JP3931020B2 - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP3931020B2
JP3931020B2 JP2000183172A JP2000183172A JP3931020B2 JP 3931020 B2 JP3931020 B2 JP 3931020B2 JP 2000183172 A JP2000183172 A JP 2000183172A JP 2000183172 A JP2000183172 A JP 2000183172A JP 3931020 B2 JP3931020 B2 JP 3931020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
joint member
constant velocity
velocity universal
guide groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000183172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002005186A (ja
Inventor
和彦 穂積
正純 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2000183172A priority Critical patent/JP3931020B2/ja
Priority to US09/852,147 priority patent/US6506122B2/en
Priority to FR0106577A priority patent/FR2809146B1/fr
Publication of JP2002005186A publication Critical patent/JP2002005186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3931020B2 publication Critical patent/JP3931020B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/20Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
    • F16D3/22Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts
    • F16D3/223Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts
    • F16D2003/22303Details of ball cages

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動軸と従動軸とが角度を取ったときでも、回転トルクを等速で伝達することができる等速自在継手に関する。等速自在継手は、二軸間の角度変位のみを許容する固定型等速自在継手と、二軸間の角度変位及び軸方向変位を許容する摺動型等速自在継手とに大別され、そのうち本発明は前者の固定型等速自在継手を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
図6は、自動車のドライブシャフト等の連結用継手として従来より使用されている固定型等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:ボールフィックスドジョイント)を示している。この等速自在継手は、球面状の内径面11aに6本の曲線状の案内溝11bを軸方向に形成した外側継手部材11と、球面状の外径面12aに6本の曲線状の案内溝12bを軸方向に形成し、内径面に歯型(セレーション又はスプライン)を有する嵌合部12cを形成した内側継手部材12と、外側継手部材11の案内溝11bとこれに対応する内側継手部材12の案内溝12bとが協働して形成される6本のボールトラックに配された6個のトルク伝達ボール13と、トルク伝達ボール13を保持する窓形のポケット14cを備えた保持器14とで構成される。
【0003】
外側継手部材11の案内溝11bの中心Aは内径面11aの球面中心に対して、内側継手部材12の案内溝12bの中心Bは外径面12aの球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離だけ反対側(同図に示す例では中心Aは継手の開口側、中心Bは継手の奥部側)にオフセットされている。そのため、案内溝11bとこれに対応する案内溝12bとが協働して形成されるボールトラックは、軸方向の一方(同図に示す例では継手の開口側)に向かって楔状に開いた形状になる。外側継手部材11の内径面11aの球面中心、内側継手部材12の外径面12aの球面中心は、いずれも、トルク伝達ボール13の中心を含む継手中心面O内にある。
【0004】
外側継手部材11と内側継手部材12とが角度θだけ角度変位すると、保持器14に案内されたトルク伝達ボール13は常にどの作動角θにおいても、角度θの2等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この種の固定型等速自在継手において、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向隙間をどのように定めるかは重要である。すなわち、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の締代(負隙間)が過大であると、トルク伝達ボールを拘束する力が大きくなり、トルク伝達ボールの円滑な転動が阻害される。そのため、継手回転時、トルク伝達ボールとボールトラックとの接触部で滑りを伴った転がり運動が生じ、継手内部の温度上昇、それによる寿命低下の一因となる。逆に、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の遊び(正隙間)が過大であると、ポケットとトルク伝達ボールとの間で打音が発生したり、継手振動が増大したりするなど、継手性能に好ましくない影響が生じる。また、ポケットの軸方向壁面にはトルク伝達ボールとの接触による摩耗があるため、初期時にはそうでなくても、使用により正隙間が過大となる場合もある。さらに、各構成部品の寸法には製造公差内での寸法バラツキが不可避である。これらの点を考慮して、上述した従来の等速自在継手(6個ボールの固定型等速自在継手)では、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間を−50〜−10μmの範囲内に設定している。
【0006】
一方、本出願人は、図6に示す従来の等速自在継手(6個ボールの固定型等速自在継手)と同等以上の強度、負荷容量及び耐久性を確保しつつ、より一層のコンパクト化、軽量化を実現するため、8本のボールトラックと8個のトルク伝達ボールを備えた固定型等速自在継手を既に提案している(特願平8−259484号等)。この既提案に係る等速自在継手は、上述した従来の等速自在継手(6個ボールの固定型等速自在継手)とは基本構造が異なっており、軸方向初期隙間の設定値もその構造に適した固有の値が存在すると考えられる。
【0007】
本発明の目的は、上記の既提案に係る等速自在継手において、継手の性能面に配慮しつつ、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間を最適設定し、それによって更なる耐久性向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、球面状の内径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本のボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中心に対して、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ反対側にオフセットされた等速自在継手であって、トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD BALL )と直径(D BALL )との比r1(=PCD BALL /D BALL )が3.3≦r1≦5.0の範囲内であり、外側継手部材1の外径(D OUTER )と内側継手部材の嵌合部の歯型のピッチ円径(PCD SERR )との比r2(=D OUTER /PCD SERR )が2.5≦r2<3.5の範囲内であり、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間が−30〜+10μmである構成を提供する。
【0009】
この発明の等速自在継手は、トルク伝達ボールの個数が8個であり、従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)に比べ、継手の全負荷容量に占めるトルク伝達ボール1個当りの負荷割合が少ない。そのため、継手が作動角を取りつつ回転トルクを伝達する際の、保持器のポケット壁面とトルク伝達ボールとの接触応力が従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)よりも軽減し、保持器のポケット壁面の摩耗量が減少する。そして、保持器のポケット壁面の摩耗量が減少する分、軸方向初期隙間の値を従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)よりもプラス側にシフトさせることができ、その場合でも、使用により過大正隙間となる弊害が生じず、継手の性能が維持される。一方、軸方向初期隙間の値をプラス側にシフトさせることにより、保持器のポケットによるトルク伝達ボールの拘束力を小さくして、トルク伝達ボールの円滑な転動を確保することができる。これにより、トルク伝達ボールとボールトラックとの接触部での発熱が低減し、継手内部の温度上昇が軽減される結果、継手の耐久性が向上する。多くの試験の結果、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間を−30〜+10μm、好ましくは−10〜+10μmの範囲内にすることにより、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向隙間が過大、過小となるのを防止して、継手の性能を確保しつつ、耐久性向上を実現できることが確認された。
【0010】
また、本発明は、球面状の内径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本のボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中心に対して、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ反対側にオフセットされ、かつ、外側継手部材および内側継手部材の各案内溝に直線状の溝底を有するストレート部が設けられた等速自在継手であって、トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD BALL )と直径(D BALL )との比r1(=PCD BALL /D BALL )が3.3≦r1≦5.0の範囲内であり、外側継手部材1の外径(D OUTER )と内側継手部材の嵌合部の歯型のピッチ円径(PCD SERR )との比r2(=D OUTER /PCD SERR )が2.5≦r2<3.5の範囲内であり、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間が−30〜+10μm、好ましくは−10〜+10μmである構成を提供する。
【0011】
この発明の等速自在継手は、外側継手部材および内側継手部材の各案内溝に直線状の溝底を有するストレート部を備えているので、上述した発明の等速自在継手に比較して、大きな作動角を取ることができるという特徴がある。その他の事項は上述した発明の等速自在継手と同じである。
【0012】
以上の構成において、保持器に表面硬化層を設けると共に、表面硬化層の表面硬さをHRC58〜63、芯部の硬さをHRC35〜45にすることができる。ここで、HRCはロックウェル硬さのCスケールを表している。上記表面硬化層は、例えば浸炭処理により形成された浸炭層である。好ましくは、少なくともポケット間に位置する柱部の断面において、全面積中に占める芯部の面積比率を40〜55%とするのが良い。この構成によれば、保持器は表層部が耐摩耗性に優れ、かつ、芯部が靭性に優れたものとなる。従って、保持器は高い接触疲労寿命と割れ強度等を備えたものとなる。
【0013】
以上の構成において、外側継手部材の案内溝の中心、内側継手部材の案内溝の中心のオフセット量(F)は2〜4mmとするのが好ましい。案内溝にオフセットを設けると、該案内溝の溝深さは軸方向に均一ではなくなる。そのため、オフセット量(F)が過大であると、溝深さの小さいところでトルク伝達ボールが高負荷を伝達する時(大きな作動角をとった時)、トルク伝達ボールとの接触部の接触楕円が該案内溝からはみ出してしまう事態が予測される。オフセット量(F)を2〜4mmとすることにより、接触楕円のはみ出し、それによる案内溝肩部の欠け等を防止して、外側継手部材、内側継手部材の強度及び耐久性を高めることができる。また、保持器の肉厚を厚くすることができるので、保持器の強度及び耐久性向上にもなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る固定型等速自在継手を示している。この実施形態の等速自在継手は、球面状の内径面1aに8本の曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材1と、球面状の外径面2aに8本の曲線状の案内溝2bを軸方向に形成し、内径面に歯型(セレーション又はスプライン)を有する嵌合部2cを形成した内側継手部材2と、外側継手部材1の案内溝1bとこれに対応する内側継手部材2の案内溝2bとが協働して形成される8本のボールトラックに配された8個のトルク伝達ボール3と、トルク伝達ボール3を保持する保持器4とで構成される。内側継手部材2の嵌合部2cには、例えば自動車のドライブシャフトの軸端部が歯型嵌合(セレーション嵌合又はスプライン嵌合)される。
【0016】
外側継手部材1の案内溝1bの中心O1は内径面1aの球面中心に対して、内側継手部材2の案内溝2bの中心O2は外径面2aの球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離Fだけ反対側(同図に示す例では、中心O1は継手の開口側、中心O2は継手の奥部側)にオフセットされている。そのため、案内溝1bとこれに対応する案内溝2bとが協働して形成されるボールトラックは、軸方向の一方(同図に示す例では継手の開口側)に向かって楔状に開いた形状になる。
【0017】
保持器4の外径面4aの球面中心、および、保持器4の外径面4aの案内面となる外側継手部材1の内径面1aの球面中心は、いずれも、トルク伝達ボール3の中心O3を含む継手中心面O内にある。また、保持器4の内径面4bの球面中心、および、保持器4の内径面4bの案内面となる内側継手部材2の外径面2aの球面中心は、いずれも、継手中心面O内にある。従って、案内溝1bの中心O1のオフセット量Fは、中心O1と継手中心面Oとの間の軸方向距離、案内溝2bの中心O2のオフセット量Fは、中心O2と継手中心面Oとの間の軸方向距離になり、両者は等しい。この実施形態において、中心O1、中心O2のオフセット量Fは、それぞれ、2〜4mmである。
【0018】
トルク伝達ボールのピッチ円径(PCDBALL)と直径(DBALL)との比r1(=PCDBALL/DBALL)は3.3≦r1≦5.0、好ましくは3.5≦r1≦5.0の範囲内の値に設定されている。ここで、トルク伝達ボールのピッチ円径(PCDBALL)は、PCRの2倍の寸法である(PCDBALL=2×PCR)。外側継手部材1の案内溝1bの中心O1とトルク伝達ボール3の中心O3を結ぶ線分の長さ、内側継手部材2の案内溝2bの中心O2とトルク伝達ボール3の中心O3を結ぶ線分の長さが、それぞれPCRであり、両者は等しい。また、外側継手部材1の外径(DOUTER)と内側継手部材2の嵌合部2cの歯型(セレーション又はスプライン)のピッチ円径(PCDSERR)との比r2(=DOUTER /PCDSERR)は、2.5≦r2<3.5の範囲内の値に設定されている。従って、この実施形態の等速自在継手は、従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)と同等以上の強度および耐久性を有し、かつ、外径寸法がコンパクトである。
【0019】
外側継手部材1、内側継手部材2は、それぞれ、鋼材料から熱間鍛造又は亜熱間鍛造によってほぼ所定形状に予備成形され、冷間鍛造または研削加工によって最終形状に仕上げられる。この実施形態の等速自在継手は、トルク損失が小さく、低発熱であることが実験で確認されており、仕上げ面の精度基準を緩和することによる温度上昇分の寿命低下への影響が従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)よりも小さい。この点に着目して、外側継手部材1の案内溝1b、さらには内径面1aを冷間鍛造面(研削加工なし)とし、また、内側継手部材2の案内溝2b、さらには外径面2aを冷間鍛造面(研削加工なし)とすることができる。これにより、製造工程の簡略化、それによる製造コストの低減を図ることができる。
【0020】
上記構成において、外側継手部材1と内側継手部材2とが角度θだけ角度変位すると、保持器4に案内されたトルク伝達ボール3は常にどの作動角θにおいても、角度θの2等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
図3は、保持器4を示している。保持器4は、トルク伝達ボール3を収容保持する8個の窓形のポケット4cと、円周方向に隣接したポケット4c間の柱部4dとを備えている。継手の運転初期時におけるポケット4cの軸方向寸法Lとトルク伝達ボール3の直径DBALLとの差(=L−DBALL)、すなわち両者の間の軸方向初期隙間は−30〜+10μm、好ましくは−10〜+10μmの範囲内に管理されている。
【0021】
保持器4は、例えば浸炭用鋼で形成され、その表層部に浸炭焼入れ焼戻しによる浸炭層を備えている。浸炭用鋼としては、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブンデン鋼等を用いることができる。この実施形態では、クロムモリブデン鋼SCM415Bを用いている。浸炭層の表面硬さはHRC58〜63、芯部(浸炭層を除く部分)の硬さはHRC35〜45である。また、保持器4の所定断面、特に柱部4dの断面において、全面積中に占める芯部の面積比率は40〜55%である。
【0022】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手を示している。この実施形態の等速自在継手が、上述した第1の実施形態の等速自在継手と異なる点は、外側継手部材1の案内溝1bおよび内側継手部材2の案内溝2bにそれぞれ直線状の溝底を有するストレート部U1、U2を設けた点にした点にある。この実施形態の等速自在継手は、外側継手部材1の案内溝1bおよび内側継手部材2の案内溝2bにそれぞれストレート部U1、U2を設けたことにより、上述した第1の実施形態の等速自在継手に比べて最大作動角を大きくすることができる。
【0023】
【実施例】
上述した第1の実施形態の等速自在継手を用いて、保持器のポケットの摩耗深さを求めた。試験は、負荷トルクT=412N・m、回転数N=1300rpm、作動角θ=6degで試験継手を運転し、200時間、450時間、650時間運転後に、それぞれポケット4cの軸方向壁面の摩耗深さ測定することにより行った。その結果を図4に示す。なお、試験は2つの試験継手(No.1:○、No.2:△)について行い、摩耗深さは複数回測定の平均値とした。
【0024】
図4に示す結果から、200時間までは摩耗深さが急激に増大しており、初期摩耗が認められたが、200時間経過後は摩耗深さに大きな変化はなく、摩耗の進行が落ち着いた状態になることが確認された。また、650時間運転後の摩耗深さは試験軸受No.1で10.0μm、試験軸受No.2で11.9μmであり、従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)に比べて、摩耗深さが20μm程度低減することが確認された。従って、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間の値を従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)よりも20μmプラス側にシフトして−30〜+10μmとしても、使用により過大正隙間とならず、継手の性能を確保することができる。また、軸方向初期隙間の値をプラス側にシフトさせることにより、保持器のポケットによるトルク伝達ボールの拘束力を小さくして、トルク伝達ボールの円滑な転動を確保することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以下に示す効果を有する。
【0026】
(1)8本のボールトラックと8個のトルク伝達ボールを備えていると共に、トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD BALL )と直径(D BALL )との比r1(=PCD BALL /D BALL )が3.3≦r1≦5.0の範囲内であり、外側継手部材1の外径(D OUTER )と内側継手部材の嵌合部の歯型のピッチ円径(PCD SERR )との比r2(=D OUTER /PCD SERR )が2.5≦r2<3.5の範囲内である等速自在継手において、保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間を−30〜+10μmの範囲内としたので、両者の間の軸方向隙間が過大、過小となるのを防止して、継手の性能を確保しつつ、耐久性向上を図ることができる。
【0027】
(2)保持器に表面硬化層を設けると共に、表面硬化層の表面硬さをHRC58〜63、芯部の硬さをHRC35〜45にし、また、芯部の面積比率を40〜55%とすることにより、保持器は表層部が耐摩耗性に優れ、かつ、芯部が靭性に優れたものとなる。従って、保持器は高い接触疲労寿命と割れ強度等を備えたものとなる。
【0028】
(3)外側継手部材の案内溝の中心、内側継手部材の案内溝の中心のオフセット量(F)を2〜4mmとすることにより、案内溝とトルク伝達ボールとの接触部における接触楕円のはみ出し、それによる案内溝肩部の欠け等を防止して、外側継手部材、内側継手部材の強度及び耐久性を高めることができる。また、保持器の肉厚を厚くすることができるので、保持器の強度及び耐久性向上にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手の縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる等速自在継手の横断面図である。
【図3】保持器の正面図{図3(a)}、縦断面図{図3(b)}である。
【図4】保持器ポケットの摩耗深さの試験結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手の縦断面図である。
【図6】従来の等速自在継手を示す縦断面図{図6(a)}、{図6(b)}である。
【符号の説明】
1 外側継手部材1a 内径面1b 案内溝
2 内側継手部材2a 外径面2b 案内溝
3 トルク伝達ボール
4 保持器

Claims (6)

  1. 球面状の内径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本のボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中心に対して、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ反対側にオフセットされた等速自在継手であって、
    前記トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD BALL )と直径(D BALL )との比r1(=PCD BALL /D BALL )が3.3≦r1≦5.0の範囲内であり、前記外側継手部材1の外径(D OUTER )と前記内側継手部材の嵌合部の歯型のピッチ円径(PCD SERR )との比r2(=D OUTER /PCD SERR )が2.5≦r2<3.5の範囲内であり、
    前記保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間が−30〜+10μmであることを特徴とする等速自在継手。
  2. 球面状の内径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本のボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中心に対して、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ反対側にオフセットされ、かつ、外側継手部材および内側継手部材の各案内溝に直線状の溝底を有するストレート部が設けられた等速自在継手であって、
    前記トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD BALL )と直径(D BALL )との比r1(=PCD BALL /D BALL )が3.3≦r1≦5.0の範囲内であり、前記外側継手部材1の外径(D OUTER )と前記内側継手部材の嵌合部の歯型のピッチ円径(PCD SERR )との比r2(=D OUTER /PCD SERR )が2.5≦r2<3.5の範囲内であり、
    前記保持器のポケットとトルク伝達ボールとの間の軸方向初期隙間が−30〜+10μmであることを特徴とする等速自在継手。
  3. 前記保持器が表面硬化層と芯部を有し、前記表面硬化層の表面硬さがHRC58〜63であり、前記芯部の硬さがHRC35〜45であることを特徴とする請求項1又は2記載の等速自在継手。
  4. 前記表面硬化層が浸炭層であることを特徴とする請求項3記載の等速自在継手。
  5. 少なくとも前記保持器のポケット間に位置する柱部の断面において、全面積中に占める前記芯部の面積比率が40〜55%であることを特徴とする請求項3又は4記載の等速自在継手。
  6. 前記オフセット量(F)が2〜4mmであることを特徴とす
    る請求項1から5の何れかに記載の等速自在継手。
JP2000183172A 2000-05-19 2000-06-19 等速自在継手 Expired - Lifetime JP3931020B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183172A JP3931020B2 (ja) 2000-06-19 2000-06-19 等速自在継手
US09/852,147 US6506122B2 (en) 2000-05-19 2001-05-10 Constant velocity universal joint
FR0106577A FR2809146B1 (fr) 2000-05-19 2001-05-18 Joint homocinetique

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183172A JP3931020B2 (ja) 2000-06-19 2000-06-19 等速自在継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002005186A JP2002005186A (ja) 2002-01-09
JP3931020B2 true JP3931020B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=18683797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000183172A Expired - Lifetime JP3931020B2 (ja) 2000-05-19 2000-06-19 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3931020B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10352408A1 (de) * 2003-11-10 2005-07-14 Volkswagen Ag Kugelverschiebegelenk mit geschrägten Kugellaufbahnen
JP4920469B2 (ja) * 2007-03-27 2012-04-18 Ntn株式会社 等速自在継手用ケージおよび等速自在継手用ケージの製造方法
JP6125186B2 (ja) * 2012-10-12 2017-05-10 Ntn株式会社 固定式等速自在継手
JP2023144584A (ja) * 2022-03-28 2023-10-11 Ntn株式会社 固定式等速自在継手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002005186A (ja) 2002-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6506121B2 (en) Cage for constant-velocity joint and method for manufacturing the same
US7097567B2 (en) Constant velocity universal joint
KR100662220B1 (ko) 등속자재 조인트
JP5101430B2 (ja) 固定式等速自在継手
EP1705395B1 (en) Fixed-type constant-velocity universal joint
US6506122B2 (en) Constant velocity universal joint
JPH1073129A (ja) 摺動型等速自在継手
JP4041657B2 (ja) 等速自在継手
US7785206B2 (en) Fixed constant velocity universal joint
EP1512879B1 (en) Fixed type constant velocity universal joint
JPH09317783A (ja) 自動車用固定型等速自在継手
EP1505308B1 (en) Constant velocity universal joint
JP2000240673A (ja) プロペラシャフト用等速自在継手、及びプロペラシャフト
JP3949866B2 (ja) 等速自在継手
JP2002013544A (ja) 等速自在継手
JP3931020B2 (ja) 等速自在継手
JP5355876B2 (ja) 等速自在継手
JP2007255461A (ja) 等速自在継手
JP4537304B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP2000230570A (ja) 等速自在継手
JP5602497B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP3949863B2 (ja) 等速自在継手
JP4896662B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP3949864B2 (ja) 等速自在継手
JP2000213553A (ja) 等速自在継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3931020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term