JP5131765B2 - 自動車用排気管の製造方法 - Google Patents
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そして、その溶接手段として、TIG溶接やMIG用接が使用されてきたが、近年ではレーザー溶接が使用されるケースも増えてきている。レーザー溶接法は、他の溶接方法に比べて溶接幅が狭く熱歪みが少ないなどの利点が挙げられる。また、レーザー溶接では焦点距離が長く、レーザー光が入るだけのスペースがあれば溶接可能なため、他の溶接方法に比べて設計の自由度が増すといった長所もある。
ところが、素材ステンレス鋼板の肉厚が薄くなるほど、プレス加工の際、フランジ部にしわが発生しやすくなる。このようなしわが発生したフランジ部同士を重ね合わせてレーザー溶接しようとすると、溶接ビードに窪みが形成されたり、溶け落ちが発生したりして、所望の接合強度を安定的に確保することができない場合がある。
また、上記記載の1回目のレーザー溶接を行なった後に、複数回のレーザー照射を行ない下板の裏側まで貫通して溶接を行なってもよい。
したがって、本発明により、薄鋼板を素材した二重管ステンレス鋼製エキゾーストマニホールドなどの自動車用排気管が安価に安定的に供給できるようになる。
その結果、隙間が発生した薄板の重ね溶接での溶け落ちの発生要因としては、隙間に対する溶融金属の不足による発生要因と、レーザー溶接時の熱ひずみによる変形により浮き上がりが生じて重ね合せ部の隙間が拡大することが密接に関係していると推測した。
このように推測すると、事前にしわが形成された薄板を重ね合わせてレーザー溶接する時、しわにより隙間が発生した箇所で溶接時には熱ひずみによる変形が加わって隙間がさらに大きくなり、溶け落ちが発生していると考えられる。
図1(b)において、片方のステンレス鋼板4にしわを形成した場合、図2に示すような態様でしわの大きさ(h1、h2、h3)を測定したとき、しわの平均的な大きさが0.11mm以下では溶け落ちは見られなかったが、平均的なしわの大きさが0.11mmを超えると溶け落ちが見られるようになった。
本発明では、隙間をより狭くすることと、板の浮き上がり現象を抑える手段として、本来の溶接を行う本溶接前に、隙間が発生している箇所については隙間を低減し、上板と下板が接触している箇所では下板の裏側まで溶融しない範囲で上板と下板との接合を行い、熱歪みによる浮き上がり現象を抑えることを目的に、予備的なレーザー溶接を、焦点を外した状態であるデフォーカスで行うことを採用した。すなわち、図4に示すように、レーザー溶接による2回照射を行うこととした。
なお、図4、5中、6が1回目の照射で溶融した領域であり、7が2回目で溶融した領域である。
焦点を外すデフォーカスについては、図6に示すように上板表面に焦点をあてるジャストフォーカス位置を基準として、上板表面より上側(+側)若しくは下側(−側)に焦点を外してデフォーカスを行えばよい(図6(a)、図6(b)参照)。
先述したように、本発明では、1回目のレーザー溶接でデフォーカスにより焦点を外した状態でレーザー照射を行なう事により、隙間のある箇所では隙間が減少もしくは無くなり、また隙間のない箇所では貫通しない範囲で薄板同士が接合し、熱ひずみによる隙間の拡大が生じない状態で2回目以降のレーザー溶接を行なうことを特徴としている。このため、2回目以降の溶接を複数回に分けて溶接を行なっても溶け落ちなどの溶接不良を起こすことなく溶接は可能となる。但し、溶接回数が多くなりすぎると生産効率が低下するため、実質的には2回か若しくは3回程度の溶接回数にする方が好ましいと考えられる。
なお、二重管ステンレス鋼製エキゾーストマニホールドを例に上げて説明したが、その他にも自動車用排気管としてフロントパイプやセンタパイプ、あるいは触媒コンバータなどにも本発明を適用できることはいうまでもない。
レーザー溶接機として、ファイバーレーザー溶接機を用い、20l/分で流したArガスをシールドガスとした。そして、1回目及び2回目のレーザー光照射による溶接条件として、表1に示す条件を採用した。
Claims (2)
- 二枚のステンレス鋼板をそれぞれ所定形状にプレス加工した後、当該加工品のフランジ部を重ね合わせ、その重ね合わせ部をレーザー溶接することにより形成される自動車用排気管を製造する際、前記フランジ重ね合わせ部を、1回目として、焦点を外したデフォーカス状態でレーザー照射して、隙間のある箇所ではレーザー照射側の上板を溶融させて下板側に凹ませた上で隙間を低減し、隙間のない箇所では下板の裏側まで貫通しない範囲で上板と下板との接合を行うレーザー溶接を行った後、2回目として、下板の裏側まで貫通してレーザー照射するレーザー溶接を行う、2回のレーザー溶接を行うことを特徴とする自動車用排気管の製造方法。
- 二枚のステンレス鋼板をそれぞれ所定形状にプレス加工した後、当該加工品のフランジ部を重ね合わせ、その重ね合わせ部をレーザー溶接することにより形成される自動車用排気管を製造する際、前記フランジ重ね合わせ部を、1回目として、焦点を外したデフォーカス状態でレーザー照射して、隙間のある箇所ではレーザー照射側の上板を溶融させて下板側に凹ませた上で隙間を低減し、隙間のない箇所では下板の裏側まで貫通しない範囲で上板と下板との接合を行うレーザー溶接を行った後、複数回のレーザー溶接にて、下板の裏側まで貫通してレーザー照射するレーザー溶接を行うことを特徴とする自動車用排気管の製造方法。
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