前記洗浄水が供給され、前記洗浄水の圧力を調整する圧力調整部と、
    前記圧力調整部によって圧力が調整された前記洗浄水を脈動させる脈動発生部と、
    前記圧力調整部を少なくとも制御する制御部と、を備えた人体局部洗浄装置であって、
    前記脈動発生部は、
    前記圧力調整部から前記洗浄水が供給されるとともに、前記噴出穴と接続する弁室と、
    前記弁室内に、前記圧力調整部によって調整された前記洗浄水の圧力である調整圧力に応じて移動可能に配設され、前記噴出穴を開閉可能な弁体と、
    前記弁体を前記調整圧力に抗して付勢するスプリングと、を備え、
    前記制御部は、
    前記圧力調整部によって前記調整圧力を、前記噴出穴を開閉するように前記弁体が周期的に往復運動する脈動発生圧力に調整することにより、前記脈動発生部によって前記洗浄水を脈動させる脈動制御を行う脈動制御部を備
    前記人体局部洗浄装置は、前記圧力調整部および前記脈動発生部に接続され、前記弁室内にて前記噴出穴が閉じられたときに増加する前記洗浄水の圧力である増加圧力を蓄える蓄圧部と、前記蓄圧部および前記弁室に接続された前記洗浄水を流通させる流路である蓄圧流路の流路抵抗を変更する流路抵抗変更部をさらに備え、
    前記制御部は、前記流路抵抗変更部によって前記蓄圧流路の流路抵抗を変更して、前記増加圧力が前記蓄圧部に伝播する伝播時間を調整することにより、前記洗浄水が脈動する周波数を変更する周波数制御を行う周波数制御部をさらに備えている人体局部洗浄装置。
  2. 前記脈動発生部は、前記噴出穴における前記洗浄水を導入する導入部に、前記弁体と接触可能に形成された弁座をさらに備え、
    前記弁体は、前記弁座と離れまたは接触することにより前記噴出穴を開閉する請求項1記載の人体局部洗浄装置。
  3. 前記制御部は、前記圧力調整部によって前記調整圧力を、前記脈動発生圧力より小さく、かつ、前記噴出穴の開口面積を調整するように前記弁体が移動する常流圧力に調整して、前記噴出穴から噴出される前記洗浄水の水勢を調整する水勢制御を行う水勢制御部をさらに備え、
    前記脈動発生部は、前記常流圧力が小さくなるにしたがって、前記噴出穴の開口面積を大きくするように、前記弁体の移動量を調整する請求項1または請求項2記載の人体局部洗浄装置。
  4. 前記弁体は、前記弁座と接触した場合に、前記噴出穴と前記弁室内とを連通させて、前記噴出穴を介して前記洗浄水を噴出させる連通穴を有している請求項記載の人体局部洗浄装置。
  5. 前記弁座と前記弁体とが接触する部位は、前記弁座および前記弁体における他の部位に比べて耐摩耗性を高くするように形成されている請求項2または請求項4記載の人体局部洗浄装置。
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