JP6549900B2 - 塗布具 - Google Patents

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Description

本発明は、筆記具用水性インクや水性化粧料などの水性塗布液が充填された塗布具に関する。
従来において、筆記具用水性インクや水性化粧料などの水性塗布液が充填・保持してなる塗布具においては、数多くの構造のものが知られている。
これらの塗布具において、軸筒として樹脂軸で構成し、この樹脂軸の内部に水性塗布液が充填された塗布具としては、例えば、内部に水性の熱変色性インキが収容され且つ前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を備えたレフィルを軸筒内に交換可能に収容し、軸筒の前端よりペン先を突出させてなる熱変色性筆記具であって、前記軸筒が遮光性且つガス非透過性の材料からなり、軸筒のペン先側に着脱自在なキャップを設けた熱変色性筆記具などの塗布具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この塗布具では、軸筒などが太陽光などに光に晒されることによる、熱変色性インキの光劣化や、高温環境下での長期保管で、インキ中の水分が軸筒の側壁を介して透過しやすいという課題に対して、前記軸筒を遮光性且つガス非透過性の材料となるステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料から構成するものである。
しかしながら、このような構成の塗布具において、特に高温環境下に暴露などされた場合、キャップ内で結露が生じ、結露水によってキャップ内で黴が発生したり、塗布部となる吐出部に黴が付着して水性塗布液の色濃度が低下したりする課題が生じることがある。
特に、肌など使用する水性化粧料などの水性塗布液を充填・保持してなる塗布具においては、上記の課題の解消は品質管理上重要な解決事項となるものである。
特開2009−234154号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本願発明は、上記のような従来技術の課題を解消し、特に高温環境下におけるキャップ内での結露水の発生を抑制することにより、キャップ内での黴の発生及びこれに付随する品質の低下を防止してなる塗布具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、平均粒径が特定範囲となる金属酸化物等を含む層を有する樹脂軸で構成し、前記樹脂軸の内部には水性塗布液を充填し、前記塗布液は毛管力を利用した吐出部を有する構成とすることなどにより、上記目的の塗布具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する樹脂軸で構成され、前記樹脂軸の内部には水性塗布液が充填され、前記塗布液は毛管力を利用した吐出部を有することを特徴とする塗布具。
(2) 前記吐出部が、樹脂焼結体、繊維束、筆毛の何れかであることを特徴とする上記(1)記載の塗布具。
(3) 前記塗布液は、水溶性有機溶剤の含有量が10質量%未満であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の塗布具。
本発明によれば、高温環境下等におけるキャップ内での結露水の発生を抑制することにより、キャップ内での黴の発生及びこれに付随する品質の低下を防止してなる塗布具が提供される。
本発明の塗布具の実施形態の一例を示す縦断面図である。 本発明の塗布具の実施形態の他例を示す縦断面図である。 本発明の塗布具の実施形態の他例を示す縦断面図である。 図3の要部を示す拡大部分縦断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の塗布具は、平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する樹脂軸で構成され、前記樹脂軸の内部には水性塗布液が充填され、前記塗布液は毛管力を利用した吐出部を有することを特徴とするものである。
図1は、本発明の塗布具の実施形態の一例を示す縦断面図である。
本実施形態の塗布具Aは、直液タイプの塗布具に適用したものであり、図1に示すように、樹脂軸から構成される塗布具本体(軸体)10を有し、該塗布具本体10の内部には水性塗布液20が直接充填されている。また、この塗布具本体10の前方には、一時的に水性塗布液20を保溜するコレクター部材11を有し、塗布具本体10から繊維束製の吐出部30への水性塗布液の導出がコレクター部材11の貫通孔12に設けられた中継芯13を介して(又は直接)行われるものである。なお、図示符号14は後軸、15は先軸、16は内キャップ16a、クリップ部16bを有するキャップである。
樹脂軸から構成される塗布具本体10は、平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有するものであり、例えば、1)樹脂軸を構成する樹脂に対して、平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を均一に(樹脂中に)分散した状態で存在する形態、または、2)樹脂軸を構成する樹脂表面に平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含有した薄膜(層)を形成してなる形態が挙げられる。本実施形態では、上記1)の樹脂中に均一に分散した状態で存在する形態である。
上記樹脂軸を構成する樹脂原料としては、日常の使用に耐えられる物理的強度、後述する水性塗布液に対する耐性、価格等を考慮して選択される。具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ナイロン樹脂(ポリアミド)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの少なくとも1種以上の樹脂が挙げられる。
用いる金属酸化物若しくは炭化ケイ素は、平均粒径が0.5〜5.0μmとなるものであり、好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点、均一な層を形成せしめる点から、平均粒径が0.7〜3.0μmとなるものが望ましい。なお、本発明で規定する「平均粒径」は、粒度分布測定装置〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて、測定したD50の値である。
用いることができる金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セレンなどが挙げられ、好ましくは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムであり、特に好ましくは、価格の点から酸化チタンである。
用いる金属酸化物若しくは炭化ケイ素の平均粒径が0.5μm未満では、本発明の効果が満足に得られず、一方、用いる金属酸化物若しくは炭化ケイ素の平均粒径が5.0μm超過では、均一した層が形成できない場合があり、好ましくない。
本実施形態〔(上記1)の形態〕となる塗布具本体10は、上記樹脂軸を構成する樹脂原料に上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を配合して又は当該金属酸化物若しくは炭化ケイ素マスターバッチとして配合した原料組成物を使用して、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法で作製することができる。
上記樹脂に対して平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を均一に分散させるにあたっては、従来公知の成形方法と同様に、各材料を均一に練りこんだ後に成形することで可能となり、また、上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含まない樹脂と上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む樹脂を共押出し成形してもよい。この形態の樹脂軸となる塗布具本体10(後述する塗布具本体40、50も同様)の厚さは、塗布具の用途、水性塗布液種等により変動するが、0.5〜5.0mm程度である。
また、上記2)の形態では、樹脂軸を構成する上記樹脂原料を用いて、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法で塗布具本体を構成し、次いで、塗布具本体の樹脂表面(樹脂外面及び/又は樹脂内面)に上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含有した薄膜を形成することにより作製することができる。
樹脂表面に薄膜(層)を形成するにあたっては、塗布具本体を成形後、上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含んだコーティング液を塗布後に乾燥させる方法、上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含んだフィルムを貼付する方法が例示される。この形態の樹脂軸となる塗布具本体10(後述する塗布具本体40,50も同様)の表面における薄膜(層)厚さは、塗布具の用途、水性塗布液種、塗布具本体の厚さ等により変動するが、0.01〜20μm程度である。
なお、用いる上記金属酸化物若しくは炭化ケイ素の粒子の形状(球状、楕円形状、不定形状)、並びに、使用量は、樹脂軸を構成する塗布具本体の樹脂種、後述する水性塗布液、上記塗布具本体〔上記の1)及び2)〕の形態(構造)、厚さなどにより変動するものである。例えば、上記の1)の形態では、上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素の使用量は、好ましくは、樹脂全量中に0.5〜7質量%、より好ましくは、1〜5質量%であり、また、薄膜(層)中では、好ましくは、0.1〜20質量%、より好ましくは、0.5〜10質量%程度である。
また、上記樹脂軸で構成される塗布具本体を構成する成分としては、上記樹脂原料、上記平均粒径となる金属酸化物若しくは炭化ケイ素以外に、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ベンゾエート系化合物などの紫外線吸収剤や光安定剤、2,5−ビス(5’ターシャリブチルベンゾオキサゾリル(2))チオフェンやスチルベンビスベンゾオキサゾール誘導体などの蛍光増白剤などを必要に応じて任意に添加することが可能である。
用いる水性塗布液としては、特に限定されず、筆記具用や化粧料用の水性塗布液が挙げられる。筆記具用の水性塗布液では、水性インク組成物が使用でき、例えば、着色剤(顔料、染料等)、水(蒸留水、イオン交換水、精製水、純水など、以下同様)、水溶性有機溶剤、該溶剤に可溶な樹脂、並びに、アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調製剤などの筆記具用添加剤を好適に配合して調製することができる。
また、化粧料用の水性塗布液では、水性となる美爪料組成物(ネイル液)、アイシャドウ液、アイブロー液、皮膚彩色用化粧料液、液体染毛料、アイライナー液、唇用化粧料など使用でき、例えば、化粧料の用途に応じて、着色剤(顔料、染料等)、水、水溶性有機溶剤、該溶剤に可溶な樹脂、被膜形成剤、分散剤、並びに、アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤、香料、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調製剤などの化粧料用添加剤を好適に配合して調製することができる。
また、これらの水性塗布液において、乾燥性を向上させることを目的とした水性塗布液を用いる場合には、水性塗布液全量に対して、水溶性有機溶剤の含有量を10質量%未満(0≦水溶性有機溶剤の含有量<10質量%)に調整することができる。なお、用いることができる水溶性有機溶剤は、水性塗布液種、用途(筆記具用、水性化粧料用)等により変動するものであるが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類、アセトンなどのケトン類など、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールなどのアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどのグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールの低級アルキルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノンなどの少なくとも1種の水溶性溶剤が挙げられる。
本実施形態では、水性塗布液20として筆記具用水性インク組成物が樹脂軸から構成される塗布具10内に充填されている。
この実施形態の吐出部30は、塗布本体10から、水性塗布液20を導出させるために毛管力を付与したペン先となるものであり、塗布対象物に適確に塗布できる塗布部31などを備えたものであれば、特に限定されるものではない。
この特性を有する吐出部30としては、樹脂焼結体、繊維束、筆毛の何れかで構成することができ、具体的には、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を棒状に収束して加工又はこれらの繊維束を棒状に樹脂加工した繊維芯や、これらの繊維を加工した筆毛、上記樹脂等の樹脂微粒子を焼結して形成されている焼結芯などが挙げられ、これらの繊維束、繊維芯、焼結芯や筆毛からなる吐出部30内の毛管力、気孔率等を変化させたものを用いることができる。本実施形態では、吐出部30は繊維束から構成されている。
また、上記後軸14、先軸15、キャップ16は、上記樹脂軸を構成する樹脂原料などを用いて成形することができ、また、これらの後軸14、先軸15、キャップ16も樹脂軸を構成する塗布具本体10と同様に、平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する構成〔上記1)の形態、又は上記2)の形態〕としても良いものである。
このような構成の本実施形態の塗布具Aにおいて、特に高温環境下で暴露などされた場合であっても、塗布具本体10は平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する構成となっているので、高温環境下、高温環境下から低温環境下又はその逆への移行であっても、上記平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素の含有効果により水性塗布液20の液温等の上昇は少なく、キャップ16内での結露を抑制でき、結露水の発生もなくなるので、従来において生じていたキャップ16内で結露、結露水によるキャップ内で黴の発生もなく、塗布部となる吐出部30に黴が付着して水性塗布液の色濃度が低下したりすることもなく、高品質の塗布具が得られることとなる。
図2は、水性塗布液を吸蔵する中綿タイプとなる吸蔵体を有し、塗布部が二つあるツインタイプの塗布具の実施形態である。
この実施形態の塗布具Bは、両端に通常の繊維束芯からなるペン先32及びペン芯33を有すると共に、上記実施形態Aの樹脂軸で構成される塗布具本体10と同様の構成となる塗布具本体40内に筆記具用水性インク組成物からなる水性塗布液を吸蔵した中綿となる吸蔵体41とを有し、吸蔵体41の両端部にはペン先32、ペン芯33の後端部が夫々接続されて水性塗布液の毛管力作用で供給が行われるタイプの塗布具である。なお、図示符号42は先軸、43はペン先32のキャップ、44はペン芯33のキャップである。
このような構成の本実施形態の塗布具Bにおいても、特に高温環境下で暴露などされた場合であっても、塗布具本体40は平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する構成〔上記1)の形態、又は上記2)の形態〕となっているので、高温環境下、高温環境下から低温環境下又はその逆への移行であっても、上記実施形態の塗布具Aと同様に、
キャップ体43、44内での結露、結露水によるキャップ内で黴の発生もなく、塗布部となる吐出部32、33に黴が付着して水性塗布液の色濃度が低下したりすることもなく、高品質の塗布具が得られることとなる。
図3及び図4は、水性化粧料からなる水性塗布液が充填された塗布具の実施形態である。
図3は、本実施形態に係る塗布具Cを、正面断面図で示すものであり、図4は、この塗布具Cの要部を拡大して示したものである。
本実施形態の塗布具Cの外側部を構成する上記実施形態Aの樹脂軸で構成される塗布具本体10と同様の構成となる軸筒からなる塗布具本体50の後端から尾栓51が挿入されており、その尾栓51の先端から先の塗布具本体50の内部空間に、水性化粧料からなる水性塗布液を浸漬した中綿となる吸蔵体60が充填されている。吸蔵体60が充填されている空間の先端部分には、隔壁52が設けられている。
塗布具本体50の先端には、先軸61が装着され、その内部にある筒状の支持体62に支持された、吐出部となる筆毛からなる筆状の塗布体55がその先軸61の先端から突出している。そして、前記隔壁52の軸心を貫通し、吸蔵体60と塗布体55とを連結する誘導体65が、この支持体62の軸心を貫通している。この誘導体65は、繊維束体で成形され、毛管力に富んでいる。
塗布具本体50の先端には、塗布体55を保護するためのキャップ70が着脱可能に装着される。
この本実施形態に係る塗布具Cでは、中綿となる吸蔵体60に浸漬されている水性塗布液は、誘導体65の毛管力で先端方向へ誘導され、吐出部となる塗布体55に至りこれを浸漬することで、目的の箇所へ塗布可能となる。
このような構成の本実施形態の塗布具Cにおいても、特に高温環境下で暴露などされた場合であっても、塗布具本体50は平均粒径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層を有する構成〔上記1)の形態、又は上記2)の形態〕となっているので、高温環境下、高温環境下から低温環境下又はその逆への移行であっても、上記実施形態の塗布具Aと同様に、
キャップ70内での結露、結露水によるキャップ内で黴の発生もなく、塗布部となる吐出部55に黴が付着して水性塗布液の色濃度が低下したりすることもなく、高品質の塗布具が得られることとなる。
次に、本発明を実施例及び比較例となる試験例により、更に詳述するが、本発明は下記試験例に限定されるものではない。
〔試験例1〜5〕
〔水性塗布液の調製〕
以下の水性塗布液A,Bの2種を用いた。
(1)水性塗布液A(筆記具用水性インク)の組成:全量100質量%
着色剤:NKW−4805(黄色、日本蛍光社製) 40質量%
保湿剤:尿素 4.5質量%
水溶性溶剤:プロピレングリコール 3質量%
界面活性剤:サーフロンS111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
水:イオン交換水 残 部
(2)水性塗布液B(水性化粧料)の組成:全量100質量%
無機顔料:酸化処理黒酸化鉄 16質量%
水溶性溶剤:1,3−ブチレングリコール 5質量%
顔料分散剤:アクリル樹脂(BASF社製、Luvimer 100P)3.2質量%
皮膜形成剤:アクリルエマルジョン(ヨドゾールGH800、日本NSC社製、固形分濃度45%) 14質量%
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.7質量%
防腐剤:パラベン 0.25質量%
防腐剤:フェノキシエタノール 0.3質量%
水:精製水 残 部
〔樹脂軸及び塗布具の作製〕
以下の方法で作製した図1に示す樹脂軸を有する塗布具、図2に示す樹脂軸を有する塗布具、図3及び図4に示す樹脂軸を有する塗布具の3種を用いた。
(1)図1に示す樹脂軸を有する塗布具の作製
樹脂軸(塗布具本体10)の作製
試験例1〜4では、ポリプロピレン樹脂100質量部に、金属酸化物として下記表1に示す酸化チタン(平均粒径0.7μm、1.0μm)、酸化亜鉛(平均粒径2μm)、酸化マグネシウム(1.2μm)各1質量部をそれぞれ混合して、射出成形を行い、最大厚み1.7mm、最小厚み
0.8mmの各樹脂軸(塗布具本体10)を得た。試験例5では、上記金属酸化物を含有しない試験例1〜4と同一寸法の樹脂軸(塗布具本体10)を作製した。
上記樹脂軸以外のコレクター部材11、中継芯13、後軸14、先軸15、キャップ16、吐出部30は下記構成のものを使用した。
コレクター部材11:ABS製
中継芯13:ポリエステル製の繊維束
後軸14:ABS製
先軸15:ポリアセタール製
キャップ16:ABS製
吐出部30:ポリエステル製の繊維束
(2)図2に示す樹脂軸を有する塗布具の作製
樹脂軸(塗布具本体40)の作製
試験例1〜4では、ポリプロピレン樹脂100質量部に、金属酸化物として下記表1に示す酸化チタン(平均粒径0.7μm、1.0μm)、酸化亜鉛(平均粒径2μm)、酸化マグネシウム(1.2μm)各1質量部をそれぞれ混合して、射出成形を行い、厚み0.9mmの各樹脂軸(塗布具本体40)を得た。試験例5では、上記金属酸化物を含有しない試験例1〜4と同一寸法の樹脂軸(塗布具本体40)を作製した。
上記樹脂軸以外の吸蔵体41、吐出部となるペン先32とペン芯33、キャップ43、キャップ44は下記構成のものを使用した。
吸蔵体(中綿)41:ポリエステル製、気孔率:86%
吐出部(ペン先32):ポリエステル製の繊維束
吐出部(ペン先33):ポリエステル製の繊維束
キャップ43:ポリプロピレン製
キャップ44:ポリプロピレン製
(3)図3及び4に示す樹脂軸を有する塗布具の作製
樹脂軸(塗布具本体50)の作製
試験例1〜4では、ポリプロピレン樹脂100質量部に、金属酸化物として下記表1に示す酸化チタン(平均粒径0.7μm、1.0μm)、酸化亜鉛(平均粒径2μm)、酸化マグネシウム(1.2μm)各10質量部をそれぞれ混合して、射出成形を行い、厚み1.2mmの各樹脂軸(塗布具本体50)を得た。試験例5では、上記金属酸化物を含有しない試験例1〜4と同一寸法の樹脂軸(塗布具本体50)を作製した。
上記樹脂軸以外の、尾栓51、吐出部(塗布体)55、吸蔵体(中綿)60,先軸61、誘導体65、支持体62、キャップ70は下記構成のものを使用した。
尾栓51:ポリプロピレン製
吐出部(塗布体)55:PBT製の筆毛
吸蔵体(中綿)60:ポリエステル製、気孔率:85%
先軸61:ポリプロピレン製
誘導体65:ポリエステル製
支持体62:ポリプロピレン製
キャップ70:ポリプロピレン製
上記で得た図1に示す樹脂軸を有する塗布具A、図2に示す樹脂軸を有する塗布具Bに用いる水性塗布液として上記で調製した水性塗布液A(筆記具用水性インク)を各樹脂軸(塗布具本体10、塗布具本体40)に収容、吸蔵させた。また、図3及び4に示す樹脂軸を有する塗布具Cに用いる水性塗布液として上記で調製した水性塗布液B(水性化粧料)を樹脂軸(塗布具本体)の吸蔵体(中綿)60に吸蔵させた。
得られた塗布具(各金属酸化物種等5種と図1、図2、図3及び図4の各構成との組み合わせからなる塗布具(合計15本)を用いて、下記評価方法により、結露水発生の有無について評価した。
〔結露水発生の有無の評価方法〕
上記で得た各塗布具を用いて50℃、60%RHの条件下で1ヶ月保管した。保管後、各塗布具のキャップ内における結露水の発生の有無を目視で確認した。
これらの結果を下記表1に示す。
Figure 0006549900
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる試験例1〜4の各塗布具は、本発明の範囲外となる試験例5に較べ、高温環境下におけるキャップ内での結露水の発生を抑制することができ、キャップ内での黴の発生及びこれに付随する品質の低下を防止してなる塗布具が得られることが確認できた。
筆記具用水性インク、水性化粧料等が収容された塗布具に好適に利用することができる。
A 塗布具
10 樹脂軸(塗布具本体)
20 水性塗布液
30 吐出部

Claims (3)

  1. 平均粒子径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素が分散された樹脂軸、または、平均粒子径が0.5〜5.0μmの金属酸化物若しくは炭化ケイ素を含む層が少なくとも内面に施された樹脂軸で構成され、前記樹脂軸の内部には水性塗布液が充填され、前記塗布液は樹脂軸の端部側に設けた毛管力を利用した吐出部により塗布されることを特徴とする塗布具。
  2. 前記吐出部が、樹脂焼結体、繊維束、筆毛の何れかであることを特徴とする請求項1記載の塗布具。
  3. 前記塗布液は、水溶性有機溶剤の含有量が10質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
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