JP6544762B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
この構成により、加速されたイオンが高エネルギーな状態で被処理物に照射されるので、被処理物の表面に剥がれにくい被膜を形成することができる。
被処理物が金属の場合は、導電性部材が負に帯電しているので、被処理物から放出された電子が導電性部材の近傍で跳ね返され、被処理物と導電性部材との間にトラップされる。この結果、被処理物と導電性部材との間で電子の密度が濃くなり、これにより密度の高いプラズマが発生する。そして、この高密度プラズマが被膜の形成を助長することで、被処理物に被膜を高速に形成することが可能になる。
これに対して、上述したプラズマ処理装置によれば、被処理物の周囲に設けられた導電性部材に負の電圧を印加してプラズマ中のイオンを引き寄せるので、被処理物が絶縁性のものであっても、従来のように導電性の電極を取り付ける必要がなく、被処理物の外面における所望の領域に被膜を形成することができる。
これならば、導電性部材に印加する負の電圧を、所望の大きさに設定することができる。
これならば、パルス幅や繰り返し周波数を調整することで、負の電圧を必要な時間だけ導電性部材に印加することができ、消費電力を抑制することができる。
なお、本実施形態の被処理物Wは、図示しない保持部材によって、前記処理チャンバ10の上部から吊り下げられて保持されている。
この導電性部材31は、接続配線33によって処理チャンバ10の上部から吊り下げられて保持されており、本実施形態では、処理チャンバ10内で被処理物Wを取り囲むように、つまり被処理物Wの周囲を全て囲うように連続的に設けられている。
なお、本実施形態の接続配線33は、処理チャンバ10の上部にフィールドスルーFTを介して設けられ、一端が被処理物Wに接続されるとともに、他端が電源32に接続されている。
本実施形態の電源32は、上述した高周波電源22とは別に設けられたものであり、高周波電流とは別に上述した加速電圧を導電性部材31に印加することにより、一次プラズマ中のイオンを該導電性部材31に引き寄せながら加速させるものである。
具体的にこの電源32は、−20kV以上−0.2kV以下の負のパルス電圧を発生させるパルス電源である。
具体的にこの制御部は、高周波電源22から高周波アンテナ21に印加する高周波電流を停止した後、所定時間経過後に、電源32から導電性部材31に負の電圧を印加するように高周波電源22及び電源32を制御する。
まず、高周波電源22から高周波アンテナ21に高周波電流が印加されると、導電性部材31の周囲に一次プラズマが発生する。ここでいうプラズマとは、正のイオンと電子とが同時に存在している状態を指す。
そこへ、電源32から導電性部材31に上述した負のパルス電圧を印加すると、一次プラズマ中の電子は、導電性部材31から追いやられ、導電性部材31の周囲には正のイオンが取り残される。このように、電子が導電性部材31から追いやられることで、一次プラズマは、導電性部材31から徐々に遠ざかるように変化し、この一次プラズマと正のイオンが取り残された領域との境界をシースという。(以下、一次シースともいう)
一次シースと導電性部材31との間に取り残された正のイオンは、導電性部材31に印加されている負のパルス電圧、つまり加速電圧によって導電性部材31に向かって加速しながら引き寄せられ、一部のイオンが導電性部材31に形成されたイオン通過孔311(本実施形態では、メッシュ電極に形成された網目)を通り抜けて高エネルギーな状態で被処理物Wの表面に照射される。
これにより、正のイオンは被処理物Wの表面から内部に深く侵入して被処理物Wと結合するので、被処理物Wの表面に形成された被膜を、例えばCVD(化学気相堆積:Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成した被膜に比べて、剥がれにくいものにすることができる。
ここで、被処理物Wに電源32から負のパルス電圧が印加されると、上述した一次シースの形成原理と同様に、二次プラズマ中の電子は被処理物Wに反発し、正のイオンは被処理物Wの周囲に取り残され、その結果、図2に示すように、被処理物Wの周囲には二次シースが形成される。二次プラズマのプラズマ密度が高いことから、二次シースと被処理物Wとの間は、一次シースと導電性部材31との間よりも幅が狭く、これにより、被処理物Wの形状が複雑であっても、その形状に沿って被処理物Wの周囲に二次シースが形成される。
具体的には、一方のプラズマ発生源20が処理チャンバ10における被処理物Wの表面側に設けられ、他方のプラズマ発生源20が処理チャンバ10における被処理物Wの裏面側に設けられている。
この構成により、処理チャンバ10内における被処理物Wの表面側及び裏面側に均一なプラズマを発生させることができる。
このような被処理物Wであっても、本願発明に係るプラズマ処理装置100によれば、導電性部材31が、被処理物Wを取り囲むように設けられているので、該被処理物Wの略全面に被膜を形成することができる。
この原理をより詳細に説明すると、本願発明に係るプラズマ処理装置100によれば、上述したように、高密度な二次プラズマが被処理物Wの周囲に発生する。ここで、被処理物Wに電源32から負のパルス電圧が印加されると、二次プラズマ中の電子は被処理物Wに反発し、正のイオンは被処理物Wの周囲に取り残され、その結果、図4に示すように、被処理物Wの周囲には二次シースが形成される。二次プラズマのプラズマ密度が高いことから、二次シースと被処理物Wとの間は、一次シースと導電性部材31との間よりも幅が狭く、これにより、被処理物Wの形状が複雑であっても、その形状に沿って被処理物Wの周囲に二次シースが形成されることになる。つまり、被処理物Wが複雑な形状をなすものであっても、被処理物Wの外面に形成された窪みや凹部に沿って二次シースが形成され、これにより窪みや凹部の内面に正のイオンを到達させることができ、その結果、被処理物Wの全面に被膜を形成することが可能になる。
また、前記実施形態の導電性部材はメッシュ電極であったが、例えば複数の孔が形成されたパンチングメタル等であっても構わない。
絶縁性を有する被処理物Wの表面に被膜を形成する場合、従来であれば、被処理物Wに導電性の電極を取り付けて、この電極に負の電圧を印加することにより、プラズマ中のイオンを被処理物Wに引き寄せるようにしていた。しかしながら、この方法では、被処理物Wの電極を取り付けた部分には被膜を形成することができなかった。
一方、図5に示すように、本願発明に係るプラズマ処理装置100によれば、被処理物Wの周囲に導電性部材31が設けられており、この導電性部材31に負の加速電圧を印加してプラズマ中のイオンを加速しながら引き寄せられ、一部のイオンが導電性部材31の孔を通り抜けて高エネルギーな状態で被処理物Wの表面に照射されるので、被処理物Wが絶縁性を有するものであっても、従来のように被処理物Wに導電性の電極を取り付ける必要がなく、被処理物Wの略全面に被膜を形成することが可能になる。
なお、被処理物Wが絶縁性を有するものである場合は、図5に示すように、接続配線33の一端は導電性部材31に接続されていれば良い。
W ・・・被処理物
10 ・・・処理チャンバ
20 ・・・プラズマ発生源
30 ・・・イオン加速手段
31 ・・・導電性部材
311・・・イオン通過孔
32 ・・・電源
Claims (6)
- 被処理物を収容する処理チャンバと、
前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生源と、
前記プラズマ発生源が発生させたプラズマ中のイオンを前記被処理物に向けて加速させ、前記被処理物が金属である場合に、該被処理物から電子を放出させるイオン加速手段とを具備し、
前記イオン加速手段が、
前記被処理物の周囲に設けられ、前記イオンが通り抜ける複数のイオン通過孔を有する導電性部材と、
前記導電性部材に前記イオンを加速させるための負の電圧を印加する電源とを備えており、
前記イオン加速手段が、前記導電性部材と前記被処理物との間で電子をトラップする電子トラップ機構としての機能を兼ね備えており、
前記導電性部材が、前記被処理物の周囲を全て囲うように設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 被処理物を収容する処理チャンバと、
前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生源と、
前記プラズマ発生源が発生させたプラズマ中のイオンを前記被処理物に向けて加速させ、前記被処理物が金属である場合に、該被処理物から電子を放出させるイオン加速手段とを具備し、
前記イオン加速手段が、
前記被処理物の周囲に設けられ、前記イオンが通り抜ける複数のイオン通過孔を有する導電性部材と、
前記導電性部材に前記イオンを加速させるための負の電圧を印加する電源とを備えており、
前記イオン加速手段が、前記導電性部材と前記被処理物との間で電子をトラップする電子トラップ機構としての機能を兼ね備えており、
接続配線の一端が前記被処理物に接続されるとともに、他端が前記電源に接続されて、前記電源からの前記負の電圧が、前記被処理物に印加されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記導電性部材が、メッシュ電極であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ発生源が、高周波電源から高周波電力が印加されて、前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるものであり、
前記電源が、前記高周波電源とは別であることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載のプラズマ処理装置。 - 前記負の電圧が、パルス電圧であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記負の電圧が、−20kV以上−0.2kV以下であることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
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