JP6546181B2 - 街頭設備の衝撃抵抗性及びエネルギー吸収性物体 - Google Patents

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Description

本発明は街頭設備(ストリートファーニチャー)物体及び障害物(街頭設備装置)の分野に関係し、特に、エネルギー吸収性及び衝撃抵抗性である街頭設備の物体に関する。
我々は、意図に反して衝突され、その結果、街頭設備の剛性物体だけでなく衝突物(例:自動車)にも損傷を及ぼし、あるいは街頭設備物体に衝突する人物に怪我を負わせる結果を招く可能性がある街頭設備の剛性物体に囲まれている。
本発明における用語「街頭設備物体」は、以下記載の対象物(このリストは網羅的ではない。)を含み、それら全ては地表面に取り付けられ、あるいは壁面に取り付けられる。
交通標識用ポール(柱体)または支持体
広告ボード用ポール又は支持体
駐車メータ用ポール又は支持体
看板又は天蓋用支持体
保護対象物の前方に立脚又は懸垂される保護ポール
コンベアベルト用支持体
ガードレール構造物の支持柱体または保護用ブラケット
落下荷重及び/又は回転荷重の制動支柱
街灯支柱
交通信号ポールまたは支持体
その他類似物
軽微な衝突、接触又は突風の被害が限定的となるように、そのような街頭設備物体を設計できることは、数多くの文献で知られている。実際、街頭設備物体の一部は完全に折れ曲がり、衝突した物体又は人物が街頭設備物体に乗り上げることができるようになっている。そのような街頭設備物体をエネルギー吸収性とすることは可能であるが、それら全てが衝撃抵抗性であることはない。
欧州特許EP−B−2267225号公報
本発明は、軽微な衝突/接触の場合に、街頭設備物体との衝突物あるいは人物の衝突/接触による損傷及び/又は怪我を制限しつつ(エネルギー吸収部分)、(街頭設備物体が反発して通常姿勢に復帰する)復帰能力を消失させることなく、その衝突/接触からの保護機能を提供する(すなわち衝突/接触を引き起こした物体または人物を静止させる)(これは衝撃抵抗部分)街頭設備物体に関する。
欧州EP−B−2267225(ウォルターズ)は街頭設備物体、即ち、衝撃抵抗性エネルギー吸収保護支柱を説明している。そのような街頭設備物体においては、部材数は最低数、具体的には3個(支柱、基部プレートおよびエネルギー吸収構造部)に制限されており、支柱、基部プレートおよびエネルギー吸収構造部を相互内に単純にスライドさせ、基部プレートを地表面(例:地面または床材)あるいは壁部に単純に係留させることで組み立てられる。これら部材の相互内へのスライド挿入は非常に簡単である。なぜなら、それらは相互に固定されず、単に相互接触状態に保たれるだけだからである。この点で、発明の文脈における「支柱」および「基部プレート」なる語は異なる部材で構成でき、即ち、利用時に一体物を形成する異なる部材で構成でき、それらは堅牢に相互接続され、利用時に、それら部材間の相対移動は不可能であることが理解されるべきである。
好適には、街頭設備物体の地中部材の不存在が冠水又は浸水及び関連する腐食を防止する。それら部材の保守及び交換が行われる時には、単純な工具により現場で街頭設備物体は取り外すことができ、それら部材は必要に応じて交換できる。エネルギー吸収構造部も街頭設備物体の容易にアクセスできる地上の位置に配置できる。
従って、街頭設備物体の製造及び利用は簡単であり、低コストによる製造及び修理が可能である。
支柱が衝撃吸収構造部であることも重要である。即ち、支柱の全長に亘って全ての部分が街頭設備物体に衝撃および吸収特性を全面的に保有させた状態で作用する外力(外部からの作用力)の有効作用点であることが重要である。これら外力とは乗物、人物、風力、等々である。
支柱は単なる衝撃吸収構造部、即ち、物体、人物又は風力で動かされる街頭設備物体の部材でよい。なぜなら、基部プレートは可能な限り低位置に配置されており、通常の状態では車や人物に支柱のみに衝突させ、基部プレートには衝突させないからである。
街頭設備の個々の物体のエネルギー吸収範囲は、現場でエネルギー吸収構造部を調整することにより変化する状況に容易に適応させることができる。
衝突作用は2段階で起きるであろう。すなわち弾性作用と、場合によってはその後の剛性作用である。
現状技術では基部プレートは可能な限り低位置に保たれなければならず、通常状況では、車または人物は支柱には衝突するが基部プレートには衝突しない。支柱に対する外力の作用点または作用箇所は地表に対して比較的に高いことも比較的に低いこともあり、それはエネルギー吸収構造部の弾性作用に対して影響を及ぼすであろう。外力の作用点または作用箇所が基部プレートから比較的に高い支柱の位置であると、支柱には大きな回動トルクまたは傾斜トルクが付与され、支柱は基部プレートに対して直接的に回動または傾斜動作を起す。しかし、同じ外力が支柱の非常に低い点または箇所(すなわち基部プレート直上)に作用すると、支柱に作用する回動トルクまたは傾斜トルクは、通常の作用点または作用箇所に発生するトルクと比べて大幅に小さくなる。従って、エネルギー吸収構造部によって常に基部プレートに押し付けられている支柱は基部プレート直上の略水平方向の外力の影響下で、単独には直接的には回動も傾斜もせず、外力と同じ方向に移動されるであろう。
発明の概要
支柱に対する外力の作用点または作用箇所が非常に低位置(すなわち、基部プレート直上、例えば、支柱の高さの30%未満、または20%未満、または10%未満)である場合に、この動作現象を考察するため、さらにエネルギー吸収構造部の弾性作用の結果を改善するために、街頭設備物体は支柱、基部プレートおよびエネルギー吸収構造部で成り、基部プレートだけが地表面、この目的に採用される基礎部、壁部または支持構造体に直接的に固定され、中空スペースが提供され、エネルギー吸収構造部は中空スペース内に配置され、支柱と基部プレートに対して配列され、エネルギー吸収構造部は支柱と基部プレートとを共々常に押圧しており、支柱と基部プレートとの間に第1直接触を提供し、その結果として街頭設備物体は通常姿勢に維持され、すなわち、外力が消散すると、エネルギー吸収構造部は、外力による支柱の荷重負荷時に吸収されたエネルギーを放出し、エネルギー吸収構造部は支柱(例えば支柱の下側)と常に直接触状態を保ち、さらに、地表面、基礎部、壁部、支持構造体または基部プレートの底部プレートとも直接触状態を保ち、支柱、基部プレートおよびエネルギー吸収構造部は、街頭設備物体の通常配置姿勢からの基部プレートに対する支柱の動き始めに、エネルギー吸収構造部が街頭設備物体の部材に損傷を及ぼさずにこの第1の動きを吸収でき、基部プレートに対する支柱の配置姿勢の所定の限界値に到達すると、支柱と基部プレートの間に第2の直接触が確立されるように配置され、この限界値配置姿勢からの支柱のさらなる動きで、剛性統一体が支柱と基部プレートによって形成される、その結果、エネルギー吸収構造部は追加的に荷重負荷されないので、基部プレートに対する支柱のさらなる動きは不能になり、支柱と基部プレートは、支柱が、例えば基部プレート直上にて外力Fで荷重付加されたとき、基部プレートに対する支柱の斜め下方スライド動作が得られ、それがエネルギー吸収構造部で減衰されるように形状化される。好適には、基部プレートに対する支柱の斜め下方スライド動作はエネルギー吸収構造部によって、街頭設備物体の長手方向nだけではなく、その長手方向に垂直な方向にも減衰される。
その設計によって、弾性エネルギー吸収構造部は、垂直方向ばかりではなく水平方向にも直接的に機能する。垂直支柱は外力の影響下では水平方向と垂直方向に同時的に、適応されたエネルギー吸収構造部の弾性力に直接的に対抗して動く可能性を有しており、基部プレートに対する支柱の直接回動または傾斜動作を単に有する代わりに、支柱は基部プレートに対する斜め下方スライド動作を実行する。この斜め下方スライド動作のお陰で、エネルギー吸収構造部は、斜め下方方向の動作の垂直成分だけではなく、場合によっては、その動きの水平成分によっても直接的に利用される(減衰作用)。
好適な実施態様によれば、基部プレートには壁部または管部が提供され、中空スペースを包囲し、その上側、すなわち、支柱の方向に内方向フランジまたは環状部が提供され、あるいは支柱の方向に狭まる形状を自から有しており、それら両方の場合において、中空スペースは支柱の方向に部分的に封止されて開口部を提供し、よって、例えば、この中空スペースへのアクセスを提供している。
好適実施態様によれば、支柱の下側には、すなわち、基部プレートの方向に、開口部の径よりも大きな外径Dを有し、例えば、中空スペース内に位置する外方向フランジまたは環状部が提供されている。
好適実施態様によれば、斜め下方スライド動作は、支柱のフランジまたは環状部の外面と、基部プレートのフランジまたは環状部の内面、及び/又は基部プレートの壁部または管部の内面との協調によって得られる。
好適実施態様によれば、支柱のフランジまたは環状部の外面と、基部プレートのフランジまたは環状部の内面、及び/又は基部プレートの壁部または管部の内面の一部または内面は斜面加工されている。
好適実施態様によれば、斜め下方スライド動作は、街頭設備物体の垂直線nに対する鋭角βを形成する方向に移動する。好適には鋭角βは10°から80°である。
好適実施態様によれば、エネルギー吸収構造部は、支柱のフランジまたは環状部と、基部プレートの内面との間で、支柱のフランジまたは環状部の高さにて配置される形態で弾性部材を含むように形状化、及び/又は設計されている。
好適実施態様によれば、エネルギー吸収構造部は、支柱のフランジまたは環状部の高さで、支柱の下側の凹部内に配置されるよう弾性部材を含むように形状化、及び/又は設計されている。
好適実施態様によれば、支柱、基部プレートおよびエネルギー吸収構造部は簡単に相互内に挿入され、それらは相互に固定されることなく単に相互に隣接して存在する。
本発明の実施態様は、EP−B−2267225に開示されている街頭設備物体のために前述されたものと少なくとも同じ利点を有することは明白であろう。
本発明においては、“街頭設備物体の通常配置姿勢”とは、非拘束状態で無荷重状態、すなわち外力が影響しないときの街頭設備物体の配置姿勢のことであり、“剛性統一体”とは、相互に対して移動不能な状態の構成部または部材の一体物のことであり、すなわち、支柱と基部プレートの両方で剛性統一体を構成する。
また、“外方向”および“内方向”とは街頭設備物体の中央部から見た方向であり、一方は中央から外側に向かう方向であり、他方は外側から中央に向かう方向である。
本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。 本発明の異なる実施例を図示する。
好適実施例の詳細な説明
本開示は特定の実施例に関して図面に沿って説明されているが、それに限定されない。図面は概略的であり、非限定的である。図面では、一部の構造部の寸法は図示の目的で誇張されており、相対的に忠実ではない。特定および相対的な寸法は実際の縮尺率に必ずしも対応しない。様々な実施例は単に例示を目的としており、本発明の範囲を限定するものではない。
図1から図4は本発明による街頭設備物体(1)の第1実施例を図示しており、図1は非設置状態の街頭設備物体の3部材を示しており、図2は設置状態の街頭設備物体を示しており、図3は外力Fの影響下の街頭設備物体のエネルギー吸収状態を示しており、図4は街頭設備物体の衝撃抵抗状態を示している。
街頭設備物体(1)は、基部プレート(2)に可動状態に接続されている支柱(3)と、街頭設備物体にフィットしているエネルギー吸収構造部(4)のみで成る。これら3部材は相互に固定されておらず、単に相互内にスライド挿入されているだけであり、図1と図2が明確に示すように互いに接触状態で存在するだけである。
基部プレート(2)は基部または地面(この目的に即したで平坦地表面5または平坦基礎)、壁部または支持構造物に固定されるように設計されている。通常では、街頭設備物体は地中や壁部内には打ち込まれず、その上に置かれて地面または壁面に固定される。よって基部プレート(2)は、中空スペース(17)を包囲し、その端部に、中空スペース(17)を支柱(3)の方向で部分的に封止する内方向のフランジまたは環状部(8)が提供されている壁部または管部(6)で成り、中空スペース(17)へのアクセスを提供する開口部(16)が設けられており、その他方端部(9)に、ネジまたはボルトで基部プレート(2)を地面または壁面(5)に固定するための貫通腔部またはスロット(11)を備えた外方向の固定フランジまたは環状部(10)が提供されている。この固定フランジまたは環状部(10)は、壁部または管部(6)を地面または壁面(5)に固定する他の固定手段によって置換できる。他の固定手段は本発明による街頭設備物体の運用に一切影響を及ぼさない。
この実施例では、壁部または管部(6)は円筒状であり、中空スペース(17)は中央に配置されている。壁部または管部(6)の他の形状および壁部または管部(6)内の中空スペース(17)の他の配置も本発明に適していることは明白である(図12参照)。管部の断面は殆どの場合には円形であるが、本発明では、この断面は多角形であっても、あるいは他の形状であっても構わない。中空スペース(17)を包囲する壁部(6)の形状の選択も完全に自由である。この形状は、例えば、円錐状(図5参照)、曲状、球状、半球上、等々でもよい。そのような場合には、支柱(3)の方向でそのような形状(および、例えば支柱の方向に狭まる形状)は中空スペース(17)の開口部(16)にまで至ることができる。すなわち、フランジまたは環状部(8)は存在しない。好適な設計では、フランジおよび環状部は放射状である。相互作用するフランジまたは環状部(8)および支柱(3)のフランジまたは環状部(15)は、それぞれ放射状外側あるいは放射状内側に広がることができる。それらは斜めにでも可能である(図6参照)。基部プレート(2)の壁部または管部(6)の長さは十分に短くなければならず、基部プレート(2)ではなく支柱(3)の事実上全ての点が、街頭設備物体に作用する外力の有効作用点でなければならない。開口部(16)を非中央的に配置することも、非円形とすることも可能である。
基部プレート(2)は、共同で剛性統一体を形成し、一体成型することも可能な異なる構造部、例えば、管状部分、フランジ、等々の構成体であってもよい。
図示の実施例の支柱(3)は筒状である。その他の支柱の形状も可能であり、その断面形状に関する限定も存在しない。支柱は固形状でも中空状でもよい。この形状独立性は街頭設備物体(1)の利用状況に支柱の強度を適合させる可能性を提供する。支柱(3)は、基部プレート(2)側に放射状に配置できる外方向のフランジまたは環状部(15)を有する。設置されると、このフランジまたは環状部(15)は中空スペース(17)内に配置され、支柱(3)は開口部(16)を貫通して突き出し、このフランジまたは環状部(15)は基部プレート(2)の内方向フランジまたは環状部(8)の背後に掛留される。これは、フランジまたは環状部(15)の外径Dが、(開口部(16)の直径でもある)フランジまたは環状部(8)の内径D’より大きいからである。
これら相互作用するフランジと環状部(8および15)(支柱3と基部プレート2との間に第1の直接触を提供:図2参照)は、中空スペース(17)内にて支柱(3)と基部プレート(2)との間で旋回動作(傾斜動作)を可能にするために、それら部材間(具体的には、支柱3のフランジまたは環状部3と基部プレート2との間、およびそれぞれ壁部または管部6と支柱3との間)に十分な横方向の間隔を提供するだけではなく(図3参照)、基部プレート(2)に対する支柱(3)の配置姿勢の設定限界値に到達した後、すなわち、支柱(3)と基部プレート(2)との相対動作(例えば、設定された相対動作)後、支柱(3)は基部プレート(2)のフランジまたは環状部(8)の内縁部と接触状態になり、支柱(3)と基部プレート(2)との間に第2直接触を提供し(図4参照)、第1直接触と第2の直接触の結果、剛性統一体が支柱(3)と基部プレート(2)によって形成され、この剛性統一体は衝突/衝撃の影響で一体物としてのみさらに動作することができる。この目的で、向上した接触状態(第2直接触)を得るためにフランジまたは環状部(8)の内縁部の形状は支柱(3)の形状に適合させることが可能である。この適合はフランジまたは環状部(8)の(例えば、その内縁部)の斜面加工によって達成できる(図1参照、表面82)。
街頭設備物体に外力を、基部プレート(2)直上、すなわち物体低部で支柱(3)と衝突させて、大きくはない回動トルクまたは傾斜トルクを発生させるのに適する形態にするため、協調構造部、すなわち支柱(3)のフランジまたは環状部(15)と基部プレート(2:フランジまたは環状部8あるいは壁部または管部6)は、支柱(3)に対する外力の低作用点または低作用箇所の結果として、支柱(3)が斜め下方にスライド動作(方向β、図2参照)するように形状化される。この動作を得るため、支柱(3)の環状部(15)の外表面(151)と、環状部(8)及び/又は壁部または管部(6)の内表面(81または61)は斜面加工することができる(図11参照、表面61)。
この減衰された斜め下方スライド動作の方向は好適には垂直線(n)(垂直線nは地面の平面に垂直な方向)に対する鋭角βに設定される。好適には、鋭角βは10°から85°の範囲である。この範囲の各値が適しており、街頭設備物体の利用環境によって決定される。
エネルギー吸収構造部(4)は中空スペース(17)内に提供され、設置されると(図2)、街頭設備物体を通常の配置姿勢に維持するために、それは支柱(3)と基部プレート(2)を常時押し付け合うように中空スペース(17)内に配置され(すなわち、エネルギー吸収構造部4は復元力を有する)、吸収されたエネルギーは外力が消失すると解放される。この相互押し付けによって、第1直接触が支柱(3)と基部プレート(2)の間に確立され、とりわけ、それらの傾斜表面(151と81)によって確立される。エネルギー吸収構造部(4)はこの実施例では、支柱(3)と基部プレート(2)が固定されている地面または床面(5)との間に配置される。あるいは、基部プレート(2)には底部にて基部プレート(2)内の中空スペース(17)を封止する底部プレートが提供できる(EP−B−2267225の図9参照)。この底部プレートは、街頭設備物体が設置されたときに開口部(16)を貫通して支柱(3)を挿入可能にするように基部プレート(2)の残り部分に解放可能に接続されなければならない。支柱(3)は、その下側をエネルギー吸収構造部(4)に接して存在する。
エネルギー吸収構造部(4)には、フランジまたは環状部(15)の高さで、支柱(3)のフランジまたは環状部(15)と、基部プレート(2)の壁部または管部(6)(例えば壁部または管部の内側)との間に部分(41)が提供され、基部プレート(2)の壁部または管部(6)の方向で支柱(3)の横方向(水平)動作の場合であっても、減衰された動作が得られる。この部分(41)はエネルギー吸収構造部(4)を中空スペース(17)内で追加的に中央合わせさせる。
エネルギー吸収構造部(4)は異なる形態で設置が可能であり、あらゆる形状が可能である。それは、例えば、ゴム、エラストマーあるいは弾力特性及び/又は減衰特性を備えた任意の他の材料で製造された均質な塊体であって、あるいは、多様な弾性特性及び/又は減衰特性を備えた弾性材料の異なる層で製造することができる(EP−B−2267225参照)。場合によっては弾性的に変形できるが圧縮不能あるいは圧縮困難な弾性材料を利用し、衝撃下の変形中に弾性材料の形状のみが変化し、その体積は変わらず、あるいは殆ど変わらないようにすることも可能であろう(その圧縮不能特性によって体積は圧縮できず、あるいは非常に圧縮困難であるから)。そのような弾性材料で、支柱(3)と基部プレート(2)との間の相対動作を前もって予測することは容易である。この相対動作中に吸収されるエネルギーは外力(衝撃または風力)が消滅すると放出され、支柱(3)、すなわち街頭設備物体(1)を通常の配置姿勢に戻す。エネルギー吸収構造部(4)の減衰特性および弾性特性は、衝撃時に達成される街頭設備物体の振る舞いの働きとして適応できる多数の設計形態が可能であることは明白である。エネルギー吸収構造部(4)は支柱(3)または基部プレート(2)に固定することも固定しないことも、また、異なる変形可能な弾性材料で製造することもできる。
本発明の街頭設備物体の作用は単純であり、以下で説明する。図2では街頭設備物体が設置状態にあり、そのまま放置されている。この場合には街頭設備物体は直立しており、支柱(3)を支持するエネルギー吸収構造部(4)の復元性は、作用力F(例えば衝撃または風力)が街頭設備物体に作用しない限り、この直立姿勢を維持させるだけでなく、支柱(3)と基部プレート(2)との間に第1直接触を提供することを確実にする。もし外力Fが、例えば車等の衝突の結果として、街頭設備物体を横断する方向に作用すると(図3参照)、エネルギー吸収構造部(4)はまず右側で圧縮されるが、それでもそれはその左側でフランジまたは環状部(15)をフランジまたは環状部(8)に対して押し付け(第1直接触)、エネルギー吸収構造部(4)の減衰特性によって衝突時の衝撃エネルギーを吸収する。その結果、車内の運転手に対する衝突の衝撃は大幅に弱められ、街頭設備物体との車の衝突時の最大衝撃は分断される。勿論、支柱(3)と基部プレート(2)は、エネルギー吸収構造部(4)の圧縮と変形の結果として相対的に動作するであろう。支柱(3)と基部プレート(2)との間のこの相対動作は、基部プレート(2)に対する支柱(3)の配置姿勢の設定限界値に到達したら不可能になる(図4参照)。その瞬間に支柱(3)はその外側を基部プレート(2)のフランジまたは環状部(8)の内縁部に接して存在し、支柱(3)と基部プレート(2)との間に第2直接触を提供する(図4参照)。エネルギー吸収構造部(4)は支柱(3)のフランジまたは環状部(15)を基部プレート(2)のフランジまたは環状部(8)に対して継続的に押し付ける、または常時押し付けようと試み(第1直接触)、衝撃(F)の結果として、支柱(3)は、ある時点で、基部プレート(2)のフランジまたは環状部(8)とその外側で接触するように傾斜するので(第2直接触)、剛性統一体が得られる。まずフランジ(8と15)が相互との接触点を有し(第1直接触)、さらに、別な接触(第2直接触)が支柱(3)の外側と基部プレート(2)のフランジまたは環状部(8)の内縁部との間に確立されることによってこの剛性統一体が得られる。この接触回動(第1直接触)は後者の接触(第2直接触)と共に、基部プレート(2)に対する支柱(3)のさらなる動作を妨害する。なぜなら、支柱(3)と基部プレート(2)で成る剛性統一体が得られるからである。そのような状態は図4に示されている。この剛性統一体の別な利点は、エネルギー吸収構造部(4)がそれ以上変形できず、塑性崩壊が発生しないことである。さもなければ、エネルギー吸収構造部(17)の形状復帰力は消失するであろう。事実、基部プレート(2)の中空スペース(17)内のエネルギー吸収構造部(4)は、減衰作用を備えた一種の丁番体を形成し、作用力が街頭設備物体に対して横断方向に作用すると、エネルギー吸収構造部(4)は、支柱(3)が非荷重負荷状態に対して設定限界配置姿勢にまでこの丁番体から角回転し、よって第2直接触が到達されるように変形する。
もし、外力Fが基部プレート(2)直上で支柱(3)に作用し、回動トルクまたは傾斜トルクが小さければ、基部プレート(2)に対する支柱(3)の回動または傾斜動作は、街頭設備物体(1)の協調構造部(151と81、あるいは直接的に壁部または管部6の内側61、図11参照)の結果である斜め下方動作によって、方向βの基部プレート(2)に対する支柱(3)の動作と組み合わされるであろう。
これら組み合わされた動作によって、エネルギー吸収構造部(4、41)は、これら動作の垂直成分によってのみならず水平成分によっても圧縮される。この減衰された垂直成分の結果としてのエネルギー吸収は、エネルギー吸収構造部(4、41)を、水平方向においても減衰およびエネルギー吸収が発生するように形状化することで増加する。従って、エネルギー吸収構造部(4)の部分(41)は、部分的あるいは完全に、支柱(3)のフランジまたは環状部(15)の高さで、支柱(3)のフランジまたは環状部(15)と基部プレート(2)の壁部または管部(6)の内側との間に位置する。
横方向の減衰を最善化するため、部分(41)の圧縮性は調節でき、エネルギー吸収構造部(4)の残り部分のために利用される材料とは異なることができる。
エネルギー吸収構造部(4)が、圧縮性がさらに小さな材料で成るときには変形を得るにはさらに多くの作用力が必要になることは明らかであり、そのような材料は、好適には衝撃が大きいところに、あるいは支柱(3)と基部プレート(2)との間の動作が大きく制限されているところに使用されるべきである。逆に、容易に圧縮される材料の場合には、エネルギー吸収構造部(4)の変形を得るのに比較的に小さな作用力でよく、基部プレート(2)に対する支柱(3)の配置姿勢のための設定限界値には非常に急速に到達する。
本発明による街頭設備物体の更なる利点は、エネルギー吸収構造部(4)が中空スペース(17)内に包囲されて、それを天候条件から保護しており、それが風化及び/又は劣化に大きく曝されないことであり、そのエネルギー吸収能力および復元力が喪失しないことである。
図示の例では、街頭設備物体(1)は対称的に製作されており、如何なる方向からの衝突であっても街頭設備物体の反応は常に同じとなる。勿論、本発明によれば、常にそのようにする必要はなく、エネルギー吸収構造部(4)の材料は、街頭設備物体が異なる方向の衝突の場合には異なる振舞いとなるように、特定方向の材料を別方向に使用される材料と異ならせることもできる。
支柱(3)、基部プレート(2)およびエネルギー吸収構造部(4)のみで構成されているので、本発明の街頭設備物体は非常に単純な構造を有する。従って、非常に安価に製造および修理ができ、よって全ての種類の利用形態に適している。街頭設備物体の設置も非常に簡単である。なぜなら、それら3部材は相互に固定されず、単純に隣接して配置されるだけだからである。実際に、それら3部材は相互内に単にスライド挿入されるだけである。機械的限界が存在し、支柱(3)と基部プレート(2)の剛性統一体内に発生する第1方向および第2方向の接触のため、エネルギー吸収構造部(4)の変形程度は、勿論、エネルギー吸収構造部(4)の最大許容変形度以下に制限される。この結果、エネルギー吸収構造部(4)は常に同一行動をとり、その復元力を消失しない。
その発明的機能に影響を及ぼすことなく追加の部材を本発明の街頭設備物体に加えることはできるのは明らかである。例えば、開口部(16)を完全に閉鎖するために支柱(3)に弾性構造部(例えば蛇腹部)を提供することができ、エネルギー吸収構造部(4)をさらに良好に保護することができる。また、フランジあるいは環状部(10)は、腔部及び/又はスロットが提供された複数のアングルブラケットで置換できる。これらアングルブラケットは、例えば、一方を直接的に壁部または管部(6)に取り付け、他方を地面(5)または壁面に取り付けることができる。
図5と図6は本発明の街頭設備物体の別実施例を示す。図5では基部プレート(2)は円錐台形の壁部または管部(6)で成り、図6ではフランジまたは環状部(6)は放射状ではなく斜め下方に広がっている。
図7(非設置状態)および図8(設置状態)は本発明による街頭設備物体の別実施例を示しており、フランジまたは環状部(8と15)は異なる設計形態となっている。放射形状(図1)または斜め形状(図6)のフランジまたは環状部(8と15)の代わりに、これらフランジまたは環状部はそれぞれ放射形状部(8Aと15A)と斜め形状部(8Bと15B)とを有しており、斜め形状部(8Bと15B)は相互協調しており、減衰された斜め下方のスライド動作(方向β)を提供し、その際に外力が基部プレート直上で支柱(3)に及ぼされる。
図9(非設置状態)と図10(設置状態)では、エネルギー吸収構造部(4)の部分(41)の別例が示されている。これら別例は支柱(3)の形状修正されたフランジまたは環状部(15)を示している。支柱(3)にはその下側に、フランジまたは環状部(15)の高さで凹部(152)が提供されており、その中にはエネルギー吸収構造部(4)の別な弾性部分(42)が配置され、この弾性部分(42)は支柱(3)の横方向動作を減衰できる。この弾性部分(42)は図2の弾性部分(41)の機能を引き継ぐ。外力が左側から支柱(3)に作用すると(図3と図4に図示)、弾性部分(42)の側面(421)は凹部(152)の側面(1521)と協調する。図10においては、両方の部分(41と42)が共に利用され、横方向動作の減衰をさらに向上させている。
図11では、フランジまたは環状部(8)に壁部または管部(6)を接続している領域において、減衰された斜め下方スライド動作が得られるよう、接続部分が壁部または管部(6)のフランジまたは環状部(15)の外端と協調できるように設計されている。
図12は、道路に沿って配置できる本発明による街頭設備物体の可能な実施例を示す。車が基部プレート(2)に接触することを回避するため、基部プレートは車側(X)(すなわち道路側)では非常に低くなっているが、十分な減衰材料(4)を提供できるようにその高さは反対側で高くなっている。フランジまたは環状部(8と15)および開口部(16)内の支柱(3)の位置はこの基部プレートの設計に適応されている。支柱(3)は中央的には配置されておらず、支柱(3)は支柱の所定の配置姿勢にまで傾斜する十分なスペースを有しており、支柱(3)と基部プレート(2)は剛性統一体を形成している。この基部プレートの形態が弾性部分(41)のみ、または弾性部分(42)のみと使用されることも可能である。
この実施例は、基部プレート(2)の形状と、例えば支柱の形状が、街頭設備物体(1)が配置されなければならない場所の環境に適応が可能であることを示す典型的な実施例である。これは、本発明の基本的概念を変えることなく、すなわち、まず支柱(3)の回動を許容する永続的な第1直接触が存在し、並びに、それに関連するエネルギー吸収と共に、街頭設備物体の衝撃抵抗特性を提供する第1直接触および第2直接触による剛性統一体が提供される。
街頭設備物体は本明細書の初頭で記した技術分野においてのみならず、例えば、駐車場やショッピングセンターのごとき車速が遅い場所での利用や、あらゆる種類の屋内および屋外運搬装置のため、並びにその遮断機能によって悪戯から保護するために機械および施設を防護するようにも使用が可能である。
本発明の態様による街頭設備装置の利用は、典型的には低位置での衝突が予期される特定の分野において特に有利であろう。例えば、限定はしないが、以下のような場合である:
例えば、オートバイを停止させ、滑ってくるドライバーを止めるのに使用されるときのごとき低衝撃度を対象に利用されなければならないときに、ガードレール構造物または保護ブラケットの支持柱体として利用する場合;または、
典型的には背後の低位置にカウンターウェイトを有するリフトトラックと組み合わされた支柱を利用する場合。
本発明は例示として説明した街頭設備物体には限定されず、本発明の街頭設備物体は多くの異なる態様でも利用することができる。

Claims (8)

  1. 支柱(3)、基部プレート(2)及びエネルギー吸収構造部(4)で構成され、
    前記基部プレート(2)のみが、存在する地表面(5)、利用目的に適合された基礎部、壁部、又は支持構造部に直接的に固定されており、該基部プレートには中空スペース(17)が提供されており、
    前記エネルギー吸収構造部(4)は前記中空スペース(17)内に配置され、該エネルギー吸収構造部(4)は、常時、前記支柱(3)と前記基部プレート(2)とを共に押圧して該支柱(3)と該基部プレート(2)との間に第1直接触を創出し、その結果として、本街頭設備物体(1)は通常配置姿勢に維持され、前記エネルギー吸収構造部(4)は、外力が消滅したときに外力による前記支柱(3)の荷重負荷時に吸収されたエネルギーを放出し、前記エネルギー吸収構造部(4)はさらに、常時、片側で前記支柱(3)と、別側で前記地表面(5)、前記基礎部、前記壁部、前記支持構造部あるいは前記基部プレート(2)の底部プレートと直接触状態に残るよう、前記エネルギー吸収構造部(4)は前記支柱(3)および前記基部プレート(2)に対して構成されており、
    本街頭設備物体(1)の通常配置姿勢からの、前記基部プレート(2)に対する前記支柱(3)の始動時に、前記エネルギー吸収構造部(4)は本街頭設備物体(1)の部分に対する損傷なく、その始動エネルギーを吸収することができ、前記基部プレート(2)に対する前記支柱(3)の配置姿勢の設定限界値に到達すると、該支柱(3)と該基部プレート(2)との間には第2直接触が創出され、この設定された限界配置姿勢からの該支柱(3)のさらなる動作について、該支柱(3)および該基部プレート(2)で成る剛性統一体が形成されるために該基部プレート(2)に対する該支柱(3)のさらなる動作は不可能になり、その結果、前記エネルギー吸収構造部(4)に追加的に荷重負荷されないように前記支柱(3)、前記基部プレート(2)および前記エネルギー吸収構造部(4)は構成されており、
    前記支柱(3)に前記基部プレート(2)直上で荷重負荷されると、該基部プレート(2)に対する該支柱(3)の斜め下方スライド動作が発生し、前記エネルギー吸収構造部(4)によって減衰されるように該支柱(3)と該基部プレート(2)は形状化されており、
    前記の斜め下方スライド動作は、前記支柱(3)フランジ又は環状部(15)の斜面加工された外表面(151)と、前記基部プレート(2)フランジ若しくは環状部(8)の斜面加工された内表面(81)及び/又は前記基部プレート(2)の前記壁部若しくは管部(6)の内表面(61)との協調によって得られる、街頭設備物体(1)。
  2. 前記基部プレートには、前記中空スペース(17)を包囲し、前記支柱(3)の方向の上端(7)で内側方向のフランジ又は環状部(8)を備え、あるいは、前記支柱(3)の方向に狭くなる形態を自身に有している壁部又は管部(6)を備え、それら両方の場合に、前記中空スペース(17)は前記支柱(3)の方向で部分的に封止され、該中空スペース(17)へのアクセスを提供する開口部(16)を備える、請求項1記載の街頭設備物体。
  3. 前記支柱(3)の下側、即ち、前記基部プレート(2)の方向に、前記開口部(16)の径よりも大きな外径(D)を有し、且つ前記中空スペース内に存在する外向きフランジ又は環状部(15)を備える、請求項2記載の街頭設備物体。
  4. 前記斜め下方スライド動作は、街頭設備物体(1)の垂直(n)方向に対して鋭角(β)を形成する方向の動作である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の街頭設備物体。
  5. 前記鋭角(β)は10°〜80°である、請求項4記載の街頭設備物体。
  6. 前記エネルギー吸収構造部(4)は、前記支柱(3)の前記フランジ又は環状部(15)の高さで、該支柱(3)の該フランジ又は環状部(15)と前記基部プレート(2)の内表面との間に配置されるための弾性部分(41)を含むように形状化及び/又は改変されている、請求項3〜5のいずれかに記載の街頭設備物体。
  7. 前記エネルギー吸収構造部(4)は、前記支柱(3)の前記フランジ又は環状部(15)の高さで、該支柱(3)の下側の凹部(152)内に配置されるための弾性部分(42)を含むように形状化及び/又は改変されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の街頭設備物体。
  8. 前記支柱(3)、前記基部プレート(2)及び前記エネルギー吸収構造部(4)は相互内に単純に挿入され、相互に固定されることなく単に接触した状態で存在するために形状化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の街頭設備物体。
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