JP6548006B2 - 積層体の剥離装置、及び剥離方法並びに電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層体の剥離装置、及び剥離方法並びに電子デバイスの製造方法に関する。
表示パネル、太陽電池、薄膜二次電池等の電子デバイスの薄型化、軽量化に伴い、これらの電子デバイスに用いられるガラス板、樹脂板、金属板等の基板の薄板化が要望されている。
しかしながら、基板の厚さが薄くなると、基板のハンドリング性が悪化するため、基板の第1面に電子デバイス用の機能層(薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、カラーフィルタ(CF:Color Filter)を形成することが困難になる。
そこで、基板の第2の面に補強板を貼り付けて積層体を構成し、基板の第1の面に機能層を形成する電子デバイスの製造方法が提案されている。この製造方法では、基板のハンドリング性が向上するため、基板の表面に機能層を良好に形成できる。そして、補強板は、機能層の形成後に基板から剥離される(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3)。
特許文献1、2に開示された補強板の剥離方法は、矩形状の積層体の対角線上に位置する2つの隅部の一端側から他端側に向けて、補強板又は基板、或いはその双方を互いに離間させる方向に撓み変形させることにより行われる。この撓み変形は、少なくとも一方を可撓性板で吸着し、他方を支持部で固定した状態で、可撓性板の上に固定された複数の可動体を独立に移動させることにより実施される。
特許第5155454号公報 特開2013−52998号公報 特開2014−159337号公報
補強板を基板から剥離する場合、剥離を開始する前に可撓性板と支持部とを位置合わせすることで、それぞれの端部の位置を一致させている。しかしながら、剥離動作時の可撓性板の曲げ動作(状態)によって、可撓性板と支持部との端部が一致しなくなる。
この端部の不一致(端部がずれる現象)は、補強板と基板との界面に対して基板を平行にずらそうとする負荷に変換される。その結果、負荷によって基板が割れる場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、剥離時の曲げ状態に起因する破損を抑制できる積層体の剥離装置及び剥離方法並びに電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の積層体の剥離装置の一態様は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離装置において、前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を撓みさせる駆動部と、前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させる滑動部と、を有する。
好ましくは、前記積層体の前記第1の基板を支持する支持部と、前記積層体の前記第2の基板を、吸着面にて吸着する吸着部と、を備え、前記駆動部は、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられ、前記支持部に対し独立して移動されることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させる。
好ましくは、前記吸着部が可撓性板を含む。
好ましくは、前記可撓性板と前記駆動部とを接続する連結機構に、前記滑動部が備えられる。
好ましくは、前記支持部と、前記支持部を保持する保持部とを接続する接続部に、前記滑動部が備えられる。
本発明の積層体の剥離方法の一態様は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離方法において、前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程を備える。
本発明の電子デバイスの製造方法は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記第1の基板の露出面に機能層を形成する機能層形成工程と、前記機能層が形成された前記第1の基板から前記第2の基板を分離する分離工程と、を有する電子デバイスの製造方法において、前記分離工程は、前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程と、を有する。
本発明に係る積層体の剥離装置及び剥離方法並びに電子デバイスの製造方法によれば、剥離時の曲げ状態に起因する破損を抑制できる。
電子デバイスの製造工程に供される積層体の一例を示す要部拡大側面図 LCDの製造工程の途中で作製される積層体の一例を示す要部拡大側面図 剥離開始部作成装置による剥離開始部作成方法を示した説明図 剥離開始部作成方法によって剥離開始部が作成された積層体の平面図 第1の実施形態の剥離装置の構成、及び動作を示した説明図 第1の実施形態の剥離装置の構成、及び動作を示した説明図 第1の実施形態の剥離装置の構成、及び動作を示した説明図 剥離ユニットに対する複数の可動体の配置位置を模式的に示した可撓性板の平面図 剥離ユニットの構成を示した説明図 剥離開始前の連結機構の状態を示した要部拡大図 剥離開始後の連結機構の状態を示した要部拡大図 剥離開始後の連結機構の別の状態を示した要部拡大図 第2の実施形態の剥離装置の示す平面図 第2の実施形態の剥離装置の側面図 第2の実施形態の剥離装置の動作を示した説明図
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明される。本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について説明する。
以下においては、本発明に係る積層体の剥離装置及び剥離方法を、電子デバイスの製造工程で使用する場合について説明する。
電子デバイスとは、表示パネル、太陽電池、薄膜二次電池等の電子部品をいう。表示パネルとしては、液晶ディスプレイパネル(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、及び有機ELディスプレイパネル(OELD:Organic Electro Luminescence Display)を例示できる。
〔電子デバイスの製造方法〕
電子デバイスは、ガラス製、樹脂製、金属製等の基板の第1の面に電子デバイス用の機能層(LCDであれば、薄膜トランジスタ(TFT)、カラーフィルタ(CF)を形成することにより製造される。
この基板は、機能層の形成前に、その第2の面が補強板に貼り付けられて積層体に構成される。その後、積層体の状態で基板の第1の面に機能層が形成される。そして、機能層の形成後、補強板が基板から剥離される。
すなわち、電子デバイスの製造方法には、積層体の状態で基板の第1の面に機能層を形成する機能層形成工程、及び機能層が形成された基板から補強板を分離する分離工程が備えられる。この分離工程に、本発明に係る積層体の剥離装置及び剥離方法が適用される。
〔積層体〕
図1は、積層体1の一例を示した要部拡大側面図である。
積層体1は、第1の基板である機能層が形成される基板2と、その基板2を補強する第2の基板である補強板3とを備える。また、補強板3は、第1の面(基板2と対向する面)に接着層である樹脂層4を備えており、この樹脂層4に基板2の第2の面(機能層が形成される第1の面と反対の面)が貼り付けられる。基板2は、樹脂層4との間に作用するファンデルワールス力、又は樹脂層4の粘着力によって、補強板3に樹脂層4を介して剥離可能に貼合される。補強板3は、その第2の面(基板2と対向する第1の面と反対の面)がテーブル(不図示)等に支持される。
[基板]
第1の基板である基板2は、その第1の面(露出面)に機能層が形成される。基板2としては、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂基板、金属基板、半導体基板を例示できる。例示されたこれらの基板のなかでも、ガラス基板は、耐薬品性、耐透湿性に優れ、かつ、線膨張係数が小さいので、電子デバイス用の基板2として好適である。また、線膨張係数が小さくなるに従い、高温下で形成される機能層のパターンが冷却時にずれ難くなる利点もガラス基板にはある。
ガラス基板のガラスとしては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスを例示できる。酸化物系ガラスとしては、酸化物換算による酸化ケイ素の含有量が40〜90質量%のガラスが好ましい。
ガラス基板のガラスは、製造する電子デバイスの種類に適したガラス、その製造工程に適したガラスを選択して採用することが好ましい。たとえば、液晶パネル用のガラス基板には、アルカリ金属成分を実質的に含まないガラス(無アルカリガラス)を採用することが好ましい。
基板2の厚さは、基板2の種類に応じて設定される。たとえば、基板2にガラス基板を採用する場合、その厚さは、電子デバイスの軽量化、薄板化のため、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下に設定される。厚さが0.3mm以下の場合、ガラス基板に良好なフレキシブル性を与えることができる。更に、厚さが0.1mm以下の場合、ガラス基板をロール状に巻き取ることができる。なお、ガラス基板の製造の観点、及びガラス基板の取り扱いの観点から、その厚さは0.03mm以上であることが好ましい。
図1では基板2が1枚の基板で構成されているが、基板2は、複数枚の基板で構成されたものでもよい。すなわち、基板2は、複数枚の基板を積層した積層体で構成することもできる。
[補強板]
第2の基板である補強板3としては、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂基板、金属基板、半導体基板を例示できる。
補強板3の種類は、製造する電子デバイスの種類、その電子デバイスに使用する基板2の種類等に応じて選定される。補強板3と基板2とが同一の材質であれば、機能層形成工程おける意図しない、温度変化による反り、剥離を低減できる。
補強板3と基板2との平均線膨張係数の差(絶対値)は、基板2の寸法形状等に応じて適宜設定される。平均線膨張係数の差は35×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「平均線膨張係数」とは、50〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数(JIS R3102)をいう。
補強板3の厚さは、0.7mm以下に設定され、補強板3の種類、補強する基板2の種類、厚さ等に応じて設定される。なお、補強板3の厚さは、基板2よりも厚くてもよいし、薄くてもよいが、基板2を補強するため、0.4mm以上であることが好ましい。
なお、本例では補強板3が1枚の基板で構成されているが、補強板3は、複数枚の基板を積層した積層体で構成することもできる。
[樹脂層]
樹脂層4は、樹脂層4と補強板3との間で剥離するのを防止するため、樹脂層4と補強板3との間の結合力が、樹脂層4と基板2との間の結合力よりも高く設定される。これにより、剥離工程では、樹脂層4と基板2との界面が剥離される。
樹脂層4を構成する樹脂は、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂を例示できる。いくつかの種類の樹脂を混合して用いることもできる。そのなかでも、耐熱性や剥離性の観点から、シリコーン樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂が好ましい。
樹脂層4の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1〜50μmに設定され、より好ましくは4〜20μmに設定される。樹脂層4の厚さを1μm以上とすることにより、樹脂層4と基板2との間に気泡や異物が混入した際、樹脂層4の変形によって、気泡や異物の厚さを吸収できる。一方、樹脂層4の厚さを50μm以下とすることにより、樹脂層4の形成時間を短縮でき、更に樹脂層4の樹脂を必要以上に使用しないため経済的である。
なお、樹脂層4の外形は、補強板3が樹脂層4の全体を支持できるように、補強板3の外形と同一であるか、補強板3の外形よりも小さいことが好ましい。また、樹脂層4の外形は、樹脂層4が基板2の全体を密着できるように、基板2の外形と同一であるか、基板2の外形よりも大きいことが好ましい。
また、図1では樹脂層4が1層で構成されているが、樹脂層4は2層以上で構成することもできる。この場合、樹脂層4を構成する全ての層の合計の厚さが、樹脂層の厚さとなる。また、この場合、各層を構成する樹脂の種類は異なっていてもよい。
更に、実施形態では、接着層として有機膜である樹脂層4を用いたが、樹脂層4に代えて無機層を用いてもよい。無機層を構成する無機膜は、例えばメタルシリサイド、窒化物、炭化物、及び炭窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
メタルシリサイドは、例えばW、Fe、Mn、Mg、Mo、Cr、Ru、Re、Co、Ni、Ta、Ti、Zr、及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を含むものであり、好ましくはタングステンシリサイドである。
窒化物は、例えばSi、Hf、Zr、Ta、Ti、Nb、Na、Co、Al、Zn、Pb、Mg、Sn、In、B、Cr、Mo、及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を含むものであり、好ましくは窒化アルミニウム、窒化チタン、または窒化ケイ素である。
炭化物は、例えばTi、W、Si、Zr、及びNbからなる群から選択される少なくとも1種を含むものであり、好ましくは炭化ケイ素である。
炭窒化物は、例えばTi、W、Si、Zr、及びNbからなる群から選択される少なくとも1種を含むものであり、好ましくは炭窒化ケイ素である。
メタルシリサイド、窒化物、炭化物、及び炭窒化物は、その材料に含まれるSi、N又はCと、その材料に含まれる他の元素との間の電気陰性度の差が小さく、分極が小さい。そのため、無機膜と水との反応性が低く、無機膜の表面に水酸基が生じにくい。よって、無機膜とガラス基板である基板2との離型性が良好に保たれる。
更にまた、図1の積層体1は、接着層として樹脂層4を備えているが、樹脂層4を無くして基板2と補強板3とからなる構成としてもよい。この場合には、基板2と補強板3との間に作用するファンデルワールス力等によって基板2と補強板3とが剥離可能に貼合されている。また、この場合には、ガラス基板である基板2とガラス板である補強板3とが高温で接着しないように、補強板3の第1の面に無機薄膜を形成することが好ましい。
〔機能層が形成された積層体〕
機能層形成工程を経ることにより積層体1の基板2の第1の面には、機能層が形成される。機能層の形成方法としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等の蒸着法、スパッタ法が用いられる。機能層は、フォトリソグラフィ法、エッチング法によって所定のパターンに形成される。
図2は、LCDの製造工程の途中で作製される積層体6の一例を示した要部拡大側面図である。
積層体6は、補強板3A、樹脂層4A、基板2A、機能層7、基板2B、樹脂層4B、及び補強板3Bが、この順で積層されて構成される。補強板3Aは樹脂層4Aを介して基板2Aに剥離可能に貼合され、補強板3Bは樹脂層4Bを介して基板2Bに剥離可能に貼合されている。すなわち、図2の積層体6は、図1に示した積層体1が、機能層7を挟んで対称に配置された積層体に相当する。以下、基板2A、樹脂層4A、及び補強板3Aからなる積層体を第1の積層体1Aとし、基板2B、樹脂層4B、及び補強板3Bからなる積層体を第2の積層体1Bという。
第1の積層体1Aの基板2Aの第1の面には、機能層7としての薄膜トランジスタ(TFT)が形成される。第2の積層体1Bの基板2Bの第1の面には、機能層7としてのカラーフィルタ(CF)が形成される。
第1の積層体1Aと第2の積層体1Bとは、互いに基板2A、および基板2Bの第1の面が重ね合わされて一体化される。これにより、機能層7を挟んで、第1の積層体1Aと第2の積層体1Bとが、対称に配置された構造の積層体6が製造される。
積層体6は、剥離工程で補強板3A、3Bが剥離され、その後、偏光板、バックライト等が取り付けられて、製品であるLCDが製造される。
なお、図2の積層体6は、表裏両面に補強板3A、3Bが配置された構成であるが、積層体としては、片側の面にのみ補強板が配置された構成であってもよい。
〔剥離開始部作成装置〕
図3は、剥離開始部作成工程にて使用される剥離開始部作成装置10の構成を示した説明図であり、図3(A)は、積層体6とナイフNとの位置関係を示した説明図、図3(B)は、ナイフNによって界面24に剥離開始部26を作成する説明図、図3(C)は、界面28に剥離開始部30を作成する直前状態を示した説明図、図3(D)は、ナイフNによって界面28に剥離開始部30を作成する説明図、図3(E)は、剥離開始部26、30が作成された積層体6の説明図である。また、図4は、剥離開始部26、30が作成された積層体6の平面図である。
剥離開始部26、30の作成時において、積層体6は図3(A)の如く、補強板3Bの第2の面がテーブル12に吸着保持されて水平(図中X軸方向)に支持される。
ナイフNは、積層体6の一端側の隅部6Aの端面に刃先が対向するように、ホルダ14によって水平に支持される。また、ナイフNは、高さ調整装置16によって、高さ方向(図中Z軸方向)の位置が調整される。更に、ナイフNと積層体6とは、ボールねじ装置等の送り装置18によって、水平方向に相対的に移動される。送り装置18は、ナイフNとテーブル12のうち、少なくとも一方を水平方向に移動すればよく、実施形態ではナイフNが移動される。更にまた、刺入前又は刺入中のナイフNの上面に、液体20を供給する液体供給装置22が、ナイフNの上方に配置される。
[剥離開始部作成方法]
剥離開始部作成装置10による剥離開始部作成方法は、ナイフNの刺入位置を、積層体6の隅部6Aであって、積層体6の厚さ方向において重なる位置に設定し、かつナイフNの刺入量を、界面24、28ごとに異なるように設定した点にある。
その作成手順について説明する。
初期状態において、ナイフNの刃先は、第1の刺入位置である基板2Bと樹脂層4Bとの界面24に対し、高さ方向(Z軸方向)にずれた位置に存在する。そこで、まず、図3(A)に示すように、ナイフNを高さ方向に移動させて、ナイフNの刃先の高さを界面24の高さに設定する。
この後、図3(B)の如く、ナイフNを積層体6の隅部6Aに向けて水平に移動させ、界面24にナイフNを所定量刺入する。また、ナイフNの刺入時又は刺入前において、液体供給装置22からナイフNの上面に液体20を供給する。これにより、隅部6Aの基板2Bが樹脂層4Bから剥離するので、図4の如く平面視で三角形状の剥離開始部26が界面24に作成される。なお、液体20の供給は必須ではないが、液体20を使用すれば、ナイフNを抜去した後にも液体20が剥離開始部26に残留するので、再付着不能な剥離開始部26を作成できる。
また、液体20に代えて、ナイフNに突出部等を設けて、樹脂層4Bを削ることで再付着不能な剥離開始部26を作成することもできる。
次に、ナイフNを隅部6Aから水平方向に抜去し、図3(C)の如く、ナイフNの刃先を、第2の刺入位置である基板2Aと樹脂層4Aとの界面28の高さに設定する。
この後、図3(D)の如く、ナイフNを積層体6に向けて水平に移動させ、界面28にナイフNを所定量刺入する。同様に液体供給装置22からナイフNの上面に液体20を供給する。これによって、図3(D)の如く、界面28に剥離開始部30が作成される。ここで、界面24に対するナイフNの刺入量は、界面28に対する刺入量よりも少量とする。以上が剥離開始部作成方法である。なお、界面28に対するナイフNの刺入量を、界面24に対する刺入量よりも少量としてもよい。
剥離開始部26、30が作成された積層体6は、剥離開始部作成装置10から取り出され、後述する剥離装置に搬送され、剥離装置によって界面24、28が順次剥離される。
剥離方法の詳細は後述するが、図4の矢印Aの如く、積層体6を一端側の隅部6Aから隅部6Aに対向する他端側の隅部6Bに向けて撓ませることにより、剥離開始部30の面積が大きい界面28が剥離開始部30を起点として最初に剥離される。これにより、補強板3Aが剥離される。その後、積層体6を隅部6Aから隅部6Bに向けて再び撓ませることにより、剥離開始部26の面積が小さい界面24が剥離開始部26を起点として剥離される。これにより、補強板3Bが剥離される。
なお、ナイフNの刺入量は、積層体6のサイズに応じて、好ましくは7mm以上、より好ましくは15〜20mm程度に設定される。
次に本実施形態に係る剥離装置について説明する。
〔第1の実施形態の剥離装置〕
図5から図7は、第1の実施形態に係る剥離装置40の構成、及び動作を示した説明図(縦断面図)であり、図8は、剥離装置40の剥離ユニット42に対する複数の可動体44の配置位置を模式的に示した剥離ユニット42の平面図である。なお、図7は図8のC−C線に沿う断面図に相当し、また、図8においては積層体6を実線で示している。
図5(A)の如く剥離装置40は、積層体6を挟んで上下に配置された一対の可動装置46、46を備える。可動装置46、46は同一構成のため、ここでは図5(A)の上側に配置された可動装置46について説明し、下側に配置された可動装置46については同一の符号を付すことで説明を省略する。
可動装置46は、複数の可動体44と、複数の可動体44ごとに可動体44を昇降移動させる駆動部である複数の駆動装置48と、駆動装置48ごとに駆動装置48を制御するコントローラ(不図示)等によって構成される。なお、可動装置46については後述する。
吸着部である剥離ユニット42は、補強板3Aを順次撓み変形させるため、補強板3Aを真空吸着保持する。なお、真空吸着に代えて、静電吸着、磁気吸着又は粘着吸着してもよい。
[剥離ユニット]
図9(A)は、剥離ユニット42の平面図であり、図9(B)は、図9(A)のD−D線に沿う剥離ユニット42の拡大縦断面図である。また、図9(C)は、剥離ユニット42を構成する矩形の板状の可撓性板52に対して、剥離ユニット42を構成する吸着部54が両面接着テープ56を介して着脱自在に備えられたことを示す剥離ユニット42の拡大縦断面図である。
剥離ユニット42は、前述の如く可撓性板52に吸着部54が両面接着テープ56を介して着脱自在に装着されて構成される。
吸着部54は、可撓性板52よりも厚さの薄い可撓性板58を備える。この可撓性板58の上面が両面接着テープ56を介して可撓性板52の下面に着脱自在に装着される。上面とは補強板3Aの側を向く面と反対側の面を、下面とは補強板3Aの側を向く面である。
また、吸着部54は、積層体6の補強板3Aの内面を吸着保持する吸着面を構成する矩形の通気性シート60が備えられる。通気性シート60の厚さは、剥離時に補強板3Aに発生する引張応力を低減させる目的で2mm以下、好ましくは1mm以下であり、実施形態では0.5mmのものが使用されている。
更に、吸着部54には、通気性シート60を包囲し、かつ補強板3Aの外周面が当接されるシール枠部材62が備えられる。シール枠部材62及び通気性シート60は、両面接着テープ64を介して可撓性板58の上面に接着される。また、シール枠部材62は、ショアE硬度が20度以上50度以下の独立気泡のスポンジであり、その厚さは、通気性シート60の厚さに対して0.3mm〜0.5mm厚く構成されている。
通気性シート60とシール枠部材62との間には、枠状の溝66が備えられる。また、可撓性板52には、複数の貫通孔68が開口されており、これらの貫通孔68の一端は溝66に連通され、他端は、不図示の吸引管路を介して吸気源(例えば真空ポンプ)に接続されている。
したがって、吸気源が駆動されると、吸引管路、貫通孔68、及び溝66の空気が吸引されることにより、積層体6の補強板3Aの内面が通気性シート60に真空吸着保持され、また、補強板3Aの外周面がシール枠部材62に押圧当接される。これにより、シール枠部材62によって囲まれる吸着空間の密閉性が高められる。
可撓性板52は、可撓性板58、通気性シート60、及びシール枠部材62よりも曲げ剛性が高く、可撓性板52の曲げ剛性が剥離ユニット42の曲げ剛性を支配する。剥離ユニット42の単位幅(1mm)あたりの曲げ剛性は、1000〜40000N・mm/mmであることが好ましい。例えば、剥離ユニット42の幅が100mmの部分では、曲げ剛性は、100000〜4000000N・mmとなる。剥離ユニット42の曲げ剛性を1000N・mm/mm以上とすることで、剥離ユニット42に吸着保持される補強板3Aの折れ曲がりを防止することができる。また、剥離ユニット42の曲げ剛性を40000N・mm/mm以下とすることで、剥離ユニット42に吸着保持される補強板3Aを適度に撓み変形させることができる。
可撓性板52、58は、ヤング率が10GPa以下の樹脂製部材であり、例えばポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール(POM:polyoxymethylene)樹脂等の樹脂製部材である。
[可動装置]
剥離ユニット42の上面には、図5(A)に示した円盤状の複数の可動体44が、図8の如く碁盤目状に固定される。これらの可動体44は、剥離ユニット42にボルト等の締結部材によって固定される。なお、ボルトに代えて接着固定されてもよい。これらの可動体44は、コントローラ(不図示)によって駆動制御された駆動装置48によって、独立して昇降移動される。
すなわち、コントローラは、駆動装置48を制御して、図4における積層体6の隅部6Aの側に位置する可動体44から矢印Bで示す剥離進行方向の隅部6Bの側に位置する可動体44を、順次上昇移動させる。この動作によって、図5から図7如く、積層体6の界面28を、剥離開始部30(図4参照)を起点として剥離していく。なお、図5から図7に示した積層体6は、図3にて説明した剥離開始部作成方法により剥離開始部26、30が作成された積層体6である。また、積層体6は、機能層7の周囲に形成され、機能層7を封止する本シール8を備えている。
駆動装置48は、例えば回転式のサーボモータ及びボールねじ機構等で構成される。サーボモータの回転運動は、ボールねじ機構において直線運動に変換され、ボールねじ機構のロッド70に伝達される。
複数の可動体44は、図5に示すように、それぞれ、対応する連結機構80を介して対応するロッド70に連結される。複数の可動体44は、それぞれに連結されたロッド70と共にロッド70の軸方向に移動可能であり、剥離ユニット42に対して接離可能である。複数の可動体44を剥離ユニット42に対して移動させることにより、補強板3A、3Bを撓み変形させる。可動装置46を構成する駆動部である複数の駆動装置48を駆動することで、剥離ユニット42を昇降させることができ、補強板3A、3Bの一方を撓み変形させることができる。
なお、駆動装置48としては、回転式のサーボモータ及びボールねじ機構に限定されず、リニア式のサーボモータ、又は流体圧シリンダ(例えば空気圧シリンダ)であってもよい。
コントローラは、CPU、ROM、及びRAM等の記録媒体等を含むコンピュータとして構成される。コントローラは、記録媒体に記録されたプログラムをCPUに実行させることにより、複数の駆動装置48を駆動装置48ごとに制御して、複数の可動体44の昇降移動を制御する。
[連結機構]
図10に示すように、実施形態における連結機構80は、ロッド70と連結された凹球面部82と、可動体44に連結された筐体84と、筐体84の内部に移動可能に収容され凹球面部82を保持する保持部材86と、を備えている。保持部材86は、凹球面部82と摺動可能に接触する凸球面部88と、凸球面部88との間で凹球面部82の摺動路90を形成するため規制部92とを備えている。
図10に示す如く、筐体84の内部空間の大きさは、保持部材86の大きさと比較して、保持部材86の左右方向に大きく形成されている。保持部材86は筐体84の内部を左右方向に移動、いわゆる滑動(いわゆる横滑り)させることができる。したがって、剥離ユニット42の撓み変形させた際に生じる界面に平行方向のずれ現象に起因する基板2Aへの負荷を逃がすことができる。本実施形態では連結機構80が滑動部として機能する。
また、規制部92により凹球面部82と凸球面部88とが離間しないように位置決めされる。凹球面部82と凸球面部88とが摺動可能に位置決めされているので、剥離ユニット42の撓み変形に追従して可動体44を傾動させることができる。
次に、剥離装置40による補強板3A、3Bの剥離方法について、図5から図7を参照して説明する。
図5(A)に示すように、下側の剥離ユニット42と上側の剥離ユニット42とが相対的に十分に退避した位置に予め移動される。図示しない搬送装置により、積層体6が下側の剥離ユニット42に載置される。下側の剥離ユニット42により積層体6の補強板3Bが真空吸着される。下側の剥離ユニット42が第1の基板である基板2Aを支持するための支持部として機能する。実施形態では基板2Aは、間接的に下側の剥離ユニット42に支持される。
図5(A)に示すように、下側の剥離ユニット42の両側には、対向配置された位置決め装置94が配置されている。位置決め装置94により下側の剥離ユニット42の位置が所定の位置にセットされる。同様に、上側の剥離ユニット42の両側には、対向配置された位置決め装置94が配置されている。位置決め装置94により上側の剥離ユニット42の位置が所定の位置にセットされる。位置決め装置94の位置決めにより、上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42との相対的な位置関係が決定される。位置決め装置94としては、例えば、位置決めロッドを前進後退可能に制御するエアシリンダー、サーボモータ等を使用することができる。
図5(B)に示すように、下側の剥離ユニット42と上側の剥離ユニット42とが相対的に近づく方向に移動されて、積層体6の補強板3Aが上側の剥離ユニット42によって真空吸着保持される。第2の基板である補強板3Aが吸着部である上側の剥離ユニット42の吸着面を構成する通気性シート(図9を参照)により吸着される。
なお、剥離装置40によって、図1に示した積層体1の基板2を補強板3から剥離させる場合には、第1の基板である基板2を上側の剥離ユニット42によって支持し(支持工程)、第2の基板である補強板3を下側の剥離ユニット42によって吸着保持する(吸着工程)。この場合、基板2を支持する支持部は、剥離ユニット42に限定されるものではなく、基板2を着脱自在に支持可能なものであればよい。しかしながら、支持部として剥離ユニット42を用いることにより、基板2と補強板3とを同時に湾曲させて剥離することができるので、基板2又は補強板3のみを湾曲させる形態と比較して剥離力を小さくできる利点がある。第1の基板である基板2を下側の剥離ユニット42によって支持し(支持工程)、第2の基板である補強板3を上側の剥離ユニット42によって吸着保持し(吸着工程)ても良い。
図5(B)の如く、位置決め装置94は、剥離ユニット42の上昇下降に追従して移動させてもよいし、また、剥離ユニット42と積層体6とが接触する位置に予め位置決め装置94を固定させておいても良い。
次に、図6(C)に示すように、上側の位置決め装置94を上側の剥離ユニット42から離れる方向に移動させ、下側の位置決め装置94を下側の位置決め装置94から離れる方向に移動させる。図6(C)の如く、例えば、位置決めロッドを剥離ユニット42から離れる方向に後退させる。これにより補強板3Aを剥離するための準備が完了する。同図に示すように、上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42のそれぞれの端部は、二点鎖線示すように、側面方向から見て一致している。
次に、図6(D)に示すように、積層体6の一端側の隅部6Aから他端側の隅部6Bに向けて上側の剥離ユニット42を上方に撓み変形させながら、積層体6の界面を、剥離開始部30(図4参照)を起点として剥離させていく。すなわち、上側の剥離ユニット42の複数の可動体44において、積層体6の隅部6Aの側に位置する可動体44から隅部6Bの側に位置する可動体44を順次上昇移動させて界面を剥離する(剥離工程)。なお、この動作に連動して、下側の剥離ユニット42の複数の可動体44において、積層体6の隅部6Aの側に位置する可動体44から隅部6Bの側に位置する可動体44を順次下降移動させて界面を剥離してもよい。これにより、補強板3Aのみを湾曲させる形態と比較して剥離力を小さくできる。
図6(D)の如く、隅部6Aの側に位置する可動体44を上昇移動させると、上側の剥離ユニット42の端部と下側の剥離ユニット42との端部とに側面方向から見て不一致(ズレ)Sが生じる。この不一致が生じるのは、積層体6の隅部6Aの側(同図における右側)に位置する可動体44を上昇移動させた際、残りの可動体44を上昇移動させず剥離前の位置に留めているためである。隅部6Bの側(同図における左側)においては上側と下側の剥離ユニット42の端部に不一致は生じていない。隅部6Aの側において、端部の不一致が生じた際、本実施形態の連結機構80が、補強板3Aと基板2Aとを界面と平行な方向に、又は補強板3A若しくは基板2Aと平行な方向に、相対的に滑動させる。その作用を、図11、及び図12を参照して説明する。
図11は、図6(D)において、上側の右側に位置する連結機構80の要部拡大図である。図11の如く、連結機構80は、端部の不一致に対して、矢印E(左方向)で示すように、端部を一致させる方向とは逆の方向、つまり端部の不一致を許容する方向に、補強板3Aを滑動させる。本実施形態において、駆動装置48、ロッド70、凹球面部82、および保持部材86は、剥離前の位置を維持する。一方、補強板3A、剥離ユニット42、可動体44、および可動体44に連結された筐体84が全体として、矢印Eの方向に移動する。つまり、図10と比較して、図11では、筐体84が保持部材86と接触する位置まで、左側へと移動している。
図12は、図6(D)において、上側の中央に位置する連結機構80の要部拡大図である。図12の如く、連結機構80は、凹球面部82と凸球面部88とが摺動可能に位置決めされているので、剥離ユニット42の撓み変形に追従して可動体44を傾動させることができる。さらに、図11と同様に、補強板3A、剥離ユニット42、可動体44、および可動体44に連結された筐体84が全体として、矢印Fの方向に移動することができる。つまり、補強板3Aを矢印Fの方向に滑動させている。
図11、及び図12で説明したように、連結機構80の滑動機能により、基板2Aと補強板3Aとのズレに対して、少なくとも一部において界面と平行な方向に滑動させることで、ズレにより発生する基板2Aへの負荷を逃がすことができる。ここで少なくとも一部とは、図6(D)の如く、ここで示される3個の連結機構80が、全て滑動機能を働かせていないこと、つまり、図6(D)において左側の連結機構80が剥離前と同じ状態で滑動機能を奏しておらず、一方で右側と中央の連結機構80が滑動機能を奏している状態を意味している。
次に、図7(E)に示すように、基板2Aと補強板3Aとの界面を一端側から他端側に向けて順次剥離するように、剥離ユニット42を撓み変形させて、基板2Aと補強板3Aとを完全に剥離する。図7(E)の如く、剥離した補強板3Aが上側の剥離ユニット42に真空吸着保持され、補強板3Aを除く積層体6が下側の剥離ユニット42に真空吸着保持されている。
また、上下の剥離ユニット42の間に、搬送装置(不図示)が挿入されるように、下側の剥離ユニット42と上側の剥離ユニット42とが相対的に十分に退避した位置に移動される。
同図に示すように、基板2Aと補強板3Aとを完全に剥離した状態では、上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42とは、右側と左側において不一致となる。従って、全ての連結機構80において、基板2Aと補強板3Aとのズレに追従して、補強板3Aを左方向に滑動させるよう、補強板3A、剥離ユニット42、可動体44、及び筐体84が左側に移動している。つまり、図7(E)の全ての連結機構80は、図11に示す状態となる。
次に、図7(F)に示すように、上側の位置決め装置94と下側の位置決め装置94を動作させて、上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42との位置を調整し、端部の位置を一致させる。
この後、まず、上側の剥離ユニット42の真空吸着が解除される。次に、搬送装置(不図示)によって補強板3Aが剥離装置40から搬出される。
補強板3Aを除く積層体6が上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42とによって真空吸着保持される。すなわち、上側の剥離ユニット42と下側の剥離ユニット42とが相対的に近づく方向に移動されて、上側の剥離ユニット42に、基板2Aが真空吸着保持される(支持工程)。
次いで、積層体6の一端側から他端側に向けて下側の剥離ユニット42を下方に撓み変形させながら、積層体6の界面を、剥離開始部26(図4参照)を起点として剥離していく。すなわち、下側の剥離ユニット42の複数の可動体44において、積層体6の一端側の側に位置する可動体44から他端側に位置する可動体44を順次下降移動させて界面を剥離する(剥離工程)。なお、この動作に連動して、上側の剥離ユニット42の複数の可動体44において、積層体6の一端側の側に位置する可動体44から他端側に位置する可動体44を順次上昇移動させて界面を剥離してもよい。これにより、補強板3Bのみを湾曲させる形態と比較して剥離力を小さくできる。
補強板3Bを積層体6から剥離する際、補強板3Aを積層体6から剥離したのと同様に、連結機構80の滑動機能により、基板2Bと補強板3Bとのズレに対して、少なくとも一部において界面と平行な方向に滑動させることで、ズレにより発生する基板2Bへの負荷を逃がすことができる。以上が、隅部6Aに剥離開始部26、30が作成された積層体6の剥離方法である。
実施形態では、補強板3Aを剥離し、次いで補強板3Bを剥離する方法について説明したが、補強板3Bを剥離し、次いで補強板3Aを剥離することもできる。
また、剥離ユニット42を順次撓ませることにより、補強板3A,3Bを順次撓ませる方法について説明した。しかし、これに限定されることなく、剥離ユニット42を用いずに、可動体44に代えて吸着パッドを用いることができる。吸着パッドを用いた場合、吸着パッドで補強板3A,3Bを直接吸着し、吸着パッドを一端側から他端側に順次上昇、又は下降させることにより、補強板3A,3Bを順次撓ませることができる。
〔第2の実施形態の剥離装置〕
図13は、第2の実施形態に係る剥離装置100の一例を示す平面図である。また、図14は、図13に示した剥離装置100の側面図である。
なお、ここでは、図1に示した積層体1であって、特に外形が正方形状の積層体1を剥離する場合について説明する。また、図14に示す積層体1は、例えば、図3に示す剥離開始部作成装置10によって隅部1Cに予め剥離開始部が作成されている。
剥離装置100は、基板2に対して補強板3を撓み変形させて、補強板3(樹脂層4を含む)を基板2から剥離する装置である。この際、積層体1の一端側の隅部1Cから対角線上に位置する他端側の隅部1Dに向けて補強板3を徐々に撓み変形させて、剥離開始部を起点として補強板3を基板2から剥離する。このため、剥離は、積層体1の一端側の隅部1Cから他端側の隅部1Dに向かって進行する。また、この場合、剥離済みの領域と未剥離の領域との境界は、直線として現れ、この直線を剥離前線Gとする。剥離前線Gは、図13の矢印Hで示す方向に進行する。剥離装置100によって、剥離開始部において補強板3と基板2とが離間した後は、剥離開始を作成した液体(介在物)を吸引除去しても良い。吸引除去することによって、液体が装置に付着して汚染するのを低減できる。吸引除去は、剥離開始部の側面に吸引ノズルを配置することにより実施できる。
剥離装置100は、ゴム製の弾性シート112を介して、基板2を変形不能に吸着保持するテーブル114と、ゴム製の弾性シート116を介して、補強板3を撓み変形可能に吸着保持する可撓性板118とを備える。弾性シート112とテーブル114とが支持部として機能し、弾性シート116と可撓性板118とが吸着面を有する吸着部として機能する。
テーブル114は、弾性シート112を介して、基板2の第1の面を真空吸着して保持する。テーブル114は、架台120の上面に水平に設置される。テーブル114は、基板2よりも面積が十分に大きく、かつ、基板2の外形に沿った形状を有している。架台120が、弾性シート112とテーブル114とで構成される支持部を保持する保持部として機能する。
可撓性板118は、弾性シート116を介して、補強板3の第2の面を真空吸着して保持する。可撓性板118は、撓み変形可能な本体部118Aを備える。本体部118Aは、補強板3よりも十分に面積が大きく、かつ、補強板3の外形に沿った形状を有している。
本体部118Aの一端には、積層体1の隅部1Cから外側に向けて水平方向に突出した矩形状の突出部118Bが備えられる。また、本体部118Aの他端には、積層体1の隅部1Dから外側に向けて水平方向に突出した矩形状の突出部118Cが備えられる。突出部118B,118Cは、剥離前線Gの進行方向(矢印H方向)に沿って備えられる。
可撓性板118の単位幅(1mm)あたりの曲げ剛性は、1000〜40000N・mmであることが好ましい。たとえば、可撓性板118の幅が100mmの部分では、曲げ剛性は、100000〜4000000N・mmとなる。可撓性板118の単位幅(1mm)あたりの曲げ剛性を1000N・mm以上とすることにより、可撓性板118が吸着保持する補強板3の折れ曲がりを防止できる。また、可撓性板118の単位幅(1mm)あたりの曲げ剛性を40000N・mm以下とすることにより、可撓性板118が吸着保持する補強板3を適度に撓み変形させることができる。
可撓性板118としては、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール(POM:polyoxymethylene)樹脂等の樹脂板の他、金属板を用いることもできる。
可撓性板118の突出部118Cの端部には、軸122が水平方向に設けられる。この軸122は、架台120の上面に固定された軸受124、124に回動自在に支持される。したがって、可撓性板118は、軸122を中心として、架台120に対して傾動自在に設けられる。また、可撓性板118には、サーボシリンダ126が搭載される。
サーボシリンダ126は、シリンダ本体126Aとピストン126Bとを備える。サーボシリンダ126は、図13の平面視において、積層体1の隅部1Cと隅部1Dとを結ぶ直線上にピストン126Bの軸が位置するように配置される。すなわち、サーボシリンダ126は、剥離前線Gの進行方向(矢印H方向)に沿ってピストン126Bが伸縮するように配置される。
シリンダ本体126Aの基端部には、軸128が水平方向に設けられる。この軸128は、可撓性板118の突出部118Cの上面に固定された軸受130、130に回動自在に支持される。
また、ピストン126Bの先端部には、軸132が水平方向に設けられる。この軸132は、可撓性板118の突出部118Bの上面に固定された軸受134、134に回動自在に支持される。
架台120の上面であって、隅部1Dの側にストッパ140が設けられている。ストッパ140は架台120に固定されている。また、架台120の上面であって、隅部1Cの側に付勢手段であるバネ142が設けられている。バネ142によりテーブル114が矢印Iの方向に付勢される。テーブル114は架台120の上面に固定されずに水平に設置されているので、テーブル114は架台120の上面を左右に移動することができる。したがって、剥離前の状態では、バネ142の付勢力により、テーブル114はストッパ140に押し付けられている。
なお、本実施形態では、駆動手段としてサーボシリンダ126を使用しているが、駆動手段には、回転式のサーボモータ及び送りネジ機構等からなる直動装置、及び流体圧シリンダを使用できる。また、剥離装置100の全体の動作は、図示しない制御部によって統括制御される。
次に、剥離装置100による補強板3の剥離方法について、図15を参照して説明する。図15(A)、(B)は、剥離装置100の動作説明図である。なお、図15(A)は、剥離開始から所定時間経過後の剥離装置100の状態を示しており、図15(B)は、剥離開始から更に所定時間経過後の剥離装置100の状態を示している。
剥離装置100にセットされた積層体1は、基板2の第1の面が、弾性シート112を介してテーブル114に吸着保持される。また、補強板3の第2の面が、弾性シート116を介して、可撓性板118に吸着保持される。
初期状態において、サーボシリンダ126のピストン126Bは伸長状態にある(図14参照)。
サーボシリンダ126のピストン126Bを伸長状態から収縮させると、突出部118Bを突出部118Cに向けて引く力が突出部118Bに作用する。この力によって、図15(A)の如く可撓性板118が撓み始める。これにより、可撓性板118に吸着保持された補強板3も撓み始めるので、積層体1は、隅部1Cに作成された剥離開始部を起点として剥離が開始される。
サーボシリンダ126のピストン126Bを、更に収縮させると、この動作に連動して可撓性板118も更に撓み変形していく。また、サーボシリンダ126は、軸128及び軸132を中心に回動自在に支持されているので、可撓性板118の撓み変形に追従して軸128を中心に傾動していく。このように、サーボシリンダ126が徐々に傾動しながら、可撓性板118が、突出部118B側から突出部118C側に向かって徐々に撓み変形し、この結果、一方の隅部1Cから他方の隅部1Dに向かって、補強板3が徐々に剥離されていく。
その際、図15(A)に示す如く、剥離の前半においては、補強板3の剥離開始側(隅部1Cの側)が、吸着面である弾性シート116の上で矢印Jに示すように中央部に引き込まれるようにずれる。その結果、補強板3と基板2とのズレによる負荷が逃がされる。特に剥離の前半では、剥離終了側(隅部1Dの側)においてテーブル114と可撓性板118とにより挟圧されている基板2と補強板3の接触面積が、剥離開始側において基板2と補強板3とが分離している面積より大きい。その結果、補強板3が弾性シート116の上の剥離された側で容易にずれることができ、基板2への負荷を逃がすことができる。
更に補強板3の剥離が進む後半においては、図15(B)の如く、補強板3の剥離終了側(隅部1Dの側)が、吸着面である弾性シート116の上で矢印Kに示すように中央部に引き込まれるようにずれる。特に剥離の後半では、隅部1Dの側において、基板2と補強板3とがテーブル114と可撓性板118により挟圧されている面積が、剥離開始側において基板2と補強板3とが分離している面積より小さく、かつ補強板3が弾性シート116に吸着されている面積が大きくなる。その結果、補強板3の剥離終了側が弾性シート116の上でずれ易くなる。その補強板3のズレに起因して、基板2を界面と平行にずらそうと負荷がかかる。本実施形態では、架台120とテーブル114と固定していなので、補強板3のズレに追従してテーブル114が架台120の上を滑動し、この滑動により基板2への負荷を逃がしている。図15(B)の如く、バネ142の付勢力に抗して、テーブル114を矢印Kの方向に滑動させている。
つまり、本実施形態ではテーブル114を架台120の上をスライド可能とすることで滑動部として機能させている。テーブル114と架台120との界面が接続部を構成し、界面(接続部)の摩擦を低減することにより、テーブル114を架台120の上を容易にスライド可能とさせている。したがって、摩擦を低減させるため、テーブル114と架台120との間に樹脂シート等を配置することが好ましい。樹脂シートとして、フッ素樹脂製のシート、ポリエチレン樹脂製のシート等を使用することができる。
なお、補強板3が基板2から完全に剥離されると、バネ142の付勢力によりテーブル114はストッパ140に押し付けられる。本実施形態においては、ストッパ140とバネ142とは位置決め装置として機能する。テーブル114のスライドの移動方向を規制するため架台120の上にLMガイド等のガイド機構を設けることもできる。
第1の実施形態の剥離装置40、及び第2の実施形態の剥離装置100において、補強板3、3A、3Bの状態に追従させて、受動的に滑動機能を発揮させる場合を説明した。しかし、これに限定されることなく能動的に滑動機能を発揮させても良い。例えば、センサー等を設けることで曲げ状態による位置変動を検出し、その結果に基づいてアクチュエータ等で能動的に滑動機能を発揮させることもできる。
また、滑動機能により負荷を逃がすことができれば、その機構、機構を設置する場所等において制限はない。
N…ナイフ、1…積層体、1A…第1の積層体、1B…第2の積層体、1C…隅部、1D…隅部、2…基板、2A…基板、2B…基板、3…補強板、3A…補強板、3B…補強板、3Ba…補強板の表面、4…樹脂層、4A…樹脂層、4B…樹脂層、6…積層体、6A、6B…隅部、7…機能層、8…本シール、10…剥離開始部作成装置、12…テーブル、14…ホルダ、16…高さ調整装置、18…送り装置、20…液体、22…液体供給装置、24…界面、26…剥離開始部、28…界面、30…剥離開始部、40…剥離装置、42…剥離ユニット、44…可動体、46…可動装置、48…駆動装置、52…可撓性板、54…吸着部、56…両面接着テープ、58…可撓性板、60…通気性シート、62…シール枠部材、64…両面接着テープ、66…溝、68…貫通孔、70…ロッド、80…連結機構、82…凹球面部、84…筐体、86…保持部材、88…凸球面部、90…摺動路、92…規制部、100…剥離装置、112…弾性シート、114…テーブル、116…弾性シート、118…可撓性板、118A…本体部、118B,118C…突出部、120…架台、122…軸、124…軸受、126…サーボシリンダ、126A…シリンダ本体、126B…ピストン、128…軸、130…軸受、132…軸、134…軸受、140…ストッパ、142…バネ

Claims (6)

  1. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離装置において、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を撓みさせる駆動部と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させる滑動部と、を有し、
    前記積層体の前記第1の基板を支持する支持部と、
    前記積層体の前記第2の基板を、吸着面にて吸着する吸着部と、を備え、
    前記駆動部は、前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられ、前記支持部に対し独立して移動されることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ
    前記支持部と、前記支持部を保持する保持部とを接続する接続部に、前記滑動部が備えられる、積層体の剥離装置。
  2. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離方法において、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程を備え
    前記剥離工程では、前記積層体の前記第1の基板を支持部で支持し、前記積層体の前記第2の基板を、吸着部の吸着面にて吸着し、
    前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられた前記駆動部により、前記支持部に対し独立して移動させることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ、
    前記支持部と、前記支持部を保持する保持部とを接続する接続部に前記滑動部を備える、積層体の剥離方法。
  3. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記第1の基板の露出面に機能層を形成する機能層形成工程と、前記機能層が形成された前記第1の基板から前記第2の基板を分離する分離工程と、を有する電子デバイスの製造方法において、
    前記分離工程は、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程を備え
    前記剥離工程では、前記積層体の前記第1の基板を支持部で支持し、前記積層体の前記第2の基板を、吸着部の吸着面にて吸着し、
    前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられた前記駆動部により、前記支持部に対し独立して移動されることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ、
    前記支持部と、前記支持部を保持する保持部とを接続する接続部に前記滑動部を備える、電子デバイスの製造方法。
  4. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離装置において、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を撓みさせる駆動部と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させる滑動部と、を有し、
    前記積層体の前記第1の基板を支持する支持部と、
    前記積層体の前記第2の基板を、吸着面にて吸着する吸着部と、を備え、
    前記駆動部は、前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられ、前記支持部に対し独立して移動されることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ、
    前記吸着部が可撓性板を含み、
    前記可撓性板と前記駆動部とを接続する連結機構に、前記滑動部が備えられ、
    前記滑動部が、前記駆動部に連結され凹球面部を有するロッドと、筐体と、前記筐体に移動可能に収容され前記凹球面部を摺動可能に接触する凸球面部を有する保持部材と備える、積層体の剥離装置。
  5. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記接着層から前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離する積層体の剥離方法において、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程を備え
    前記剥離工程では、前記積層体の前記第1の基板を支持部で支持し、前記積層体の前記第2の基板を、吸着部の吸着面にて吸着し、
    前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられた前記駆動部により、前記支持部に対し独立して移動させることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ、
    前記吸着部が可撓性板を含み、前記可撓性板と前記駆動部とを接続する連結機構に、前記滑動部が備えられ、
    前記滑動部が、前記駆動部に連結され凹球面部を有するロッドと、筐体と、前記筐体に移動可能に収容され前記凹球面部を摺動可能に接触する凸球面部を有する保持部材と備える、積層体の剥離方法。
  6. 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板とを貼合する接着層とを備えた積層体に対し、前記第1の基板の露出面に機能層を形成する機能層形成工程と、前記機能層が形成された前記第1の基板から前記第2の基板を分離する分離工程と、を有する電子デバイスの製造方法において、
    前記分離工程は、
    前記第1の基板、又は前記第2の基板の一方を駆動部により撓み変形させて、滑動部により前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の基板、又は前記第2の基板と平行な方向に相対的に滑動させながら剥離する剥離工程を備え、
    前記剥離工程では、前記積層体の前記第1の基板を支持部で支持し、前記積層体の前記第2の基板を、吸着部の吸着面にて吸着し、
    前記吸着部において、前記吸着面とは反対側の面に取り付けられた前記駆動部により、前記支持部に対し独立して移動させることにより前記第2の基板を撓み変形させて、前記第1の基板と前記第2の基板との界面を順次剥離させ、
    前記吸着部が可撓性板を含み、前記可撓性板と前記駆動部とを接続する連結機構に、前記滑動部が備えられ、
    前記滑動部が、前記駆動部に連結され凹球面部を有するロッドと、筐体と、前記筐体に移動可能に収容され前記凹球面部を摺動可能に接触する凸球面部を有する保持部材と備える、を有する電子デバイスの製造方法。
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