近年、携帯機器の普及、省エネルギー化、廃棄物削減等の要望により、データの書き換えが可能で且つ電源を切ってもデータが保持される不揮発性メモリを内蔵した半導体装置の需要が高まっている。不揮発性メモリには、EEPROM(Electric Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等がある。
このようなメモリを含む半導体素子に対して行われる試験の1つに、所定温度に加熱した後にデータの消失の有無を調べる電気試験(リテンション試験)がある。この電気試験は、ウエハ(基板)から個片化した半導体素子をパッケージングした後や、製品等に組み立てた後に行われることもあるが、個片化前のウエハレベルで半導体素子毎に行われることが多い。ウエハレベルでの試験の結果に基づき、良品とされる半導体素子(良品チップ)と、不良品とされる半導体素子(不良品チップ)とが区別される。ウエハレベルでの試験の結果は、例えば、ウエハマップの形式とされ、後工程では、そのウエハマップに基づき、良品チップが選別され、不良品チップは破棄される。
ところが、ウエハと試験装置とが適正にアライメントされていないと、ウエハ上の半導体素子位置と、試験の結果との間にずれが生じ得る。例えば、半導体素子Aに対して行ったつもりの試験が、実際には隣の半導体素子Bに対して行ったものであり、半導体素子A,Bの試験結果によっては、良品チップと不良品チップとが混同してしまう恐れがある。このように良品チップと不良品チップとが混同してしまうと、後工程において不良品チップを良品チップと取り違えたり、良品チップを不良品チップとして破棄したりする恐れがある。
そこで、ウエハレベルの試験では、ウエハの特定の位置に、基準となるマークを設け、そのマークを目印にしてウエハと試験装置とのアライメントを行い、試験対象の半導体素子がウエハのどこに位置するものなのかを把握する。尚、アライメントには、原点の位置合わせ、θ方向の位置合わせ、ウエハ画像の倍率設定又は変更時の基準点の位置合わせ等が含まれる。
例えば、ウエハ露光時の1ショット領域内に、1チップ分を潰してマークとなるパターンを形成するか、或いは1チップ分に何もパターンを形成しない部分を設け、ウエハ上の当該1チップ分の部分を目印に、画像認識技術によって基準位置を検出する方法がある。しかし、この方法では、1枚のウエハからの製品となる半導体素子の収率の低下、製品となる半導体素子とそれとは異なるパターンの目印とを設けるプロセスを導入することに伴うコストの増大や歩留まりの低下等を招く恐れがある。
このほか、電気試験時に製品用半導体素子とは異なる電圧値が検出される半導体素子や、画像処理時に製品用半導体素子とは異なるコントラストで撮像される半導体素子を、目印とする半導体素子としてウエハ上に形成する方法もある。しかし、これらの方法でも、1枚のウエハからの半導体素子の収率の低下、目印を設けるプロセスを導入することに伴うコストの増大や歩留まりの低下等を招く恐れがある。
尚、ウエハ上の半導体素子を直接計数することで、特定の半導体素子を見つける方法もあるが、この方法では、計数に誤りが生じる可能性があり、ウエハ上に形成される半導体素子が数千個といった大規模になると、そのような計数の誤りがより起こり易くなる。
一例として、画像認識技術を用いた目印(基準位置)の検出方法について述べる。
図1及び図2は画像認識技術を用いた基準位置の検出方法の一例を説明する図である。
例えば、半導体素子が形成されたウエハについて、図1(A)のような画像100が取得される。画像100には、半導体素子110、スクライブ領域120及びマーク130が含まれる。
半導体素子110は、マトリックス配置される。スクライブ領域120は、隣接する半導体素子110間に設けられる。マーク130には、半導体素子110の端部に設けられたマーク131、及び半導体素子110の端部とその脇のスクライブ領域120とに設けられたマーク132が含まれる。マーク131,132は、画像100上、半導体素子110及びスクライブ領域120の、マーク131,132が設けられていない部分とは、異なるコントラストとなるように形成されている。尚、マーク131,132のサイズによっては、隣接するマーク131とマーク132の間のスクライブ領域120や、隣接するマーク132の間のスクライブ領域120が、図1の例のように、画像100上ではマーク131,132と同様のコントラストになる。
今、このような画像100の、図1(B)の枠200aで囲まれた領域のパターン部の形状を、画像認識用のテンプレート200として設定する。図1(A)のような画像100から、画像認識により、この図1(B)のようなテンプレート200に合致するパターン部(の組)を検出する。
例えば、図2のように、画像100を撮像するウエハが載置されるステージが移動され(ステップS1)、撮像される画像100の所定領域のパターン部と、図1(B)のようなテンプレート200とが比較される(ステップS2)。そして、画像100の所定領域のパターン部とテンプレート200とが合致するか否かが判定される(ステップS3)。合致すると判定された場合には(ステップS3)、画像100の当該所定領域のパターン部が、テンプレート200に合致するパターン部として検出され(ステップS4)、画像認識が完了する。一方、画像100の当該所定領域のパターン部とテンプレート200とが合致しないと判定された場合には(ステップS3)、ステップS1に戻り、それ以降の処理が行われる。
このような画像認識により、ウエハの画像100から、設定されたテンプレート200に合致するパターン部を含む領域が検出され、検出された当該領域(例えば当該領域内の半導体素子の中心や角等の一点)をアライメントの基準に用いることが可能になる。
しかし、このような図1(B)の枠200aで囲まれた画像認識用のテンプレート200のパターン形状は、図1(C)に示す、同じ画像100内の枠210や枠220で囲まれた領域のパターン形状と類似している。そのため、画像認識の際、画像100から、図1(B)の枠200aのパターン部ではなく、誤って図1(C)の枠210や枠220のパターン部が、テンプレート200に合致するものとして検出されてしまう場合がある。このような誤った検出が起こると、基準に用いられる領域がずれるため、画像100が取得されたウエハについて、適正なアライメントを行うことができなくなる。
このような問題に対し、例えば、ウエハ上の1チップ分の半導体素子を潰して目印にすることで、画像認識の合致率(マッチング率)を高めることは可能である。しかし、この方法では、前述のように、半導体素子の収率の低下等を招く。また、この方法では、ウエハ上の半導体素子が微細化すると、目印も小さくなり、画像認識のマッチング率が高まらず、根本的な改善に繋がらないことがある。
このほか、高倍率の画像100を用いて画像認識のマッチング率を高めることも可能である。しかし、ウエハ上の半導体素子が微細化しても充分なマッチング率が得られるような高倍率を実現するために、レーザー干渉計ステージ(露光装置に使われている駆動形式)等の機構を搭載するとした場合、装置費用が格段に増大してしまう。
以上のような点に鑑み、画像認識技術を用いる、以下の実施の形態に示すような検出方法を採用し、基板の基準位置を適正に検出する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図3は第1の実施の形態に係る第1テンプレートの設定を説明する図である。
半導体素子が形成されたウエハについて、テンプレート設定用の画像として、図3のような画像10が取得される。画像10には、半導体素子11、スクライブ領域12及びマーク13が含まれる。
半導体素子11は、マトリックス配置される。スクライブ領域12は、隣接する半導体素子11間に設けられる。マーク13には、半導体素子11の端部に設けられたマーク13a、及び半導体素子11の端部とその脇のスクライブ領域12とに設けられたマーク13bbが含まれる。マーク13a及びマーク13bbは、画像10上、半導体素子11及びスクライブ領域12の、マーク13a及びマーク13bbが設けられていない部分とは、異なるコントラストとなるように形成されている。尚、隣接するマーク13bbの間のスクライブ領域12は、画像10上ではマーク13bbと同様のコントラストになり、マーク13bのような集合体となって現れる。図3には一例として、上下に隣接するマーク13bbの集合体であるマーク13bが、斜め方向に3つ並設されたような配置になる場合を図示している。
このような画像10に現れるマーク13a,13bb(13b)は、図26のような構造により得ることができる。図26には、ウエハの要部断面の一例を図示している。図26のように、ウエハは、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された保護層3とを有する。半導体素子11は、トランジスタ等の素子が形成されるデバイス部4と、端部に形成されたパッド部5とを含み、そのパッド部5に隣接するスクライブ領域12には、スクライブパターン部6が設けられる。パッド部5及びスクライブパターン部6には、例えば金属が用いられ、このようなパッド部5及びスクライブパターン部6が、例えば絶縁層2及び保護層3から露出する。画像10の取得(撮像)時には、絶縁層2及び保護層3と、パッド部5及びスクライブパターン部6との反射率の違いにより、パッド部5及びスクライブパターン部6がマーク13a,13bb(13b)となって現れる。後述する画像10Aについても同様である。
上記のようなテンプレート設定用の画像10について、例えば、図3のような枠20aで囲まれた、2つのマーク13bを含むパターン部のパターン形状が、画像認識用の第1テンプレート21として設定される。
図4は第1の実施の形態に係る第2テンプレートの設定を説明する図である。
テンプレート設定用の画像10について、上記のような第1テンプレート21と共に、図4のような枠20bで囲まれた、1つのマーク13bを含むパターン部のパターン形状が、画像認識用の第2テンプレート22として設定される。第2テンプレート22のサイズは、画像10内の、スクライブ領域12を含めた半導体素子11の配置ピッチに基づいて設定される。尚、配置ピッチとは、一のスクライブ領域12の中間点から、当該一のスクライブ領域12と半導体素子11を挟んで対向する他のスクライブ領域12の中間点までの距離である。
上記のようなテンプレート設定用の画像10内の、設定された第2テンプレート22に合致するパターン部群の配置を示す情報が、上記第1テンプレート21に合致するパターン部の配置を示す情報と関連付けられ、テンプレート配置情報として設定される。このようなテンプレート配置情報の設定について、更に図5〜図7を参照して説明する。
図5〜図7は第1の実施の形態に係るテンプレート配置情報の設定を説明する図である。
画像10を用いたテンプレート配置情報の設定では、まず、図5のように、第2テンプレート22のサイズを単位分割サイズとして、画像10がマトリックス分割される。このようにマトリックス分割された画像10の各分割領域14と、設定された上記第2テンプレート22とが比較される。
マトリックス分割された画像10の一部を図6(A)に、第2テンプレート22を図6(B)に、それぞれ示す。図6(A)には、画像10のマトリックス分割で生成される分割領域14のうち、6つの分割領域14(14a,14b,14c,14d,14e,14f)を図示している。マトリックス分割された画像10の各分割領域14と、設定された第2テンプレート22とが、画像認識によって比較され、画像10から、第2テンプレート22に合致するパターン部(分割領域14)が検出される。図6(A)の例では、分割領域14d(左下)が、図6(B)の第2テンプレート22と合致し、当該分割領域14dを除いた残りの分割領域14a,14b,14c,14e,14fは、第2テンプレート22とは合致しない。画像10内の各分割領域14について、画像認識によるこのような第2テンプレート22との比較及び合致判定が行われ、第2テンプレート22に合致する分割領域14が検出される。
分割領域14と第2テンプレート22との比較及び合致判定の結果の一例を図7に示す。図7には、マトリックス分割された画像10内の、第2テンプレート22に合致するパターン部(分割領域14)を、枠20bで図示している。図7には、マトリックス分割された画像10内の、第1テンプレート21に合致するパターン部を、枠20aで併せて図示している。
分割領域14と第2テンプレート22との比較及び合致判定の結果、例えば図7のように、画像10内の3箇所、即ち斜め方向に並ぶ3つのマーク13b(図3)が存在する3箇所の分割領域14に、第2テンプレート22に合致するパターン部が検出される。この画像10内の3箇所の分割領域14(第2テンプレート22に合致するパターン部)の配置を示す情報が取得される。
例示する画像10内に存在する、第2テンプレート22に合致するパターン部(分割領域14)群の配置を示す情報には、例えば、次のような内容が含まれる。
即ち、まず第1テンプレート21に合致するパターン部と一定の配置関係にある、第2テンプレート22に合致するパターン部群のいずれか1つ、例えば左上のパターン部22aが基準点とされる。このような一定の基準点設定ルールに従って設定された基準点のパターン部22aに対して、残りのパターン部22b,22cがどのような位置に配置されているか、という内容が含まれる。
具体的には、基準点のパターン部22aを原点とするXY座標系を設定した時、パターン部22bは、原点(X=0,Y=0)から+X方向に分割領域14で2つ分、−Y方向に分割領域14で1つ分の点(X=2,Y=−1)に位置する。パターン部22cは、原点(X=0,Y=0)から+X方向に分割領域14で4つ分、−Y方向に分割領域14で2つ分の点(X=4,Y=−2)に位置する。3箇所のパターン部22a,22b,22cのこのような位置関係が、画像10内の、第2テンプレート22に合致するパターン部群の配置を示す情報として、取得される。
このようにして取得された、第2テンプレート22に合致する枠20bのパターン部群(22a,22b,22c)の配置を示す情報が、第1テンプレート21に合致する枠20aのパターン部(22a,22b)の配置を示す情報と関連付けられる。関連付けられた情報が、テンプレート配置情報(図7)として設定される。
以上のようにして、まずテンプレート設定用の画像10について、第1テンプレート21及び第2テンプレート22の設定、並びに、第1テンプレート21及び第2テンプレート22に合致するパターン部群の配置を示すテンプレート配置情報の設定が行われる。
基準位置検出対象ウエハについて、その基準位置を検出する際には、その対象ウエハについて画像が取得され、画像認識により、第1テンプレート21に対応するパターン部と、第2テンプレート22に対応するパターン部群とが検出される。これらのパターン部の配置が、設定された上記テンプレート配置情報、即ち第1テンプレート21に合致する枠20aのパターン部と第2テンプレート22に合致する枠20bのパターン部群との配置と比較され、合致するか否か判定される。そして、合致すると判定された画像内の、第1テンプレート21に合致するパターン部の位置やその内部の所定位置(半導体素子の中心や角)、第2テンプレート21に合致するパターン部群のいずれか1つの位置等が、対象ウエハの基準位置に設定される。
このようなウエハの基準位置検出について、図8〜図11を参照して、より具体的に説明する。
図8〜図11は第1の実施の形態に係るウエハの基準位置検出の一例を説明する図である。
例えば、基準位置検出対象ウエハについて、図8(A)のような画像10Aが取得されたとする。この画像10Aには、上記テンプレート設定用の画像10と同様に、半導体素子11、スクライブ領域12及びマーク13が含まれる。マーク13には、半導体素子11の端部に設けられたマーク13a、及び半導体素子11の端部とその脇のスクライブ領域12とに設けられたマーク13bbが含まれる。上下に隣接するマーク13bbの集合体であるマーク13bが、斜め方向に3つ並設された配置となっている。
このような画像10Aにおいて、上記のように設定された第1テンプレート21に合致するパターン部であって、第2テンプレート22に合致するパターン部群との配置関係も合致するパターン部は、図8(A)の枠20Aaで囲まれた領域になる。この枠20Aaで囲まれた領域のパターン部21Aが、画像認識によって第1テンプレート21に合致するものとして検出されるべきパターン部である。
画像10Aに対する画像認識の際、第1テンプレート21に対応するパターン部として、この図8(A)のような枠20Aaのパターン部21Aが検出されればよい。しかし、第1テンプレート21に対応するパターン部として、例えば、枠20Aaで囲まれたパターン部21Aと類似する、図8(B)のような枠20Acで囲まれたパターン部23Aが検出されたとする。図8(B)のパターン部23Aは、そのパターン形状が第1テンプレート21に合致するものの、第2テンプレート22に対応するパターン部群との配置関係が図8(A)とは合致しないパターン部である。そのため、画像認識によってパターン部23Aを検出し、それを基準位置の設定に用いてしまうと、ウエハのアライメントにずれが生じる恐れがある。
本手法では、このように画像認識によって第1テンプレート21に対応するパターン部が検出された後、画像10Aがマトリックス分割される。このマトリックス分割は、上記第2テンプレート22のサイズで行われる。このようにマトリックス分割された画像10Aの各分割領域14について、第2テンプレート22との比較及び合致判定が行われ、第2テンプレート22に対応するパターン部群が検出される。画像10Aについて第1テンプレート21及び第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部群の配置が、第1テンプレート21及び第2テンプレート22に基づいて設定されたテンプレート配置情報と比較され、合致判定される。この点について、図9〜図11に示す例で説明する。
図9(A)は、図8(A)の例に対応した配置を示す図である。図9(A)には、分割領域14、第1テンプレート21に合致するパターン部21A(枠20Aa)、及び第2テンプレート22に合致するパターン部22A群(枠20Ab)の配置を図示している。この例では、一定の基準点設定ルールに従い、パターン部21A内の左上のパターン部22Aaが基準点とされる。図9(A)のようなパターン部21A及びパターン部22A群の配置を示す情報が、テンプレート配置情報として設定されている(図5〜図7)。
図9(B)は、図8(B)の例に対応した配置を示す図である。図9(B)には、分割領域14、第1テンプレート21に対応するものとして検出されたパターン部23A(枠20Ac)、及び第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部24A群(枠20Ad)の配置を図示している。図9(B)の例では、図9(A)の場合と同じ基準点設定ルールに従い、パターン部23A内の左上のパターン部24Abが基準点とされる。この場合、パターン部23A及びパターン部24A群の配置は、図9(A)のパターン部21A及びパターン部22A群の配置とは合致しない。
即ち、設定されたテンプレート配置情報では、図9(A)のように、パターン部21A内の左上のパターン部22A(22Aa)が基準点とされ、そこから右斜め下方に2つのパターン部22A群(22Ab,22Ac)が配置される。これに対し、図9(B)の例では、パターン部23A内の左上のパターン部24A(24Ab)が基準点とされ、そこから右斜め下方には1つのパターン部24A(24Ac)しか配置されず、左斜め上方にパターン部24A(24Aa)が配置される。
このように、パターン部23A及びパターン部24A群の配置は、設定されたテンプレート配置情報のパターン部21A及びパターン部22A群の配置とは合致しない。このことから、画像10Aの画像認識による、第1テンプレート21に対応するパターン部の検出、即ち枠20Acのパターン部23Aの検出に誤りがあったことが判明する。
一方、上記図8(B)の例とは違い、図10(A)のような画像10Aに対する画像認識により、第1テンプレート21に対応するものとして、図10(B)のような枠20Aeで囲まれたパターン部25Aが検出されたとする。この場合も上記同様、画像10Aがマトリックス分割され、各分割領域14と第2テンプレート22との比較及び合致判定が行われ、第2テンプレート22に対応するパターン部群が検出される。
図11(A)には、図9(A)と同様に、分割領域14、第1テンプレート21に合致するパターン部21A、及び第2テンプレート22に合致するパターン部22A群の配置を図示している。一定の基準点設定ルールに従い、パターン部21A内の左上のパターン部22Aaが基準点とされる。図11(A)のようなパターン部21A及びパターン部22A群の配置を示す情報が、テンプレート配置情報として設定されている(図5〜図7)。
図11(B)は、図10(B)の例に対応した配置を示す図である。図11(B)には、分割領域14、第1テンプレート21に対応するものとして検出されたパターン部25A(枠20Ae)、及び第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部26A群(枠20Af)の配置を図示している。図11(B)の例では、図11(A)の場合と同じ基準点設定ルールに従い、パターン部25A内の左上のパターン部26Aaが基準点とされる。この場合、パターン部25A及びパターン部26A群の配置は、図11(A)のパターン部21A及びパターン部22A群の配置と合致する。
即ち、図11(A)では、基準点のパターン部22A(22Aa)から右斜め下方に2つのパターン部22A群(22Ab,22Ac)が配置される。図11(B)でも同様に、基準点のパターン部26A(26Aa)から右斜め下方に2つのパターン部26A群(26Ab,26Ac)が配置される。
このように、パターン部25A及びパターン部26A群の配置は、設定されたテンプレート配置情報のパターン部21A及びパターン部22A群の配置と合致する。このことから、画像10Aの画像認識による、第1テンプレート21に対応するパターン部の検出、即ち枠20Aeのパターン部25Aの検出が適正であったことが判明する。
画像認識が適正に行われることで、対象ウエハの基準位置を適正に検出、設定することが可能になる。
続いて、上記のような基準位置検出に用いられる検出装置及びその処理の一例(第1の例)について説明する。
図12は第1の実施の形態に係る検出装置の構成例を示す図である。
図12に示す検出装置30は、取得部31、第1設定部32、第2設定部33、分割部34、第1生成部35、第1検出部36、第2検出部37、第2生成部38、判定部39及び駆動部40を有する。検出装置30は更に、記憶部41、入力部42及び出力部43を有する。
取得部31は、半導体素子が形成されたウエハの画像を取得する。取得部31は、画像として、第1テンプレート21及び第2テンプレート22の設定に用いるテンプレート設定用の画像10、或いは基準位置検出対象ウエハの画像10Aを取得する。取得部31は、例えば、撮像装置を含み、その撮像装置を用いて所定ウエハの所定領域を撮像することで、画像を取得する。尚、取得部31は、所定ウエハについて、検出装置30外の撮像装置で撮像された画像のデータを受信することで、画像を取得してもよい。
第1設定部32は、取得部31で取得される画像のうち、テンプレート設定用の画像10を用いて、画像認識用の第1テンプレート21を設定する。第1設定部32は、例えば上記図3のように、枠20aで囲まれたパターン部を第1テンプレート21に設定する。尚、第1設定部32は、検出装置30外でテンプレート設定用の画像10を用いて設定された第1テンプレート21のデータを受信し、それを検出装置30で用いる第1テンプレート21に設定してもよい。
第2設定部33は、取得部31で取得される画像のうち、テンプレート設定用の画像10を用いて、画像認識用の所定サイズの第2テンプレート22を設定する。第2設定部33は、例えば上記図4のように、枠20bで囲まれたパターン部を第2テンプレート22に設定する。尚、第2設定部33は、検出装置30外でテンプレート設定用の画像10を用いて設定された第2テンプレート22のデータを受信し、それを検出装置30で用いる第2テンプレート22に設定してもよい。
分割部34は、取得部31で取得される画像10或いは画像10Aを所定分割サイズでマトリックス分割する。分割部34は、例えば上記図5のように、第2設定部33で設定された第2テンプレート22(枠20b)のサイズで画像10をマトリックス分割する。分割部34は同様に、設定された第2テンプレート22のサイズで画像10Aをマトリックス分割する。第2テンプレート22のサイズは、画像10内或いは画像10A内の、スクライブ領域12を含めた半導体素子11の配置ピッチに基づいて設定される。第2テンプレート、配置ピッチ及びマトリックス分割の関係については後述する。
第1生成部35は、第1設定部32で設定された第1テンプレート21、第2設定部33で設定された第2テンプレート22、並びに分割部34でマトリックス分割された画像10を用いて、テンプレート配置情報を生成する。テンプレート配置情報は、マトリックス分割された画像10内における、第1テンプレート21に合致するパターン部と、第2テンプレート22に合致するパターン部群との配置を示す。第1生成部35は、例えば上記図6のように、マトリックス分割された画像10の分割領域14と第2テンプレート22との比較及び合致判定を行う。そして、第1生成部35は、例えば上記図7のように、第2テンプレート22に合致するパターン部群の配置を示す情報を、第1テンプレート21に合致するパターン部の配置を示す情報と関連付け、これをテンプレート配置情報として生成し、設定する。
第1検出部36は、取得部31で取得される画像のうち、基準位置検出対象ウエハの画像10Aから、第1設定部32で設定された第1テンプレート21に対応するパターン部を、画像認識によって検出する。第1検出部36は、画像認識により、第1テンプレート21に対応するものとして、例えば上記図8(B)のような枠20Acのパターン部23Aや、上記図10(B)のような枠20Aeのパターン部25Aを検出する。
尚、第1検出部36が第1テンプレート21に対応するものとして検出するパターン部は、その検出時点(画像認識時点)では、必ずしも第1テンプレート21に合致するとは限らない。第1検出部36が検出するパターン部は、検出に採用する画像認識のアルゴリズムや精度によっては、第1テンプレート21に合致しないことも起こり得る。
第2検出部37は、取得部31で取得され、分割部34でマトリックス分割された、基準位置検出対象ウエハの画像10Aから、第2設定部33で設定された第2テンプレート22に対応するパターン部群を、画像認識によって検出する。第2検出部37は、画像認識により、第2テンプレート22に対応するものとして、例えば上記図8(B)のような枠20Adのパターン部24Aや、上記図10(B)のような枠20Afのパターン部26Aを検出する。
尚、第2検出部37が第2テンプレート22に対応するものとして検出するパターン部は、その検出時点(画像認識時点)では、必ずしも第2テンプレート22に合致するとは限らない。第2検出部37が検出するパターン部は、検出に採用する画像認識のアルゴリズムや精度によっては、第2テンプレート22に合致しないことも起こり得る。
第2生成部38は、第1検出部36及び第2検出部37で検出されたパターン部群の配置を示すパターン部配置情報を生成する。パターン部配置情報は、第1検出部36で第1テンプレート21に対応するものとして検出されたパターン部と、第2検出部37で第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部群との配置を示す。第2生成部38は、例えば上記図9(B)のようなパターン部23Aとパターン部24A群との配置を示す情報や、上記図11(B)のようなパターン部25Aとパターン部26A群との配置を示す情報を、パターン部配置情報として生成し、設定する。
判定部39は、第1生成部35で生成されたテンプレート配置情報と、第2生成部38で生成されたパターン部配置情報とを比較し、それらが合致するか否かを判定する。判定部39は、パターン部配置情報の、検出された第1テンプレート21及び第2テンプレート22の対応パターン部群の配置が、テンプレート配置情報の、第1テンプレート21及び第2テンプレート22の合致パターン部群の配置に合致するか否かを判定する。
駆動部40は、画像10或いは画像10Aを撮像により取得する際、その撮像対象のウエハが載置されるステージを駆動し、撮像領域(視野)を調整する。
記憶部41は、検出装置30の処理に用いられるプログラムや各種データを格納する。
入力部42は、検出装置30の処理に要する各種条件やデータを入力する。
出力部43は、検出装置30の処理で得られる各種データを表示装置に表示したり他の装置に送信したりする。
図13及び図14は第1の実施の形態に係る検出処理の一例を示す図である。
まず、第1テンプレート21及び第2テンプレート22の設定、並びにそれらの配置を示すテンプレート配置情報の生成について、図13を参照して説明する。
検出装置30は、取得部31により、テンプレート設定用の画像10を取得する(ステップS10)。検出装置30は、取得部31により、例えば上記図3のような、半導体素子11、スクライブ領域12及びマーク13a,13b(13bb)を含む、テンプレート設定用のウエハの画像10を取得する。
検出装置30は、第1設定部32により、取得された画像10を用いて、第1テンプレート21を設定する(ステップS11)。検出装置30は、第1設定部32により、例えば上記図3のような、枠20aで囲まれた、2つのマーク13bを含むパターン部を、第1テンプレート21に設定する。
検出装置30は、第2設定部33により、取得された画像10を用いて、第2テンプレート22を設定する(ステップS12)。検出装置30は、第2設定部33により、例えば上記図4のような、枠20bで囲まれた、1つのマーク13bを含むパターン部を、第2テンプレート22に設定する。
検出装置30は、分割部34により、取得された画像10を、設定された第2テンプレート22のサイズを単位分割サイズとして、マトリックス分割する(ステップS13)。検出装置30は、分割部34により、例えば上記図5のように、第2テンプレート22のサイズで画像10をマトリックス分割する。
検出装置30は、第1生成部35により、マトリックス分割された画像10内における、第1テンプレート21に合致するパターン部と、第2テンプレート22に合致するパターン部群との配置を示すテンプレート配置情報を生成する(ステップS14)。検出装置30は、第1生成部35により、例えば上記図6のように、マトリックス分割された画像10の分割領域14と第2テンプレート22との比較及び合致判定を行う。検出装置30は更に、第1生成部35により、例えば上記図7のように、第2テンプレート22に合致するパターン部群の配置を示す情報を、第1テンプレート21に合致するパターン部の配置を示す情報と関連付け、テンプレート配置情報を生成する。
続いて、対象ウエハの基準位置の検出について、図14を参照して説明する。
検出装置30は、駆動部40により、ステージに載置された、基準位置検出対象ウエハの、所定領域が視野に入るように、ステージを移動する(ステップS20)。検出装置30は、取得部31により、ステージ上に載置された対象ウエハの、所定領域を含む画像10Aを、取得する(ステップS21)。検出装置30は、取得部31により、例えば上記図8(B)或いは図10(B)のような、半導体素子11、スクライブ領域12及びマーク13a,13b(13bb)を含む、対象ウエハの画像10Aを取得する。
検出装置30は、第1検出部36により、取得された画像10Aに対し、第1設定部32で設定された第1テンプレート21を用いた画像認識を行い(ステップS22)、第1テンプレート21に対応するパターン部が検出されたか否かを判定する(ステップS23)。
検出装置30は、第1検出部36により、画像10Aから第1テンプレート21に対応するパターン部が検出されないと判定した場合には(ステップS23)、ステージを移動し(ステップS20)、ウエハの、別の領域について画像10Aを取得する(ステップS21)。そして、同様に、第1テンプレート21を用いた画像認識を行う(ステップS22)。検出装置30は、このような処理を、第1テンプレート21に対応するパターン部が検出されたと判定するまで、実行する。
検出装置30は、画像10Aから第1テンプレート21に対応するパターン部が検出されたと判定した場合には(ステップS23)、その画像10Aを、分割部34により、第2設定部33で設定された第2テンプレート22のサイズで、マトリックス分割する(ステップS24)。
検出装置30は、第2検出部37により、マトリックス分割された画像10Aに対し、設定された第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS25)。検出装置30は、第2検出部37により、マトリックス分割された画像10Aの全分割領域14について、第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS26)。
検出装置30は、このステップS24〜S26のような処理を実行し、第2検出部37により、マトリックス分割された画像10Aから、第2テンプレート22に対応するパターン部群を検出する。検出装置30は、第2生成部38により、第2検出部37で第2テンプレート22に対応するとして検出されたパターン部群の配置を、第1検出部36で第1テンプレート21に対応するとして検出されたパターン部の配置と関連付け、パターン部配置情報を生成する(ステップS27)。
検出装置30は、第2生成部38により、例えば上記図9(B)のような、第1テンプレート21に対応するとして検出されたパターン部23Aと、第2テンプレート22に対応するとして検出されたパターン部24A群との配置を示すパターン部配置情報を生成する。検出装置30は、第2生成部38により、例えば上記図11(B)のような、第1テンプレート21に対応するとして検出されたパターン部25Aと、第2テンプレート22に対応するとして検出されたパターン部26A群との配置を示すパターン部配置情報を生成する。
検出装置30は、判定部39により、第2生成部38で生成されたパターン部配置情報(ステップS27)と、第1生成部35で生成されたテンプレート配置情報(ステップS14)とを比較し(ステップS28)、それらが合致するか否かを判定する(ステップS29)。検出装置30は、例えば上記図9(B)のようなパターン部配置情報(パターン部23A及びパターン部24A群)と、上記図9(A)のようなテンプレート配置情報(パターン部21A及びパターン部22A群)とを比較し、それらの合致判定を行う。検出装置30は、例えば上記図11(B)のようなパターン部配置情報(パターン部25A及びパターン部26A群)と、上記図11(A)のようなテンプレート配置情報(パターン部21A及びパターン部22A群)とを比較し、それらの合致判定を行う。
検出装置30は、例えば上記図9(A)及び図9(B)のように、テンプレート配置情報(図9(A))とパターン部配置情報(図9(B))とが合致しないと判定した場合には(ステップS29)、ステップS20に戻る。
即ち、ステップS29で合致しない場合とは、ステップS20〜S23の当初の処理で第1テンプレート21に対応するものとして検出されたパターン部23Aが、対象ウエハの基準位置設定に用いるべきパターン部21Aではなかった場合である。或いは、ステップS24〜S26の当初の処理で第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部24A群が、対象ウエハの基準位置設定に用いるべきパターン部22A群ではなかった場合もある。このような場合、検出装置30は、ステージを移動し(ステップS20)、対象ウエハの別の領域について改めて画像10Aを取得する(ステップS21)。そして、その画像10Aから、第1テンプレート21に対応するパターン部を検出し(ステップS22,S23)、第2テンプレート22に対応するパターン部群を検出して(ステップS24〜S26)、以降、上記同様の処理を実行する(ステップS27〜S29)。
一方、検出装置30は、例えば上記図11(A)及び図11(B)のように、テンプレート配置情報(図11(A))とパターン部配置情報(図11(B))とが合致すると判定した場合には(ステップS29)、対象ウエハの基準位置を設定する(ステップS30)。
即ち、ステップS29で合致する場合とは、ステップS20〜S23の当初の処理で第1テンプレート21に対応するとして検出されたパターン部25Aが、対象ウエハの基準位置設定に用いるべきパターン部21Aであった場合である。且つ、ステップS24〜S26の当初の処理で第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部26A群が、対象ウエハの基準位置設定に用いるべきパターン部22A群であった場合である。検出装置30は、画像10A内の、第1テンプレート21に合致するパターン部25Aの位置やその内部の位置(半導体素子11の中心や角)、第2テンプレート21に合致するパターン部26A群のいずれか1つの位置等を、対象ウエハの基準位置に設定する。
尚、検出装置30は、処理で用いられるプログラムや各種データを記憶部41によって記憶する。また、検出装置30は、処理に要する各種条件やデータを入力部42によって入力する。また、検出装置30は、処理で得られる各種データを出力部43によって表示装置に表示したり他の装置に送信したりする。
検出装置30は、以上のような処理により、対象ウエハについて、画像認識を行い、その結果に基づき、適正な基準位置を設定する。対象ウエハについて適正な基準位置が設定されることで、そのアライメントを精度良く行うことが可能になり、良品と不良品の半導体素子11の混同等を抑えることが可能になる。また、ウエハ上の半導体素子11を潰して目印にすることを要しないため、半導体素子の収率の低下、目印を設けるプロセスを導入することに伴うコストの増大や歩留まりの低下等を抑えることが可能になる。更にまた、以上のような処理によって対象ウエハの基準位置を設定する検出装置30では、必ずしもレーザー干渉計ステージ等の機構を用いなくても、適正な基準位置を設定することができ、装置費用の増大を抑えることが可能になる。
ところで、上記検出装置30がステップS13,S24で実行するマトリックス分割処理では、画像10,10Aが、設定された第2テンプレート22のサイズを単位分割サイズとしてマトリックス分割される。ここで、このようなマトリックス分割について述べる。
図15はマトリックス分割を説明する図である。図15(A)はウエハ上のレイアウト情報の一例を示す図、図15(B)はマトリックス分割の一例を示す図、図15(C)はマトリックス分割の別例を示す図である。
画像10や画像10Aをマトリックス分割する際の単位分割サイズとなる、第2テンプレート22のサイズは、図15(A)のようなウエハ上の半導体素子11等のレイアウト情報に基づき、一定のルールに従って設定する。レイアウト情報には、画像10や画像10Aに見られるような、ウエハ上の、スクライブ領域12を含めた半導体素子11の配置ピッチPX,PYに関する情報が含まれる。配置ピッチPX,PYは、一のスクライブ領域12の中間点から、当該一のスクライブ領域12と半導体素子11を挟んで対向する他のスクライブ領域12の中間点までの距離である。
例えば、第2テンプレート22のサイズは、X方向の辺の長さSXを、レイアウト情報のX方向の配置ピッチPXを自然数で除した値とし、Y方向の辺の長さSYを、レイアウト情報のY方向の配置ピッチPYに自然数を乗じた値とする。このように設定した第2テンプレート22のサイズ、即ち長さSX,SYを単位分割サイズとし、マトリックス分割を行う。一例を図15(B)に示す。例えば、配置ピッチPX=6mm,PY=4mmであった場合、第2テンプレート22の長さSXを、配置ピッチPXを2で除した値である3mmとし、長さSYを、配置ピッチPYに2を乗じた値である8mmとする。このようなサイズでマトリックス分割を行う。
或いは第2テンプレート22のサイズは、X方向の辺の長さSXを、レイアウト情報のX方向の配置ピッチPXに自然数を乗じた値とし、Y方向の辺の長さSYを、レイアウト情報のY方向の配置ピッチPYを自然数で除した値とする。このように設定した第2テンプレート22のサイズ、即ち長さSX,SYを単位分割サイズとし、マトリックス分割を行う。一例を図15(C)に示す。例えば、配置ピッチPX=6mm,PY=4mmであった場合、第2テンプレート22の長さSXを、配置ピッチPXに1を乗じた値である6mmとし、長さSYを、配置ピッチPYを2で除した値である2mmとする。このようなサイズでマトリックス分割を行う。
ウエハ上には、半導体素子11及びスクライブ領域12が、2次元的に繰り返しで配置される。そのため、上記のような一定のルールに従って、マトリックス分割する際の単位分割サイズとなる、第2テンプレート22のサイズを設定することで、第2テンプレート22に対応又は合致するパターン部を、画像認識によって精度良く検出することが可能になる。
尚、基準位置検出対象ウエハの、第2テンプレート22に対応するパターン部の配置、及び当該ウエハのマトリックス分割については、次のような点に留意する。
図16〜図18はそれぞれ、マトリックス分割された領域内における第2テンプレート対応パターン部の配置例を示す図である。
例えば、図16(A)のように、或る画像50のマトリックス分割を、X方向に2分割、Y方向に2分割で行った場合で、その2×2のマトリックス分割領域の、対角方向に、第2テンプレート22に対応するパターン部Zが連続して配置される場合を想定する。仮に、基準位置検出対象ウエハに、この図16(A)のような画像50(マトリックス分割領域)のパターンが、X方向及びY方向にそれぞれ繰り返し配置されるような場合、当該ウエハのパターンは、図16(B)のような配置になる。図16(B)には、マトリックス分割領域50aに対し、X方向に隣接してマトリックス分割領域50bが配置され、Y方向に隣接してマトリックス分割領域50cが配置され、対角方向に隣接してマトリックス分割領域50dが配置された場合を示す。
しかし、図16(B)の配置では、基準位置として、例えばマトリックス分割領域50aの左上のパターン部Z(Za)を検出する時に、次のようなことが起こり得る。即ち、パターン部Zの一部が重複し同じパターン構成となるマトリックス分割領域50e(点線)の、左上のパターン部Z(Zb)を誤って検出してしまうことが起こり得る。このような検出が起こると、対象ウエハに基準位置のずれが生じ、適正にアライメントが行えなくなる。
この図16のような場合に限らず、例えば図17(A)の画像51のように、2×3のマトリックス分割領域のX方向にパターン部Zが連続する場合には、パターン部Zの同様の誤検出が起こる恐れがあり、パターン部ZがY方向に連続する場合も同様である。また、図17(B)の画像52のように、3×2のマトリックス分割領域のY方向にパターン部Zが連続する場合も、パターン部Zの同様の誤検出が起こる恐れがあり、パターン部ZがX方向に連続する場合も同様である。更に、図18(A)、図18(B)、図18(C)の各画像53、画像54、画像55のように、3×3のマトリックス分割領域のX方向、Y方向、対角方向にパターン部Zが連続する場合も、パターン部Zの同様の誤検出が起こる恐れがある。
即ち、マトリックス分割領域のX方向、Y方向、対角方向にパターン部Zが連続し、このようなマトリックス分割領域のパターンが、対象ウエハに、そのX方向及びY方向に繰り返し配置されてしまうような場合は、誤検出、対象ウエハの基準位置のずれが生じ得る。
第2テンプレート22に対応するパターン部Zが、X方向、Y方向、対角方向に一列に連続して並ぶような配置とならないように、対象ウエハにおけるパターン部Zの配置を設定しておくことが望ましい。また、パターン部Zのパターン構成上可能であれば、マトリックス分割数を変更することで、パターン部Zが、X方向、Y方向、対角方向に一列に連続して並ぶような配置とならないようにすることが望ましい。
次に、第2の実施の形態について説明する。
ここでは、検出処理の第2の例について説明する。
図19は第2の実施の形態に係る検出処理の一例を示す図である。
第2の実施の形態では、まず、上記図13で述べたステップS10,S12〜S14の例に従い、第2テンプレート22の設定、第2テンプレート22の配置を示すテンプレート配置情報の生成が行われる。その後、対象ウエハの基準位置の検出が、図19に例示するような処理によって行われる。
検出装置30は、駆動部40によってステージを移動し(ステップS40)、取得部31により、比較的高倍率の条件で(ステップS41)、ステージ上の基準位置検出対象ウエハの所定領域を含む画像10Aを取得する(ステップS42)。検出装置30は、第2検出部37により、取得された高倍率の画像10Aに対し、第2設定部33で設定された第2テンプレート22を用いた画像認識を行い(ステップS43)、第2テンプレート22に対応するパターン部が検出されたか否かを判定する(ステップS44)。
図20はテンプレート対応パターン部の検出を説明する図である。ここで、図20(A)は、高倍率画像の一例を示す図である。図20(B)は、第2テンプレートの一例を示す図である。
図20(A)のように、取得される高倍率の画像10A(ステップS40〜S42)には、対象ウエハの半導体素子11、スクライブ領域12及びマーク13a,13b(13bb)が含まれる。このような高倍率の画像10Aに対し、図20(B)のような第2テンプレート22を用いた画像認識を行い、対応するパターン部、この例では2つのマーク13bのいずれかのパターン部61又はパターン部62の検出の有無が判定される(ステップS43,S44)。
検出装置30は、第2検出部37により、高倍率の画像10Aから第2テンプレート22に対応するパターン部61又はパターン部62が検出されないと判定した場合には(ステップS44)、ステップS40に戻り、それ以降の処理を実行する。
検出装置30は、高倍率の画像10Aから第2テンプレート22に対応するパターン部61又はパターン部62が検出されたと判定した場合には(ステップS44)、その画像10Aを、比較的低倍率の条件に変更する(ステップS45)。検出装置30は、分割部34により、低倍率に変更された画像10Aを、設定された第2テンプレート22のサイズでマトリックス分割し(ステップS46)、全分割領域14について、第2検出部37により、第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS47,S48)。
検出装置30は、このステップS45〜S48のような処理を実行し、第2検出部37により、マトリックス分割された低倍率の画像10Aから、第2テンプレート22に対応するパターン部群を検出する。検出装置30は、第2生成部38により、第2検出部37で第2テンプレート22に対応するとして検出されたパターン部群の配置を、パターン部配置情報として生成する(ステップS49)。
検出装置30は更に、判定部39により、第2生成部38で生成されたパターン部配置情報(ステップS49)と、第1生成部35で生成された、第2テンプレート22の配置を示すテンプレート配置情報(ステップS14)とを比較する(ステップS50)。そして、検出装置30は、パターン部配置情報とテンプレート配置情報のパターン部群の配置が合致するか否かを判定する(ステップS51)。且つ、パターン部配置情報における、上記高倍率条件で検出したパターン部(ステップS41〜S44)が、テンプレート配置情報における、基準点のパターン部に合致するか否かを判定する(ステップS51)。
図21はパターン部配置情報とそれを用いた合致判定の一例を説明する図である。ここで、図21(A)は、設定された第2テンプレートの配置を示すテンプレート配置情報の一例を示す図である。図21(B)は、低倍率画像から得られる、第2テンプレートに対応するパターン部群の配置を示すパターン部配置情報の一例を示す図である。
図21(A)のテンプレート配置情報には、第2テンプレート22に合致する、斜め方向に並んだ3つのパターン部22A群(22Aa,22Ab,22Ac)の配置を示す情報が含まれる。一定の基準点設定ルールに従い、3つのパターン部22A群のうち、左上のパターン部22Aaが基準点とされ、そこから右斜め下方に2つのパターン部22Ab,22Acが並設された配置になっている。
図21(B)のパターン部配置情報には、低倍率の画像10Aから得られた、第2テンプレート22に対応する、斜め方向に並んだ3つのパターン部63群の配置を示す情報が含まれる。
今、上記ステップS41〜S44において、高倍率の画像10Aからパターン部61(図20(A))が検出され、そのパターン部61が、パターン部配置情報に示されるパターン部63群(63a,63b,63c)のうち、左上のパターン部63aであったとする。パターン部63群におけるこのパターン部63aの配置は、テンプレート配置情報のパターン部22A群における基準点のパターン部22Aaの配置と合致する。
検出装置30は、パターン部配置情報(図21(B))とテンプレート配置情報(図21(A))とを比較し(ステップS50)、まず、パターン部配置情報のパターン部63群の配置と、テンプレート配置情報のパターン部22A群の配置が合致するかを判定する(ステップS51)。そして、合致すると判定したうえで、パターン部配置情報のパターン部63群におけるパターン部63a(図20(A)のパターン部61)の配置が、テンプレート配置情報のパターン部22A群における基準点のパターン部22Aaの配置に合致するかを判定する(ステップS51)。
この図21の例では、いずれも合致するので、検出装置30は、パターン部63a、即ち高倍率の画像10Aから検出したパターン部61を基準点とし、この基準点に基づき、対象ウエハの基準位置を設定する(ステップS52)。例えば、検出装置30は、パターン部63a、パターン部61を、対象ウエハの基準位置に設定する。これにより、検出処理を終了する。
一方、検出装置30は、ステップS51で合致すると判定しない場合には、次のような処理を行う。
図22はパターン部配置情報とそれを用いた合致判定の別例を説明する図である。ここで、図22(A)は、設定された第2テンプレートの配置を示すテンプレート配置情報の一例を示す図である。図22(B)は、低倍率画像から得られる、第2テンプレートに対応するパターン部群の配置を示すパターン部配置情報の一例を示す図である。図22(C)は、ずれ補正の一例を示す図である。
図22(A)及び図22(B)にはそれぞれ、上記図21(A)及び図21(B)と同様に、テンプレート配置情報及びパターン部配置情報の一例を図示している。
図22(A)のテンプレート配置情報には、第2テンプレート22に合致する、斜め方向に並んだ3つのパターン部22A群(22Aa,22Ab,22Ac)の配置を示す情報が含まれ、左上のパターン部22Aaが基準点とされる。
図22(B)のパターン部配置情報には、低倍率の画像10Aから得られた、第2テンプレート22に対応する、斜め方向に並んだ3つのパターン部63群の配置を示す情報が含まれる。
上記ステップS41〜S44において、高倍率の画像10Aからパターン部62(図20(A))が検出され、そのパターン部62が、パターン部配置情報に示されるパターン部63群(63a,63b,63c)のうち、中央のパターン部63bであったとする。パターン部63群におけるこのパターン部63bの配置は、テンプレート配置情報のパターン部22A群における基準点のパターン部22Aaの配置とは合致しない。
検出装置30は、パターン部配置情報(図22(B))とテンプレート配置情報(図22(A))とを比較し(ステップS50)、まず、パターン部配置情報のパターン部63群の配置と、テンプレート配置情報のパターン部22A群の配置が合致するかを判定する(ステップS51)。そして、合致すると判定したうえで、高倍率の画像10Aから検出したパターン部62(図20(A))に相当する、パターン部配置情報におけるパターン部63bの配置が、テンプレート配置情報における基準点のパターン部22Aaの配置に合致するかを判定する(ステップS51)。
この図22の例では、パターン部配置情報におけるパターン部63bの配置が、テンプレート配置情報における基準点のパターン部22Aaの配置に合致しない。従って、パターン部63b、即ち高倍率の画像10Aから検出したパターン部62は、基準点として検出されるべきものではなかったことが分かる。テンプレート配置情報における基準点のパターン部22Aaの配置に合致するのは、パターン部配置情報におけるパターン部63aであり、高倍率の画像10A内のパターン部61である。
検出装置30は、図22(C)に矢印で図示するように、パターン部63bと、基準点として検出されるべきであったパターン部63aとのずれを補正し(ステップS53)、そのパターン部63aの位置に基準点を設定する。検出装置30は、このようにしてパターン部63aの位置、高倍率の画像10Aではパターン部61の位置に基準点を設定し、その基準点に基づき、対象ウエハの基準位置を設定する(ステップS52)。これにより、検出処理を終了する。
第2の実施の形態では、1種類のテンプレート、上記の例では第2テンプレート22を用いて、対象ウエハの基準位置を適正に設定する。具体的には、まず、対象ウエハの高倍率の画像10Aから第2テンプレート22に対応するパターン部61又はパターン部62を検出し、次いで、その画像10Aを低倍率に変更して第2テンプレート22に対応するパターン部63群を検出する。そして、検出したパターン部63群と、パターン部63群における一のパターン部、即ち高倍率の画像10Aで検出したパターン部61又はパターン部62との配置を、第2テンプレート22について設定されたテンプレート配置情報の配置と比較し、合致判定する。第2の実施の形態では、このような手法により、対象ウエハの基準位置を適正に設定する。
対象ウエハの基準位置を適正に設定することで、そのアライメントを精度良く行うことが可能になり、良品と不良品の半導体素子11の混同等を抑えることが可能になる。また、ウエハ上の半導体素子11を潰して目印にすることを要しないため、半導体素子の収率の低下、目印を設けるプロセスを導入することに伴うコストの増大や歩留まりの低下等を抑えることが可能になる。更にまた、必ずしもレーザー干渉計ステージ等の機構を用いなかったとしても、適正な基準位置を設定することができるため、装置費用の増大を抑えることが可能になる。
尚、第2の実施の形態で述べたような手法を用いる場合には、上記図12に示したような第1テンプレート21を設定する第1設定部32、第1テンプレート21に対応するパターン部を検出する第1検出部36の処理機能を省略した検出装置30を用いてよい。
また、上記ステップS52の、対象ウエハの基準位置の設定後に、次の図23に示すような処理を更に行うようにしてもよい。
図23は第2の実施の形態に係る検出処理の別例を示す図である。
この例では、上記のような対象ウエハの基準位置の設定後(ステップS52)、図23のように、検出装置30がまず、基準位置を設定した画像10Aの倍率を、再び高倍率に変更する(ステップS54)。これにより、例えば図20(A)のような倍率とした画像10Aを再び得る。検出装置30は、第2検出部37により、その高倍率の画像10Aに対し、設定された第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS55)。検出装置30は、この高倍率の画像10Aに対する画像認識により、第2テンプレート22に対応するパターン部61及びパターン部62を検出する。
検出装置30は、第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部61及びパターン部62のパターン形状が、テンプレート配置情報に含まれるパターン部22Aa及びパターン部22Abのパターン形状と合致するか否かを判定する(ステップS56)。検出装置30は更に、第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部61及びパターン部62の配置(座標)が、テンプレート配置情報に含まれるパターン部22Aa及びパターン部22Abの配置(座標)と合致するか否かを判定する(ステップS57)。
検出装置30は、パターン形状及び座標が共に合致すると判定した場合(ステップS56,S57)、検出処理を終了する。
検出装置30は、パターン形状が合致しないと判定した場合(ステップS56)や、座標が合致しないと判定した場合(ステップS57)には、エラーが発生したことを示す情報を、表示等の手段で出力し(ステップS58)、検出処理を終了する。
図23のような処理を行うことで、対象ウエハの適正な基準位置を、高精度に設定することが可能になる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
ここでは、検出処理の第3の例について説明する。
図24は第3の実施の形態に係る検出処理の一例を示す図である。
第3の実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様に、まず、上記図13で述べたステップS10,S12〜S14の例に従い、第2テンプレート22の設定、第2テンプレート22の配置を示すテンプレート配置情報の生成が行われる。その後、対象ウエハの基準位置の検出が、図24に例示するような処理によって行われる。
検出装置30は、駆動部40によってステージを移動し(ステップS60)、取得部31により、比較的低倍率の条件で(ステップS61)、ステージ上の基準位置検出対象ウエハの所定領域を含む画像10Aを取得する(ステップS62)。検出装置30は、分割部34により、取得された低倍率の画像10Aを、設定された第2テンプレート22のサイズでマトリックス分割する(ステップS63)。そして、検出装置30は、マトリックス分割された低倍率の画像10Aの全分割領域14について、第2検出部37により、第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS64,S65)。検出装置30は、この画像認識により、第2テンプレート22に対応するパターン部群が検出されるか否かを判定する(ステップS66)。
検出装置30は、第2検出部37により、マトリックス分割された低倍率の画像10Aから第2テンプレート22に対応するパターン部群が検出されないと判定した場合には(ステップS66)、ステップS60に戻り、それ以降の処理を実行する。
例えば、マトリックス分割された低倍率の画像10Aから、図21(B)のパターン部配置情報に示されるような、第2テンプレート22に対応するパターン部63群(63a,63b,63c)が検出されたとする。この場合、検出装置30は、第2生成部38により、パターン部63群の配置を示すパターン部配置情報を生成する。パターン部63群のうちのいずれか、例えば左上のパターン部63aが基準点とされる。
検出装置30は、このようなパターン部63群が検出されたと判定した場合には(ステップS66)、その画像10Aを、比較的高倍率の条件に変更する(ステップS67)。これにより、例えば図20(A)のような倍率とした画像10Aを得る。
検出装置30は、第2検出部37により、その高倍率に変更された画像10Aに対し、設定された第2テンプレート22を用いた画像認識を行う(ステップS68)。検出装置30は、この高倍率の画像10Aに対する画像認識により、第2テンプレート22に対応するパターン部、図20(A)の例ではパターン部61及びパターン部62を検出する。検出されるパターン部61及びパターン部62のうち、パターン部61が、上記低倍率の画像10Aで得られるパターン部63群の、基準点のパターン部63aに相当する。
検出装置30は、第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部61及びパターン部62のパターン形状が、テンプレート配置情報に含まれるパターン部22Aa及びパターン部22Abのパターン形状と合致するか否かを判定する(ステップS69)。検出装置30は更に、第2テンプレート22に対応するものとして検出されたパターン部61及びパターン部62の配置(座標)が、テンプレート配置情報に含まれるパターン部22Aa及びパターン部22Abの配置(座標)と合致するか否かを判定する(ステップS70)。
検出装置30は、パターン形状及び座標が共に合致すると判定した場合には(ステップS69,S70)、高倍率の画像10Aのパターン部61(低倍率の画像10Aではパターン部63a)を基準点に設定し、その基準点に基づき、対象ウエハの基準位置を設定する(ステップS71)。これにより、検出処理を終了する。
検出装置30は、パターン形状が合致しないと判定した場合(ステップS69)や、座標が合致しないと判定した場合(ステップS70)には、エラーが発生したことを示す情報を、表示等の手段で出力し(ステップS72)、検出処理を終了する。
第3の実施の形態でも、上記第2の実施の形態と同様に、1種類のテンプレート、上記の例では第2テンプレート22を用いて、対象ウエハの基準位置を適正に設定する。具体的には、まず、対象ウエハの低倍率の画像10Aから第2テンプレート22に対応するパターン部63群を検出し、次いで、その画像10Aを高倍率に変更して第2テンプレート22に対応するパターン部61及びパターン部62を検出する。そして、パターン部63群、パターン部61及びパターン部62、基準点のパターン部63a又はパターン部61の配置を、第2テンプレート22について設定されたテンプレート配置情報の配置と比較し、合致判定する。第3の実施の形態では、このような手法により、対象ウエハの基準位置を適正に設定する。
対象ウエハの基準位置を適正に設定することで、そのアライメントを精度良く行うことが可能になり、良品と不良品の半導体素子11の混同等を抑えることが可能になる。また、ウエハ上の半導体素子11を潰して目印にすることを要しないため、半導体素子の収率の低下、目印を設けるプロセスを導入することに伴うコストの増大や歩留まりの低下等を抑えることが可能になる。更にまた、必ずしもレーザー干渉計ステージ等の機構を用いなくても、適正な基準位置を設定することができるため、装置費用の増大を抑えることが可能になる。
尚、第3の実施の形態で述べたような手法を用いる場合には、上記図12に示したような第1テンプレート21を設定する第1設定部32、第1テンプレート21に対応するパターン部を検出する第1検出部36の処理機能を省略した検出装置30を用いてよい。
以上の第1〜第3の実施の形態で述べたような手法に用いることのできる検出装置30の処理機能は、コンピュータを用いて実現することができる。
図25はコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ300は、プロセッサ301によって制御される。プロセッサ301には、バス309を介してRAM302と複数の周辺機器が接続される。プロセッサ301は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ301は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ301は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうち、2以上の要素を組み合わせたものでもよい。
RAM302は、コンピュータ300の主記憶装置として使用される。RAM302には、プロセッサ301に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM302には、プロセッサ301による処理に必要な各種データが格納される。
バス309に接続される周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)303、グラフィック処理装置304、入力インタフェース305、光学ドライブ装置306、機器接続インタフェース307及びネットワークインタフェース308がある。
HDD303は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込み及び読み出しを行う。HDD303は、コンピュータ300の補助記憶装置として使用される。HDD303には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、及び各種データが格納される。尚、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置304には、モニタ311が接続される。グラフィック処理装置304は、プロセッサ301からの命令に従って、画像をモニタ311の画面に表示させる。モニタ311としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
入力インタフェース305には、キーボード312とマウス313とが接続される。入力インタフェース305は、キーボード312やマウス313から送られてくる信号をプロセッサ301に送信する。尚、マウス313は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
光学ドライブ装置306は、レーザー光等を利用して、光ディスク314に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク314は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク314には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
機器接続インタフェース307は、コンピュータ300に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば、機器接続インタフェース307には、メモリ装置315やメモリリーダライタ316を接続することができる。メモリ装置315は、機器接続インタフェース307との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ316は、メモリカード317へのデータの書き込み、又はメモリカード317からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード317は、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース308は、ネットワーク310に接続される。ネットワークインタフェース308は、ネットワーク310を介して、他のコンピュータ又は通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、検出装置30の処理機能を実現することができる。
コンピュータ300は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、検出装置30の処理機能を実現する。コンピュータ300に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、コンピュータ300に実行させるプログラムをHDD303に格納しておくことができる。プロセッサ301は、HDD303内のプログラムの少なくとも一部をRAM302にロードし、プログラムを実行する。また、コンピュータ300に実行させるプログラムを、光ディスク314、メモリ装置315、メモリカード317等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ301からの制御により、HDD303にインストールされた後、実行可能となる。また、プロセッサ301が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
また、以上説明したような検出装置30は、半導体素子が形成されるウエハの電気試験を行う試験装置や、外観検査を行う検査装置、更には成膜装置やエッチング装置といった、半導体製造に用いられる各種製造装置に採用することが可能である。
尚、以上の説明では、ウエハの基準位置の検出及び設定を例にしたが、上記第1〜第3の実施の形態で述べたような手法は、ウエハに限らず、各種基板の基準位置の検出及び設定に採用することが可能である。