JP6545612B2 - トランスリアクトル一体型磁気素子及び電力変換回路システム - Google Patents

トランスリアクトル一体型磁気素子及び電力変換回路システム Download PDF

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Description

本発明はトランスリアクトル一体型磁気素子及び電力変換回路システムに関し、特に複数の入出力ポートを備える電力変換回路システムに関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車等、電気リッチな自動車の開発・普及に伴い、車載の電源回路も複雑化・大型化の傾向にある。例えば、ハイブリッド自動車では、走行用バッテリ、システム用バッテリ、プラグイン用の外部電源回路、走行用バッテリの直流電力を走行用モータに供給するためのDC/DCコンバータ、走行用バッテリの直流電力を交流電力に変換するためのDC/ACコンバータ、走行用バッテリの直流電力を電動パワーステアリング(EPS)に供給するためのDC/DCコンバータ、走行用バッテリの直流電力を補機に供給するためのDC/DCコンバータ等があり、構成が複雑化している。
そこで、一つの回路で複数の入出力を備えるマルチポート電源の開発が進められている。マルチポート電源により、配線や半導体素子等の共有化により電源回路を小型化することが提案されている。この際、トランスコイルとリアクトルコイルを互いに干渉しないようにコアに巻回することが有効である。
特許文献1には、3つの脚部を有するコアに、トランスコイルとリアクトルコイルを互いに干渉しないような巻き方で配置する構成が記載されており、磁気素子間のデッドスペースや、ヒートシンクサイズを縮小できる。
図11は、この文献に記載された磁気素子の横断面図を示す。3つの脚部を有するコア10の両端の脚部にトランスコイル12a,12b、14a,14bが配置され、中央の脚部に2つのリアクトルコイル16a,16bが配置される。トランスコイル12a,12bは1次側(低圧側)のトランスコイルであり、トランスコイル14a,14bは2次側(高圧側)のトランスコイルである。
図12A及び図12Bは、図11の磁気素子をトランス動作させる場合の磁束変化と回路構成を示す。トランスコイル12a,12bが互いに逆相となるように電流を流すと、トランスコイル12a,12bによる磁束発生方向が両端で逆になるため中央の脚部の磁束変化は互いに打ち消される。従って、中央の脚部に配置されたリアクトルコイル16a,16bには磁束が通らず、起電力は生じない。
他方、図13A及び図13Bは、図11の磁気素子をリアクトル動作させる場合の磁束変化と回路構成を示す。トランスコイル12a,12bが互いに同相となるように電流を流すと、中央の脚部に配置されたリアクトルコイル16a,16bから発生した磁束はトランスコイル12a,12bに鎖交するが、発生する起電力がセンタータップを介した上下のトランスコイル12a,12bで互いに逆となるためコイル全体としては起電力がゼロとなり、トランスとして動作しない。以上の原理により、トランスコイルとリアクトルコイルが互いに干渉せずに動作する。
特開2012−134266号公報
従来技術においては、トランスコイルとリアクトルコイルを3つの脚部を有するコアに配置することで磁気素子間のデッドスペースやヒートシンクサイズの縮小が可能であるが、部品点数の削減や巻線長の短縮に加えて、変換効率のさらなる増大も要求されている。
図14は、図11に示す磁気素子を上から見た場合のリアクトル動作時の同相電流の流れを示し、図15は、図11に示す磁気素子を上から見た場合のトランス動作時の逆相電流の流れを示す。
リアクトル動作時では、図14に示すように、電流は、Mu端子から中央の脚部のリアクトルコイル16aを時計回りに流れ、次いで左側の脚部のトランスコイル12aを反時計方向に流れ、C端子に至る。他方、電流は、Mv端子から中央の脚部のリアクトルコイル16aを時計回りに流れ、次いで右側の脚部のトランスコイル12bを反時計方向に流れ、C端子に至る。中央の脚部に配置されたリアクトルコイル16aから発生した磁束はトランスコイル12a,12bに鎖交するが、発生する起電力がセンタータップを介した上下のトランスコイル12a,12bで互いに逆となるためコイル全体としては起電力がゼロとなり、トランスとして動作しない。
他方、トランス動作時では、図15に示すように、電流は、Mu端子から中央の脚部のリアクトルコイル16aを時計回りに流れ、次いで左側の脚部のトランスコイル12aを反時計方向に流れ、次いで右側の脚部のトランスコイル12bを時計方向に流れ、さらに中央の脚部のリアクトルコイル16aを反時計方向に流れてMv端子に至る。トランスコイル12a,12bによる磁束発生方向が両端で逆になるため中央の脚部の磁束変化は互いに打ち消される。従って、中央の脚部に配置されたリアクトルコイル16aには磁束が通らず、起電力は生じないのでリアクトル動作に影響しない。
しかしながら、同相電流がリアクトルコイル16aを流れるだけでなく、図15に示すように逆相電流もリアクトルコイル16aを流れることになるから、逆相電流によってリアクトルコイル16aで交流抵抗損失が生じ、変換効率が低下してしまう問題がある。
本発明の目的は、基板面積やコア体積を縮小し、さらに電力変換効率を向上させることが可能なトランスリアクトル一体型磁気素子及び電力変換回路システムを提供することにある。
本発明のトランスリアクトル一体型磁気素子は、中央の脚部、及び両端の脚部を備えるコアと、両端の脚部のいずれかに巻回される第1の1次側トランスコイル及び第1の2次側トランスコイルと、両端の脚部のいずれか他方に巻回される第2の1次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルとを備え、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルは直列接続されるとともに差動方向に巻回され、第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは直列接続されるとともに差動方向に巻回され、コアの中央の脚部にはリアクトルコイルが巻回されるとともに、その端部が、第1の1次側トランスコイルと第2の1次側トランスコイルの中点に接続され、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに同相電流が供給されることでリアクトル動作し、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに逆相電流が供給されることでトランス動作することを特徴とする。
また、本発明の電力変換回路システムは、1次側変換回路であって、1次側正極母線と1次側負極母線の間に左アームと右アームを備え、左アーム及び右アームはそれぞれ直列接続された2つのスイッチングトランジスタからなり、左アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点と右アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点の間に第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルが直列接続される1次側変換回路と、2次側変換回路であって、2次側正極母線と2次側負極母線の間に左アームと右アームを備え、左アーム及び右アームはそれぞれ直列接続された2つのスイッチングトランジスタからなり、左アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点と右アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点の間に第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルが直列接続される2次側変換回路と、1次側変換回路及び2次側変換回路のスイッチングトランジスタのスイッチングを制御する制御回路とを備え、第1の1次側トランスコイル及び第1の2次側トランスコイルは、中央の脚部、及び両端の脚部を備えるコアの両端の脚部のいずれかに巻回され、第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは、コアの両端の脚部のいずれか他方に巻回され、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルは差動方向に巻回され、第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは差動方向に巻回され、コアの中央の脚部にはリアクトルコイルが巻回されるとともに、その端部が、第1の1次側トランスコイルと第2の1次側トランスコイルの中点に接続され、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに同相電流が供給されることでリアクトル動作し、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに逆相電流が供給されることでトランス動作することを特徴とする。
本発明によれば、基板面積やコア体積を縮小し、さらに電力変換効率を向上させることができる。すなわち、同相電流の変化に対してはリアクトルとして動作させ、逆相電流の変化に対してはトランスとして動作させることで、一体磁気素子として機能させ、基板面積とコア体積を縮小できる。また、トランスとして動作させる際にも、中央の脚部のリアクトルコイルに電流が流れないので、交流抵抗損失をゼロとできる。さらに、逆相電流が流れない経路にリアクトルコイルを配置すると、リアクトルコイルに流れる同相電流の大きさが倍になるため、巻数を半分にしても従来と同様のインダクタンス値を実現でき、コイルへの磁界鎖交による渦電流損失を半減できる。
実施形態の回路構成図である。 実施形態の磁気素子の横断面図である。 実施形態の磁気素子のリアクトル動作時の電流の流れを示す説明図である。 実施形態の磁気素子のトランス動作時の電流の流れを示す説明図である。 実施形態の磁気素子のトランス動作時の磁束を示す説明図である。 実施形態の磁気素子のトランス動作時の回路図である。 実施形態の磁気素子のリアクトル動作時の磁束を示す説明図である。 実施形態の磁気素子のリアクトル動作時の回路図である。 実施形態の等価回路図である。 実施形態の磁気素子の構成図である。 実施形態の各部の電圧・電流波形図である。 実施形態の変換効率を示すシミュレーション結果のグラフ図である。 従来技術の磁気素子の横断面図である。 従来技術の磁気素子のトランス動作時の磁束を示す説明図である。 従来技術の磁気素子のトランス動作時の回路図である。 従来技術の磁気素子のリアクトル動作時の磁束を示す説明図である。 従来技術の磁気素子のリアクトル動作時の回路図である。 従来技術の磁気素子のリアクトル動作時の電流の流れを示す説明図である。 従来技術の磁気素子のトランス動作時の電流の流れを示す説明図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における電力変換回路システムの基本的な回路構成図である。電力変換回路システムは、制御回路100と電力変換回路120からなる。電力変換回路120は、磁気結合リアクトルを利用し、3つの直流電源間において双方向の電力伝送が可能な3ポートのマルチポート回路である。
マルチポート回路は、1次側変換回路にポートA及びポートCを備え、2次側変換回路にポートB及びポートDを備える。
1次側変換回路の正極母線と1次側変換回路の負極母線の間に、互いに直列に接続されるスイッチングトランジスタS1及びS2からなる左アームと、互いに直列に接続されるスイッチングトランジスタS3及びS4からなる右アームが設けられ、これら左アームと右アームは互いに並列に接続されフルブリッジ回路を構成する。ポートAは、1次側変換回路の正極母線と負極母線の間に配置される。ポートAの入出力電圧をVAとする。ポートCは、1次側変換回路の負極母線とトランスの間に配置される。ポートCの入出力電圧をVCとする。
左側アームを構成するスイッチングトランジスタS1及びS2の接続点と、右側アームを構成するスイッチングトランジスタS3及びS4の接続点の間に、互いに直列に接続される磁気結合リアクトル(リアクトルコイル)が接続されるとともに、トランス(トランスコイル)の1次側巻線(トランスコイル)12a,12bが接続される。すなわち、磁気結合リアクトルと1次側トランスコイル12a,12bは、2つの双方向チョッパ回路の中間点に接続される。
他方、2次側変換回路の正極母線と負極母線の間に、互いに直列に接続されるスイッチングトランジスタS5及びS6からなる左アームと、互いに直列に接続されるスイッチングトランジスタS7及びS8からなる右アームが設けられ、これら左アームと右アームは互いに並列に接続されフルブリッジ回路を構成する。ポートBは、2次側変換回路の正極母線と負極母線の間に配置される。ポートBの入出力電圧をVBとする。
トランスの2次側巻線(トランスコイル)14a,14bは、左アームを構成するスイッチングトランジスタS5及びS6の接続点と、右アームを構成するスイッチングトランジスタS7及びS8の接続点の間に接続される。
制御回路100は、電力変換回路120を制御する各種パラメータを設定し、1次側変換回路と2次側変換回路のスイッチングトランジスタS1〜S8のスイッチング制御を行う。制御回路100は、外部からのモード信号に基づき1次側変換回路の2つのポート間で電力変換を行うモードと、1次側と2次側間での絶縁型電力伝送を行うモードを切り替える。ポートでいえば、ポートAとポートB間では双方向絶縁型コンバータとして回路を動作させ、ポートAとポートC間では双方向非絶縁型コンバータとして回路を動作させる。このとき、磁気結合リアクトルは、双方向絶縁型コンバータ動作では磁束を弱め合うため漏れインダクタンス成分を用い、双方向非絶縁型コンバータ動作では磁束を強め合うため励磁インダクタンス成分と漏れインダクタンス成分の和の成分を用いて電力伝送を行う。
1次側変換回路と2次側変換回路の間の絶縁型電力伝送は、1次側変換回路と2次側変換回路のスイッチングトランジスタS1〜S8のスイッチング周期の位相差φで制御する。
1次側変換回路から2次側変換回路に電力を伝送する場合、1次側が2次側に対して進み位相となるように位相差φを決定する。また、2次側変換回路から1次側変換回路に電力を伝送する場合、これとは逆に1次側が2次側に対して遅れ位相となるように位相差φを決定する。例えば、2次側変換回路から1次側変換回路に電力を伝送する場合、1次側変換回路ではスイッチングトランジスタS1及びS4をオンし、S2及びS3をオフする。また、2次側変換回路ではスイッチングトランジスタS5及びS8をオンし、S6及びS7をオフする。2次側変換回路では、
S5→トランス2次側巻線→S8
と電流が流れる。1次側変換回路では、
S4→トランス1次側巻線→S1
と電流が流れる。
次の期間では、スイッチングトランジスタS1,S4,S8をオンし、それ以外はオフとする。前の期間と比べてスイッチングトランジスタS5がオンからオフに遷移するが、2次側変換回路のスイッチングトランジスタS5がオフすると、スイッチングトランジスタS6に並列に接続されたダイオードを介して電流が流れ続け、2次側の両端電圧はゼロに降下する。従って、2次側の両端電圧を決めるのは、スイッチングトランジスタS5のオンオフとなる。
さらに次の期間では、スイッチングトランジスタS1,S4,S6,S8をオンし、それ以外をオフとする。
さらに次の期間では、スイッチングトランジスタS4,S6,S8をオンし、それ以外をオフとする。1次側変換回路のスイッチングトランジスタS1がオンからオフに遷移すると、スイッチングトランジスタS1に並列に接続されたダイオードを介して電流が流れ続け、スイッチングトランジスタS2がオンしない限り1次側の両端電圧はゼロにならない。従って、1次側の両端電圧を決めるのは、スイッチングトランジスタS2のオンオフとなる。
上下のスイッチングトランジスタが短絡しないように、数百ナノ秒〜数マイクロ秒程度のデッドタイムを設けてもよい。すなわち、スイッチングトランジスタS1とS2、S3とS4、S5とS6、S7とS8がともにオフとなるような期間を設けてもよい。
図1のマルチポート回路を例えばハイブリッジ自動車等に搭載する場合、ポートAに48V補機を接続し、ポートCに14V補機を接続し、ポートBに主機バッテリ等を接続することができる。
以上のようなマルチポート回路では、トランスコイルによるトランス動作とリアクトルコイルによるリアクトル動作が要求され、従来の磁気素子においては上述したように3つの脚部を備えるコアの両端の脚部にトランスコイルを配置し、中央の脚部にリアクトルコイルを配置し、中央の脚部のリアクトルコイルに同相電流を流すことでリアクトルとして動作させ、逆相電流を流すことでトランスとして動作させていた。
ところが、既述したように、逆相電流もリアクトルコイルを流れることからリアクトルコイルで交流抵抗損失が生じ、変換効率(電力変換効率)が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、中央の脚部のリアクトルコイルを逆相電流が流れない経路に配置することで変換効率の低下を防止する。具体的には、3つの脚部を有するコアの両端の脚部にトランスコイルを差動方向に巻回するとともに、中央の脚部にリアクトルコイルを巻回し、リアクトルコイルの一端をトランスコイルの中点に接続する。言い換えれば、トランスコイルの中点からリアクトルコイルを出すようにして中央の脚部に巻回する。
図2は、本実施形態の磁気素子の横断面図を示す。3つの脚部を有するコア10の両端の脚部にトランスコイル12a,12b、14a,14bが配置され、中央の脚部にリアクトルコイル16aが配置される。図では簡易化のため、1次側のリアクトルコイル16aのみを示すが、2次側のリアクトルコイル16bも同様に配置してもよい。トランスコイル12a,12bは互いに直列かつ差動方向に接続され、トランスコイル12a、12bの中点Muにリアクトルコイル16aが接続される。2次側についても同様である。
図1に示す基本的な回路構成では、1次側のリアクトルコイルはスイッチングトランジスタS1,S2の中点Muとトランスコイル12aとの間、及びスイッチングトランジスタS3,S4の中点Mvとトランスコイル12bとの間に接続されているが、本実施形態では、1次側のリアクトルコイル16aは、トランスコイル12a,12bの中点とポートCとの間に接続される。2次側についても同様である。なお、本実施形態の等価回路構成についてはさらに後述する。
図3は、図2に示す磁気素子を上から見た場合の、リアクトル動作時の電流の流れを示す。トランスコイル12a,12bは、3つの脚部を有するコア10の両端の脚部にそれぞれ差動方向に配置されており、リアクトル動作では互いに同相となるように電流が流れる。すなわち、Muからの電流は左側の脚部のトランスコイル12aを反時計方向に流れ、次いで、中央の脚部のリアクトルコイル16aを時計方向に流れてポートCに至る。また、Mvからの電流は右側の脚部のトランスコイル12bを反時計方向に流れ、次いで、中央の脚部のリアクトルコイル16aを時計方向に流れてポートCに至る。左右の脚部のトランスコイル12a,12bで生じる磁束は紙面に垂直に奥から手前の向きであり、中央の脚部のリアクトルコイル16aで生じる磁束は紙面に垂直に手前から奥の向きである。
他方、図4は、図2に示す磁気素子を上から見た場合の、トランス動作時の電流の流れを示す。トランスコイル12a,12bは、3つの脚部を有するコア10の両端の脚部にそれぞれ差動方向に配置されており、トランス動作では互いに逆相となるように電流が流れる。すなわち、Muからの電流は左側の脚部のトランスコイル12aを反時計方向に流れ、次いで、右側の脚部のトランスコイル12bを時計方向に流れる。トランスコイル12a,12bの中点とポートCとの間に接続されたリアクトルコイル16aには電流は流れない。
図5A及び図5Bは、図4に対応するトランス動作における磁束及び回路図を示す。左右の脚部にそれぞれ配置されたトランスコイル12a,12bによる磁束の向きは互いに反対であるため中央の脚部では互いに打ち消し合い、リアクトルとして動作することはない。このため、図5Aでは、リアクトルコイル16aを省略している。つまり、中央の脚部がないO型コアのトランスと同じ磁束変化である。また、電流は、
Mu→トランスコイル12a→トランスコイル12b→Mv
と流れ、リアクトルコイル16aには流れないので交流抵抗損失がない。
なお、図6A及び図6Bは、図3に対応するリアクトル動作における磁束及び回路図を示す。左右の脚部にそれぞれ配置されたトランスコイル12a,12bによる磁束の向きは同じであるため中央の脚部では磁束が打ち消し合うことはないが、発生する起電力はセンタータップを介したトランスコイル12a,12bで互いに逆となるためコイル全体としては起電力がゼロとなり、トランスとして動作しない。このため、図6Aでは、トランスコイル12a、12b(及びトランスコイル14a、14b)を省略している。また、リアクトルとしてはギャップを介した磁気抵抗の大きな経路で磁束変化が生じるので、飽和し難い特性を有する。電流は、
Mu→トランスコイル12a→リアクトルコイル16a→C
及び
Mv→トランスコイル12b→リアクトルコイル16a→C
と流れるため、リアクトルコイル16aにはMuからの電流とMvからの電流の合成電流が流れる。
図7は、本実施形態の等価回路図を示す。図1と異なり、1次側のリアクトルコイル16aは、トランスコイル12a,12bの中点とポートCとの間に接続される。すなわち、トランスコイル12aの一端はスイッチングトランジスタS1,S2の中点Muに接続され、他端はトランスコイル12bに接続される。トランスコイル12bの一端はトランスコイル12aに接続され、他端はスイッチングトランジスタS3,S4の中点Mvに接続される。リアクトルコイル(磁気結合リアクトルコイル)16aの一端はトランスコイル12a,12bの中点に接続され、他端はポートCに接続される。
図8は、本実施形態の磁気素子の配線図を示す。3つの脚部を有するコア10の両端の脚部の一方にトランスコイル12aが巻回され、他方の脚部にトランスコイル12bが巻回される。トランスコイル12aとトランスコイル12bは直列に接続され、かつ差動方向に接続される。また、中央の脚部にリアクトルコイル16aが巻回され、その端部はトランスコイル12a,12bの中点に接続される。
2次側についても同様であり、3つの脚部を有するコア10の両端の脚部の一方にトランスコイル14aが巻回され、他方の脚部にトランスコイル14bが巻回される。トランスコイル14aとトランスコイル14bは直列に接続され、かつ差動方向に接続される。また、図示していないが、必要に応じて中央の脚部にリアクトルコイル16bが巻回され、その端部はトランスコイル14a,14bの中点に接続される。
このように、本実施形態では、3つの脚部を有するコア(あるいはE型コア)の両端の脚部にそれぞれトランスコイルを差動方向に巻回し、これらのトランスコイルの中点にリアクトルコイルを接続して中央の脚部に巻回し、同相電流の変化に対してはリアクトルとして動作させ、逆相電流の変化に対してはトランスとして動作させることで、一体磁気素子として機能させ、基板面積とコア体積を縮小できる。すなわち、トランスとリアクトルを一体化することで、磁気素子間を繋ぐ配線スペースがなくなるので、磁気素子の基板専有面積を減らすことができる。また、トランスとリアクトルを一体化することで、トランスコイルとリアクトルコイルの間に磁気結合が生じてインダクタンスが増大し、結果として別体として磁気素子を用いる場合に比べてコア体積が低減する。本願発明者等は、一体磁気素子を試作した結果、別体の場合と比べて基板面積が40%、コア体積が20%縮小し得ることを確認している。さらに、トランスとして動作させる際にも、中央の脚部のリアクトルコイルに電流が流れないので、交流抵抗損失をゼロとできる。また、逆相電流が流れない経路にリアクトルコイルを配置すると、リアクトルコイルに流れる同相電流の大きさが倍になるため、巻数を半分にしても従来と同様のインダクタンス値を実現でき、コイルへの磁界鎖交による渦電流損失を半減できる。このような交流抵抗損失の抑制と渦電流損失の抑制により、結果として変換効率を向上することができる。
図9は、ポートAの電圧を48V、ポートBの電圧を192V、ポートCの電圧を14Vに設定し、スイッチング周波数を125kHzに設定して、ポートBからポートAに250Wの電力を伝送したときの実測波形を示す。図9(a)は低圧側電圧波形V1、図9(b)は高圧側電圧波形V2、図9(c)はリアクトル電流波形iC、図9(d)はトランス電流波形iUである。
高圧側電圧波形V2が低圧側電圧波形V1よりも位相が進んでおり、高圧側から低圧側へ電力が伝送されるときの波形となっている。このとき、リアクトル電流波形iCは昇圧電流波形と一致し、電流ひずみがないため正しく昇圧コンバータのリアクトルとして機能していることがわかる。また、トランス電流波形iUは絶縁コンバータ動作による交流電流波形に昇圧コンバータ動作によるリプル電流波形が重ね合った波形となっており、電流ひずみがないため、トランスとしても磁気飽和なく正しく動作していることがわかる。
図10は、出力(W)毎の変換効率(%)のシミュレーションによる試算結果を示す。図において、実線で示すグラフ150は本実施形態の一体磁気素子の変換効率であり、破線で示すグラフ200は従来の一体磁気素子の変換効率である。本実施形態では、逆相電流による交流抵抗損失がゼロであるため、従来よりも変換効率が増大している。また、出力が増大する程、変換効率の向上効果が顕著となる。
10 コア、12a、12b 1次側トランスコイル、14a、14b 2次側トランスコイル、16a、16b リアクトルコイル、100 制御回路、120 電力変換回路。

Claims (2)

  1. 中央の脚部、及び両端の脚部を備えるコアと、
    両端の脚部のいずれかに巻回される第1の1次側トランスコイル及び第1の2次側トランスコイルと、
    両端の脚部のいずれか他方に巻回される第2の1次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルと、
    を備え、
    第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルは直列接続されるとともに差動方向に巻回され、
    第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは直列接続されるとともに差動方向に巻回され、
    コアの中央の脚部には1次側リアクトルコイルが巻回されるとともに、その端部が、第1の1次側トランスコイルと第2の1次側トランスコイルの中点に接続され、
    第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに同相電流が供給されることでリアクトル動作し、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに逆相電流が供給されることでトランス動作する
    ことを特徴とするトランスリアクトル一体型磁気素子。
  2. 1次側変換回路であって、1次側正極母線と1次側負極母線の間に左アームと右アームを備え、左アーム及び右アームはそれぞれ直列接続された2つのスイッチングトランジスタからなり、左アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点と右アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点の間に第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルが直列接続される1次側変換回路と、
    2次側変換回路であって、2次側正極母線と2次側負極母線の間に左アームと右アームを備え、左アーム及び右アームはそれぞれ直列接続された2つのスイッチングトランジスタからなり、左アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点と右アームの2つのスイッチングトランジスタの接続点の間に第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルが直列接続される2次側変換回路と、
    1次側変換回路及び2次側変換回路のスイッチングトランジスタのスイッチングを制御する制御回路と、
    を備え、
    第1の1次側トランスコイル及び第1の2次側トランスコイルは、中央の脚部、及び両端の脚部を備えるコアの両端の脚部のいずれかに巻回され、
    第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは、コアの両端の脚部のいずれか他方に巻回され、
    第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルは差動方向に巻回され、
    第1の2次側トランスコイル及び第2の2次側トランスコイルは差動方向に巻回され、
    コアの中央の脚部には1次側リアクトルコイルが巻回されるとともに、その端部が、第1の1次側トランスコイルと第2の1次側トランスコイルの中点に接続され、
    第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに同相電流が供給されることでリアクトル動作し、第1の1次側トランスコイル及び第2の1次側トランスコイルに逆相電流が供給されることでトランス動作する
    ことを特徴とする電力変換回路システム。
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