以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
まず、図1を参照して、本発明を適用する画像形成装置の一例として、複数の感光体が並んで配置されたタンデム型のカラーレーザ複写機(以下、単に複写機という)について説明する。図1は、本発明を適用する画像形成装置としての複写機の概略的な全体構成図である。
図1に示す複写機は、画像形成部であるプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300、スキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400などを備えている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字に添字として付されたY,M,C,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プリンタ部100には、プロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kの他に、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、2次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。プロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kは、像担持体としてのドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
4組のプロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kは、特記する内容を除き、画像形成する色が異なる以外はほぼ同様の構成であるため、以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18Yを代表して説明する。尚、各現像装置4Y,4M,4C,4Kは、使用するトナーの色が異なる2成分現像方式の現像装置であり、各色の現像装置内にはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様に帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。すると、感光体1Y表面の照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト101に1次転写される。1次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナー等がクリーニングされる。Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、上記ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、再び帯電器によって一様に帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,18C,18Kについても同様である。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト101やベルトクリーニング装置102などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの1次転写バイアスローラ62Y,62M,62C,62Kなども有している。
中間転写ベルト101は、張架ローラ14を含む複数のローラによって張架されている。そして、ベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって、中間転写ベルト101は図中時計回りに無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ62Y,62M,62C,62Kは、それぞれ中間転写ベルト101の内周面側に接触するように配設-され、電源から1次転写バイアスの印加を受ける。また、1次転写バイアスローラ62Y,62M,62C,62Kは、中間転写ベルト101をその内周面側から感光体1Y,1M,1C,1Kに向けて押圧(圧して押さえ付けることを意味する)してそれぞれ1次転写ニップを形成する。各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体と1次転写バイアスローラとの間に1次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、上記1次転写電界や1次ニップ圧の影響によって中間転写ベルト101上に1次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,1C,1K上に形成されたMトナー像、Cトナー像、Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト101上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト101上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の2次転写ニップでシート状記録媒体たる転写紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト101の表面に残留する転写残トナー等は、図中左側の駆動ローラ15の外側の中間転写ベルト101近傍に配設されたベルトクリーニング装置102によってクリーニングされる。
次に、2次転写装置22について説明する。中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動される。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラ23は、中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト101及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト101と、2次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する2次転写ニップが形成されている。
そして、上記一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが電源によって印加される。この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト101上の4色トナー像をベルト側から上記一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト101上の4色トナー像に同期するように2次転写ニップに送り込まれた転写紙には、上記した2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が2次転写される。尚、このように一方の張架ローラ23に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
複写機本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙が給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、その路内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト101上に形成された4色トナー像は、中間転写ベルト101の無端移動に伴って上記2次転写ニップに進入する。
レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を2次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、2次転写ニップでは、中間転写ベルト101上の4色トナー像が転写紙に密着し、転写紙上に2次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動されるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙を上記定着ニップに挟み込む。ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に熱源を有しており、定着ベルト26を加熱しながら加圧する。
加熱・加圧された定着ベルト26は、上記定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着される。
尚、図示例では2次転写装置22及び定着装置25の下方に、上述した画像形成ユニット20と平行に、転写紙を反転排紙したり、転写紙の両面に画像を形成するために転写紙を反転して再給紙したりする反転装置28を備えている。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けられたスタック部57上にスタックされる。又は、定着処理が施された転写紙は、もう一方の面にもトナー像を形成するために、切替爪105により搬送方向を切り替えられて反転装置28に送られ、この反転装置28を経由して上述の2次転写ニップに戻されるかする。
原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図2に示す操作表示部37に配設されているコピースタートボタン38aが押されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、先ず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射され、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、上記入射光に基づいて光電変換することで画像情報を作製する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18K内の各機器や部材、中間転写ユニット17、2次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって作製された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y,1M,1C,1K上に、上記各機器や部材の上述した動作によって、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト101上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転され、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ対45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって2次転写ニップに向けて搬送される。
このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転されて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ対52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
本複写機では、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合、以下のようにする。即ち、中間転写ベルト101の上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y,1M,1C,1Kを接触させるとともに、対応する1次転写バイアスローラ62Y,62M,62C,62Kを中間転写ベルト101の裏面に押し当てる。
これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、揺動機構により、中間転写ベルト101を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面及び1次転写バイアスローラ62Y,62M,62Cを感光体1Y,1M,1Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y,1M,1C,1Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,M,Cについては、感光体だけでなく、現像装置も駆動を停止させて、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
図2に示すように、本複写機は、複写機内の上記各装置や各機器に動作指示を与えたり動作状況を確認したりする操作表示部37を備えている。操作表示部37には、コピースタートボタン38a及びテンキー38bを始めとして各種キーボタン等と、タッチパネル式の液晶表示部39とが配設されている。図2において、符号58は、画像形成装置本体に対して各プロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kや、後述する現像剤収納容器を着脱する際に、また各種点検整備等を行う際に開閉する前ドアを示している。また、本複写機は、複写機内の上記各装置や各機器の制御を司るCPU等から構成される制御部を備えている。
操作者は、操作表示部37に対するキー入力操作により、上記制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
図3は、4つのプロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kのうちの1つが備える現像装置4及び感光体1を示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y,18M,18C,18Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。
図3に示すように、感光体1は、図中矢印G1方向に回転しながら、その表面を上記帯電装置により一様に帯電される。帯電された感光体1の表面は、上記露光装置から照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ5を有している。また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら、図3の紙面奥方向に現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュ8を有している。供給スクリュ8は、回転軸とこの回転軸に設けられた羽根部とを備え、図中矢印M方向に回転することにより軸方向に現像剤を搬送する現像剤搬送スクリュである。現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する回収搬送部材としての回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の横方向に、回収スクリュ6を備えた回収搬送路7は現像ローラ5の下方に、それぞれ並設されている。
現像装置4は、供給搬送路9の下方で回収搬送路7に並列して、攪拌搬送路10を設けている。攪拌搬送路10は、図中矢印C方向に回転することにより現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材としての攪拌スクリュ11を備えている。
供給搬送路9と攪拌搬送路10とは、仕切り部材としての第1仕切り壁133によって仕切られている。第1仕切り壁133の供給搬送路9と攪拌搬送路10とを仕切る箇所は、図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。
尚、供給搬送路9と回収搬送路7とも第1仕切り壁133によって仕切られているが、第1仕切り壁133の供給搬送路9と回収搬送路7とを仕切る箇所には開口部を設けていない。また、攪拌搬送路10と回収搬送路7との2つの搬送路は仕切り部材としての第2仕切り壁134によって仕切られている。第2仕切り壁134は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路10と回収搬送路7とが連通している。
現像ドクタ12によって現像ローラ5上に薄層化された現像剤を感光体1との対向部である現像領域まで搬送し現像を行う。現像後の現像剤は回収搬送路7にて回収を行い、図3中の断面手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた第1仕切り壁133の開口部で、攪拌搬送路10へ現像剤が移送される。
供給搬送路9には、供給搬送路9内の現像剤が所定の嵩を越えた場合にその一部を現像装置4の外部に排出する現像剤排出口94と、現像剤排出口94から排出された現像剤を現像装置4の外部に搬送する排出搬送スクリュ2aを備えた排出搬送路2とを有する。排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流側で仕切り壁135を挟んで供給搬送路9と隣り合うように配置され、現像剤排出口94は供給搬送路9と排出搬送路2とを連通するように仕切り壁135に設けられた開口である。
攪拌搬送路10における現像剤搬送方向上流側の第1仕切り壁133の開口部の付近で攪拌搬送路10の上側に設けられた補給口から攪拌搬送路10にトナーとキャリアとを含む現像剤が補給される。以下、現像装置4に補給されるトナーとキャリアとが混合された現像剤を、「プレミックストナー」と称する。本実施形態においては、プレミックストナーにおけるトナー量は、25〜35重量%であり、現像装置4内の現像剤におけるトナー量は、4〜10重量%である。
また、本実施形態においては、流出開始温度が90℃以下のトナーを用いた。流出開始温度が90℃以下のトナー(低温定着トナー)を用いることで、低い温度で定着を行うことができ、画像形成装置の省エネルギー化、高速化を図ることができる。
図4を参照して、各色の現像剤補給装置及び各色の現像剤収納容器の配置関係について説明する。図4は、各色の現像装置4Y,4M,4C,4Kと、現像装置にプレミックストナーを補給する現像剤補給装置70Y,70M,70C,70Kの全体構成を示す斜視図である。現像剤補給装置70Y,70M,70C,70Kは、現像装置4Y,4M,4C,4Kの上部に配置されている。
現像剤補給装置70は、プレミックストナーを収納した現像剤収納容器71と、サブホッパとを有している。このサブホッパは、例えば、特開2014−215601号公報の図12〜図14に開示されているサブホッパ(90)と同じ構成で同様の動作を行うものであり、重複説明を避ける点からその説明を省略する。図4では、C色とK色の現像剤収納容器71C,71Kが装着されている状態を示し、Y色とM色の現像剤収納容器71Y,71Kは離脱されている状態を示している。現像剤収納容器71は、現像剤収納容器71を収容する現像剤収納容器収容部である容器保持部77(後述する図11等参照)に保持される。
容器保持部77は、4つに区画されており、図中左側から順に、Y色、M色、C色、K色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の現像剤収納容器71が保持される。現像剤収納容器71は、容器保持部77に対して着脱可能、更には後述するように挿脱可能(差し込んだり外したりすることを意味する)に保持される。現像剤収納容器71内のプレミックトナーが無くなると、ユーザが容器保持部77から現像剤収納容器71を抜き出し、新品の現像剤収納容器71を容器保持部77に差し込む。これにより、新しいプレミックストナーが前記サブホッパに供給される。
現像剤補給装置70Y,70M,70C,70Kは、画像形成装置の前側、即ち図1の紙面手前側、図2に示す右側の前ドア58側に配置されており、ユーザは画像形成装置の前側から現像剤収納容器71にアクセス可能となっている。
図5、図6を参照して、K色用の現像剤収納容器及びY,M,C色の現像剤収納容器について説明する。図5は、K色用の現像剤収納容器71Kを裏側(画像形成装置への挿入方向下流側)から見た斜視図である。図6は、Y,M,C色の現像剤補給装置に用いられるカラー(Y,M,C)用(以下、単にカラー用と記載する)の現像剤収納容器71Y,71M,71Cを裏側(画像形成装置への挿入方向下流側)から見た斜視図である。図5、図6を始めとするX,Y,Z座標において、X方向は現像剤収納容器の幅(図1の左右)に対応する幅方向を、Y方向は現像剤収納容器の図1等の奥行きに対応する前後方向であり、Z方向は現像剤収納容器の高さに対応する上下方向である。
本例においては、図5、図6に示すように、K色の現像剤収納容器71Kが、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cよりも容積が大きくなっている。一般的なユーザは、フルカラー画像の出力よりも白黒画像の出力の方が多い。このため、トナーの消費スピードは、カラー用よりも黒用(K色用)の方が速くなる。よって、K色の現像剤収納容器71Kを、カラーの現像剤収納容器71Y,71M,71Cと同じ形状とした場合、K色の現像剤収納容器71が、頻繁に交換されてしまうことになり、ユーザの利便性が悪くなる。
このようなことから、本例では、K色用の現像剤収納容器71Kの容積を、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの容積よりも大きくして、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cよりも多くのプレミックストナーを収納している。尚、図5に示されている現像剤収納容器71K用の駆動カップリング74a,74b、図6に示されている現像剤収納容器71Y,71M,71C用の駆動カップリング74については、後述する。
図7、図8を参照して、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの基本的な内部構成を説明する。図7は、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの簡略的な断面図、図8は、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの断面斜視図である。
図7、図8に示すように、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cは、現像剤収納部としての容器本体71Aと、容器本体71A内に配設される供給部材としての搬送スクリュ72と、攪拌部材としてのアジテータ73とを備えている。アジテータ73は、容器本体71A内で搬送スクリュ72と平行に配設されている。
アジテータ73は、軸としての軸部731と、軸部731と一体で成型された接続部としての骨部734と、骨部734に取り付けられた羽根部732とを備えている。羽根部732は、骨部734を介して軸部731に支持されている。アジテータ73は、後述する現像剤供給駆動部80(図12等参照)によって駆動され、搬送スクリュ72と平行に配設された軸部731と一体で、図6及び図7に破線で示す矢印NR方向(正転方向)に回転する。そして、アジテータ73は、容器本体71A内に収容されている現像剤Gであるプレミックストナー(キャリアCとトナーTとを含む)を攪拌しながら搬送スクリュ72に向けて移動させるように搬送する。
また、アジテータ73の軸部731と骨部734とは剛性を有する剛体として形成されている。また、アジテータ73の羽根部732は可撓性を有しているため、羽根部732が容器本体71Aの内壁71bと接触することにより羽根部732が撓みながら、アジテータ73が回転する。搬送スクリュ72は、アジテータ73により搬送されてきたプレミックストナーを前記サブホッパへと搬送する。
アジテータ73の剛体である軸部731及び骨部734は、金属や樹脂などで一体的に形成するのが簡便で好ましいが、他の材料あるいは製造方法であってもよい。また、可撓性を有する羽根部732は、剛性の低い材質で製造することが望ましい。例えば、羽根部732は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)又はポリウレタンなどから成るシート状の可撓性を有する材質が望ましい。この羽根部732の厚さは、約50[μm]〜500[μm]程度が好ましく、特に50[μm]〜300[μm]が好適である。
尚、アジテータ73は、上述したように軸部731及び骨部734と、羽根部732とを別部材で構成しているが、これに限らず、樹脂材料を用いて射出成型機により一体成型してもよい。
図6に示すように、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cのアジテータ73の軸部731の一端部は、容器本体71Aから露出しており、この一端部に攪拌部材用の一方のカップリング手段であり、駆動カップリング74が設けられている。駆動カップリング74は、軸部731の一端部から突出する爪形状をなす一対の部材である。この駆動カップリング74は、図11、図12に示す容器保持部77に装着されたときに画像形成装置本体側の本体カップリング85Y,85M,85Cと接触し噛み合うようになっている。尚、カップリングはジョイントとも呼ばれる。
カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cのスクリュ72の軸部721の一端部は、容器本体71Aから露出しており、この一端部に搬送部材用のジョイント76が設けられている。ジョイント76は、軸部721の一端部から突出する爪形状をなす一対の部材であり、図11、図12に示す容器保持部77に装着されたときに画像形成装置本体側の搬送用ジョイント83Y,83M,83Cと接触し噛み合うようになっている。
図9は、K色用の現像剤収納容器71Kの断面斜視図である。K色用の現像剤収納容器71Kの容器本体71A内には、第1アジテータ73aと、第2アジテータ73bと、搬送スクリュ72とが配設されている。第1アジテータ73a、第2アジテータ73bは、先に図7及び図8に示したカラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71C内に設けられたアジテータ73と同様の構成である。
図10は、K用の現像剤収納容器71Kの駆動カップリング74a,74b取り付け部周辺を示す拡大図である。図5及び図10に示すように、K用の現像剤収納容器71Kの第1、第2アジテータ73a,73bの軸部731a,731bの一端部は、容器本体71Aから露出している。この軸部731a,731bの一端部に、攪拌部材用の被駆動側のカップリング手段である駆動カップリング部材(ジョイント部材とも称される)を構成する駆動カップリング74a,74bが設けられている。現像剤収納容器71Kの駆動カップリング74a,74bは、現像剤収納容器71Y,71M,71Cの駆動カップリング74と同様の構成である。
駆動カップリング74a,74bは、図11、図12に示す容器保持部77に装着されたときに画像形成装置本体側の本体カップリング85aK,85bKと接触し噛み合うようになっている。
図5に示すように、K用の現像剤収納容器71Kのスクリュ72の軸部721の一端部は、容器本体71Aから露出しており、この一端部に搬送部材用のジョイント76が設けられている。ジョイント76は、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cのジョイント76と同様の構成であり、図11、図12に示す容器保持部77に装着されたときに画像形成装置本体側の搬送用ジョイント83Kと接触し噛み合うようになっている。
図11及び図12を参照して、現像剤収納容器71Y,71M,71Cの収容部である容器保持部77及び現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kについて説明する。図11は、現像剤収納容器71Y,71M,71C,71Kの収容部である容器保持部77を示す斜視図であり、図12(a)は、現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kを示す斜視図である。図12(b)は、現像剤供給駆動部80Yを代表して示す拡大斜視図である。
図11及び図12に示すように、容器保持部77及びカラー用の現像剤供給駆動部80Y,80M,80Cには、駆動カップリング74に接続される本体駆動側の本体カップリング85Y,85M,85Cが設けられている。K色の現像剤供給駆動部80Kには、第1アジテータの軸部731aに取り付けられた駆動カップリング74aに接続される第1の本体カップリング部材としての本体カップリング85aKが設けられている。また、第2アジテータの軸部731bに取り付けられた駆動カップリング74bに接続される第2の本体カップリング部材としての本体カップリング85bKも設けられている。
また、容器保持部77及び各現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kには、現像剤収納容器71Y,71M,71C,71Kの搬送スクリュ72に接続する搬送用ジョイント83Y,83M,83C,83Kが設けられている。また、容器保持部77及び各現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kには、各現像剤収納容器71Y,71M,71C,71Kが着脱可能(挿脱可能)にするための各種位置決めや案内部材なども配設されている。
現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kは、現像剤収納容器71Y,71M,71C,71K内の現像剤Gであるプレミックストナーを、前記現像剤補給装置のサブホッパに供給するときに用いる駆動部である。現像剤供給駆動部80Y,80M,80Cは、カラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cのアジテータ73、搬送スクリュ72、及び前記サブホッパの第1、第2攪拌搬送部材(96,97)を駆動させるものである。現像剤供給駆動部80Kは、K用の現像剤収納容器71Kの第1アジテータ73a、第2アジテータ73b、搬送スクリュ72、及び前記サブホッパの第1、第2攪拌搬送部材(96,97)を駆動させるものである。
図12に示すように、各現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kは、駆動源としての供給用駆動モータ81Y,81M,81C,81Kを備えている。供給用駆動モータ81Y,81M,81C,81Kは、本例では直流電動機である正逆回転可能なDCモータを採用している。各現像剤供給駆動部80Y,80M,80C,80Kは、複数のギヤからなるギヤ列を有している。このギヤ列を構成するギヤは、図12に示す面板86Y,86M,86C,86Kに回動(正逆方向に円運動することを意味する)自在に支持されている。
図12(b)を用いて、各供給用駆動モータ81Y,81M,81Cの駆動力をカラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの搬送スクリュ、アジテータに伝達する機構を、現像剤供給駆動部80Yを代表して説明すると次のとおりである。尚、現像剤収納容器71Y,71M,71C,71Kは、図11に示す容器保持部77に装着セットされているものとする。この際、本体カップリング85Yと現像剤収納容器71Yの駆動カップリング74とが、図13に示すように係合(係わり合うことを意味する)し、駆動力を伝達可能な噛み合い可能な状態にある。
供給用駆動モータ81Yの駆動力は、その出力軸に固定されたウォーム103aから、ウォーム103aと噛み合うウォームホイール103b、ウォームホイール103と噛み合うスクリュ駆動ギヤ104を介して搬送用ジョイント83Yに伝達される。これにより、図6及び図7等に示す搬送スクリュ72が回転駆動される。スクリュ駆動ギヤ104は、搬送用ジョイント83Yの同軸上に設けられている。
更に、上記駆動力は、スクリュ駆動ギヤ104と噛み合う大径ギヤ105aと同軸に設けられた小径ギヤ105bとからなる第1ギヤ105へと伝達される。更に、上記駆動力は、第1ギヤ105の小径ギヤ105bと噛み合う大径ギヤ106aと同軸に設けられた小径ギヤ106bとからなる第2ギヤ106へと伝達される。更に、上記駆動力は、第2ギヤ106の小径ギヤ106bと噛み合うアジテータ駆動ギヤ84と同軸上に設けられている駆動側の本体カップリング85Yへと伝達される。これにより、駆動側の本体カップリング85Yと現像剤収納容器71Yの駆動カップリング74とが、共に矢印NR方向(正転方向)に回転することで、アジテータ73も同方向に回転駆動されて現像剤を攪拌する動作を行うこととなる。
図12(a)を用いて、供給用駆動モータ81Kの駆動力を現像剤収納容器71Kの搬送スクリュ、アジテータに伝達する機構を、現像剤供給駆動部80Yと相違する点を中心に説明すると、次のとおりである。この際、図13に示すように、画像形成装置本体側の本体カップリング85aKと現像剤収納容器71Kの第1の駆動カップリング74aとが、画像形成装置本体側の本体カップリング85bKと現像剤収納容器71Kの駆動カップリング74bとが係合している。これにより、駆動力を伝達可能な噛み合い可能な状態にある。供給用駆動モータ81Kの駆動力は、現像剤供給駆動部80Yと同様のギヤ列を介して搬送用ジョイント83Kに伝達される。これにより、図5及び図9等に示す搬送スクリュ72が回転駆動される。
更に、上記駆動力は、現像剤供給駆動部80Yと同様のギヤ列を介して、第1アジテータ駆動ギヤ84aKと同軸上に設けられた第1駆動側の本体カップリング85aKへと伝達される。同時に第1アジテータ駆動ギヤ84aKと噛み合う第2アジテータ駆動ギヤ84bKに供給用駆動モータ81Kの駆動力が伝達されると共に、第2アジテータ駆動ギヤ84bKと同軸上設けられた第2駆動側の本体カップリング85bKに駆動力が伝達される。これにより、第1駆動側の本体カップリング85aKと現像剤収納容器71Kの第1駆動カップリング74aとが、共に矢印NR方向(正転方向)に回転する。
同時に、第2駆動側の本体カップリング85bKと現像剤収納容器71Kの第2駆動カップリング74bとが、矢印NR方向と逆方向の矢印RR方向(逆転方向)に回転する。これにより、第1アジテータ73aが矢印NR方向に回転駆動されると同時に、第2アジテータ73bが矢印RR方向に回転駆動されることにより、現像剤が現像剤収納容器71内中央に向けて掻き混ぜられる攪拌動作が行われることとなる。
図13に示すように、駆動側の本体カップリング85Yには、一対の爪状部材85cが一体的に設けられている。同様に、現像剤収納容器71Yの駆動カップリング74には、一対の爪状部材74cが駆動側の本体カップリング85Yの一対の爪状部材85cと選択的に接触し噛み合うように、被駆動側の駆動カップリング74に一体的に設けられている。爪状部材85cと爪状部材74cとが噛み合う回動方向には、一般的に、最初に係合するための比較的大きな適度の遊びが予め設けられている。
本体カップリング85Yは、例えば特開2014−214870号公報の段落[0109]〜[0154]、図1、図15〜図20に開示されているカップリング機構と同様の構成を備えている。このカップリング機構の詳細は、上記公開公報で開示されているとおりであり、重複説明を避ける点からその説明を省略する。
現像剤収納容器は、その組立・製造上から駆動カップリングとアジテータの軸端部とを固定する固定手段が必要である。以下に説明する参考例及び実施形態では、主として駆動カップリングとアジテータの軸端部とを組み付け・固定する構成について説明する。
(参考例1)
図14、図15を参照して、本発明の参考例1を説明する。図14(a)は、参考例1に係るアジテータ73Xと駆動カップリング74Xとの組み付け状態を示す分解斜視図、図14(b)は、駆動カップリング74Xの拡大斜視図である。図15は、参考例1の駆動カップリング74Xを始めとして、後述する参考例2、3の駆動カップリング74Y、74Z、及び実施形態1の駆動カップリング74Aが組み付いたカラー用の現像剤収納容器71Y,71M,71Cの斜視図である。尚、K用の現像剤収納容器については、以下に説明する内容から当業者であれば容易に理解して実施できるから、その図示及び説明を省略し、現像剤収納容器71Y,71M,71Cで代表して説明する(後述する参考例2、3及び実施形態1でも同じ)。
参考例1は、図6〜図8に示した従来例の現像剤収納容器71Y,71M,71Cと比較して、アジテータ73に代えて、アジテータ73Xを用いる点、駆動カップリング74に代えて、駆動カップリング74Xを用いる点が相違する。
図14(a)、図14(b)に示すように、アジテータ73Xは、従来例のアジテータ73と比較して、軸部731に代えて、軸部731Xを用いる点のみ相違する。アジテータ73Xは、軸部731Xの一端部である先端部に、回転防止部733と端部軸735とが一体形成されている。回転防止部733は、軸部731Xの円柱状をなす端部軸735の対向する部分をあたかも切り殺いで形成したような一対の対向する平面をなしている。
アジテータ73Xは、軸部731X、羽根部732、回転防止部733に渡り、全て同じ樹脂で形成されている。この樹脂材質としては、ABS樹脂、PC樹脂、POM樹脂などの一般的な樹脂を使用している。アジテータ73Xの回転防止部733周りは肉厚のため、その一部は肉抜き(肉盗み)形状となっているが、このような図示は図の簡明化のため後述の参考例2、実施形態1に亘り省略している。
駆動カップリング74Xは、後述する図25に示す本体カップリング85Aに対して連結可能であり、アジテータ73Xの軸部731Xの軸端部に対して別体的に設けられている。
駆動カップリング74Xは、従来例の駆動カップリング74と比較して、形状の異なる一対の突起部742と、一対の回転防止部743とを一体的に備え、各突起部742が回転防止部743に近づく位置に配置されている点が主に相違する。駆動カップリング74Xは、アジテータ73Xの回転防止部733及び端部軸735に取り付け・固定される円板状の基部741とほぼ筒状の嵌合壁部を有している。
一対の突起部742は、容器本体71Aと反対側の基部741の端面に、駆動カップリング74Xの周方向に対して180°ずれた位置で前記端面から突出して一体形成されている。一対の突起部742は、図25に示す本体カップリング85Aと接触し噛み合うことにより画像形成装置本体側の駆動力を受け取る爪状をなす。突起部742の細部形状は、後述する図22、図23で説明する。各突起部742は、突起部742同士を連続的に繋ぐ嵌合壁部748に一体形成されたリブ746で補強されている。嵌合壁部748は、リブ746を含め、所謂強度部材である。
回転防止部743は、アジテータ73Xの回転防止部733に取り付けられる嵌合壁部748の内側に形成されている。回転防止部743は、一対の突起部742を介して受け取った画像形成装置本体側の駆動力をアジテータ73X側に伝達する機能を有する。回転防止部743は、嵌合壁部748と一体形成され、一対の平行な貫通した孔平面で形成されている。回転防止部743は、アジテータ73Xの回転防止部733に挿入・嵌合されて、ネジ等の締結部材あるいは熱カシメなどによって回転防止部733に組み付け・固定される。
アジテータ73Xと駆動カップリング74Xとの組み付けは、次のようになされる。先ず、駆動カップリング74Xのアジテータ73Xの軸端部へのセット時に、各回転防止部743が各回転防止部733の面同士で嵌合する。同時に、駆動カップリング74Xの各孔周面744が回転防止部733を除く端部軸735の外周面と嵌合する。これにより、駆動カップリング74Xが、アジテータ73Xの軸端部に対する回転方向の位置が規制されるとともに位置決めがなされる。
次いで、駆動カップリング74Xがネジ等の締結部材あるいは熱カシメなどによって回転防止部733に固定されることで、アジテータ73Xの軸端部に対する駆動カップリング74Xの軸方向の位置が規制されるとともに位置決めがなされる。上記した回転方向の位置規制(回転止め)と、軸方向の位置規制(抜け止め)とによって、駆動カップリング74Xがアジテータ73Xの軸端部の所定位置に実質的且つ確実に固定される。
(参考例2)
図16〜図18を参照して、本発明の参考例2を説明する。図16は、参考例2に係るアジテータ73Yと駆動カップリング74Yとの組み付け状態を示す分解斜視図、図17は、参考例2に係るアジテータ73Yと駆動カップリング74Yとの組付終了状態を示す断面図である。18(a)は、参考例2に係る駆動カップリング74Yの正面図、図18(b)は、参考例2に係る駆動カップリング74Yの断面図である。
参考例2は、図15に示した参考例1の現像剤収納容器71Y,71M,71Cと比較して、図14のアジテータ73Xに代えて、アジテータ73Yを用いる点、駆動カップリング74Xに代えて、駆動カップリング74Yを用いる点が相違する。
図16、図17に示すように、参考例2のアジテータ73Yは、参考例1のアジテータ73Xと比較して、軸部731Xに代えて、軸部731Yを用いる点のみ相違する。アジテータ73Yの軸部731Yには、端部軸735の先端部近傍の外周の対向する位置に、凹状の溝部736が端部軸735の円周方向に形成されている。
駆動カップリング74Yは、後述する図25に示す本体カップリング85Aに対して連結可能であり、アジテータ73Yの軸部731Yの軸端部に対して別体的に設けられている。駆動カップリング74Yは、参考例1の駆動カップリング74Xと比較して、リブ746の一部に切欠き部750が形成されている点、各切欠き部750に挟まれた孔周面744にスナップフィット部747がそれぞれ一体的に設けられている点が相違する。
スナップフィット部747は、弾性変形・復帰を利用した係止手段であり、弾性変形可能な係止手段として機能する。スナップフィット部747の基端部は、リブ746に一体的に形成されている。スナップフィット部747の先端部には、アジテータ73Yの溝部736に係合して嵌り込む係止突起747aが一体形成されている。
アジテータ73Yと駆動カップリング74Yとの組み付けは、次のようになされる。先ず、駆動カップリング74Yのアジテータ73Yの軸端部へのセット時に、各回転防止部743が各回転防止部733の面同士で嵌合する。これにより、駆動カップリング74Yが、アジテータ73Yの軸端部に対する回転方向の位置が規制されるとともに位置決めがなされる。
同時に、駆動カップリング74Yのアジテータ73Yの軸端部へのセット時に、各スナップフィット部747が弾性変形し、各スナップフィット部747の係止突起747aが各溝部736に到達した時に弾性的に元の形状に戻り、各溝部736に嵌り込む。これにより、駆動カップリング74Yのアジテータ73Yの軸端部が係止され、アジテータ73Yの軸端部に対する駆動カップリング74Yの軸方向の位置が規制されるとともに位置決めがなされる。上記した回転方向の位置規制(回転止め)と、軸方向の位置規制(抜け止め)とによって、駆動カップリング74Yがアジテータ73Yの軸端部の所定位置に実質的且つ確実に固定される。
しかしながら、参考例2では以下の問題がある。即ち、スナップフィット部747は、図18(b)の矢印方向に弾性変形させてアジテータ73Yの軸端部の各溝部736と嵌合するので、細長い形状が必要となる。スナップフィット部が太く短いと、変形させるのが難しくなり、組立性が悪化したり、スナップフィット部の破損に繋がったりしてしまう。そのため、スナップフィット部の周囲には、空間が必要となる。図18の駆動カップリング74Yでは、リブ746の一部を切欠いて切欠き部750を設け、スナップフィット部747を設けている。このような構成では、駆動カップリング74Yに大きな負荷が加わった時に、切欠き部750に応力集中し、そこを起点に破損しやすくなってしまう。
(参考例3)
図19を参照して、本発明の参考例3を説明する。図19は、参考例3に係る駆動カップリング74Zの斜視図である。
参考例3は、図15に示した参考例2の現像剤収納容器71Y,71M,71Cと比較して、駆動カップリング74Yに代えて、駆動カップリング74Zを用いる点が相違する。駆動カップリング74Zは、図16等に示した駆動カップリング74Yと比較して、スナップフィット部747の配設位置を、図18に示した位置からリブ746の外側(各突起部742の突出方向と同じ方向)に変更した点のみ相違する。
参考例3の駆動カップリング74Zのように、スナップフィット部747の配設位置をリブ746の外側に設ければ、切欠き部をなくせるので破損には有利になる。しかしながら、今度はスペースが必要となり、駆動カップリング74Zが大型化することで、現像剤収納容器の省スペースが図れなくなってしまう。
(実施形態1)
図20〜図23を参照して、本発明の実施形態1について説明する。図20は、実施形態1に係るアジテータ73Aと駆動カップリング74Aとの組み付け状態を示す分解斜視図、図21(a)は、実施形態1に係る駆動カップリング74Aの斜視図、図21(b)は、実施形態1に係る駆動カップリング74Aの正面図である。
実施形態1は、図16〜図18に示した参考例2と比較して、アジテータ73Yに代えて、アジテータ73Aを用いる点、駆動カップリング74Yに代えて、駆動カップリング74Aを用いる点が相違する。
図20に示すように、実施形態1のアジテータ73Aは、参考例2のアジテータ73Yと比較して、軸部731Yに代えて、軸部731Aを用いる点が相違する。実施形態1の軸部731Aは、参考例2の軸部731Yと比較して、軸部731Yの端部軸735に形成された各溝部736の位置を、一対の回転防止部733に変更した点のみ相違する。
溝部736は、駆動カップリング74Aがアジテータ73Aの軸端部に組み付けられる際に、スナップフィット部747の係止突起747aと係合して、スナップフィット部747と協働して駆動カップリング74Aを軸方向に係止する被係止部として機能する。
駆動カップリング74Aは、図25に示す本体カップリング85Aに対して連結可能であり、アジテータ73Aの軸部731Aの回転防止部733の軸端部に対して別体的に設けられた駆動カップリング部材として機能する。駆動カップリング74Aの一対の突起部742は、画像形成装置本体側の駆動力を受け取る機能を、一対の回転防止部743は、一対の突起部742を介して受け取った画像形成装置本体側の駆動力をアジテータ73Aに伝達する機能を有する。
図20、図21に示すように、実施形態1の駆動カップリング74Aは、参考例2の駆動カップリング74Yと比較して、スナップフィット部747の配設位置を切欠き部のない一対の回転防止部743に変更するとともに、特有の構造で設けた点のみ相違する。
スナップフィット部747は、アジテータ73Aの回転防止部733に形成された溝部736と係合してアジテータ73Aの軸端部を係止する、弾性変形可能な係止手段として機能する。
内壁面745を構成する回転防止部743には、回転防止部743の孔平面より凹んだ凹部749が形成されている。この凹部749は、嵌合壁部748の一部を切欠きを生じることなくえぐるように形成されている。
スナップフィット部747は、基端部が凹部749の内側に設けられていて、嵌合壁部748に一体に形成され、先端部の係止突起747aが突起部742の突出方向と同じアジテータ73Aの軸方向に細長く延びて形成されている。
上記のとおり、嵌合壁部748は、各突起部742と一体的に設けられ、各突起部742を連続的に繋ぐとともに、回転防止部743を含み、アジテータ73Aの回転防止部733及び端部軸735と嵌合する内壁面745及び凹部749を備えている。即ち、内壁面745は、アジテータ73Aの軸端部の外周面と嵌合する嵌合壁部748の内側の全ての面を含むものであり、2つの孔平面で形成された回転防止部743と、アジテータ73Aの端部軸735と嵌合する部分円筒状の孔周面744とを含んでいる。突起部742同士を連続的に繋ぐ嵌合壁部748は、リブ746とともに各突起部742の補強となっている。
駆動カップリング74Aは、ABS樹脂やPC樹脂でも形成しても問題ないが、後述する図25に示す本体カップリング85Aとの係合・噛み合いとの関係で、摺動性に優れるPOM樹脂が好ましい。尚、実施形態1の後述する安価な効果を望まなくてもよいのであれば、弾性変形・復帰可能な材質であればよく、例えばばね鋼などで形成してもよい。
アジテータ73Aと駆動カップリング74Aとの組み付けは、上記した参考例2から当業者であれば容易に理解して実施できるから、その説明を省略する。
図20、図21に示したとおり、実施形態1の駆動カップリング74Aでは、スナップフィット部747は、リブ746の形状部に切欠き部がないように設けられている。また、駆動カップリング74Aでは、スペースに余裕がある回転防止部733の位置に配設することで、図18等に示した参考例2の駆動カップリング74Yと同サイズであっても、切欠き部をなくせる。そのため、駆動カップリング74Aのスナップフィット部747近傍での応力集中を防止できる。これにより、弾性変形を利用したスナップフィット性と駆動カップリング強度を両立させた省スペースな駆動カップリング74Aを実現できる。
次に、図22を参照して、実施形態1の駆動カップリング74Aの突起部742を回転防止部743の近くに配置した内容について、本発明に係る変形例と対比しつつ説明する。図22(a)は、実施形態1の駆動カップリング74Aを模式的に説明する正面図、図22(b)は、変形例の駆動カップリング74Wを模式的に説明する正面図である。
図22(a)、図22(b)に示すように、突起部742の先端部には、駆動カップリング74A、74Wの回転方向に沿って傾斜した傾斜面742aと、傾斜面742aの中央部に尖った角部742bとが形成されている。742cは、駆動カップリング74A、74Wの中心を示す。尚、駆動カップリング74A、74Wの突起部742の傾斜面742a、角部742b、回転防止部743等の細部形状・寸法及び材質は、下記する点を除き同じである。
図22(a)に示す実施形態1の駆動カップリング74Aでは、回転防止部743の近くに突起部742を配置している。換言すれば、駆動カップリング74Aでは、一対の突起部742が一対の回転防止部743にそれぞれ対向するように、突起部742と回転防止部743とが近づくように配置されている。
これに対して、図22(b)に示す変形例の駆動カップリング74Wでは、回転防止部743に対して突起部742を遠くに配置している。換言すれば、駆動カップリング74Wでは、一対の突起部742が一対の回転防止部743と対向する位置からそれぞれ遠ざかるように、突起部742と回転防止部743とが離れるように配置されている。
図22(a)、図22(b)において、アジテータ73Aが現像剤を攪拌すべく回転する際に負荷Nを受ける突起部742の第1の点を点PA、負荷Nにより駆動カップリング74A、74Wが回転する力を受ける回転防止部743の第2の点を点PBとする。回転する方向の力を受けるので、回転防止部743ではあたかも片寄りの状態となる。そして、駆動カップリング74Aにおける点PAと点PBとを結ぶ線分の長さをL1とし、駆動カップリング74Wにおける点PAと点PBとを結ぶ線分の長さをL2とする。
駆動カップリング74A、74Wの上記各位置関係により、L1<L2となる。図20に示したアジテータ73Aに負荷Nが加わった時、駆動カップリング74Wは、回転防止部743から突起部742へと負荷が伝達する。このとき、突起部742には、回転防止部743からの距離に応じて加わる負荷モーメントの大きさが加わる。つまり、図22(a)においてはN×L1の、図22(b)においてはN×L2の、それぞれ負荷モーメントが加わる。L1<L2の関係となるので、図22(a)の駆動カップリング74Aの方が図22(b)の駆動カップリング74Wに比べて、負荷に対する変形及び破損が有利となる。従って、実施形態1の構成とすることで、駆動カップリング74Aの突起部742に加わる負荷を低減できるため、破損や変形に有利な駆動カップリング74Aを実現し提供することができる。
(実施例1)
図23、図24を参照して、実施形態1の実施例1について説明する。図23は、実施例1の駆動カップリング74Aの各種寸法を説明する正面図、図24は、突起部位置の角度(°)と負荷モーメント比率との関係を表すグラフである。
図23において、駆動カップリング74Aの各種寸法は、次のとおりである。図20に示したアジテータ73Aの軸部731Aの端部軸735が嵌合する部分である駆動カップリング74Aの軸径X1=φ18.5mm、回転防止部743の対向面の寸法X2=14.5mm、突起部742の外径X3=φ30mm、突起部742の内径X4=φ22mm、突起部742の片側角度X5=20°である。
尚、軸径X1は、図20に示したアジテータ73Aの軸部731Aの端部軸735が嵌合する部分の内径寸法である。駆動カップリング74Aの上記各種寸法に対して、下記寸法形状のスナップフィット部747を干渉しない十分なスペースを備えた凹部749に設けている。スナップフィット部747の寸法は、図23において、幅Xa=2.5mm、厚さ=1.0mm、図20の軸方向の長さである突出し量4.0mmであり、スナップフィット部747の係止突起747aの軸中心側への突出し量(嵌合する箇所)Xb=0.5mmである。
スナップフィット部747の係止突起747aがアジテータ73Aの軸端部の溝部736に係合・嵌合する溝深さは0.9mmであり、溝部736に嵌まると同時に弾性変形による力が解放されるようにしている。上記したスナップフィット部747構成とすることで、良好な組立性と十分な係止力を得られた。
また、駆動カップリング74Aは、材質としてPOM樹脂を用いて、射出成型法によって一体成形したものを用いて上記の強度確認試験を行い、図24の結果を得た。
上記形状寸法の駆動カップリング74Aにて、図23に示す駆動カップリング74Aの突起部742の位置を図22(a)から図22(b)の位置へと角度αを振った時の負荷モーメント(N×L)比率を図24に示す。尚、図23の突起部の中心位置の角度0°(図22(a))の負荷モーメント比率を1としている。
突起部742の位置を図22(b)側にする程、距離Lが長くなるので、負荷モーメント比率も大きくなる。図22(b)に示すように、突起部742の位置の角度90°になると、負荷モーメント比率は約1.9となる。つまり、図22(b)の駆動カップリング74Wの突起部742の位置に対して、実施例1のような図22(a)の駆動カップリング74Aの突起部742の位置にすることで、駆動カップリング74Aに加わる負荷モーメントを半減できる。
実施例1において、最大負荷Nは、1000Nである。この時、駆動カップリング74AがPOM樹脂で形成されている場合、負荷モーメント20000N・mmを超えると、変形や破損といった不具合が発生した。安全率1.5とした場合、負荷モーメントは13300N・mm以下であることが望ましい。これは、図22(a)の駆動カップリング74Aの突起部742の位置に対して、約12°のずれの範囲内であれば満足できる。
上述したとおり、実施例1の駆動カップリング74Aでは、以下のように表現できる。図22(a)において、アジテータ73Aが現像剤を攪拌すべく回転する際に負荷Nを受ける突起部742の第1の点を点PA、負荷Nにより駆動カップリング74Aが回転する力を受ける回転防止部743の第2の点を点PBとする。図22(a)に示すように、駆動カップリング74Aは、点PAと点PBとを結ぶ線分L1の長さが最短となる突起部742と回転防止部743とが対向した対向位置にある。この対向位置から、突起部742の中心742cが回転防止部743に対して回転方向に所定の角度だけ若干進んだ範囲内に位置するように、突起部742と回転防止部743とを近づけて配置するものである。
図25は、本体カップリング85Aの形状を補説するとともに、本体カップリング85Aと駆動カップリング74A(参考例の駆動カップリング74X、74Y、74Z)との形状及び係合・噛み合い状態を示す斜視図である。以下、駆動カップリング74Aを代表して説明する。
本体カップリング部材としての本体カップリング85Aは、図13に示した本体カップリング85と比較して、一対の突起部である爪状部材85cの形状に代えて、一対の突起部852の形状を変更した点のみ相違する。即ち、本体カップリング85Aの一対の突起部852は、駆動カップリング74Aの一対の突起部742の形状に合わせて形状を変更しているだけである。
本体カップリング85Aは、本体カップリング85と同様の、駆動軸端部に設けられた円板状の基部851と、形状のみ変更した一対の突起部852とを一体的に備えている。一対の突起部852は、爪状をなし、基部851の駆動カップリング74Aと対向する側の端面であって、本体カップリング85Aの周方向に対して180°ずれた位置で前記端面から軸方向に突出して設けられている。
突起部852の先端部には、本体カップリング85Aの回転方向に沿って傾斜した傾斜面852aと、傾斜面852aの中央部に尖った角部852bとが形成されている。尚、本体カップリング85Aの駆動軸端部とアジテータ駆動ギヤ周りの細部構成は、例えば特開2014−214870号公報の段落[0109]〜[0154]、図1、図15〜図20に開示されているカップリング機構と同様の構成を備えている。このカップリング機構および動作の詳細は、上記公開公報で開示されているとおりであり、重複説明を避ける点からその説明を省略する。
図25において、画像形成装置本体側の本体カップリング85Aが回転していくと、現像剤収納容器側の駆動カップリング74Aの側面742dと本体カップリング85Aの側面852dとが接触して駆動が伝達される。本体カップリング85Aの先端部は傾斜面852a及び角部852bを有し、駆動カップリング74Aの先端部は傾斜面742a及び角部742bを有する。本体カップリング85Aと駆動カップリング74Aとを、このような形状とすることで、現像剤収納容器のセット時に、両者の突起部が接触した時に、お互いに逃げるような力を加えることができる。そのため、両者の突起部同士が接触する位置関係にあっても、現像剤収納容器がセットできないという不具合を防止できる。これにより、ユーザの操作性を改善した駆動カップリングを実現できる。
以上説明したとおり、実施形態1等によれば、次の技術構成により以下の効果を奏する。
実施形態1及び実施例1では、現像剤Gなどの現像剤を収納する容器本体71Aなどの現像剤収納部と、現像剤収納部内の現像剤を攪拌する回転可能な、外周の一部に溝部736などの被係止部が形成された軸部731Aなどの軸を有するアジテータ73Aなどの攪拌部材と、画像形成装置本体側に設けられた供給用駆動モータ81などの駆動源からの駆動力を攪拌部材に伝達する本体カップリング85Aなどの本体カップリング部材に対して連結可能であり、攪拌部材の軸の端部に固定された駆動カップリング74Aなどの駆動カップリング部材と、を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能な現像剤収納容器71などの現像剤収納容器であって、駆動カップリング部材は、本体カップリング部材と接触して駆動力を受け取る一対の突起部742などの複数の突起部と、複数の突起部から受け取った駆動力を前記攪拌部材に伝達する回転防止部743などの回転防止部と、回転防止部を含み、各突起部と一体的に設けられ、各突起部を連続的に繋ぐとともに、軸の端部と嵌合する内壁面745などの内壁面を備え、且つ内壁面より凹んで凹部749などの凹部が形成された嵌合壁部748などの嵌合壁部と、凹部の内側に設けられ、被係止部と係合して軸の端部を係止する、弾性変形可能なスナップフィット部747などの係止手段と、を具備する第1の技術構成であった。
かかる第1の技術構成により、駆動カップリング部材と攪拌部材の軸端部とを弾性変形可能な係止手段で係止した場合に、駆動カップリング部材の破損や変形等の不具合発生がなく、低コスト且つ省スペースな現像剤収納容器を提供することができる。
実施形態1及び実施例1では、第1の技術構成において、係止手段は、回転防止部に設けられている第2の技術構成であった。
かかる第2の技術構成により、より省スペース、且つコンパクトな現像剤収納容器を提供することができる。
実施形態1及び実施例1では、第1又は第2の技術構成において、攪拌部材が現像剤を攪拌すべく回転する際に負荷Nなどの負荷を受ける突起部の点PAなどの第1の点と、負荷により駆動カップリング部材が回転する力を受ける回転防止部の点PBなどの第2の点とを結ぶ線分L1などの線分の長さが最短となる突起部と回転防止部とが対向した位置から、突起部の中心が回転防止部に対して軸の回転方向に所定の角度だけ若干進んだ範囲内に位置するように、突起部と回転防止部とを近づけて配置した第3の技術構成であった。
かかる第3の技術構成により、駆動カップリング部材の材質に関わらず、駆動カップリング部材の変形や破損を未然に防止することができる現像剤収納容器を提供することができる。
実施形態1等では、第1〜第3の何れか1つの技術構成において、突起部の先端部は、回転方向に沿って傾斜した傾斜面742aなどの傾斜面と、角部742bなどの角部とを有する第4の技術構成であった。
かかる第4の技術構成により、現像剤収納容器のセット時に、現像剤収納容器がセットできないという不具合を防止できるので、ユーザの操作性を改善した駆動カップリングを実現し提供することができる。
実施形態1等では、第1ないし第4の何れか1つの技術構成において、駆動カップリング部材は、樹脂で形成されている第5の技術構成であった。
かかる第5の技術構成により、低コスト、かつ低環境負荷な現像剤収納容器を実現し提供することができる。
実施形態1等では、第1ないし第5の何れか1つの技術構成の現像剤収納容器を備えた画像形成装置である第6の技術構成であった。
かかる第6の技術構成により、現像剤補給不具合発生頻度の少ない信頼性の高い画像形成装置を実現し提供することができる。
実施形態1等では、第1ないし第5の何れか1つの技術構成の現像剤収納容器を複数備えた画像形成装置である第7の技術構成であった。
かかる第6の技術構成により、現像剤補給不具合発生頻度の少ない信頼性の高い多色ないしカラー画像形成装置を実現し提供することができる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
例えば、本発明は、上述したようにトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置に限らず、1成分現像剤としてのトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置にも適用ないしは準用可能である。
実施形態1では、アジテータ73Aの端部軸735に対向する一対(複数)の平面である回転防止部733が設けられ、これに嵌合すべく、駆動カップリング74Aにも一対の孔平面である回転防止部743が設けられていたが、これに限定されない。例えば、両部材の回転防止部(回転規制部)を、D字形状をなす端部軸及び孔形状で形成するとともに、スナップフィット部を単一又は複数で設けた構成でもよい。
更には、構成が複雑になるが、例えば、両部材の回転防止部(回転規制部)や突起部を3つ以上設けた構成でもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。