JP6545940B2 - 要因分析装置および要因分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両事故や車両運転時のヒヤリハットの要因を分析する要因分析装置および要因分析方法に関する。
安全な車両走行を行うためにドライバを支援するためのシステムが提案されている。例えば、同じような運転傾向のある他のドライバが過去に起こした事故情報に基づき、ドライバに危険箇所を通知するシステムや、過去の事故発生時の走行条件が現在の走行条件に一致する状況において、過去に発生した事故情報をドライバに通知するシステム等がある。
例えば特許文献1には、車載装置と事故解析サーバからなる事故通報システムが開示されている。特許文献1に記載のシステムでは、車両の挙動異常を検出した場合に車載装置により車両外部に対して緊急撮影リクエスト信号を送信することで、車載装置を搭載する車両が事故を起こした場合であっても、緊急撮像リクエスト信号を受信した車載装置を搭載する他車両から、車両の画像データが事故解析センタに送信される。車両の挙動異常は、車両の走行状態を表す走行データと、ドライバの操作状態等を用いて複合的に判断される。
また、特許文献2には、車両の走行上の危険事態が発生した複数の危険発生地点のそれぞれについて、当該危険事態の種別を示す危険種別情報をヒヤリハットデータベースから取得し、道路上の潜在的危険地点を検出し、また、危険事態の発生可能性を反映した危険地点の注意喚起を行う、危険情報通信システムが開示されている。
さらに、特許文献3には、車両の進行方向前方にある診断対象エリア内に事故多発地点が含まれる場合に、事故多発地点の事故要因に基づいて運転診断判断基準を変更し、変更後の運転診断判断基準に基づいて、走行時に運転者が行った車両操作が適切であったか否かを診断する車両診断装置が開示されている。
特開2009−205368号公報 特開2009−104531号公報 特開2010−237829号公報
しかし、上記システムでは、生体特徴に基づくドライバ属性や事故発生位置の状況によって事故情報を提供することや、車外の環境やドライバ状態を加味して事故原因を解析することが行われているが、事故原因が車外の環境によるものかドライバに起因するものかを特定することはなされていない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車両の事故発生要因を高精度に推定することで、ドライバへの警告等を適切に行うことが可能な、新規かつ改良された要因分析装置および要因分析方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因を分析する要因分析装置であって、車両から送信された車両情報と、過去に発生した事故・ヒヤリハットについて蓄積された車両情報とを比較して、共通点を特定する共通点特定部と、共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因が環境要因であるか否かを推定する環境要因推定部と、共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因がドライバ要因であるか否かを推定するドライバ要因推定部と、環境要因推定部およびドライバ要因推定部による推定結果に基づいて、当該車両の事故・ヒヤリハットの主要因を決定する要因判定部と、を備え、ドライバ要因推定部は、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットがドライバによる要因により発生したか否かを判定するドライバ要因判定項目に該当するか否かを判定し、該当するドライバ要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当したドライバ要因判定項目のドライバ要因に基づくものと判定する、要因分析装置が提供される。
共通点特定部は、当該車両から送信された車両情報と、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの発生位置と同一位置で発生した過去の車両情報との共通点を特定してもよい。
また、環境要因推定部は、当該車両の車両情報および過去の車両情報について、予め設定された事故・ヒヤリハットが環境要因により発生したか否かを判定する環境要因判定項目を、それぞれ満たすか否かを判定し、当該車両の車両情報および過去の車両情報がともに満たした共通の環境要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、共通の環境要因判定項目の環境要因に基づくものと判定してもよい。
さらに、環境要因推定部は、当該車両の車両情報および過去の車両情報がともに満たした共通の環境要因判定項目がない場合、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットが急な環境要因により発生したか否かを判定する環境急変判定項目に該当するか否かを判定し、該当する環境急変判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当した環境急変判定項目の環境要因に基づくものと判定してもよい。
要因判定部は、環境要因をドライバ要因より優先して主要因として決定してもよい。
要因分析装置は、さらに、当該車両の事故・ヒヤリハットの発生要因に応じて、当該車両または車両に対して地図情報を提供する地図情報サーバに対し、ドライバへ通知すべき警告情報を通知し反映させる通知情報処理部を備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因を分析する要因分析方法であって、コンピュータにより、車両から送信された車両情報と、過去に発生した事故・ヒヤリハットについて蓄積された車両情報とを比較して、共通点を特定する共通点特定ステップと、共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因が環境要因であるか否かを推定する環境要因推定ステップと、共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因がドライバ要因であるか否かを推定するドライバ要因推定ステップと、環境要因推定ステップおよびドライバ要因推定ステップによる推定結果に基づいて、当該車両の事故・ヒヤリハットの主要因を決定する要因判定ステップと、を含む処理を実行し、ドライバ要因推定ステップでは、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットがドライバによる要因により発生したか否かを判定するドライバ要因判定項目に該当するか否かを判定し、該当するドライバ要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当したドライバ要因判定項目のドライバ要因に基づくものと判定する、要因分析方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、車両の事故発生要因を高精度に推定することで、ドライバへの警告等を適切に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両状況分析システムの概略構成を示す説明図である。 同実施形態に係る車両状況分析システムの機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る情報管理サーバの事故・ヒヤリハット情報DBのうち、外界認識情報蓄積部の一構成例を示す説明図である。 本同実施形態に係る情報管理サーバの事故・ヒヤリハット情報DBのうち、ドライバ情報蓄積部の一構成例を示す説明図である。 本実施形態に係る車両分析システム1にて、車両データ等を分析して事故やヒヤリハットの発生要因を推定する処理を示すフローチャートである。 図5のステップS140の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップS160の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップS170の詳細を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.概要>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両状況分析システム1の概略構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る車両状況分析システム1の概略構成を示す説明図である。
本実施形態に係る車両状況分析システム1は、車両に事故やヒヤリハットが発生したとき、当該車両の車両データやドライバデータ、車外・車内の映像データ等に基づいて、その要因を推定するシステムである。なお、「ヒヤリハット」とは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をいう。本実施形態に係る車両状況分析システム1では、過去に発生した事故やヒヤリハットが発生したときの車両データやドライバデータ、車外・車内の映像データ等をデータベース(事故・ヒヤリハット情報DB120)に記憶しており、要因分析装置200により事故・ヒヤリハット情報DB120に記録された情報と比較することで、車両に発生した事故やヒヤリハットの要因が推定される。
本実施形態に係る要因分析装置200では、分析対象の車両から送信された車両データ等について、事故・ヒヤリハット情報DB120に記録された情報との共通点を抽出することで、その事故やヒヤリハットの要因が環境にあるのかドライバにあるのかを精度よく推定する。例えば、事故やヒヤリハットが結果的にドライバの操作によって引き起こされたものであったとしても、ドライバの操作が引き起こされた原因が環境による場合も考えられる。事故・ヒヤリハット情報DB120に記録された情報との共通点の有無をみることより、このような状況の要因も特定可能となる。また、ドライバ要因は、ドライバ個人の情報内での共通点を抽出することで、事故やヒヤリハットが突発的に起きたものであるか、そのドライバが繰り返し起こす可能性がある事故やヒヤリハットかを判断することも可能となる。
要因分析装置200による分析結果は、ドライバへの警告等に利用される。例えば、事故やヒヤリハットが環境要因で発生した場合は、カーナビゲーションの地図情報325等に反映させ、ドライバに事故やヒヤリハットが発生しやすい地点を通知することができる。また、事故やヒヤリハットがドライバ要因で発生した場合は、ドライバがその事故やヒヤリハットを繰り返し起こさないように、事後の警報強度を高めるようにしてもよい。
以下、本実施形態に係る車両状況分析システム1の構成とその機能について、詳細に説明する。
<2.車両状況分析システムの構成>
図2〜図4に基づいて、本実施形態に係る車両状況分析システム1の構成について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る車両状況分析システム1の機能構成を示すブロック図である。図3は、情報管理サーバ100の事故・ヒヤリハット情報DB120のうち、外界認識情報蓄積部122の一構成例を示す説明図である。図4は、情報管理サーバ100の事故・ヒヤリハット情報DB120のうち、ドライバ情報蓄積部124の一構成例を示す説明図である。
本実施形態に係る車両状況分析システム1は、図2に示すように、車両10、20、30と、情報管理サーバ100と、要因分析装置200と、天気情報サーバ310と、地図情報サーバ320からなる。
[2−1.車両]
車両10、20、30は、車両状況分析システム1と無線ネットワークを介して通信可能に接続されている。図1および図2では、説明のため、3台のみを図示しているが、車両情報分析システム1に接続されている車両台数に制限はない。また、本実施形態では、車両10を自車両とし、事故あるいはヒヤリハットが発生した車両として説明する。車両20、30は、車両状況分析システム1と接続されている他車両として説明し、これらは図2に示す自車両10と同一の機能を有しているとする。図2には、車両状況分析システム1において関連する機能部のみを示している。
車両10は、車両用表示装置11と、車外センサ12と、視線検知装置13と、車両データ記憶部14と、制御部15と、車両通信部16とを備える。
車両用表示装置11は、ドライバや同乗者に対して情報を提供する表示装置であり、例えばカーナビゲーションの表示部等である。車両用表示装置11には、地図情報等の各種情報が表示される。
車外センサ12は、車外の環境等を表す車外データを取得する機能部である。車外センサ12は、例えばステレオカメラやレーダセンサ等である。
視線検知装置13は、ドライバの視線を検知する装置である。視線検知装置13は、例えば、ドライバの顔に照射される赤外線を出射する光源と、ドライバに照射された赤外線を撮影するカメラとから構成することができる。視線検知装置13により検知されるデータは、ドライバデータとして利用される。
車両データ記憶部14は、車両に設けられた各種センサにより取得された車両データを記憶する記憶部である。車両データとしては、加速度、操舵角速度、ブレーキ圧力、アクセル開度、速度、エンジン回転数等がある。車両データ記憶部14には、所定期間の車両データが記憶される。
制御部15は、車両状況分析システム1で利用するデータの送受信を制御する。制御部15は、車両10に事故やヒヤリハットが発生すると、車外センサ12や視線検知装置13から取得されたデータや、車両データ記憶部14に記憶された車両データを、車両通信部16を介して情報管理サーバ100へ送信する。また、制御部15は、情報管理サーバ100より受信した警告情報等を、例えば車両用表示装置11に表示させ、ドライバに通知させる。
車両通信部16は、情報の送受信を行うインタフェース部である。車両通信部16は、例えば車両データやドライバデータ、車外データ等を情報管理サーバ100へ送信する。また、車両通信部16は、情報管理サーバ100よりドライバへの警告情報を受信したりする。なお、事故あるいはヒヤリハット発生時に各車両から情報管理サーバ100へ送信される車両データやドライバデータ、車外データ等のデータをまとめて「車両情報」ともいう。
[2−2.情報管理サーバ]
情報管理サーバ100は、車両状況分析システム1で利用される、過去に発生した事故やヒヤリハットに関する情報を管理する。情報管理サーバ100は、例えば、データ処理部110と、事故・ヒヤリハット情報DB120とからなる。
データ処理部110は、各車両10、20、30から受信した車両データ等を、事故・ヒヤリハット情報DB120に記録させる。また、データ処理部110は、事故・ヒヤリハット情報DB120に記録した車両データ等に基づき要因分析装置200により推定された要因を、事故・ヒヤリハット情報DB120に記録する。
事故・ヒヤリハット情報DB120は、事故やヒヤリハットが発生した車両およびドライバに関する各種データを記憶する記憶部である。事故・ヒヤリハット情報DB120は、図2に示すように、例えば、外界認識情報蓄積部122と、ドライバ情報蓄積部124とからなる。
外界認識情報蓄積部122は、各車両10、20、30から受信した車両データ、ドライバデータ、車外データ等を、事故・ヒヤリハットが発生する毎に蓄積する。外界認識情報蓄積部122には、事故・ヒヤリハットが1件発生する毎に、例えば図3に示すような情報が記録される。例えば、外界認識情報蓄積部122には、事故・ヒヤリハットの発生位置や、発生したエリアを示すエリアコード、日時、天気、車両データ、車外センサデータ、ドライバデータが記録される。また、これらの情報に基づき要因分析装置200により分析された結果が、推定要因として合わせて記録される。
ドライバ情報蓄積部124は、各車両10、20、30から受信した車両データ、ドライバデータ、車外データ等を、ドライバ単位で蓄積する。ドライバ情報蓄積部124に記憶された情報より、各ドライバについて、事故やヒヤリハットを起こしやすい位置や状況を把握することができる。ドライバ情報蓄積部124には、例えば、図4に示すように、ドライバ毎に付与された固有情報であるドライバIDや、対応する外界認識情報蓄積部122の情報No、事故・ヒヤリハットの発生位置や、発生したエリアを示すエリアコード、日時等が記録される。また、これらの情報に基づき要因分析装置200により分析された結果が、推定要因として合わせて記録される。
[2−3.要因分析装置]
要因分析装置200は、車両データ等に基づいて分析を行い、事故・ヒヤリハットの発生要因を推定する。要因分析装置200は、例えば図2に示すように、通信部210と、共通点特定部220と、環境要因推定部230と、ドライバ要因推定部240と、要因判定部250と、通知情報処理部260とからなる。
通信部210は、情報の送受信を行うインタフェース部である。通信部210は、例えば情報管理サーバ100から車両データやドライバデータ、車外データ等を受信する。また、通信部210は、情報管理サーバ100へ、ドライバへの警告情報を送信したりする。
共通点特定部220は、事故やヒヤリハットが発生した車両10からの車両データ等と、事故・ヒヤリハット情報DB120に記録された、過去に発生した事故やヒヤリハットの車両データ等とを比較して、共通点を特定する。共通点特定部220は、車両10の車両データ等を、例えば、同一場所で発生した事故やヒヤリハットの車両データ等と比較する。他の事故やヒヤリハットの車両データ等との共通点を特定することで、車両10の事故あるいはヒヤリハットが、一般的に発生しやすいものか否かを判定することが可能となる。
環境要因推定部230は、共通点特定部220により特定された共通点より、環境に起因する事故またはヒヤリハットの発生要因を推定する。環境要因推定部230は、車両10からの車両データ等と、事故・ヒヤリハット情報DB120の外界認識情報蓄積部122に記録された車両データ等との共通点が、複数の車両にわたってある場合、車両10の事故あるいはヒヤリハットは、複数の車両で発生する可能性があると考えられる。この場合、環境要因推定部320は、車両10の事故やヒヤリハットは、環境が要因して発生したものと判定する。
また、環境要因推定部230は、共通点特定部220により共通点のある過去のデータがない場合にも、車外センサ12により得られた映像データ等に基づいて、急な環境変化があったか否かを推定する。このように、環境要因推定部230は、車両10に発生した事故やヒヤリハットが環境要因であるかを推定する。
ドライバ要因推定部240は、車両データ、車外データおよびドライバデータに基づいて、ドライバに起因する事故またはヒヤリハットの発生要因を推定する。ドライバ要因推定部240は、車両10の車両データ等を、ドライバ情報蓄積部124に蓄積された当該ドライバが過去に起こした事故やヒヤリハットと比較して、ドライバが繰り返し行っているものであるか否かを判定する。また、ドライバ要因推定部240は、車外センサ12や視線検知装置13等の車内センサ等により検知されたデータから、予め設定されたドライバ起因と判定すべき状態であったか否かを判定する。このように、ドライバ要因推定部240は、車両10に発生した事故やヒヤリハットがドライバ要因であるかを推定する。
要因判定部250は、環境要因推定部230およびドライバ要因推定部240により推定された環境要因やドライバ要因から、最終的に車両10の事故やヒヤリハットの発生要因を判定する。要因判定部250は、判定した事故やヒヤリハットの発生要因を通知情報処理部260に出力する。
通知情報処理部260は、要因判定部250により判定された事故やヒヤリハットの発生要因を情報管理サーバ100に通知するための処理を行う。通知情報処理部260は、事故・ヒヤリハット情報DB120の外界認識情報蓄積部122およびドライバ情報蓄積部124に記憶されているデータのうち対応するデータとともに、要因判定部250により判定された事故やヒヤリハットの発生要因を関連付けて記憶させる。また、通知情報処理部260は、情報管理サーバ100に対して、車両10や地図情報サーバ320に対して決定された要因を通知させる。これにより、例えば、地図情報サーバ320がドライバに提供する地図情報に事故やヒヤリハットが生じやすい位置を表示させたり、車両10のドライバが繰り返し行っている危険な行動に対して車両10の警報強度を高めるようにしたりすることができる。
[2―4.各種情報サーバ]
本実施形態に係る車両状況分析システム1は、各種情報を提供するサーバと接続されている。例えば、図2に示すように、天気情報サーバ310や地図情報サーバ320等がある。
天気情報サーバ310は、所定範囲内における現在、過去の天気やこれからの天気の変化情報等、天気に関する情報を取り扱う。天気情報サーバ310の天気情報は、例えば車両10から事故またはヒヤリハットが発生したときの天気を特定するために利用され、車両10の位置および日時に基づいて、そのときの天気を天気情報サーバ310から取得することができる。また、情報管理サーバ100のデータ処理部110により、これからの天気を予報した天気予報情報より、急激な天候変化が発生し、事故またはヒヤリハットが生じやすい状況となるかを判定することもできる。
地図情報サーバ320は、各車両10、20、30に提供される地図情報を管理するサーバである。地図情報サーバ320は、例えば車両10、20、30に搭載されたカーナビゲーション等の表示部に地図情報を表示することができる。また、地図情報サーバ320は、要因分析装置200の判定結果を受けて、地図情報に危険やヒヤリハットが生じやすい位置を表示させたりする。
<3.要因分析方法>
次に、図5〜図8に基づいて、本実施形態に係る車両状況分析システム1における要因分析方法を説明する。なお、図5は、本実施形態に係る車両分析システム1にて、車両データ等を分析して事故やヒヤリハットの発生要因を推定する処理を示すフローチャートである。図6は、図5のステップS140の詳細を示すフローチャートである。図7は、図5のステップS160の詳細を示すフローチャートである。図8は、図5のステップS170の詳細を示すフローチャートである。
[3−1.概要]
本実施形態に係る車両状況分析システム1における事故・ヒヤリハットの発生要因の分析は、以下の手順で行われる。
(1)事故・ヒヤリハット情報の蓄積
各車両10、20、30はそれぞれの車両データや車外センサのデータに基づき、事故あるいはヒヤリハットの発生を判断する。事故あるいはヒヤリハットが発生したと判断すると、その車両から、情報管理サーバ100に対して、事故あるいはヒヤリハットが発生した前後数秒の車両データ、ドライバデータ、外界・車内映像データが送信される。
(2)共通点の特定による環境要因の推定
車両10が起こした事故やヒヤリハットと同一場所で起きた事故あるいはヒヤリハットの情報と対比し、共通点から環境に基づく事故・ヒヤリハット原因を推定する。同一場所で複数の車両において共通点がある場合は、道路環境や外部環境が主な原因と判断する。事故やヒヤリハットを発生させる環境要因には、例えば、急ブレーキ、急ハンドル、わき見、道路標識への注視時間が長い、信号無視等がある。
(3)急な環境要因の推定
車両10が起こした事故やヒヤリハットと同一場所で起きた事故あるいはヒヤリハットの情報とに共通点がない場合に、急な環境変化が要因で発生した事故やヒヤリハットであるかを判断する。急な環境変化が要因であるか否かは、例えば車外センサを用いて判定される。事故やヒヤリハットを発生させる急な環境要因には、例えば、車両の割り込み、歩行者の飛び出し、落下物の発生、トンネル・建築物などによる明暗変化、天候急変等がある。
(4)ドライバ要因の推定
環境要因、急な環境要因が事故やヒヤリハットの原因と判断されない場合、事故やヒヤリハットを発生させるドライバ要因を推定する。ドライバ要因であるか否かは、例えば車内外のセンサで予め設定されたドライバ状態に関する原因に一致するかにより判断してもよい。また、同じような道路環境(道路形状、道路線形など)において、同一ドライバが繰り返し行っている行動か否か判断し、ドライバ要因で発生した事故やヒヤリハットであることを特定してもよい。事故やヒヤリハットを発生させるドライバ要因には、例えば、運転操作が不適切、わき見、不確認、一時不停止、信号無視、速度違反、車間距離不保持、身体異常等がある。
以下、図5〜図8に基づいて、上記の処理内容を詳細に説明する。
[3−2.具体的処理]
まず、車両状況分析システム1に接続された車両10、20、30は、それぞれ、事故やヒヤリハットが発生したか否かを判定する(S100)。事故やヒヤリハットは、例えば、以下のような状況が少なくとも1つ発生した場合に発生した判定することができる。
・加速度が所定値より大きくなった
・プリクラッシュセイフティが作動した
・エアバックが作動した
・ドライバの心拍数の変動が所定値より大きくなった
このような状況は、いずれも通常の車両走行時には発生しにくいものである。そこで、各車両10、20、30では、上記のような状況が発生したか否かを判定し、該当する項目が1つでもある場合には、事故あるいはヒヤリハットが発生したとして、情報管理サーバ100に対して、車両データ、車外・車内センサデータ、ドライバデータを送信する(S110)。車両データは、事故あるいはヒヤリハットの発生前後数十秒のデータであるのがよい。また、車外・車内センサデータとしては外界の映像データや車内映像データ等がある。ドライバデータとしては、例えば視線検知結果や、心拍数等がある。なお、上記の状況がいずれも発生していない間は、図5に示す処理を終了し、再びステップS100の処理を開始する。
ステップS110にて、事故あるいはヒヤリハットが発生したとして車両から車両データ等を受信した情報管理サーバ100は、データ処理を行い、当該事故あるいはヒヤリハットのデータを、事故・ヒヤリハット情報DB120の外界認識情報蓄積部122およびドライバ情報蓄積部124に記録する(S120)。そして、要因分析装置200により、当該事故あるいはヒヤリハットの発生要因を分析させる。
要因分析装置200は、共通点特定部220により、まず、今回事故あるいはヒヤリハットが発生した車両と同位置で他の事故やヒヤリハットが発生しているか否かを判定する(S130)。共通点特定部220は、外界認識情報蓄積部122に記憶されている他の事故やヒヤリハットの情報と今回の情報とのうち、発生位置あるいはエリア情報を比較し、発生位置あるいはエリア情報が一致する場合には、同一位置で事故やヒヤリハットが発生していると判定する。この場合、次に、環境要因推定部230により、同一位置で発生した他の事故やヒヤリハットの情報と今回の情報に基づいて、これらの間に共通項目があるか否かが判定される(S140)。
ステップS140の処理は、事故やヒヤリハットの発生要因が環境要因と考えられるものを特定するために予め設定された環境要因判定項目に基づき行われる。例えば、環境要因判定項目としては、以下のような項目がある。
[環境要因判定項目]
(a1)急ブレーキ:「前後加速度>Xa[m/s]」かつ「ブレーキON」
急ブレーキの判定は、例えば、前後の加速度がXa[m/s]より大きく、かつ、ブレーキがオンとなっていることから判定することができる。
この条件を満たした場合、急ブレーキをした状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・スピードの出やすい長い直線路(地図情報から直線の継続距離>Xb[m])
・見通しの悪いカーブ(ステレオカメラによる白線の認識率<Za)
・交差道路が街路樹や植樹の陰となり見通しが悪い(画像解析より街路樹や植樹を判断)
・車両の割り込み(画像解析により合流、車線変更の車両を判断)
・複雑な形状の交差点(地図情報より副差路があるかを検出、あるいは、ステレオカメラ認識から白線の組み合わせが複数あるかを検出)
(a2)急ハンドル:「操舵角速度>Xc[deg/s]」かつ「横加速度>Ya[m/s]」
急ハンドルの判定は、例えば、操舵角速度がXc[deg/s]より大きく、かつ、横加速度がYa[m/s]より大きいことから判定することができる。
この条件を満たした場合、急ハンドルをした状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・右左折専用レーン(地図情報および車外センサより判別)
・見通しが悪いカーブ(ステレオカメラによる白線の認識率<Zb)
・車両の割り込み(画像解析により合流、車線変更の車両を判断)
(a3)わき見:「頭部移動角>Xd[deg]」かつ「前方からの視線逸脱時間>Yb[s]」
わき見の判定は、例えば、頭部移動角がXd[deg]より大きく、前方からの視線逸脱時間がYb[s]より大きいことから判定することができる。
この条件を満たした場合、わき見が行われた状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・特定の共通した物体を見ている(対象物への総視認時間>Zc[s])
(a4)標識等(交通標識、案内標識、信号)に気付き難い:「標識を見た際の標識までの距離<Xe[m]」
標識等に気付き難い状況であるか否かの判定は、例えば、標識を見た際の標識までの距離がXe[m]より大きいことから判定することができる。標識を見た際の標識までの距離は、例えば、視線検知装置で標識を見たことを判断し、ステレオカメラにより標識までの距離を計測することで測定可能である。
この条件を満たした場合、標識等に気付き難い状況である状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・複数の標識がある(画像解析により判別、あるいは、視線検知で複数の標識に視線が移動しているかを判別)
・標識の表示が不鮮明(画像解析により判別)
・見るべきものを見ていない(画像解析および視線検知装置より、標識等へ注視点があるかどうかで判別)
(a5)標識(交通標識、案内標識)が分かりにくい:「標識、交差点、分岐路を通過するまでに見た標識への総視認時間>Xf[s]」
標識が分かりにくい状況であるか否かの判定は、例えば、標識、交差点、分岐路を通過するまでに見た標識への総視認時間がXf[s]より大きいことから判定することができる。標識を見た際の標識までの距離は、例えば、視線検知装置で標識を見たことを判断し、ステレオカメラにより標識までの距離を計測することで測定可能である。総視認時間は、例えば視線検知装置および画像解析により標識、案内板を認識することで算出することができる。標識、交差点、分岐路を通過したことは、例えば、GPSおよびステレオカメラを利用することで判断することができる。
この条件を満たした場合、標識が分かりにくい状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・標識の表示が不鮮明(画像解析により判別)
(a6)車載情報端末の画面が分かり難く注意散漫を誘発している状況である:「ナビ、MFD(Multi-Function Display)、メータ等への総視認時間>Xg[s]」
車載情報端末の画面が分かり難く注意散漫を誘発している状況であるか否かの判定は、例えば、ナビ、MFD、メータ等への総視認時間がXg[s]より大きいことから判定することができる。視線検知装置および車両データより、各画面への総視認時間を算出することができる。
この条件を満たした場合、車載情報端末の画面が分かり難く注意散漫を誘発している状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・どの画面の総視認時間が長いか特定する(例:ナビの分岐路、MFDのエコ表示)
(a7)ドライバが眠くなっている:「眠気度レベル>Xh」または「心拍変動>Yc」
車ドライバが眠くなっているか否かの判定は、例えば、眠気度レベルがXhより大きいか否か、あるいは心拍数の変動がYcより大きいか否かにより判定することができる。眠気度レベルは、例えば下記の方法で判別できることが知られている(本多和樹監修、「眠りの科学とその応用:睡眠のセンシング技術と良質な睡眠の確保に向けての研究開発」、シーエムシー出版、2007年8月)。眠気度レベルを算出するための各値は、視線検知装置によって計測することができる。
眠気度レベル=f1(開眼時の開眼度)+f2(平均瞬目時間)
+f3(継続閉眼時間の分布)+f4(目を閉じている時間割合)
+f5(瞬目回数)+…+fn(その他の特徴量)
(a8)車間距離が小さい:「車間距離<Xi[m]」
車間距離が小さいか否かの判定は、車間距離がXi[m]より小さいことから判定することができる。車間距離は、ステレオカメラやレーザレーダ等により、先行車の距離を計測することで測定可能である。
この条件を満たした場合、車間距離が小さくなった状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・スピードの出やすい長い直線路(地図情報から直線の継続距離>Xj[m])
・見通しの悪いカーブ(ステレオカメラによる白線の認識率<Zd)
・車両の割り込み(画像解析により合流、車線変更の車両を判断)
(a9)光の急激な変化が発生している:「シャッタースピードの変化率>Xk」
光の急激な変化が発生しているか否かの判定は、シャッタースピードの変化率がXkより大きいことから判定することができる。シャッタースピードの変化率は、例えばステレオカメラのシャッタースピードの変化率としてもよい。
この条件を満たした場合、光の急激な変化が発生する状況を、以下のカッコ内の項目を満たすか否かを判定することにより推定することもできる。
・トンネル、高架下である(地図情報より判別)
・ビルの影から明るい場所に移動(位置情報、時刻、画像解析により判別)
(a10)その他として、例えば、車両CAN、車外センサ及び視線検知データ(視対象、視認時間)を照合し、一致するものを抽出してもよい。
このような環境要因判定項目について、自車両と過去の他車のデータとにおいて、設定した閾値を共に超える項目があるか照合する。そして、環境要因推定部230は、m日以内にn数以上共通する項目があった場合に、道路環境や外部環境等の環境要因により事故やヒヤリハットが発生したと判定する(S143)。m日以内に共通する項目がn数より少ない場合には、事故やヒヤリハットの発生は環境要因によるものではないと判定する。
図5の説明に戻り、図6の処理により、ステップS140にて他車両と共通項目があると判定した場合、環境要因推定部230は、ステップS150により、共通した項目の環境要因により事故やヒヤリハットが発生したと特定する。一方、ステップS140にて他車両と共通項目がないと判定した場合、環境要因推定部230は、急な環境変化があったか否かを判定する(S160)。
ステップS160では、環境要因推定部230は、自車両の車両データ等に基づき、「車両の割り込み」、「歩行者の飛び出し」、「落下物の発生」、「トンネル・建築物などによる明暗変化」、「天候急変」等の、予め設定された環境急変項目に該当するか否かを判定する。具体的には、「車両の割り込み」、「歩行者の飛び出し」、「落下物の発生」はステレオカメラの情報に基づき判定可能であり、「トンネル・建築物などによる明暗変化」は、レーダや照度センサを用いて判定可能である。また、「天候急変」は、雨滴感知センサやワイパー作動状況、インターネットの天気情報等を用いて判定可能である。
図7にステップS160の処理の詳細を示す。まず、環境要因推定部230は、上記のような環境急変項目に1つでも該当するか否かを判定し(S161)、該当するものがある場合、自車両の事故やヒヤリハットの発生は、該当した環境急変項目の環境要因によるものと特定する(S163)。一方、ステップS161にて環境急変項目に該当しない場合には、ドライバ要因推定部240によりドライバ要因を特定する(S170)。
ドライバ要因の特定は、ドライバ要因判定項目に基づき行われる。ドライバ要因判定項目としては、例えば以下のような項目がある。
[ドライバ要因判定項目]
(c1)運転操作が不適切:急ブレーキまたは急ハンドル
急ブレーキの判定は、例えば、前後の加速度がXl[m/s]より大きく、かつ、ブレーキがオンとなっていることから判定することができる(「前後加速度>Xl[m/s]」かつ「ブレーキON」)。また、急ハンドルの判定は、例えば、操舵角速度がXm[deg/s]より大きく、かつ、横加速度がYd[m/s]より大きいことから判定することができる(「操舵角速度>Xm[deg/s]」かつ「横加速度>Yd[m/s]」)。
(c2)わき見:「頭部移動角>Xn[deg]」かつ「前方からの視線逸脱時間>Ye[s]」
わき見の判定は、例えば、頭部移動角がXn[deg]より大きく、前方からの視線逸脱時間がYe[s]より大きいことから判定することができる。
(c3)不確認:「対象物への総視認時間<Xo[s]」
ドライバによる対象物の不確認は、対象物への総視認時間がXo[s]より短いか否かにより判定することができる。
(c4)一時不停止:「一時停止すべき場所である」かつ「車速>0[km/h]」
一時停止すべき場所であるにも関わらず、走行している状態のときには、一時停止をしなかったと判定できる。一時停止すべき場所か否かは、地図情報およびステレオカメラの情報より認識できる。
(c5)信号無視:「信号が赤」かつ「車速>0[km/h]」
車両の前の信号が赤であったにも関わらず、走行している状態のときには、ドライバは信号無視したと判定できる。信号の色は、カラーステレオカメラにより認識可能である。
(c6)速度違反:「車速>(制限速度+α)[km/h]」
制限速度を大きく超えて走行している場合には、ドライバは速度違反をしていたものと判定できる。制限速度は、例えば地図情報やステレオカメラにより認識される速度標識認識により把握することができる。
(c7)車間距離不保持:「車間距離<Xp[m]」
先行車との車間距離がXp[m]より小さい場合には、ドライバは十分な車間距離を保持していなかったと判定できる。先行車との車間距離は、ステレオカメラやレーザレーダ等により計測可能である。
(c8)身体異常:「視線が定まらない」または「心拍数<Xq」
ドライバの視線が定まっていなかったり、目を閉じていたり、心拍数がXqより小さい場合には、ドライバに身体異常が発生している可能性があると判定できる。
以上のようなドライバ要因判定項目に基づき、ドライバ要因推定部240は、図8に示す処理に基づきドライバ要因を特定する。図8は、ステップS170の詳細内容を示している。まず、ドライバ要因推定部240は、自車両の車両データ等に基づき、上記のドライバ要因判定項目に該当する項目があるか否かを判定する(S171)。該当する項目がない場合には、ドライバ要因推定部240は、発生した事故やヒヤリハットはドライバに起因するものではないと判定する。一方、ドライバ要因判定項目に該当する項目がある場合には、同じドライバが該当したドライバ要因判定項目の行動を繰り返し行っているか否かを判定する(S172)。
ドライバ要因推定部240は、情報管理サーバ100のドライバ情報蓄積部124を参照し、自車両のドライバが起こした事故やヒヤリハットの情報を参照する。ドライバ要因推定部240は、今回特定されたドライバ要因判定項目と同一の要因が推定されているか否かを判定し、ドライバが繰り返し起こしている行動か否かを特定する。ステップS172にて、ドライバが過去に起こした行動ではないと判定した場合、ドライバ要因推定部240は、今回の事故あるいはヒヤリハットは突発的に発生した稀な事象と判定する(S173)。
一方、ステップS172にて今回特定されたドライバ要因判定項目と同一の要因が過去にも推定されている場合、ドライバ要因推定部240は、さらに、同じ道路環境でその行動を行ったか否かを判定する(S174)。ドライバ要因推定部240は、例えばドライバ情報蓄積部124を参照し、過去に事故あるいはヒヤリハットが発生した発生位置あるいはエリアが、今回事故あるいはヒヤリハットが発生した発生位置あるいはエリアと一致するか否かを判定する。
ステップS174にて、過去に事故あるいはヒヤリハットが発生した位置と同じ場所で今回の事故あるいはヒヤリハットが発生している場合には、ドライバ要因推定部240は、当該ドライバは、同じ道路環境で事故あるいはヒヤリハットを起こす可能性があると判定する(S175)。一方、過去に事故あるいはヒヤリハットが発生した位置とは異なる場所で今回の事故あるいはヒヤリハットが発生している場合には、ドライバ要因推定部240は、道路環境に関わらず当該ドライバが起こしやすい事象と判定する(S176)。ステップS175およびS176の判定結果は、後述する図5のステップS190にて、車両に通知してもよい。
図5の説明に戻り、ステップS170にてドライバ要因が特定されると、要因判定部250により主要因が判定される(S180)。要因判定部250は、ステップS150で特定された環境要因と、ステップS170で特定されたドライバ要因とを考慮して、今回発生した事故あるいはヒヤリハットの主要因を特定する。要因判定部250は、例えば環境要因を優先して主要因としてもよく、それぞれで特定された要因をすべて主要因としてもよく、特定された要因のうち過去に発生した事故あるいはヒヤリハットが最も多い要因を主要因としてもよい。または、各要因に予め重み付けをして、スコアの最も高い要因を主要因としてもよい。要因判定部250は、ステップS150で特定された環境要因およびステップS170で特定されたドライバ要因のうち、少なくとも主要因として特定した要因を、通知情報処理部260に通知する。
通知情報処理部260は、要因判定部250により通知された要因に応じて、車両10や地図情報サーバの地図情報にその内容を反映させる(S190)。例えば、環境要因については、地図情報サーバ320の地図情報にその内容を反映させ、事故やヒヤリハットが発生しやすいことを示すようにする。この地図情報の提供を受けた車両10、20、30は、走行時に事故等が発生しやすいことを意識することができ、事故防止に役立つ。また、ドライバ要因については、当該ドライバが運転する車両に対してドライバ要因を通知することで、そのドライバが運転中に起こしやすい不安全行為等を、車両が運転中等にドライバに対して警告するようにすることができる。これにより、当該ドライバへの警報強度が高まり、ドライバがその行為を繰り返し行わないように促すことができる。
<4.まとめ>
以上、本発明の一実施形態に係る車両状況分析システム1の構成とその機能について説明した。かかる車両状況分析システム1によれば、情報管理サーバ100に蓄積された過去の事故やヒヤリハット発生時の情報と、今回発生した事故やヒヤリハット発生時の情報とに基づいて、要因分析装置200により事故やヒヤリハットの発生要因が環境要因であるかドライバ要因であるかを特定する。このように、要因分析装置200により事故やヒヤリハットの発生要因を特定可能とすることで、それぞれの要因に応じてドライバへのフィードバックを行うことが可能となり、今後の事故やヒヤリハットの発生の可能性を低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、過去の過去の事故やヒヤリハット発生時の情報は、要因分析装置200とは異なる、情報管理サーバ100にて管理を行ったが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、過去の過去の事故やヒヤリハット発生時の情報を要因分析装置200にて保持してもよい。
1 車両状況分析システム
10、20、30 車両
11 車両用表示装置
12 車外センサ
13 視線検知装置
14 車両データ記憶部
15 制御部
16 車両通信部
100 情報管理サーバ
110 データ処理部
120 事故・ヒヤリハット情報DB
122 外界認識情報蓄積部
124 ドライバ情報蓄積部
200 要因分析装置
210 通信部
220 共通点特定部
230 環境要因推定部
240 ドライバ要因推定部
250 要因判定部
260 通知情報処理部
310 天気情報サーバ
320 地図情報サーバ

Claims (7)

  1. 車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因を分析する要因分析装置であって、
    車両から送信された車両情報と、過去に発生した事故・ヒヤリハットについて蓄積された車両情報とを比較して、共通点を特定する共通点特定部と、
    前記共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因が環境要因であるか否かを推定する環境要因推定部と、
    前記共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因がドライバ要因であるか否かを推定するドライバ要因推定部と、
    前記環境要因推定部および前記ドライバ要因推定部による推定結果に基づいて、当該車両の事故・ヒヤリハットの主要因を決定する要因判定部と、
    を備え、
    前記ドライバ要因推定部は、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットがドライバによる要因により発生したか否かを判定するドライバ要因判定項目に該当するか否かを判定し、
    該当するドライバ要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当したドライバ要因判定項目のドライバ要因に基づくものと判定する、要因分析装置。
  2. 前記共通点特定部は、当該車両から送信された車両情報と、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの発生位置と同一位置で発生した過去の車両情報との共通点を特定する、請求項1に記載の要因分析装置。
  3. 前記環境要因推定部は、
    当該車両の車両情報および過去の車両情報について、予め設定された事故・ヒヤリハットが環境要因により発生したか否かを判定する環境要因判定項目を、それぞれ満たすか否かを判定し、
    当該車両の車両情報および過去の車両情報がともに満たした共通の環境要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、共通の環境要因判定項目の環境要因に基づくものと判定する、請求項1または2に記載の要因分析装置。
  4. 前記環境要因推定部は、
    当該車両の車両情報および過去の車両情報がともに満たした共通の環境要因判定項目がない場合、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットが急な環境要因により発生したか否かを判定する環境急変判定項目に該当するか否かを判定し、
    該当する環境急変判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当した環境急変判定項目の環境要因に基づくものと判定する、請求項3に記載の要因分析装置。
  5. 前記要因判定部は、環境要因をドライバ要因より優先して主要因として決定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の要因分析装置。
  6. 当該車両の事故・ヒヤリハットの発生要因に応じて、当該車両または車両に対して地図情報を提供する地図情報サーバに対し、ドライバへ通知すべき警告情報を通知し反映させる通知情報処理部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の要因分析装置。
  7. 車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因を分析する要因分析方法であって、
    コンピュータにより、
    車両から送信された車両情報と、過去に発生した事故・ヒヤリハットについて蓄積された車両情報とを比較して、共通点を特定する共通点特定ステップと、
    前記共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因が環境要因であるか否かを推定する環境要因推定ステップと、
    前記共通点に基づいて、当該車両に発生した事故・ヒヤリハットの要因がドライバ要因であるか否かを推定するドライバ要因推定ステップと、
    前記環境要因推定ステップおよび前記ドライバ要因推定ステップによる推定結果に基づいて、当該車両の事故・ヒヤリハットの主要因を決定する要因判定ステップと、
    を含む処理を実行し
    前記ドライバ要因推定ステップでは、当該車両の車両情報が、事故・ヒヤリハットがドライバによる要因により発生したか否かを判定するドライバ要因判定項目に該当するか否かを判定し、
    該当するドライバ要因判定項目がある場合、当該車両で発生した事故・ヒヤリハットの要因は、該当したドライバ要因判定項目のドライバ要因に基づくものと判定する、要因分析方法。
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