JP4651233B2 - 固定式等速自在継手のケージおよびその製造方法並びに固定式等速自在継手 - Google Patents

固定式等速自在継手のケージおよびその製造方法並びに固定式等速自在継手 Download PDF

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  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外輪と内輪の相互間で回転トルクを伝達する固定式等速自在継手のケージおよびその製造方法並びに固定式等速自在継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固定式等速自在継手として図5に示したものが従来から知られている。この等速自在継手は、外輪50の球形内面51と内輪52の球形外面53に複数の曲線状トラック溝54、55を形成し、継手径方向で対向するトラック溝54、55間にトルク伝達ボール56を組込んでいる。
【0003】
また、外輪50の球形内面51および内輪52の球形外面53に接触案内される球形外面58および球形内面59を有するケージ57に前記トルク伝達ボール56が収容される複数のポケット60を設けている。
【0004】
ここで、外輪50に形成されたトラック溝54の曲率中心A1 と、内輪52に設けられたトラック溝55の曲率中心A2 は継手の角度中心O0 に対して左右に等距離オフセットされ、外輪50と内輪52とが作動角をとってトルクを伝達するトルク伝達時に、その作動角の2等分位置を通る直線と直交する平面上にトルク伝達ボール56を位置させて等速性を確保するようにしている。
【0005】
上記等速自在継手においては、外輪50と内輪52とが作動角をとって回転トルクを伝達するとき、ケージ57の球形外面58は外輪50の球形内面51に接触案内されると共に、球形内面59は内輪52の球形外面53に接触案内され、さらに、トルク伝達ボール56はポケット60のケージ軸方向で対向する一対の側面61を擦りながら移動するため、ケージ57には耐摩耗性が要求される。
【0006】
そこで、従来は、図6に示す製造方法を採用してケージ57を製造するようにしている。この製造方法は、下記の7工程から成る。
第1工程;パイプを切断して図6(I)に示す筒状体P1 を形成する。
第2工程;筒状体P1 を軸方向両端からプレスして、図6(II)に示すように、外周面および内周面が円弧状にわん曲するケージ素形材P2 を形成する。
第3工程;ケージ素形材P2 の外周面および内周面を旋削して、図6(III )に示すように球形外面58および球形内面59を形成する。
第4工程;ケージ素形材P2 を打抜きプレスして、図6(IV)に示すように複数のポケット60を形成する。
第5工程;各ポケット60の内周をシェービングして、ポケット60のケージ軸方向で対向する一対の側面61を削り、その一対の側面61間の寸法をトルク伝達ボール56の外径にほぼ一致させる(図6(V)参照)。
第6工程;ポケット形成後のケージ素形材P2 を熱処理して表面硬さを高める。この場合、熱処理として浸炭焼入れが採用される。
第7工程;熱処理後のケージ素形材P2 の外周および内周を研削して、図6(VI)に示すように、球形外面58および球形内面59を仕上げ、ケージ57を形成する。
【0007】
上記の製造方法においては、ポケット60の打抜き後に浸炭焼入れしているため、ケージ57の表層部では、図7(I)、(II)に示すように、硬化層62の浸炭深さは全体にわたって一定の深さに仕上がり、その表面硬さはHRC58〜63ときわめて硬く、耐摩耗性に優れたケージ57を得ることができるという特徴を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述従来のケージ57においては、ケージ素形材P2 に形成されたポケット60の一対の側面61をシェービングにより仕上げたのち、浸炭焼入れを施すようにしているため、ポケット60の窓幅寸法(一対の側面61間の寸法)のバラツキが大きい。
【0009】
このため、等速自在継手の組立てに際して、ポケット60の窓幅寸法に応じてケージ57をランク分けすると共に、トルク伝達ボール56もポケット60の窓幅毎にランクを設けて、ポケット60とトルク伝達ボール56のマッチングを行う必要があり、適当なすきまが得られない場合は、ポケット60の側面61を研削する必要が生じる。このため、組立てに非常に手間がかかり、その組立て性を向上させるうえにおいても改善すべき点が残されている。
【0010】
一般に、固定式等速自在継手においては、外輪と内輪とが作動角をとって回転トルクを伝達するとき、トルク伝達ボールには外輪の開口側に押し出されるような負荷を受ける。このため、トルク伝達ボールからケージのポケットに負荷される荷重は、ポケットの外輪開口側の側面で大きく、外輪奥側の側面では小さい。
【0011】
このため、ポケットのケージ軸方向で対向する側面のうち、外輪開口側の側面には大きな表面硬さが要求されるものの、外輪奥側の側面にはそれほど大きな表面硬さは要求されない。
【0012】
本件の発明者は、そのような知見に基づき、ケージの熱処理後にポケットの外輪奥側の側面のみを切削して、その側面とポケット中心までの寸法を規定の寸法に仕上げることにより、ポケットの外輪開口側の側面に所定の表面硬さを確保する状態でポケットの寸法精度を向上させることを見出したのである。
【0013】
この発明の課題は、ポケットの寸法精度を高め、ポケットとトルク伝達ボールのマッチングを行なうことなくトルク伝達ボールを組込むことができるようにしたケージおよびその製造方法並びに固定式等速自在継手を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明に係るケージにおいては、外輪の球形内面に接触案内される球形外面および内輪の球形外面に接触案内される球形内面を有する筒体部の周方向に前記外輪と内輪の相互間で回転トルクを伝達するトルク伝達ボールが収容される複数のポケットを等間隔に形成した固定式等速自在継手のケージにおいて、前記ポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面のうち、外輪開口側の一方の側面をケージの熱処理前にシェービングされた面とし、かつ外輪奥側の他方の側面をケージの熱処理後切削された面として、その表面硬さを外輪開口側の側面の表面硬さより低くした構成を採用したのである。
【0015】
ここで、筒体部に形成された球形外面の中心と球形内面の中心は同一位置に配置されたものであってもよく、あるいは、筒体部の軸方向に間隔をおいて配置されたものであってもよい。
【0016】
また、切削は、切りくずの発生する加工をいい、ミーリングによる加工であってもよく、あるいは砥石による研削であってもよい。
【0017】
上記のように、ポケットの外輪奥側の側面を熱処理後、切削された面とすることにより、窓幅公差の小さい寸法精度の高いポケットを得ることができる。
【0018】
このため、ケージのポケットに対するトルク伝達ボールの組込みに際して、ポケットとトルク伝達ボールのマッチング作業を不要とすることができ、トルク伝達ボールの組込み作業性の向上を図ることができる。
【0019】
ここで、ポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面のそれぞれを、熱処理後、切削された面とすることによってポケットの寸法精度をより向上させることができるが、この場合、ポケットの外輪開口側の側面に必要な表面硬さを得るために、切削による取代分を考慮して、予め熱処理深さを深く入れておく必要が生じる。
【0020】
このとき、隣接するポケット間に形成された柱部にも熱処理深さが深く入るため、柱部のコア部が減り、柱部の靱性が低下することになるので、ケージの強度を確保することができなくなる。
【0021】
この発明に係るケージにおいては、ポケットの外輪奥側の側面のみを熱処理後、切削された面とするため、柱部における熱処理深さは従来と同様であり、従来品とほぼ同等の強度を有するケージを提供することができる。
【0022】
この発明に係るケージの製造方法においては、筒状のケージ素形材の外面および内面を旋削して球形外面および球形内面を形成する旋削工程と、前記ケージ素形材を打抜きプレスして複数のポケットを形成する打抜きプレス工程と、前記ポケットのケージ素形材の軸方向で対向する一対の側面のうち少なくとも一方をシェービングして、その一方の側面とポケット中心までの寸法を規定の寸法に仕上げる工程と、ケージ素形材を浸炭焼入れする熱処理工程と、熱処理後のケージ素形材の球形外面および球形内面を研削する研削工程と、前記ポケットの他方の側面を切削して、その他方の側面の表面硬さを一方の側面の表面硬さより低くすると共に、その他方の側面とポケット中心までの寸法を規定の寸法に仕上げる切削工程とから成る構成を採用したのである。
【0023】
上記のような製造方法を採用することにより、ポケットの寸法精度が高いケージを形成することができる。
【0024】
さらに、この発明に係る固定式等速自在継手においては、外輪の球形内面と内輪の球形外面に複数の曲線状トラック溝を形成し、外輪のトラック溝の曲率中心と内輪のトラック溝の曲率中心を継手の角度中心より左右に等距離オフセットし、継手径方向で対向するトラック溝間にトルク伝達ボールを組込み、各トルク伝達ボールを外輪の球形内面に接触案内される球形外面および内輪の球形外面で案内される球形内面を有するケージのポケット内に収容し、前記各ポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面のうち、外輪開口側の一方の側面をケージの熱処理前にシェービングされた面とし、かつ外輪奥側の他方の側面をケージの熱処理後切削された面として、その表面硬さを外輪開口側の側面の表面硬さより低くした構成を採用したのである。
【0025】
上記のように構成された固定式等速自在継手においては、ケージに形成されたポケットの寸法精度が高く、ケージおよびトルク伝達ボールをランク分けしてからマッチングするという作業を不要とすることができるので、固定式等速自在継手の組立て性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。図1に示すように、等速自在継手は、外輪1、内輪11、トルク伝達ボール21およびケージ31とから成る。
【0027】
外輪1は球形内面2を有し、その球形内面2に8つの曲線状のボール溝3が周方向に等間隔に形成されている。
【0028】
内輪11は球形外面12を有し、その球形外面12に外輪1に形成されたボール溝3と同数の曲線状ボール溝13が周方向に等間隔に形成されている。
【0029】
外輪1に形成されたボール溝3の曲率中心A1 と内輪11に設けられたボール溝13の曲率中心A2 は継手の角度中心O0 に対して左右に等距離オフセットされている。
【0030】
トルク伝達ボール21は、外輪1のボール溝3と内輪11のボール溝13間に組込まれて外輪1と内輪11の相互間で回転トルクを伝達する。
【0031】
図2はケージ31を示す。このケージ31は筒体部32の一方の端部には、内輪11の外径とほぼ等しいインロー33を形成している。また、筒体部32に外輪1の球面内面2に接触案内される球形外面34および内輪11の球形外面12に接触案内される球形内面35を形成している。
【0032】
球形外面34の曲率中心B1 と球形内面35の曲率中心B2 は軸方向に間隔をおいた配置とされ、前記ケージ31を外輪1と内輪11間に配置した組込み状態で、これらの曲率中心B1 およびB2 は継手の角度中心O0 に対して左右に等距離オフセットされる。
【0033】
ここで、球形外面34の曲率中心B1 および球形内面35の曲率中心B2 は、外輪1に形成されたボール溝3の曲率中心A1 および内輪11に設けられたボール溝13の曲率中心A2 と同一位置に配置されるものであってもよく、これらの曲率中心A1 、A2 より外側に位置する配置であってもよい。
【0034】
図3に示すように、前記ケージ31にはトルク伝達ボール21を収容するポケット36が形成されている。ポケット36のケージ軸方向で対向する一対の側面37a、37bは平行面とされ、その一対の側面37a、37bの間隔(ポケット幅)はトルク伝達ボール21の球径とほぼ等しくなっている。
【0035】
上記の構成から成る等速自在継手において、外輪1と内輪11とが作動角をとってトルクを伝達するとき、トルク伝達ボール21はケージ31に形成されたポケット36の側面37a、37bを転走面として接触移動する。このため、上記側面37a、37bには耐摩耗性が要求される。
【0036】
側面37a、37bの耐摩耗性は浸炭焼入れ等の熱処理を施すことによって向上させることができるが、単に熱処理するだけであると、ポケット36の寸法精度が悪くなり、トルク伝達ボール21の組込みに際し、ポケット36とトルク伝達ボール21のマッチング作業を必要とし、等速自在継手の組立てに非常に手間がかかることになる。
【0037】
そこで、熱処理後において、ポケット36の一対の側面37a、37bを切削することによってポケット36の寸法精度を高めることができるが、切削により一対の側面37a、37bの表面硬さが低下するため、切削による取代分を考慮して熱処理深さを深く入れておく必要が生じる。このとき、ポケット36間に形成された柱部38のコア部が減り、柱部38の靱性が低下してケージ31の強度が低下する問題が発生する。
【0038】
ここで、等速自在継手が作動角をとってトルクを伝達するとき、トルク伝達ボール21には、外輪1の開口側に向けて押圧力が付与されるため、ポケット36のケージ軸方向で対向する一対の側面37a、37bとトルク伝達ボール21との接触圧は外輪開口側の側面37aで高く、外輪奥側の側面37bで小さい。
【0039】
このため、外輪奥側の側面37bの熱処理深さを外輪開口側の側面37aの熱処理深さより浅くしても問題とはならない。
【0040】
そこで、この実施形態では、図3(I)、(II)に示すように、SCr415あるいはSCM415等の低炭素の肌焼き鋼(硬度HRC25〜45)を素材とするケージ31にポケット36を形成し、そのポケット36の一対の側面37a、37bにシェービング(ブローチ加工)を施し、外輪開口側の側面37aとポケット中心O1 までの寸法dを規定の寸法に仕上げたのち、ケージ31に浸炭焼入れによる熱処理を施して硬化層39を形成し、外輪奥側の側面37bを切削してポケット中心O1 までの寸法dを規定の寸法に仕上げるようにしている。
【0041】
ここで、規定の寸法とはトルク伝達ボール21の球径のほぼ1/2の寸法をいう。また、切削は、切りくずを発生する加工をいい、ミーリングによって切削したものであってもよく、砥石によって研削したものであってもよい。
【0042】
上記のように、ケージ31の熱処理後に、ポケット36の外輪奥側の側面37bを切削することにより、一対の側面のそれぞれをシェービング加工したのち熱処理を施すようにしたポケットに比較して窓幅寸法の精度が高く、トルク伝達ボール21の組込みに際して、ポケット36とトルク伝達ボール21のマッチング作業を不要とし、組込みの作業性を向上させることができる。
【0043】
図4は上記の構成から成るケージ31の製造方法を示し、下記の工程から成る。
第1工程;SCr415あるいはSCM415から成るパイプ材を切断して図4(I)に示す筒状体P1 を形成する。
第2工程;筒状体P1 を軸方向両端からプレスして図4(II)に示すように、外周面および内周面が円弧状にわん曲するケージ素形材P2 を形成する。
第3工程;ケージ素形材P2 の外周面および内周面を旋削して、図4(III )に示すように球形外面34および球形内面35を形成する。
第4工程;ケージ素形材P2 を打抜きプレスして、図4(IV)に示すように複数のポケット36を形成する。
第5工程;ポケット36の形成後、そのポケット36の一対の側面37a、37bをシェービングし、図1に示す外輪1に対するケージ31の組込み状態で外輪1開口側の側面37aとポケット36の中心O1 までの寸法dを規定の寸法(トルク伝達ボール21の球径の1/2の寸法)に仕上げる。
第6工程;ポケット36を有するケージ素形材P2 を浸炭焼入れして、図4(V)の点線で示すように、浸炭深さ0.45〜1.00ミリ、表面硬さHRC58〜63の硬化層39を形成する。
第7工程;焼入れ後のケージ素形材P2 の球形外面34および球形内面35を研削して、表面仕上げする(図4(V)参照)。
第8工程;ポケット36の外輪奥側の側面37bを切削して、その側面37bとポケット中心O1 までの寸法dを規定の寸法(トルク伝達ボール21の球径の1/2の寸法)に仕上げる。図4(VII )は形成されたケージ31を示す。
【0044】
上記のケージ製造方法によれば、ポケット36の寸法精度の高いケージ31を得ることができる。したがって、トルク伝達ボール21の組込みに際し、ポケット36とトルク伝達ボール21のマッチング作業を不要とすることができる。
【0045】
図1に示す実施の形態では8個のポケット36を有し、球形外面34の曲率中心B1 と球形4内面35の曲率中心B2 が軸方向に間隔をおいて形成されたケージ31およびそのケージ31が組込まれた等速自在継手を示したが、ケージおよび等速自在継手はこれに限定されるものではない。
【0046】
例えば、従来の技術で述べた図5に示すケージや等速自在継手であってもよい。図5に示す等速自在継手ではボール数を6個としている。また、ケージ57に形成された球形外面58の曲率中心と球形内面59に設けられた曲率中心を継手の角度中心上に配置している。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、ケージに形成されたポケットの外輪奥側の側面を熱処理後に切削して仕上げるようにしたので、寸法精度の高いポケットを得ることができ、トルク伝達ボールの組込みに際し、そのトルク伝達ボールとポケットのマッチング作業を不要とすることができ、等速自在継手の組立て性を大幅に向上させることができる。
【0048】
また、ポケットの一対の側面を熱処理後において切削する場合には、その取代分を考慮して熱処理深さを深くする必要があり、その熱処理によって柱部の靱性が低下するが、ポケットの外輪奥側の側面のみを熱処理後に切削する構成であるため、柱部の靱性の低下がなく、強度、耐久性において良好なケージを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る等速自在継手の一部切欠正面図
【図2】図1に示す等速自在継手のケージを示す断面図
【図3】(I)は図2に示すケージの一部分を示す平面図、(II)は(I)のイ−イ線の断面図
【図4】ケージの製造工程を示す図
【図5】従来の等速自在継手を示す一部切欠正面図
【図6】従来の等速自在継手のケージの製造工程を示す図
【図7】(I)は図5に示すケージの一部分を示す平面図、(II)は(I)の断面図
【符号の説明】
1 外輪
2 球形内面
3 ボール溝
11 内輪
12 球形外面
13 ボール溝
21 トルク伝達ボール
31 ケージ
32 筒体部
34 球形外面
35 球形内面
36 ポケット
37a、37b 側面

Claims (6)

  1. 外輪の球形内面に接触案内される球形外面および内輪の球形外面に接触案内される球形内面を有する筒体部の周方向に前記外輪と内輪の相互間で回転トルクを伝達するトルク伝達ボールが収容される複数のポケットを等間隔に形成した固定式等速自在継手のケージにおいて、前記ポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面のうち、外輪開口側の一方の側面をケージの熱処理前にシェービングされた面とし、かつ外輪奥側の他方の側面をケージの熱処理後切削された面として、その表面硬さを外輪開口側の側面の表面硬さより低くしたことを特徴とする固定式等速自在継手のケージ。
  2. 前記筒体部の球形外面の中心と球形内面の中心が筒体部の軸方向に間隔をおいた配置とされていることを特徴とする請求項1に記載の固定式等速自在継手のケージ。
  3. 前記筒体部が浸炭焼入れされた肌焼き鋼から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手のケージ。
  4. 前記筒体部に形成されたポケットの数が8個であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固定式等速自在継手のケージ。
  5. 筒状のケージ素形材の外面および内面を旋削して球形外面および球形内面を形成する旋削工程と、前記ケージ素形材を打抜きプレスして複数のポケットを形成する打抜きプレス工程と、前記ポケットのケージ素形材の軸方向で対向する一対の側面のうち少なくとも一方をシェービングして、その一方の側面とポケット中心までの寸法を規定の寸法に仕上げる工程と、ケージ素形材を浸炭焼入れする熱処理工程と、熱処理後のケージ素形材の球形外面および球形内面を研削する研削工程と、前記ポケットの他方の側面を切削して、その他方の側面の表面硬さを一方の側面の表面硬さより低くすると共に、その他方の側面とポケット中心までの寸法を規定の寸法に仕上げる切削工程とから成る固定式等速自在継手におけるケージの製造方法。
  6. 外輪の球形内面と内輪の球形外面に複数の曲線状トラック溝を形成し、外輪のトラック溝の曲率中心と内輪のトラック溝の曲率中心を継手の角度中心より左右に等距離オフセットし、継手径方向で対向するトラック溝間にトルク伝達ボールを組込み、各トルク伝達ボールを外輪の球形内面に接触案内される球形外面および内輪の球形外面で案内される球形内面を有するケージのポケット内に収容し、前記各ポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面のうち、外輪開口側の一方の側面をケージの熱処理前にシェービングされた面とし、かつ外輪奥側の他方の側面をケージの熱処理後切削された面として、その表面硬さを外輪開口側の側面の表面硬さより低くした固定式等速自在継手。
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