JP6544231B2 - 溶接方法及び缶体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接方法及び缶体の製造方法に関する。
貯湯式給湯機は、沸き上げた湯を貯えておくために大容量の金属製貯湯タンクを備える。貯湯タンクの缶体は、一般的には、胴体と呼ばれる筒状の部品の上下に鏡板と呼ばれる椀状の部品が全周にわたり溶接された構造を有する。缶体の周溶接部については、これまでも様々な形状の継手及び溶接方法の検討がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献1から特許文献3の方法では、周溶接部に隙間が残る。当該隙間があると、応力集中が発生したり、貯める液体によっては隙間腐食を発生する箇所となる。このため、缶体の長寿命化のためには、隙間を持たない溶接部を形成できる方法が望ましい。
一般に、薄板の突合せ溶接では、良好な突合せ継手を得るには、継手間の隙間、すなわちギャップを抑制するとともに、目違い、すなわち2枚の板の板厚方向の変位を厳密に管理する必要がある。その目的で、特許文献4の方法では、溶接部近傍を両面から治具等で拘束している。また、特許文献5、特許文献6の方法では、継手の形状を工夫している。
特開2007−009290号公報 特開2003−33872号公報 特開昭59−76679号公報 特開2002−263835号公報 特許第2593233号公報 特許第5417349号公報
特許文献1に示された温水容器は、胴と2つの鏡を備え、両鏡の端部が胴の内部に挿入され外側から溶接される構造を採用している。その結果、全周にわたり溶接隙間が形成されている。この溶接隙間に塩素イオンを含んだ水が入ると局部電池作用が原因となって隙間腐食が発生し、寿命が短くなるという問題がある。また、隙間先端部には応力が集中しやすく、缶体の内圧変動による疲労破壊が生じやすいという問題もある。
特許文献2、特許文献3には、一般に行われている背切り重ね継手が示されている。この継手では、構造上、溶接後に一部の隙間が残ってしまうため、特許文献1の構成と同様に、隙間先端部の応力集中により疲労破壊しやすいなどの問題がある。
特許文献4には、隙間部を持たない突合せ継手による突合せ溶接を実施している缶体が示されている。この缶体では、筒状の胴体と鏡板とが全周にわたり内側から突合せ溶接されている。しかしながら、特許文献4の技術では、以下のような問題がある。溶接作業時において、突合せ溶接部分に、上述した目違い及びギャップを極力少なくする必要がある。そのためには、筒状の胴体と鏡板との突合せ端面の位置関係を一定に保持する必要があるので、缶体の内側と外側との両面から拘束治具などで支持することが不可欠になる。当該拘束治具を入れるために、缶体の頂部に、缶体としての機能上では不必要な大きな開口を設ける必要がある。また、内側からの溶接であるため、トーチの保持、回動等に大掛かりな専用工具を必要とする。これらのことから、作業性が悪くかつ、製造コスト高になる。
特許文献5には、周縁部にテーパ部を有する蓋板に、胴体の端部を挿入して、テーパ部が溶融するように溶接する技術が示されている。しかしながら、特許文献5の技術では、以下のような問題がある。胴体と蓋体との相対位置を保持する力を、テーパ部の傾斜面と、胴体の端面の角部との狭い接触部の摩擦力に頼っている。蓋体は、胴体側へ向けて加圧される(第3頁、第6欄、第3行−第7行)。上記の狭い接触部の摩擦力は小さいため、蓋体を胴体側へ向けて加圧する加圧力を大きくできない。このため、蓋体と胴体とが十分に密着せず、溶接部分にギャップが生じる可能性がある。その一方で、当該加圧力を大きくすると、テーパ部の傾斜面に沿って胴体が必要以上に奥へ挿入してしまい、胴体が径方向内側へ変形したり、蓋体が径方向外側へ変形したりする可能性がある。胴体が径方向内側へ変形したり、蓋体が径方向外側へ変形したりすることで、目違い、すなわち2枚の板の間に板厚方向のずれが生じて、溶接が困難になる可能性がある。
特許文献6には、片側の薄板部材にL曲げ形状を設け、もう一方の薄板部材に、ひさし部のあるL曲げ形状のある継手部を形成している。特許文献6の技術では、両方の薄板部材に加工が必要であり、加工に手間がかかる可能性がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第一板材の端部と第二板材の端部とを溶接する際に、ギャップの発生及び板厚方向のずれの発生を、簡単かつ確実に抑制でき、良好な溶接部を形成できる溶接方法、及び当該溶接方法を用いた缶体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る溶接方法は、第一板材と第二板材とを溶接する方法であって、第一板材は、第一曲げ部と、第一曲げ部と反対方向に曲がる第二曲げ部と、第二曲げ部につながるひさし部とを含む段曲げ部を端部に備え、第二板材は、平坦な端部を備え、第一曲げ部の曲げ角度が鋭角であり、第一曲げ部の曲げの外側と第二曲げ部の曲げの内側との間の接触面に、第二板材の端面を押し当てた状態で、ひさし部の外側から加熱し、ひさし部を全体的に溶融させ、第一板材の端部と第二板材の端部とを溶接するものである。
また、本発明に係る缶体の製造方法は、円筒状の胴体部と、椀状の鏡板とを溶接する工程を有する缶体の製造方法であって、胴体部が有する第一板材と、鏡板が有する第二板材とを上記溶接方法により溶接するものである。
また、本発明に係る缶体の製造方法は、円筒状の胴体部と、椀状の鏡板とを溶接する工程を有する缶体の製造方法であって、胴体部が有する第二板材と、鏡板が有する第一板材とを上記溶接方法により溶接するものである。
本発明によれば、第一板材の端部と第二板材の端部とを溶接する際に、ギャップの発生及び板厚方向のずれの発生を、簡単かつ確実に抑制でき、良好な溶接部を形成することが可能となる。
実施の形態1の溶接方法を説明するための断面図である。 実施の形態1の溶接方法により溶接された第一板材及び第二板材の溶接部の断面図である。 実施の形態1における溶接前の第一板材及び第二板材の寸法及び形状を説明するための断面図である。 実施の形態2の缶体の製造方法を説明するための断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の溶接方法を説明するための断面図である。本実施の形態1の溶接方法は、第一板材1の端部と、第二板材2の端部とを溶接する方法である。第一板材1及び第二板材2は、金属製の薄板である。第一板材1の板厚tは、例えば0.5mm〜2mmである。第二板材2の板厚tは、例えば0.5mm〜2mmである。第一板材1の板厚tは、第二板材2の板厚tに等しくてもよい。第一板材1の板厚tは、第二板材2の板厚tに等しくなくてもよい。第一板材1及び第二板材2の材質は、特に限定されないが、例えば、フェライト系ステンレス鋼でもよい。第一板材1及び第二板材2の材質は、そのほか、オーステナイト系ステンレス鋼でもよいし、一般の軟鋼でもよい。
第一板材1は、段曲げ部1aを端部に備える。段曲げ部1aは、第一曲げ部1b、第二曲げ部1c、及びひさし部1dを備える。第一曲げ部1bは、第一板材1の本体部1eに対して曲がっている。第二曲げ部1cは、第一曲げ部1bと反対方向に曲がっている。ひさし部1dは、第二曲げ部1cにつながる。ひさし部1dは、ひさし部1dの表面に対して垂直な端面1fを有する。段曲げ部1aは、例えば、プレス曲げ加工により、容易かつ低コストに形成できる。
第二板材2は、平坦な端部を備える。第二板材2の端部は、曲げ加工がされていない。第二板材2の当該端部は、第二板材2の表面に対して垂直な端面2aを有する。第二板材2は、第一板材1の本体部1eの延長線上に連なるように配置される。本実施の形態であれば、第二板材2の端部に曲げ加工が不要であるので、コストが低い。
第一板材1の段曲げ部1aは、第一曲げ部1bの曲げの外側と、第二曲げ部1cの曲げの内側との間に、接触面1gを有する。本実施の形態の溶接方法では、以下のようにする。第一板材1の段曲げ部1aの接触面1gに、第二板材2の端面2aを押し当てる圧力を加えた状態とする。第二板材2の端部は、段曲げ部1aのひさし部1dの内側に重なる。この状態で、ひさし部1dの外側から加熱する。そして、ひさし部1dを全体的に溶融させることで、第一板材1の端部と第二板材2の端部とを溶接する。本実施の形態では、トーチ3によりひさし部1dを加熱する。以下の説明では、第一板材1の段曲げ部1aの接触面1gに、第二板材2の端面2aを押し当てる圧力のことを単に「加圧力」と称する。
図1は、加圧力を与える前の状態を示す。図1では、第一板材1の段曲げ部1aの接触面1gと、第二板材2の端面2aとが接触していないが、溶接するときには、加圧力が与えられることで、第一板材1の接触面1gに、第二板材2の端面2aが密着する。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。第二板材2の端部がトーチ3側へ熱変形しようとしたとき、当該熱変形をひさし部1dが抑え込む。このため、目違い、すなわち第一板材1及び第二板材2の間の板厚方向のずれ、の発生を確実に抑制できる。また、第一板材1が段曲げ部1aを備えたことで、以下の効果が得られる。第一板材1の段曲げ部1aによって形成された接触面1gに、第二板材2の端面2aが確実に突き当たる。このため、加圧力が作用したとき、第一板材1の接触面1gに対して、第二板材2の端面2aを確実に位置決めできる。また、第一板材1の接触面1gと、第二板材2の端面2aとの接触面積を大きくできる。このため、加圧力を大きくしても、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとの間の摩擦力が強いので、第一板材1の接触面1gに対して第二板材2の端面2aがずれることを確実に抑制できる。よって、目違い、すなわち第一板材1及び第二板材2の間の板厚方向のずれ、の発生を確実に抑制できる。また、加圧力を大きくできることで、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとを確実に密着させることができるので、この両者の間に、ギャップすなわち隙間が生じることを確実に抑制できる。
このように、本実施の形態では、溶接のときの入熱によって第一板材1及び第二板材2にひずみが生じたとしても、段曲げ部1a及びひさし部1dにより第二板材2を確実に拘束できるので、第一板材1及び第二板材2の相対的位置関係が変わることを確実に抑制できる。このため、本実施の形態であれば、溶接するときに第一板材1及び第二板材2が板厚方向に変位することを防止するための専用の拘束治具などを簡略化または省略しても、溶接部のギャップ及び目違いの発生を確実に抑制できる。よって、コストを低くできる。
本実施の形態では、溶接する前の状態で、第一板材1のひさし部1dと第二板材2の表面との距離が、接触面1gから、ひさし部1dの端面1fに近づくにつれて拡大する。これにより、以下の効果が得られる。第二板材2を第一板材1に対して面方向に相対的に移動させることで第二板材2の端部をひさし部1dの内側に挿入する場合に、その入口、すなわち、ひさし部1dの端面1fの内側の間口が広くなる。このため、第二板材2の端部をひさし部1dの内側に挿入する際に、第二板材2の端面2aがひさし部1dの端面1fに衝突することなく、円滑に挿入できる。なお、溶接する前の状態で、ひさし部1dと第二板材2の表面との最大距離G(図1参照)の大きさは、特に限定されないが、例えば0.2mm〜1.0mm程度にすることができる。
一般に、薄板の端面は、切断によって形成される。この切断の際に、薄板の端面には、薄板の一方の面の方へ突出するバリが生じる。図1に示す例では、溶接する前の状態で、第二板材2の端面2aのバリ2bが、第一板材1のひさし部1dの側に向いている。これにより、以下の効果が得られる。加圧力を与えて第二板材2の端面2aを第一板材1の接触面1gに突き当てたときに、バリ2bが第一板材1の表面に食い込む。このため、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとの位置関係をより確実に安定させることができる。
上記とは逆に、溶接する前の状態で、第二板材2の端面2aのバリ2bが、第一板材1のひさし部1dと反対側に向いているようにしてもよい。その場合には、以下の効果が得られる。第二板材2を第一板材1に対して面方向に相対的に移動させることで第二板材2の端部をひさし部1dの内側に挿入する場合に、バリ2bがひさし部1dの表面に摺動することがないので、第二板材2が円滑に移動できる。
本実施の形態の溶接方法は、例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接を行うトーチ3を好適に用いることができるが、他の加熱方式でもよい。
図2は、実施の形態1の溶接方法により溶接された第一板材1及び第二板材2の溶接部の断面図である。図2に示すように、第一板材1及び第二板材2の溶接部には、ビード7が形成される。トーチ3により加熱されて全体的に溶融したひさし部1dが、第二板材2の端部に溶け込むことで、ビード7が形成される。本実施の形態であれば、突合せ溶接をした場合と同様のビード7が得られる。ビード7の肉厚Wは、第一板材1の板厚t及び第二板材2の板厚tとほぼ同じ厚さである。ビード付け根部7aに応力集中が生じる可能性の少ない、完全溶け込み形状を形成できる。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。トーチ3がひさし部1dの外側から加熱することで、第二板材2の端部はトーチ3で直接加熱されないので、ひさし部1dが先に溶融する。ひさし部1dが溶融したとき、ひさし部1dの下に第二板材2の端部が位置することで、溶融したひさし部1dを確実に受け止めることができる。このため、溶接時の溶け落ち等の不良が起こることを確実に抑制できる。
第一板材1の板厚tと、第二板材2の板厚tとが異なる場合、t>tでもよい。加熱されて溶融するひさし部1dがある第一板材1の板厚tを第二板材2の板厚tより厚くすることで、溶接時に溶融する金属の量の調整が容易になる。このため、溶接時の溶け落ち等の不良をより確実に抑制でき、安定的に溶接することができる。
第一板材1の板厚tと、第二板材2の板厚tとが異なる場合、t<tでもよい。第一板材1の板厚tを第二板材2の板厚tより薄くすることで、第一板材1に段曲げ部1aを容易に形成できる。薄いために形状が不安定になる可能性のある第一板材1に段曲げ部1aを形成することで、溶接のときに第一板材1の形状を安定化することができる。
図3は、実施の形態1における溶接前の第一板材1及び第二板材2の寸法及び形状を説明するための断面図である。以下の説明では、図3に示すように、段曲げ部1aの段差の高さをH、ひさし部1dの長さをL、段曲げ部1aの第一曲げ部1bの曲げ角度をθとする。
本実施の形態であれば、段曲げ部1aの段差の高さH、及び、ひさし部1dの長さLを調整することで、図2に示す溶接後のビード7のビード肉厚W及びビード長さWLを調整できる。このため、良好な形状のビード7を容易に形成できる。すなわち、応力集中及び隙間腐食のおそれのない、突合せ溶接の場合と同等の溶接ビード形状が得られる。
段曲げ部1aの段差の高さH、第一板材1の板厚t、第二板材2の板厚tは、次式の関係を満足することが好ましい。
≦H<t+t
段曲げ部1aの段差の高さHを第二板材2の板厚t以上にすることで、以下の効果が得られる。第一板材1の接触面1gと、第二板材2の端面2aとの接触面積を十分に大きくできる。このため、加圧力を大きくしても、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとの間の摩擦力が強いので、第一板材1の接触面1gに対して第二板材2の端面2aがずれることをより確実に抑制できる。特に、t<Hとした場合には、当該効果をより顕著に発揮させることが可能となる。
段曲げ部1aの段差の高さHを、第一板材1の板厚tと第二板材2の板厚tとの和(t+t)より小さくすることで、以下の効果が得られる。段曲げ部1aの第二曲げ部1cの内側の角に、第二板材2の表面と端面2aとの間の角2cが当たった状態で、第一板材1の本体部1eと、第二板材2の端部とが、板厚方向の位置に関して、確実にオーバーラップを有する。このため、第一板材1と第二板材2との溶接後にも、第一板材1と第二板材2とが板厚方向の位置に関して確実にオーバーラップするようにできる。
段曲げ部1aの第一曲げ部1bの曲げ角度θは、直角でもよい。段曲げ部1aの第一曲げ部1bの曲げ角度θを直角にすることで、第一板材1の接触面1gの角度を、加圧力の方向に対して、垂直、または垂直に近い角度にできる。このため、加圧力が与えられたときに、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとの接触位置がずれることをより確実に抑制できる。
段曲げ部1aの第一曲げ部1bの曲げ角度θは、鋭角でもよい。例えば、当該曲げ角度θが70°〜85°程度でもよい。段曲げ部1aの第一曲げ部1bの曲げ角度θを鋭角にすることで、第一板材1の接触面1gの角度を、加圧力の方向に対して、垂直、または垂直に近い角度にできる。このため、加圧力が与えられたときに、第一板材1の接触面1gと第二板材2の端面2aとの接触位置がずれることをより確実に抑制できる。なお、段曲げ部1aの第二曲げ部1cの曲げ角度は、直角でもよいし、鈍角でもよい。
以上のように、本実施の形態であれば、溶接時に第一板材1及び第二板材2の間にギャップが生じることを未然に防止でき、また目違いを確実に抑制できる。本実施の形態であれば、余分な部品、または特別な専用工具は、特に必要とされない。このため、安価で、入熱効果が向上した安定した溶接が可能となる。特に、溶接において重要な、溶接される接触面の位置合わせが、ガイドとなるひさし部1dの誘導により、第二板材2の端面2aが段曲げ部1aの接触面1gに接触するため、容易である。また、第二板材2の端部に曲げ加工が不要であるので、加熱したときに溶融する金属の量が抑えられる。
実施の形態2.
次に、図4を参照して、実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。図4は、実施の形態2の缶体の製造方法を説明するための断面図である。本実施の形態2における缶体30は、例えば、貯湯式給湯機が備える金属製貯湯タンクとして用いられるものである。
本実施の形態の缶体30の製造方法は、円筒状の胴体部8と、椀状の鏡板9とを、実施の形態1の溶接方法により溶接する工程を有する。胴体部8は、第一板材1を円筒状に形成したものである。胴体部8の端部には、全周にわたり段曲げ部1aがある。段曲げ部1aは、胴体部8の外側に突出する段差を形成する。鏡板9は、第二板材2を椀状に形成したものである。鏡板9の開口部には、全周にわたり第二板材2の端部がある。
鏡板9は、胴体部8の両端部にそれぞれ配置される。本実施の形態では、胴体部8の一端部に配置される鏡板9との間の溶接と、胴体部8の他端部に配置される鏡板9との間の溶接との双方を、実施の形態1の溶接方法により溶接する。このような製造方法に限らず、胴体部8の一端部に配置される鏡板9との間の溶接のみを実施の形態1の溶接方法により溶接し、胴体部8の他端部に配置される鏡板9との間の溶接をそれ以外の溶接方法で溶接してもよい。
胴体部8の端部には、全周にわたりひさし部1dがある。胴体部8の端部のひさし部1dの内側に、鏡板9の開口部、すなわち第二板材2の端部を挿入するようにして、胴体部8と鏡板9とを組み合わせる。両方の鏡板9の外側から、治具10を用いて、鏡板9を胴体部8に押し付けるように加圧する。当該加圧力により、溶接する箇所において、胴体部8の第一板材1と、鏡板9の第二板材2とが密着する。このように加圧した状態で、実施の形態1と同様に、ひさし部1dの上方からトーチ3によりTIG溶接を行う。缶体30を回転させながら溶接することで、胴体部8と鏡板9との接合部を全周にわたり溶接する。
本実施の形態であれば、このような方法で缶体30を製造するので、以下の効果が得られる。トーチ3による入熱が行き届き、溶接箇所の溶融を完全なものとすることが可能となる。また、完成した缶体30である貯湯タンクの全長のバラツキが少なく、寸法精度の高い貯湯タンクを、簡単な製造工程により安価に製作することができる。さらに、溶接部が完全溶け込みで形成されるので、缶体30である貯湯タンクの如く、高温度でかつ温度サイクルが印加される、あるいは繰返し応力の発生する製品において、溶接部の隙間腐食及び応力集中のない、耐久性の向上した長寿命の缶体30を製造することができる。
実施の形態2の缶体30は、内径200mm〜700mm、全長が1m〜2mの大きさであり、板厚は1mm程度である。また、缶体30の例として貯湯タンクを挙げたが、湯水に限らず様々な流体を貯留する缶体の製造に適用できる。
本実施の形態では、第一板材1に段曲げ部1aを形成した後に、当該第一板材1を円筒状に形成することで、胴体部8を製造してもよい。このようにすることで、第一板材1が平らな状態で段曲げ部1aを形成できるので、段曲げ部1aを有する胴体部8を容易に製造できる。ただし、胴体部8を円筒状に形成した後に、当該胴体部8の端部に段曲げ部1aを形成してもよい。
本実施の形態では、胴体部8を第一板材1とし、鏡板9を第二板材2としているが、この逆に、鏡板9を第一板材1とし、胴体部8を第二板材2としてもよい。すなわち、鏡板9の開口部に段曲げ部1aを形成してもよい。
1 第一板材、 1a 段曲げ部、 1b 第一曲げ部、 1c 第二曲げ部、 1d ひさし部、 1e 本体部、 1f 端面、 1g 接触面、 2 第二板材、 2a 端面、 2b バリ、 2c 角、 3 トーチ、 7 ビード、 7a ビード付け根部、 8 胴体部、 9 鏡板、 10 治具、 30 缶体

Claims (10)

  1. 第一板材と第二板材とを溶接する方法であって、
    前記第一板材は、第一曲げ部と、前記第一曲げ部と反対方向に曲がる第二曲げ部と、前記第二曲げ部につながるひさし部とを含む段曲げ部を端部に備え、
    前記第二板材は、平坦な端部を備え、
    前記第一曲げ部の曲げ角度が鋭角であり、
    前記第一曲げ部の曲げの外側と前記第二曲げ部の曲げの内側との間の接触面に、前記第二板材の端面を押し当てた状態で、前記ひさし部の外側から加熱し、前記ひさし部を全体的に溶融させ、前記第一板材の端部と前記第二板材の端部とを溶接する溶接方法。
  2. 前記第一板材が前記第二板材に比べて板厚が厚い請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記第一板材が前記第二板材に比べて板厚が薄い請求項1に記載の溶接方法。
  4. 溶接する前の状態で、前記第二板材の端面のバリが前記ひさし部の側に向いている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶接方法。
  5. 溶接する前の状態で、前記第二板材の端面のバリが前記ひさし部と反対側に向いている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶接方法。
  6. 溶接する前の状態で、前記ひさし部と前記第二板材の表面との距離が前記ひさし部の端面に近づくにつれて拡大する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の溶接方法。
  7. 溶接する前の前記段曲げ部の段差の高さをH、前記第一板材の板厚をt、前記第二板材の板厚をtとしたとき、t≦H<t+t、なる関係を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の溶接方法。
  8. 円筒状の胴体部と、椀状の鏡板とを溶接する工程を有する缶体の製造方法であって、
    前記胴体部が有する前記第一板材と、前記鏡板が有する前記第二板材とを請求項1から請求項のいずれか一項に記載の溶接方法により溶接する缶体の製造方法。
  9. 前記第一板材に前記段曲げ部を形成した後に前記第一板材を円筒状に形成することで前記胴体部を得る請求項に記載の缶体の製造方法。
  10. 円筒状の胴体部と、椀状の鏡板とを溶接する工程を有する缶体の製造方法であって、
    前記胴体部が有する前記第二板材と、前記鏡板が有する前記第一板材とを請求項1から請求項のいずれか一項に記載の溶接方法により溶接する缶体の製造方法。
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