JP6545993B2 - リグニン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リグニン誘導体の製造方法に関する。より詳しくは、セメント混和剤等の用途に使用可能なリグニン誘導体の製造方法に関する。
リグニンは、木材等の植物系バイオマスの3大主成分のうちの一つ(3大主成分:セルロース、ヘミセルロース、リグニン)であり、天然の芳香族ポリマーとして地球上に最も豊富に存在している。リグニンの構造については、光合成(一次代謝)により同化された炭素化合物が更なる代謝(二次代謝)を受けることで合成されるフェニルプロパノイドのうち、p−クマリルアルコール・コニフェニルアルコール・シナピルアルコールという3種類の基本骨格であるリグニンモノマーが、ラッカーゼ・ペルオキシダーゼ等の酸化酵素により一電子酸化され、フェノキシラジカルとなり、これが不定形にラジカルカップリングすることにより、複雑な三次元網目構造をとっている。
上述のように、リグニンの分子構造は複雑であり、また、植物体から単離する際の単離方法によりリグニンの化学的特性が大きく変化すること、及び、リグニンが基本的には疎水性物質であり、難水溶性であること等の理由により、これまでリグニンの工業材料としての利用は限られていた。
しかし一方で、安価に入手可能なリグニンを工業的に利用すべく、種々の検討がなされており、例えば、染料添加剤及び印刷ゲル添加剤としての使用に適した電解質含有量の少ないスルホン化リグニンのナトリウム塩の調製方法であって、(a)リグニンのフェノール成分をアルカリ性液状媒体内でイオン化する段階と、(b)リグニンのイオン化されたフェノール成分をメチロール化する段階と、(c)前記媒体のpHを酸性域まで下げてメチロール化されたリグニンを沈殿させる段階と、(d)沈殿したリグニンを水洗して無機塩類及び反応残滓を除去する段階と、(e)水洗精製した前記メチロール化されたリグニンをイオウ及び酸素を含有する化合物のナトリウム塩によって液体媒体内でスルホン化する段階とから成ることを特徴とするスルホン化リグニンのナトリウム塩の調製方法が開示されている(特許文献1参照。)。
特開昭61−97484号公報
上記のとおり、リグニン誘導体の工業的利用が検討され、リグニン誘導体の調製方法が検討されている。
しかし、従来の方法では、芳香環含有側鎖を導入したリグニン誘導体の製造においては、リグニンや芳香族化合物の種類によっては、得られるリグニン誘導体の収率が充分でなく、リグニンや芳香族化合物の種類によらず高い収率でリグニン誘導体が得られる方法が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、リグニンや芳香族化合物の種類によらず芳香環含有側鎖を導入したリグニン誘導体を高収率で得られ、工業的生産に適するリグニン誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、リグニン誘導体の製造方法について種々検討したところ、リグニンの種類によっては、リグニンは酸性での水溶性が極めて低い一方、芳香族化合物の種類によっては、芳香族化合物の導入が、酸性条件下に限られることに着目した。そして本発明者は、リグニンに極性基を導入することにより、リグニンに酸性条件下での溶解性を付与することができ、このように変性させたリグニンに対して芳香環含有側鎖を導入することにより、リグニンや芳香族化合物の種類によらず得られるリグニン誘導体の収率が向上し、工業的生産に適することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、リグニン誘導体の製造方法であって、上記製造方法は、アルカリ性条件下でリグニンに極性基を導入する第1工程と、酸性条件下で第1工程の反応生成物に芳香環含有側鎖を導入する第2工程を含むリグニン誘導体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のリグニン誘導体の製造方法は、アルカリ性条件下でリグニンに極性基を導入する第1工程を含む。リグニンの種類によっては、リグニンは、通常酸性条件下において、溶解させることが困難であるが、本発明の第1工程では、リグニンに極性基を導入することにより、後述する第2工程において、極性基を有するリグニンを酸性条件下で溶解させることができる。本発明において、酸性条件下で溶解させることが困難であるリグニンとは、リグニン10gを、25℃において、pH1の酸性水溶液100gに溶解した際に、不溶分が9g以上であるリグニンのことを指す。このようなリグニンに対して極性基を導入した場合、このようにして極性基を導入した変性リグニン10gを、25℃において、pH1の酸性水溶液100gに溶解した際に、不溶分を0.5g未満とすることができる。また、第1工程では、反応をアルカリ性条件下で行うことにより、リグニンを溶媒に充分に溶解させることができるため、極性基を導入する反応を充分に進めることができる。
上記アルカリ性条件下でリグニンに極性基を導入する第1工程は、酸性条件下で水溶性のリグニンに対して行ってもよく、後述する種々のリグニンに対して行うことができるが、酸性条件下で水溶性が極めて低いリグニンに対して行う場合に、特に、本発明の技術的意義が発揮される。
上記極性基としては、上述のような酸性条件下の水溶性が低いリグニンに対して上述のような酸性条件下における溶解性を付与することができる限り制限されないが、例えば、第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム塩の基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、カルボニル基、チオール基、ニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基又はこれらの塩の基等が挙げられる。
上記極性基がアミノ基等のカチオン性の基である場合、塩としては、例えば、塩酸塩等のハロゲン化水素との塩等が挙げられる。上記極性基がカルボン酸基等のアニオン性の基である場合、塩としては、例えば、アルカリ金属塩等が挙げられる。
上記第2、3級アミノ基、第4級アンモニウム塩の基が有する炭化水素基は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基が挙げられる。炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
また、極性基としては、上述のように特定のリグニンに対して酸性条件下での溶解性を付与することができるものであればよく、上述した基のうち、第2、3級アミノ基、第4級アンモニウム塩の基以外の基についても基の構造の一部が、他の基で置換されたものや基の構造に他の基が付加されたものであってもよい。基の構造の一部を置換し、又は、基の構造に付加する他の基としては、上記と同様の1価の炭化水素基から水素原子を1つ除いた2価の炭化水素基が好ましい。
例えば、上記基の構造の一部が他の基で置換されたものとしては、カルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基等のエステルが挙げられる。エステルとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキルエステル等が挙げられる。
上記基の構造に他の基が付加されたものとしては、2価の炭化水素基が結合したカルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基等が挙げられる。例えば、2価の炭化水素基が結合したカルボン酸基としては、炭素数2〜7の脂肪酸の基、炭素数7〜13の芳香族カルボン酸の基等が挙げられる。
極性基として好ましくは、第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム塩の基の他、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基又はこれらの塩の基、これらの基の構造の一部が他の基で置換されたもの若しくはこれらの基の構造に他の基が付加されたものであり、より好ましくは第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム塩の基、カルボン酸(塩)基又はこれらの基の構造に他の基が付加されたものである。これらの1種のみをリグニンに対して導入しても、2種以上を導入してもよい。
上記極性基を導入する第1工程は、リグニンに極性基を導入する限り特に制限されず、リグニンと極性基とを直接結合させても、連結基を介して結合させてもよい。リグニンに極性基を導入する方法としては、後述するリグニンと極性基を有する化合物とを反応させる方法が挙げられる。
リグニンの分子は、複雑な三次元網目構造を有する大きな分子であり、1つのリグニン分子中に極性基を導入しうる反応サイトは複数存在する。このため、1つのリグニン分子に複数の極性基を導入しうるが、上記第1工程では、少なくとも1つの極性基を導入することができればよく、第2工程において第1工程の反応生成物に対して芳香環含有側鎖を導入することができる限り、リグニンに結合する極性基の数は特に制限されない。また、リグニン分子中の反応サイトにおいて、極性基が結合する位置も特に制限されない。
上記第1工程を行うことにより、上記反応サイトが下記式(1)で表される構造を有する、極性基が導入された変性リグニンが得られる。
Figure 0006545993
(式中、Rは、水素原子又はアルコキシ基を表し、ベンゼン環に複数結合していてもよい。Xは、直接結合又は2価の連結基を表す。Yは、極性基を表す。Zは、水素原子又は1価の官能基を表す。)
上記式(1)において、変性リグニンの反応サイトのリグニン由来のベンゼン環と極性基とが、直接又はXで表される2価の連結基を介して結合する位置は特に制限されないが、変性リグニンが有する複数の反応サイトのうち少なくとも1つは、水酸基のオルト位でベンゼン環と極性基とが直接又はXで表される2価の連結基を介して結合していることが好ましい。
上記Xが2価の連結基である場合、2価の連結基としては、特に制限されないが、例えば、炭化水素基が挙げられる。
本発明のリグニン誘導体における2価の連結基は、2価の炭化水素基であることが好ましい。
2価の炭化水素基としては、炭素数1〜18の2価の炭化水素基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜4の2価の炭化水素基であり、更に好ましくは、炭素数1の2価の炭化水素基、すなわち、メチレン基である。
上記Rとしては、水素原子、炭素数1〜18のアルコキシ基のいずれかが好ましい。より好ましくは、水素原子、炭素数1〜2のアルコキシ基のいずれかである。
上記Zの1価の官能基としては、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性官能基;アミノ基等のカチオン性官能基のいずれかが好ましい。より好ましくは、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基のいずれかである。
上記第1工程は、アルカリ性条件下でリグニンと極性基を有する化合物とを反応させることにより行うことが好ましい。
上記極性基を有する化合物は、極性基を少なくとも1つ有する限り特に制限されないが、アルカリ性条件下におけるリグニンとの反応性の観点から、例えば、アミン化合物、フェノール性水酸基と上述の極性基とを有する化合物等が挙げられる。上記極性基を有する化合物としては、アミン化合物及びフェノール性水酸基と上述の極性基とを有する化合物のいずれにも該当する化合物であってもよい。
上記アミン化合物としては、アミノ基を有する化合物である限り特に制限されないが、例えば、エチルアミン等の炭素数1〜8のモノアルキルアミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン等の炭素数2〜16のジアルキルアミン;2−アミノエタノール、2−プロパノールアミン等の炭素数1〜8のモノアルカノールアミン;ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の炭素数2〜16のジアルカノールアミン;2−(メチル)アミノエタノール等の炭素数2〜16のアルキルアルカノールアミン;エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン等の炭素数2〜16のアルキレンジアミン;ビス(2−アミノエチル)アミン等の炭素数2〜16のジアルキレントリアミン;尿素等の炭素数1〜8のカルバミド化合物;システアミン等の炭素数1〜8のアミノアルカンチオール;グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸;アンモニア;アニリン等の芳香族アミン類又はこれらの塩等が挙げられる。また、芳香族アミン類の芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭素原子のみで構成される炭素数6〜14の芳香環;チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、インドール、カルバゾール等の炭素数4〜13の複素環が挙げられる。これらの中でも、炭素原子のみで構成される炭素数6〜10の芳香環や炭素数4〜9の硫黄原子又は窒素原子含有複素環が好ましい。より好ましくは、炭素原子のみで構成される炭素数6の芳香環や炭素数4の硫黄原子又は窒素原子含有複素環である。これらを、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。なお、上記炭素数は、化合物全体が有する炭素の数を意味するものとする。
上記アミン化合物として好ましくは、炭素数1〜3のモノアルカノールアミン、2〜6のジアルカノールアミン、アンモニア、尿素、アミノ酸、芳香族アミン類である。より好ましくは炭素数1〜3のモノアルカノールアミン、2〜6のジアルカノールアミン、アンモニア、尿素である。これらの化合物は、比較的安価であるため、リグニン誘導体の工業生産に好適に用いることができる。また、リグニンに対する導入効率の観点から、より好ましくは2−アミノエタノール、ジエタノールアミンであり、更に好ましくは2−アミノエタノールである。
上記フェノール性水酸基と極性基とを有する化合物としては、フェノール性水酸基とカルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基とを有する化合物が好ましい。上記フェノール性水酸基と極性基とを有する化合物が有する芳香環の具体例及び好ましい形態は上述のとおりである。
上記フェノール性水酸基とカルボン酸基とを有する化合物(以下、カルボン酸基含有フェノール性化合物ともいう)としては、例えば、サリチル酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシナフタレン酢酸等が挙げられる。また、これらのカルボン酸基含有フェノール性化合物の2分子が結合して酸無水物を形成したものも本発明のリグニン誘導体を製造する原料として用いることができる。
上記カルボン酸基含有フェノール性化合物としては、サリチル酸、ヒドロキシフェニル酢酸が好ましい。上記芳香環の具体例及び好ましい形態は上述のとおりである。
上記フェノール性水酸基とスルホン酸基とを有する化合物(以下、スルホン酸基含有フェノール性化合物ともいう)としては、例えば、ヒドロキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
上記フェノール性水酸基とリン酸基とを有する化合物(以下、リン酸基含有フェノール性化合物ともいう)としては、例えば、ヒドロキシフェニルリン酸等が挙げられる。
上記極性基を有する化合物としては、アミン化合物及び/又はフェノール性水酸基とカルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基とを有する化合物が好ましい。より好ましくは、アミン化合物、カルボン酸基含有フェノール性化合物である。
上記第1工程において、リグニンと極性基を有する化合物とを反応させる方法は、特に制限されないが、例えば、(1)又は(2)の方法が挙げられる。
(1)極性基を有する化合物がリグニンと反応することができる反応性基を有している場合には、そのまま、リグニンと極性基を有する化合物とを反応させる。これにより、リグニンと極性基を有する化合物とが反応性基を介して結合することとなる。
(2)リグニンと極性基を有する化合物とを、リグニンと反応することができる反応性基を有する化合物(以下、反応性基含有化合物ともいう)を介して、反応させる。この場合、極性基を有する化合物は、リグニンと反応することができる反応性基を有していてもいなくてもよい。また、リグニンと極性基を有する化合物と反応性基含有化合物とを同時に反応させてもよく、極性基を有する化合物又はリグニンと反応性基含有化合物とを予め反応させた後、得られた反応生成物とリグニン又は極性基を有する化合物とを反応させてもよい。
上記第1工程におけるリグニンと極性基を有する化合物との反応は、反応性基含有化合物を用いる場合であっても、用いない場合であっても同様に、アルカリ性条件下で反応を行うことにより、本発明の変性リグニンを得ることができる。
上記リグニンと極性基を有する化合物との反応のpHは、アルカリ性である限り特に制限されないが、pH8〜14であることが好ましい。より好ましくはpH9〜13であり、更に好ましくはpH10〜13である。上記極性基を有する化合物が酸性の化合物である場合には、塩基性物質を用いてpHを調節することができる。
上記極性基を有する化合物が塩基性の化合物である場合、極性基を有する化合物を添加することにより反応溶液のpHを塩基性領域とすることができるが、反応に使用する極性基を有する化合物以外の塩基性物質を用いてpHを調節してもよい。上記極性基を有する化合物以外の塩基性物質としては、特に制限されないが、例えばナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。反応溶液のpHは、pHメーター(pHメーターD−51:堀場製作所製)により測定することができる。
上記第1工程において使用する極性基を有する化合物の重量は、リグニン1000gに対して、10〜5000gであることが好ましい。このような重量の極性基を有する化合物を付加させることで、得られる変性リグニンを、酸性条件下においてより充分に溶解させることができる。極性基を有する化合物の重量は、より好ましくは、20〜3000gであり、更に好ましくは、30〜1000gである。
上記第1工程において、反応性基含有化合物を用いる場合、反応性基含有化合物としては、リグニンと極性基を有する化合物とを結合させることができる限り特に制限されないが、反応性基として、アルデヒド基、水酸基、エポキシ基等を有する化合物が挙げられる。
上記反応性基含有化合物としては、アルデヒド化合物が好ましい。
上記アルデヒド化合物は、下記式(2);
−CHO (2)
(式中、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。)で表されることが好ましい。上記反応性基含有化合物としてこのような構造の化合物を用いると、リグニン又は極性基を有する化合物に下記式(3);
Figure 0006545993
(式中、Rは、式(3)のRと同様である。)で表される基が導入された中間体を経て、リグニンと極性基を有する化合物とが2価の炭化水素基を介して結合した構造を有する変性リグニンを製造することができる。この場合、リグニンと極性基を有する化合物とがRより炭素数が1多い2価の炭化水素基を介して結合した構造を有する変性リグニンとなる。すなわち、この場合、Rより炭素数が1多い2価の炭化水素基が上記式(1)における2価の連結基となる。式(3)中、Rとしては、水素原子又は炭素数1〜17の炭化水素基が好ましい、より好ましくは、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、特に好ましくは、水素原子である。水素原子である場合、リグニンと極性基を有する化合物とがメチレン基を介して結合した構造の変性リグニンを製造することができる。
式(2)のRが水素原子である場合、式(2)のアルデヒド化合物はホルムアルデヒドとなる。式(2)のRが炭素数1〜3の炭化水素基である場合、式(2)のアルデヒド化合物は、それぞれアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナールとなる。
上記第1工程において、リグニン、極性基を有する化合物及び反応性基含有化合物を同時に反応させる場合、使用する反応性基含有化合物の量は、極性基を有する化合物100モル%に対して、10〜500モル%であることが好ましい。より好ましくは、30〜300モル%であり、更に好ましくは、80〜150モル%である。
上記第1工程において、リグニン又は予め反応性基を導入したリグニンと、極性基を有する化合物又は予め反応性基を導入した極性基を有する化合物とを反応させる場合、反応温度は、20〜120℃であることが好ましい。より好ましくは、50〜90℃である。またこの場合の反応時間は、0.5〜40時間であることが好ましい。より好ましくは、1〜20時間である。
上記第1工程において、リグニン、極性基を有する化合物及び反応性基含有化合物を同時に反応させる場合、反応温度は、20〜120℃であることが好ましい。より好ましくは、50〜90℃である。
またこの場合の反応時間は、0.5〜40時間であることが好ましい。より好ましくは、1〜20時間である。
上記第1工程における、リグニン若しくは予め反応性基を導入したリグニンと、極性基を有する化合物若しくは予め反応性基を導入した極性基を有する化合物との反応、又は、リグニン、極性基を有する化合物及び反応性基含有化合物との反応に用いる溶媒は、反応が進行する限り特に制限されず、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジオキサン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒も用いることができる。
上記溶媒の使用量としては、特に制限されないが、リグニン100質量%に対して、20〜10000質量%であることが好ましい。より好ましくは、100〜3000質量%であり、更に好ましくは、200〜2000質量%である。
上記第1工程において、上記(2)の方法において、極性基を有する化合物又はリグニンと、反応性基含有化合物とを予め反応させる場合には、極性基を有する化合物と反応性基含有化合物とを予め反応させることが好ましい。
上記極性基を有する化合物と反応性基含有化合物との反応は、アルカリ性条件下において、反応を行うことが好ましい。
上記反応系のpHは、アルカリ性領域である限り特に制限されないが、pH8〜14であることが好ましい。より好ましくはpH9〜13であり、更に好ましくはpH10〜13である。上記反応系のpHの調製方法は特に制限されないが、反応系に塩基性物質を添加することによりpHを調節することができる。
上記極性基を有する化合物及び/又は反応性基含有化合物が塩基性の化合物である場合、極性基を有する化合物及び/又は反応性基含有化合物を添加することにより反応溶液のpHを塩基性領域とすることができるが、反応に使用するこれらの化合物以外の塩基性物質を用いてpHを調節してもよい。これらの化合物以外の塩基性物質としては、上述のとおりである。
上記極性基を有する化合物と反応性基含有化合物との反応において、使用する反応性基含有化合物の量は、極性基を有する化合物100モル%に対して、10〜300モル%であることが好ましい。より好ましくは、50〜200モル%であり、更に好ましくは、80〜120モル%である。
上記極性基を有する化合物と反応性基含有化合物との反応の反応温度は、10〜60℃であることが好ましい。より好ましくは、20〜50℃である。
また反応時間は、0.5〜10時間であることが好ましい。より好ましくは、1〜4時間である。
上記極性基を有する化合物と反応性基含有化合物との反応に用いる溶媒は、特に制限されず、具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
本発明は、酸性条件下でのリグニンの水溶性を向上させ、反応性を向上させるものであるが、上記第1工程において使用するリグニンの水溶性は特に制限されず、リグニンとしては、針葉樹や広葉樹由来の木本系リグニンであってもよく、草本系リグニンであってもよい。また、蒸解方法も特に制限されず、アルカリ蒸解で得られるアルカリリグニン、クラフト蒸解で得られるクラフトリグニン、酢酸蒸解で得られる酢酸リグニン、サルファイト蒸解で得られるリグニンスルホン酸のいずれを用いてもよい。第1工程において使用するリグニンとして酸性条件下でのリグニンの水溶性が極めて低いリグニンを用いた場合には、特に本発明の技術的意義が発揮されるため、リグニンとしてより好ましくは、アルカリリグニン、クラフトリグニン、酢酸リグニンである。
上記リグニンの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量1000〜80000のリグニンを使用することが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量1500〜70000のリグニンであり、更に好ましくは、重量平均分子量2000〜60000のリグニンである。
重量平均分子量は、GPC分析法を用い、後述する実施例に記載の条件により測定することができる。
本発明のリグニン誘導体の製造方法は、酸性条件下で第1工程の反応生成物に芳香環含有側鎖を導入する第2工程を含む。上記第2工程を酸性条件下において行うことにより、第1工程の反応生成物に対して芳香環含有側鎖を導入する反応を充分に進めることができる。
上記第2工程は、酸性条件下で第1工程の反応生成物と芳香族化合物とアルデヒド化合物とを反応させることにより行うことが好ましい。第2工程においてこのように反応を行うことにより、第1工程の反応生成物と芳香族化合物とをアルデヒド化合物由来の2価の連結基を介して結合させることができる。
上記反応系のpHは、酸性領域であれば特に制限されないが、反応溶液のpHを0.1〜3として行うことが好ましい。より好ましくは、反応溶液のpHを0.5〜2として行うことである。反応溶液のpHの調整は、硫酸等の酸を用いて行うことができる。
また、反応後に必要に応じて反応溶液を中和する工程を含んでいてもよい。
反応溶液のpHは、pHメーター(pHメーターD−51:堀場製作所製)により測定することができる。
上記第1工程の反応生成物において、アルデヒド化合物由来の2価の連結基を介して芳香族化合物を結合させる反応サイトは、特に制限されず、第1工程において極性基が導入されたリグニン由来のベンゼン環の炭素原子であっても、極性基が導入されていないリグニン由来のベンゼン環の炭素原子であっても、極性基を有する化合物由来の原子であってもよい。好ましくは、極性基が導入されていないリグニン由来のベンゼン環の炭素原子である。また、第1工程の反応生成物1分子中に反応サイトは、複数存在し、第1工程の反応生成物1分子に、複数の芳香環含有側鎖を導入しうるが、上記第2工程では、少なくとも1つの芳香環含有側鎖を導入することができればよく、第1工程の反応生成物に導入する芳香環含有側鎖の数は特に制限されない。
本発明のリグニン誘導体は、酸性条件下で第1工程の反応生成物と芳香族化合物とアルデヒド化合物とを反応させる第2工程を行うことにより上記反応サイトが下記式(4)又は(5)で表される構造を有することとなる。
Figure 0006545993
(式中、Rは、水素原子、アルコキシ基又はベンゼン環に直接若しくは2価の連結基を介して結合した極性基を表し、ベンゼン環に複数結合していてもよい。Xは、アルデヒド化合物由来の2価の連結基を表す。Yは、極性基由来の2価の連結基を表す。Wは、芳香族化合物由来の基を表す。R、X、Zは、上記式(1)のR、X、Zと同様である。)
上記式(4)のRにおけるアルコキシ基、2価の連結基、極性基は、上記式(1)におけるアルコキシ基、2価の連結基、極性基と同様である。
上記式(5)のYにおける2価の連結基が由来する極性基は、上記式(1)における極性基と同様である。
上記第2工程におけるアルデヒド化合物としては、特に制限されないが、上記式(2)で表されるアルデヒド化合物が好ましい。アルデヒド化合物としてこのような構造の化合物を用いると、変性リグニン又は芳香族化合物に上記式(3)で表される基が導入された中間体を経て、変性リグニンと芳香族化合物とが2価の炭化水素基を介して結合した構造を有するリグニン誘導体を製造することができる。
この場合、変性リグニンと芳香族化合物とがRより炭素数が1多い2価の炭化水素基を介して結合した構造を有するリグニン誘導体となる。
上記芳香族化合物としては、芳香環を有する限り特に制限されず、芳香環の具体例は、上述のとおりである。上記芳香族化合物としては、例えば、フェノール類、フェノール性水酸基を有しない非フェノール性芳香族化合物が挙げられる。
上記フェノール類としては、芳香族化合物のベンゼン環の水素原子が水酸基で置換された化合物であれば特に制限されない。なお、上記アミン化合物、カルボン酸基含有化合物、スルホン酸基含有化合物、リン酸基含有化合物及び(ポリ)アルキレングリコール化合物のいずれかに該当する化合物であっても、フェノール性水酸基を有する化合物は、フェノール類に含まれるものとする。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、サリチル酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシナフタレン酢酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ヒドロキシフェニルリン酸、(ポリ)アルキレングリコール含有フェノール性化合物等が挙げられる。
上記フェノール類としては、第1工程において極性基を有する化合物として用いた化合物と同一の化合物でない限り、上述のフェノール性水酸基と極性基とを有する化合物を用いてもよい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有フェノール性化合物としては、フェノール性水酸基と(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基とを有する限り特に制限されないが、例えば、下記式(8)で表される芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物のR11がヒドロキシ基である化合物等が挙げられる。
上記非フェノール性芳香族化合物としては、フェノール性水酸基を有しない限り特に制限されないが、例えば、フェノール性水酸基を有しない芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物、芳香環とカルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基とを有し、フェノール性水酸基を有しない化合物等が挙げられる。上記非フェノール性芳香族化合物は、アルカリ性条件下でのリグニンとの反応性が低いことから、本発明の芳香族化合物として非フェノール性芳香族化合を用いる場合には、特に本発明の技術的意義が発揮されることとなる。芳香族化合物として好ましくは、非フェノール性芳香族化合物であり、より好ましくはフェノール性水酸基を有しない芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物である。
上記カルボン酸基を有する非フェノール性芳香族化合物としては、例えば、安息香酸、フタル酸、フェニル酢酸、ナフトエ酸、ナフタレン酢酸等が挙げられる。
上記スルホン酸基を有する非フェノール性芳香族化合物としては、例えば、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
上記リン酸基を有する非フェノール性芳香族化合物としては、例えば、フェニルリン酸等が挙げられる。
上記非フェノール性芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物としては、(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基を有し、フェノール性水酸基を有しない芳香族化合物である限り特に制限されない。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、構造中に(ポリ)アルキレングリコール鎖を含む置換基であり、(ポリ)アルキレングリコール鎖のみからなる置換基も含まれる。
(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、下記式(6);
−X−[(RO)−R (6)
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、2価の連結基又は3価の連結基を表す。Rは、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、アルキレン基を表す。mは、1又は2の数である。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。)で表すことができる。
上記式(6)中、Rで表されるアルキレン基は、炭素数2〜18のアルキレン基であることが好ましい。より好ましくは、炭素数2〜8のアルキレン基であり、更に好ましくは、炭素数2又は3のアルキレン基である。炭素数2又は3のアルキレン基である場合、(ポリ)アルキレングリコール鎖は、(ポリ)エチレングリコール鎖又は(ポリ)プロピレングリコール鎖となる。
なお、上記式(6)中、Rは、「同一又は異なって、」アルキレン基を表すが、これは、(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基中にn個存在するROのアルキレン基が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
上記式(6)中、Xが2価の連結基である場合、2価の連結基としては、下記式(7−1)〜(7−4)の構造が挙げられる。
Figure 0006545993
(式(7−1)及び(7−2)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。Qは、炭素数1〜5の3価の炭化水素基を表す。式(7−4)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を表す。R10は炭化水素基を表す。R、R及びR10の合計炭素数は1〜8である。)
上記Xが3価の連結基である場合、3価の連結基としては、窒素原子が挙げられる。
上記式(6)中、Xは、酸素原子、硫黄原子、2価の連結基又は3価の連結基を表し、2価の連結基、3価の連結基としては上記のものが好ましいが、これらの中でも、Xとしては、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。より好ましくは、酸素原子である。
上記式(6)中、Rが1価の有機基である場合、1価の有機基としては、炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の炭化水素基が好ましい。
上記式(6)中、Xが、酸素原子、硫黄原子又は2価の連結基である場合、mは1であり、Xが、3価の連結基である場合、mは2である。
上記式(6)中、nは、1〜300であることが好ましい。より好ましくは、2〜200であり、更に好ましくは、5〜100である。
本発明における芳香族化合物は、(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基と芳香環のみからなる構造の化合物であってもよく、(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基以外の置換基が芳香環に結合したものであってもよい。
(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基以外の置換基としては、アルコキシ基、アミノ基、スルホン酸基、カルボン酸基等が挙げられ、これらの置換基は、芳香環に1つ結合していてもよく、2つ以上結合していてもよい。
本発明における非フェノール性芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物としては、上記のものの中でも、芳香環として、ベンゼン環、ナフタレン環のいずれかを有する化合物が好ましい。
芳香環として、ベンゼン環を有する非フェノール性芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物は、下記式(8);
Figure 0006545993
(式中、R11は、水素原子又は(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基以外の置換基を表す。X、R、R及びnは、上記式(6)と同様である。)で表すことができる。
上記R11が(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基以外の置換基である場合、該置換基の結合位置は特に制限されないが、(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基のメタ位であることが好ましい。
上記式(8)において、Xが酸素原子や硫黄原子である(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、フェノールの水酸基やチオフェノールのチオール基に(ポリ)アルキレングリコールを反応させること等で製造することができる。
上記式(8)において、Xが式(7−1)で表される2価の窒素原子含有基である(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、ジアルキルアミノフェニルアルカノールに(ポリ)アルキレングリコールを付加させること等で製造することができる。
上記式(8)において、Xが式(7−2)で表される2価の窒素原子含有基である(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、N−アルキルアニリンに(ポリ)アルキレングリコールを付加させること等で製造することができる。
上記式(8)において、Xが式(7−3)である構造の(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、フェノールの水酸基に対し、末端にエポキシ基を有する(ポリ)アルキレングリコールを反応させること等で製造することができる。
上記式(8)において、Xが式(7−4)である構造の(ポリ)アルキレングリコール鎖含有基は、ベンジルアルコールとエチレンオキシドとを反応させること等で製造することができる。
芳香環として、ベンゼン環以外の構造を有する化合物についても、同様の方法により製造することができる。
上記芳香族化合物が非フェノール性芳香族(ポリ)アルキレングリコール化合物である場合、変性リグニンと芳香族化合物とは、芳香環のポリアルキレングリコール鎖含有基のオルト位又はパラ位で結合することが好ましい。
上記第2工程において使用する芳香族化合物の重量は、第1工程の反応生成物1000gに対して、10〜200000gであることが好ましい。このような重量の芳香族化合物を付加させることで、得られるリグニン誘導体が、芳香族化合物由来の構造を有することの効果をより充分に発揮することができる。芳香族化合物の重量は、より好ましくは、50〜100000gであり、更に好ましくは、100〜50000gである。
上記第2工程において使用するアルデヒド化合物の重量は、第1工程の反応生成物1000gに対して、0.1〜1000gであることが好ましい。より好ましくは、0.5〜500gであり、更に好ましくは、1〜200gである。
上記第2工程の反応温度は、60〜120℃であることが好ましい。より好ましくは、90〜110℃である。
また反応時間は、0.5〜40時間であることが好ましい。より好ましくは、1〜20時間である。
上記第2工程に用いる溶媒は、反応が進行する限り特に制限されず、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジオキサン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒も用いることができる。
本発明の製造方法により得られるリグニン誘導体は、重量平均分子量が1000〜100000であるものが好ましい。リグニン誘導体がこのような重量平均分子量を有するものであると、後述するセメント混和剤としてより好適なものとなる。リグニン誘導体の重量平均分子量は、より好ましくは、1500〜90000であり、更に好ましくは、2000〜80000である。
リグニン誘導体の重量平均分子量は、GPCを用い、後述する実施例に記載の条件により測定することができる。
本発明のリグニン誘導体は、リグニン由来の構造と、芳香族化合物由来の構造とを有することにより、セメント組成物に添加することでセメント組成物の流動性を高めることができ、セメント混和剤として好適に用いることができる。このような、本発明のリグニン誘導体を含むセメント混和剤もまた、本発明の1つであり、該セメント混和剤とセメントとを含むことを特徴とするセメント組成物もまた、本発明の1つである。
リグニン系セメント混和剤を用いた場合、セメント組成物中の連行空気量が多いことが問題点として挙げられる。それに対し、本発明のリグニン誘導体は、アミノ基等の極性基を有するため、極性基によりリグニンの親水性が向上し、連行空気量を低減することができる。
上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含むものが好適であり、セメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩、及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
上記セメント組成物の1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比(質量比)としては、例えば、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量200〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好適である。より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.2〜0.65とすることである。
本発明のセメント混和剤をセメント組成物に使用する場合、その配合割合としては、本発明のセメント混和剤の必須成分であるリグニン誘導体が、固形分換算で、セメント質量の全量100質量%に対して、0.01〜10質量%となるように設定することが好ましい。0.01質量%未満では性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に10質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは0.02〜8質量%であり、更に好ましくは0.05〜6質量%である。
本発明のリグニン誘導体の製造方法は、上述の構成よりなり、リグニンや芳香族化合物の種類によらず芳香環含有側鎖を導入したリグニン誘導体を高収率で得ることができるため、リグニン誘導体の製造方法として工業的に好適に用いることができる。
実施例1で得られたアミン変性リグニン(1)及びリグニン誘導体(1)のキャピラリー電気泳動の結果を示した図である。 実施例2で得られたアミン変性リグニン(2)及びリグニン誘導体(2)のキャピラリー電気泳動の結果を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)>
リグニン誘導体の重量平均分子量は、以下の測定方法により測定した。
装置:Waters Alliance 2695(Waters社製)
解析ソフト:Empowerプロフェッショナル+GPCオプション(Waters社製)
カラム:TSKgel ガードカラムα(内径6.0×40mm)+α5000+α4000+α3000(各内径7.8×長さ300mm)(東ソー社製)
カラム温度:40℃
溶媒:100mMホウ酸水溶液14371gに水酸化ナトリウム29gとアセトニトリル3600gを混合した溶液
流速:1.0ml/min
試料導入量:100μl
試料濃度:0.5質量%
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)
較正曲線:標準物質として東ソー社製ポリエチレングリコール(Mp=300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470、1010、400)を使用し、Mpと溶出時間を基礎に3次式で作成
<キャピラリー電気泳動>
実施例で得られたアミン変性リグニン、リグニン誘導体の電荷特性は、以下の測定方法により測定した。
装置:P/ACE システムMDQ(ベックマン・コールター社製)
解析ソフト:32Karat(ベックマン・コールター社製)
カラム:フューズドシリカキャピラリーカラム P/N=338454(内径75μm×長さ500mm)(ベックマン・コールター社製)
カラム温度:25℃
電圧:20kV
溶媒:50mMホウ酸水溶液
試料濃度:2質量%
検出器:UV、Hgランプ210nm
<実施例1>
[反応1−1]:2−アミノエタノールとホルムアルデヒドとの反応
2−アミノエタノール181.0g及び脱イオン水28.5gをセパラブルフラスコへ仕込み、セパラブルフラスコを40℃に昇温し、撹拌しながら37%ホルムアルデヒド液240.5gを1時間かけて滴下した。反応系のpHは10.8であった。滴下終了後、40℃でさらに1時間撹拌し、2−(ヒドロキシメチル)アミノエタノール(2HMAE)を得た。
[反応1−2]:2HMAEとリグニンスルホン酸との反応
リグニンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量48830、ALDRICH製)6.0g、脱イオン水 32.8g、30%NaOH水溶液 0.4g及び反応1−1で得られた2−(ヒドロキシメチル)アミノエタノールの溶液0.8gをセパラブルフラスコへ仕込み、セパラブルフラスコを70℃に昇温し、6時間撹拌した。反応系のpHは11.0であった。その後、冷却し、アミン変性リグニン(1)を得た。得られた生成物(アミン変性リグニン(1))の重量平均分子量は45600であった。
[反応1−3]:アミン変性リグニンとPhO−EO20との反応
反応1−2で得られたアミン変性リグニン(1)水溶液36.0g、PhO−EO20(フェノールのエチレンオキシド20モル付加物)3.6g、及び37%ホルムアルデヒド水溶液0.9gをセパラブルフラスコへ仕込み、そこに硫酸1.1gを添加して反応系内をpH=1に調整した。次にセパラブルフラスコを100℃に昇温し、6時間攪拌した。その後、セパラブルフラスコを室温まで冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液をpH=10に調整し、リグニン誘導体(1)を得た。得られた生成物(リグニン誘導体(1))の重量平均分子量は51200であった。
<実施例2>
[反応2−1]:2HMAEとクラフトリグニンとの反応
クラフトリグニン(重量平均分子量17700、ALDRICH製)48.0g、脱イオン水 138.8g、30%NaOH水溶液 16.8g及び反応1−1で得られた2−(ヒドロキシメチル)アミノエタノールの溶液36.4gをセパラブルフラスコへ仕込み、セパラブルフラスコを70℃に昇温し、6時間撹拌した。反応系のpHは11.0であった。その後、冷却し、アミン変性リグニン(2)を得た。得られた生成物(アミン変性リグニン(2))の重量平均分子量は24800であった。
[反応2−2]: アミン変性リグニン(2)とPhO−EO20との反応
反応2−1で得られたアミン変性リグニン(2)水溶液26.7g、PhO−EO20(フェノールのエチレンオキシド20モル付加物)12.4g、及び37%ホルムアルデヒド水溶液3.1gをセパラブルフラスコへ仕込み、そこに硫酸3.0gを添加して反応系内をpH=1に調整した。次にセパラブルフラスコを100℃に昇温し、6時間攪拌した。その後、セパラブルフラスコを室温まで冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液をpH=10に調整し、リグニン誘導体(2)を得た。得られた生成物(リグニン誘導体(2))の重量平均分子量は35100であった。
上記反応1−2で得られたアミン変性リグニン(1)及び反応1−3で得られたリグニン誘導体(1)のキャピラリー電気泳動の結果を図1に、反応2−1で得られたアミン変性リグニン(2)及び反応2−2で得られたリグニン誘導体(2)のキャピラリー電気泳動の結果を図2に示す。図1及び図2には、これらの他、それぞれリグニンスルホン酸ナトリウム、クラフトリグニンの電気泳動の結果も示している。チオ尿素は電荷のない基準物質である。電気泳動測定で保持時間が長いほど陰イオン性が高いことを意味する。反応1−2及び反応2−1で得られたアミン変性リグニン(1)及び(2)は反応前のリグニンスルホン酸ナトリウム又はクラフトリグニンよりも陰イオン性が低い側へシフトしており、この結果から、電荷のない2−アミノエタノールがリグニンに付加していることが確認された。また、反応1−3及び反応2−2で得られたリグニン誘導体(1)及び(2)はそれぞれ、アミン変性リグニン(1)又は(2)よりもさらに陰イオン性が低い側へシフトしており、この結果から、電荷のないPhO−EO20がアミン変性リグニン(1)及び(2)に付加していることが確認された。
実施例1〜2で製造したリグニン誘導体について、以下の方法によりモルタル試験を行った。リグニン誘導体未添加のものを比較例1として同様に試験を行った。結果を表1に示す。
<モルタル試験>
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±15%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=500/1350/250(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:試料と消泡剤のイオン交換水溶液
とし、Wについては消泡剤MA−404(BASFジャパン社製)を各試料の固形分に対して40質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表1において、各試料の添加量は、セメント質量に対する各試料の固形分の質量%で表されている。
モルタルの調製はJIS−R5201−1997に準拠して次のように行った。ホバート型ミキサー(型番N−50;ホバート社製)を用い、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。
S投入終了後、2速で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落としを行い、その後、75秒間静置した。75秒間静置後、更に2速で60秒間混練を行い、モルタルを調製した。
得られたモルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで左右各10回かき混ぜた後、直ちにフロー測定板(30cm×30cm)に置かれたミニスランプコーン(JISマイクロコンクリートスランプコーン、上端内径50mm、下端内径100mm、高さ150mm)に半量詰めて15回突き棒で突き、更にモルタルをミニスランプコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回突き棒で突き、最後に不足分を補い、ミニスランプコーンの表面をならした。その後、最初にミキサーを始動させてから5分30秒後にミニスランプコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値をモルタルフロー値とした。なお、モルタルフロー値は、数値が大きいほど流動性が高いこと、すなわち施工性が良好であることを示し、分散剤としての評価においては、分散性能が優れていることを示す。
Figure 0006545993
上記結果から、本発明の方法で得られたリグニン誘導体をセメント添加剤として用いることにより、セメント組成物の流動性が向上し、良好な施工性を提供できる。

Claims (2)

  1. リグニン誘導体の製造方法であって、
    該製造方法は、アルカリ性条件下でリグニンに極性基を導入する第1工程と、酸性条件下で第1工程の反応生成物に芳香族化合物由来の基を導入する第2工程を含み、
    該第1工程は、アルカリ性条件下でリグニンと極性基を有する化合物とを反応させることにより行い、
    該リグニンは、アルカリリグニン、クラフトリグニン、酢酸リグニン及びリグニンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    該極性基を有する化合物は、アミン化合物、並びに/又は、フェノール性水酸基と、更に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の基とを有する化合物であることを特徴とするリグニン誘導体の製造方法。
  2. 前記第1工程は、アルカリ性条件下でリグニンと極性基を有する化合物とを反応させることにより行い、
    前記第2工程は、酸性条件下で第1工程の反応生成物と芳香族化合物とアルデヒド化合物とを反応させることにより行うことを特徴とする請求項1に記載のリグニン誘導体の製造方法。
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