JP6544119B2 - 石炭管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自然積み貯炭場に積み上げられた石炭が自然発火しないように貯炭場の石炭温度を管理する石炭管理方法に関する。
一般的に、電力会社の火力発電所などにおいて石炭を管理する際には、火災の発生に対して温度管理を適切に実施することで安全性を保持していた。通常では、石炭の性質上、石炭を山積みした状態のままにしておくと、酸化反応が進み発熱するおそれがある。発熱した石炭をそのまま放置すると、酸化反応が一層進んで更に高温になって自然発火に至り、火災を引き起こすおそれがある。
このような自然発火を防ぐために、一般的に自然積み貯炭場で石炭を長期保管する際には、貯炭場の石炭をホイルローダなどの重機で転圧して、空気との接触を軽減することにより、石炭の酸化発熱を抑制する。また、ホイルローダなどの重機やリサイクルコンベアで積替えをすることにより発熱した石炭を空気冷却する。また、貯炭山へ直接散水したり、リサイクルコンベア系統に散水シャワー設備を設けて散水したりすることにより、水の気化熱を利用して発熱した石炭を冷却する。このような防止策によって自然発火を防いでいる。
また従来における、この種の技術として、特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1には、石炭を堆積貯蔵する貯炭場において、複数個の温度計測ロボットに堆積石炭の各深さにおける内部温度を所定の周期毎に計測させ、計測温度が自然発火温度に近接した場合には、そのポイントを特定し、該ポイントに予め設けられてある注水ノズルにより注水し、堆積石炭の温度を低下させて自然発火を防止する、という技術が開示されている。
特開平8−84782号公報
しかしながら、貯炭場の石炭槽の内部に形成される石炭山の高さが15mを越えるような場合には、この石炭山にホイルローダなどの重機を上げることは危険を伴うため、石炭山を上部から転圧して、空気との接触を軽減する方法を適用することは困難である。
また、貯炭場の石炭槽が、最大貯炭量が約40000トン(5日分)ほどのコンパクトな設計である場合には、常時最大貯炭量に近い状態で運用することになる。このため、ホイルローダなどの重機による転圧によって石炭が押し広げられた場合、この石炭を受け入れるようなスペースや、発熱した石炭を積替えできるようなスペースの確保が困難であり、しかも、リサイクルコンベアが設置されていない場合には、散水シャワー設備を設けることができない。このように、従来の防止策を適用することが困難となっている。
また、特許文献1に記載された技術においては、貯炭場の底部に温度計測ロボットが配置されており、この温度計測ロボットの伸縮機構が、貯炭場の底部から上に向かって伸縮することにより、温度センサや注水ノズルを石炭山内部の最も温度の高い部位に位置付けている。しかし、温度計測ロボットが、自然発火温度に近い計測温度を検出した場合に、例えば、隣合う温度計測ロボット間の領域のように、温度検出ポイントから離れた部位においては既に自然発火温度を越えていることもあり得る。このため、発熱による石炭の品質低下あるいは石炭の自然発火の可能性が残る。そこで、温度計測ロボットの数を増やすことも考えられるが、この場合、高コスト化が避けられず温度計測ロボットのメンテナンスも容易ではない。
本発明は、このような問題点を解決し、発熱による石炭の品質低下を防止するとともに、貯炭場における石炭の自然発火を確実に防止する石炭管理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
(1) 自然積み貯炭場に形成される石炭山の外面近傍における、地面から所定の高さでかつ前記石炭山の外周に沿って所定間隔を空けて設定された複数の基準測定箇所の石炭温度を測定し、石炭温度が、自然発火温度より低く設定された第1基準温度を越えている基準測定箇所を特定する第1測定工程と、当該第1測定工程において前記第1基準温度を越えている前記基準測定箇所を中心とする所定範囲に設定された複数の周辺測定箇所の石炭温度を測定し、石炭温度が、自然発火の可能性がある温度に設定された第2基準温度を越えている周辺測定箇所を特定する第2測定工程と、当該第2測定工程において、前記第2基準温度を越えている前記周辺測定箇所に散水を行う第1散水工程と、を備えることを特徴とする石炭管理方法。
(1)によれば、基準測定箇所及びその周辺に設定された周辺測定箇所の石炭温度に基づいて、散水が必要な箇所と散水する必要がない箇所とを特定するため、石炭温度が高く散水が必要な箇所に対して効率よく散水して石炭を冷却することが可能になる。これにより、発熱による石炭の品質低下を防止するとともに、貯炭場における石炭の自然発火を確実に防止することが可能になる。
(2) (1)において、前記第1散水工程は、前記第2基準温度を越えている前記周辺測定箇所が所定数以上の場合に、前記石炭山における前記周辺測定箇所付近を崩落させるような散水を行うことを特徴とする石炭管理方法。
(2)によれば、第2基準温度を越えている周辺測定箇所が所定数以上の場合には、基準測定箇所付近において広範囲に渡って石炭温度が高くなっていることになる。そこで、石炭山における周辺測定箇所付近を崩落させるような散水を行うことにより、高温になった石炭を外気に触れさせることが可能になり、石炭を広範囲にわたって水冷もしくは空冷することが可能になる。これにより、石炭温度を効率よく低下させることが可能になる。
(3) (1)、(2)において、石炭山の外面における、地面から前記所定の高さまでの部位を大型のシート部材によって覆う工程を更に備えることを特徴とする石炭管理方法。
(3)によれば、石炭山における地面から所定の高さ(例えば、地面から1/3の高さ)までの外面を大型サイズのシート部材によってカバーすることにより、石炭山の内部に対する空気の侵入を規制することが可能になる。これにより、石炭が空気と接触することによる発熱反応を抑制することが可能になる。
(4) (1)〜(3)において、石炭山の頂上付近に散水する第2散水工程を更に備えることを特徴とする石炭管理方法。
(4)によれば、石炭山の頂上付近から散水することにより、石炭山の石炭をまんべんなく冷却することが可能になる。
(5) (1)〜(4)において、石炭山における前記複数の基準測定箇所の近傍に、外周に沿った犬走りを形成する工程を更に備えることを特徴とする石炭管理方法。
(5)によれば、石炭山における複数の基準測定箇所の近傍に、外周に沿った犬走りを形成することにより、石炭山における移動が容易になり、温度測定器具や散水ノズルの抜き差し作業が行い易くなる。
本発明によれば、発熱による石炭の品質低下を防止するとともに、貯炭場における石炭の自然発火を確実に防止する石炭管理方法を提供することが可能になる。
貯炭場10とその関連施設の概要を模式的に示す説明図である。 本実施形態において石炭温度の測定に用いる熱電対温度計100の構成を示す説明図である。 本実施形態において散水に用いる散水ノズル200の構成を示す説明図である。 石炭山における基準差込位置(1)〜(12)の位置を示す説明図である。 本実施形態における石炭管理方法の各工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の一実施形態における石炭管理方法を説明することに先立って、貯炭場10とその関連施設について説明する。
[貯炭場とその関連施設]
図1は、貯炭場10とその関連施設の概要を模式的に示す説明図であり、図1(a)は地上から見た側面図、図1(b)は空中から見た平面図である。
貯炭場10は、長尺に延びる貯炭エリア12と、貯炭エリア12の長手方向両端部に配置される崩落防止壁14とからなり、この貯炭エリア12に石炭が山積みされて石炭山が形成される。
貯炭エリア12内には、リクレーマ装置30が配備されている。リクレーマ装置30は、内部にスクレーパコンベアを備えた本体32と、本体32の両側部から斜め上方に延びる略二等辺三角形の一対のハローフレーム34、34とを備えている。
本体32は、貯炭エリア12の長尺方向に沿って往復移動可能であり、本体32内のスクレーパコンベアは貯炭エリア12の長尺方向に対して垂直方向に延びている。一対のハローフレーム34、34は、本体32に対して、本体32内のスクレーパコンベアの移動方向に沿って往復移動可能である。
そして、本体32が、貯炭エリア12に形成された石炭山に移動して、一対のハローフレーム34、34を石炭山の斜面に当接させ、その状態でハローフレーム34、34を往復移動させることにより、石炭山の石炭が掻き落とされて落下する。落下した石炭は、本体32内のスクレーパコンベアによって貯炭エリア12の外部に搬送される。
貯炭場10の側方には、払出コンベア装置20が設置されている。この払出コンベア装置20は、貯炭場10に沿って延びており、リクレーマ装置30から搬送された石炭を受け入れて、発電設備に搬送する。
貯炭場10の上方には、受入コンベア装置40が設置されている。この受入コンベア装置40によって、石炭船50から受け入れた石炭が貯炭エリア12に搬送され、貯炭エリア12に石炭山が形成される。
ここで、石炭山からリクレーマ装置30が石炭を掻き取りながら移動することにより、貯炭エリア12におけるリクレーマ装置30が通過した領域に石炭のないスペースが形成される。このスペースに受入コンベア装置40が石炭を送り出すことにより、リクレーマ装置30の移動方向の反対側に新たな石炭山が形成される。そして、リクレーマ装置30が貯炭エリア12の端部に到達した後、移動方向を切り替えて石炭山を掻き取って石炭を払出コンベア装置20に搬送していくとともに、リクレーマ装置30が通過した領域に受入コンベア装置40が石炭を送り出す。このような動作を繰り返すことにより、石炭が発電設備に継続して搬送される。
[貯炭場の管理に使用する器具]
本実施形態における石炭管理方法によって石炭山の温度を管理するために、石炭山の温度を計測する熱電対温度計100(図2参照)と、温度が高い箇所付近の温度を下げるために散水する散水ノズル200(図3参照)と、が使用される。
[熱電対温度計]
図2は、本実施形態において石炭温度の測定に用いる熱電対温度計100の構成を示す説明図であり、熱電対温度計100は、センサ部102と、リード線104と、温度表示部106と、を備える。センサ部102は、先端が閉じられた約2mの筒状部材とこの筒状部材の内部の先端に配置される熱電対とを備える棒状部材である。リード線104は、一端部が熱電対に接続されており、後端側がセンサ部102の後端から延びる。リード線104の後端部には、温度表示部106に着脱自在な端子部104aが接続されている。温度表示部106は、リード線104の端子部104aが着脱自在であり、端子部104aが装着された場合に熱電対に電気的に接続される入力部106aと、熱電対における熱起電力を検出し、この熱起電力に基づいて温度を算出する演算部(図示せず)と、この演算部(図示せず)が算出した温度を表示する表示部106bとを備えている。
[散水ノズル]
図3は、本実施形態において散水に用いる散水ノズル200の構成を示す説明図であり、散水ノズル200は、先端部に散水口を備えた円筒形の本体部202と、本体部202の後端部に取り付けられ連結部204と、を備える。連結部204は、水道に接続されたホース206の先端に取り付けられた連結金具208に接続するものである。
そして、散水作業員が散水ノズル200を石炭山に差し込み、水道から散水ノズル200に水を送り出すことによって散水ノズル200の先端部から水が噴射され、散水ノズル200の先端部付近の石炭が散水冷却される。
[基準測定箇所の位置]
石炭山における石炭温度を管理するために、定期的に温度を測定する基準測定箇所が複数箇所設定されている。ここで、石炭山の外面の石炭は、外気に触れることによって空冷されるため、温度が高くなりにくく、また、石炭山の頂部に行くほど熱が外部に放出されやすいため、温度が高くなりにくく、更に、石炭山の内部の石炭には空気が流れにくいため、酸化反応が進みにくく発熱しにくい。このため、石炭山において、高さが地上から石炭山の高さの1/3付近(本実施形態によれば地上から5m付近)で、深さが外面から1〜2m付近の石炭の温度が高くなり易いことが知られている。
そこで、本実施形態によれば、石炭山における高さが地上5mの仮想等高線上に、センサ部102を差し込むための基準差込位置が複数箇所設定されている。複数の基準差込位置は、所定の間隔(本実施形態によれば5〜8m)を空けて、石炭山の外周に沿って配列される。そして、基準差込位置から水平方向に深さ1.5mの位置が基準測定箇所として設定される。
図4は、石炭山における基準差込位置(1)〜(12)の位置を示す説明図である。
貯炭エリア12には、リクレーマ装置30(図1参照)の両側にそれぞれ石炭山が形成されており、これら2つの石炭山の周囲にそれぞれ基準差込位置が設定されている。
図4に示す例においては、リクレーマ装置30(図1参照)によって削られる側の石炭山の外周に、基準差込位置(1)〜(4)が設定されており、受入コンベア装置40(図1参照)によって石炭が追加される側の石炭山の外周に、基準差込位置(5)〜(12)が設定されている。
ここで、基準差込位置(1)、(3)〜(11)は地上5mに設定されているが、石炭山において崩落防止壁14、14に接している領域における基準差込位置(2)、(12)は、基準差込位置(1)、(3)〜(11)より高い位置に設定されている。具体的には、石炭山において崩落防止壁14、14に接している領域の上端位置から5mの高さに基準差込位置(2)、(12)が設定されている。つまり、石炭山において崩落防止壁14、14に接している領域の石炭は、空気に触れにくいために石炭温度が上がりにくいことが分かっている。そこで、空気に触れている領域の石炭山外面、すなわち崩落防止壁14、14に接している領域の上端位置よりも上方の石炭山外面に基準差込位置(2)、(12)が設定されている。
石炭山における基準差込位置(1)〜(12)には、石炭が貯炭場10で保管される期間において、センサ部102が常設される。具体的に、石炭山の外面における基準差込位置(1)〜(12)にセンサ部102が水平方向に約1.5m差し込まれることにより、センサ部102の先端部が基準測定箇所に位置付けられた状態で、センサ部102が石炭山に常設される。これにより、基準測定箇所の石炭温度を定期的に測定することが可能になる。
また、図4に示すように、石炭山における地面から6〜7mの高さに石炭山の外周方向に沿って、幅60cm〜80cm程度の犬走り60を形成しておくとよい。これにより、作業員が石炭山の外面を移動することが容易に可能になる。
[石炭管理方法の各工程]
図5は、本実施形態における石炭管理方法の各工程を示すフローチャートである。
作業員は、貯炭エリア12に石炭山が形成された際に、予め、石炭山に犬走り60を形成するとともに、基準差込位置にセンサ部102を差し込んでおく(S1)。
次に、温度表示部106を所持する温度測定作業員と散水ノズル200を所持する散水作業員とが石炭山に登り、作業を開始する。温度測定作業員は、石炭温度の測定を行い、散水すべき箇所を散水作業員に伝達する作業を行う。散水作業員は、温度測定作業員から伝達された箇所に散水する作業を行う。
まず、温度測定作業員が基準測定箇所の石炭温度の測定を行う。具体的には、温度測定作業員が石炭山に差し込まれているセンサ部102から延びるリード線104の端子部104aを、温度表示部106の入力部106aに接続することにより、基準測定箇所の石炭温度測定が行われる。温度測定作業員は、基準測定箇所を特定する情報に関連付けて、測定した石炭温度を集計用紙あるいは携帯端末等に記録する(S2)。
次に、温度測定作業員は、測定温度が第1基準温度(例えば、70℃)より高いか否かを判定する(S3)。測定温度が第1基準温度より低い場合には(S3のNO)、温度測定作業員は、散水作業員に散水しない旨を伝達するとともに、端子部104aを温度表示部106から外し、次の基準測定箇所がある場合には(S7のNO)、次のセンサ部102から延びるリード線104の端子部104aを温度表示部106に接続して、その基準測定箇所の石炭温度測定を行う(S2)。
測定温度が第1基準温度より高い場合には(S3のYES)、温度測定作業員は、基準測定箇所の周辺に設定された周辺測定箇所の石炭温度測定を行う(S4)。周辺測定箇所は、基準測定箇所を中心に上下方向に1m、2m、3mの位置、左右方向(水平方向)に1m、2m、3mの位置、更に深さが0.5m、1.5m、2mの箇所に設定されている。すなわち、基準測定箇所を中心とする周囲に計36箇所の周辺測定箇所が設定される。
温度測定作業員は、石炭山における基準測定箇所に配備されているセンサ部102を抜き取り、例えば、基準差込位置に対して左側1m部位にセンサ部102を0.5m差し込んで石炭温度を測定し、更に、1.0m差し込んで石炭温度を測定し、更にまた0.5m差し込んで石炭温度を測定する。このような作業を、基準差込位置に対して左側2m部位、左側3m部位において実施する。左方向の測定作業が終了した後、右方向、上方向、下方向についても同様の測定作業を実施する。これにより、1つの基準差込位置に対応する36箇所の周辺測定箇所の石炭温度が測定される。温度測定作業員は、基準測定箇所と周辺測定箇所と関連付けて石炭温度を集計用紙あるいは携帯端末等に記録する。
温度測定作業員は、周辺測定箇所の石炭温度測定を行った後、36箇所の周辺測定箇所の石炭温度において、第2基準温度(例えば、80℃)を越えている周辺測定箇所を特定し(S6)、散水作業員にその特定箇所を伝達する。そして、特定箇所を伝達した後、温度測定作業員は、センサ部102を基準差込位置に差し込んでセンサ部102の先端部を基準測定箇所に戻すとともに、端子部104aを温度表示部106から外す。その後、次のセンサ部102から延びるリード線104の端子部104aを温度表示部106に接続して、次の基準測定箇所の石炭温度測定を行う(S2)。
温度測定作業員から特定箇所が伝達された散水作業員は、特定箇所に該当する周辺測定箇所付近に散水する(S6)。具体的には、散水作業員が、散水ノズル200を持って、第2基準温度(例えば、80℃)を越えている周辺測定箇所の上部まで移動する。散水作業員は、周辺測定箇所の上部に対応する石炭山の外面の部位から散水ノズル200を下方に向けて差し込み、周辺測定箇所に散水ノズル200の先端部を配置する。そして、散水作業員は、散水ノズル200に水を送り込み、散水ノズル200の先端部から水を噴射させる。これにより、第2基準温度以上になっている石炭が冷却される。そして、散水作業員は、散水を行った後、散水ノズル200を抜き取って、第2基準温度を越えている他の周辺測定箇所の上部に散水ノズル200を差し込み、散水を行う。
ここで、第2基準温度(例えば、80℃)を越えている周囲測定箇所が所定数(例えば、5箇所)以上の場合には、これらの周囲測定箇所の中心となるような箇所に散水ノズル200の先端部を配置し、散水量を増やして散水ノズル200を差し込まれている付近の石炭を崩落させるとよい。具体的には、例えば、3本の散水ノズル200を差し込んで、散水量を3倍にしたり、1本の散水ノズル200から高圧の散水を行ったりする。これにより、温度が高くなっている領域の石炭が外部に露出するため、石炭を広範囲にわたって水冷もしくは空冷することが可能になり、石炭温度を効率よく低下させることが可能になる。
そして、全ての基準測定箇所あるいはその周辺測定箇所の石炭温度測定作業、及び散水作業が終了した後(S7のYES)、必要に応じて石炭山における地面から約1/3の高さ(本実施形態においては5m)までの外面を、一般にブルーシートと称されている大型サイズのシート部材によってカバーする(S8)。以上により、本実施形態における石炭管理方法の各工程を終了する。
このように構成された本実施形態によれば、基準測定箇所及びその周辺に設定された周辺測定箇所の石炭温度に基づいて、散水が必要な箇所と散水する必要がない箇所とを特定するため、石炭温度が高く散水が必要な箇所に対して効率よく散水して石炭を冷却することが可能になる。これにより、発熱による石炭の品質低下を防止するとともに、貯炭場10における石炭の自然発火を確実に防止することが可能になる。
また本実施形態によれば、第2基準温度を越えている周辺測定箇所が所定数以上の場合には、基準測定箇所付近において広範囲に渡って石炭温度が高くなっていることになる。そこで、石炭山における周辺測定箇所付近を崩落させるような散水を行うことにより、高温になった石炭を外気に触れさせることが可能になる。これにより、石炭を広範囲にわたって水冷もしくは空冷することが可能になり、石炭温度を効率よく低下させることが可能になる。
また本実施形態によれば、石炭山における地面から1/3の高さ(本実施形態においては5m)までの外面を大型サイズのシート部材によってカバーすることにより、石炭山の内部に対する空気の侵入を規制することが可能になる。これにより、石炭が空気と接触することによる発熱反応を抑制することが可能になる。
また本実施形態によれば、石炭山における複数の基準測定箇所の近傍に、外周に沿った犬走り60を形成することにより、石炭山における移動が容易になり、センサ部102や散水ノズル200の抜き差し作業が行い易くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、受入コンベア装置40に設置されている、洗浄用の放水装置に散水ノズルを取り付け、任意のタイミングで受入コンベア装置40から石炭山の頂上に向けて散水してもよい。これにより、夏の炎天下のように石炭山の外面が熱くなっているときに散水し、石炭を冷却することによって、石炭の自然発火を防止することが可能になる。あるいは、温度測定作業員によって計測された周辺測定箇所のほとんどが第2基準温度を越えている場合に、受入コンベア装置40の散水ノズルから、その周辺測定箇所の中心にある基準測定箇所の上方に向かって散水してもよい。これにより、散水した水が石炭の隙間を通ることで、周辺測定箇所付近の石炭温度を効率よく低下させることが可能になる。なお、受入コンベア装置40の散水ノズルからの散水によって基準測定箇所付近の石炭を崩落させてもよい。
また、上述した実施形態によれば、基準測定箇所に直接散水されないが、基準測定箇所の石炭温度が第1基準温度より高い場合には、基準測定箇所の石炭温度を周辺測定箇所の石炭温度として扱い、第2基準温度より高い場合に基準測定箇所に直接散水するようにしてもよい。また、周辺測定箇所の石炭温度を測定するために、基準測定箇所からセンサ部102を抜き取る前に、基準測定箇所から1.0m深い箇所及び1.0m浅い箇所の石炭温度を測定し、これらの温度を周辺測定箇所の石炭温度として扱ってもよい。
また、上述した実施形態によれば、周辺測定箇所の石炭温度を測定するために、基準測定箇所からセンサ部102を抜き取っているが、予め数本のセンサ部102を所持して石炭山に移動し、基準測定箇所からセンサ部102を抜き取ることなく周辺測定箇所の石炭温度測定を行ってもよい。なお、温度測定作業員及び散水作業員は複数人であってもよいことは言うまでもない。
また、上述した実施形態によれば、第1基準温度が70℃に第2基準温度が80℃に設定されているが、第1基準温度及び第2基準温度は、石炭の種類に応じて適宜設定可能である。また、第2基準温度を第1基準温度より低く(例えば、65℃)設定することも可能である。これにより、第1基準温度を越えた基準測定箇所に散水するように決定した場合、いずれ高温になる可能性が高い周辺箇所を含めて散水することが可能になる。
10 貯炭場
12 貯炭エリア
14 崩落防止壁
20 払出コンベア装置
30 リクレーマ装置
32 本体
34 ハローフレーム
40 受入コンベア装置
50 石炭船
60 犬走り
100 熱電対温度計
102 センサ部
104 リード線
104a 端子部
106 温度表示部
106a 入力部
106b 表示部
200 散水ノズル
202 本体部
204 連結部
206 ホース
208 連結金具

Claims (5)

  1. 自然積み貯炭場に形成される石炭山の外面近傍における、地面から所定の高さでかつ前記石炭山の外周に沿って所定間隔を空けて設定された複数の基準測定箇所の石炭温度を測定し、石炭温度が、自然発火温度より低く設定された第1基準温度を越えている基準測定箇所を特定する第1測定工程と、
    当該第1測定工程において前記第1基準温度を越えている前記基準測定箇所を中心とする所定範囲に設定された複数の周辺測定箇所の石炭温度を測定し、石炭温度が、自然発火の可能性がある温度に設定された第2基準温度を越えている周辺測定箇所を特定する第2測定工程と、
    当該第2測定工程において、前記第2基準温度を越えている前記周辺測定箇所に散水を行う第1散水工程と、を備えることを特徴とする石炭管理方法。
  2. 前記第1散水工程は、前記第2基準温度を越えている前記周辺測定箇所が所定数以上の場合に、前記石炭山における前記周辺測定箇所付近を崩落させるような散水を行うことを特徴とする請求項1記載の石炭管理方法。
  3. 石炭山の外面における、地面から前記所定の高さまでの部位を大型のシート部材によって覆う工程を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の石炭管理方法。
  4. 石炭山の頂上付近に散水する第2散水工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の石炭管理方法。
  5. 石炭山における前記複数の基準測定箇所の近傍に、外周に沿った犬走りを形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の石炭管理方法。
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