JP6547889B2 - 圧搾溝の形成装置、形成方法及び吸収性物品 - Google Patents

圧搾溝の形成装置、形成方法及び吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、圧搾溝を吸収体に設ける形成装置、形成方法及びその吸収体を備える吸収性物品に関する。
排出された体液(以下、単に「液体」という)を吸収体に誘導して吸収させる使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)等の吸収性物品が広く知られている。吸収体は、主に繊維素材(パルプなど)と高吸収性樹脂(Super Abosorbent Polymer、単に「SAP」という)とからなる吸収性コアを、ティッシュや不織布等の被覆部材によって包んだものである。この吸収体に液体が効率よく吸収されることが求められている。
そこで、例えば、特許文献1には、圧搾溝の形成装置において、圧搾用の凸部を備えたロールを用いて吸収体を上記凸部の所定のパターンで連続的に圧搾し、吸収体に圧搾溝を形成することが記載されている。このように形成された圧搾溝を介して液体を吸収体全体に広く拡散させることができ、吸収体の吸収性を向上させている。この圧搾溝の形成装置は、圧搾溝を形成する際に、ロールの回転速度を適宜調整し得るものである。ここで、圧搾溝の形成装置において、生産効率を向上させるために、ロールの回転速度を向上させることが要望されている。
特開2011−72688号公報
本発明者は、吸収体に圧搾溝を形成する際に、ロールを比較的高速で回転させると、形成される圧搾溝における繊維素材が被覆部材内で大きく移動してしまい、圧搾溝を形成する所定のSAP量を実現できないことを見出した。特に、吸収体を構成するSAPは、圧搾時の衝撃により、その周囲の繊維素材に対して相対的に大きく移動、つまり、飛散し、圧搾領域におけるSAPの必要な量を維持できないことを見出した。
そこで、本発明の目的は、圧搾溝における吸収性コアと被覆部材との定着力を向上させる圧搾溝の形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の収性樹脂が分散配置されている吸収体を備えた吸収性物品に圧搾溝を形成する圧搾溝の形成装置は、外面から外方に突出する凸部を備え、前記凸部を前記吸収体に対して移動させて前記吸収体を圧搾して前記吸収体に前記圧搾溝を形成する圧搾手段、を備え、前記凸部は、最小断面積となる断面において、第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部との間に配置される天面部と、前記第1側面部及び前記第2側面部の少なくともいずれか一方と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備えるものである。
また、上記圧搾溝の形成装置は、前記凸部は、前記第1側面部及び前記第2側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備え、前記外面と前記第1側面部との第1交点と、前記外面と前記第2側面部との第2交点とを結ぶ第1直線は、前記天面部と平行であり、前記第1側面部及び前記第1側面部と連続的に接続する前記傾斜面部と、前記第2側面部及び前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部と、前記第1直線の垂直二等分線である第2直線を対称軸とした線対称となることを特徴とするものとしてもよい。
また、上記圧搾溝の形成装置は、液透過性の表面シートを前記吸収体に重ね、前記表面シートに前記凸部を当接させ、前記凸部で前記表面シート及び前記吸収体を圧搾して前記表面シート及び前記吸収体に前記圧搾溝を形成することを特徴とするものとしてもよい。
また、上記圧搾溝の形成装置は、前記傾斜面部は、少なくとも一つの窪み部及び/又は少なくとも一つの突起部を備えることを特徴とするものとしてもよい。
上記圧搾溝の形成装置を用いて製造された吸収性物品は、前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を滑らかに繋ぐように形成されていることを特徴とするものとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の吸収性樹脂が分散配置されている吸収体を備えた吸収性物品を製造する圧搾溝の形成方法は、外周面から外方に突出する凸部を有する回転部材の回転に伴って、前記凸部に対応する形状が前記吸収体に形成されるように、前記吸収体を圧搾するステップであって、前記凸部は、最小断面積となる断面において、第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部との間に配置される天面部と、前記第1側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備え、前記回転部材の回転に伴って、前記吸収体に、前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域と、前記天面部により圧搾された圧搾領域とを形成する、前記吸収体を圧搾するステップと、前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を隣接する前記側面部により圧搾された密度変化領域とともに、滑らかに繋ぐように復元するステップと、を含むものである。
また、上記圧搾溝の形成方法は、前記凸部は、前記第2側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部をさらに備え、前記回転部材の回転に伴って、前記吸収体に、前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域を形成する、前記吸収体を圧搾するステップと、前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を隣接する前記側面部により圧搾された密度変化領域とともに、滑らかに繋ぐように復元するステップと、を含むことを特徴とするものとしてもよい。
本発明の圧搾溝の形成装置によれば、圧搾溝における吸収性コアと被覆部材との定着力を向上させる圧搾溝の形成装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るおむつの一例を示す正面側から見た斜視図である。 図1に示されるおむつの伸張状態をトップシート側から見た模式的な平面図である。 図2に示されるおむつの分解斜視図である。 本発明に係る圧搾溝の形成装置の一実施形態を示す斜視図であり、2つのロールで吸収体を圧搾している様子について説明するための図である。 図4に示される2つのロールで吸収体を圧搾しているときの断面図であり、(a)はMD方向における断面図、(b)はCD方向における断面図である。 図4に示される凸部のVI−VI方向の断面形状を拡大した模式図であり、凸部の細部について説明するための図である。 図6に示されるロールで吸収体を圧搾しているときのMD方向における断面図であり、(a)凸部による圧搾の開始時、(b)圧搾時の吸収体の厚みが縮小時、(c)圧搾時の吸収体の厚みが最小時、(d)凸部が圧搾溝から離間した時、の様子をそれぞれ表す。 図7(c)及び図7(d)における圧搾溝の断面形状を拡大した模式図であり、圧搾時の吸収体の厚みが最小時から凸部が圧搾溝から離間した時の形状変化を説明するための図である。 図4に示される2つのロールで圧搾する別の実施形態を示す模式的な断面図であり、吸収体及びトップシートを圧搾する様子について説明するためのMD方向の図である。 図2に示される吸収体部分をトップシート側から見た模式的な平面図であり、吸収体に形成された圧搾溝について説明するための図である。 図10における模式的な断面図であり、(a)はXIa−XIa方向断面図、(b)はXIb−XIb方向断面図である。 本発明に係る凸部の断面形状の変形例を示す拡大した模式図であり、(a)は傾斜面部に窪み部を設けた凸部の例、(b)は傾斜面部に突起部を設けた凸部の例を示す図である。
本発明の実施形態について、図1から図12を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「圧搾溝」とは、エンボス加工により吸収体を圧縮することで形成される溝を指すものとして参照される。吸収体のうち圧搾溝が形成されている部位は、それ以外の部位と比較して高い密度となっている。
また、本明細書の記載において、MD方向は吸収体の製造工程における吸収体の搬送方向を表し、CD方向は当該MD方向に直交する方向を表す。
<おむつの概要>
図1は、本発明の実施形態に係るおむつの一例を示す正面側から見た斜視図であり、図2は、図1に示されるおむつの展開した状態をトップシート側から見た模式的な平面図であり、図3は、図2に示されるおむつの分解斜視図である。ここで、図2のおむつ及び図3の吸収体については、説明の便宜上、部分的に破断した状態をそれぞれ示している。
図1に示すように、本実施形態に係るおむつの一例として、展開型の使い捨ておむつについて説明する。おむつ10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10F及び後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを備えている。また、着用時に前身頃領域10Fと後身頃領域10Rとで着用者のウエストの部分を取り囲むウエスト周り開口部10Wが形成されている。同様に、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rの下端部と股下領域10Cとで着用者の両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lが形成されている。
おむつ10の着用時に、前身頃領域10Fは着用者の腹側に位置し、後身頃領域10Rは着用者の背側に位置する。そして、着用時に股下領域10Cは、着用者の股下を覆い、左右一対の脚周り開口部10Lに、着用者の脚がそれぞれ通された形となる。したがって、脚周り開口部10Lは、着用者の両脚の付け根から太股あたりのいずれかに位置することとなる。
おむつ10は、股下領域10Cと共に前身頃領域10F及び後身頃領域10Rを覆うように設けられたカバーシート11と、カバーシート11の後身頃領域10Rの左右両端縁部に接着された左右一対のファスニングテープ10Aと、カバーシート11の前身頃領域10Fに接着されたフロントパッチシート10Bとをさらに備えている。ファスニングテープ10Aはフロントパッチシート10Bに対して繰り返し剥離可能に接合され、この接合状態においては、脚周り開口部10L及びウエスト周り開口部10Wが形成されている。
仮想線Pは、おむつ中央部において腹側から股下部分を通って背側に向かって延びるものである。具体的には、仮想線Pは、例えば、おむつのウエスト側を上、股下側を下として定義すると、おむつ表面に沿って、かつ上下方向に延びると共に、股下部分を経由して、背側においても上下方向に延びるものである。
図2及び図3に示すように、おむつ10は、外側から順に、良好な手触りを得るために薄い不織布にて形成されるカバーシート11と、液不透過性を有するバックシート(裏面シート)12と、吸収体13と、液透過性を有するトップシート(表面シート)14と、疎水性のシート部材で構成された一対の立体ギャザー(サイドシート)15とを重ねた積層構造を有しているものである。
カバーシート11は、股下領域10Cの左右両側にそれぞれ脚周り開口部10Lとなる一対の切欠き部11Nが形成されている。カバーシート11と、後述する一対の立体ギャザー15との間には、脚周りギャザーを形成するための一対の糸ゴム16がそれぞれ伸張状態で接着されている。
バックシート12は、一側でカバーシート11に接合されるとともに、他側で吸収体13を介してトップシート14に接合される。また、バックシート12のうち、後身頃領域10Rの上端部に対応する領域には、バックシート12の幅方向に沿って延び、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート10Dが接合されている。
吸収体13は、主にパルプとパルプ中に略均一に分散配置されているSAPとで構成された吸収性コア17を、ティシュや不織布等の被覆部材(コアラップ)18によって包んだマット状のものである。吸収性コア17を被覆部材18により包むことで形成される継ぎ目は、例えば、図3に示すように、吸収体13の上面であって前後方向(図2における仮想線Pの延在方向)に延びるように形成される。この吸収体13には、SAPの割合が比較的多い、つまり、目付(単位面積当りの重さ)が多いロング用、及び、SAPの割合が比較的少ない、つまり、目付が少ないショート用がある。本実施形態の吸収体13は、前身頃領域10F、股下領域10C、後身頃領域10Rに亘るように、細長い形状をしている。ここで、前後方向(図2における仮想線Pの延在方向)に直交する方向を左右方向とすると、本実施形態の吸収体13は、前後左右の長さが異なる矩形のものである(図2及び図3では、前後の長さが左右の長さより長くなっている)。
なお、本実施形態の吸収体13の形状はこれに限らず、例えば、前後左右の長さが同程度の略正方形のもの、前後端の角が丸く落とされているもの、前後に延びる楕円形のもの、円形のもの等、さまざまな形状を含む。また、吸収体13の股下部分には、一対の脚周り開口部10Lに対応するように、円弧状をなす一対の切欠き部が形成されても良い。
吸収体13の表面には、複数の圧搾溝20が連続的に形成され、斜め格子状に配列されている。この圧搾溝20は、後述する圧搾溝の形成装置100によって吸収体13を圧搾することにより形成される。圧搾溝20が連続的に形成されることで、この連続した圧搾溝を介して空気が腹側または背側に通り抜けることができるようになり、通気性を確保することが可能となる。また、吸収体13に圧搾溝20を設けることにより、液体を吸収体13全体へと迅速に拡散させて、吸収体13全体を使用して効率よく吸収させることが可能となる。さらに、圧搾溝20において折れ曲がりやすくなり、おむつ10のフィット感を向上させることが可能となる。
一対の立体ギャザー15は、吸収体13の前後方向に沿って設けられ、吸収体13の前後方向に延びる両側縁部のうち、一方の側縁部は略直線形状を呈し、他方の側縁部には、股下付近に切欠き部15Nが形成されている。一対の立体ギャザー15の内側部分がトップシート14に対して非接合状態となっており、立体ギャザー15は、その略直線形状の側縁部に自由端を含む。この自由端には、引っ張り力を作用する弾性部材である糸ゴム19が吸収体13の前後方向に沿って伸張状態で配置されている。一対の立体ギャザー15は、この糸ゴム19により、着用状態において吸収体13の両側縁部に沿って起立可能となる。
次に、上記吸収性物品10の吸収体13を圧搾するための、本実施形態における圧搾溝の形成装置100の詳細について説明する。
<圧搾溝の形成装置>
図4は、本発明に係る圧搾溝の形成装置の一実施形態を示す斜視図であり、2つのロールで吸収体を圧搾している様子について説明するための図であり、図5は、図4に示される2つのロールで吸収体を圧搾しているときの断面図であり、図5(a)はMD方向における断面図、図5(b)はCD方向における断面図である。図6は、図4に示される凸部の延在方向であるVI−VI方向の断面形状を拡大した模式図であって、凸部31の細部について説明するための図である。図6中の破線は、第1ロール30の外周面30Eを表す。
圧搾溝の形成装置100は、第1ロール(以下、「回転部材」という)30と、第1ロール30と共に回転する第2ロール(第2回転部材)40と、を備えて構成される。第1ロール30は、外周面30Eと、外周面30Eから外方に突出する凸部31とを有し、凸部31で吸収体13を圧搾して吸収体13に圧搾溝20を形成するように構成される。第2ロール40は、外周面40Eを有し、第1ロール30と共に回転することによって、吸収体13を圧搾するように構成される。図4では、第1ロール30の回転軸をX30とし、第2ロール40の回転軸をX40とする。
本実施形態では、第1ロール30及び第2ロール40の材質は、特に限定されないが、例えば、金属製等が好ましい。また、凸部31は、第1ロール30と一体に設けられてもよいし、別体に設けられてもよい。
図4に示すように、凸部31は、第1方向に沿って延びる第1凸部31aと、第1凸部31aに対して交差状態で、第1方向と異なる第2方向に沿って延びる第2凸部31bと、を含む。つまり、第1凸部31aおよび第2凸部31bは、格子状に形成されている。第1ロール30は、第1凸部31aで吸収体13を圧搾して吸収体13に後述する第1圧搾溝20aを形成し、第2凸部31bで吸収体13を圧搾して吸収体13に後述する第2圧搾溝20bを形成するように構成される(後述する図10を参照)。
図6に示すように、図4に示される凸部31のVI−VI方向、つまり、凸部31の延在方向に垂直な断面(最小断面積となる断面)において、凸部31は、第1側面部311Sと、第1側面部311Sより第1ロール30の回転方向Bと反対側に位置する第2側面部312Sと、第1側面部311Sと第2側面部312Sとの間に配置される天面部310Uと、第1側面部311Sと天面部310Uとを連続的に接続する第1傾斜面部313Tと、第2側面部312Sと天面部310Uとを連続的に接続する第2傾斜面部314Tとを備える。凸部31において、第1ロール30の回転に伴い、第1側面部311S、第1傾斜面部313T、天面部310U、第2傾斜面部314T及び第2側面部312Sが吸収体13を圧搾するように構成されている。
凸部31について詳細に説明する。外周面30Eと第1側面部311Sとの交点を第1交点321P、第2側面部312Sと外周面30Eとの交点を第2交点322P、第1側面部311Sと第1傾斜面部313Tとの交点を第3交点323P、第2側面部312Sと第2傾斜面部314Tとの交点を第4交点324P、第1傾斜面部313Tと天面部310Uとの交点を第5交点325P、第2傾斜面部314Tと天面部310Uとの交点を第6交点326Pとする。また、第1交点321Pと第2交点322Pを結ぶ直線を第1直線331L、第1直線331Lの垂直二等分線を第2直線332Lとする。
さらに、第3交点323Pを通る第1直線331Lに対する平行線を第1平行線341PL、第4交点324Pを通る第1直線331Lに対する平行線を第2平行線342PL、第5交点325Pを通る第1直線331Lに対する平行線を第3平行線343PL、第6交点326Pを通る第1直線331Lに対する平行線を第4平行線344PLとする。また、第3交点323Pを通る第1直線331Lに対する法線を第1法線351NL、第4交点324Pを通る第1直線331Lに対する法線を第2法線352NL、第5交点325Pを通る第1直線331Lに対する法線を第3法線353NL、第6交点326Pを通る第1直線331Lに対する法線を第4法線354NLとする。第1側面部311Sと第1直線331L(第1平行線341PL)との成す鋭角な角度をα1、第2側面部312Sと第1直線331L(第2平行線342PL)との成す鋭角な角度をα2、第1傾斜面部313Tと第3平行線343PLとの成す鋭角な角度をβ1、第2傾斜面部314Tと第4平行線344PLとの成す鋭角な角度をβ2とする。第1法線351NLと第3法線353NLとの距離L1、第2法線352NLと第4法線354NLとの距離L2、第3法線353NLと第4法線354NLとの距離L3とする。
本実施形態における凸部31は、第2直線332Lを対称軸とした線対称の形状となっている。つまり、第1側面部311S及び第1傾斜面部313Tは、第2側面部312S及び第2傾斜面部314Tと、第2直線332Lを対称軸として線対称な形状となっている。また、天面部310Uは、第1直線331Lと平行であり、角度α1は角度α2と等しく、角度β1は角度β2と等しく、距離L1は距離L2と等しくなっている。さらに、角度α1及び角度α2は、角度β1及び角度β2より大きく、距離L3は距離L1及び距離L2より長くなっている。
本実施形態では、第1側面部311Sと第1傾斜面部313Tとの接続部分、第2側面部312Sと第2傾斜面部314Tとの接続部分、第1傾斜面部313Tと天面部310Uとの接続部分、第2傾斜面部314Tと天面部310Uとの接続部分が角を有しているが、本発明はこれに限られず、面取りが施されたものであってもよい。このように、凸部31のうち吸収体13に接触可能な部分が曲面で構成することは、吸収性コア17上に積層された被覆部材18の破損を防止するという効果を奏する上で好ましい。
<製造方法>
本実施形態におけるおむつ10は、例えば、以下の工程を含む製造方法により製造される。
(1)先ず、主にパルプとパルプ中に略均一に分散配置されているSAPとで構成された吸収性コア17を被覆部材18で包み、連続するマット状の吸収体13を生成する。
(2)そして、図4および図5に示すように、圧搾溝20の形成装置100は、MD方向の上流からA方向に流れてきた連続する吸収体13を、B方向に回転する第1ロール30とC方向に回転する第2ロール40との間で圧搾し、連続する吸収体13にエンボス加工を施す。
(3)次に、エンボス加工後の連続する吸収体13をMD方向の下流に流し、切断装置によりおむつ1枚分に必要な長さで切断されて、トップシート14、バックシート12、カバーシート11等と接合された後、おむつ10が製造される。
ここで、工程(2)について詳細に説明する。図7は、図6に示されるロールで吸収体を圧搾しているときのMD方向における断面図である。図7(a)凸部による圧搾の開始時、図7(b)は圧搾時の吸収体の厚みhが縮小時、図7(c)は圧搾時の吸収体の厚みhが最小時、図7(d)は凸部が圧搾溝から離間した時、の様子をそれぞれ表す。図7(a)乃至図7(d)では、説明の便宜上、凸部31の1つの断面に焦点を当て、凸部31の他の断面及び第2ロール40については省略する。
ここで、発明者は、圧搾溝20における吸収性コア17と被覆部材18との定着力は、吸収体13におけるパルプ同士の咬合よりも、吸収性コア17に分散配置されているSAPとパルプとの結合による影響が大きいことを発見した。つまり、圧搾の衝撃により、SAPが圧搾領域201Bから周辺領域へと飛散することが圧搾溝20における吸収性コア17と被覆部材18との定着力を低下させる原因であった。したがって、圧搾領域201Bにおいて、周辺領域へのSAPの飛散防止を行い、飛散防止された多くの吸収性コア17のSAPと被覆部材18のパルプとの結合を効率よく行っている。以下に、このSAPの飛散防止を行う手段について、詳細を説明する。
図6及び図7(a)乃至図7(d)に示すように、凸部31は、天面部310Uに対する回転方向B側に第1傾斜面部313Tと、天面部310Uの回転方向Bと反対側に第2傾斜面部314Tとを備えている。ここで、第1ロール30の回転方向Bへの回転に伴って、凸部31の対応する形状が吸収体13を圧搾し、圧搾溝20を形成する。圧搾溝20の形成時(図7(a)乃至図7(c)参考)では、圧搾溝20には、天面部310Uが吸収体13を圧搾する領域である圧搾領域201B(図中の濃いドットパターン)と、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tが吸収体13を圧搾する領域である仮プレス領域202B(図中のやや濃いドットパターン)とが形成されている。また、圧搾溝20の形成終了時(図7(d)参考)では、圧搾溝20には、天面部310Uが吸収体13を圧搾する領域である圧搾領域201A(図中の濃いドットパターン)が形成されている。
凸部31が吸収体13の圧搾を開始する時(図7(a)参照)において、天面部310Uが吸収体13を圧搾することにより、圧搾領域201Bが形成されつつあるとともに、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tが吸収体13を圧搾することにより、仮プレス領域202Bが形成されつつある。この仮プレス領域202Bでは、傾斜面部のない天面部のみの凸部によって圧搾される場合と比較して、圧搾による押圧力が小さく、従ってその領域に与えられる圧搾の衝撃(運動エネルギー)が小さくなる。また、仮プレス領域202Bでは、非圧搾領域と比べ相対的に密度が高いことから、従来であれば、天面部310Uの圧搾の衝撃によって、圧搾領域201Bから周辺領域へと飛散していたSAPは、仮プレス領域202Bが存在することにより、周辺領域への飛散が抑制される。
圧搾時の吸収体の厚みhが縮小時から最小時(図7(b)及び図7(c)参照)において、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tが吸収体13をさらに圧搾することにより、仮プレス領域202Bにおける吸収体13の密度が、凸部31が吸収体13の圧搾を開始する時(図7(a)参照)と比べ高くなっている。これにより、圧搾領域201Bから隣接する仮プレス領域202BへのSAPの飛散がより防止される。また、圧搾領域201Bにおける吸収体13の密度も、凸部31が吸収体13の圧搾を開始する時(図7(a)参照)と比べ高くなっている。これにより、圧搾領域201Bにおいて、飛散防止された多くのSAPとパルプとの結合、つまり、吸収性コア17のSAPと被覆部材18のパルプとの結合を効率よく行うことができる。よって、圧搾溝20における吸収性コア17と被覆部材18との定着力を向上させることができるとともに、吸収体13における通気性も向上させることができる。
ここで、圧搾領域201Bは、天面部310Uにより吸収体13が圧搾され、SAPとパルプとの結合力により不可逆的に形成されるもの、つまり、SAPとパルプとの結合力が、吸収体13の復元力より大きくなるように形成されるものである。一方、仮プレス領域202Bは、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tにより吸収体13が圧搾され、SAPとパルプとの結合力より一時的に形成されるもの、つまり、SAPとパルプとの結合力が、吸収体13の復元力(図8の矢印F参照)より小さくなるように形成されるものである。
凸部31が圧搾溝20から離間した時(図7(d)参照)において、圧搾領域201Aは、SAPがパルプとの結合により不可逆的な圧搾が起きており、フィルム状となっている。一方、凸部31が圧搾溝20から離間するとともに、仮プレス領域202Bは、吸収体13の復元力(図8の矢印F参照)が、SAPとパルプとの結合力より大きいことから復元し、密度変化領域203Aの一部へと変化する(図8参照)ものである。よって、圧搾溝20は、圧搾領域201Aと密度変化領域203Aとから構成される。
本実施形態では、仮プレス領域202Bが一時的に形成されるように、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tと天面部310Uとの成す角度β1(β2)(図6参照)を適切に設定している。例えば、SAPの割合が多い吸収体13(ロング用)では、SAPの割合が少ない吸収体13(ショート用)と比べて、圧搾時にパルプと結合するSAPの量が多くなるため、角度β1(β2)を大きく設定し、SAPとパルプとの結合力が、吸収体13の復元力より大きくならないようにしている。
ここでは、圧搾時の吸収体の厚みhが最小時から凸部が圧搾溝から離間した時の形状変化を詳細に説明する。図8は、図7(c)及び図7(d)における圧搾溝の断面形状を拡大した模式図である。ここで、図7(c)の圧搾時の吸収体の厚みhが最小時、つまり、圧搾溝20の形成時における断面形状は破線で示され、図7(d)の凸部が圧搾溝から離間した時、つまり、圧搾溝20の形成終了時における断面形状を実線で示される。
圧搾溝20の形成時における断面形状(図中の破線)は、圧搾領域201B(図中の濃いドットパターン)と、仮プレス領域202B(図中のやや濃いドットパターン)と、密度変化領域203Bと、非圧搾領域204とから形成されている。ここで、仮プレス領域202Bの表面積をS1とし、密度変化領域203Bの表面積をS2とする。一方、圧搾溝20の形成終了時における断面形状(図中の実線)は、圧搾領域201Aと、密度変化領域203Aと、非圧搾領域204とから形成されている。ここで、密度変化領域203Aの表面積をS3とする。
本実施形態における仮プレス領域202Bは、吸収体13の復元力(図中の矢印F参照)が、SAPとパルプとの結合力より大きいことから、非圧搾領域204と圧搾領域201Bとの間を隣接する密度変化領域203Bとともに、滑らかに繋ぐように復元し、密度変化領域203Aの一部へと変化する。これにより、仮プレス領域202Bの表面積S1は、密度変化領域203Aの表面積S3の一部となる。
ここで、圧搾溝20の形成終了時における断面形状(図中の実線)についてみると、圧搾領域201Aは、吸収体13の密度が最も高い領域であり、非圧搾領域204は、吸収体13の密度が最も低い領域である。また、密度変化領域203Aは、密度が最も高い圧搾領域201Aから最も密度の低い非圧搾領域204に向かって密度が漸減する領域である。ここで、密度変化領域203Aは、非圧搾領域204より圧縮されているため、吸収体13を構成するパルプ間の距離が適度に縮まっていることから、毛管力が高まって液体の吸収力を向上させる効果を奏するものと考えられる。また、圧搾溝20の形成時から圧搾溝20の形成終了時までの間に、仮プレス領域202Bは、主に液体の吸収を行う密度変化領域203Aの一部へと変化する。よって、密度変化領域203Aの表面積S3は、密度変化領域202Bの表面積S2より増加することから、液体の吸収力を向上させる効果を奏するものと考えられる。
本実施形態において、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314Tが吸収体13を圧搾することにより、圧搾領域201Bを囲むように仮プレス領域202Bを形成させることができる。よって、仮に、第1ロール30及び第2ロール40を高速回転させたとしても、圧搾領域201Bから周辺領域へのSAPの飛散を確実に防止することができる。これにより、圧搾領域201Bにおいて、飛散防止された多くのSAPとパルプとの結合、つまり、吸収性コア17のSAPと被覆部材18のパルプとの結合を効率よく行うことができるため、圧搾溝20における吸収性コア17と被覆部材18との定着力を向上させることができる。
本実施形態では、吸収体13を圧搾することで、圧搾溝20を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、吸収体13とトップシート14とを積層したものに対して圧搾することによって、圧搾溝20を形成してもよい。また、吸収体13とトップシート14とを積層したものに対して圧搾する場合、予め分けられた(例えば切断された)吸収体13とトップシート14とを接合したものに対して、圧搾が施されてもよい。
図9は、図4に示される2つのロールで圧搾する別の実施形態を示す模式的な断面図であり、吸収体及びトップシートを圧搾する様子について説明するための図である。トップシート14は、図9に示すようにMD方向へと連続している。複数の吸収体13はそれぞれ、予め積層されてマット状になっており、おむつ10の1枚分に切り分けられている。この複数の吸収体13は、それぞれ一定間隔を空けて、連続するトップシート14に接合(例えば接着)されている。
複数の吸収体13と連続するトップシート14とを積層したものは、図9に示すように、A方向に流れ、上記実施形態と同様に、圧搾溝の形成装置100の第1ロール30と第2ロール40とで圧搾される。これにより、吸収体13とトップシート14とが一緒に圧搾され、吸収体13とトップシート14とを積層したものには、凸部31の圧搾により、圧搾溝20が形成されることになる。圧搾後の吸収体13およびトップシート14に、バックシート12、カバーシート11等を接合して、必要な長さに切断すると1枚のおむつ10が製造されることになる。
次に、上述した圧搾溝の形成装置によって製造された吸収性物品の特に吸収体13に設けられた圧搾溝20の細部について説明する。
<吸収体に形成される圧搾溝>
図10は、図2に示される吸収体部分をトップシート側から見た模式的な平面図であり、吸収体に形成された圧搾溝について説明するための図である。また、図11は、図10における模式的な断面図であり、図11(a)はXIa−XIa方向断面図、図11(b)はXIb−XIb方向断面図である。図11(a)は、図5(b)に示す断面形状に対応するものである。
吸収体13のトップシート14側には、図10に示すように、第1凸部31aの第1方向に対応する第3方向に沿って延びる第1圧搾溝20aと、第2凸部31bの第2方向に対応する第4方向に沿って延びる第2圧搾溝20bとが形成されている。そして、第1圧搾溝20aおよび第2圧搾溝20bは、互いに平行に並んだ複数の溝でそれぞれ構成されている。仮想線Pの吸収体13上での位置は、前身頃領域上端から後身頃領域下端に向かって延びるものとなる。具体的には、吸収体13が細長い形状である場合、仮想線Pは、図10に示すように、吸収体13の前後方向に延びるものである。圧搾溝20は、この仮想線Pに対して傾斜して延びる。すなわち、仮想線Pを軸として側辺に沿った方向、例えば、前後方向に対し、第1圧搾溝20aは、一方側に角度εで傾斜し、第2圧搾溝20bは、他方側に角度ζで傾斜する。
本実施形態では、角度εと角度ζは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、図10では、複数の第1圧搾溝20aはそれぞれ同じ角度で傾斜し、一定間隔で配置されている。すなわち、各第1圧搾溝20aが平行かつ一定間隔で配置されているが、本発明はこれに限らず、圧搾溝20の間隔が一定でないものや、各圧搾溝20の傾斜角度が異なるものも含む。第2圧搾溝20bについても同様である。
圧搾溝20は、吸収体13の幅方向(図10における左右方向)の端部まで形成されているのではなく、吸収体13の前後方向(図10における仮想線Pの延在方向)に沿った帯状に形成されている。圧搾溝20が形成されている吸収体13の領域を圧搾溝形成領域N1とし、圧搾溝20が形成されていない吸収体13の幅方向両端部の領域を圧搾溝非形成領域N2とする。この圧搾溝非形成領域N2を設けることで、股下領域10Cの幅方向両端部からの液体漏れを抑制することが可能となる。
本実施形態では、圧搾溝非形成領域N2を備えているが、本発明はこの形態に限らず、吸収体13の幅方向(図10における左右方向)の端部まで圧搾溝20が設けられていてもよいことは言うまでもない。したがって、本発明は、圧搾溝非形成領域N2を設けない構成であってもよい。なお、本発明は、圧搾溝20が吸収体13の前後方向の端部まで形成されない態様を許容するものである。図10に示すように、当該前後方向端部まで形成される場合には、通気性および蒸れ防止を向上させることが可能となる。
図11(a)及び図11(b)に示すように、吸収体13及びトップシート14が圧搾されて形成された圧搾溝20の形状は、吸収体13が圧搾されて形成された圧搾溝20(図7(d)及び図8参照)と同様に、仮プレス領域202Bのない台形形状となっている。つまり、第1傾斜面部313T及び第2傾斜面部314T(図6及び図7参照)の圧搾により形成された仮プレス領域202B(図7及び図8参照)は、吸収体13の復元力(図中の矢印F参照)が、SAPとパルプとの結合力より大きいことから、非圧搾領域204と圧搾領域201Bとの間を隣接する密度変化領域203Bとともに、滑らかに繋ぐように復元し、密度変化領域203Aの一部へと変化する。
上記実施形態と同様に、仮プレス領域202Bは、圧搾領域201BからのSAPの飛散防止を行うために形成される。これにより、圧搾領域201Bにおいて、飛散防止された多くのSAPとパルプとの結合、つまり、吸収性コア17のSAPと被覆部材18のパルプとの結合のみならず、吸収性コア17のSAPとトップシート14のパルプとの結合を効率よく行うことができる。したがって、圧搾溝20における吸収性コア、被覆部材及びトップシート14との定着力を向上させることができ、吸収体13における通気性も向上させることができる。さらに、仮プレス領域202Bは、主に液体の吸収を行う密度変化領域203Aの一部へと変化する。つまり、密度変化領域203Aの表面積S3は、密度変化領域202Bの表面積S2より増加することから、液体の吸収力を向上させる効果を奏するものと考えられる(図8参照)。
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
例えば、上記実施形態に係るおむつの構造は、上述したような展開型に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に規定された吸収性物品の構成を含むおむつでありさえすれば、どのような構成であってもよい。例えば、パンツ型の使い捨ておむつや、尿パッド等であっても本発明を適用可能である。
図12は、本発明に係る凸部の断面形状の変形例を示す拡大した模式図であり、図12(a)は傾斜面部に窪み部を設けた凸部の例、図12(b)は傾斜面部に突起部を設けた凸部の例を示す図である。
図12(a)において、凸部の断面形状の変形例として、凸部131が、第1傾斜面部1313T及び第2傾斜面部1314Tに窪み部1315Dを設けている。第1傾斜面部1313T及び第2傾斜面部1314Tが吸収体13を圧搾する際に、窪み部1315Dには吸収体13が入り込むため、仮プレス領域202Bにおける吸収体13の密度を低くすることができる。よって、窪み部1315Dを設けることにより、仮プレス領域202Bにおける密度を低くする調整ができるため、仮プレス領域202Bを、より不可逆的な圧搾が起こり難いように、つまり、復元可能となるように形成することができる。
図12(b)において、凸部の断面形状のさらなる変形例として、第1傾斜面部2313T及び第2傾斜面部2314Tに突起部2315Pを設けている。第1傾斜面部1313T及び第2傾斜面部1314Tが吸収体13を圧搾する際に、突起部2315Pが吸収体13を圧搾するため、仮プレス領域202Bにおける吸収体13の密度を高くすることができる。よって、突起部2315Pを設けることにより、仮プレス領域202Bにおける密度を高くする調整ができ、圧搾領域201Bから隣接する仮プレス領域202BへのSAPの飛散をより確実に防止することができる。
上記実施形態では、各傾斜面部に対して一つの窪み部1315D(図12(a)参照)及び各傾斜面部に対して一つの突起部2315P(図12(b)参照)を設けるものであるが、これに限られない。例えば、少なくとも一方の傾斜面部に、少なくとも一つの窪み部及び/又は突起部を設けてもよい。
上記実施形態では、窪み部1315D及び突起部2315Pに形状を半円形状としているが、この形状に限らず、例えば、三角形状や四角形状等、SAPの逃がし領域となる形状、又は、吸収体13に対して仮プレスができる形状であればよい。なお、突起部2315Pの先端を、吸収体13への破損を防ぐために、丸みを設ける形状を採用してもよい。
上記実施形態では、複数の圧搾溝20が吸収体13の表面に連続して形成されることで、斜め格子状の配列パターンが出来上がっているが、これに限られない。複数の圧搾溝20は、例えば、吸収体13の表面に間欠的に形成されてもよいし、圧搾溝20の配列パターンは、例えば、三角形、六角形等の多角形の配列パターン、直線状、曲線状、または波状のものを並列したパターン等様々な配列パターンであってもよい。
上記実施形態では、吸収体13のトップシート14側に圧搾溝20が形成されているがこれに限られず、吸収体13のバックシート12側や、吸収体13のトップシート14側およびバックシート12側に圧搾溝20を形成してもよい。
上記実施形態に加えて、第1ロール30を加熱し、吸収体13を圧搾するときに、圧搾部分に熱を加えることによって、吸収性コア17上に積層されたシート部分を構成する繊維を伸びやすくすることで、吸収性コア17上に積層されたシート部分をさらに破れ難くすることも勿論可能である。
上記実施形態では、一方の回転部材に凸部31を設けて、回転部材間で吸収体13を圧搾し、圧搾溝20を設けているが、プレス部材に凸部31を設けて、プレス部材間で吸収体13を圧搾し、圧搾溝20を設けてもよい。
10 おむつ
10A ファスニングテープ
10B フロントパッチシート
10F 前身頃領域
10R 後身頃領域
10C 股下領域
10W ウエスト周り開口部
10L 脚周り開口部
11 カバーシート
11N、15N 切欠き部
12 バックシート(裏面シート)
13 吸収体
14 トップシート(表面シート)
15 立体ギャザー
16,19 糸ゴム
17 吸収性コア
18 被覆部材
20 圧搾溝
20a 第1圧搾溝
20b 第2圧搾溝
201A,201B 圧搾領域
202B 仮プレス領域
203A,203B 密度変化領域
204 非圧搾領域
30 第1ロール(回転部材)
30E,40E 外周面
31 凸部
31a 第1凸部
31b 第2凸部
40 第2ロール(第2回転部材)
100 圧搾溝の形成装置
310U 天面部
311S,1311S,2311S 第1側面部
312S,1312S,2312S 第2側面部
313T,1313T,2313T 第1傾斜面部
314T,1314T,2314T 第2傾斜面部
321P 第1交点
322P 第2交点
323P 第3交点
324P 第4交点
325P 第5交点
326P 第6交点
331L 第1直線
332L 第2直線
341PL 第1平行線
342PL 第2平行線
343PL 第3平行線
344PL 第4平行線
351NL 第1法線
352NL 第2法線
353NL 第3法線
354NL 第4法線
1315D 窪み部
2315P 突起部

Claims (7)

  1. 吸収性樹脂が分散配置されている吸収体を備えた吸収性物品に圧搾溝を形成する圧搾溝の形成装置であって、
    面から外方に突出するとともに、前記外周面の全周に亘って形成される格子状の凸部を備え、前記凸部を前記吸収体に対して移動させて前記吸収体を圧搾して前記吸収体に前記圧搾溝を形成する圧搾手段、を備え、
    前記凸部は、最小断面積となる断面において、第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部との間に配置される天面部と、前記第1側面部及び前記第2側面部の少なくともいずれか一方と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備えることを特徴とする圧搾溝の形成装置。
  2. 前記凸部は、前記第1側面部及び前記第2側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備え、
    前記外面と前記第1側面部との第1交点と、前記外面と前記第2側面部との第2交点とを結ぶ第1直線は、前記天面部と平行であり、
    前記第1側面部及び前記第1側面部と連続的に接続する前記傾斜面部と、前記第2側面部及び前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部と、前記第1直線の垂直二等分線である第2直線を対称軸とした線対称となることを特徴とする請求項1に記載の圧搾溝の形成装置。
  3. 液透過性の表面シートを前記吸収体に重ね、前記表面シートに前記凸部を当接させ、前記凸部で前記表面シート及び前記吸収体を圧搾して前記表面シート及び前記吸収体に前記圧搾溝を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧搾溝の形成装置。
  4. 前記傾斜面部は、少なくとも一つの窪み部及び/又は少なくとも一つの突起部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧搾溝の形成装置。
  5. 前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を滑らかに繋ぐように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧搾溝の形成装置を用いて製造された吸収性物品。
  6. 吸収性樹脂が分散配置されている吸収体を備えた吸収性物品を製造する圧搾溝の形成方法であって、
    外周面から外方に突出するとともに、前記外周面の全周に亘って形成される格子状の凸部を有する回転部材の回転に伴って、前記凸部に対応する形状が前記吸収体に形成されるように、前記吸収体を圧搾するステップであって、
    前記凸部は、最小断面積となる断面において、第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部との間に配置される天面部と、前記第1側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部と、を備え、
    前記回転部材の回転に伴って、前記吸収体に、前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域と、前記天面部により圧搾された圧搾領域とを形成する、前記吸収体を圧搾するステップと、
    前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を隣接する前記側面部により圧搾された密度変化領域とともに、滑らかに繋ぐように復元するステップと、
    を含むことを特徴とする圧搾溝の形成方法。
  7. 前記凸部は、前記第2側面部と前記天面部とを連続的に接続する傾斜面部をさらに備え、
    前記回転部材の回転に伴って、前記吸収体に、前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域を形成する、前記吸収体を圧搾するステップと、
    前記第2側面部と連続的に接続する前記傾斜面部により圧搾された仮プレス領域が、非圧搾領域と前記天面部により圧搾された圧搾領域との間を隣接する前記側面部により圧搾された密度変化領域とともに、滑らかに繋ぐように復元するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項6に圧搾溝の形成方法。
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