JP2018019803A - 吸収性物品の製造方法及びエンボス溝の形成装置 - Google Patents

吸収性物品の製造方法及びエンボス溝の形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートの破れや浮きを抑制し、エンボス溝を明瞭に形成することができる、吸収性物品の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の吸収性物品の製造方法は、表面シートと吸収体とが積層された積層体を、先端部に複数の凸部を備えた凸条部を有するエンボスロール84とバックアップロール85との間で加圧し、表面シート側の面にエンボス溝を形成するエンボス溝の形成工程を具備し、エンボスロールの凸条部82は、接触線長さが相対的に短い高線圧領域Hと、接触線長さが高線圧領域よりも長い低線圧領域Lとを有しており、高線圧領域Hにおける凸部81は、エンボスロールの軸方向の両端に位置する面a,bがそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、低線圧領域Lにおける凸部のエンボスロールの軸方向Yの一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい。【選択図】図5

Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品の製造方法及びエンボス溝の形成装置に関する。
従来、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品として、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、その表面シート側の面(着用時に着用者の肌に向けられる面)に、防漏性の向上、排泄部対向部の隆起促進による排泄部への密着性の向上等を目的としてエンボス溝を形成することが広く行われている。
エンボス溝の形成方法としては、表面シートと吸収体とを積層した積層体、表面シート、吸収体及び裏面シートを積層した積層体、それらに更に他のシートを積層した積層体等を、吸収性物品を装着した際の前方と後方を結ぶ方向(以下、長手方向という)に対応する方向に搬送しつつ、周面にエンボス溝の形状に対応する形状の凸条部を有する加熱可能なエンボスロールと、表面平滑なバックアップロールとの間に、その表面シート側の面をエンボスロール側にして挿通し、前記積層体を、前記凸条部とバックアップロール表面との間で部分的に圧搾する方法が広く行われている。このようにして形成されるエンボス溝は、一般に、長手方向に沿って高圧搾部と、低圧搾部又は非圧搾部とが交互に配置されている。
このようなエンボスの形成方法においては、エンボスロール及びバックアップロールに作用させる押圧力が一定であるため、吸収性物品を長手方向に直交する方向(以下、幅方向という)に横断する一本の線を引き、この横断線が高圧搾部と接触する部分の長さを横断線上において合計した長さを接触線長さと定義した場合、吸収性物品の略幅方向に沿う幅方向のエンボスの接触線長さが相対的に長く、吸収性物品の略長手方向に沿う長手方向のエンボスの接触線長さが相対的に短くなる。そのため、略幅方向のエンボス溝を形成する際の線圧と略長手方向のエンボス溝を形成する際の線圧とに差が生じ、線圧の低い部分に表面シートの浮きが生じ易く、その浮きを防ぐために線圧を高くすると線圧の高い部分に表面シートの破れを発生しやすい。
このような表面シートに破れや浮きが生じることを防止するために、吸収性物品の略幅方向に沿う幅方向のエンボスが存在する領域における前記接触線長さの最大値と、略長手方向に沿う長手方向のエンボスが存在する領域における前記接触線長さの最大値との差を5mm以内とした吸収性物品が提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、エンボス溝形成用の凸条部に、高さが異なる3つの領域を設け、吸収性物品の長手方向に沿う長手方向圧搾溝の底部に高圧搾領域及び中圧搾領域を形成し、長手方向圧搾溝を横断する低圧搾領域を形成する技術が記載されている。
また、特許文献3には、基材への圧搾部の進入を滑らかにして、表面シートの破れを防止する技術として、エンボスロールとして、先端面部分に溝底高圧搾部と、この溝底高圧搾部と高低差を有する溝底低圧搾部とを長手方向に沿って交互に形成するとともに、溝底高圧搾部及び溝底低圧搾部を含む吸収性物品に対する圧搾侵入側の側壁面に対し、傾斜面状の側圧搾部を形成した溝形成用突部を周面に備えるエンボスロールを用いる技術が提案されている。
特開2003−265519号公報 特開2011−229907号公報 特開2002−119540号公報
前述した特許文献1の技術は、接触線長さの最大値の差を5mm以内に抑制するためにエンボス溝の形状が制約されたり、接触線長さの最大値の差を5mm以内に抑制しても、エンボスロール及びバックアップロールに挟圧される基材はある程度の幅を持った面で接触するため、接触線長さの分布の偏りがあると加圧力の変動が生じ、表面シートの破れや浮きを十分に防止できない場合がある。特許文献2の技術は、吸収性物品の長手方向圧搾溝と幅方向圧搾溝とで線圧の差が大きい場合には、長手方向圧搾溝の高圧搾領域における表面シートの破れや、幅方向圧搾溝の高圧搾領域における表面シートの浮きを十分に防止できない場合がある。また特許文献3の技術は、エンボスロールの周方向における表面シートの破れ防止に対して効果が得られるものの、エンボスロールの軸方向における表面シートの破れ対策としては不十分である。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品の製造方法及びエンボス溝の形成装置を提供することにある。
本発明は、肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、前記表面シート側の面に、底部に高圧搾部及び低圧搾部が形成されたエンボス溝を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記表面シートと前記吸収体とが積層された積層体を、先端部に複数の凸部を備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間に挿通して加圧することにより、該表面シート側の面にエンボス溝を形成するエンボス溝の形成工程を具備し、前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、吸収性物品の製造方法を提供するものである。
また本発明は、凸部を先端部に複数備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとを備えたエンボス溝の形成装置であって、
前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、エンボス溝の形成装置を提供するものである。
本発明の吸収性物品の製造方法によれば、エンボス溝の形成工程において、シートの破れや浮きを発生することを抑制し、エンボス溝を明瞭に形成することができる。
本発明のエンボス溝の形成装置によれば、シートの破れや浮きを発生することを抑制し、エンボス溝を明瞭に形成することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施態様により製造される吸収性物品の一例を示す平面図である。 図2(a)は、図1のN部の拡大平面図であり、図2(b)は、図2(a)のII−II線断面図である。 図3は、本発明のエンボス溝の形成装置の一実施形態及び該装置を用いて積層体にエンボス溝を形成する様子を示す装置の要部側面図である。 図4は、図3に示すエンボス溝の形成装置のエンボスロール及びバックアープロールを示す斜視図である。 図5(a)は、エンボスロールの凸条部を平面状に展開して示す展開斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA部拡大平面図、図5(c)は、図5(a)のB部拡大平面図である。 図6(a)は、円筒状曲面を、エンボスロールの軸中心線と平行な直線で切断して平面状に展開したときの、該円筒状曲面上に設定する仮想直線と凸条部との重なり状態を示す展開平面図であり、図6(b)は、仮想直線を基準位置0から180度反対側の位置まで移動させたときの各位置における接触線長さを示したグラフである。 図7(a)は、図5(b)のAY1−AY2に沿う凸部の表面形状を示す断面図、図7(b)は、図5(b)のAX1−AX2に沿う凸部の表面形状を示す断面図、図7(c)は、図5(c)のBY1−BY2に沿う凸部の表面形状を示す断面図、図7(d)は、図5(c)のBX1−BX2に沿う凸部の表面形状を示す断面図である。 図8は、凸部の平面視形状のバリエーションを示す図である。 図9は、凸部の面の傾斜角の測定方法の説明図である。 図10(a)及び(b)は、凸部の面の傾斜角の測定方法の説明図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施態様により製造される吸収性物品の一例を示す平面図である。図1に示す吸収性物品1は、生理用ナプキンであり、肌対向面側に配された表面シート2、非肌対向面側に配された裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備している。本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性物品1の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、吸収性物品1の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
吸収性物品1について更に具体的に説明すると、吸収性物品1は、製造時における機械方向MDと同方向に長い縦長の形状を有しており、該機械方向MDに対応する長手方向E及び該長手方向Eに直交する幅方向Fを有している。
表面シート2は、液透過性であり、吸収体4の肌対向面側を被覆し、吸収性物品1の肌対向面を形成している。裏面シート3は、液難透過性であり、吸収体4の非肌対向面側を被覆し、吸収性物品1の非肌対向面を形成している。吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3間に挟まれた状態に固定されている。表面シート2の長手方向の左右両側部は、吸収体4の裏面シート3側の面側に巻き下げられ、吸収体4と裏面シート3との間に接着剤により固定されている。表面シート2及び裏面シート3は、図1に示すように、吸収性物品1の長手方向Eの両端部に、吸収体4の両端部から延出した延出部を有しており、それらの延出部同士がヒートシール、超音波シール及び接着剤等の任意の接合手段により接合されてエンドシール部5が形成されている。
吸収性物品1の表面シート2側の面には、エンボス加工により表面シート2と吸収体4とを一体的に圧搾して形成したエンボス溝6が形成されている。エンボス溝6は、図1に示すように、吸収性物品1の平面視において、吸収性物品1の長手方向Eに長い形状の環状に形成されている。
エンボス溝6においては、表面シート2と吸収体4とが一体的に窪んでおり、エンボス溝6の底部には、図1及び図2に示すように、高圧搾部61と低圧搾部62とが形成されている。より具体的には、高圧搾部61は、線状のエンボス溝6の延在方向に沿って間欠的に形成されている。エンボス溝6の幅方向中央部においては、高圧搾部61と低圧搾部62とがエンボス溝6の延在方向に沿って交互に配置されており、エンボス溝6の幅方向の両端部においては、低圧搾部62が連続している。高圧搾部61は、エンボス溝6の形成時に、低圧搾部62よりも強く圧搾された部分であり、図2(b)に示すように、高圧搾部61における吸収体4は、低圧搾部62における吸収体4よりも圧密化されている。より具体的には、高圧搾部61における吸収体4は、低圧搾部62における吸収体4よりも高密度となっており且つ低圧搾部62における吸収体4よりも厚みが薄くなっている。
次に、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施態様について、上述した吸収性物品1を製造する場合を例にして説明する。
本実施態様の製造方法は、図3及び図4に示すように、凸部81を先端部に複数備えた凸条部82を有するエンボスロール84と該エンボスロール84に対向配置されたバックアップロール85とを備えたエンボス溝の形成装置8を用いて、表面シート2と吸収体4とが積層された帯状の積層体7に、前述したエンボス溝6を形成する工程を具備する。
エンボス溝の形成装置8は、本発明のエンボス溝の形成装置の一実施形態であり、エンボスロール84は、前述した吸収性物品1のエンボス溝6の平面視形状に対応する形状の凸条部82を周方向の異なる位置に2つ有している。バックアップロール85は、表面平滑なロールである。エンボスロール84とバックアップロール85は、それぞれの回転軸の軸中心線3c,4cどうしが互いに平行となるように配され、周面どうしが相対向している。エンボス溝の形成装置8は、エンボスロール84の凸部81の先端とバックアップロール85の周面との間の隙間の距離を、エンボス加工前の積層体7の厚み未満に設定して使用される。エンボス溝の形成装置8には、エンボスロールの凸条部82を所定の温度に加熱し、その状態を維持可能な加熱手段が設けられている。
積層体7に対するエンボス加工は、エンボスロールの凸条部82を加熱して行うことが好ましいが、非加熱で行うこともできる。エンボスロールの凸条部82の加熱温度は、例えば、60℃以上250℃以下であり、また、表面シート2が熱可塑性繊維を主体として構成される場合(例えば、熱可塑性繊維の含有比率が70%以上100%以下の場合)、その熱可塑性繊維を軟化させる温度であることが好ましい。
凸条部82は、図5に示すように、その先端部に位置する先端面略平面状の高圧搾部形成用の複数の凸部81と、凸条部82の延在方向において相隣接する凸部81間及び個々の凸部81の両側に位置し、該凸部81との間に段差を有する低圧搾部形成用の低加圧部83とを有している。凸部81は、凸条部82の延在方向に間欠的に複数配置されている。凸条部82がこのような構成を有することにより、高圧搾部61は凸部81により圧搾され、低圧搾部62は低加圧部83により圧搾される。
本実施形態のエンボスロール84の凸条部82は、図4及び図6に示すように、高圧搾部形成用の凸部81の先端面が通る、エンボスロール84と同軸の円筒状曲面S上に、エンボスロール84の軸方向に延びる仮想直線9を想定し、該仮想直線9が、凸部81の先端面tと重なる長さの合計長さを「接触線長さ」と定義し、該仮想直線9の位置を、エンボスロール84の周方向に1mmずつ移動して、その各位置についての接触線長さを測定したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域Hと、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域Lとを有している。円筒状曲面Sは、エンボスロール84の回転軸の軸中心線3cを中心線とする円筒状であり、仮想直線9は、円筒状曲面S上に位置し、該軸中心線3cと平行な直線である。
図6(a)は、円筒状曲面Sを、エンボスロール84の軸中心線3cと平行な直線で切断して平面状に展開したときの、該円筒状曲面S上に設定する仮想直線9と凸条部82との重なり状態を示す展開平面図であり、図6(b)は、エンボスロール84の周面に位置する2つの凸条部82間の中間位置84cを基準位置0として、仮想直線9を、ロール84の回転方向の前側から後側に向かって、基準位置0から180度反対側の位置まで1mmずつ移動させたときの各位置における接触線長さを示したグラフである。
図6に示すように、エンボスロール84の凸条部82は、エンボスロール84の回転方向Rの前端部及び後端部のそれぞれに、前記接触線長さが相対的に長い低線圧領域Lを有し、前端部の低線圧領域Lと後端部の低線圧領域Lとの間に、前記接触線長さが相対的に短い高線圧領域Hを有している。
低線圧領域Lは、接触線長さが高線圧領域Hに比して長いことによって、エンボスロール84の軸方向に沿う凸部の単位長さ(1mm)当りの線圧が、高線圧領域Hにおける該線圧よりも低くなり、個々の凸部により積層体7に加えられる圧力が、高線圧領域Hの凸部よりも低くなる。反対に、高線圧領域Hは、接触線長さが低線圧領域Lに比して短いことによって、エンボスロール84の軸方向に沿う凸部の単位長さ(1mm)当り線圧が低線圧領域Lにおける該線圧よりも高くなり、個々の凸部により積層体7に加えられる圧力が、低線圧領域Lの凸部よりも高くなる。
なお、本実施形態におけるエンボスロール84においては、凸条部82の低線圧領域Lは、エンボスロール84の外周部の展開図において、外方に向かって凸の円弧状をなし、概ねエンボスロール84の軸方向Yに延びる一対の前後方部82e,82eを含んでおり、凸条部82の高線圧領域Hは、エンボスロール84の外周部の展開図において、直線状をなし、概ねエンボスロール84の周方向Xに延びる一対の側方部82s,82sを含んでいる。
また本実施形態に用いたエンボスロール84においては、凸条部82の高線圧領域Hにおける凸部81、より詳細には、前述した一対の側方部82s,82sに位置する各凸部81は、図7(a)に示すように、エンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面a,bがそれぞれ傾斜面となっている。高線圧領域Hにおける凸部81の軸方向Yの両端に位置する傾斜面である前記2面a,bのうち、エンボスロールの軸方向Yにおいて、外側に位置する面を面a、内側に位置する面を面bとしたとき、面a及び面bのいずれか一方又は両方は、低線圧領域Lにおける凸部81のエンボスロール84の軸方向Yの一端又は両端に位置する面e,fよりも傾斜角が大きくなっている。
すなわち、図7(c)に示すように、低線圧領域Lにおける凸部81の軸方向Yの両端に位置する2面e,fのうち、エンボスロール84の軸方向Yの一方の側に位置する面を面e、他方の側に位置する面を面fとしたとき、エンボスロール84は、以下の条件(1)及び条件(2)の何れか一方を満たすことが好ましく、以下の条件(1)及び(2)を満たしていることが更に好ましい。
(1)面aの傾斜角θY1が、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2の何れか一方又は双方より大きい。面aの傾斜角θY1は、少なくとも、エンボスロール84の軸方向Yにおいて同じ側を向いた面eの傾斜角φY1よりも大きいことが好ましい。
(2)面bの傾斜角θY2が、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2の何れか一方又は双方より大きい。面bの傾斜角θY2は、少なくとも、エンボスロール84の軸方向Yにおいて同じ側を向いた面fの傾斜角φY2よりも大きいことが好ましい。
低線圧領域Lの凸部及び高線圧領域Hの凸部のいずれについても、エンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角は、図5(b)、(c)、図7に示すように、凸部81の先端面の中心(図心)を通り、エンボスロール84の軸中心線3cを含む平面Lyによる断面において測定し、エンボスロール84の周方向Xの両端に位置する面の傾斜角は、図5(b)、(c)、図7に示すように、凸部81の先端面の中心(図心)を通り、エンボスロール84の軸中心線3cに直交する平面Lxによる断面において測定する。傾斜角は、該断面において、凸部81の先端面と傾斜面との交点を通る垂直線と、傾斜面とがなす角度と定義する。傾斜角を求める際の基準(角度0°)とする「垂直線」は、個々の凸部81について、その凸部81の先端面tの中心(図心)を通り且つエンボスロールの軸中心線3cに直交する直線に対して平行な直線とする。
また、高線圧領域Hの凸部についての傾斜角は、図5(a)に示すように、エンボスロール84の周方向Xにおける、高線圧領域Hの中央部又はその近傍に位置する凸部について測定することが好ましく、低線圧領域Lの凸部についての傾斜角は、図5(a)に示すように、エンボスロール84の軸方向の中央部又はその近傍に位置する凸部について測定することが好ましい。
このようなエンボスロール84を備えたエンボス溝の形成装置8を用いて、表面シート2と吸収体4とが積層された積層体7に、エンボス溝6を形成することで、低線圧領域Lで加圧した部分に表面シート2の浮きが生じないように、エンボスロール84に強めの荷重をかけて加圧した場合であっても、高線圧領域Hで加圧した部分に、表面シート2の破れが生じにくくなる。
この理由は、狭圧時において高線圧領域Hの凸部81における傾斜面に作用する圧力は、傾斜面に垂直な力成分と平行な力成分に分解されるとともに、これらの力成分のうち傾斜面に垂直な力成分が表面シート2を吸収体4に押し付けることで表面シート2と吸収体4との貼合せ補強が行われるとともに、傾斜面に平行な力成分がベクトル分解により弱くなることで表面シート2が伸ばされにくくなるからである。
このような効果が一層確実に奏されるようにする観点から、高線圧領域Hにおける凸部81における、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角θY1,θY2は、それぞれ、低線圧領域Lにおける凸部81における、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは6°以上、更に好ましくは7°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは51°以下、更に好ましくは42°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは6°以上51°以下、更に好ましくは7°以上42°以下である。
なお、本実施形態のエンボス溝の形成装置8においては、凸条部82の凸部81は、何れも、エンボスロール84の軸中心線3cから先端面までの距離が一定で、凸条部82が突出する基面mからの高さも一定であるが、高線圧領域Hの凸部81と低線圧領域Lの凸部81とで、本発明の効果が奏される限り、エンボスロール84の軸中心線3cから先端面までの距離が異なっていても良い。また、面aと面bとで、傾斜角が等しいが、面aと面bとで傾斜角が異なっていても良い。同様に、面eと面fとで、傾斜角が等しいが、面eと面fとで傾斜角が異なっていても良い。
上述した効果が一層確実に奏されるようにする観点から、高線圧領域Hにおける凸部81は、エンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する傾斜面a,bそれぞれの傾斜角θY1,θY2が、いずれも、低線圧領域Lにおける凸部81のエンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面e,fそれぞれの傾斜角φY1,φY2より大きいことが好ましい。
本実施形態で用いたエンボスロール84においては、図7(d)に示すように、凸条部82の低線圧領域Lにおける凸部81、より詳細には、前述した前後方部82eに位置する各凸部81は、エンボスロール84の周方向Xの両端に位置する面g,hがそれぞれ傾斜面となっている。本実施形態においては、面gと面hとで傾斜角が等しいが、面gと面hとで傾斜角が異なっていても良い。
低線圧領域Lにおける凸部81の周方向Xの両端に位置する傾斜面である前記2面g,hのうち、エンボスロール84の回転方向Rの前方側に位置する面を面g、後方側に位置する面を面hとしたとき、面g及び面hは、何れも、低線圧領域Lにおける凸部81のエンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面e,fの一方又は両方よりも傾斜角が大きいか、傾斜角が等しいことが好ましい。すなわち、本発明におけるエンボスロール84は、以下の条件(3)及び条件(4)を満たしていることが好ましい。
(3)面gの傾斜角φX1は、面eの傾斜角φY1以上であり且つ面fの傾斜角φY2以上である。面gの傾斜角φX1は、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2の何れか一方よりも大きいことがより好ましく、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2のいずれよりも大きいことが更に好ましい。
(4)面hの傾斜角φX2は、面eの傾斜角φY1以上であり且つ面fの傾斜角φY2以上である。面hの傾斜角φX2は、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2の何れか一方よりも大きいことがより好ましく、面eの傾斜角φY1及び面fの傾斜角φY2のいずれよりも大きいことが更に好ましい。
凸条部82の低線圧領域Lにおける凸部81の、エンボスロール84の周方向Xの両端に位置する面g,hの傾斜角が、エンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面e,fの傾斜角以上であることによって、相対的に傾斜角の小さい面e,f側で形成された高圧搾部61においては輪郭が鋭角となり視認性が確保されやすい。また、エンボスロール84の周方向Xでの長さが短い低線圧領域Lにおける高圧搾部61では、搬送時の張力が集中し易いために表面シート2の浮きが生じ易いが、相対的に傾斜角の大きい面g,h側で形成された高圧搾部61においては傾斜面に垂直な力成分により表面シート2と吸収体4との貼合せ補強が行われるとともに、傾斜面に平行な力成分がベクトル分解により弱くなることで表面シート2が伸ばされにくくなり、表面シート2の浮きを効果的に防止し得る。
このような効果が一層確実に奏されるようにする観点から、低線圧領域Lにおける凸部81における、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面の傾斜角φX1,φX2は、それぞれ、該凸部81における、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは2°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは6°以上であり、また好ましくは40°以下、より好ましくは37°以下、更に好ましくは34°以下であり、また好ましくは2°以上40°以下、より好ましくは
4°以上37°以下、更に好ましくは6°以上34°以下である。
本実施形態で用いたエンボスロール84においては、凸条部82の高線圧領域Hにおける凸部81、より詳細には、前述した一対の側方部82s,82sに位置する各凸部81は、図7(b)に示すように、エンボスロール84の周方向Xの両端に位置する面c,dがそれぞれ傾斜面となっている。本実施形態においては、面cと面dとで、傾斜角が等しいが、面cと面dとで傾斜角が異なっていても良い。
高線圧領域Hにおける凸部81の周方向Xの両端に位置する傾斜面である2面c,dのうち、エンボスロール84の回転方向Rの前方側に位置する面を面c、後方側に位置する面を面dとしたとき、面c及び面dは、何れも、同じ凸部81のエンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面a,bの一方又は両方よりも傾斜角が小さいか、傾斜角が等しいことが好ましい。
すなわち、本発明におけるエンボスロール84は、以下の条件(5)及び条件(6)を満たしていることが好ましい。
(5)面cの傾斜角θX1は、面aの傾斜角θY1以下であり且つ面bの傾斜角θY2以下である。面cの傾斜角θX1は、面aの傾斜角θY1及び面bの傾斜角θY2の何れか一方よりも小さいことがより好ましく、面aの傾斜角θY1及び面bの傾斜角θY2のいずれよりも小さいことが更に好ましい。
(6)面dの傾斜角θX2は、面aの傾斜角θY1以下であり且つ面bの傾斜角θY2以下である。面dの傾斜角θX2は、面aの傾斜角θY1及び面bの傾斜角θY2の何れか一方よりも小さいことがより好ましく、面aの傾斜角θY1及び面bの傾斜角θY2のいずれよりも小さいことが更に好ましい。
凸条部82の高線圧領域Hにおける凸部81の、エンボスロール84の周方向Xの両端に位置する面c,dの傾斜角が、エンボスロール84の軸方向Yの両端に位置する面a,bの傾斜角以下であることによって、相対的に傾斜角の小さい面c,d側で形成された高圧搾部61においては輪郭が鋭角となり視認性が確保されやすい。また、エンボスロール84の軸方向Yでの長さが短い高線圧領域Hにおける高圧搾部61では、軸方向Yの表面シート2の伸びによる張力が集中し易いために表面シート2が破れ易いが、相対的に傾斜角の大きい面a,b側で形成された高圧搾部61においては傾斜面に垂直な力成分により表面シート2と吸収体4との貼合せ補強が行われるとともに、傾斜面に平行な力成分がベクトル分解により弱くなることで表面シート2が伸ばされにくくなり、表面シート2の破れを一層効果的に防止し得る。
このような効果が一層確実に奏されるようにする観点から、高線圧領域Hにおける凸部81における、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面c,dの傾斜角θX1,θX2は、それぞれ、該凸部81における、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは11°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは29°以下、更に好ましくは28°以下であり、また好ましくは5°以上30°以下、より好ましくは8°以上29°以下、更に好ましくは11°以上28°以下である。
上述した一又は二以上の効果がより確実に奏されるようにする観点から、高線圧領域Hにおける凸部81は、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面a,bの傾斜角θY1,θY2〔図7(a)参照〕が、それぞれ、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、更に好ましくは15°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは10°以上55°以下、更に好ましくは15°以上50°以下である。
同様の観点から、高線圧領域Hにおける凸部81は、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面c,dの傾斜角θX1,θX2〔図7(b)参照〕が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは2°以上、更に好ましくは4°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは26°以下、更に好ましくは22°以下であり、また好ましくは0°以上30°以下、より好ましくは2°以上26°以下、更に好ましくは4°以上22°以下である。
同様の観点から、低線圧領域Lにおける凸部81は、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面e,fの傾斜角φY1,φY2〔図7(c)参照〕が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは8°以上であり、また好ましくは20°以下、より好ましくは18°以下、更に好ましくは16°以下であり、また好ましくは0°以上20°以下、より好ましくは4°以上18°以下、更に好ましくは8°以上16°以下である。
同様の観点から、低線圧領域Lにおける凸部81は、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面g,hの傾斜角φX1,φX2〔図7(d)参照〕が、それぞれ、好ましくは2°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは14°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは0°以上60°以下、より好ましくは8°以上55°以下、更に好ましくは14°以上50°以下である。
同様の観点から、凸部81は、低加圧部83から突出する高さT1〔図7(a)参照〕が、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下である。
また凸部81の高さT1は、凸条部82の全高T〔図7(a)参照〕に対して、好ましくは5.0%以上、より好ましくは6.0%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは5.0%以上50%以下であり、より好ましくは6.0%以上20%以下である。
エンボス溝の形成装置8を用いて吸収性物品1を製造するには、例えば、長尺状の表面シート2と、表面シート2の長手方向に間欠的に配置された吸収体4とを含む積層体7を、吸収性物品1の長手方向に対応する方向に沿って連続搬送しつつ、所定の温度に加熱したエンボスロール84とバックアップロール85との間に、その表面シート2側の面をエンボスロール84側にして挿通する。これにより、その積層体7に、凸部81により圧搾された高圧搾部61と、低加圧部83により圧搾された低圧搾部62を底部に有するエンボス溝6が形成される。エンボス溝6は、表面シート2と吸収体4とが重なっている部分に形成される。そして、エンボス溝6が形成された積層体の吸収体4側の面上に、常法に従い、裏面シート3を積層接着し、次いで、隣接する吸収体間で表裏面シート間を熱シールすると共にその熱シール部で個々の吸収性物品に切断することにより、吸収性物品1が得られる。積層体7の吸収体4側の面に帯状の裏面シート3を積層した状態でエンボス溝の形成装置8に通しても良い。
エンボスロール84とバックアップロール85による圧搾の圧力は1.5〜6MPaであることが好ましく、表面シートの融点が低い材料のような場合には3〜6MPaであることがより好ましい。この様な圧力の時に、エンボス溝の浮きや表面シートの切れが発生しやすいが、本発明の方法又は装置を用いることで、そのような不都合を防止することができる。
本発明は、表面シートとして、低融点樹脂からなる繊維を含むシート材を用いる場合に特に有効である。低融点樹脂からなる繊維を含むシート材を表面シートとして用いる場合には、繊維が固化しきれずに、繊維が切れたままで、明瞭なエンボスを得られないことがあるから、エンボスロールの温度を比較的低温、例えば80〜200℃、特に80〜150℃程度に抑えることが好ましいが、上述した条件を満たすエンボスであれば、そのような温度であっても表面シートに浮きを生じることなく明瞭なエンボスを形成することができる。
低融点樹脂からなる繊維としては、その全体が低融点樹脂からなる繊維、芯鞘型の複合繊維であって、その鞘成分が低融点樹脂からなるもの、サイドバイサイド型の複合繊維であって、その何れかの成分が低融点樹脂からなるもの等の何れもが含まれる。低融点樹脂としては、例えば融点が150℃以下の樹脂、例えばポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレンランダム共重合体、等が挙げられる。シート材中の、低融点樹脂からなる繊維の含有率は例えば60〜100%、或いは80〜100%とすることができる。
低融点樹脂からなる繊維を含むシート材としては、低融点樹脂からなる繊維を、熱融着法、水流交絡法、ニードルパンチ法、溶剤接着法等により不織布化して得られる不織布、低融点樹脂を用いてスパンボンド法、メルトブローン法等の方法で得た不織布等が好ましく用いられる。このような不織布は、一種を単独で使用しても良く、2種以上を積層して両者間を部分的に接合して用いることができる。また、不織布と、カード法により得られた繊維ウエブを積層して両者間を部分的に接合したもの等を用いることもできる。
尚、吸収体4としては、パルプ繊維等の繊維材料のみからなるもの、繊維材料と高吸水性ポリマーからなるもの等を用いることができる。繊維材料と高吸水性ポリマーを含む場合の高吸水性ポリマーの存在形態は、繊維材料の繊維間隙に分散した状態で保持されていても、繊維材料からなる不織布や繊維ウエブ間にサンドイッチされていても良い。繊維材料は、不織布の形態であっても良い。繊維材料としては、パルプ繊維、レーヨン、コットン、酢酸セルロース等の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニルモノマー重合体の繊維等が挙げられる。疎水性の繊維は、通常、親水化処理して用いられる。高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。
裏面シート3の形成材料としては、吸収性物品において用いられている各種公知の材料(例えば、樹脂フィルム等)を特に制限することなく用いることができる。
本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上述した凸条部の先端部に設ける高圧搾部形成用の凸部81は、その平面視形状が図8に示すようなものであっても良い。図8において、Lxは、各凸部81の先端面の中心(図心)を通り、エンボスロールの軸中心線3cに直交する平面を示し、Lyは、各凸部81の先端面の中心(図心)を通り、エンボスロール84の軸中心線3cを含む平面を示す。
なお、凸部81の先端面の輪郭が曲線で、先端面の長軸が、平面Lx及び平面Lyの何れに対しても傾いて配置されている場合、平面Lx又は平面Lyによる断面で視た凸部81の側壁面は、図9に示すように曲率を有する場合がある。その場合、凸部81の先端面tと傾斜面とが交わる角P1と、低加圧部83の凸部81側の端部P2とを結ぶ仮想線を引き、角P1を通る垂直線とその仮想線とのなす角度θを傾斜角とする。
また、図10(a)に示すように、凸部81の先端面tの角部に、面取り加工が施されている場合、その面取り加工部86aより下側に位置する部分と、面取り加工部86aの下端Paを通る垂直線とのなす角度θを、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面又は軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角とする。
より詳細には、図10(a)に示すように、凸部81が、その先端面tから下方へ向かって傾斜の異なる複数の面86a,86bを有する場合や、図10(b)に示すように、凸部81が、その先端面tから下方へ向かって傾斜の異なる複数の面86a,86b,86cを有する場合、各面について、先端面tから各面の下端までの距離を測定し、該距離が0.3mm未満の面については、面取り加工部を構成する面と見做して傾斜角の測定対象とはせずに、該距離が0.3mm以上となる面の傾斜角を、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面又は軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角として測定する。
例えば、図10(b)に示す例において、先端面tから面86aの下端Paまでの距離Taが0.3mm未満で、面86bの下端Pbまでの距離Tbが0.3mm以上である場合は、面86bを傾斜角の測定対象とし、面86bと、面86aの下端Paを通る垂直線とのなす角度θをエンボスロールの周方向Xの両端に位置する面又は軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角とする。それとは異なり、先端面tから面86bの下端Pbまでの距離Tbも0.3mm未満で、面86cの下端までの距離Tcが0.3mm以上である場合は、面86cを傾斜角の測定対象とし、面86cと、面86bの下端Pbを通る垂直線とのなす角度(図示せず)を、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面又は軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角とする。
例えば、凸部81が先端面tの周囲に面取り加工部を有する場合、傾斜角を測定する対象の面、好ましくは傾斜面は、凸部81の高さ方向に沿う高さT2が、凸部81の高さT1に対して、好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上、更に好ましくは6%以上であり、また好ましくは100%未満である。
凸条部や凸部に関し、距離Ta〜Tc、高さT1、凸条部の全高T、傾斜角の測定対象面の高さT2等は、凸部81の先端面tの中心(図心)を通り且つエンボスロールの軸中心線3cに直交する直線に沿って測定する。
本発明における吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー、失禁パッド、使い捨ておむつ、使い捨ておむつと併用される尿取りパッド等であっても良い。吸収性物品は、着用者から排出される液の吸収に用いられるものが好ましい。吸収性物品1は、長手方向の両側部にウイング部やサイド防漏部を有するものであっても良く、また具体的な用途に応じて、立体ギャザーや、サイドギャザー、ファスニングテープ等の各種公知の部材が付加されていても良い。
また図7に示す例では、高線圧領域H及び低線圧領域Lのいずれの凸部81についても、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する面の傾斜角が同じであり、高線圧領域H及び低線圧領域Lのいずれの凸部81についても、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する面の傾斜角が同じであったが、高線圧領域Hの凸部81及び低線圧領域Lの凸部81のいずれについても、エンボスロールの軸方向Yの両端に位置する2面どうしで傾斜角が異なっていても良いし、エンボスロールの周方向Xの両端に位置する2面どうしで傾斜角が異なっていても良い。
例えば、高線圧領域Hの凸部81については、エンボスロール84の軸方向Yの内側に位置する面bの傾斜角θY2を、該軸方向Yの外側に位置する面aの傾斜角θY1よりも大きくし、且つ低線圧領域Lの凸部81については、エンボスロール84の軸方向Yの両側の面e,fどうしで傾斜角φY1、φY2を同じとするとともに、前記傾斜角θY2,θY1のいずれについても前記傾斜角φY1、φY2よりも大きくすることができる。また、それに加えて、高線圧領域Hの凸部81のエンボスロール84の周方向の前方の面と後方の面とで、傾斜角を異ならせ、そのいずれについても前述した傾斜角φY1、φY2よりも大きくすることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上記の各実施形態に制限されず適宜変更可能である。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品の製造方法又はエンボス溝の形成装置を開示する。
<1>
肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、前記表面シート側の面に、底部に高圧搾部及び低圧搾部が形成されたエンボス溝を有する吸収性物品の製造方法であって、前記表面シートと前記吸収体とが積層された積層体を、先端部に複数の凸部を備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間に挿通して加圧することにより、該表面シート側の面にエンボス溝を形成するエンボス溝の形成工程を具備し、前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、吸収性物品の製造方法。
<2>
前記高圧搾部は、線状の前記エンボス溝の延在方向に沿って間欠的に形成されている、前記<1>に記載の吸収性物品の製造方法。
<3>
前記エンボス溝の幅方向中央部においては、前記高圧搾部と前記低圧搾部とが該エンボス溝の延在方向に沿って交互に配置されており、該エンボス溝の幅方向の両端部においては、前記低圧搾部が連続している、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品の製造方法。
<4>
前記高圧搾部における前記吸収体は、前記低圧搾部における前記吸収体よりも圧密化されており、前記高圧搾部における前記吸収体は、前記低圧搾部における前記吸収体よりも厚みが薄くなっている、前記<1>〜<3>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<5>
前記凸部は、前記凸条部の延在方向に間欠的に複数配置されている、前記<1>〜
<4>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<6>
前記凸条部は、該凸条部の延在方向において相隣接する前記凸部間及び個々の前記凸部の両側に位置し、該凸部との間に段差を有する低加圧部を有する、前記<1>〜<5>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<7>
前記高圧搾部は、前記凸部により圧搾され、前記低圧搾部は前記低加圧部により圧搾される、前記<1>〜<6>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<8>
前記凸条部は、前記エンボスロールの回転方向の前端部及び後端部のそれぞれに、前記接触線長さが相対的に長い前記低線圧領域を有し、前記前端部の低線圧領域と前記後端部の低線圧領域との間に、前記接触線長さが相対的に短い前記高線圧領域を有している、前記<1>〜<7>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<9>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する前記傾斜面それぞれの傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角より大きい、前記<1>〜<8>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<10>
前記高線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、前記低線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは6°以上、更に好ましくは7°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは51°以下、更に好ましくは42°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは6°以上51°以下、更に好ましくは7°以上42°以下である、前記<1>〜<9>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<11>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以上である、前記<1>〜<10>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<12>
前記低線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、該凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは2°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは6°以上であり、また好ましくは40°以下、より好ましくは37°以下、更に好ましくは34°以下であり、また好ましくは2°以上40°以下、より好ましくは4°以上37°以下、更に好ましくは6°以上34°以下である、前記<1>〜<11>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<13>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以下である、前記<1>〜<12>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<14>
前記高線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、該凸部における、エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは11°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは29°以下、更に好ましくは28°以下であり、また好ましくは5°以上30°以下、より好ましくは8°以上29°以下、更に好ましくは11°以上28°以下である、前記<1>〜<13>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<15>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、更に好ましくは15°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは10°以上55°以下、更に好ましくは15°以上50°以下である、前記<1>〜<14>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<16>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは2°以上、更に好ましくは4°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは26°以下、更に好ましくは22°以下であり、また好ましくは0°以上30°以下、より好ましくは2°以上26°以下、更に好ましくは4°以上22°以下である、前記<1>〜<15>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<17>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは8°以上であり、また好ましくは20°以下、より好ましくは18°以下、更に好ましくは16°以下であり、また好ましくは0°以上20°以下、より好ましくは4°以上18°以下、更に好ましくは8°以上16°以下である、前記<1>〜<16>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<18>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは2°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは14°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは0°以上60°以下、より好ましくは8°以上55°以下、更に好ましくは14°以上50°以下である、前記<1>〜<17>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<19>
前記凸部は、前記低加圧部から突出する高さT1が、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下である、前記<1>〜<18>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<20>
前記凸部の高さT1は、前記凸条部の全高Tに対して、好ましくは5.0%以上、より好ましくは6.0%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは5.0%以上50%以下であり、より好ましくは6.0%以上20%以下である、前記<1>〜<19>の何れか1つに記載の吸収性物品の製造方法。
<21>
前記凸条部は、前記エンボスロールの軸方向に延びる一対の前後方部と、前記エンボスロールの周方向に延びる一対の側方部を有し、前記低線圧領域は一対の前記前後方部を含み、前記高線圧領域は一対の前記側方部を含む、<1>〜<20>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<22>
凸部を先端部に複数備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとを備えたエンボス溝の形成装置であって、
前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、エンボス溝の形成装置。
<23>
前記凸部は、前記凸条部の延在方向に間欠的に複数配置されている、前記<22>に記載のエンボス溝の形成装置。
<24>
前記凸条部は、該凸条部の延在方向において相隣接する前記凸部間及び個々の前記凸部の両側に位置し、該凸部との間に段差を有する低加圧部を有する、前記<22>又は<23>に記載のエンボス溝の形成装置。
<25>
前記高圧搾部は、前記凸部により圧搾され、前記低圧搾部は前記低加圧部により圧搾される、前記<22>〜<24>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<26>
前記凸条部は、前記エンボスロールの回転方向の前端部及び後端部のそれぞれに、前記接触線長さが相対的に長い前記低線圧領域を有し、前記前端部の低線圧領域と前記後端部の低線圧領域との間に、前記接触線長さが相対的に短い前記高線圧領域を有している、前記<22>〜<25>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<27>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する前記傾斜面それぞれの傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角より大きい、前記<22>〜<26>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<28>
前記高線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、前記低線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは6°以上、更に好ましくは7°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは51°以下、更に好ましくは42°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは6°以上51°以下、更に好ましくは7°以上42°以下である、前記<22>〜<27>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<29>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以上である、前記<22>〜<28>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<30>
前記低線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、該凸部における、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは2°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは6°以上であり、また好ましくは40°以下、より好ましくは37°以下、更に好ましくは34°以下であり、また好ましくは2°以上40°以下、より好ましくは4°以上37°以下、更に好ましくは6°以上34°以下である、前記<22>〜<29>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<31>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以下である、前記<22>〜<30>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<32>
前記高線圧領域における前記凸部における、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角は、それぞれ、該凸部における、エンボスロールの軸方向の両端に位置する面のうちの傾斜角が大きい方との差が、好ましくは5°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは11°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは29°以下、更に好ましくは28°以下であり、また好ましくは5°以上30°以下、より好ましくは8°以上29°以下、更に好ましくは11°以上28°以下である、前記<22>〜<31>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<33>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、更に好ましくは15°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは5°以上60°以下、より好ましくは10°以上55°以下、更に好ましくは15°以上50°以下である、前記<22>〜<32>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<34>
前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは2°以上、更に好ましくは4°以上であり、また好ましくは30°以下、より好ましくは26°以下、更に好ましくは22°以下であり、また好ましくは0°以上30°以下、より好ましくは2°以上26°以下、更に好ましくは4°以上22°以下である、前記<22>〜<33>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<35>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは0°以上、より好ましくは4°以上、更に好ましくは8°以上であり、また好ましくは20°以下、より好ましくは18°以下、更に好ましくは16°以下であり、また好ましくは0°以上20°以下、より好ましくは4°以上18°以下、更に好ましくは8°以上16°以下である、前記<22>〜<34>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<36>
前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面の傾斜角が、それぞれ、好ましくは2°以上、より好ましくは8°以上、更に好ましくは14°以上であり、また好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、更に好ましくは50°以下であり、また好ましくは0°以上60°以下、より好ましくは8°以上55°以下、更に好ましくは14°以上50°以下である、前記<22>〜<35>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<37>
前記凸部は、前記低加圧部から突出する高さT1が、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下である、前記<22>〜<36>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<38>
前記凸部の高さT1は、前記凸条部の全高Tに対して、好ましくは5.0%以上、より好ましくは6.0%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは5.0%以上50%以下であり、より好ましくは6.0%以上20%以下である、前記<22>〜<37>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
<39>
前記凸条部は、前記エンボスロールの軸方向に延びる一対の前後方部と、前記エンボスロールの周方向に延びる一対の側方部を有し、前記低線圧領域は一対の前記前後方部を含み、前記高線圧領域は一対の前記側方部を含む、<22>〜<38>の何れか1つに記載のエンボス溝の形成装置。
1 吸収性物品
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
6 エンボス溝
61 高圧搾部
62 低圧搾部
7 積層体
8 エンボス溝の形成装置
81 高圧搾部形成用の凸部
82 凸条部
82e 前後方部
82s 側方部
83 低加圧部
84 エンボスロール
85 バックアップロール
9 仮想直線

Claims (6)

  1. 肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、前記表面シート側の面に、底部に高圧搾部及び低圧搾部が形成されたエンボス溝を有する吸収性物品の製造方法であって、
    前記表面シートと前記吸収体とが積層された積層体を、先端部に複数の凸部を備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間に挿通して加圧することにより、該表面シート側の面にエンボス溝を形成するエンボス溝の形成工程を具備し、
    前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、
    前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、吸収性物品の製造方法。
  2. 前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する前記傾斜面それぞれの傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角より大きい、請求項1に記載の吸収性物品の製造方法。
  3. 前記低線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以上である、請求項1又は2に記載の吸収性物品の製造方法。
  4. 前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの周方向の両端に位置する面それぞれの傾斜角が、該凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
  5. 前記凸条部は、前記エンボスロールの軸方向に延びる一対の前後方部と、前記エンボスロールの周方向に延びる一対の側方部を有し、前記低線圧領域は一対の前記前後方部を含み、前記高線圧領域は一対の前記側方部を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
  6. 凸部を先端部に複数備えた凸条部を有するエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとを備えたエンボス溝の形成装置であって、
    前記エンボスロールの前記凸条部は、前記凸部の先端面が通る円筒状曲面上に、該エンボスロールの軸方向に延びる仮想直線を想定し、該仮想直線が、前記凸部の前記先端面と重なる長さの合計長さを接触線長さと定義したときに、該接触線長さが相対的に短い高線圧領域と、該接触線長さが該高線圧領域よりも長い低線圧領域とを有しており、
    前記高線圧領域における前記凸部は、前記エンボスロールの軸方向の両端に位置する面がそれぞれ傾斜面となっており、該傾斜面の一方又は両方の傾斜角が、前記低線圧領域における前記凸部の前記エンボスロールの軸方向の一端又は両端に位置する面の傾斜角より大きい、エンボス溝の形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019111789A1 (ja) * 2017-12-08 2019-06-13 王子ホールディングス株式会社 圧搾溝の形成装置、形成方法及び吸収性物品
JP2019103781A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 王子ホールディングス株式会社 圧搾溝の形成装置、形成方法及び吸収性物品
CN115054442A (zh) * 2022-06-07 2022-09-16 百润(中国)有限公司 一种扩散式吸收芯体及其生产工艺

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