JP6549917B2 - プラズマ処理装置およびそのデータ解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを用いて半導体のウェハ等の試料を加工するプラズマ処理装置およびそのデータ解析装置に係り、特に、試料のプラズマ処理時におけるデータを解析しこのデータを利用して試料をプラズマ処理する技術に関する。
試料上に形成される半導体装置などの微細形状を得るために、チャンバ内の物質を電離した状態(プラズマ状態)にし、その物質の作用(ウェハ表面における反応)によりウェハ上の物質を取り去るプラズマ処理が行われる。
プラズマによる電離現象は発光現象を伴うため、プラズマを利用して処理を行うプラズマ処理装置には、分光器を搭載し、プラズマの発する光をモニタできるようにしている。分光器にて計測されたデータを以下では、OESデータと呼ぶ(OES:Optical Emission Spectroscopy)。
多数のウェハについて同じプラズマ処理を行う場合、それぞれの処理の結果が一定になるように、OESデータや電圧値のようなプラズマ処理をモニタするデータを用いて、プラズマ処理の監視や制御が行われている。
特許文献1には、プラズマ処理装置でプラズマ放電が安定した安定放電領域における、マッチングボックスの電圧値等の時系列データを取得し、取得した時系列データの指定した時間区間における値の差分や標準偏差を用いて、プラズマ処理を監視し異常を検出する方法が記載されている。
特許文献2には、装置のプロセス状態を反映したプラズマ処理を行うために、プラズマ処理時のOESデータを用いて、プラズマ処理をRun−to−Run制御する方法が記載されている。
特開2007−214254号公報 特許5596832号公報
プラズマ処理においては、ウェハのプラズマ処理を重ねるごとに、プラズマ処理を行うチャンバ内部の壁面に付着した反応生成物の状態や部品の消耗具合が経時的に変化する。反応生成物の付着や部品の消耗の経時変化をOESデータから計測できれば、反応生成物の付着状態や部品の消耗状態に合わせて装置を適切に管理したり、制御したりすることが可能になる。
OESデータは、後述するように発光の波長と時間の組合せごとに発光強度が計測された膨大なデータである。OESデータの値は、発光の波長によって異なり、またプラズマ処理中の時間の経過に応じて変化する。そのため、多数の発光の波長と時間区間の組み合わせになる膨大なデータの中から、プラズマ処理の監視や、制御に用いる最適の波長と時間区間の組合せを特定することが望ましい。
特許文献1に示された方法は、1つのデータ収集時間の時系列データを収集し、そのデータが規定値を超えていないかを評価するものである。特許文献1は、取得した膨大な時系列データの中から、差分や標準偏差を算出する最適のデータ、すなわち異常検出の対象となる最適の時間区間を決定する方法についての言及はない。
また特許文献2に示す方法も、膨大なOESデータの中から、プラズマ処理の制御に用いる最適のデータ(発光波長と時間区間)を特定する方法を提供していない。
本発明は、プラズマ処理の制御に用いる最適のデータ(発光波長と時間区間)を特定するデータ解析装置及び、そのデータを利用して安定したプラズマ処理を実現するプラズマ処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の代表的な例によれば、データ解析装置において、プラズマを発生させてウェハをプラズマ処理するときの発生させるプラズマの発光波長帯域の中から波長と時間区間の組合せを作成し、この作成したそれぞれの波長と時間区間の組合せについてウェハの処理回数と発光強度との間の相関をロットごとに計算し、波長と時間区間の組合せの中からロットごとに計算した相関が高いものを、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長と時間区間として選択することを特徴とする。
本発明によれば、膨大なOESデータの中から、プラズマ処理の監視や制御に用いる特定の波長と特定の時間区間の組合せを短時間で特定でき、プラズマ処理結果の安定化を実現できる。
本発明の第1の実施例に係る、データ解析装置を備えたプラズマ処理装置の構成を示すブロック図である。 図1のプラズマ処理装置の、プラズマ処理部の構成例を示すブロック図である。 第1の実施例における、プラズマ処理区間と時間区間を説明する図である。 OESデータに基づき、プラズマ発光強度と波長帯域、及び、プラズマ処理の時間の関係の例を説明するグラフである。 図1のデータ解析装置の記憶部に保持された、ウェハ処理回数データのテーブル例を示す図である。 図1の記憶部に保持された、OESデータのテーブル例を示す表である。 図1の記憶部に保持された、波長IDデータのテーブル例を示す表である。 図1の記憶部に保持された、相関データのテーブル例を示す表である。 第1の実施例における、プラズマ処理区間内の複数の時間区間におけるOESデータ、及び相関の例を示す図である。 第1の実施例における、データ解析装置の演算部による解析処理を示すフロー図である。 図1の入力部において、解析対象波長入力部と解析実行ボタンが表示された画面の正面図である。 図9の解析処理で保存される、中間データのテーブル例を示す表である。 図9の解析処理における、相関の方向の算出処理を説明するウェハ総処理回数と発光強度平均の関係を示す散布図である。 図1の出力部において、データ解析装置による解析結果を表示する画面の正面図である。 図9の詳細解析処理の途中で保存される詳細解析中間データのテーブル例を示す表である。 図1の出力部において、データ解析装置による詳細解析処の結果を表示する画面の正面図である。 解析処理の結果、図1の記憶部に保持された、詳細解析データのテーブル例を示す表である。 本発明の第2の実施例における、プラズマ処理の時間区間を説明する図である。 本発明の第3の実施例に係る、プラズマ処理装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施例における、相関データに基づくプラズマ処理の制御を説明する図である。
本発明の代表的な実施の形態によれば、データ解析装置を有するプラズマ処理装置であって、プラズマ処理の際に得られる複数のエレメントの波長及び時間における発光強度を示すプラズマ発光データ(OESデータ)とウェハの処理回数のデータを取得し、プラズマ発光データの異なる波長と異なる時間区間からなる複数の組合せについて、各々の波長と時間区間の組合せにおける発光強度の平均値とウェハ処理回数との相関の高さを評価し、相関の高いプラズマ発光データの波長と時間区間の組合せを特定する。あるいはまた、データ解析装置において、ウェハをプラズマ処理するときのプラズマの発光波長帯域の中から、各エレメントの波長と複数の時間区間の組合せを作成し、この作成したそれぞれの組合せについてウェハの処理回数と発光強度との間の相関をロット毎に計算し、これらの組合せの中からロット毎に計算した相関が高いものを、プラズマ処理の監視や制御に用いる「特定の波長と特定の時間区間」として選択する処理を行うようにした。
なお、本発明では、プラズマ中に含まれる各元素や化合物をエレメント、これら中の特定のエレメントと該エレメントの発光する光の波長との組み合わせを「波長ID」と定義する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の第1の実施例に係る、データ解析装置を備えたプラズマ処理装置について、図1〜図15Bを参照しながら、詳細に説明する。
[プラズマ処理装置]
図1の構成図に示すように、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理部10とデータの解析装置20と入力部30と出力部31と通信インタフェース部(通信IF部)32とを有し、これらはバス33を介して相互に接続されている。
プラズマ処理部10は、プラズマ加工部11と分光器12と制御部13とメモリ14とを備え、インタフェース部(IF部)110を介してバス33に接続されている。プラズマ加工部11は、そのチャンバ内にプラズマを発生させてウェハを加工(エッチング処理)する。分光器12は、ウェハのエッチング処理が行われる間にプラズマの発光データであるOESデータを取得する。この分光器12は、プロセスモニタとして機能し、エッチング処理のプロセスに応じて変化するプラズマからの光を波長ごとに分解し、各波長の強度のデータを取得する。OESデータはIF部110を介してデータ解析装置20が有する記憶部22に格納される。制御部13は、プラズマ加工部11での処理を制御する。メモリ14には、プラズマ処理を実行するためのプログラムや処理レシピなどのデータが保持されている。プラズマ処理部10の詳細を後述の図2にて説明する。
データ解析装置20は、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長と時間区間の組合せを特定するデータの解析処理を行う。データ解析装置20は、データを解析する演算部21と、記憶部22と、インタフェース部(IF部)210を備えている。
記憶部22は、ウェハの処理回数を記憶するウェハ処理回数データ記憶領域23と、エッチング処理中に得られた分光器の計測値(OESデータ)を記憶するOESデータ記憶領域24と、エレメントの発する光の波長(「エレメントの波長」)の情報を波長IDとして記憶するエレメント波長データ記憶領域25と、演算部21の行う解析処理の結果のデータを記憶する相関データ記憶領域26と、演算部21の行う詳細な解析処理の結果のデータを記憶する詳細解析データ記憶領域27と、演算プログラム28を備えている。
演算部21は、記憶部22のウェハ処理回数データ記憶領域23に記憶されたウェハ処理回数データと、OESデータ記憶領域24に記憶されたOESデータと、エレメント波長データ記憶領域25に記憶された波長IDとを用いて、演算プログラム28を実行することにより、波長と時間区間の組合せごとに発光強度とウェハ処理回数との相関を順次評価し、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長と時間区間の組合せを特定する処理を行う。演算部21が演算プログラム28を実行して行う解析処理の詳細については、後述する。
入力部30は、ユーザ操作による情報入力を受け付ける、例えばマウスやキーボード等である。出力部31は、ユーザに対して情報を出力するディスプレイやプリンタ等である。なお、入力部30と出力部31は、ユーザインタフェースを構成する入出力部として一体に構成されていても良い。通信IF部32は、バス33や外部ネットワーク等を介して他の装置やシステム(既存の生産管理システム等とも接続可能である)と接続し情報送受信を行うためのインタフェースである。バス33は、各部(10,20,30,31,32)を連結する。各部のIF部(110,210等)は、バス33を介して情報送受信を行うためのインタフェースである。なお、解析装置20を解析装置として独立させて、プラズマ処理部10からなるプラズマ処理装置にIF部210を介して接続される形態としても良い。
[プラズマ処理部]
図2に示すように、プラズマ処理部10のプラズマ加工部11は、真空排気手段(図示略)で内部を真空に排気されるチャンバ111と、1対の電極112a及び112bと、チャンバ111の内部を外側から観察する窓115と、真空に排気されたチャンバ111の内部にウェハ114をプラズマ処理するための処理ガスを供給するガス供給器117とを備えている。電源ユニット118により1対の電極112a及び112bに高周波電力を印加し、電極112bに高周波バイアス電力を印加することにより、真空排気され処理ガスが供給されたチャンバ111の内部にプラズマ113を発生させる。
すなわち、制御部13からの指示によって、プラズマ加工部11は、チャンバ111内の試料台にウェハ114を載置しチャンバ111の内部を真空排気した状態で、ガス供給器117から処理ガスを供給し、電極112a及び112bに高周波電力を印加することによって、電極112aと112bとの間で処理ガスをプラズマ化させる。プラズマ化したガス113をウェハ114に衝突させることでウェハ114を加工する。
プラズマ化したガス113は、ガス供給器117から供給された処理ガスに含まれるCl,Ar等のエレメントやウェハ114から加工の過程で発生したSi,Al等の多種類のエレメントを含んでおり、これらのプラズマ化したガス113に含まれている多種類のエレメントに応じた波長の光116を発生させる。発生した光116は窓115を通して分光器12にて計測・モニタされ、IF部110,210を介して解析装置20の記憶部22のOESデータ記憶領域24に記憶される。
プラズマ処理の終了後には、処理されたウェハ114はチャンバ111から取り出されて別の装置(計測装置など)に搬送され、また新たな別のウェハ114がプラズマ処理部10のチャンバ111内に搬送され、プラズマ処理が行われる。
プラズマ処理部10は、このプラズマ処理を複数のウェハについて行った後に、チャンバ111の内部の状態を調整する調整処理を行う。例えば、ウェハのプラズマ処理とは別の処理ガスを供給し、プラズマ化することでチャンバ内部の壁面に付着した反応生成物を除去するクリーニングなどが調整処理として行われる。その後に、また別の複数のウェハについてプラズマ処理を行う。このようにプラズマ処理部10は、チャンバ111の内部の調整処理とプラズマ処理を繰り返し実行するが、調整処理と調整処理の間にプラズマ処理されたウェハのグループを以下ではロットと呼ぶ。後述の解析装置では、このロット毎に解析処理を行う。
なお、ここでは電極112a及び112bに高周波電力を印加してプラズマ処理を行う方式を例に説明したが、マイクロ波をチャンバ内に導入することによりプラズマを発生させるプラズマ処理方式など、他のプラズマ処理の方式であっても良い。
[時間区間]
図3Aで、本発明の実施例1における、プラズマ処理区間及び時間区間を説明する。
図3Aにおいて、横軸は時間、縦軸はプラズマの発光強度を示している。「プラズマ処理区間」に、チャンバへ処理ガスを供給し電極に高周波電力を印加することで、処理ガスをプラズマ化し、ロット単位でウェハを処理する。1つのロットのウェハのプラズマ処理の終了に伴い、処理ガスの供給や高周波電力の印加が停止される。なお本実施例では、チャンバへの処理ガスの供給を開始してから終了するまでの時間を「プラズマ処理区間」とするが、他のプラズマ処理に関わる情報を用いて「プラズマ処理区間」を決定しても良い。例えば、電流の値が一定である区間を「プラズマ処理区間」としても良い。
また、本実施例では、「プラズマ処理区間」内を複数の「時間区間」、例えば、A,B、あるいは、A,B,Cの「時間区間」に分割する。これにより、各ロットのウェハ単位のプラズマ処理における、「時間区間」とプラズマの発光強度の解析処理とが対応付けられる。
[OESデータ]
図3Bに、分光器12にて計測された、Si,Al等の多数のエレメントを含む、プラズマ発光のOESデータの例として波形信号301の時間推移を示す。図3Bは、OESデータに基づき、プラズマ発光強度と波長帯域、及び、プラズマ処理の時間の関係の例を説明するグラフであり、X軸は各エレメントの発する光の波長、Y軸は時間、Z軸はプラズマの発光強度を示している。Y軸の時間は、例えば、n枚目のウェハの処理における「時間区間」1−100に相当する。
図3Bに示すように、プラズマ発光の波長帯域と強度は、プラズマ処理の時間の経過とともに変化する。OESデータの波形信号301は、波長と時間の2次元の要素を持ち、各波長、各時間についてそれぞれ計測された発光強度の値を表している。各波長、各時間についてそれぞれ計測された発光強度の値は、OESデータのIDと共に、後述のOESデータ記憶領域24に格納される。
[解析装置]
図1に示した記憶部22のウェハ処理回数データ記憶領域23には、プラズマ処理を行った回数を特定する情報と、OESデータのIDを特定する情報が格納される。
図4は、ウェハ処理回数データ記憶領域23の例であるウェハ処理回数データテーブル23aを示す。本テーブルは、ロット処理回数欄23b、ロット内ウェハ処理回数欄23c、ウェハ処理回数欄23d、OESデータID欄23e、等の各フィールドを有する。
ロット処理回数欄23bには、ロットの処理回数を特定する情報が格納される。ロットは、前述したようにチャンバ111内部の状態を調整する調整処理の間にプラズマ処理されるウェハのグループである。ロット1と2の間に、クリーニング処理がなされる。
ロット内ウェハ処理回数欄23cには、同一ロット内における、ウェハをプラズマ処理した回数を特定する情報が格納される。
ウェハ総処理回数23dには、ウェハをプラズマ処理した回数を特定する情報が格納される。
OESデータID欄23eには、後述のOESデータ記憶領域24のOESデータテーブル24aを特定する情報、p101,p102,−が格納される。OESデータIDp101は、例えば、図3の1枚目のウェハの処理における「時間区間」1の波長と発光強度のデータを示している。
図5は、OESデータ記憶領域24の例であるOESデータテーブル24aを示す。本テーブルは、OESデータID欄24bと、波長欄24c、プラズマ処理区間欄24d、発光強度欄24e、等の各フィールドを有する。この例によれば、プラズマ処理区間は1−100に分割されている。この例では、プラズマ処理区間の分割数が100となっているが、この数は解析処理に適した範囲で、適宜、増減できるものとする。なお、本テーブルはOESデータが計測されたウェハの数だけ存在する。
OESデータID欄24bには、OESデータテーブル24aとウェハ処理回数データテーブル23aとを対応付けるための情報が格納される。OESデータID欄24bに格納される値は、前述のウェハ処理回数データテーブル23aのOESデータID欄23eに格納される値、p101,p102,−と対応付けられている。
発光強度欄24eには、波長欄24cの各波長、プラズマ処理区間欄24dの各時間についてそれぞれ計測された発光強度の値が格納される。
図6は、エレメント波長データ記憶領域25の例であるエレメント波長データテーブル25aを示す。本テーブルは、波長ID欄25bとエレメント欄25cと波長欄25d、等の各フィールドを有する。
波長ID欄25bには、エレメントと波長の組み合わせ、を特定する波長IDの情報が格納される。エレメント欄25cには、プラズマ中に含まれるエレメントの候補を特定する情報が格納される。波長欄25dには、エレメントの発する光の波長(単位nm)を特定する情報が格納される。
例えば、同じエレメントSiであっても、波長251nmと波長288nmの2種類の光の時間分解発光スペクトルが得られるが、これらのスペクトルは波長ID1,ID2のデータとして区別される。
図7は、相関データ記憶領域26の例である相関データテーブル26aを示す。本テーブルは、波長ID欄26b、エレメント欄26c、波長欄26d、時間区間欄26e、決定係数平均欄26f、相関の方向欄26g、相関方向の一致欄26h、決定係数最大欄26i、採用候補欄26j等の各フィールドを有する。
各フィールドには、後述する解析処理にて情報が格納される。
波長ID26b及びエレメント欄26cには、波長欄26dで特定される波長を発するエレメントを特定する情報が格納される。
波長欄26dには、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長の候補を特定する情報が格納される。後述の説明のために、ここに格納された情報を波長WLと呼ぶ。
時間区間欄26eには、プラズマ処理の監視や制御に用いる時間区間の候補を特定する情報が格納される。後述の説明において、ここに格納された情報を時間区間WLTと呼ぶ。
後述の解析処理では、波長欄26d、時間区間欄26eに格納された値を用い、OESデータ記憶領域24に記憶された図6に示したOESデータテーブル24aにおける波長欄24cの波長WLとプラズマ処理区間欄24dの時間区間WLTにおける発光強度の平均値と、ウェハ処理回数との間で相関の高さを評価する処理を行う。
決定係数平均欄26fには、波長欄26d及び時間区間欄26eに格納された値で上記のように算出した発光強度平均値とウェハ処理回数との相関の高さを特定する情報が格納される。例えば、相関係数の二乗である決定係数が格納される。この決定係数(r又はR)の算出方法については、後で詳細に述べる。
相関の方向欄26gには、波長欄26d及び時間区間欄26eに格納された値で上記のように算出した発光強度平均値がウェハ処理回数に従って、増加するか減少するか(正の相関を示すか、負の相関を示すか)を特定する情報が格納される。例えば、増加する場合には増加を示す「+」の記号が格納され、減少する場合には減少を示す「−」の記号が格納される。
相関方向の一致欄26hには、相関の方向欄26gに格納された情報がエレメント間で一致しているか否かを特定する情報が格納される。本欄については、エレメント欄26cに格納されたエレメントごとに同一の値が格納される。例えば、エレメント欄26cに同一の値が格納された波長欄26dの各波長について、相関の方向欄26gに格納された情報が全て一致する場合もしくは同一のものの割合が予め定められた閾値よりも大きい場合には「○」の記号が格納され、それ以外の場合には「×」の記号が格納される。
決定係数最大欄26iには、相関方向の一致欄26hで一致を示す「○」が格納された波長IDのうち、決定係数平均欄26fに格納された決定係数平均の値が最も大きい波長を示す情報が格納される。例えば、最大の行には「○」の記号が格納される。
採用候補欄26jには、相関方向の一致欄26hで一致を示す「○」が格納された波長IDのうち、決定係数平均欄26fに格納された値が所定の閾値、一例として0.88以上の大きい波長を示す情報が格納される。例えば、決定係数が最大の波長IDの行には「◎」の記号が格納され、それ以外の決定係数の大きい波長IDの行には「○」の記号が格納される。これは何らかの状況により、決定係数が最大値の波長IDを使えず、閾値を超えている次善の波長IDを使用する可能性があるためである。
OESデータの値は、発光するエレメントの発する光の波長によって異なり、またプラズマ処理中の時間の経過に応じて変化する。そのため、多数のエレメントの波長と時間区間からなる膨大な数の組み合わせの中から、プラズマ処理の監視や、制御に用いる波長と時間区間の最適の組合せを特定することが望ましい。
図8は、本発明における、プラズマ処理区間内の複数の時間区間におけるOESデータ、及び相関の例を示す図である。この例では、プラズマ処理区間内の2つの時間区間A,Bにおける発光強度の平均値を各々算出し、発光強度の平均値とウェハ処理回数の間の相関の高さ(決定係数)と相関の方向がロット毎に算出されている。同じエレメントSiと波長251nmの組み合わせにおいて、時間区間Aにおける決定係数(R2)の平均値は0.70、時間区間Bにおける決定係数の平均値は0.97となっている。時間区間Bの決定係数の平均値がより大きく、また、この時間区間Bの決定係数の平均値は、閾値を超えているものとする。この場合、時間区間Bの波長と時間区間の組合せを、プラズマ処理の監視や制御に用いる。
図8の例で、仮に、2つの時間区間A,Bを纏めて単一の時間区間とした場合、この区間の発光強度の平均値とウェハ処理回数の間の相関の高さは、時間区間B単独の場合よりもよりも低くなり、プラズマ処理の監視や、制御に用いるのに適さなくなる。
なお、解析処理の対象となるプラズマ処理区間内は、3つ以上の時間区間に分割しても良い。
[解析装置20の解析処理]
本実施例による解析装置20の解析処理は、半導体ウェハをプラズマ処理するプラズマ処理装置において、膨大なプラズマ発光データ(OESデータ)の中から、プラズマ処理の監視や制御に用いる最適の波長及び時間区間を特定する解析処理である。
本解析処理は、装置管理者がプラズマ処理装置で複数のウェハをプラズマ処理した後に、そのプラズマ処理装置で同じ仕様のウェハ処理を行う場合の、監視や制御の条件を決定するために利用される。
本実施例による解析処理は、演算プログラム28により、プラズマに含まれる複数のエレメントの発する光の波長それぞれについて、プラズマ処理の複数の時間区間における発光強度の平均値を算出し、発光強度の平均値とウェハ処理回数の間の相関の高さと相関の方向をロット毎に算出する第1の処理と、ロット毎に算出した前記相関の高さの情報から、プラズマに含まれるエレメントの発する光の波長それぞれについて、相関の高さが最大となる時間区間を特定する第2の処理と、プラズマに含まれるエレメントそれぞれについて、当該エレメントの発する光の波長における相関の方向の一致を判定する第3の処理と、前記の相関の方向の一致の判定結果と、前記の相関の高さの情報とを用いて、相関の方向が一致し、かつ、相関の高さが最大となるエレメントの波長と時間区間の組合せを、相関関係の高い組み合せ、換言すると、プラズマ処理の監視や制御に用いるエレメントの波長と時間区間として特定する第4の処理と、を行うことを特徴とする。
以下に本実施例による解析装置20において実行される解析処理の流れ、すなわち、演算プログラム28による解析処理を、図9−図15Bを用いて具体的に説明する。
解析装置20を起動すると、図10に示すような入出力部の表示画面D100が表示される。操作者は、解析装置20において解析処理を実行するに際して、解析処理を行うための条件を、図10に示す表示画面D100上で入力する。表示画面D100上には、エレメント波長データテーブル25aのエレメント欄25cに格納された情報がD101に、波長欄25dに格納された情報がD102に、波長IDと共に表示される。この表示画面D100上で、操作者が解析対象欄D103に解析対象の波長にチェックを入れ、解析実行を指示する。
すなわち、操作者は、表示画面D100上で解析対象欄D103に解析対象の波長IDにチェックを入れ、さらに時間区間欄D104で波長ID毎に、時間IDで定義された複数の時間区間を入力する。例えば、操作者が時間区間を幾つに分割するかを設定すると、時間区間欄D104の時間IDと対応する時間区間とが自動的に生成・表示される。操作者はこの時間IDを選択して、時間区間を入力する。さらに、操作者が解析実行ボタンD105をクリックして解析実行を指示すると、解析装置20は解析処理を実行し、プラズマ処理の監視や制御に適した波長と時間区間の組合せを出力する。
なお、解析対象欄D103で操作者が波長を選択するのではなく、エレメントの発する光の波長を全て自動で選択する構成にしても良い。
解析装置20は解析処理の開始に伴い、表示画面D100から入力された解析対象の波長群、すなわち波長ID(波長とそのエレメント)と時間区間の情報を、図7に示した相関データテーブル26aに格納する(S101)。
次に、S101で作成した解析対象の波長IDそれぞれについて、プラズマ処理区間内の複数の時間区間との組合せを作成し(S102)、相関データテーブル26aの各行の、波長と時間区間の組合せについてウェハ処理回数と発光強度の間の相関の高さを示す情報(決定係数)をロット毎に算出する(S103)。また、波長と時間区間の組合せについてウェハ処理回数と発光強度の間の相関の方向を示す情報(単回帰係数)をロット毎に算出する(S104)。算出した決定係数をロット間で平均し(S105)、単回帰係数をロット間で平均する(S106)。この決定係数と単回帰係数のロット間平均を算出し相関の方向を判定する処理を全ての時間区間について行い(S107)、解析対象の波長について、相関の最も大きい時間区間(決定係数最大の時間区間)を特定し、相関データテーブル26aに格納する(S108)
このS102からS108の処理を全ての解析対象の波長について行うことで、決定係数が最大となる時間区間を特定する(S109)。また、当該時間区間における決定係数の値と相関の方向が相関データテーブル26aに格納される。
次に、算出した相関の方向を用いて、エレメントごとにエレメントの発する光の波長における相関の方向を比較して相関の方向(正負)の一致を判定し(S110)、相関の方向の一致しているエレメントについて、最も相関の高い、すなわち決定係数が最大となる波長と時間区間の組合せを提示する(S111)
次に、操作者から指示があれば、提示した波長について時間区間を細かく分割して相関を計算する詳細解析を実施し(S112)、実施した結果を詳細解析データテーブル27aに格納し(S113)、詳細解析の結果を表示して(S114)、終了する。詳細解析を実施しない場合には、(S111)で得られた決定係数が最大となる波長と時間区間の組合せを詳細解析データテーブル27aに格納し、終了する。
以下、図9のそれぞれの処理の詳細を順に説明する。
(S101):演算部21は、S101で図10に示す表示画面D100上で解析対象D103にチェックが入れられた波長D102とそのエレメントD101を、相関データテーブル26aのエレメント欄26c及び波長欄26dに格納する。
S102からS109では、相関データテーブル26aの各行に格納された波長及びエレメントについて処理を行う。説明では、処理対象の行を第i行(i=1,2・・・)と呼び、処理対象となる波長を第i行の波長と呼ぶ。処理は第1行から順に行う。
(S102):演算部21は、第i行のエレメントと波長について、指定された時間区間との組合せを複数作成し、後述の中間データテーブル210aの波長ID欄210b、エレメント欄210c、波長欄210d、時間区間欄210eにそれぞれ情報を格納する。
図11は、S102からS108までの計算に利用される中間データテーブル210aを示す。中間データテーブル210aは、波長ID欄210b、エレメント欄210c、波長欄210d、時間区間欄210e、ロット毎の決定係数欄210f、決定係数平均欄210g、決定係数平均最大欄210h、ロット毎の回帰式傾き欄210i、傾き平均欄210j、相関の方向欄210k、等の各フィールドを有する。
各フィールドの値は、S102からS109の解析処理で値が格納される。
S102では、演算部21は、第i行のエレメントと波長をエレメント欄210cと波長欄210dに格納し、プラズマ処理の時間を指定する時間区間の予め定められた候補を時間区間欄210eの各行に格納する。例えば、プラズマ処理の前半と後半を示す時間区間が格納される(図11中の1−50、51−100)。S103からS107までの各処理では、中間データテーブル210aの各行に格納された時間区間について処理を行う。説明では、処理対象の行を第j行(j=1,2・・・)と呼び、処理対象となる時間区間を第j行の時間区間と呼ぶ。処理は、第1行から順に行う。
(S103):演算部21は、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せについて、ロット毎の相関の高さを示す値である決定係数を算出する。
演算部21は、ウェハ処理回数データテーブル23aのロット処理回数23bの値ごとに、ロット内ウェハ処理回数と発光強度との間の相関係数を算出し、相関係数の二乗である決定係数をロット毎の決定係数欄210fに格納する。発光強度の値は、OESデータID欄23eに格納された値で特定されるOESデータテーブル24aにおいて、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せに該当する発光強度の平均値が用いられる。なお、発光強度の平均値は、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せに該当する発光強度の平均値を、別の波長における発光強度で除した値を用いても良い。
演算部21は、例えば以下の式(1)から式(4)を用いて算出した値r(又はR)を、決定係数平均欄210gに格納する。
Figure 0006549917
Figure 0006549917
Figure 0006549917
Figure 0006549917
上記の式において、xはウェハ処理回数データテーブル23aのロット内ウェハ処理回数23cに格納された値を示している。yはOESデータID23eに格納された値で特定されるOESデータテーブル24aにおいて、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せに該当する発光強度の平均値を示している。nは現在計算の対象となるロット処理回数23bにおけるロット内ウェハ処理回数23c及びOESデータID23eのデータ数(列数)を示している。Σ記号は、現在計算の対象となるロット処理回数23bの全てのデータについて計算を行うことを示している。
先に示した図8の例では、時間区間Aの決定係数Rが0.70、時間区間Bの決定係数Rが0.97となっており、決定係数Rの大きい時間区間Bのほうが時間区間Aよりも、ウェハの処理回数と発光強度との間の相関が高くなっている。従って、プラズマ処理区間の中で、時間区間Aを除外し、時間区間Bの相関データのみをプラズマ処理の監視や制御に用いるのが望ましい。
なお、ロット内ウェハ処理回数と発光強度の決定係数の値は、相関係数の二乗の代わりに、ロット内ウェハ処理回数を説明変数として発光強度を目的変数とする二次関数や三次関数の二乗誤差から算出しても良い。
また、xとyを入れ替えて計算しても良い。すなわち、yをウェハ処理回数データテーブル23aのロット内ウェハ処理回数23cに格納された値とし、xをOESデータID23eに格納された値で特定されるOESデータテーブル24aにおいて、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せに該当する発光強度の平均値としても良い。
また、ロット内ウェハ処理回数の代わりに、ウェハ総処理回数の値を用いても良い。
(S104):演算部21は、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せについて、ロット毎の相関の方向を示す値である回帰式の傾きを算出する。
演算部21は、S103での処理と同様に、ウェハ処理回数データテーブル23aのロット処理回数23bの値ごとに、ロット内ウェハ処理回数を説明変数として発光強度を目的変数とする単回帰の回帰式を作成し、その一次の係数(傾きを示す係数)をロット毎の回帰式傾き欄210iに格納する。S103と同様に発光強度の値は、OESデータID欄23eに格納された値で特定されるOESデータテーブル24aにおいて、第i行目の波長と第j行目の時間区間の組合せに該当する発光強度の平均値が用いられる。
演算部21は、前述の式(1)、式(3)及び以下の式(5)を用いて算出した値aを回帰式傾き平均欄210jに格納する。
Figure 0006549917
図12に、ロット毎に求められた回帰式の模式図を記載する。図12は、ウェハ総処理枚数と発光強度平均を軸とする散布図であり、A101はウェハ総処理回数と発光強度平均の値をプロットした点である。A102は、各ロットにおける各点からの距離の二乗和が最小となる直線である。A102の回帰式を、ロット毎に作成し、傾きの値がロット毎の回帰式傾き欄210iに格納される。なお、A103、A104はクリーニングまたはエージングを示している。クリーニングやエージング時にも図12に示すような、波長ID対応の発光強度平均のデータを取得し、制御や監視に利用しても良い。また、アッシング処理においても同様の計算を行っても良い。
(S105):演算部21は、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せについて、決定係数の平均値を算出する。すなわち、中間データテーブル210aのロット毎の決定係数欄210fの第j行に格納された値の平均値を算出し、決定係数平均欄210gの第j行に格納する。
(S106):演算部21は、第i行の波長と第j行の時間区間の組合せについて、回帰式傾きの平均値を算出する。すなわち、中間データテーブル210aのロット毎の回帰式傾き欄210iの第j行に格納された値の平均値を算出し、傾き平均欄210jの第j行に格納する。また、傾き平均欄210jの値が正であれば、正の相関がある、すなわちロット内ウェハ処理回数が増加するに従って発光強度平均値の値が増加するとして「+」の記号を相関の方向欄210kの第j行に格納する。傾き平均欄210jの値が負であれば、負の相関がある、すなわちロット内ウェハ処理回数が増加するに従って発光強度平均値の値が減少するとして「−」の記号を相関の方向欄210kの第j行に格納する。
(S107):演算部21は、中間データテーブル210aの全ての行について決定係数平均を算出する処理を行った場合には、次の処理S108に進む。全ての行について処理を行っていない場合には、j=j+1として処理S103に戻る。
(S108):中間データテーブル210aの全ての行について決定係数平均を算出する処理を行った場合には、演算部21は、処理S108を実行する。
演算部21は、決定係数平均欄210gの各行の中で、格納された決定係数平均が最大となる行を特定し、決定係数平均最大欄210hの当該行に「○」を入力する。また、中間データテーブル210aの時間区間欄210eの当該行に格納された値を、相関データテーブル26aの時間区間欄26eの第i行に格納し、決定係数平均欄210gの当該行に格納された値を決定係数平均欄26fの第i行に格納し、相関の方向欄210kの当該行に格納された値を相関の方向欄26gの第i行に格納する。
(S109):演算部21は、相関データテーブル26aの全ての行(全ての波長)について決定係数平均を算出する処理を行った場合には、次の処理S110に進む。全ての行について処理を行っていない場合には、i=i+1として処理S102に戻る。
(S110):相関データテーブル26aの全ての行について決定係数平均を算出する処理を行った場合には、演算部21は、処理S110を実行する。
演算部21は、相関データテーブル26aのエレメント欄26cに格納された各エレメントについて、エレメントの発光を示す波長における相関の方向を比較する。具体的には、演算部21は、エレメント欄26cに格納されたエレメントが同一の波長について、相関の方向欄26gに格納された情報が全て一致する場合には、相関方向の一致欄26hの当該エレメントの行には一致を示す記号「○」を格納する。また、一致しない場合には不一致を示す記号「×」を格納する。なお、エレメントが同一の波長における相関の方向が全て一致しなくても、予め定められた閾値以上の割合で、相関の方向が一致している場合には、一致と判定しても良い。このエレメントごとの相関方向の一致の評価を、エレメント欄26cに格納された全てのエレメントについて行う。
エレメントの発光を示す波長それぞれにおいて、相関の方向が一致していれば、チャンバ111内部のエレメントの増加や減少が、それぞれの波長における発光強度の増加や減少に繋がったと考えることができる。チャンバ111内部のエレメントの増加や減少の影響が現れる波長の発光をモニタリングすることで、プラズマを構成するエレメントの状態に合わせて装置のクリーニングや、ガス供給量の調整などを適切に行うことができる。従って、このようにエレメントの発する光の波長において相関の方向が一致するエレメントの波長は、装置の監視や制御に適しているといえる。
(S111):演算部21は、相関の方向が一致するエレメントの波長のうち、決定係数が最大の波長を特定し、操作者に表示する。
演算部21は、相関データテーブル26aにおいて、相関方向の一致欄26hが一致を示す「○」である行の中から、決定係数平均欄26fの値が最も大きい行(すなわち、波長と時間区間の組合せ)を特定し、決定係数最大欄26iの当該行に決定係数最大を示す記号「○」を入力する。
更に演算部21は、決定係数が最大となる波長と時間区間およびエレメントの情報を操作者に表示する。
図13に示した出力画面D200には、相関データテーブル26aにおいて決定係数が最大となる波長と時間区間およびエレメントの情報がそれぞれ表示される。
波長ID欄には波長IDが表示され、エレメント欄D201には、相関データテーブル26aにおいて、相関の方向が一致するエレメントの波長の中で、決定係数が最大となる波長のエレメントが表示される。すなわち、決定係数最大欄26iに「○」が格納された行のエレメントの情報が表示される。以下、決定係数最大欄26iに「○」が格納された行のエレメントを当該エレメントと呼ぶ。また、エレメント欄26cが当該エレメントである行(複数の行)を当該エレメントの行と呼ぶ。
波長欄D202には、相関データテーブル26aの波長欄26dの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。時間区間欄D203には、相関データテーブル26aの時間区間欄26eの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。決定係数平均欄D204には、相関データテーブル26aの決定係数平均欄26fの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。相関の方向欄D205には、相関データテーブル26aの相関の方向欄26gの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。相関方向の一致欄D206には、相関データテーブル26aの相関方向の一致欄26hの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。決定係数最大欄D207には、相関データテーブル26aの決定係数最大欄26iの当該エレメントの行に格納された情報が表示される。
また、D208には決定係数が最大となる波長と時間区間の組合せにおける発光強度の平均値とウェハ総処理回数をプロットした散布図が表示される。
D201からD208までの表示により、操作者はウェハの処理回数に従って経時的に変化するプラズマ発光の波長と時間区間の組合せおよび、発光が経時的に変化するエレメントを容易に把握することができる。操作者は、ここで特定された波長と時間区間の組合せにおける発光強度平均に閾値を設けてプラズマ処理を監視することで、プラズマ処理を安定化させることができる。また、発光強度平均と目標値(発光ターゲット値)との差分に従ってガス113の量調整することで、プラズマ処理を安定化させることができる。
D209には、時間区間の詳細解析の可否を確認する画面が表示される。操作者は、決定係数が最大の波長と時間区間の組合せについて、更に細かく時間区間の解析をする場合には、D210に示すYesのボタンを押し、解析を終了する場合にはD211に示すNoのボタンを押す。YesのボタンD210が押された場合には、演算21は、S112の処理に進み、YesのボタンD213が押された場合には選択した組み合わせを監視し、Noのボタン214が押された場合には監視を行わず、D208に示された決定係数が最大となる波長と時間区間の組合せのデータを、詳細解析データ記憶領域27の詳細解析データテーブル27aに格納し、処理を終了する。
(S112):YesのボタンD213が押された場合、演算部21は、決定係数最大の波長と時間区間の組合せについて、時間区間を詳細に解析する処理を行う。
演算部21は、時間区間の取り得る組合せを作成し、詳細処理中間データテーブル211aの時間区間欄211eに格納する。図14に示す詳細処理中間データテーブル211aは、時間区間の詳細解析のために用いられるデータテーブルであり、波長ID欄211b、エレメント欄211c、波長欄211d、時間区間欄211e、ロット毎の決定係数欄211f、決定係数平均欄211g、決定係数平均最大欄211h、等の各フィールドを有する。
演算部21は、決定係数最大の相関データテーブル26aにおいて、決定係数が最大であったエレメントと波長の情報を格納する。すなわち、エレメント欄26cと波長欄26dのうち、決定係数最大欄26iに「○」のある行格納された値を格納する。
演算部21は、時間区間欄211eには、前述の通り、時間区間の取り得る組合せを格納する。
更に演算部21は、ロット毎の決定係数欄211fに、S103の処理と同様に、各行に格納された波長と時間区間の組合せにおける発光強度の平均値と、ロット内ウェハ処理回数との決定係数を格納する。
更に演算部21は、ロット毎の決定係数欄211fに格納された値の各行の平均値を、決定係数平均欄211gの当該行に格納する。
更に演算部21は、決定係数平均欄211gに格納された値のうち、最大の値が格納された行を特定し、決定係数平均最大欄211hの当該行に最大を示す「○」を格納する。
OESデータには発光強度が外乱で変化する時間区間が含まれることがあるが、このようにして様々な時間区間を評価し演算部21は相関の高い(決定係数の大きい)波長と時間区間の組合せを特定することで、発光強度が外乱で変化する時間区間を除外することができる。外乱による発光強度の変化は、監視や制御の誤りの要因となるため、OESデータが外乱で変化する時間区間を削除することでより監視や制御に適した波長と時間区間の組合せを特定することができる。なお、詳細に解析する時間区間は、プラズマ処理区間の全長に対して、例えば1/10以上のように、ある程度の長さ以上となるように設定されていることは言うまでもない。
(S113):演算部21は、詳細解析した結果を、詳細解析データ記憶領域27の詳細解析データテーブル27aに格納する。
図15Bは、解析処理の結果が記録される詳細解析データテーブル27aの例を示す。本テーブルは、波長ID欄27bエレメント欄27c、波長欄27d、時間区間欄27e、決定係数平均欄27g、等の各フィールドを有する。各フィールドには、解析処理にて情報が格納される。
波長欄27dには、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長の候補を特定する情報が格納される。時間区間欄27eには、プラズマ処理の監視や制御に用いる時間区間の候補を特定する情報が格納される。
波長欄27d、時間区間欄27eに格納された値は、ウェハ処理回数との相関を算出するときの発光の波長と時間区間を示している。
決定係数平均欄27gには、波長欄27d及び時間区間欄27eに格納された値で算出した、発光強度平均値とウェハ処理回数との相関の高さを特定する情報が格納される。例えば、相関係数の二乗である決定係数r(又は、R)が格納される。
すなわち、演算部21は、詳細処理中間データテーブル211aのエレメント欄211c及び波長欄211dに格納された情報を、詳細解析データテーブル27aのエレメント欄27cと波長欄27dにそれぞれ格納する。
また演算部21は、詳細処理中間データテーブル211aの時間区間欄211eと決定係数平均欄211gに格納された情報のうち、決定係数平均最大欄211hに格納された情報(決定係数)が最大になる行に格納された情報を、詳細解析データテーブル27aの時間区間欄27eと決定係数平均欄27gに格納する。
(S114):演算部21は、詳細解析した結果を、操作者に表示する。
図15Aに示した出力画面D300には、詳細解析データテーブル27aに格納された、決定係数が最大となる波長ID=2、すなわちエレメントと波長、及び時間区間47−97と決定係数平均の情報がそれぞれ表示される。
波長ID欄、エレメント欄D301、波長欄D302、時間区間欄D303、決定係数平均欄D304には、詳細解析データテーブル27aの波長ID欄27b、エレメント欄27c、波長欄27d、時間区間欄27e、決定係数平均欄27gに格納された情報が、それぞれ表示される。
また、D305には、決定係数が最大となる波長と時間区間の組合せにおける発光強度の平均値とウェハ総処理回数をプロットした散布図が表示される。D306−D308には、操作者が散布図に表示された組み合わせ、ここでは、波長ID=2、時間区間47−97の組み合わせを採用するか否かを決定できる入力ボタンが表示される。操作者に採否を判定させるのは、解析装置20に与えられていない情報等により、時間区間47−97の組み合わせを採用しないのが望ましい場合もあり得るからである。操作者が図15Aの画面に表示された組み合わせを採用した場合、図15Bの詳細解析データテーブル27aにその情報が記録される。操作者がこの組み合わせを採用しない場合、決定係数が最大となる他の組み合わせ、例えば、図13に示す波長ID=2、時間区間51−100の組み合わせ、が図15Bの詳細解析データテーブル27aに記録される。
操作者は、図15Aに示す出力画面D300を確認することで、ウェハの処理回数に従って経時的に変化するプラズマ発光の波長と時間区間の最適な組合せを把握し、それを監視や制御に採用するか否かを決定することができる。更に詳細解析により発光強度が外乱で変化する時間区間を除外されているため、より監視や制御に適した波長と時間区間の組合せを特定することができる。
以上説明したように、本実施の形態のプラズマ処理装置の解析装置が実行するデータ解析処理を用いることによって、波長や時間区間の組合せの中から、プラズマ処理を繰返したときに生じる経時変化を示す波長と時間区間を、プラズマ処理の監視や制御に用いる波長と時間区間として容易に把握することができる。
次に、本発明の実施例2について、図16を参照しながら説明する。本実施例では、データ解析処理の対象となる「プラズマ処理区間」の中の「安定区間」に、複数の「時間区間」を設定する。プラズマ処理装置1の解析装置の他の構成やデータ解析処理の方法については、実施例1と同じなので、説明を省略する。
「プラズマ処理区間」の開始時点で、チャンバへ処理ガスを供給し電極間に高周波電力を印加することで、処理ガスをプラズマ化し、ロット単位でウェハを処理する。ウェハのプラズマ処理の終了に伴い、処理ガスの供給や高周波電力の印加が停止される。「プラズマ処理区間」であっても、立ち上げ区間ではプラズマの発光強度が大きく変動(急速に増大)し、その後、処理ガスの供給や高周波電力、換言するとプラズマの発光強度がほぼフラットな安定状態に移行する。本実施例では、チャンバへ供給する電力やガスの状態がほぼ一定になった状態、すなわち、プラズマの発光強度が安定した状態の区間を、「安定区間」と定義し、さらに、この「安定区間」内を複数の「時間区間」、例えば、A,B,Cに分割し、この「安定区間」内の分割された時間区間をデータ解析処理の対象とする。これにより、ロット単位のウェハ処理と「時間区間」と、プラズマの発光強度の解析処理とが対応付けられる。
実施例2では、図5に示したOESデータ記憶領域24のOESデータテーブル24aの構成が実施例の構成と若干異なる。すなわち、図5に示したテーブルのプラズマ処理区間欄24dが「安定区間」に変わり、この「安定区間」の分割数が例えば100となる。従って、操作者が、図10に示す表示画面D100上で入力する時間区間、例えば、A,B,Cも、この「安定区間」の1−100の時間区間が対象となる。操作者が解析実行ボタンD105をクリックして解析実行を指示すると、実施例1と同様にして、解析装置20は解析処理を実行し、プラズマ処理の監視や制御に適した波長と時間区間の組合せを出力する。
なお、「立ち上げ区間」から「安定区間」へ移行したことの判定は、例えば、発光強度のモニタ値の変化や、プラズマ電源の電気的なパラメータの変動を基に、解析装置で行うことが出来る。実施例1と比較すると、「安定区間」へ移行したことを検知・判定する手段が必要になるが、「安定区間」内に複数の「時間区間」を設定することで、外乱の少ない区間で、波長IDと時間区間の組合せで相関のより大きい組合せを把握できる。実施例1と同様、解析装置で得られた組み合わせのデータを、プラズマ処理の監視や制御に用いることで、安定したプラズマ処理や監視を実現できる。
なお、ここでは電極に高周波電力を印加してプラズマ処理を行う方式を例に説明したが、マイクロ波をチャンバ内に導入することによりプラズマを発生させるプラズマ処理方式など、他のプラズマ処理の方式であっても良い。
次に、本発明の実施例3について、図17A、図17Bを参照しながら説明する。本実施例では、実施例1又は実施例2で得られた、相関の大きい波長IDと時間区間の組合せの解析データを基に、プラズマ処理装置によるウェハのプラズマ処理や監視を行うものである。
図17Aは、実施例3に係る、Run−to−Run制御ユニットを有するプラズマ処理装置の構成を示すブロック図である。なお、Run−to−Run制御ユニットの詳細については、特許文献2の記載を援用する。
制御部13は、プラズマ処理を実行するためのRun−to−Run制御ユニット131及びプラズマ監視ユニット132を備えている。メモリ及びデータベース14には、制御モデルのデータ、制御レシピや係数のデータ、詳細解析データテーブル27a(図15B)の波長IDと時間区間の組合せのデータ、発光ターゲット値、ロット毎の回帰式傾きデータ(図15Bの決定係数平均)、及び閾値等の情報が保持されている。分光器12はプラズマの発光状態を監視するプロセスモニタとして機能し、ガス供給器(マスフローコントローラ)117や電源ユニット(プラズマ生成用高周波電源、試料台バイアス電源)118はプラズマ処理条件を構成するパラメータを制御するアクチュエータとして機能する。アクチュエータには、チャンバ111内の真空圧を制御する圧力制御用バルブも含まれる。Run−to−Run制御ユニット131及びプラズマ監視ユニット132は、例えば、コンピュータ上で動作するプログラムにより実現される。このコンピュータのCPUは、マイクロプロセッサを主体に構成され、メモリに格納されているRun−to−Run制御を行うプログラムやプラズマ監視制御を実行する。プラズマ処理装置では、ウェハの処理条件であるレシピを使って、波長IDの発光強度が発光ターゲット値、換言すると傾きデータに一致するように、レシピを制御しながら、プラズマ処理が行われる。レシピを制御するものとして、例えば、変更レシピとして、処理ガスの種類と流量、処理圧力、プラズマ生成用電力、高周波バイアス電力が含まれ、レシピの変更量を決める係数として、処理時間等の複数のパラメータが含まれる。プラズマ処理室内壁への反応生成物の堆積、プラズマ処理室内の部品の温度変化、プラズマ処理室内の部品の消耗等によって、プラズマ処理室内の環境がウェハの処理枚数と共に変化する。このため、Run−to−Run制御プログラムにより、プラズマ処理状態をモニタしながら、プラズマの状態がウェハ毎に発光ターゲット値に一致するようにレシピを補正しながら処理がなされる。
なお、ここでは電極に高周波電力を印加してプラズマ処理を行う方式を例に説明したが、マイクロ波をチャンバ内に導入することによりプラズマを発生させるプラズマ処理方式など、他のプラズマ処理の方式であっても良い。
処理対象のウェハは、チャンバ111内に搬入され、レシピに基づくプラズマ処理条件を使ってプラズマエッチング処理が実行される。プラズマエッチング処理が完了したら、ウェハは、搬出され、次のウェハがチャンバ111内に搬入されてプラズマエッチング処理される。
Run−to−Run制御を行うための操作変数が予め決定されメモリ格納されている。ここでは、回帰直線への当てはまり具合を表す相関係数(R2)が大きい、図15Bの決定係数平均値、例えば時間区間45−97、を採用するものとする。また、ウェハ処理毎のRun−to−Run制御を行うには、ウェハ毎にエッチング結果を計測する必要がある。そこで、プロセスモニタ値とプラズマ処理結果との間に高い相関関係がある波長IDと時間区間の組合せにおける、プラズマ発光強度の値で、プラズマ処理結果を代替する。波長IDと時間区間の組合せにおける、プラズマ発光強度の値を、Run−to−Run制御におけるプロセスモニタ値の目標値(発光ターゲット値)として予め決定しメモリ格納しておく。各ウェハのプラズマ処理において、時間区間を1−100とすると、プロセスモニタによる制御の対象は、波長ID=2(Si,288)、時間区間45−97におけるプラズマの発光強度を操作変数とする。換言すると、時間区間1−44及び時間区間98−100におけるプラズマ処理は、プロセスモニタによる制御・監視の対象外となる。
図17Bは、実施例3における、相関データに基づくプラズマ処理の制御を説明する図である。図17Bにおいて、時間区間45−97内で、現在のウェハ処理回数をi、発光強度平均を発光iとしたとき、次のウェハ処理回数i+1のときの、
発光ターゲット値(発光i+1)は、(発光i+傾き平均)±α
となる。
但し、αは制御上の許容値である。
例えば、モニタされたプラズマ発光強度の値が発光ターゲット値よりも小さかった場合、プラズマ生成用電源やガス供給器を制御して、次のウェハ処理時のプラズマ発光強度が高まり、発光ターゲット値になるように調整する。
上述のように決定されたプロセスモニタの値、すなわち時間区間45−97における、波長ID=2(Si,288)のプラズマの発光強度が各ロットの各ウェハの処理毎に取得され、予め設定された発光ターゲット値に対して許容範囲となるように、次回の補正量がマイクロプロセッサで計算され、次のウェハのレシピの操作変数に対応するパラメータにこの補正量が加算されメモリに格納される。
Run−to−Run制御プログラムは、補正されたレシピの情報をアクチュエータとしてのガス供給器等に送り、補正されたレシピに従い、次のウェハのエッチング処理が実行される。
また、発光強度平均発光iが制御上の許容値αの範囲外になった場合には、プラズマ監視プログラムにより、アラームが発せられる。
このようにしてロット毎の処理が所定の回数繰り返された後、チャンバ111のクリーニング処理、あるいは、エージングの処理がなされる。
なお、時間区間45−97の範囲外についても、実施例1の方法により採用された所定の条件を満たす「波長IDと時間区間の組合せのデータ」が存在する場合には、そのデータを用いてRun−to−Run制御を行う。このようなデータの無い時間区間については、必要に応じて、適宜に、他のデータやパラメータによるRun−to−Run制御を行っても良い。
本実施例によれば、ロット毎に計算した、相関の高いエレメントの波長と時間区間の組合せを、プラズマ処理の監視や制御に用いるので、反応生成物の付着状態や部品の消耗状態に合わせて、適切にプラズマ処理を行い、あるいはアラームを発することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1・・・プラズマ処理装置、 10・・・プラズマ処理部、 11・・・プラズマ加工部、 12・・・分光器、 13・・・制御部、 14・・・メモリ、 20・・・解析装置、 21・・・演算部、 22・・・記憶部、 23・・・ウェハ処理回数データ記憶領域、 24・・・OESデータ記憶領域、 25・・・エレメント波長データ記憶領域、 26・・・相関データ記憶領域、 27・・・詳細解析データ記憶領域、 28・・・演算プログラム、 110・・・IF部、 210・・・IF部、 30・・・入力部、 31・・・出力部、 32・・・通信IF部、 33・・・バス。

Claims (21)

  1. 試料がプラズマ処理される処理室と、
    プラズマの発光データを取得するプロセスモニタと、
    前記発光データを解析するデータ解析装置とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記データ解析装置は、解析対象の前記プラズマのエレメントに対応する発光の波長毎に前記プラズマ処理の時間を分割して区切られた時間区間の各々に対して前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関データを求め、前記求められた相関データを指標として前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせを特定し、
    前記相関データは、前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関の方向に対応するデータを含み、
    前記データ解析装置は、前記エレメントの中から前記相関の方向が一致するエレメントを特定することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記データ解析装置は、
    前記試料の所定枚数のプラズマ処理を一単位とするロット毎に前記相関データを求めるこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記データ解析装置は、外乱により前記発光強度が変化する時間区間を前記解析対象の時間区間から除外して前記相関データを求めることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記発光強度は、前記時間区間における前記発光強度の平均値であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記解析対象の時間区間は、前記プラズマの発光強度が安定した状態の安定区間を分割して区切られた時間区間であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記特定された、前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせに基づいたRun−to−Run制御を行う制御部をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 請求項6に記載のプラズマ処理装置において、
    前記制御部は、前記発光強度の平均値が閾値を超えた場合、アラームを発することを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項6に記載のプラズマ処理装置において、
    前記制御部は、前記特定された、前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせにおける波長の発光強度の平均値と、予め定められた発光強度の目標値と、の差分が所定の差分以下となるようにプラズマ処理条件を構成するパラメータを制御するアクチュエータを駆動させることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 試料がプラズマ処理されるプラズマ処理装置から得られたプラズマの発光データが解析される演算部とデータが入出力される入出力部とを備えるデータ解析装置において、
    前記演算部は、解析対象の前記プラズマのエレメントに対応する発光の波長毎に前記プラズマ処理の時間を分割して区切られた時間区間の各々に対して前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関データを求め、前記求められた相関データを指標として前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせを特定し、
    前記入出力部は、前記特定された、前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせを出力し、
    前記相関データは、前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関の方向に対応するデータを含み、
    前記演算部は、前記エレメントの中から前記相関の方向が一致するエレメントを特定することを特徴とするデータ解析装置。
  10. 請求項9に記載のデータ解析装置において、
    前記演算部は、前記試料の所定枚数のプラズマ処理を一単位とするロット毎に前記相関データを求めることを特徴とするデータ解析装置。
  11. 請求項10に記載のデータ解析装置において、
    前記発光強度は、前記時間区間における前記発光強度の平均値であることを特徴とするデータ解析装置。
  12. プラズマを用いて試料を処理するプラズマ処理方法において、
    前記プラズマのエレメントに対応する発光の波長毎に前記処理の時間を分割して区切られた時間区間の各々に対して前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関データを求める工程と、
    前記求められた相関データを指標として前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせを特定する工程と、
    前記特定された、前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせに基づいたRun−to−Run制御を行う工程とを有し、
    前記相関データは、前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関の方向に対応するデータを含み、
    前記エレメントの中から前記相関の方向が一致するエレメントが特定されることを特徴とするプラズマ処理方法。
  13. 請求項12に記載のプラズマ処理方法において、
    前記試料の所定枚数の処理を一単位とするロット毎に前記相関データを求めることを特徴とするプラズマ処理方法。
  14. 請求項12に記載のプラズマ処理方法において、
    外乱により前記発光強度が変化する時間区間を前記時間区間から除外して前記相関データを求めることを特徴とするプラズマ処理方法。
  15. 請求項13に記載のプラズマ処理方法において、
    前記発光強度は、前記時間区間における前記発光強度の平均値であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  16. 請求項13に記載のプラズマ処理方法において、
    前記時間区間は、前記プラズマの発光強度が安定した状態の安定区間を分割して区切られた時間区間であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  17. 請求項12に記載のプラズマ処理方法において、
    前記発光強度の平均値が閾値を超えた場合、アラームを発することを特徴とするプラズマ処理方法。
  18. 請求項12に記載のプラズマ処理方法において、
    前記特定された、前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせにおける波長の発光強度の平均値と、予め定められた発光強度の目標値と、の差分が所定の差分以下となるようにプラズマ処理条件を構成するパラメータを制御するアクチュエータを駆動させる工程をさらに有することを特徴とするプラズマ処理方法。
  19. 試料がプラズマ処理されるプラズマ処理装置から得られたプラズマの発光データを解析するデータ解析方法において、
    解析対象の前記プラズマのエレメントに対応する発光の波長毎に前記プラズマ処理の時間を分割して区切られた時間区間の各々に対して前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関データを求める工程と、
    前記求められた相関データを指標として前記エレメントに対応する発光の波長と前記時間区間との組み合わせを特定する工程とを有し、
    前記相関データは、前記エレメントに対応する発光の波長の発光強度と前記試料の処理枚数との相関の方向に対応するデータを含み、
    前記エレメントの中から前記相関の方向が一致するエレメントが特定されることを特徴とするデータ解析方法。
  20. 請求項19に記載のデータ解析方法において、
    前記相関データは、前記試料の所定枚数のプラズマ処理を一単位とするロット毎に求められることを特徴とするデータ解析方法。
  21. 請求項20に記載のデータ解析方法において、
    前記発光強度は、前記時間区間における前記発光強度の平均値であることを特徴とするデータ解析方法。
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