JP6546547B2 - プーリ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじりコイルばねを備えたプーリ構造体に関する。
ベルトが巻回される筒状の外回転体と、外回転体の内側に設けられ、外回転体に対して外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体とを含むプーリ構造体において、外回転体と内回転体との間にねじりコイルばねを設けたものが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1のねじりコイルばねは、プーリ構造体に外力が付与されていない状態(即ち、プーリ構造体が停止した状態)において、回転軸に沿った軸方向に圧縮され、軸方向の一端側で外回転体及び内回転体の一方に接触する一端側領域と、軸方向の他端側で外回転体及び内回転体の他方に接触する他端側領域と、一端側領域及び他端側領域の間において外回転体及び内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有する。そして、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、他端側領域のうち少なくとも一部分が外回転体及び内回転体の他方から離れるように構成されている。当該構成によると、ばねの巻き数を増やすことなくねじりコイルばねの耐疲労性を向上させることができる。
特開2014−114947号公報
しかしながら、特許文献1の構成(即ち、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、他端側領域のうち少なくとも一部分が外回転体及び内回転体の他方から離れる構成)では、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、他端側領域における外回転体及び内回転体の他方に対する固定力が、一端側領域における外回転体及び内回転体の一方に対する固定力に比べて小さくなり得る。そのため、振動等の外的要因によって、ねじりコイルばねの軸が両回転体の回転軸に対して偏心、傾斜する等して、ねじりコイルばねの姿勢が不安定となり、ねじりコイルばねが安定してねじり変形できないという問題が生じ得る。
本発明の目的は、ばねの巻き数を増やすことなくねじりコイルばねの耐疲労性を向上させることができると共に、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合にもねじりコイルばねが安定してねじり変形できるプーリ構造体を提供することである。
本発明に係るプーリ構造体は、ベルトが巻回される筒状の外回転体と、前記外回転体の内側に設けられ、前記外回転体に対して前記外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体と、前記外回転体と前記内回転体との間に設けられたねじりコイルばねとを備えたプーリ構造体において、前記ねじりコイルばねは、前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記回転軸に沿った軸方向に圧縮され、前記軸方向の一端側で前記外回転体及び前記内回転体の一方に接触する一端側領域と、前記軸方向の他端側で前記外回転体及び前記内回転体の他方に接触する他端側領域と、前記一端側領域及び前記他端側領域の間において前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有し、前記外回転体及び前記内回転体の他方は、前記他端側領域を前記軸方向及び前記回転軸の径方向に支持する支持溝部を有し、前記ねじりコイルばねの他端を前記支持溝部に対して少なくとも前記回転軸の周方向に固定する固定部をさらに備え、前記外回転体と前記内回転体との相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記他端側領域における前記他端を除いた少なくとも一部分が前記外回転体及び前記内回転体の他方から離れるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、他端側領域における他端を除いた少なくとも一部分が外回転体及び内回転体の他方から離れるように構成されているため、ばねの巻き数を増やすことなくねじりコイルばねの耐疲労性を向上させることができる。さらに、固定部を設けたことで、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合にも、他端が支持溝部に対して固定された状態が維持されるため、ねじりコイルばねの姿勢が安定し、ねじりコイルばねが安定してねじり変形できる。
前記外回転体及び前記内回転体の他方は、前記ねじりコイルばねの他端面と前記周方向に対向する当接面を有し、前記固定部は、前記他端面が前記当接面と当接する位置関係となるように、前記他端を前記支持溝部に対して固定してよい。この場合、他端面が当接面を周方向に押圧することができるため、固定部の強度面における負担を軽減することができる。
前記固定部は、前記他端を前記支持溝部に対して前記周方向及び前記径方向に固定してよい。この場合、固定部が他端を支持溝部に対して径方向に固定しない場合に比べ、他端側領域における外回転体及び内回転体の他方に対する固定力が増大する。これにより、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合にも、ねじりコイルばねの姿勢がより安定し、ねじりコイルばねがより安定してねじり変形できる。
前記固定部は、前記他端及び前記支持溝部の一方に設けられ、前記軸方向に延在したピンと、前記他端及び前記支持溝部の他方に設けられ、前記ピンが挿入されるピン穴とを含んでよい。この場合、比較的簡単な構成で、上記効果(ねじりコイルばねの姿勢がより安定し、ねじりコイルばねがより安定してねじり変形できるという効果)を得ることができる。
記固定部は、前記他端及び前記支持溝部の一方に設けられ、前記径方向に突出したキーと、前記他端及び前記支持溝部の他方に設けられ、前記キーが挿入されるキー溝とを含むと共に、前記支持溝部に設けられ、前記径方向に突出した突起を含み、前記支持溝部における前記突起と対向する部分と前記突起との間で前記他端を前記径方向に挟持してもよい。この場合、比較的簡単な構成で、且つ、部品点数を増加させることなく、上記効果(ねじりコイルばねの姿勢がより安定し、ねじりコイルばねがより安定してねじり変形できるという効果)を得ることができる。
前記当接面が、前記軸方向から見て円弧状であってよい。この場合、当接面が軸方向から見て径方向に沿った直線状の場合に比べ、加工性がよい。また、当接面が軸方向から見て円弧状の場合、他端面が当接面を周方向に押圧すると、他端面が当接面に沿って径方向外側に移動して、他端が外回転体及び内回転体の他方から離れ易くなるが、本発明では固定部を設けているため、当該問題を抑制できる。
前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記支持溝部における前記他端側領域の内周面と接触する面は、前記支持溝部の溝底に向かうほど径が小さくなるように、前記軸方向に対して傾斜する傾斜面であってもよい。
この構成によると、ねじりコイルばねの他端側領域の内周面が、縮径方向の自己弾性復元力によって支持溝部の傾斜面に圧接されている場合、この圧接力は、支持溝部の傾斜面に沿って溝底に向かう方向の分力と、傾斜面に垂直な方向の分力に分けられる。そのため、ねじりコイルばねが拡径方向にねじれる過程において、ばねの他端側領域のうち、まだ傾斜面から離れずに、縮径方向の自己弾性復元力によって傾斜面に圧接されている部分は、傾斜面に沿った方向の分力によって、支持溝部の溝底側に押圧される。そのため、ねじりコイルばねの他端側領域を支持溝部の溝底に押し付ける力が増し、ねじりコイルばねの他端側領域が支持溝部の溝底に押し付けられたまま離れない状態が維持され易くなる。したがって、ねじりコイルばねの他端側領域における外回転体及び内回転体の他方に対する固定力をさらに増大させることができる。その結果、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合にも、ねじりコイルばねの姿勢がより安定し、ねじりコイルばねがより安定してねじり変形できる。
本発明によれば、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、他端側領域における他端を除いた少なくとも一部分が外回転体及び内回転体の他方から離れるように構成されているため、ばねの巻き数を増やすことなくねじりコイルばねの耐疲労性を向上させることができる。さらに、固定部を設けたことで、外回転体と内回転体との相対回転によってねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合にも、他端が支持溝部に対して固定された状態が維持されるため、ねじりコイルばねの姿勢が安定し、ねじりコイルばねが安定してねじり変形できる。
本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体を示す、プーリ構造体の回転軸を通り且つ当該回転軸と平行な方向に沿った、断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプーリ構造体を示す、プーリ構造体の回転軸を通り且つ当該回転軸と平行な方向に沿った、断面図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプーリ構造体を示す、プーリ構造体の回転軸を通り且つ当該回転軸と平行な方向に沿った、断面図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプーリ構造体の支持溝部を形成している途中の断面図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体1(図1及び図2参照)は、例えば、自動車の補機駆動システム(図示略)において、オルタネータの駆動軸Sに取り付けられる。なお、図1は、図2のI−I線に沿った断面図であって、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。補機駆動システムは、エンジンのクランク軸に取り付けられた駆動プーリと、オルタネータ等の補機を駆動する従動プーリ及びプーリ構造体1と、これらプーリ及びプーリ構造体1に巻回されたベルトBとを含む。クランク軸の回転がベルトBを介して従動プーリ及びプーリ構造体1に伝達されることで、オルタネータ等の補機が駆動される。クランク軸の回転速度がエンジンの燃焼に応じて変動するのに伴い、ベルトBの走行速度も変動する。
プーリ構造体1は、外回転体2と、内回転体3と、ねじりコイルばね(以下、単に「ばね」という。)4と、エンドキャップ5と、滑り軸受6及び転がり軸受7からなる一対の軸受6,7とを含む。
外回転体2及び内回転体3は、共に略円筒状で且つ金属(例えば、S45C等の炭素鋼材)で形成されており、同一の回転軸(プーリ構造体1の回転軸であり、以下、単に「回転軸」という。)を有する。回転軸は、図1の左右方向(軸方向)に沿って延在し、図1の右側を一端側、図1の左側を他端側という。
外回転体2の外周面に、ベルトBが巻回される。
内回転体3は、外回転体2の内側に設けられ、外回転体2に対して相対回転可能である。内回転体3は、オルタネータの駆動軸Sが嵌合される筒本体3aと、筒本体3aの他端の外側に配置された外筒部3bと、筒本体3aの他端と外筒部3bの他端とを連結する円環板部3cとを有する。駆動軸Sは、筒本体3aの内周面のネジ溝に螺合される。
ばね4は、外回転体2と内回転体3との間(具体的には、外回転体2の内周面及び内回転体3の外筒部3bの内周面3bxと、内回転体3の筒本体3aの外周面と、内回転体3の円環板部3cの一端側の面3cxとによって画定された、転がり軸受7よりも他端側にある空間V)に収容されている。ばね4は、断面が正方形状の線材(例えば、ばね用オイルテンパー線(JISG3560に準拠)等)で構成されており、左巻き(ばね4の他端4b1xから一端に向かって反時計回り)である。
エンドキャップ5は、外回転体2及び内回転体3の他端に配置されている。
一対の軸受6,7は、一端側及び他端側のそれぞれにおいて、外回転体2及び内回転体3の間に介在している。具体的には、外回転体2の他端の内周面と内回転体3の外筒部3bの外周面との間に、滑り軸受6が介在している。外回転体2の一端の内周面と内回転体3の筒本体3aの一端の外周面との間に、転がり軸受7が介在している。一対の軸受6,7によって、外回転体2及び内回転体3が相対回転可能に連結されている。外回転体2及び内回転体3は、他端から一端に向かう方向から見て時計回り(図2の矢印方向。以下、「正方向」という。)に回転する。
外回転体2の内径は、他端から一端に向かって2段階で小さくなっている。最も小さい内径部分における外回転体2の内周面を圧接面2a、2番目に小さい内径部分における外回転体2の内周面を環状面2bという。圧接面2aにおける外回転体2の内径及び環状面2bにおける外回転体2の内径は、共に、内回転体3の外筒部3bの内径よりも小さい。
内回転体3の筒本体3aは、他端側において外径が大きくなっている。この部分における内回転体3の筒本体3aの外周面を接触面3axという。
ばね4は、一端側で外回転体2に接触する一端側領域4aと、他端側で内回転体3に接触する他端側領域4bと、一端側領域4a及び他端側領域4bの間において外回転体2及び内回転体3のいずれにも接触しない中領域4cとを有する。一端側領域4a及び他端側領域4bは、それぞれ、ばね4の一端及び他端4b1xから半周以上(回転軸回りに180°以上)に亘った領域をいう。また、他端側領域4bのうち、ばね4の他端4b1xから回転軸回りに90°離れた位置付近を第2領域4b2、第2領域4b2よりも他端側の部分を第1領域4b1、残りの部分を第3領域4b3という(図2参照)。
ばね4は、外力を受けていない状態において、全長に亘って径が一定であり、このときのばね4の外径は、環状面2bにおける外回転体2の内径よりも小さく、圧接面2aにおける外回転体2の内径よりも大きい。ばね4は、一端側領域4aが縮径された状態で、空間Vに収容されている。
内回転体3の他端部分には、図1に示すように、ばね4の他端側領域4bを軸方向及び径方向(回転軸の径方向)に支持する支持溝部3xが設けられている。支持溝部3xは、接触面3axと、外筒部3bの内周面3bxと、円環板部3cの一端側の面3cxとで構成されている。
ばね4は、プーリ構造体1に外力が付与されていない状態(即ち、プーリ構造体1が停止した状態)において、軸方向に圧縮されている。このとき、ばね4の一端側領域4aの軸方向端面は外回転体2の円環板部2cの他端側の面2cxに接触し、他端側領域4bの軸方向端面は円環板部3cの一端側の面3cxに接触している。支持溝部3xの溝底面3cxは、ばね4の他端側領域4bの軸方向端面の周方向略全域と接触するように、螺旋状に形成されている。また、ばね4の一端側領域4aの外周面はばね4の拡径方向の自己弾性復元力によって圧接面2aに押し付けられ、ばね4の他端側領域4bは若干拡径された状態で接触面3axと接触している。つまり、ばね4の他端側領域4bの内周面は、ばね4の縮径方向の自己弾性復元力によって、接触面3axに押し付けられている。
図2に示すように、内回転体3の他端部分には、ばね4の他端面4bxと周方向(回転軸の周方向)に対向する当接面3dが形成されている。当接面3dは、軸方向から見て円弧状である。また、外筒部3bの内周面3bxには、径方向内側に突出して他端側領域4bの外周面と対向する突起3eが設けられている。突起3eは、第2領域4b2と対向している。
ばね4の他端側領域4bの内周面が接触面3axと接触している状態において、ばね4の他端側領域4bの外周面と内回転体3の外筒部3bの内周面3bxとの間には、隙間が形成されている。また、外回転体2の環状面2bとばね4の外周面との間には、隙間が形成されている。本実施形態では、プーリ構造体1に外力が付与されていない状態において、図2に示すように、ばね4の外周面と突起3eとは、互いに離隔しており、両者の間に隙間が形成されているが、互いに接してもよい。
プーリ構造体1は、さらに、ばね4の他端4b1xを支持溝部3xに対して周方向及び径方向に固定する固定部8を含む。固定部8は、ばね4の他端面4bxが当接面3dと当接する位置関係となるように、ばね4の他端4b1xを支持溝部3xに対して固定している。ばね4の他端面4bxの径方向内側の端部と、当接面3dの径方向内側の端部とが当接する。
固定部8は、支持溝部3xに設けられたピン3pと、ばね4に設けられたピン穴4pとを含む。
ピン3pは、外回転体2及び内回転体3と同様の金属(例えば、S45C等の炭素鋼材)で形成されており、円環板部3cを貫通し、円環板部3cの一端側の面3cxから軸方向に延出している。ピン3pにおける面3cxからの軸方向の延出長さは、ばね4の他端4b1xの軸方向長さの50%程度であってよい。ピン3pの表面硬度は、内回転体3の表面硬度と同じか、内回転体3の表面硬度より若干高めであってよい。ピン3pの表面には、表面硬化、防食性の向上、耐摩耗性の向上等が見込める適切な表面処理(例えば、硬質クロムメッキ、無電解ニッケルメッキ等)を施すことが好ましい。
ピン穴4pは、ピン3pが挿入される穴であり、ばね4の他端4b1xを貫通し、軸方向に延在している。
上述したように、支持溝部3xの溝底面3cxは、螺旋状に形成されている。さらに、支持溝部3xは、溝幅(径方向長さ)が比較的狭く、且つ、溝深さが比較的大きい。支持溝部3xは、エンドミル加工によって形成される。エンドミル加工とは、固定されたワークに、回転させたエンドミル(刃物)を当てて、エンドミルの側面の刃で回転軸に直交する方向に溝を切削する加工である。エンドミル加工で使用される刃物は、比較的小径で長いもの(例えば、刃部:直径5mm×長さ6mm、胴体部:直径6mm、胴体の掴み部際から刃部先端までの突出長さ約50mm)が用いられる。刃物の固定手段や加工条件(刃物の移動速度等)は、刃物剛性を確保できるように選択される。刃物剛性が不足していると、刃先が加工面から離れやすい。その場合、エンドミル加工で形成された接触面3axは、溝底面3cxに向かうほどその径が大きくなるように、軸方向に対して傾斜することがある。接触面3axがこのように軸方向に対して傾斜していると、溝底面3cxからばね4の他端側領域4bが離れ易くなり、溝底面3cxとばね4の他端側領域4bとの接触状態を維持することができない場合がある。
ここで、プーリ構造体1の動作について説明する。
先ず、外回転体2の回転速度が内回転体3の回転速度よりも大きくなった場合(即ち、外回転体2が加速する場合)について説明する。
この場合、外回転体2は、内回転体3に対して正方向(図2の矢印方向)に相対回転する。外回転体2の相対回転に伴って、ばね4の一端側領域4aが、圧接面2aと共に移動し、内回転体3に対して相対回転する。これにより、ばね4が拡径方向にねじれる。ばね4の一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど増大する。第2領域4b2は、ねじり応力を最も受け易く、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなると、接触面3axから離れる。このとき、第1領域4b1及び第3領域4b3は、接触面3axに圧接している。第2領域4b2が接触面3axから離れると略同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第2領域4b2の外周面が突起3eに当接する。第2領域4b2の外周面が突起3eに当接することで、他端側領域4bの拡径方向の変形が規制され、ねじり応力がばね4における他端側領域4b以外の部分に分散され、特にばね4の一端側領域4aに作用するねじり応力が増加する。これにより、ばね4の各部に作用するねじり応力の差が低減され、ばね4全体で歪エネルギーを吸収できるため、ばね4の局部的な疲労破壊を防止できる。
また、第3領域4b3の接触面3axに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど低下する。第2領域4b2が突起3eに当接すると同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第3領域4b3の接触面3axに対する圧接力が略ゼロとなる。このときのばね4の拡径方向のねじり角度をθ1(例えば、θ1=3°)とする。ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1を超えると、第3領域4b3は、拡径方向に変形することで、接触面3axから離れていく。しかし、第3領域4b3と第2領域4b2との境界付近において、ばね4が湾曲(屈曲)することはなく、他端側領域4bは円弧状に維持される。また、固定部8によってばね4の他端4b1xが支持溝部3xに対して周方向及び径方向に固定されているため、他端側領域4bは内回転体3に対して周方向及び径方向に移動しない。そして、他端面4bxが当接面3dを周方向に押圧することにより、外回転体2と内回転体3との間で確実にトルクを伝達できる。
なお、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1以上且つθ2(例えば、θ2=45°)未満の場合、第3領域4b3は、接触面3axから離隔し且つ内回転体3の外筒部3bの内周面3bxに接触しておらず、第2領域4b2は、突起3eに圧接されている。そのため、この場合、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1未満の場合に比べて、ばね4の有効巻数が大きく、ばね定数が小さい。また、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ2になると、ばね4の中領域4cの外周面が環状面2bに当接すること、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度が限界に達することにより、ばね4のそれ以上の拡径方向の変形が規制され、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転する。これにより、ばねの拡径方向の変形による破損を防止できる。
次に、外回転体2の回転速度が内回転体3の回転速度よりも小さくなった場合(即ち、外回転体2が減速する場合)について説明する。
この場合、外回転体2は、内回転体3に対して逆方向(図2の矢印方向と逆の方向)に相対回転する。外回転体2の相対回転に伴って、ばね4の一端側領域4aが、圧接面2aと共に移動し、内回転体3に対して相対回転する。これにより、ばね4が縮径方向にねじれる。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3(例えば、θ3=10°)未満の場合、一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干低下するものの、一端側領域4aは圧接面2aに圧接している。また、他端側領域4bの接触面3axに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干増大する。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3以上の場合、一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は略ゼロとなり、一端側領域4aは圧接面2aに対して周方向に摺動する。したがって、外回転体2と内回転体3との間でトルクは伝達されない。
このように、ばね4は、内回転体3が外回転体2に対して正方向に相対回転するとき外回転体2及び内回転体3のそれぞれと係合して外回転体2と内回転体3との間でトルクを伝達する一方、内回転体3が外回転体2に対して逆方向に相対回転するとき外回転体2及び内回転体3の少なくとも一方(本実施形態では、圧接面2a)に対して摺動(本実施形態では、周方向に摺動)して外回転体2と内回転体3との間でトルクを伝達しない。また、プーリ構造体1は、ばね4の拡径又は縮径により外回転体2及び内回転体3の間でトルクを伝達又は遮断するように構成されている。
以上に述べたように、本実施形態によれば、外回転体2と内回転体3との相対回転によってばね4が拡径方向にねじれた場合に、他端側領域4bにおける他端4b1xを除いた少なくとも一部分(第2領域4b2、又は、第2領域4b2と第3領域4b3)が内回転体3から離れるように構成されている。そのため、ばねの巻き数を増やすことなくばね4の耐疲労性を向上させることができる。さらに、固定部8を設けたことで、外回転体2と内回転体3との相対回転によってばね4が拡径方向にねじれた場合にも、他端4b1xが支持溝部3xに対して固定された状態が維持されるため、ばね4の姿勢が安定し、ばね4が安定してねじり変形できる。
なお、「ばね4の姿勢が安定する」とは、ばね4の軸が回転体2,3の回転軸と略一致することをいう。
固定部8は、ばね4の他端面4bxが当接面3dと当接する位置関係となるように、ばね4の他端4b1xを支持溝部3xに対して固定している。この場合、他端面4bxが当接面3dを周方向に押圧することができるため、固定部8の強度面における負担を軽減することができる。
固定部8は、ばね4の他端4b1xを支持溝部3xに対して周方向及び径方向に固定する。この場合、固定部8が他端4b1xを支持溝部3xに対して径方向に固定しない場合に比べ、他端側領域4bにおける内回転体3に対する固定力が増大する。これにより、外回転体2と内回転体3との相対回転によってばね4が拡径方向にねじれた場合にも、ばね4の姿勢がより安定し、ばね4がより安定してねじり変形できる。
固定部8は、支持溝部3xに設けられ、軸方向に延在したピン3pと、ばね4の他端4b1xに設けられ、ピン3pが挿入されるピン穴4pとを含む。この場合、比較的簡単な構成で、上記効果(ばね4の姿勢がより安定し、ばね4がより安定してねじり変形できるという効果)を得ることができる。
当接面3dが、軸方向から見て円弧状である。この場合、当接面3dが軸方向から見て径方向に沿った直線状の場合に比べ、加工性がよい。また、当接面3dが軸方向から見て円弧状の場合、ばね4の他端面4bxが当接面3dを周方向に押圧すると、他端面4bxが当接面3dに沿って径方向外側に移動して、他端4b1xが内回転体3から離れ易くなるが、本実施形態では固定部8を設けているため、当該問題を抑制できる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態に係るプーリ構造体201(図3及び図4参照)は、固定部の構成が第1実施形態のプーリ構造体1と異なり、その他は第1実施形態のプーリ構造体1と同様である。なお、図3は、図4のIII−III線に沿った断面図であって、図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。
本実施形態に係る固定部208は、支持溝部3xに設けられたキー203pと、ばね4の他端4b1xに設けられたキー溝204pと、支持溝部3xに設けられた突起203qとを含む。
キー203pは、内回転体3の筒本体3aと円環板部3cとの境界部分に形成されており、接触面3axから径方向外側に突出し、且つ、円環板部3cの一端側の面3cxから一端側に突出している。本実施形態では、キー203pの軸方向長さは、ばね4の他端4b1xの軸方向長さよりも短いが、ばね4の他端4b1xの軸方向長さと同じかそれ以上であってもよい。キー203pにおける接触面3axからの径方向外側への突出長さは、ばね4の他端4b1xの径方向長さ(厚み)の30%程度であってよい。
キー溝204pは、キー203pが挿入される溝であり、ばね4の他端4b1xの内周面の他端側に切欠状に形成されている。キー溝204pの各方向のサイズ及び形状は、キー203pと略同様である。
キー203pとキー溝204pとの係合によって、ばね4の他端4b1xは支持溝部3xに対して周方向に固定される。キー203pとキー溝204pとが係合した状態において、ばね4の他端4b1xの内周面は、支持溝部3xの接触面3axと接触する。また、ばね4の他端4b1xの他端側の面が、支持溝部3xの溝底面3cxと接触している状態において、キー203pの一端側の端面は、キー溝204pに接触していることが好ましいが、接触しなくてもよい。
突起203qは、内回転体3の外筒部3bと円環板部3cとの境界部分に形成されており、ばね4の他端4b1xを径方向に挟持するように外筒部3bの内周面3bxから径方向内側に突出し、且つ、円環板部3cの一端側の面3cxから一端側に突出している。本実施形態では、突起203qの軸方向長さは、ばね4の他端4b1xの軸方向長さよりも短いが、ばね4の他端4b1xの軸方向長さと同じかそれ以上であってもよい。突起203qの先端は、ばね4の他端4b1xの外周面に接触している。したがって、本実施形態では、ばね4の他端側領域4bの内周面が接触面3axと接触している状態において、ばね4の他端側領域4bのうち他端4b1xを除く部分の外周面と内回転体3の外筒部3bの内周面3bxとの間に隙間が形成されており、他端4b1xの外周面と内周面3bxとの間には隙間がない。ばね4の他端4b1xは、接触面3axと突起203qとによって径方向に挟持(固定)される。したがって、固定部208は、ばね4の他端4b1xを支持溝部3xに対して周方向及び径方向に固定する。
本実施形態の支持溝部3x(固定部208を含む)は、第1実施形態と同じく、エンドミル加工で形成される。
本実施形態によれば、固定部208は、支持溝部3xに設けられ、径方向に突出したキー203pと、ばね4の他端4b1xに設けられ、キー203pが挿入されるキー溝204pとを含む。さらに固定部208は、支持溝部3xに設けられ、径方向に突出した突起203qを含み、ばね4の他端4b1xを接触面3axと突起203qとの間で径方向に挟持する。この場合、比較的簡単な構成で、且つ、部品点数を増加させることなく、上記効果(ばね4の姿勢がより安定し、ばね4がより安定してねじり変形できるという効果)を得ることができる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
本発明の第3実施形態に係るプーリ構造体301(図5及び図6参照)は、当接面と固定部と支持溝部の接触面の構成が、第1、第2実施形態のプーリ構造体1、201と異なり、その他は第1及び第2実施形態のプーリ構造体1、201とほぼ同様である。なお、図5は、図6のV−V線に沿った断面図であって、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。
上記第1及び第2実施形態の当接面3dの径方向内側の端部は、筒本体3aと繋がっている。これに対して、本実施形態に係る当接面303dの径方向内側の端部は、筒本体3aと離間している。当接面303dは、ばね4の他端面4bxと周方向(回転軸の周方向)に対向する。当接面303dは、軸方向から見て円弧状である。ばね4の他端面4bxは、当接面303dの径方向内側の端部と当接する。当接面303dは、第1及び第2実施形態の当接面3dの径方向内側の端部を切り欠いた形状である。当接面303dとばね4の他端面4bxとの当接位置は、第1及び第2実施形態の当接面3dとばね4の他端面4bxとの当接位置よりも突起3eから周方向に若干離れている。そのため、本実施形態のばね4は、第1及び第2実施形態のばね4よりも周方向に若干長い。
本実施形態に係る固定部308は、ばね4の他端面4bxが当接面303dと当接する位置関係となるように、ばね4の他端4b1xを支持溝部303xに対して固定している。固定部308は、支持溝部303xに設けられたキー303pと、ばね4の他端4b1xに設けられたキー溝304pとを含む。
キー303pは、第2実施形態の突起203qと同じ位置に形成されている。キー303pは、内回転体3の外筒部3bと円環板部3cとの境界部分に形成されており、ばね4の他端4b1xを径方向に挟持するように外筒部3bの内周面3bxから径方向内側に突出し、且つ、円環板部3cの一端側の面3cxから一端側に突出している。本実施形態では、キー203pの軸方向長さは、ばね4の他端4b1xの軸方向長さよりも短いが、ばね4の他端4b1xの軸方向長さと同じかそれ以上であってもよい。
キー溝304pは、キー303pが挿入される溝であり、ばね4の他端4b1xの外周面の他端側に切欠状に形成されている。キー溝304pの各方向のサイズ及び形状は、キー303pの径方向内側部分と略同様である。キー溝304pの径方向長さは、ばね4の他端4b1xの径方向長さ(厚み)の約30%であってよい。
キー303pとキー溝304pとの係合によって、ばね4の他端4b1xは支持溝部303xに対して周方向に固定される。ばね4の他端4b1xの内周面が、支持溝部303xの接触面303axと接触している状態において、キー303pの径方向内側の端面は、キー溝304pと接触する。つまり、ばね4の他端4b1xは、接触面303axとキー303pとの間で径方向に挟持(固定)される。固定部308は、ばね4の他端4b1xを支持溝部303xに対して周方向及び径方向に固定する。キー303pは、本発明におけるキーに相当すると共に突起にも相当する。また、ばね4の他端4b1xの他端側の面が、円環板部3cの一端側の面3cxと接触している状態において、キー303pの軸方向一端側の端面は、キー溝304pに接触していることが好ましいが、接触しなくてもよい。
プーリ構造体301に外力が付与されていない状態において、接触面303axは、支持溝部303xの溝底面3cxに向かうほど径が小さくなるように、軸方向に対して傾斜している。接触面303axの軸方向に対する傾斜角度を、傾斜角度αとする。傾斜角度αは、微小な角度であって、例えば、例えば0.5°以上1°以下である。傾斜角度αが大き過ぎる(例えば1°を超える)場合、ばね4の素線倒れが生じるおそれがある。一方、傾斜角度αが小さ過ぎる(例えば0.5°未満)場合、後述する溝底面3cxへの押し付け力を増す効果が乏しくなる。
ばね4に外力が付与されていない状態において、ばね4の他端側領域4bの内周面は、軸方向と略平行である。第1実施形態で述べたように、プーリ構造体301に外力が付与されていない状態において、ばね4の他端側領域4bの内周面は、ばね4の縮径方向の自己弾性復元力によって、接触面3axに押し付けられている。プーリ構造体301に外力が付与されていない状態において、ばね4の他端側領域4bの内周面は、軸方向の一部分だけが接触面303axと接触する。このとき、ばね4の他端側領域4bの内周面は、軸方向とほぼ平行であってもよいが、縮径方向の自己弾性復元力によって軸方向に対して傾斜していてもよい。なお、プーリ構造体301に外力が付与されていない状態において、ばね4の他端側領域4bの内周面は、軸方向の全域が接触面303axと接触してもよい。
接触面303axが上述したように軸方向に対して傾斜しているため、ばね4の他端側領域4bの自己弾性復元力による接触面303axに対する圧接力は、支持溝部303xの接触面303axに沿って溝底面3cxに向かう方向の分力と、接触面303axに垂直な方向の分力に分けられる。第1実施形態で述べたように、外回転体2と内回転体3との相対回転によって、ばね4が拡径方向にねじれた場合、まず、ばね4の第2領域4b2が接触面303axから離れる。ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなると、ばね4の第3領域4b3が接触面303axから離れる。ばね4が拡径方向にねじれる過程において、ばね4の第2領域4b2及び第3領域4b3のうち、まだ接触面303axから離れずに、縮径方向の自己弾性復元力によって接触面303axに圧接されている部分は、接触面303axに沿った方向の分力によって、支持溝部303xの溝底面3cx側に押圧される。そのため、ばね4の他端側領域4bを支持溝部303xの溝底面3cxに押し付ける力が増し、ばね4の他端側領域4bが支持溝部303xの溝底面3cxに押し付けられたまま離れない状態が維持され易くなる。
支持溝部303xの接触面303ax以外の部分は、エンドミル加工で形成される。接触面303axは、旋盤加工により形成される。旋盤加工は、ワークを回転させながら、バイトと呼ばれる工具の先端部に固定されたチップ(刃物)を加工面に押し当てて、ワークを切削する加工である。接触面303axは、支持溝部303xの面3cx、3bx及びキー303pをエンドミル加工によって形成した後で形成される。以下、接触面303axの形成手順について説明する。便宜上、軸Sの軸方向および径方向を使って説明する。
まず、溝加工用チップ(図示せず)を使って切削する。具体的には、溝加工用チップの径方向位置を位置決めしてから、内回転体3を中心軸回りに回転させつつ、溝加工用チップの刃先が溝底面3cxに達するまで、溝加工用チップを軸方向に移動させる。それにより、接触面303axの位置に、軸方向に平行な面が形成される。このとき形成される面は、軸方向から見て円形状である。よって、この加工時に、当接面303dと筒本体3aとの間に、軸方向に窪んだ溝が形成される。
次に、図7に示すように、溝加工用チップを仕上げ用チップ100に交換して、接触面303axを仕上げる。具体的には、仕上げ用チップ100の刃先を、溝加工用チップによって形成された面に当接させつつ、仕上げ用チップ100の刃面を軸方向に対し所定の角度(例えば1°)だけ傾斜させる。この状態のまま、仕上げ用チップ100を径方向内側に向かって径方向に移動させる。なお、図7は、説明をわかりやすくするために、接触面303axの傾斜角度αを誇張して表示している。
本実施形態によれば、固定部308は、支持溝部303xに設けられ、径方向に突出したキー303pと、ばね4の他端4b1xに設けられ、キー303pが挿入されるキー溝304pとを含み、キー303pと支持溝部303xのキー303pと対向する部分との間で、ばね4の他端4b1xを径方向に挟持する。この場合、比較的簡単な構成で、且つ、部品点数を増加させることなく、上記効果(ばね4の姿勢がより安定し、ばね4がより安定してねじり変形できるという効果)を得ることができる。
また、接触面303axが、支持溝部303xの溝底面3cxに向かうほど径が小さくなるように軸方向に対して傾斜していることにより、上述したように、ばね4が拡径方向にねじれる過程において、ばね4の他端側領域4bが支持溝部303xの溝底面3cxに押し付けられたまま離れない状態が維持され易くなる。したがって、支持溝部の接触面が、溝底面3cxに向かうほど径が小さくなるように軸方向に対して傾斜していない場合に比べて、ばね4の他端側領域4bにおける内回転体3に対する固定力をさらに増大させることができる。その結果、外回転体2と内回転体3との相対回転によってばね4が拡径方向にねじれた場合にも、ばね4の姿勢がより安定し、ばね4がより安定してねじり変形できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
プーリ構造体は、オルタネータの軸に取り付けられるものに限定されず、例えばオルタネータ以外の補機の軸に取り付けられるものであってもよい。
ばね4の線材の断面は、正方形状に限定されず、長方形状や円形状であってもよい。外力を受けていない状態でのばね4の径は、全長に亘って一定でなくてもよい。
突起3eは、周方向に沿って当接面3dまで延在してもよい。突起3eを省略してもよい。
プーリ構造体に外力が付与されていない状態でのばね4の一端及び他端における圧接面2a及び接触面3ax、303axとの接触範囲は、一端及び他端から半周以上に割った範囲に限定されず、これより長くても短くてもよい。
第3実施形態の接触面303axは、第1又は第2実施形態に適用してもよい。
当接面3d、303dは、軸方向から見て、円弧状であることに限定されず、径方向に沿った直線状であってもよいし、また、内周側の部分が径方向に対して傾斜した直線状または円弧状であって且つ外周側の部分が径方向に沿った直線状であってもよい。
ピンがねじりコイルばねの他端に設けられ、ピン穴が支持溝部に設けられてもよい。ピン穴は、他端及び/又は支持溝部を貫通しなくてもよい。
キーがねじりコイルばねの他端に設けられ、キー溝が支持溝部に設けられてもよい。
固定部は、キー及びキー溝のみを含み、支持溝部に設けられた突起を含まなくてもよい(即ち、第2実施形態において突起203qを省略してもよい)。
固定部は、ピン及びピン穴を含む構成、キー及びキー溝を含む構成等に限定されず、その他任意の構成であってよい。
固定部は、ねじりコイルばねの他端を径方向に固定せず周方向にのみ固定してもよい。
固定部は、他端面が当接面と当接しない位置関係となるように、他端を支持溝部に対して固定してもよい。
ねじりコイルばねの一端側領域が内回転体に接触し、ねじりコイルばねの他端側領域が外回転体に接触し、外回転体に、ねじりコイルばねの他端側領域を軸方向及び径方向に支持する支持溝部が設けられてもよい。この場合、固定部は、外回転体及びねじりコイルばねに設けられてもよい。
1;201;301 プーリ構造体
2 外回転体
3 内回転体
3x;303x 支持溝部
3d;303d 当接面
3p ピン
4 ねじりコイルばね
4a 一端側領域
4b 他端側領域
4b1x 他端
4bx 他端面
4c 中領域
4p ピン穴
8;208;308 固定部
203p;303p キー
203q 突起
204p;304p キー溝
303ax 接触面(傾斜面)
B ベルト

Claims (7)

  1. ベルトが巻回される筒状の外回転体と、
    前記外回転体の内側に設けられ、前記外回転体に対して前記外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体と、
    前記外回転体と前記内回転体との間に設けられたねじりコイルばねとを備えたプーリ構造体において、
    前記ねじりコイルばねは、前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記回転軸に沿った軸方向に圧縮され、前記軸方向の一端側で前記外回転体及び前記内回転体の一方に接触する一端側領域と、前記軸方向の他端側で前記外回転体及び前記内回転体の他方に接触する他端側領域と、前記一端側領域及び前記他端側領域の間において前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有し、
    前記外回転体及び前記内回転体の他方は、前記他端側領域を前記軸方向及び前記回転軸の径方向に支持する支持溝部を有し、
    前記ねじりコイルばねの他端を前記支持溝部に対して少なくとも前記回転軸の周方向に固定する固定部をさらに備え、
    前記外回転体と前記内回転体との相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記他端側領域における前記他端を除いた少なくとも一部分が前記外回転体及び前記内回転体の他方から離れるように構成されていることを特徴とする、プーリ構造体。
  2. 前記外回転体及び前記内回転体の他方は、前記ねじりコイルばねの他端面と前記周方向に対向する当接面を有し、
    前記固定部は、前記他端面が前記当接面と当接する位置関係となるように、前記他端を前記支持溝部に対して固定することを特徴とする、請求項1に記載のプーリ構造体。
  3. 前記固定部は、前記他端を前記支持溝部に対して前記周方向及び前記径方向に固定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプーリ構造体。
  4. 前記固定部は、前記他端及び前記支持溝部の一方に設けられ、前記軸方向に延在したピンと、前記他端及び前記支持溝部の他方に設けられ、前記ピンが挿入されるピン穴とを含むことを特徴とする、請求項3に記載のプーリ構造体。
  5. 前記固定部は、前記他端及び前記支持溝部の一方に設けられ、前記径方向に突出したキーと、前記他端及び前記支持溝部の他方に設けられ、前記キーが挿入されるキー溝とを含むと共に、前記支持溝部に設けられ、前記径方向に突出した突起を含み、前記支持溝部における前記突起と対向する部分と前記突起との間で前記他端を前記径方向に挟持することを特徴とする、請求項3に記載のプーリ構造体。
  6. 前記当接面が、前記軸方向から見て円弧状であることを特徴とする、請求項に記載のプーリ構造体。
  7. 前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記支持溝部における前記他端側領域の内周面と接触する面は、前記支持溝部の溝底に向かうほど径が小さくなるように、前記軸方向に対して傾斜する傾斜面であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプーリ構造体。
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