JP6544398B2 - 電気光学装置用基板、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、画素電極に対して平面視で重なる位置にレンズが形成された電気光学装置用
基板、電気光学装置、および電子機器に関するものである。
投射型表示装置のライトバルブ等として用いられる電気光学装置(液晶装置)では、画
素電極およびスイッチング素子が形成された素子基板と、共通電極が形成された対向基板
との間に液晶層が配置されている。かかる電気光学装置では、素子基板および対向基板の
うちの一方側から入射した光を液晶層で変調して画像を表示する。その際、素子基板では
、配線等によって囲まれた透光領域(画素開口領域)に到達した光のみが表示に寄与する
。そのため、素子基板の側から光が入射する電気光学装置において、素子基板の複数の画
素電極の各々に対して平面視で重なる位置に複数のレンズが形成された構成が提案されて
おり、かかる構成によれば、明るい画像を表示することができる(特許文献1参照)。ま
た、対向基板の側から光が入射する場合でも、素子基板の複数の画素電極の各々に対して
平面視で重なる位置に複数のレンズを形成すれば、素子基板から出射される光の傾きを低
減することができるので、品位の高い画像を表示することができる。
特許文献1においては、素子基板の基板本体とスイッチング素子との間にレンズを設け
るにあたって、基板本体に凹曲面を形成した後、凹曲面の内側に、シリコン酸窒化膜(S
iON)からなるレンズ層を充填した構成が採用されている。また、レンズ層に対して基
板本体とは反対側に基板本体と略同じ屈折率の光路長調整層を設けることが提案されてい
る。ここで、光路長調整層の材質については明示されていないが、基板本体が石英基板か
らなるため、光路長調整層としてはシリコン酸化膜(SiO)が用いられることになる
特開2015−34860号公報
素子基板の製造工程では、素子基板より大型のマザー基板の状態でレンズを形成した後
、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行われる。例えば、スイッチング素子を
形成する際、半導体層やゲート絶縁層を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度で
の熱処理が行われる。その結果、レンズ層を構成するシリコン酸窒化膜から窒素が脱離し
てシリコン酸窒化膜が収縮する結果、マザー基板に反りが発生するという問題点がある。
かかる反りは、例えば、それ以降の工程で搬送等に支障が発生するため、好ましくない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、基板本体に対してレンズおよびスイッチング
素子を順次形成する際の基板本体の反りを抑制することのできる電気光学装置用基板、電
気光学装置、および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置用基板の一態様は、第1基板と、前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられ、レンズ面がレンズ層で覆われたレンズと、前記レンズ層と前記半導体層との間に設けられ、前記レンズ層より高密度の透光性のバリアー層と、を有し、前記レンズと前記画素電極との間には、前記バリアー層を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする。
本発明では、スイッチング素子の形成工程において、1000℃付近やそれ以上の温度
での熱処理を行う際、レンズ層と半導体層との間にバリアー層が既に設けられている。こ
のため、熱処理を行っても、バリアー層によってレンズ層からの成分の脱離が抑制される
ので、レンズ層が収縮するという事態が発生しにくい。従って、第1基板での反りの発生
を抑制することができる。それ故、レンズ層からの成分の脱離によってレンズ層が収縮す
るという事態が発生しにくいので、第1基板での反りの発生を抑制することができる。
本発明において、前記レンズ層は、シリコン酸窒化膜であり、前記バリアー層は、前記
レンズ層からの窒素の脱離を抑制する態様を採用することができる。かかる態様によれば
、スイッチング素子の形成工程において、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が
行う際、レンズ層と半導体層との間にバリアー層が既に設けられているため、熱処理を行
っても、バリアー層によってレンズ層からの窒素の脱離が抑制されている。従って、窒素
の脱離によってレンズ層が収縮するという事態が発生しにくいので、第1基板での反りの
発生を抑制することができる。
本発明において、前記バリアー層は、シリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜、およびハ
フニウム酸化膜の何れかを含む態様を採用することができる。本発明において、前記バリ
アー層は、シリコン窒化膜である態様を採用することができる。かかる態様によれば、シ
リコン酸窒化膜を形成する際の原料ガスの一部を、バリアー層を形成する際の原料ガスと
共通化することができる。
本発明において、前記バリアー層は、少なくとも、前記レンズ層の前記第1基板とは反
対側の面に積層されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、レンズ層
からの窒素の脱離を効果的に抑制することができる。
本発明において、前記レンズ層と前記半導体層との間に設けられた遮光層を有し、前記
バリアー層は、少なくとも、前記遮光層と前記半導体層との間に設けられている態様を採
用することができる。
本発明において、前記バリアー層の厚さは、10nm以上である態様を採用することが
できる。
本発明において、前記レンズ層と前記画素電極との間には、前記バリアー層を含む誘電
体多層膜によって反射防止膜が形成されている態様を採用することができる。
本発明を適用した電気光学装置用基板を備えた電気光学装置は、前記電気光学装置用基
板に対向する第2基板、および前記第2基板の前記電気光学装置用基板の面に形成された
共通電極を備えた対向基板と、前記電気光学装置用基板と前記対向基板との間に配置され
た電気光学層と、を有している態様を採用することができる。
本発明に係る電気光学装置は、各種電子機器に用いられる。本発明では、電子機器のうち、投射型表示装置に電気光学装置を用いる場合、投射型表示装置には、電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、が設けられる。
また、第1基板と、前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられたレンズと、前記レンズと前記半導体層との間に設けられたシリコン窒化膜と、を有し、前記レンズと前記画素電極との間には、前記シリコン窒化膜を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする。
また、第1基板と、前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられたレンズと、前記レンズと前記半導体層との間に設けられたアルミニウム酸化膜と、を有し、前記レンズと前記画素電極との間には、前記アルミニウム酸化膜を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする。

本発明を適用した電気光学装置の平面図である。 図1に示す電気光学装置の断面図である。 図1に示す電気光学装置において隣り合う複数の画素の平面図である。 図1に示す電気光学装置のF−F′断面図である。 図1に示す電気光学装置のレンズの断面構成を模式的に示す説明図である。 図1に示す電気光学装置のレンズと遮光層との平面的な位置関係を示す説明図である。 図1に示す電気光学装置の素子基板の製造に用いるマザー基板の説明図である。 図1に示す電気光学装置の素子基板の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態2に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態3に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態4に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態5に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態6に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態7に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明の実施形態8に係る電気光学装置のバリアー層の説明図である。 本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置(電子機器)の概略構成図である。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図にお
いては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に
縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明において、素子基板に形成される層を説明す
る際、上層側あるいは表面側とは基板が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)
を意味し、下層側とは基板が位置する側を意味する。
[実施形態1]
(電気光学装置の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る電気光学装置100の平面図である。図2は、図1
に示す電気光学装置100の断面図である。図1および図2に示すように、電気光学装置
100では、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によっ
て貼り合わされており、素子基板10と対向基板20とが対向している。シール材107
は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、素子基板10と対向基板20
との間でシール材107によって囲まれた領域に液晶層等の電気光学層80が配置されて
いる。従って、電気光学装置100は液晶装置として構成されている。シール材107は
、光硬化性を備えた接着剤、あるいは光硬化性および熱硬化性を備えた接着剤であり、両
基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャッ
プ材が配合されている。素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、電気
光学装置100の略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられている。か
かる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と
表示領域10aの外周縁との間には、矩形枠状の周辺領域10bが設けられている。
素子基板10は、基板本体として、石英基板やガラス基板等の透光性の第1基板19を
有している。第1基板19の対向基板20側の一方面19s側において、表示領域10a
の外側には、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子10
2が形成され、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されてい
る。端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板1
0には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
また、第1基板19の一方面19sにおいて、表示領域10aには、ITO(Indi
um Tin Oxide)膜等からなる透光性の複数の画素電極9a、および複数の画
素電極9aの各々に電気的に接続するスイッチング素子(図2には図示せず)がマトリク
ス状に形成されている。画素電極9aに対して対向基板20側には第1配向膜16が形成
されており、画素電極9aは、第1配向膜16によって覆われている。
対向基板20は、基板本体として、石英基板やガラス基板等の透光性の第2基板29を
有している。第2基板29おいて素子基板10と対向する一方面29s側には、ITO膜
等からなる透光性の共通電極21が形成されており、共通電極21に対して素子基板10
側には第2配向膜26が形成されている。共通電極21は、第2基板29の略全面に形成
されており、第2配向膜26によって覆われている。第2基板29の一方面29s側には
、共通電極21に対して素子基板10とは反対側に、樹脂、金属または金属化合物からな
る遮光性の遮光層27が形成されている。遮光層27は、例えば、表示領域10aの外周
縁に沿って延在する額縁状の見切り27aとして形成されている。遮光層27は、隣り合
う画素電極9aにより挟まれた領域と平面視で重なる領域に遮光層27bとしても形成さ
れている。本形態において、素子基板10の周辺領域10bのうち、見切り27aと平面
視で重なるダミー画素領域10cには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9
bが形成されている。
第1配向膜16および第2配向膜26は、SiO(x<2)、SiO、TiO
MgO、Al等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、電気光学
層80に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子を傾斜配向させている。このため、液
晶分子は、素子基板10および対向基板20に対して所定の角度を成している。このよう
にして、電気光学装置100は、VA(Vertical Alignment)モード
の液晶装置として構成されている。
素子基板10には、シール材107より外側において対向基板20の角部分と重なる領
域に、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極1
09が形成されている。基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材1
09aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび
基板間導通用電極109を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため
、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位が印加されている。
本形態の電気光学装置100において、画素電極9aおよび共通電極21がITO膜等
の透光性導電膜により形成されており、電気光学装置100は、透過型液晶装置として構
成されている。かかる電気光学装置100では、素子基板10および対向基板20のうち
、一方側の基板から電気光学層80に入射した光が他方側の基板を透過して出射される間
に変調されて画像を表示する。本形態では、矢印Lで示すように、対向基板20から入射
した光が素子基板10を透過して出射される間に電気光学層80によって画素毎に変調さ
れ、画像を表示する。
(画素の具体的構成)
図3は、図1に示す電気光学装置100において隣り合う複数の画素の平面図である。
図4は、図1に示す電気光学装置100のF−F′断面図である。なお、図3では、各層
を以下の線で表してある。また、図3では、互いの端部が平面視で重なり合う層について
は、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
下層側遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5a=太い一点鎖線
上層側遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
図3に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する面には、複数の画素
の各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領
域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。画素間領域は縦横に延在し
ており、走査線3aは画素間領域のうち、X方向に延在する第1画素間領域に沿って直線
的に延在し、データ線6aは、Y方向に延在する第2画素間領域に沿って直線的に延在し
ている。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応してスイッチング素子30が形
成されており、本形態において、スイッチング素子30は、データ線6aと走査線3aと
の交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5aが形
成されており、かかる容量線5aには共通電位Vcomが印加されている。容量線5aは
、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。スイ
ッチング素子30の上層側には上層側遮光層7aが形成されており、かかる上層側遮光層
7aは、データ線6aおよび走査線3aに重なるように延在している。スイッチング素子
30の下層側には下層側遮光層8aが形成されており、かかる下層側遮光層8aは、走査
線3aおよびデータ線6aと重なるように延在している。
素子基板10において、第1基板19の一方面19s側には透光性の透光層11が形成
され、透光層11の上層には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜ある
いは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側遮光層8aが形成されている。下層側遮光層
8aは、タングステンシリサイド(WSi)、タングステン、窒化チタン等の遮光膜から
なり、光が半導体層1aに入射してスイッチング素子30で光電流に起因する誤動作が発
生することを防止する。下層側遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合
、後述するゲート電極3bと下層側遮光層8aを導通させた構成とする。
第1基板19において、下層側遮光層8aの上層側には透光性の絶縁膜12が形成され
、絶縁膜12の上層側に、半導体層1aを備えたスイッチング素子30が形成されている
。スイッチング素子30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと
、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分
に重なるゲート電極3bとを備えており、本形態において、ゲート電極3bは走査線3a
の一部からなる。スイッチング素子30は、半導体層1aとゲート電極3bとの間に透光
性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3bに対してゲート絶縁
層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側
にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、スイッチング
素子30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1c
は各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域
1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲ
ート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2
aと、減圧CVD法等により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bと
の2層構造からなる。ゲート電極3bおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金
属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。
ゲート電極3bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成
され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。ドレイン電極4
aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導
電膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1cと一部が重なるよ
うに形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール
41aを介してドレイン領域1cに導通している。
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性のエッチングストッ
パー層49、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層
側には容量線5aが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン
窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜
、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸
化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5aは、導電性のポリシリコ
ン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。容量線5a
は、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、保持容量55を構成してい
る。
容量線5aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜42が形成さ
れており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の
導電膜により形成されている。データ線6aおよび中継電極6bは、導電性のポリシリコ
ン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。データ線6
aは、層間絶縁膜42、エッチングストッパー層49、層間絶縁膜41およびゲート絶縁
層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1bに導通している。中継電
極6bは、層間絶縁膜42およびエッチングストッパー層49を貫通するコンタクトホー
ル42bを介してドレイン電極4aに導通している。
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間
絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、上層側遮光層7aお
よび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44の表面は平坦
化されている。上層側遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属
シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。中継電極7bは、層間
絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。上
層側遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在している。なお、上層側遮光層7a
を容量線5aと導通させて、シールド層として利用してもよい。
上層側遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性
の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側にはITO膜等から
なる画素電極9aが形成されている。層間絶縁膜45には、中継電極7bまで到達したコ
ンタクトホール45aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール45aを介
して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、
中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している
。層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。画素電極9aの表面側には、ポリイミドや
無機配向膜からなる透光性の第1配向膜16が形成されている。
(対向基板20側のレンズ24の構成)
図5は、図1に示す電気光学装置100のレンズ14、24の断面構成を模式的に示す
説明図である。図6は、図1に示す電気光学装置100におけるレンズ14、24と遮光
層27bとの平面的な位置関係を示す説明図である。
図5に示すように、素子基板10は、第1基板19の一方面19s側に、データ線6a
等からなる遮光層17やスイッチング素子30が形成されており、遮光層17やスイッチ
ング素子30は光を透過しない。このため、素子基板10では、画素電極9aと平面視で
重なる領域のうち、遮光層17やスイッチング素子30と平面視で重なる領域や、隣り合
う画素電極9aに挟まれた領域と平面視で重なる領域は、光を透過しない遮光領域15b
になっている。これに対して、画素電極9aと平面視で重なる領域のうち、遮光層17や
スイッチング素子30と平面視で重ならない領域は光を透過する開口領域15a(透光領
域)になっている。従って、開口領域15aを透過した光のみが画像の表示に寄与し、遮
光領域15bに向かう光は、画像の表示に寄与しない。
そこで、本形態では、対向基板20には、複数の画素電極9aの各々に対して平面視で
1対1の関係をもって重なる複数のレンズ24が形成されており、レンズ24は、遮光層
17やスイッチング素子30に向かおうとする光を開口領域15aに導く。また、レンズ
24は、電気光学層80に入射する光を平行光化している。それ故、電気光学層80に入
射する光の光軸の傾きが小さいので、電気光学層80での位相ずれを低減でき、透過率や
コントラストの低下を抑制することができる。特に本形態では、電気光学装置100をV
Aモードの液晶装置として構成したため、電気光学層80に入射する光の光軸の傾斜によ
って、コントラストの低下等が発生しやすいが、本形態によれば、コントラストの低下等
が発生しにくい。
レンズ24は、図6に示すように、隣り合うレンズ24の少なくとも一部が接するよう
に配列されている。本形態において、レンズ24は、全周にわたって、隣りのレンズ24
と接しており、4つのレンズ24によって囲まれた領域に平面視で重なる領域に、図2に
示す遮光層27bが形成されている。このため、図2では、図6のG−G′線での断面で
あるとして遮光層27bが図示されているが、図5では、図6のH−H′線での断面であ
るとして遮光層27bが図示されていない。
かかる対向基板20を構成するにあたって、第2基板29の一方面29sには、複数の
画素電極9aの各々と平面視で一対一の関係をもって重なる凹曲面からなるレンズ面29
1が複数形成されている。また、第2基板29の一方面29sには、透光性のレンズ層2
40および透光性の保護層28が順に積層され、保護層28に対して第2基板29とは反
対側に共通電極21が形成されている。第2基板29とレンズ層240とは屈折率が相違
しており、レンズ面291およびレンズ層240は、レンズ24を構成している。本形態
において、レンズ層240の屈折率は、第2基板29の屈折率より大である。例えば、第
2基板29は石英基板(シリコン酸化物、SiO)からなり、屈折率が1.48である
のに対して、レンズ層240は、シリコン酸窒化膜(SiON)からなり、屈折率が1.
58〜1.68である。それ故、レンズ24は、光源からの光を収束させる正のパワー(
正の屈折力)を有している。
(素子基板10側のレンズ14の構成)
図5に示すように、本形態では、素子基板10にも、対向基板20と同様、複数の画素
電極9aの各々に対して平面視で1対1の関係をもって重なる複数のレンズ14が形成さ
れており、レンズ14は、素子基板10から出射される光を平行光化している。それ故、
本形態によれば、後述する投射型表示装置において投射光学系での光のケラレ等が発生し
にくいので、明るい表示を行うことができる。
レンズ14は、図6に示すように、レンズ24と同様、隣り合うレンズ14の少なくと
も一部が接するように配列されている。本形態において、レンズ14は、全周にわたって
、隣りのレンズ14と接している。
かかる素子基板10を構成するにあたって、第1基板19の一方面19sには、複数の
画素電極9aの各々と平面視で一対一の関係をもって重なる凹曲面からなるレンズ面19
1が複数形成されている。また、第1基板19の一方面19sには、透光性のレンズ層1
40がレンズ面191を覆うように積層されており、レンズ層140に対して第1基板1
9とは反対側に、透光層11、下層側遮光層8aおよび絶縁膜12等が順に形成されてい
る。透光層11および絶縁膜12は、光路長を調整する光路長調整層を構成している。第
1基板19とレンズ層140とは屈折率が相違しており、レンズ面191およびレンズ層
140は、レンズ14を構成している。本形態において、レンズ層140の屈折率は、第
1基板19の屈折率より大である。例えば、第1基板19は石英基板(シリコン酸化物、
SiO)からなり、屈折率が1.48であるのに対して、レンズ層140は、シリコン
酸窒化膜(SiON)からなり、屈折率が1.58〜1.68である。それ故、レンズ1
4は、光を収束させる正のパワー(正の屈折力)を有している。
ここで、第1基板19の一方面19sには、複数のレンズ面191が配置されたレンズ
形成領域10eの全体を凹ませた凹部195が形成され、凹部195の底部195aに複
数のレンズ面191が設けられている。このため、レンズ層140は、凹部195の内側
を埋めるように設けられている。また、レンズ層140の第1基板19とは反対側の面1
41は、第1基板19の一方面19sにおいて凹部195より外側に位置する外側領域1
0dと連続した平面を構成している。このため、第1基板19の外側領域10dは、レン
ズ層140が形成されておらず、レンズ層140から露出している。本形態において、レ
ンズ14は、表示領域10aにおいて画素電極9aと重なる位置、およびダミー画素領域
10cにおいてダミー画素電極9bと重なる領域に形成されている。このため、レンズ形
成領域10eは、表示領域10aおよびダミー画素領域10cを含み、凹部195は、表
示領域10aおよびダミー画素領域10cを含む領域に形成されている。
本形態において、凹部195の側面195bと底部195aとの間は、凹状の曲面19
5cになっており、凹部195の側面195bと底部195aとは連続した面で繋がって
いる。
(電気光学装置100の製造方法)
図7は、図1に示す電気光学装置100の素子基板10の製造に用いるマザー基板19
0の説明図である。図8は、図1に示す電気光学装置100の素子基板10の製造方法を
示す工程断面図である。
図7に示すように、本形態の素子基板10を製造するには、第1基板19より大型の石
英基板からなるマザー基板190を用いる。マザー基板190は、素子基板10(第1基
板19)として切り出される複数の領域190aを備えており、領域190aに、図2等
を参照して説明したレンズ14、スイッチング素子30、画素電極9a等を形成した後、
マザー基板190を領域190aに沿って切断し、単品サイズの素子基板10を得る。従
って、マザー基板190では、複数の素子基板10が切り出される領域(一点鎖線Lyで
囲んだ領域)が有効領域190yであり、それ以外の領域は、切断工程で除去される除材
領域190zである。
このようなマザー基板190を用いて素子基板10を製造するにあたって、本形態では
、以下の工程等を行う。
凹部形成工程ST1
レンズ面形成工程ST2
レンズ層形成工程ST3
平坦化工程ST4
画素形成工程
まず、図8に示す凹部形成工程ST1において、マザー基板190(第1基板19)の
一方面190s(一方面19s)に凹部195を形成する。より具体的には、マスク形成
工程ST1aにおいて、マザー基板190の一方面190sにエッチングマスク61を形
成する。本形態では、画素電極9aおよびダミー画素領域10cがレンズ形成領域10e
であり、エッチングマスク61では、レンズ形成領域10eを含む領域が開口部610に
なっている。次に、エッチング工程ST1bでは、エッチングマスク61の開口部610
からマザー基板190の一方面190sをエッチングし、凹部195を形成する。その後
、エッチングマスク61を除去する。その結果、図7に斜線を付した領域で示すように、
複数の素子基板10が切り出される領域190aの各々に凹部195が独立して形成され
る。かかるエッチング工程ST1bでは、ウエットエッチングおよびドライエッチングの
いずれを利用してもよい。本形態では、エッチング工程ST1bにおいて、ふっ酸を含む
エッチング液を用いてウエットエッチングを行う。このため、凹部195の側面195b
と底部195aとの間は、凹状の曲面195cになり、凹部195の側面195bと底部
195aとは連続した面で繋がっている。
次に、レンズ面形成工程ST2では、凹部195の底部195aに凹曲面からなる複数
のレンズ面191を形成する。具体的には、マスク形成工程ST2aにおいて、マザー基
板190の一方面190sに、レンズ面191の中央に平面視で重なる領域が開口部62
0になっているエッチングマスク62を形成する。次に、エッチング工程ST2bにおい
て、開口部620から凹部195の底部195aに等方性エッチングを行う。その結果、
マザー基板190の一方面190sには、開口部620を中心とする凹曲面からなるレン
ズ面191が形成される。その後、エッチングマスク62を除去する。かかるエッチング
工程ST2bでは、ウエットエッチングおよびドライエッチングのいずれを利用してもよ
い。本形態では、エッチング工程ST2bにおいて、ふっ酸を含むエッチング液を用いて
ウエットエッチングを行う。
次に、レンズ層形成工程ST3では、マザー基板190の一方面190sに凹部195
の内部を埋めるように透光性のレンズ層140を形成する。本形態において、レンズ層1
40は、プラズマCVD等により形成されたシリコン酸窒化膜(SiON)からなる。
次に、平坦化工程ST4では、レンズ層140をマザー基板190とは反対側から平坦
化し、レンズ層140のマザー基板190とは反対側の面141を、マザー基板190の
一方面190sにおいて凹部195の外側に位置する外側領域10dと連続した平面とす
る。その結果、凹部195以外の領域からはレンズ層140が除去される。それ故、図7
に斜線を付した領域で示すように、複数の素子基板10が切り出される領域の各々には、
凹部195内にレンズ層140が独立して形成される。本形態では、平坦化処理として、
CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等を利用
する。その際、凹部195の外側領域10dに形成されたレンズ層140を薄くした後、
凹部195と重なる領域(レンズ形成領域10e)および外側領域10dに残るレンズ層
140の表面を平坦化し、外側領域10dからレンズ層140を除去してもよい。
しかる後には、図4に示すように、第1基板19の一方面19s側に透光層11等を形
成した後、画素形成工程において、複数のスイッチング素子30や画素電極9a等を形成
する。しかる後には、マザー基板190と対向基板20とを貼り合わせた後、マザー基板
190と対向基板20との間に電気光学層80を注入し、その後、マザー基板190を切
断する。
(バリアー層18の構成)
このように本形態の素子基板10(電気光学装置用基板)では、図4および図5に示す
ように、第1基板19と画素電極9aとの間に半導体層1aを備えたスイッチング素子3
0が形成され、第1基板19と半導体層1aとの間には、画素電極9aと平面視で重なる
ようにレンズ14が設けられている。本形態では、レンズ層140と半導体層1aとの間
に、レンズ層140より高密度の透光性のバリアー層18が設けられており、バリアー層
18は、レンズ層140が加熱された際、レンズ層140からの成分の脱離を抑制する。
本形態では、レンズ層140がシリコン酸窒化膜であるから、バリアー層18は、レンズ
層140が加熱された際、レンズ層140からの窒素の脱離を抑制する。バリアー層18
としては、シリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜、およびハフニウム酸化膜の何れかを含
む層を例示することができる。本形態では、レンズ層140の第1基板19とは反対側の
面に積層された透光層11がバリアー層18として構成されている。本形態において、透
光層11(バリアー層18)は、シリコン窒化膜であり、バリアー層18の厚さは、10
nm以上である。なお、絶縁膜12はシリコン酸化膜からなる。
バリアー層18は、第1基板19の全面に形成してもよいが、少なくとも図1に一点鎖
線L1で示す表示領域10aに形成すればよい。本形態では、見切り27aと平面視で重
なるダミー画素領域10cにも、レンズ14が形成されていることから、少なくとも、図
1に一点鎖線L2で示す領域(表示領域10aおよびダミー画素領域10c)にバリアー
層18を形成することが好ましい。但し、本形態では、表示領域10aやダミー画素領域
10cの外側にもレンズ層140が形成されていることから、レンズ層140の全体に重
なるようにバリアー層18を形成すれば、レンズ層140からの窒素の脱離を効果的に抑
制することができる。本形態では、第1基板19の一方面19sの全体にバリアー層18
が形成されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の素子基板10および電気光学装置100では、スイッチ
ング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a(熱酸化膜)
を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理を行った場合でも、第1基板
19の側には、レンズ層140と半導体層1aとの間にバリアー層18が既に設けられて
いる。このため、熱処理を行っても、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素
(レンズ層140の成分)の脱離が抑制される。従って、窒素の脱離によってレンズ層1
40が収縮するという事態が発生しにくいので、第1基板19(マザー基板190)での
反りの発生を抑制することができる。それ故、熱処理以降の工程において、マザー基板1
90の搬送等に支障が発生するという事態が発生しにくい。
特に本形態では、レンズ層140の第1基板19とは反対側の面に積層された透光層1
1がシリコン窒化膜からなるバリアー層18として構成されている。従って、レンズ層1
40からの窒素の脱離を効率よく抑制することができる。また、レンズ層140の第1基
板19とは反対側の面に積層された透光層11がシリコン窒化膜からなるバリアー層18
として構成されているため、レンズ層140の表面を平坦化した後、加熱と平坦化処理と
を再度行って、以降の工程で熱処理が行われた際のレンズ層140の変形を抑制する場合
でも、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離を抑制することができる
。さらに、バリアー層18がシリコン窒化膜であるため、シリコン酸窒化膜を形成する際
の原料ガスの一部を、バリアー層を形成する際の原料ガスと共通化することができる。
また、本形態では、第1基板19の一方面19sに凹部195が形成され、かかる凹部
195の底部に複数のレンズ面191が設けられている。また、レンズ層140は、凹部
195の内側を埋めるように設けられている。ここで、レンズ層140の第1基板19と
は反対側の面141は、第1基板19の一方面19sにおいて凹部195より外側に位置
する外側領域10dと連続した平面を構成しており、外側領域10dには、レンズ層14
0が形成されていない。このため、図7に示すマザー基板190において、レンズ層14
0が形成されている領域が限定されている。従って、レンズ層140では膜厚の差が大き
くても、レンズ層140が複数個所で分離して形成されているので、スイッチング素子3
0等を形成する工程において熱処理を行っても、レンズ層140に大きな応力が発生しに
くい。従って、レンズ層140にクラックが発生するという問題や、クラックが原因でレ
ンズ層140が第1基板19から剥離する等の問題の発生を抑制することができる。
また、ウエットエッチングにより凹部195を形成したため、凹部195の側面195
bと底部195aとの間は、凹状の曲面195cになっている。このため、スイッチング
素子30等を形成する工程において熱処理を行っても、レンズ層140に大きな応力が発
生しにくい。従って、レンズ層140にクラックが発生するという問題や、クラックが原
因でレンズ層140が第1基板19から剥離する等の問題の発生を抑制することができる
また、複数のレンズ面191のうち、隣り合うレンズ面191は、少なくとも一部が繋
がっている。特に本形態では、複数のレンズ面191は各々、周りに位置するレンズ面1
91と全周にわたって繋がっている。このため、レンズ面191に入射する光量を増大さ
せることができる。ここで、隣り合うレンズ面191が繋がっている場合には、レンズ層
140が第1基板19の広い範囲に形成された構成となるが、本形態では、凹部195の
内部のみにレンズ層140が設けられている。このため、スイッチング素子30等を形成
する工程において熱処理を行っても、レンズ層140に応力が発生しにくい。
[実施形態2]
図9は、本発明の実施形態2に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図であ
る。なお、本形態および後述する実施形態の基本的な構成は、実施形態1と同様であるた
め、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。実施形態1では、透
光層11がバリアー層18の単層であったが、本形態では、レンズ層140と下層側遮光
層8aとの間にバリアー層18を含む多層膜が形成されている。より具体的には、本形態
では、図9に示すように、レンズ層140と下層側遮光層8aとの間に形成された透光層
11が、第1層111と、第1層111に対して第1基板19とは反対側に積層された第
2層112との積層膜である。第2層112は、シリコン酸化膜によって構成されている
。第1層111は、シリコン窒化膜からなるバリアー層18として構成されており、バリ
アー層18の厚さは、10nm以上である。かかる構成でも、スイッチング素子30の半
導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a(熱酸化膜)を形成する際、1
000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った場合でも、バリアー層18によってレ
ンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実施形態1と同様な効果を奏する。
[実施形態3]
図10は、本発明の実施形態3に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。本形態では、図10に示すように、レンズ層140と下層側遮光層8aとの間に形
成された透光層11が、第1層111と、第1層111に対して第1基板19とは反対側
に積層された第2層112との積層膜である。第1層111は、シリコン酸化膜によって
構成されている。第2層112は、シリコン窒化膜からなるバリアー層18として構成さ
れており、バリアー層18の厚さは、10nm以上である。かかる構成でも、スイッチン
グ素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a(熱酸化膜)を
形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った場合でも、バリアー層
18によってレンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実施形態1と同様な効果
を奏する。
[実施形態4]
図11は、本発明の実施形態4に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。図11に示すように、本形態では、レンズ層140と下層側遮光層8aとの間に形
成された透光層11が、第1層111と、第1層111に対して第1基板19とは反対側
に積層された第2層112と、第2層112に対して第1基板19とは反対側に積層され
た第3層113との積層膜である。第1層111、および第3層113は、シリコン酸化
膜によって構成されている。第2層112は、シリコン窒化膜からなるバリアー層18と
して構成されており、バリアー層18の厚さは、10nm以上である。かかる構成でも、
スイッチング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a(熱
酸化膜)を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った場合でも、
バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実施形態1と
同様な効果を奏する。
[実施形態5]
図12は、本発明の実施形態5に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。実施形態1では、レンズ層140と下層側遮光層8aとの間にバリアー層18が設
けられていた。これに対して、本形態では、図12に示すように、下層側遮光層8aと半
導体層1aとの間にバリアー層18が設けられており、透光層11はシリコン酸化膜であ
る。より具体的には、下層側遮光層8aと半導体層1aとの間に形成された絶縁膜12は
、シリコン窒化膜からなるバリアー層18であり、バリアー層18の厚さは、10nm以
上である。かかる構成でも、スイッチング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や
、第1ゲート絶縁層2a(熱酸化膜)を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度で
の熱処理が行った場合でも、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離が
抑制される等、実施形態1と同様な効果を奏する。
[実施形態6]
図13は、本発明の実施形態6に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。図13に示すように、本形態では、下層側遮光層8aと半導体層1aとの間に形成
された絶縁膜12が、第1層121と、第1層121に対して第1基板19とは反対側に
積層された第2層122との積層膜である。第1層121および透光層11は、シリコン
酸化膜によって構成されている。第2層122は、シリコン窒化膜からなるバリアー層1
8として構成されており、バリアー層18の厚さは、10nm以上である。かかる構成で
も、スイッチング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a
(熱酸化膜)を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った場合で
も、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実施形態
1と同様な効果を奏する。
[実施形態7]
図14は、本発明の実施形態7に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。図14に示すように、本形態では、下層側遮光層8aと半導体層1aとの間に形成
された絶縁膜12が、第1層121と、第1層121に対して第1基板19とは反対側に
積層された第2層122との積層膜である。第2層122および透光層11は、シリコン
酸化膜によって構成されている。第1層121は、シリコン窒化膜からなるバリアー層1
8として構成されており、バリアー層18の厚さは、10nm以上である。かかる構成で
も、スイッチング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁層2a
(熱酸化膜)を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った場合で
も、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実施形態
1と同様な効果を奏する。
[実施形態8]
図15は、本発明の実施形態8に係る電気光学装置100のバリアー層18の説明図で
ある。図15に示すように、本形態では、下層側遮光層8aと半導体層1aとの間に形成
された絶縁膜12が、第1層121と、第1層121に対して第1基板19とは反対側に
積層された第2層122と、第2層122に対して第1基板19とは反対側に積層された
第3層123との積層膜である。第1層121、第3層123、および透光層11は、シ
リコン酸化膜によって構成されている。第2層122は、シリコン窒化膜からなるバリア
ー層18として構成されており、バリアー層18の厚さは、10nm以上である。かかる
構成でも、スイッチング素子30の半導体層1a(ポリシリコン膜)や、第1ゲート絶縁
層2a(熱酸化膜)を形成する際、1000℃付近やそれ以上の温度での熱処理が行った
場合でも、バリアー層18によってレンズ層140からの窒素の脱離が抑制される等、実
施形態1と同様な効果を奏する。
[他の実施形態]
上記実施形態では、対向基板20にレンズ24が形成され、素子基板10にレンズ14
が形成されていたが、素子基板10のみレンズ14が形成されている場合に本発明を適用
してもよい。
上記実施形態では、素子基板10に1層のレンズ14が形成されていたが、素子基板1
0において、レンズ14と画素電極9aとの間に、レンズ14および画素電極9aと平面
視で重なるレンズが形成されている場合に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、対向基板20側から光が入射することを前提にして説明したが、本
実施形態に係る電気光学装置100は、素子基板10側から光を入射させて使用すること
も可能である。
上記実施形態では、レンズ14が正のパワーを有していたが、レンズ14において、レ
ンズ層140としてシリコン酸窒化膜が用いられていれば、レンズ14が負のパワーを有
している場合に本発明を適用してもよい。この場合、レンズ面191を凸曲面とする。ま
た、上記実施形態では、レンズ面191の全体が曲面であったが、底部が平面になってい
る場合に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、バリアー層18が1層のみであったが、上記実施形態を組み合わせ
ることにより、バリアー層18を複数層、設けてもよい。また、レンズ層140と画素電
極9aとの間にシリコン窒化膜からなるバリアー層18が形成されていることを利用して
、バリアー層18を含む誘電体多層膜によって反射防止膜を形成してもよい。
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る電気光学装置100を用いた電子機器について説明する。図1
6は、本発明を適用した電気光学装置100を用いた投射型表示装置(電子機器)の概略
構成図である。図16に示す投射型表示装置2100は、電気光学装置100を用いた電
子機器の一例である。投射型表示装置2100において、電気光学装置100がライトバ
ルブとして用いられ、装置を大きくすることなく高精細で明るい表示が可能である。この
図に示されるように、投射型表示装置2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源
を有するランプユニット2102(光源部)が設けられている。ランプユニット2102
から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロ
イックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離され
る。分離された投射光は、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび10
0Bにそれぞれ導かれ、変調される。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると光
路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123およ
び出射レンズ2124を有するリレーレンズ系2121を介して導かれる。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイク
ロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム21
12において、R色およびB色の光は90度に反射し、G色の光は透過する。したがって
、各原色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ群2114(投射
光学系)によってカラー画像が投射される。
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を
用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成
してもよい。
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示
装置2100に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や
直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタル
スチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
1a…半導体層、1g…チャネル領域、2…ゲート絶縁層、3a…走査線、3b…ゲート
電極、4a…ドレイン電極、5a…容量線、6a…データ線、6b、7b…中継電極、7
a…上層側遮光層、8a…下層側遮光層(遮光層)、9a…画素電極、10…素子基板(
電気光学装置用基板)、10a…表示領域、10b…周辺領域、10c…ダミー画素領域
、10d…外側領域、10e…レンズ形成領域、11…透光層、12…絶縁膜、14、2
4…レンズ、15a…開口領域、15b…遮光領域、18…バリアー層、19…第1基板
(基板本体)、20…対向基板、21…共通電極、29…第2基板、30…スイッチング
素子、80…電気光学層、100…電気光学装置、100B、100G、100R…ライ
トバルブ、111、121…第1層、112、122…第2層、113、123…第3層
、140、240…レンズ層、190…マザー基板、191、291…レンズ面、210
0…投射型表示装置、2102…ランプユニット(光源部)、2114…投射レンズ群(
投射光学系)。

Claims (11)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、
    前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、
    前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられたレンズと、
    前記レンズと前記半導体層との間に設けられたバリアー層と、を有し、
    前記レンズと前記画素電極との間には、前記バリアー層を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする電気光学装置用基板。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置用基板において、
    前記レンズはレンズ層を有し、
    前記レンズ層は、シリコン酸窒化膜であることを特徴とする電気光学装置用基板。
  3. 請求項1または2に記載の電気光学装置用基板において、
    前記バリアー層は、シリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜、およびハフニウム酸化膜の何れかを含むことを特徴とする電気光学装置用基板。
  4. 請求項3に記載の電気光学装置用基板において、
    前記バリアー層は、シリコン窒化膜であることを特徴とする電気光学装置用基板。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の電気光学装置用基板において、
    前記バリアー層は、前記レンズの前記第1基板とは反対側の面に設けられていることを特徴とする電気光学装置用基板。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の電気光学装置用基板において、
    前記バリアー層と前記半導体層との間の層に設けられた遮光層を有することを特徴とする電気光学装置用基板。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の電気光学装置用基板において、
    前記バリアー層の厚さは、10nm以上であることを特徴とする電気光学装置用基板。
  8. 請求項1からまでの何れか一項に記載の電気光学装置用基板を備えた電気光学装置であって、
    前記電気光学装置用基板に対向する第2基板、および前記第2基板の前記電気光学装置用基板の面に形成された共通電極を備えた対向基板と、
    前記電気光学装置用基板と前記対向基板との間に配置された電気光学層と、
    を有していることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  10. 第1基板と、
    前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、
    前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、
    前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられたレンズと、
    前記レンズと前記半導体層との間に設けられたシリコン窒化膜と、を有し、
    前記レンズと前記画素電極との間には、前記シリコン窒化膜を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする電気光学装置用基板。
  11. 第1基板と、
    前記第1基板の一方面側に設けられた画素電極と、
    前記第1基板と前記画素電極との間に半導体層を備えたスイッチング素子と、
    前記第1基板と前記半導体層との間に前記画素電極と平面視で重なるように設けられたレンズと、
    前記レンズと前記半導体層との間に設けられたアルミニウム酸化膜と、を有し、
    前記レンズと前記画素電極との間には、前記アルミニウム酸化膜を含む誘電体多層膜によって反射防止膜が形成されていることを特徴とする電気光学装置用基板。
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