次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1を参照して、電子部品装着装置1の構造を説明する。以下、基板の搬送方向をX方向、X方向と水平面内において直交する方向をY方向、XY平面に対して直交する方向をZ方向、Z方向を軸として回転する水平面内の方向をθ方向と定義する。電子部品装着装置1は、ノズルの吸引孔に負圧を作用させて電子部品を真空吸着により保持して基板に装着する機能を有する。図1において、基台1aの中央部には、X方向に延びた一対の搬送コンベアを備えた基板搬送機構2が配設されている。基板搬送機構2は部品装着対象の基板3を上流側装置から受け取って搬送し、以下に説明する部品搭載機構による装着作業位置に位置決め保持する。
基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配設されている。部品供給部4は、フィーダテーブル4a上に複数のテープフィーダ5を並設して構成されている。テープフィーダ5は、基板3に装着される電子部品を収納したキャリアテープをピッチ送りすることにより、装着対象の電子部品を部品搭載機構の装着ヘッド8による取り出し位置に供給する。
次に、部品搭載機構について説明する。基台1aのX方向の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム6が配設されており、Y軸ビーム6にはリニア駆動機構を備えたX軸ビーム7がY方向に移動自在に装着されている。X軸ビーム7にはプレート部材9がX方向に移動自在に装着されており、プレート部材9には装着ヘッド8が保持フレーム10を介して装着されている。
装着ヘッド8は、基板3に装着される電子部品P(図4参照)をノズル20(図2、図4参照)によって部品供給部4からピックアップして保持する機能を有している。ノズル20としては、先端部に開口した吸引孔に負圧発生源によって発生された負圧を作用させて電子部品Pを保持する吸着ノズルが用いられている。装着ヘッド8は、Y軸ビーム6、X軸ビーム7を駆動することによりX方向、Y方向へ水平移動し、ノズル20に保持された電子部品Pを基板搬送機構2に位置決め保持された基板3に装着する。
次に、図2、図3を参照して、装着ヘッド8の構造を説明する。図2において、装着ヘッド8は、保持フレーム10と保持フレーム10に固定されるカバー8aによって側面と上面が覆われた構造を有している。保持フレーム10の下部には、ロータ保持部11が水平方向に延出して設けられている。ロータ保持部11には、ロータである円柱形のメインシャフト保持部12が、ベアリング11aを介してZ方向の回転軸CLを軸心として回転自在に保持されている(図3参照)。
メインシャフト保持部12には、回転軸CL廻りの同心配置で複数のメインシャフト15が、昇降機構25によって昇降可能な状態で保持されている。メインシャフト15は、下端部にノズル20を着脱自在に保持するノズルホルダ19を有している。本実施の形態においてメインシャフト15は、メインシャフト保持部12を昇降させる昇降機構25に連結する第1シャフト17(メインシャフト上部)と、第2シャフト18(メインシャフト下部)とに分割されている。第2シャフト18は、ノズルホルダ19とメインシャフト保持部12に保持される部分とを含んだ構成となっている。第1シャフト17と第2シャフト18は、第1シャフト17の下端部に設けられたシャフト連結部16を介して連結される(図11,図12参照)。
メインシャフト保持部12の上面には、回転軸CLを軸心とする保持体従動ギア13が固着されており、ロータ保持部11の上方にはインデックス駆動モータ14が配設されている。インデックス駆動モータ14には、保持体従動ギア13と噛合するインデックス駆動ギア14aが装着されている。インデックス駆動モータ14を駆動することによりインデックス駆動ギア14aを介して保持体従動ギア13が駆動され、これによりメインシャフト保持部12は保持体従動ギア13とともにインデックス回転する(矢印a)。
図2において、保持フレーム10の上部には、円筒カム22を固定するカム保持部21が水平方向に延出して設けられている。円筒カム22の外周面にはガイド溝22aが設けられている。ガイド溝22aは、保持フレーム10とは反対側が高く、保持フレーム10に近づくにつれて緩やかに低くなるように設けられている。各メインシャフト15の第1シャフト17に取り付けられたカムフォロア23は、ガイド溝22aに沿って移動できるように円筒カム22に装着されている。メインシャフト保持部12がインデックス回転すると、メインシャフト15はこれに倣って水平方向に周回移動しながら円筒カム22のガイド溝22aに沿って上下運動する。円筒カム22は、ガイド溝22aが最も低くなる箇所で一部が切除されており、その切除箇所ではガイド溝22aは途切れている。
保持フレーム10と円筒カム22の間には、昇降機構25が配設されている。昇降機構25は、Z方向に延びたねじ軸24a、ねじ軸24aを回転駆動する昇降モータ24、ねじ軸24aに螺合するナット24bを含んで構成されている。ナット24bには、円筒カム22の切除箇所に沿って昇降移動可能なカムフォロア保持具24cが設けられている。カムフォロア保持具24cは、昇降モータ24の駆動によってナット24bとともに昇降する。カムフォロア保持具24cは、切除箇所で途切れたガイド溝22aを補完する形状を有している。
ガイド溝22aに沿って移動してきたカムフォロア23はこの位置でガイド溝22aから外れ、ガイド溝22aと同じ高さ位置で待機するカムフォロア保持具24cに乗り移って保持される。この状態で昇降モータ24が駆動されると、カムフォロア保持具24cおよびカムフォロア23は、カムフォロア23とともに昇降する(矢印b)。図3に示すように、第1シャフト17の上端部には、略L字状のジョイント部17aがθ方向に回転自在に装着されており、ジョイント部17aには、カムフォロア23が水平方向を軸心とする回転軸を外側に向けて取り付けられている。この構成により、カムフォロア23が昇降するとジョイント部17aを介して結合された第1シャフト17が昇降し、したがって第1シャフト17とシャフト連結部16を介して連結された第2シャフト18の下端部のノズルホルダ19に保持されたノズル20が昇降する(矢印c)。
すなわち、カムフォロア保持具24cがカムフォロア23を保持するメインシャフト15の位置は、当該メインシャフト15がノズル20によって電子部品Pを吸着して取り出すため、また保持した電子部品Pを基板3に装着するために昇降する昇降位置Mとなっている。ロータ保持部11には、ノズル20に保持された電子部品Pを下方から撮像するための部品認識部26が設けられている。部品認識部26は、メインシャフト保持部12に保持されたメインシャフト15の下端部のノズル20が、メインシャフト保持部12のインデックス回転により部品認識位置Rに位置したタイミングにおいて、当該ノズル20に保持された電子部品Pの状態を下方から撮像する機能を有している。
すなわち部品認識部26は、部品認識位置Rの下方およびカメラ26aの下方にそれぞれ配設されたミラー26bを有している。部品認識位置Rに位置するノズル20に保持された電子部品Pの撮像光をこれらのミラー26bによってカメラ26aに導くことにより、ノズル20に保持された電子部品Pの画像が取得され、これらの取得画像を認識処理することにより、電子部品Pの識別や位置ずれ状態が認識される。電子部品Pを基板3に搭載する際は、部品認識部26による電子部品Pの認識結果を加味し、装着ヘッド8におけるメインシャフト15のθ方向位置や部品搭載機構によるXY方向位置の装着位置補正が行われる。
次に図3を参照して、装着ヘッド8におけるメインシャフト15の回転駆動系、吸引・排気系の構成を説明する。なお本実施の形態に示すメインシャフト15は、カムフォロア23、ジョイント部17a、ノズル回転ギア37および下端部にシャフト連結部16を備えた第1シャフト17と、下端部にノズルホルダ19を有する第2シャフト18とを、シャフト連結部16を介して連結した構成となっている。
図3に示すように、メインシャフト15の第2シャフト18は、メインシャフト保持部12を上下に貫通して設けられた貫通孔30を挿通している。貫通孔30の内径は第2シャフト18の外径よりも大きく設定されており、第2シャフト18が貫通孔30を挿通した状態において、貫通孔30の内部には空隙部30aが形成される。各貫通孔30の上下両端部には軸受け部31が装着されており、第2シャフト18は軸受け部31に摺動自在且つ気密に嵌合している。これにより、空隙部30aを外部に対して密封した状態で、メインシャフト15の昇降および軸廻りの回転が可能となっている。
図3において、メインシャフト保持部12の上面には、メインシャフト保持部12の回転軸CLを中心とする取り付け穴12aが設けられている。円筒カム22を上下に貫く円柱状の回転体35は、その先端部35aを取り付け穴12aにベアリング35bを介して嵌入させることで、メインシャフト保持部12に対して回転自在に配設されている。
回転体35の上端部付近には、回転軸CLを軸心とするθ回転従動ギア28が固着されている。円筒カム22の上方には、θ回転従動ギア28と噛み合うθ回転駆動ギア27aが装着されたθ回転モータ27が配置されている。θ回転従動ギア28は、θ回転モータ27の駆動によってθ回転駆動ギア27aを介してθ方向に回転する。これにより、回転体35は、θ回転従動ギア28とともにθ方向に回転する(矢印d)。
回転体35におけるメインシャフト保持部12と円筒カム22の間には、メインシャフト15の昇降ストロークに対応させて上下方向に長く伸びたノズル駆動ギア36が結合されている。各メインシャフト15には、ノズル駆動ギア36と噛み合う位置にノズル回転ギア37が結合されている。各メインシャフト15は、ノズル駆動ギア36の駆動によってノズル回転ギア37を介して一斉にθ方向に回転する(矢印e)。このように、メインシャフト15は、θ回転モータ27の駆動によってθ方向に回転し、これにより、第2シャフト18の下端部のノズルホルダ19に保持されたノズル20もθ方向に回転する(矢印f)。
次に、装着ヘッド8の吸引・排気系について説明する。図3において、第2シャフト18の内部には、下端部がノズル20に通じるシャフト内孔18aが設けられている。シャフト内孔18aはノズルホルダ19に設けられた通気孔40a、フィルタ62を介してノズル20に設けられたノズル流路20g(図6参照)に連通する。シャフト内孔18aの上方には、上下の2つの軸受け部31に挟まれた位置において第2シャフト18の外周面に開口して空隙部30aと連通する開口部18bが設けられている。開口部18bは、メインシャフト15が上下動しても上下の2つの軸受け31に挟まれた空隙部30aの範囲内に位置する。
メインシャフト保持部12の内部には、メインシャフト保持部12の上部中央に設けられた取り付け穴12aの上面に開口した共通流路12bが、回転軸CLに沿う縦方向に設けられている。共通流路12bは、取り付け穴12aに嵌入する回転体35の内部に設けられた回転体内孔35cに連通する。回転体内孔35cは、回転体35の上端部に接続された管29を介して負圧発生源33に通じている。負圧発生源33を作動させることにより、回転体内孔35cを介して共通流路12b内を吸引して負圧を付与することができる。したがって共通流路12bは、ノズル20に負圧を付与する負圧側流路となっている。
また共通流路12bは、メインシャフト保持部12の内部に設けられた流路切り替え部32を介して各貫通孔30の空隙部30aと連通している。流路切り替え部32は、ノズル20と連通するノズル側流路、すなわち空隙部30aと連通しさらに開口部18b、シャフト内孔18aおよびノズルホルダ19を介して連通するノズル20のノズル流路20gの接続先を切り替える機能を有している。この接続先切り替え機能により、ノズル20の接続先として、ノズル20に負圧を付与するための負圧側流路である共通流路12bと、ノズル20に正圧を付与するための正圧側流路(図示省略)とのいずれかを選択して切り替える。このように流路切り替えを行うことにより、ノズル20による電子部品Pの負圧による吸着保持と、保持した電子部品Pの正圧による離脱とを選択して実行させることができる。
次に図4〜図10を参照して、メインシャフト15を構成する第2シャフト18の下端部に設けられたノズルホルダ19の構成および機能について説明する。図4に示すように、第2シャフト18の下端部に設けられたノズルホルダ19は、ホルダ筒部40、クランプレバー50およびクランプレバー50をホルダ筒部40に対して付勢して固定するための支点バネ58、クランプバネ59を有している。ノズルホルダ19の下端はホルダ筒部40のノズル受け部40b(図7、図8も参照)となっており、ノズル20をノズルホルダ19に装着して保持させた状態では、ノズル20の鍔部20bの上面がノズル受け部40bに当接する。そしてこの状態でノズル20に負圧を付与することにより、先端部20aの吸着面に電子部品Pを保持する。
ここで図6を参照して、ノズルホルダ19に保持されるノズル20の構成を説明する。ノズルホルダ19には、ノズル20は電子部品Pを吸着保持する吸着孔20fが設けられた先端部20aと、ノズルホルダ19に着脱自在に装着される部位である被装着部20cとを有し、ノズルホルダ19への装着時にノズル受け部40bに当接する鍔部20bが側方に延出して設けられた構成となっている。
さらに被装着部20cには上部側の端部に設けられた径大部20dと、クランプレバー50の係合部57を係合させてノズル20を固定するための被係合部20eとが設けられている。ノズル20の内部には先端部20aから被装着部20cにかけて貫通したノズル流路20g(第1の吸引路)が、先端部20aに開口した吸着孔20fに通じて設けられている。
そしてノズル20は、ノズル流路20gに導入された負圧によって先端部20aに電子部品Pを真空吸着により保持する。なお、ノズルホルダ19において被装着部20cの上方には、ノズル20から吸引した空気を濾過するフィルタ62を内部に保持するフィルタ保持体61を有するカートリッジ60が収納されている。
次に図7,図8を参照して、ホルダ筒部40およびクランプレバー50の形状および機能について説明する。図7に示すように、ホルダ筒部40はノズル20に設けられた被装着部20c(図6参照)が挿入される挿入孔41を有する筒状の部材である。図7,図8(図7におけるA−A断面)に示すように、挿入孔41の一方の側面(図7における上面)には、挿入孔41に通じる開口部41aが形成されている。
ホルダ筒部40において開口部41aが形成された範囲の側面には、上側から第1の切り欠き部42、第2の切り欠き部43、第3の切り欠き部44の3つの切り欠き部が形成されている。これらの切り欠き部は、ホルダ筒部40の筒部を開口部41aと平行な面で部分的に切除した形状となっている。さらに第2の切り欠き部43、第3の切り欠き部44が形成された位置には、それぞれ支点バネ保持部46、クランプバネ保持部47が形成されている。開口部41aには、図7に示す形状のクランプレバー50が一つ嵌着される。
クランプレバー50は、挿入孔41に挿入された被装着部20cを、以下に説明する作用部52に設けられた係合部57によって係止する機能を有している。すなわち本実施の形態においては、挿入孔41に挿入されたノズル20の被装着部20cに開口部41aを介して一つのクランプレバー50の係合部57を係合させるようにしている。このように単一のクランプレバー50によってノズル20を係止する構成とすることにより、ノズルホルダ19の小形化が実現される。
クランプレバー50は、上面にホルダ筒部40において開口部41aが形成された部分の外周とほぼ同様の曲率の円周面を有し、開口部41a、第1の切り欠き部42、第2の切り欠き部43、第3の切り欠き部44に嵌入可能な平面形状を有する異形部材である。クランプレバー50の詳細形状および機能を説明する。クランプレバー50の中央部は支点部51となっておいる。支点部51には、第2の切り欠き部43に嵌入可能な形状の張り出し部51aが両側に延出して設けられており、張り出し部51aの下面には支点支持部45に当接してクランプレバー50を揺動させる際の中心となる当接支点56が設けられている。
支点部51から下方へ延びた位置は作用部52となっている。作用部52には、第3の切り欠き部44に嵌入可能な形状の張り出し部52aが両側に延出して設けられている。また作用部52の下面には、挿入孔41に挿入された被装着部20cの被係合部20eに係合する形状の係合部57が設けられている(図6も参照)。さらに支点部51から上側に延出した位置は操作部53となっており、操作部53には第1の切り欠き部42に嵌入可能な形状の張り出し部53aが両側に延出して設けられている。
すなわち上記構成に示すように、クランプレバー50は、支点部51と、この支点部51から下方へ延びた作用部52と、支点部51から上方向に延びた操作部53とを有する構成となっている。そして上述のようにホルダ筒部40の側面には、第1の切り欠き部42、第2の切り欠き部43、第3の切り欠き部44の3つの切り欠き部が形成されており、クランプレバー50の少なくとも一部がこれらの切り欠き部の内側に配置された構成となっている。このように、ホルダ筒部40に形成された切り欠き部にクランプレバー50の一部を配置することにより、ノズルホルダ19の外形形状を小型化することが可能となっている。
支点部51と操作部53の間には、狭い溝形状の支点部側溝54が設けられており、また作用部52と支点部51との間には、幅広の溝形状の作用部側溝55が設けられている。図4,図5に示すように、クランプレバー50のホルダ筒部40への装着に際しては、まず張り出し部53a、51a、52aをそれぞれ第1の切り欠き部42、第2の切り欠き部43、第3の切り欠き部44に嵌入させる。このとき、張り出し部51aの下面に設けられた当接支点56が、第2の切り欠き部43の切り欠き面である支点支持部45(図7参照)に当接する。すなわちホルダ筒部40には、第2の切り欠き部43に当接支点56を支持する支点支持部45が設けられている。このようにホルダ筒部40に設けられた第2の切り欠き部43を、クランプレバー50を支持するための支点支持部45として用いることにより、ノズルホルダ19の外形を小型化することができる。
支点部側溝54、支点バネ保持部46の外周には、これらを周回して螺旋状に巻き付けるコイルバネを用いた支点バネ58が装着されている。支点バネ58は、クランプレバー50の支点部51の当接支点56を支点支持部45に付勢する第2の弾性部材となっている。これによりクランプレバー50は、支点部51の当接支点56を支点支持部45に当接させた状態が保たれ、支点支持部45によって当接支点56を中心にして揺動可能に保持された状態となる。
このような構成により、クランプレバー50が支点部51の当接支点56を中心に揺動することによって以下の機能が実現される。すなわち作用部52側をホルダ筒部40の内部側へ変位させることにより、作用部52に形成された係合部57をホルダ筒部40の内部である挿入孔41内に進出させる構造となっている。これに対し操作部53側をホルダ筒部40の内部側へ変位させると作用部52が外側に開いて、ホルダ筒部40の挿入孔41内に挿入された被装着部20cの係止を解除することができるとともに、後述するように、カートリッジ60を入り口41b(図7参照)を介して挿入孔41へ出し入れすることが可能になる(図10参照)。
すなわち上述構成のクランプレバー50には、挿入孔41の入り口41bを塞ぐ状態で挿入孔41に挿入されたノズル20の被装着部20cに開口部41aを介して係合する係合部57が形成されている。これによりノズル20に係合してノズルホルダ19に固定装着する係合機能とともに、ノズル20が存在しない場合には挿入孔41の開口部41aを係合部57によって塞いでカートリッジ60の抜け止めを防止する抜け止め機能を有するようになっている。そして本実施の形態では、ノズルホルダ19はこのような機能のクランプレバー50を一つのみ有し、ノズル20の係止およびカートリッジ60の抜け止めを単一のクランプレバー50のみで行う構成となっており、ノズルホルダ19を小型・コンパクト化することが実現されている。
図5に示す状態、すなわちノズル20をホルダ筒部40に挿入して保持させた状態において、ホルダ筒部40のノズル受け部40bは、クランプレバー50の下端部50aよりも下方に位置するようになっている。これにより、ホルダ筒部40の下端部分がクランプレバー50を防護するバンパとして機能し、クランプレバー50の下端部にノズルやその他の異物が衝突することによるダメージを防止することができる。
本実施の形態における構成のように、クランプレバー50を支点バネ58やクランプバネ59などの弾性部材によって保持する構成において、想定外の外力が作用することによる支点のずれやクランプレバー50の脱落などの不具合を防止ることができる。またホルダ筒部40のノズル受け部40bは、ノズルホルダ19に装着されるノズル20の鍔部20bに当接するノズル受けとなっており、ノズルホルダ19に装着されたノズル20のがたつきを防止することが可能となっている。
ホルダ筒部40のクランプバネ保持部47、クランプレバー50の作用部側溝55の外周には、これらを周回して螺旋状に巻回して圧縮コイルばねを用いたクランプバネ59が装着されている。クランプバネ59は支点部51の係合部57を挿入孔41に挿入された被装着部20cに付勢する第1の弾性部材となっている。このとき、クランプバネ59がクランプレバー50の作用部側溝55およびホルダ筒部40のクランプバネ保持部47を周回して巻回するように、クランプバネ59をセットする。この状態では図5に示すように、クランプレバー50とホルダ筒部40の一部はクランプバネ59の内径空間59aに挿入された形態となっており、クランプバネ59はクランプレバー50とホルダ筒部40に接触した状態でノズルホルダ19に装着されている。
このようにクランプバネ59によってクランプレバー50をホルダ筒部40に保持させる形態において、本実施の形態ではクランプバネ保持部47よりも作用部側溝55が狭く設定されていることから、クランプバネ59はクランプレバー50側の作用部側溝55によって他の部分、すなわちホルダ筒部40のクランプバネ保持部47側よりも、上下方向に大きく圧縮されている。これにより複数条のコイルリングを巻回させた構成の圧縮コイルバネを用いたクランプバネ59において、下側に位置する複数のコイルリング59*はクランプバネ保持部47と作用部側溝55との間で傾斜した状態で巻回される。
これにより、これら傾斜状態にあるコイルリング59*には、通常の圧縮コイルバネの使用状態では発生しない張力(矢印g)が作用する。そしてこの張力により、作用部側溝55が設けられた支点部51をホルダ筒部40の内側方向、すなわち挿入孔41に装着された被装着部20cに対して係合部57を押し付ける方向の係止力が作用する。これにより、小サイズのクランプバネ59を用いるコンパクトな構成によって、クランプレバー50に対して閉じる方向に十分な大きさの力を付与することができ、被装着部20cを安定して係止することが可能となっている。
図8に示すように、ホルダ筒部40に設けられた挿入孔41の上側の端部には挿入孔41に負圧を導入する通気孔40aが設けられており、通気孔40aは図3に示す回転体内孔35cを介して負圧発生源33に接続されている。すなわち通気孔40aは負圧発生源33につながる第2の吸引路を構成しており、上述構成のノズルホルダ19においては、第2の吸引路の末端に連通して形成された挿入孔41にノズル20の被装着部20cを挿入してノズル20を着脱自在に保持するようになっている。また挿入孔41は、ノズル20から吸い込んだ空気をろ過するフィルタ62を有するカートリッジ60を挿入して収納する機能を有している。
そして挿入孔41の下側は開放された入り口41bとなっており、ノズルホルダ19内に収納されるカートリッジ60(図6参照)や、ノズル20の被装着部20cを挿入する際の入り口となっている。さらに挿入孔41の奥部には、挿入孔41に挿入されたカートリッジ60の上側の端部が当接して位置を規制する位置規制面であるストッパ41cが設けられている。
次に図6、図9、図10を参照して、前述構成のノズルホルダ19を備えた電子部品装着装置1で使用され、ホルダ筒部40に挿入された状態でノズルホルダ19に装着されるカートリッジ60およびカートリッジ60の着脱構造について説明する。
図6は、ノズルホルダ19にカートリッジ60が収納され、さらにノズル20がノズルホルダ19に保持された状態を示している。まずカートリッジ60の構成を説明する。カートリッジ60は、挿入孔41内に挿入される筒状のフィルタ保持体61およびフィルタ保持体61の内部空間61aに配置されたフィルタ62と、フィルタ保持体61の一端部61bに配置された環状のパッキン63と、フィルタ保持体61の他端部61cの内部に設けられた通気穴61eと、他端部61cに配置されたパッド部64とを備えた構成となっている。
フィルタ保持体61は、ホルダ筒部40に形成された挿入孔41に挿入可能な外形寸法を有するとともに、一端部61bから他端部61cにかけて貫通した内部空間61aを有する。フィルタ62は、内部空間61a内に配置され、第1の吸引路であるノズル流路20gから吸引された空気を濾過する機能を有している。パッキン63は、挿入孔41の奥部に設けられたストッパ41cに当接することにより、第2の吸引路である通気孔40aと内部空間61aとを気密に接続する。パッド部64は、挿入孔41に挿入された被装着部20cの径大部20dに当接することにより、ノズル流路20gと内部空間61aとを気密に接続する。
このようにフィルタ62やパッキン63、パッド部64と一体化したカートリッジ60を挿入孔41内に挿入することのみで、カートリッジ60をノズルホルダ19に容易に着脱することができ、フィルタ着脱作業の作業性が大きく改善されている。さらにカートリッジ60の上下単にパッキン63やパッド部64を介在させることにより、気密の確保のみならず、ノズル20を着脱する際の衝撃緩和の効果を有している。
ここでフィルタ保持体61内の内部空間61aに装着されるフィルタ62の構造について説明する。フィルタ62は、フィルタ保持体61の内部空間61a側の内壁61dと接触する基部62aと、内壁61dと隙間を空けた状態で基部62aからフィルタ保持体61の他端部61c側へ突出した濾過部62bと、基部62aに開口した凹部62cとを有する構成となっている。
フィルタ62のフィルタ保持体61への装着構造をこのような簡便な方式とすることにより、フィルタ保持体61にフィルタ62を固定するための特別な構造を必要とせず、小型簡便な構成のカートリッジが実現されている。また濾過部62bの断面形状をU字状とするとともに、フィルタ保持体61の内壁61dと非接触とすることにより、小径サイズで大きな濾過面積を確保することができ、フィルタ62の小型化と濾過性能の向上を両立させることができる。
またフィルタ62のフィルタ保持体61への装着状態において、基部62aはフィルタ保持体61の内部空間61aから突出しており、パッキン63はその突出部に保持された形態となっている。これにより、フィルタ保持体61にパッキン63を固定するための特別な構造を設ける必要がなく、単に円筒形状の基部62aの外周に環状のパッキン63を保持させるのみで、パッキン63を装着することができる。
図9は、図6に示す状態から、ノズル20を取り外すときの状態を示している。このノズル20の取り外しは、ノズル20に手操作またはノズルチェンジャなどによって、引き抜き方向(矢印h)に力を作用させることにより行われる。すなわちこの引抜き力により、クランプバネ59の付勢力に抗して作用部52の係合部57が被係合部20eから離脱し、これにより被装着部20cの係止が解除されて、ノズル20をノズルホルダ19から取り外すことが可能となる。なお、ノズル20をノズルホルダ19に保持させる際には、被装着部20cを挿入孔41内に挿入して押し込む操作を行う。これにより作用部52の係合部57が被係合部20eに嵌合して被装着部20cの係止が行われる。
このようにしてノズル20がノズルホルダ19から取り外されたときは、ホルダ筒部40の内部の挿入孔41において支点部51に対応する位置には係止対象物が存在しないようになる。本実施の形態においては、クランプレバー50は支点部51の当接支点56を中心に揺動可能であることから、クランプレバー50の作用部52は支点バネ58の付勢力によって挿入孔41側に変位する(矢印i)。そして変位した作用部52の係合部57は挿入孔41内に進出して入り口41bを塞ぐ状態となり、収納されているカートリッジ60の抜け落ちを防止する。このような構成により、クランプレバー50によりカートリッジ60の抜け止めを兼ねることができ、ノズルホルダ19の小型化が可能となっている。
図10は、ノズルホルダ19からノズル20を取り外した状態において、カートリッジ60をノズルホルダ19に対して脱着するときの状態を示している。この場合には、クランプレバー50の操作部53側を手操作によってホルダ筒部40の内部側へ変位させる(矢印j)。これにより、クランプレバー50は支点部51の当接支点56(図4参照)を中心に所定回転量だけ揺動し、作用部52が外側に開く方向に変位する(矢印k)。これにより、作用部52の係合部57は挿入孔41内から退出し、入り口41bを介してカートリッジ60を挿入孔41内へ出し入れ(矢印m)することが可能となる。
図9,図10に示す操作が可能となることにより、ノズル20の自動交換中のようにノズルホルダ19内にカートリッジ60のみが収納されている状態にあっても、カートリッジ60の脱落が防止される。そして必要時にはクランプレバー50を操作するのみで、ノズルホルダ19の挿入孔41からカートリッジ60の取り出しや交換を行うことができる。本実施の形態では、カートリッジ60を筒状のフィルタ保持体61の内部にフィルタ62を保持させる簡単な構成となっていることから、ノズルホルダ19の挿入孔41へのカートリッジ60の出し入れを容易に行うことができる。
次に、図11〜図14を参照して、メインシャフト15を構成する第1シャフト17と第2シャフト18との連結構造について説明する。図11は、第1シャフト17の下端部に設けられたシャフト連結部16に、第1シャフト17の上端部に設けられた挿入端部18c(図12参照)を挿入して、シャフト連結部16に第2シャフト18を保持させた状態を示している。
図12に示すように、第2シャフト18の上端の所定範囲には、一面をDカットした形状の挿入端部18cが設けられている。挿入端部18cの下部にはメインシャフト15の軸方向に対して直交する方向に直線的に溝部18dが形成されている。第1シャフト17の下端部に設けられたシャフト連結部16は、シャフトホルダ筒部70、シャフトクランプレバー80およびクランプバネ89(図11)を有する構成となっている。クランプバネ89は、シャフトクランプレバー80をシャフトホルダ筒部70に装着された挿入端部18cの溝部18d対して付勢する弾性部材としての機能を有する。
シャフトホルダ筒部70は、第2シャフト18の挿入端部18cが挿入される挿入孔71を有する筒状であり、その一方の側面には挿入孔71に通じる開口部71aが形成されている。シャフトホルダ筒部70において開口部71aの略中央部の側面には、シャフトホルダ筒部70の筒部を開口部71aと平行な面で部分的に切除した形状の切り欠き部72が形成されている。さらに切り欠き部72が形成された位置には、支点バネ保持部75が形成されている。
開口部71aには、図12に示す形状のシャフトクランプレバー80が一つ嵌着され、シャフトクランプレバー80は挿入孔71に挿入された挿入端部18cを、以下に説明する作用部82に設けられた係合部87によって係止する機能を有している。すなわち本実施の形態においては、挿入孔71に挿入された挿入端部18cの溝部18dに、開口部71aを介して一つのシャフトクランプレバー80の係合部87を係合させるようにしている。このように単一のシャフトクランプレバー80によって挿入端部18cを係止する構成とすることにより、ノズルホルダ19の小形化が実現されるとともに、1つのシャフトクランプレバー80を操作するのみで第1シャフト17から第2シャフト18の連結・取り外しが行えることから、作業時の操作性が向上する。
シャフトクランプレバー80の詳細形状および機能を説明する。シャフトクランプレバー80の中央部は支点部81となっている。支点部81には切り欠き部72に嵌入可能な形状の張出し部81aが両側に延出して設けられており、張り出し部81aの下面には支点支持部74に当接してシャフトクランプレバー80を揺動させる際の中心となる当接支点86が設けられている。支点部81から下方へ延びた位置は作用部82となっている。作用部82の下面には、下面には挿入孔71に挿入された挿入端部18cの溝部18dに係合する形状の係合部87が設けられている(図13も参照)。さらに支点部81から上側に延出した位置は操作部83となっている。
すなわち上記構成に示すように、シャフトクランプレバー80は、支点部81と、この支点部81から下方へ延びた作用部82と、支点部81から上方向に延びた操作部83とを有する構成となっている。そして上述のようにシャフトホルダ筒部70の側面には、切り欠き部72が形成されており、シャフトクランプレバー80の少なくとも一部が切り欠き部72の内側に配置された構成となっている。このように、シャフトホルダ筒部70に形成された切り欠き部にシャフトクランプレバー80の一部を配置することにより、シャフト連結部16の外形形状を小型化することが可能となっている。
支点部81には、狭い溝形状の支点部側溝84が設けられており、また作用部82には、幅広の溝形状の作用部側溝85が設けられている。図11に示すように、シャフトホルダ筒部70のシャフトクランプレバー80への装着に際しては、まず張り出し部81aを切り欠き部72に嵌入させる。このとき、張り出し部81aの下面に設けられた当接支点86が、切り欠き部72の切り欠き面である支点支持部74(図12参照)に当接する。すなわちシャフトホルダ筒部70には、切り欠き部72に当接支点86を支持する支点支持部74が設けられている。このようにシャフトホルダ筒部70に設けられた切り欠き部72をシャフトクランプレバー80を支持するための支点支持部74として用いることにより、シャフト連結部16の外形を小型化することができる。
支点部側溝84、支点バネ保持部75の外周には、これらを周回して螺旋状に巻き付けるコイルバネを用いた支点バネ88が装着されている。支点バネ88は、シャフトクランプレバー80の支点部81の当接支点86を支点支持部74に付勢する機能を有する。これによりシャフトクランプレバー80は、支点部81の当接支点86を支点支持部74に当接させた状態が保たれ、支点支持部74によって当接支点86を中心にして揺動可能に保持された状態となる。
このような構成により、シャフトクランプレバー80が支点部81の当接支点86を中心に揺動することによって以下の機能が実現される。すなわち作用部82側をシャフトホルダ筒部70の内部側へ変位させることにより、作用部82に形成された係合部87をシャフトホルダ筒部70の内部である挿入孔71内に進出させる構造となっている。これに対し操作部83側をシャフトホルダ筒部70の内部側へ変位させると作用部82が外側に開いて、シャフトホルダ筒部70の挿入孔71内に挿入された挿入端部18cの係止を解除して、シャフト連結部16による第1シャフト17と第2シャフト18との連結を解除することができる。
シャフトホルダ筒部70のクランプバネ保持部47、シャフトクランプレバー80の作用部側溝85の外周には、これらを周回して螺旋状に巻回して圧縮コイルばねを用いたクランプバネ89が装着されている。クランプバネ89は、作用部82の係合部87を挿入孔71に挿入された挿入端部18cの溝部18dに付勢する弾性部材となっている。このとき、クランプバネ89がシャフトクランプレバー80の作用部側溝85およびシャフトホルダ筒部70のクランプバネ保持部76を周回して巻回するように、クランプバネ89をセットする。この状態では図13に示すように、シャフトクランプレバー80とシャフトホルダ筒部70の一部はクランプバネ89の内径空間89aに挿入された形態となっており、クランプバネ89はシャフトクランプレバー80とシャフトホルダ筒部70に接触した状態でシャフト連結部16に装着されている。
このようにクランプバネ89によってシャフトクランプレバー80をシャフトホルダ筒部70に保持させる形態において、本実施の形態ではクランプバネ保持部76よりも作用部側溝85が狭く設定されていることから、クランプバネ89はシャフトクランプレバー80側の作用部側溝85によって他の部分、すなわちシャフトホルダ筒部70のクランプバネ保持部76側よりも、上下方向に大きく圧縮されている。これにより複数状のコイルリングを巻回させた構成のクランプバネ89において、下側に位置する複数のコイルリング89*(図11参照)は作用部側溝85とクランプバネ保持部76との間で傾斜した状態で巻回される。
これにより、これら傾斜状態にあるコイルリング89*には通常の圧縮コイルバネの使用状態では発生しない張力(矢印n)が作用する。そしてこの張力により、作用部側溝85が設けられた作用部82をシャフトホルダ筒部70の内側方向、すなわち挿入孔71に挿入された挿入端部18cの溝部18dに対して係合部87を押し付ける方向の係止力が作用する。これにより、小サイズのクランプバネ89を用いるコンパクトな構成によって、シャフトクランプレバー80に対して閉じる方向に十分な大きさの力を付与することができ、挿入端部18cの溝部18dを安定して係止して、シャフト連結部16における振動の発生などの不具合を防止することが可能となっている。
図13は、第1シャフト17に設けられた上述構成のシャフト連結部16を介して第1シャフト17と第2シャフト18とを連結した状態を示している。すなわち、シャフトホルダ筒部70に設けられた挿入孔71内に下方から第2シャフト18の挿入端部18cを挿入し、シャフトホルダ筒部70の受け端部70bに第2シャフト18の当接部18e(図12も参照)が当接するまで押し込む。この操作においては、まず作用部82が挿入端部18cの端部によってクランプバネ89の付勢力に抗して押し広げられる。次いで挿入端部18cに設けられた溝部18dが係合部87の位置まで到達することにより、係合部87は溝部18dに係合してクランプバネ89の付勢力によって係止される。
図14は、図13に示す連結状態から、第2シャフト18を取り外す操作を示している。すなわちこの取り外し操作においては、まずシャフトクランプレバー80の操作部83を手指などによって押圧して、挿入孔71の内側へ押し込む(矢印o)操作を行う。この操作により、シャフトクランプレバー80は支点部81の当接支点86(図12)を中心にして揺動し、作用部82がクランプバネ89の付勢力に抗して外側へ開く方向に変位する(矢印p)。これにより、係合部87の溝部18dへの係合状態が解除され、挿入端部18cを挿入孔71から引き出す(矢印q)操作が可能となる。
この取り外し操作において、一つのシャフトクランプレバー80を対象とする簡単な押圧操作のみで第2シャフト18を取り出すことができる。またメインシャフト15において、第1シャフト17にはシャフト連結部16と下方に位置するメインシャフト保持部12(図2参照)との間に作業の障害となる部品等が存在しないことから、第1シャフト17と第2シャフト18との抜き差し差作業を良好な作業性で行うことが可能となっている。
上記説明したように、本実施の形態に示す電子部品装着装置は、メインシャフト15の下端部にノズル20を着脱自在に保持するノズルホルダ19を、ノズル20の被装着部20cが挿入される挿入孔41を有する筒状であり、一方の側面に挿入孔41に通じる開口部41aが形成されたホルダ筒部40と、開口部41aを介して挿入孔41に挿入されたノズル20の被装着部20cに係合する係合部57を有する単一のクランプレバー50と、係合部57を挿入孔41に挿入されたノズル20の被装着部20cに付勢するクランプバネ59とを有する構成としたものである。これにより、電子部品を負圧により保持するノズル20をノズルホルダ19に着脱自在に保持させる構成において、ノズル20およびノズルホルダ19の小型化を実現することができる。
また本実施の形態に示す電子部品装着装置は、ノズル20から吸い込んだ空気をろ過するフィルタ62を有するカートリッジ60をノズルホルダ19内に収納する構成において、ノズルホルダ19を、入り口41bからカートリッジ60を挿入して収納する挿入孔41と、挿入孔41に負圧を導入する通気孔40aとを有する筒状のホルダ筒部40と、挿入孔41の入り口41bを塞ぐ状態で挿入孔41に装着されたノズル20の被装着部20cに係合する係合部57が形成されたクランプレバー50とを有し、クランプレバー50は、ノズル20がノズルホルダ19から取り外されたときは挿入孔41側に変位して挿入孔41内のカートリッジ60が抜けるのを防止するようにしたものである。これにより、電子部品を負圧により保持するノズル20をノズルホルダ19に着脱自在に保持させ、ノズル20から吸い込んだ空気を濾過するフィルタ62を有するカートリッジ60を備えた構成において、ノズルホルダ19の小型化とともにカートリッジ60のノズルホルダ19への収納および取り出しを容易にすることができる。
また本実施の形態に示す電子部品装着装置用のカートリッジは、ノズルホルダ19に収納されるカートリッジ60の構成を、挿入孔41に挿入可能な外形寸法を有するとともに一端部61bから他端部61cにかけて貫通した内部空間61aを有するフィルタ保持体61と、内部空間61aに配置され、第1の吸引路であるノズル流路20gから吸引された空気をろ過するフィルタ62と、フィルタ保持体61の一端部61bに配置され、挿入孔41の奥部に設けられたストッパ41cに当接することにより第2の吸引路である通気孔40aと内部空間61aとを気密に接続する環状のパッキン63と、フィルタ保持体61の他端部61cに配置され、挿入孔41に挿入された被装着部20cに当接することによりノズル流路20gと内部空間61aとを気密に接続する弾性部材から成るパッド部64とを備えた構成としている。これにより、ノズル20から吸い込んだ空気を濾過するフィルタ62を有するカートリッジ60を備えた構成において、ノズルホルダ19の小型化とともにフィルタ62の濾過性能の向上および着脱時の作業性を向上させることができる。
さらに本実施の形態に示す電子部品装着装置は、下端部にノズル20を着脱自在に保持するノズルホルダ19を有するメインシャフト15を、 昇降機構25に連結するメインシャフト上部である第1シャフト17と、ノズルホルダ19とメインシャフト保持部12に保持される部分を含むメインシャフト下部である第2シャフト18とに分割した構成において、第1シャフト17の下端部には第2シャフト18に設けられた挿入端部18cを挿入して保持するシャフト連結部16を有し、第2シャフト18の挿入端部18cにメインシャフト15の軸方向に対して直交する方向に直線的に形成された溝部18dを設け、シャフト連結部16に溝部18dに係合するシャフトクランプレバー80と、このシャフトクランプレバー80を溝部18dに付勢する弾性部材としてのクランプバネ89を有する構成としている。これにより、ノズル20を保持するノズルホルダ19を有するメインシャフト15をシャフト連結部16を介して上下に着脱可能に2分割した構成において、シャフト連結部16の構造の小型化および簡便化を図るとともに、着脱時の作業性を改善することができる。