JP6542594B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。
従来より、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板に対して様々な処理が施される。例えば、表面上にレジストのパターンが形成された基板上に薬液を供給することにより、基板の表面に対してエッチング等の薬液処理が行われる。また、薬液処理の終了後、基板上に洗浄液が供給されて洗浄処理が行われ、その後、基板の乾燥処理が行われる。
例えば、特許文献1の基板洗浄装置では、ウエハを水平に保持するスピンチャック上に蓋部材が載置され、ウエハと共に回転する。基板の洗浄処理の際には、まず、蓋部材の上方に離間して配置された上ノズルから、蓋部材の回転中心に設けられた開口を介して、回転中の基板上に洗浄液が供給される。洗浄液としては、フッ酸、塩酸、硫酸、リン酸、アンモニア、過酸化水素水等が利用される。続いて、当該上ノズルから回転中の基板上に純水が供給されることにより、基板に付着している洗浄液が洗い流される。基板上に供給された洗浄液や純水は、基板の回転により径方向外方へと移動して基板と蓋部材との間から周囲へと飛散し、スプラッシュガードにより受けられて排出される。その後、基板の乾燥処理の際には、上記上ノズルから窒素(N)ガスが吐出され、蓋部材の開口を介してウエハ上に供給される。これにより、蓋部材とウエハとの間の空間における酸素濃度を低下させ、基板の乾燥を促進することができる。
特許第3621568号公報
ところで、特許文献1のような装置は、通常、基板の処理に利用される薬液を含む薬液雰囲気が外部に拡散しないように、密閉されたチャンバ内に配置される。当該チャンバでは、例えば、上部に設けられたFFU(ファン・フィルタ・ユニット)から下方に向けて送風が行われ、チャンバ内のガスはチャンバの下部からチャンバ外に排出される。例えば、FFUからのガスは、スプラッシュガードの上部開口からスプラッシュガード内に流入し、スプラッシュガードの内側を通過してスプラッシュガードの下方からチャンバ外に排出される。
このような装置では、チャンバに設けられた基板搬出入口を開放する際に、チャンバ内の薬液雰囲気が基板搬出入口から外部に拡散しないように、チャンバ内の圧力が、大気圧よりも低い圧力にておよそ一定に維持されることが好ましい。しかしながら、特許文献1のように基板の処理の際にスピンチャック上に蓋部材が配置される装置では、スプラッシュガードの上部開口からの空気の流入が蓋部材により阻害され、蓋部材よりも上方の空間の圧力が増大する可能性がある。また、チャンバ内の圧力は、基板に対する処理の種類によっても変化することがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、チャンバ上部空間の圧力を容易に制御することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、前記カップ部の周囲を囲む筒状の周辺側壁部と、前記周辺側壁部の上端部から前記チャンバの側壁部であるチャンバ側壁部へと環状に広がることにより、前記周辺側壁部と前記チャンバ側壁部との間の空間であるチャンバ下部周辺空間を前記チャンバ内の他の空間から仕切る仕切部と、前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御部とを備え、前記カップ部が、円筒状のカップ側壁部と、前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部とを備え、前記仕切部に開閉可能な仕切開口部が設けられ、前記圧力制御部が、前記仕切開口部の開口率を制御することにより、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部および前記仕切部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記圧力制御部の制御により、前記チャンバ上部空間の圧力が、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持され、前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記圧力制御部が前記仕切開口部の開口率を増大させることにより、前記チャンバ上部空間のガスが、前記チャンバ下部周辺空間へと導かれて前記チャンバ外へと排出され、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置であって、前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスが供給され、前記処理空間への前記処理雰囲気用ガスの供給量が増大する際に、前記圧力制御部が前記仕切開口部の開口率を増大させることにより、前記チャンバ上部空間のガスが、前記チャンバ下部周辺空間へと導かれて前記チャンバ外へと排出され、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持される。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の基板処理装置であって、前記周辺側壁部に側壁開口部が設けられ、前記チャンバ上部空間から前記チャンバ下部周辺空間へと導かれたガスが、前記側壁開口部を介して前記周辺側壁部よりも径方向内方へと導かれ、前記カップ部内のガスと共に前記ガス排出部により前記チャンバ外へと排出される。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記仕切開口部が、前記仕切部の全面に亘って均等に分布する複数の開口を有する。
請求項6に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御部とを備え、前記カップ部が、円筒状のカップ側壁部と、前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部とを備え、前記圧力制御部が、前記ガス排出部による排気流量、および、前記ガス導入部による給気流量の少なくとも一方を制御することにより、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を制御し、前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記圧力制御部の制御により、前記チャンバ上部空間の圧力が、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持され、前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記圧力制御部の制御により、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方が実行されることにより、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持される
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板処理装置であって、前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスが供給され、前記処理空間への前記処理雰囲気用ガスの供給量が増大する際に、前記圧力制御部の制御により、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方が実行されることにより、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持される。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置であって、前記チャンバ上部空間の圧力を測定する圧力測定部をさらに備え、前記圧力測定部の出力に基づいて前記圧力制御部による制御が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置であって、前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスを供給する処理雰囲気用ガス供給部と、前記処理空間に連続し、シールガスが供給されることにより前記処理空間を前記チャンバ上部空間からシールするラビリンスとをさらに備える。
請求項10に記載の発明は、請求項に記載の基板処理装置であって、前記対向部材が、前記基板の前記上面に対向するとともに中央部に前記対向部材開口が設けられる対向部材本体と、前記対向部材本体の前記対向部材開口の周囲から上方に突出する筒状の対向部材筒部と、前記対向部材筒部の上端部から径方向外方に環状に広がるとともに前記対向部材移動機構に保持される対向部材フランジ部と、前記対向部材フランジ部の上面において凹部と凸部とが同心円状に交互に配置される第1凹凸部とを備え、前記対向部材移動機構が、前記対向部材フランジ部の下面と前記上下方向に対向する保持部下部と、前記対向部材フランジ部の前記上面と前記上下方向に対向する保持部上部と、前記保持部上部の下面において凹部と凸部とが同心円状に交互に配置される第2凹凸部とをさらに備え、前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態では、前記対向部材フランジ部が前記保持部下部により下側から支持されることにより、前記対向部材が前記対向部材移動機構により保持されて前記基板保持部から上方に離間し、前記対向部材が前記第2の位置に位置する状態では、前記対向部材が、前記対向部材移動機構から離間し、前記基板保持部により保持されて前記基板回転機構により前記基板保持部と共に回転可能となり、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部の一方の凹部内に他方の凸部が間隙を介して配置されることにより前記ラビリンスが形成される。
請求項11に記載の発明は、水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、前記カップ部の周囲を囲む筒状の周辺側壁部と、前記周辺側壁部と前記チャンバの側壁部であるチャンバ側壁部との間の空間であるチャンバ下部周辺空間を前記チャンバ内の他の空間から仕切る仕切部とを備える基板処理装置において基板を処理する基板処理方法であって、前記カップ部が、円筒状のカップ側壁部と、前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部とを備え、前記仕切部に開閉可能な仕切開口部が設けられ、前記基板処理装置において、a)前記チャンバ内における前記カップ天蓋部および前記仕切部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程と、b)前記仕切開口部の開口率を制御することにより、前記チャンバ上部空間の圧力を制御する工程とが実行される。
請求項12に記載の発明は、水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部とを備える基板処理装置において基板を処理する基板処理方法であって、前記カップ部が、円筒状のカップ側壁部と、前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部とを備え、前記基板処理装置において、a)前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程と、b)前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方を実行することにより、前記チャンバ上部空間の圧力を前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程とが実行される。
本発明では、チャンバ上部空間の圧力をチャンバ外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
一の実施の形態に係る基板処理装置の断面図である。 基板処理装置の断面図である。 トッププレートおよび対向部材移動機構の一部を拡大して示す断面図である。 ガス供給路の平面図である。 気液供給部を示すブロック図である。 処理液ノズルの一部を拡大して示す断面図である。 基板の処理の流れを示す図である。 基板処理装置の断面図である。 基板の処理の他の流れを示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す断面図である。基板処理装置1は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板保持部31と、基板回転機構33と、カップ部4と、トッププレート5と、対向部材移動機構6と、処理液ノズル71と、チャンバ11とを備える。基板保持部31、基板回転機構33、カップ部4、トッププレート5、対向部材移動機構6および処理液ノズル71は、チャンバ11の内部に収容される。また、基板処理装置1は、チャンバ11内の圧力を制御する圧力制御部12と、チャンバ11内の圧力を測定する圧力測定部13とをさらに備える。なお、図2以降の図面では、圧力制御部12の図示を省略する。
基板保持部31は、水平状態で基板9を保持する。基板保持部31は、保持ベース部311と、複数のチャック312と、複数の係合部313と、ベース支持部314とを備える。基板9は、保持ベース部311の上方に配置される。保持ベース部311およびベース支持部314はそれぞれ、上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円板状の部材である。保持ベース部311は、ベース支持部314の上方に配置され、ベース支持部314により下方から支持される。保持ベース部311の外径は、ベース支持部314の外径よりも大きい。保持ベース部311は、中心軸J1を中心とする周方向の全周に亘って、ベース支持部314よりも径方向外方に広がる。
複数のチャック312は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、保持ベース部311の上面の外周部に周方向に配置される。基板保持部31では、複数のチャック312により、基板9の外縁部が支持される。各チャック312を駆動する構造は、ベース支持部314の内部に設けられる。複数の係合部313は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、保持ベース部311の上面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部313は、複数のチャック312よりも径方向外側に配置される。
基板回転機構33は、回転機構収容部34の内部に収容される。基板回転機構33および回転機構収容部34は、基板保持部31の下方に配置される。基板回転機構33は、中心軸J1を中心として基板9を基板保持部31と共に回転する。
カップ部4は、中心軸J1を中心とする環状の部材であり、基板9および基板保持部31の径方向外側に配置される。カップ部4は、基板9および基板保持部31の周囲の全周に亘って配置され、基板9から周囲に向かって飛散する処理液等を受ける。カップ部4は、第1ガード41と、第2ガード42と、ガード移動機構43と、排出ポート44とを備える。
第1ガード41は、第1ガード側壁部411と、第1ガード天蓋部412とを有する。第1ガード側壁部411は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。第1ガード天蓋部412は、中心軸J1を中心とする略円環板状であり、第1ガード側壁部411の上端部から径方向内方に広がる。第2ガード42は、第2ガード側壁部421と、第2ガード天蓋部422とを有する。第2ガード側壁部421は、中心軸J1を中心とする略円筒状であり、第1ガード側壁部411よりも径方向外側に位置する。第2ガード天蓋部422は、中心軸J1を中心とする略円環板状であり、第1ガード天蓋部412よりも上方にて第2ガード側壁部421の上端部から径方向内方に広がる。第1ガード側壁部411および第2ガード側壁部421は、カップ部4の側壁部である「カップ側壁部」である。また、第1ガード天蓋部412および第2ガード天蓋部422は、カップ部4の天蓋部である「カップ天蓋部」である。
第1ガード天蓋部412の内径および第2ガード天蓋部422の内径は、基板保持部31の保持ベース部311の外径およびトッププレート5の外径よりも僅かに大きい。第1ガード天蓋部412の上面および下面はそれぞれ、径方向外方に向かうに従って下方に向かう傾斜面である。第2ガード天蓋部422の上面および下面もそれぞれ、径方向外方に向かうに従って下方に向かう傾斜面である。
ガード移動機構43は、第1ガード41を上下方向に移動することにより、基板9からの処理液等を受けるガードを第1ガード41と第2ガード42との間で切り替える。カップ部4の第1ガード41および第2ガード42にて受けられた処理液等は、排出ポート44を介してチャンバ11の外部へと排出される。また、第1ガード41内および第2ガード42内のガス(すなわち、カップ部4内のガス)も排出ポート44を介してチャンバ11の外部へと排出される。
トッププレート5は、平面視において略円形の部材である。トッププレート5は、基板9の上面91に対向する対向部材であり、基板9の上方を遮蔽する遮蔽板である。トッププレート5の外径は、基板9の外径、および、保持ベース部311の外径よりも大きい。トッププレート5は、対向部材本体51と、被保持部52と、複数の係合部53と、第1凹凸部55とを備える。対向部材本体51は、対向部材天蓋部511と、対向部材側壁部512とを備える。対向部材天蓋部511は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材であり、基板9の上面91に対向する。対向部材天蓋部511の中央部には、対向部材開口54が設けられる。対向部材開口54は、例えば、平面視において略円形である。対向部材開口54の直径は、基板9の直径に比べて十分に小さい。対向部材側壁部512は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材であり、対向部材天蓋部511の外周部から下方に広がる。
複数の係合部53は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、対向部材天蓋部511の下面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部53は、対向部材側壁部512の径方向内側に配置される。
被保持部52は、対向部材本体51の上面に接続される。被保持部52は、対向部材筒部521と、対向部材フランジ部522とを備える。対向部材筒部521は、対向部材本体51の対向部材開口54の周囲から上方に突出する略筒状の部位である。対向部材筒部521は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。対向部材フランジ部522は、対向部材筒部521の上端部から径方向外方に環状に広がる。対向部材フランジ部522は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。対向部材フランジ部522の上面には、円周状の凹部と円周状の凸部とが同心円状に交互に配置される第1凹凸部55が設けられる。第1凹凸部55は、複数の凹部と複数の凸部とを有する。当該複数の凹部のうち最も径方向内側の凹部551は、対向部材筒部521の上部に設けられ、第1凹凸部55の他の凹部よりも上下方向の大きさが大きい。
対向部材移動機構6は、対向部材保持部61と、対向部材昇降機構62とを備える。対向部材保持部61は、トッププレート5の被保持部52を保持する。対向部材保持部61は、保持部本体611と、本体支持部612と、フランジ支持部613と、支持部接続部614と、第2凹凸部615とを備える。保持部本体611は、例えば、中心軸J1を中心とする略円板状である。保持部本体611は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の上方を覆う。本体支持部612は、略水平に延びる棒状のアームである。本体支持部612の一方の端部は保持部本体611に接続され、他方の端部は対向部材昇降機構62に接続される。
保持部本体611の中央部からは処理液ノズル71が下方に突出する。処理液ノズル71は、対向部材筒部521に非接触状態で挿入される。以下の説明では、処理液ノズル71と対向部材筒部521との間の空間を「ノズル間隙56」と呼ぶ。処理液ノズル71の周囲には、保持部本体611の下面において円周状の凹部と円周状の凸部とが同心円状に交互に配置される第2凹凸部615が設けられる。第2凹凸部615は、第1凹凸部55と上下方向に対向する。
フランジ支持部613は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。フランジ支持部613は、対向部材フランジ部522の下方に位置する。フランジ支持部613の内径は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の外径よりも小さい。フランジ支持部613の外径は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の外径よりも大きい。支持部接続部614は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。支持部接続部614は、フランジ支持部613と保持部本体611とを対向部材フランジ部522の周囲にて接続する。対向部材保持部61では、保持部本体611は対向部材フランジ部522の上面と上下方向に対向する保持部上部であり、フランジ支持部613は対向部材フランジ部522の下面と上下方向に対向する保持部下部である。
図1に示す位置にトッププレート5が位置する状態では、フランジ支持部613は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の外周部に下側から接して支持する。換言すれば、対向部材フランジ部522が、対向部材移動機構6の対向部材保持部61により保持される。これにより、トッププレート5が、基板9および基板保持部31の上方にて、対向部材保持部61により吊り下げられる。以下の説明では、図1に示すトッププレート5の上下方向の位置を「第1の位置」という。トッププレート5は、第1の位置にて、対向部材移動機構6により保持されて基板保持部31から上方に離間する。また、トッププレート5が第1の位置に位置する状態では、第2凹凸部615の凸部の下端は、第1凹凸部55の凸部の上端よりも上方に位置する。
フランジ支持部613には、トッププレート5の位置ずれ(すなわち、トッププレート5の移動および回転)を制限する移動制限部616が設けられる。図1に示す例では、移動制限部616は、フランジ支持部613の上面から上方に突出する突起部である。移動制限部616が、対向部材フランジ部522に設けられた孔部に挿入されることにより、トッププレート5の位置ずれが制限される。
対向部材昇降機構62は、トッププレート5を対向部材保持部61と共に上下方向に移動させる。図2は、トッププレート5が図1に示す第1の位置から下降した状態を示す断面図である。以下の説明では、図2に示すトッププレート5の上下方向の位置を「第2の位置」という。すなわち、対向部材昇降機構62は、トッププレート5を第1の位置と第2の位置との間で基板保持部31に対して相対的に上下方向に移動する。第2の位置は、第1の位置よりも下方の位置である。換言すれば、第2の位置は、トッププレート5が第1の位置よりも上下方向において基板保持部31に近接する位置である。
トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、トッププレート5の複数の係合部53がそれぞれ、基板保持部31の複数の係合部313と係合する。複数の係合部53は、複数の係合部313により下方から支持される。換言すれば、複数の係合部313はトッププレート5を支持する対向部材支持部である。例えば、係合部313は、上下方向に略平行なピンであり、係合部313の上端部が、係合部53の下端部に上向きに形成された凹部に嵌合する。また、トッププレート5の対向部材フランジ部522は、対向部材保持部61のフランジ支持部613から上方に離間する。これにより、トッププレート5は、第2の位置にて、基板保持部31により保持されて対向部材移動機構6から離間する(すなわち、対向部材移動機構6と非接触状態となる。)。
トッププレート5が基板保持部31により保持された状態では、トッププレート5の対向部材側壁部512の下端が、基板保持部31の保持ベース部311の上面よりも下方、または、保持ベース部311の上面と上下方向に関して同じ位置に位置する。また、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、カップ天蓋部(すなわち、第1ガード天蓋部412および第2ガード天蓋部422)の内周縁が、トッププレート5の対向部材側壁部512の外周面と径方向に対向する。
トッププレート5が第2の位置に位置する状態で基板回転機構33が駆動されると、トッププレート5は、基板9および基板保持部31と共に回転する。換言すれば、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、トッププレート5は、基板回転機構33により基板9および基板保持部31と共に中心軸J1を中心として回転可能となる。
図1および図2に示すように、基板処理装置1は、周辺側壁部81と、仕切部82とを備える。周辺側壁部81は、カップ部4の周囲を囲む筒状の部材である。周辺側壁部81は、僅かな間隙を介してカップ部4の径方向外側に位置する。以下の説明では、周辺側壁部81とカップ部4との間の間隙を「カップ外周間隙83」という。図1および図2に示す例では、周辺側壁部81は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。周辺側壁部81の上端は、カップ部4の上端よりも少し下側に位置する。
周辺側壁部81には、側壁開口部811が設けられる。側壁開口部811は、周辺側壁部81のおよそ全面に亘って略均等に分布する複数の開口812を有する。側壁開口部811は、開閉可能である。周辺側壁部81は、例えば、第1側壁部813と、第2側壁部814と、側壁開口調節部815とを備える。第1側壁部813および第2側壁部814はそれぞれ、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材である。第2側壁部814は、第1側壁部813の径方向外側に位置する。第1側壁部813と第2側壁部814とは径方向に互いに重なる。
図2に示すように、第1側壁部813および第2側壁部814はそれぞれ、上述の開口812に対応する開口を有する。第1側壁部813の開口と第2側壁部814の開口とが重なることにより、側壁開口部811の複数の開口812が形成される。また、図1に示すように、第1側壁部813の開口と第2側壁部814の開口とが重ならない場合、側壁開口部811は閉鎖される。側壁開口調節部815は、第2側壁部814を中心軸J1を中心として回転させる。側壁開口調節部815は、第2側壁部814の開口を第1側壁部813の開口から周方向にずらすことにより、側壁開口部811を開閉し、また、側壁開口部811の開口率を変更する。
仕切部82は、周辺側壁部81の上端部からチャンバ11の側壁部であるチャンバ側壁部111へと環状に広がる板状の部材である。仕切部82により、周辺側壁部81とチャンバ側壁部111との間の空間であるチャンバ下部周辺空間14が、チャンバ11内の他の空間から仕切られる。また、以下の説明では、チャンバ11内における仕切部82および第2ガード天蓋部422(すなわち、カップ天蓋部)よりも上方の空間を、「チャンバ上部空間15」という。上述の圧力測定部13は、チャンバ上部空間15の圧力を測定する。図1および図2に示す例では、仕切部82の上面は、径方向外方(すなわち、中心軸J1から離れる方向)に向かうに従って上方へと向かう傾斜面である。
仕切部82には、仕切開口部821が設けられる。仕切開口部821は、仕切部82のおよそ全面に亘って略均等に分布する複数の開口822を有する。仕切開口部821は、開閉可能である。仕切部82は、例えば、第1仕切部823と、第2仕切部824と、仕切開口調節部825とを備える。第1仕切部823および第2仕切部824はそれぞれ、中心軸J1を中心とする略環状の板状部材である。第2仕切部824は、第1仕切部823の下方に位置する。第1仕切部823と第2仕切部824とは上下方向に互いに重なる。
図2に示すように、第1仕切部823および第2仕切部824はそれぞれ、上述の開口822に対応する開口を有する。第1仕切部823の開口と第2仕切部824の開口とが重なることにより、仕切開口部821の複数の開口822が形成される。また、図1に示すように、第1仕切部823の開口と第2仕切部824の開口とが重ならない場合、仕切開口部821は閉鎖される。仕切開口調節部825は、第2仕切部824を中心軸J1を中心として回転させる。仕切開口調節部825は、第2仕切部824の開口を第1仕切部823の開口から周方向にずらすことにより、仕切開口部821を開閉し、また、仕切開口部821の開口率を変更する。
チャンバ11の天蓋部であるチャンバ天蓋部112には、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)74が設けられる。FFU74は、チャンバ11の上部に設けられた導入口741から、チャンバ11内にガスを導入するガス導入部である。FFU74から導入されたガスにより、チャンバ11内に下方に向かうダウンフローが形成される。FFU74によりチャンバ11内に導入されるガスは、例えば、ドライエアである。
FFU74からチャンバ上部空間15に供給されたガスの一部は、トッププレート5とカップ天蓋部(すなわち、第1ガード天蓋部412および第2ガード天蓋部422)の内周縁との間からカップ部4内に流入し、排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。また、FFU74からチャンバ上部空間15に供給されたガスの一部は、カップ外周間隙83を介してカップ部4の下方へと導かれ、カップ部4内のガスと共に排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。
図2に示すように、チャンバ11内において、仕切開口部821および側壁開口部811が開いている状態では、FFU74からチャンバ上部空間15に供給されたガスの一部は、仕切開口部821を介してチャンバ下部周辺空間14へと導かれる。チャンバ上部空間15からチャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスは、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれ、カップ部4の下方へと導かれる。そして、カップ部4内のガスと共に排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。
図3は、トッププレート5および対向部材移動機構6の一部を拡大して示す断面図である。図2および図3に示すように、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、第1凹凸部55と第2凹凸部615とが、互いに非接触状態で上下方向に近接する。第1凹凸部55の凸部は、第2凹凸部615の凹部内に間隙を介して配置され、第2凹凸部615の凸部は第1凹凸部55の凹部内に間隙を介して配置される。換言すれば、第1凹凸部55および第2凹凸部615の一方の凹部内に他方の凸部が間隙を介して配置される。これにより、処理液ノズル71の周囲において、トッププレート5の対向部材フランジ部522と対向部材移動機構6の保持部本体611との間にラビリンス57が形成される。ラビリンス57全体において、第1凹凸部55と第2凹凸部615との間の上下方向の距離および径方向の距離はおよそ一定である。ラビリンス57は、ノズル間隙56に連続する。トッププレート5が回転する際には、第1凹凸部55は回転し、第2凹凸部615は回転しない。
基板処理装置1では、トッププレート5が第2の位置に位置する状態(すなわち、基板9の処理が行われる処理空間90が形成された状態)においてのみ、ラビリンス57が形成される。処理空間90とは、第2の位置に位置するトッププレート5と基板9との間の空間である。これにより、トッププレートの上下方向の位置にかかわらずラビリンスが常に設けられる構造の基板処理装置に比べて、基板処理装置1の扁平化(すなわち、上下方向における小型化)を実現することができる。
図3に示すように、対向部材保持部61の内部には、ラビリンス57に接続されるガス供給路58が設けられる。なお、上述の図1および図2では、ガス供給路58の図示を省略している。図4は、ガス供給路58を示す平面図である。図3および図4に示すように、ガス供給路58は、第1流路581と、第1マニホールド582と、複数の第2流路583と、第2マニホールド584と、複数のガス噴射口585とを備える。第1マニホールド582、複数の第2流路583および第2マニホールド584は、保持部本体611の内部に形成され、複数のガス噴射口585は保持部本体611の下面に形成される。また、第1流路581は本体支持部612の内部に形成される。
複数のガス噴射口585は、第2凹凸部615の1つの凹部の上面(すなわち、凹部の底面)において、略等角度間隔にて周方向に配置される。複数のガス噴射口585は、中心軸J1を中心として周状に配置される周状噴射口である。当該周状噴射口は、ラビリンス57の径方向内端と径方向外端との間に配置される。ガス供給路58では、例えば、中心軸J1を中心とする略円環状の1つの噴射口が、複数のガス噴射口585に代えて周状噴射口として設けられてもよい。
第2マニホールド584は、複数のガス噴射口585の上方に配置され、複数のガス噴射口585に接続される。第2マニホールド584は、中心軸J1を中心とする略円環状の流路である。第1マニホールド582は、第2マニホールド584の径方向外側に配置される。第1マニホールド582は、中心軸J1を中心とする略円環状の流路である。複数の第2流路583は、略径方向に延びる直線状の流路であり、第1マニホールド582と第2マニホールド584とを接続する。図4に示す例では、4つの第2流路583が略等角度間隔にて周方向に配置される。第1流路581は、第1マニホールド582から径方向外方へと延びる。第1流路581は、複数の第2流路583と周方向において異なる位置に配置される。
図5は、基板処理装置1におけるガスおよび処理液の供給に係る気液供給部7を示すブロック図である。気液供給部7は、処理液ノズル71と、処理液供給部72と、ガス供給部73と、FFU74と、ガス排出部75とを備える。処理液供給部72は処理液ノズル71に接続され、処理液ノズル71に処理液を供給する。ガス供給部73は、処理液ノズル71に接続され、処理液ノズル71にガスを供給する。ガス供給部73は、また、対向部材保持部61に設けられるガス供給路58の第1流路581にも接続され、ガス供給路58を介してラビリンス57にガスを供給する。
ガス排出部75は、排出ポート44に接続され、排出ポート44を介してカップ部4内のガスを吸引してチャンバ11外へと排出する。また、ガス排出部75は、カップ部4の周囲のガスも排出ポート44を介して吸引してチャンバ11外へと排出する。FFU74およびガス排出部75は、圧力制御部12(図1参照)により制御される。圧力制御部12は、また、側壁開口調節部815および仕切開口調節部825(図1および図2参照)も制御する。ガス排出部75は、例えば、一定の吸引力にてガスを吸引するポンプと、当該ポンプに接続される排気ダクトと、当該排気ダクト内に設けられて排気ダクトの流路面積を変更するダンパを備える。圧力制御部12によるガス排出部75の排気流量の制御は、例えば、当該ダンパを駆動して排気ダクトの流路面積を制御することにより行われる。
基板処理装置1では、処理液として、様々な種類の液体が利用される。処理液は、例えば、基板9の薬液処理に用いられる薬液(ポリマー除去液、フッ酸や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のエッチング液等)であってもよい。処理液は、例えば、基板9の洗浄処理に用いられる純水(DIW:deionized water)や炭酸水等の洗浄液であってもよい。処理液は、例えば、基板9上の液体を置換するために供給されるイソプロピルアルコール(IPA)等であってもよい。ガス供給部73から供給されるガスは、例えば、窒素(N)ガス等の不活性ガスである。ガス供給部73からは、不活性ガス以外の様々なガスが供給されてもよい。
図6は、処理液ノズル71の一部を拡大して示す断面図である。処理液ノズル71は、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)により形成される。処理液ノズル71の内部には、処理液流路716と、2つのガス流路717とが設けられる。処理液流路716は、図5に示す処理液供給部72に接続される。2つのガス流路717は、図5に示すガス供給部73に接続される。
処理液供給部72から図6に示す処理液流路716に供給された処理液は、処理液ノズル71の下端面に設けられた吐出口716aから下方へと吐出される。処理液ノズル71から複数種類の処理液が吐出される場合、処理液ノズル71には、複数種類の処理液にそれぞれ対応する複数の処理液流路716が設けられ、複数種類の処理液はそれぞれ複数の吐出口716aから吐出されてもよい。
ガス供給部73から中央のガス流路717(図中の右側のガス流路717)に供給された不活性ガスは、処理液ノズル71の下端面に設けられた下面噴射口717aから下方に向けて供給(例えば、噴射)される。ガス供給部73から外周部のガス流路717に供給された不活性ガスは、処理液ノズル71の側面に設けられた複数の側面噴射口717bから周囲に供給される。
複数の側面噴射口717bは周方向に略等角度間隔にて配列される。複数の側面噴射口717bは、外周部のガス流路717の下端部から周方向に延びる周状流路に接続される。ガス供給部73から供給された不活性ガスは、複数の側面噴射口717bから、斜め下方に向けて供給(例えば、噴射)される。なお、側面噴射口717bは1つだけ設けられてもよい。
処理液供給部72(図5参照)から供給された処理液は、処理液ノズル71の吐出口716aから、図2に示す対向部材開口54を介して基板9の上面91に向けて吐出される。換言すれば、処理液ノズル71は、処理液供給部72から供給された処理液を、対向部材開口54を介して基板9の上面91に供給する。基板処理装置1では、処理液ノズル71は、対向部材本体51の対向部材開口54から下方に突出してもよい。換言すれば、処理液ノズル71の先端が、対向部材開口54の下端縁よりも下方に位置してもよい。処理液供給部72から供給された処理液は、処理液ノズル71内にて対向部材開口54を介して下方に流れ、処理液ノズル71の吐出口716a(図6参照)から基板9の上面91に向けて吐出される。処理液が対向部材開口54を介して供給されるという場合、対向部材開口54よりも上方にて処理液ノズル71から吐出された処理液が対向部材開口54を通過する状態のみならず、対向部材開口54に挿入された処理液ノズル71を介して処理液が吐出される状態も含む。
ガス供給部73(図5参照)から処理液ノズル71に供給された不活性ガスの一部は、処理液ノズル71の下面噴射口717a(図6参照)から、対向部材開口54を介して第2の位置に位置するトッププレート5と基板9との間の処理空間90に供給される。また、ガス供給部73から処理液ノズル71に供給された不活性ガスの一部は、処理液ノズル71の複数の側面噴射口717b(図6参照)からノズル間隙56へと供給される。ノズル間隙56では、ガス供給部73からの不活性ガスが、処理液ノズル71の側面から斜め下方に向かって供給されて下方に向かって流れ、処理空間90へと供給される。
基板処理装置1では、基板9の処理は、好ましくは処理空間90に処理液ノズル71から不活性ガスが供給されて処理空間90が不活性ガス雰囲気となっている状態で行われる。換言すれば、ガス供給部73から処理空間90に供給されるガスは、処理雰囲気用ガスである。処理雰囲気用ガスには、処理液ノズル71からノズル間隙56へと供給され、ノズル間隙56を介して処理空間90に供給されるガスも含まれる。
ガス供給部73から図3および図4に示すガス供給路58の第1流路581に供給された不活性ガスは、第1マニホールド582にて周方向に拡がり、複数の第2流路583を介して第2マニホールド584へと導かれる。当該不活性ガスは、第2マニホールド584においても周方向に拡がり、ラビリンス57の径方向内端と径方向外端との間にて、複数のガス噴射口585から下方のラビリンス57に向けて噴射される。複数のガス噴射口585からラビリンス57に不活性ガスが供給されることより、ラビリンス57よりも径方向内側にてラビリンス57に連続するノズル間隙56、および、ノズル間隙56に連続する処理空間90が、ラビリンス57の径方向外側の空間(すなわち、チャンバ上部空間15)からシールされる。すなわち、ガス供給部73からラビリンス57に供給されるガスは、シールガスである。複数のガス噴射口585からラビリンス57に供給された不活性ガスは、ラビリンス57内において径方向外方および径方向内方へと拡がる。
図5に示す例では、ガス供給部73は、シールガスの供給源であるシールガス供給部であり、かつ、処理雰囲気用ガスの供給源である処理雰囲気用ガス供給部でもある。そして、処理雰囲気用ガスとシールガスとが同じ種類のガスである。なお、処理雰囲気用ガスとシールガスとは、異なる種類のガスであってもよい。ガス供給路58では、第1マニホールド582および第2マニホールド584はそれぞれ、シールガス供給部であるガス供給部73と複数のガス噴射口585との間にて、シールガスを一時的に貯留する環状のマニホールドである。
次に、基板処理装置1における基板9の処理の流れの一例について、図7を参照しつつ説明する。基板処理装置1では、まず、トッププレート5が図1に示す第1の位置に位置する状態(すなわち、トッププレート5が対向部材保持部61により保持されている状態)において、FFU74によりチャンバ11内にガスが供給され、ガス排出部75(図5参照)により、チャンバ11内のガスがチャンバ11外へと排出される。
チャンバ11内では、仕切部82の仕切開口部821および周辺側壁部81の側壁開口部811は、例えば、閉鎖されている。このため、FFU74からチャンバ上部空間15へと供給されたガスは、チャンバ下部周辺空間14には流入せず、カップ天蓋部の中央開口からカップ部4内の空間に流入し、排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。また、FFU74からチャンバ上部空間15へと供給されたガスの一部は、カップ外周間隙83を介して排出ポート44へと導かれ、排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。なお、仕切開口部821および側壁開口部811は、比較的低い開口率にて開放されていてもよい。この場合、FFU74からチャンバ上部空間15へと供給されたガスの一部は、チャンバ下部周辺空間14を介して排出ポート44へと導かれ、排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。
基板処理装置1では、圧力測定部13によりチャンバ上部空間15の圧力が継続的に測定されており、圧力測定部13の出力(すなわち、チャンバ上部空間15の圧力の測定値)に基づいて、圧力制御部12によるFFU74およびガス排出部75の制御が行われる。これより、チャンバ上部空間15の圧力が、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力とされ、当該チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持される(ステップS11)。チャンバ11外の圧力が大気圧である場合、チャンバ上部空間15の圧力は、大気圧よりも低い負圧に維持される。FFU74によるガス供給量(すなわち、給気流量)、および、ガス排出部75によるガス排出量(すなわち、排気流量)は、例えば、後述するステップS12〜S23の間、所定の量に維持される。
続いて、チャンバ11のチャンバ上部空間15に面する搬出入口113が開放され、基板9が搬出入口113を介してチャンバ11内に搬入されて基板保持部31により保持される(ステップS12)。そして、チャンバ11の搬出入口113が閉鎖される。上述のように、チャンバ上部空間15の圧力はチャンバ11外の圧力よりも低い。このため、基板9の搬入時において、チャンバ11内の雰囲気が搬出入口113からチャンバ11外へと流出することを抑制することができる。
次に、対向部材昇降機構62により対向部材保持部61が下方へと移動される。これにより、トッププレート5が第1の位置から第2の位置へと下方に移動し、図2に示すように、トッププレート5が基板保持部31により保持される(ステップS13)。カップ天蓋部の中央開口は、その大部分がトッププレート5により閉塞されるため、チャンバ上部空間15からカップ部4内へと導かれるガスの流路は小さくなる。
また、図2および図3に示すように、トッププレート5と対向部材保持部61との間にラビリンス57が形成される。そして、ガス供給部73(図5参照)から処理液ノズル71を介して、ノズル間隙56および処理空間90に不活性ガス(すなわち、処理雰囲気用ガス)の供給が開始される。また、ガス供給部73からガス供給路58(図3参照)を介して、ラビリンス57に不活性ガス(すなわち、シールガス)の供給が開始される。処理雰囲気用ガスおよびシールガスは、FFU74から供給されるガスと共にカップ部4等を介して排出ポート44へと導かれ、排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。
基板処理装置1では、トッププレート5が第1の位置から第2の位置へと移動される際に(すなわち、ステップS13と並行して)、圧力制御部12(図1参照)により仕切開口調節部825および側壁開口調節部815が制御されることにより、ステップS11において閉鎖されていた仕切部82の仕切開口部821および周辺側壁部81の側壁開口部811が開放される。ステップS11において仕切開口部821および側壁開口部811が比較的低い開口率にて開放されていた場合、仕切開口部821および側壁開口部811は、比較的高い開口率まで開放される。なお、ステップS11において側壁開口部811がある程度以上の開口率で開放されていた場合は、側壁開口部811の開口率は変更されることなく、仕切開口部821の開口率のみが増大されてもよい。
これにより、第2の位置に位置するトッププレート5によりカップ部4内への流入が阻害されたチャンバ上部空間15のガス(すなわち、FFU74からのガス、および、ラビリンス57からのシールガス)が、仕切開口部821を介してチャンバ下部周辺空間14へと導かれる。チャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスは、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれ、カップ部4内のガスおよびカップ外周間隙83を通過したガスと共に、ガス排出部75により排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。その結果、チャンバ上部空間15の圧力が、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持される。
換言すれば、基板処理装置1では、圧力制御部12が、仕切開口部821の開口率を制御することにより、チャンバ上部空間15の圧力を容易に制御することができる。具体的には、トッププレート5が第1の位置から移動されて第2の位置に位置する際に、圧力制御部12が、仕切開口部821の開口率を増大させる(ステップS14)。これにより、チャンバ上部空間15のガスが、トッププレート5が第1の位置に位置する状態よりも多量にチャンバ下部周辺空間14へと導かれてチャンバ11外へと排出される。その結果、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。具体的には、トッププレート5が第1の位置から移動されて第2の位置に位置する際に、FFU74による給気流量、および、ガス排出部75による排気流量をおよそ一定に維持したままで、チャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
ステップS14では、圧力制御部12による仕切開口部821の開口率変更は、好ましくは、圧力測定部13の出力(すなわち、圧力測定部13によるチャンバ上部空間15の圧力の測定値)に基づいて行われる。具体的には、圧力測定部13の出力が所定の目標圧力におよそ等しくなるように、圧力制御部12により仕切開口部821の開口率が変更される。これにより、チャンバ上部空間15の圧力制御の精度を向上することができる。したがって、仮にガス排出部75の排気流量の制御が不安定である場合等であっても、チャンバ上部空間15の圧力を精度良く制御することができる。圧力制御部12による仕切開口部821の制御は、例えば、チャンバ上部空間15の圧力の測定値と仕切開口部821の開口率との関係を示すテーブル等に基づいて行われてもよい。後述するステップS22における仕切開口部821の開口率変更においても同様である。
また、上述のように、トッププレート5が第1の位置から移動されて第2の位置に位置する際には、チャンバ上部空間15からチャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスが、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれ、カップ部4内のガスと共にガス排出部75によりチャンバ11外へと排出される。このように、チャンバ11内のガスの排出機構を共通化することにより、チャンバ下部周辺空間14内のガスを排出する機構をガス排出部75とは別に設ける場合に比べて、基板処理装置1の構造を簡素化することができる。
次に、図2に示す基板回転機構33により、基板保持部31、基板9およびトッププレート5の回転が開始される(ステップS15)。処理液ノズル71からの不活性ガスの供給、および、ラビリンス57への不活性ガスの供給は、ステップS15以降も継続される。そして、処理液供給部72から処理液ノズル71へと第1処理液が供給され、第2の位置に位置するトッププレート5の対向部材開口54を介して、回転中の基板9の上面91の中央部に供給される(ステップS16)。
処理液ノズル71から基板9の中央部に供給された第1処理液は、基板9の回転により、基板9の中央部から径方向外方へと拡がり、基板9の上面91全体に付与される。第1処理液は、基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第1ガード41により受けられる。図2に示す第1ガード41の上下方向の位置は、基板9からの処理液を受ける位置であり、以下の説明では「受液位置」という。第1処理液が基板9に対して所定時間付与されることにより、第1処理液による基板9の処理が終了する。
第1処理液は、例えば、ポリマー除去液やエッチング液等の薬液であり、ステップS16において、基板9に対する薬液処理が行われる。なお、第1処理液の供給(ステップS16)は、基板9の回転開始(ステップS15)よりも前に行われてもよい。この場合、静止状態の基板9の上面91全体に第1処理液がパドル(液盛り)され、第1処理液によるパドル処理が行われる。
第1処理液による基板9の処理が終了すると、処理液ノズル71からの第1処理液の供給が停止される。そして、ガード移動機構43により第1ガード41が下方に移動され、図8に示すように、上述の受液位置よりも下方の待避位置へと位置する。これにより、基板9からの処理液を受けるガードが、第1ガード41から第2ガード42に切り替えられる。すなわち、ガード移動機構43は、第1ガード41を受液位置と待避位置との間で上下方向に移動することにより、基板9からの処理液を受けるガードを第1ガード41と第2ガード42との間で切り替えるガード切替機構である。
続いて、処理液供給部72から処理液ノズル71へと第2処理液が供給され、第2の位置に位置するトッププレート5の対向部材開口54を介して、回転中の基板9の上面91の中央部に供給される(ステップS17)。処理液ノズル71から基板9の中央部に供給された第2処理液は、基板9の回転により、基板9の中央部から径方向外方へと拡がり、基板9の上面91全体に付与される。第2処理液は、基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第2ガード42により受けられる。第2処理液が基板9に対して所定時間付与されることにより、第2処理液による基板9の処理が終了する。第2処理液は、例えば、純水や炭酸水等の洗浄液であり、ステップS17において、基板9に対する洗浄処理が行われる。
第2処理液による基板9の処理が終了すると、処理液ノズル71からの第2処理液の供給が停止される。そして、ガス供給部73により処理液ノズル71の側面からノズル間隙56に向けて噴射される不活性ガスの流量が増大する。また、処理液ノズル71の下端面から処理空間90に向けて噴射される不活性ガスの流量も増大する。換言すれば、処理雰囲気用ガスである不活性ガスの処理空間90への供給量が増大する。さらに、基板回転機構33による基板9の回転速度が増大する。これにより、基板9の上面91上に残っている第2処理液等が径方向外方へと移動して基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第2ガード42により受けられる。基板9の回転が所定の時間だけ継続されることにより、基板9の上面91上から処理液を除去する乾燥処理が行われる(ステップS18)。
上述のように、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大すると、カップ部4内の圧力が増大する。これにより、チャンバ上部空間15のガスが、トッププレート5とカップ天蓋部との間の間隙(すなわち、チャンバ上部空間15からカップ部4内へのガスの流路)からカップ部4内に流入することが阻害される。また、カップ部4内のガスが、トッププレート5とカップ天蓋部との間の間隙からチャンバ上部空間15へと流出する場合もある。
基板処理装置1では、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際に(すなわち、ステップS18と並行して)、圧力制御部12(図1参照)により仕切開口調節部825および側壁開口調節部815が制御されることにより、仕切部82の仕切開口部821および周辺側壁部81の側壁開口部811の開口率が増大される。なお、ステップS14において側壁開口部811がある程度以上の開口率で開放されていた場合は、側壁開口部811の開口率は変更されることなく、仕切開口部821の開口率のみが増大されてもよい。
これにより、カップ部4内への流入が阻害されたチャンバ上部空間15のガスが、より効率良く、仕切開口部821を介してチャンバ下部周辺空間14へと導かれる。また、カップ部4内からチャンバ上部空間15へと流出したガスも、仕切開口部821を介してチャンバ下部周辺空間14へと導かれる。チャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスは、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれ、カップ部4内のガスおよびカップ外周間隙83を通過したガスと共に、ガス排出部75により排出ポート44を介してチャンバ11外へと排出される。その結果、チャンバ上部空間15の圧力が、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持される。
換言すれば、基板処理装置1では、圧力制御部12が、仕切開口部821の開口率を制御することにより、チャンバ上部空間15の圧力を容易に制御することができる。具体的には、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際に、圧力制御部12が、仕切開口部821の開口率を増大させる(ステップS19)。これにより、チャンバ上部空間15のガスが、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する前よりも多量にチャンバ下部周辺空間14へと導かれてチャンバ11外へと排出される。その結果、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。具体的には、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際に、FFU74による給気流量、および、ガス排出部75による排気流量をおよそ一定に維持したままで、チャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
ステップS19では、圧力制御部12による仕切開口部821の開口率変更は、好ましくは、圧力測定部13の出力(すなわち、圧力測定部13によるチャンバ上部空間15の圧力の測定値)に基づいて行われる。具体的には、圧力測定部13の出力が所定の目標圧力におよそ等しくなるように、圧力制御部12により仕切開口部821の開口率が変更される。これにより、チャンバ上部空間15の圧力制御の精度を向上することができる。したがって、仮にガス排出部75の排気流量の制御が不安定である場合等であっても、チャンバ上部空間15の圧力を精度良く制御することができる。圧力制御部12による仕切開口部821の制御は、例えば、チャンバ上部空間15の圧力の測定値と仕切開口部821の開口率との関係を示すテーブル等に基づいて行われてもよい。
また、上述のように、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際には、チャンバ上部空間15からチャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスが、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれ、カップ部4内のガスと共にガス排出部75によりチャンバ11外へと排出される。このように、チャンバ11内のガスの排出機構を共通化することにより、チャンバ下部周辺空間14内のガスを排出する機構をガス排出部75とは別に設ける場合に比べて、基板処理装置1の構造を簡素化することができる。
上述のように、基板処理装置1では、トッププレート5の位置が第1の位置から第2の位置へと変化する際に、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。このように、トッププレート5の位置にかかわらずチャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持してチャンバ上部空間15の圧力変動を抑制することにより、トッププレート5の位置変化による処理空間90における雰囲気の変化(例えば、気流の乱れ等)を抑制することができる。また、基板処理装置1では、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際にも、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。このように、処理空間90への処理雰囲気用ガスの供給量にかかわらずチャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持してチャンバ上部空間15の圧力変動を抑制することにより、処理雰囲気用ガスの供給量の変化による処理空間90における雰囲気の変化(例えば、気流の乱れ等)を抑制することができる。その結果、処理空間90における基板9に対する処理(例えば、薬液処理、洗浄処理、乾燥処理)の質を向上することができる。
また、チャンバ上部空間15の圧力変動が抑制されることにより、処理空間90をチャンバ上部空間15からシールするラビリンス57を好適に維持することができる。その結果、チャンバ上部空間15の雰囲気がノズル間隙56を介して処理空間90へと侵入することを抑制することができる。
基板9の乾燥処理が終了すると、基板回転機構33による基板保持部31、基板9およびトッププレート5の回転が停止される(ステップS20)。また、ガス供給部73からノズル間隙56、処理空間90およびラビリンス57への不活性ガスの供給が停止される。次に、対向部材昇降機構62により対向部材保持部61が上方に移動することにより、トッププレート5が、第2の位置から図1に示す第1の位置へと上方に移動する(ステップS21)。トッププレート5は、基板保持部31から上方に離間して対向部材保持部61により保持される。これにより、カップ天蓋部の中央開口が大きく開放され、チャンバ上部空間15からカップ部4内へと導かれるガスの流路が大きくなる。
基板処理装置1では、トッププレート5が第2の位置から第1の位置へと移動される際に(すなわち、ステップS21と並行して)、圧力制御部12により仕切開口調節部825および側壁開口調節部815が制御されることにより、仕切部82の仕切開口部821および周辺側壁部81の側壁開口部811が閉鎖される。あるいは、仕切開口部821および側壁開口部811が開放された状態で、仕切開口部821(および側壁開口部811)の開口率が減少される。
このように、基板処理装置1では、トッププレート5が第2の位置から移動されて第1の位置に位置する際に、圧力制御部12は、仕切開口部821の開口率を減少させる(ステップS22)。チャンバ11内では、上述のように、カップ天蓋部の中央開口が大きく開放されるため、トッププレート5が第2の位置に位置する状態においてチャンバ下部周辺空間14へと流入していたガスが、カップ部4内へと導かれてチャンバ11外へと排出される。これにより、トッププレート5が第2の位置から移動されて第1の位置に位置する際にも、FFU74による給気流量、および、ガス排出部75による排気流量をおよそ一定に維持したままで、チャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
その後、チャンバ11のチャンバ上部空間15に面する搬出入口113が開放され、基板9が搬出入口113を介してチャンバ11から搬出される(ステップS23)。基板処理装置1では、上述のように、基板9に対する処理(例えば、薬液処理、洗浄処理、乾燥処理)が行われている間、チャンバ上部空間15の圧力がチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持されている。このため、基板9の搬出時においても、チャンバ11内の雰囲気が搬出入口113からチャンバ11外へと流出することを抑制することができる。また、基板9に対する処理の終了後、チャンバ上部空間15の圧力を調節することなく、速やかに搬出入口113を開放して基板9の搬出を行うことができる。基板処理装置1では、複数の基板9に対して、上述のステップS12〜S23が順次行われ、複数の基板9が順次処理される。
基板処理装置1では、上述のように、仕切開口部821が、仕切部82のおよそ全面に亘って略均等に分布する複数の開口822を有する。このため、仕切開口部821を開放した状態において、カップ部4の周囲における気流の均一性を向上することができる。これにより、チャンバ上部空間15からトッププレート5とカップ天蓋部との間の間隙(すなわち、チャンバ上部空間15からカップ部4内へのガスの流路)へと向かうガスの流れの周方向における均一性を向上することができる。その結果、処理空間90における雰囲気の変化(例えば、気流の乱れ等)を、より一層抑制することができる。
図9は、基板処理装置1における基板9の処理の他の好ましい流れを示す図である。図9に示す処理では、トッププレート5が第1の位置から移動されて第2の位置に位置する際に(ステップS13)、図7に示すステップS14に代えて、ステップS31が並行して行われる。具体的には、仕切開口部821の開口率を変更することなく、圧力制御部12により、FFU74による給気流量、および、ガス排出部75による排気流量の少なくとも一方が制御されることにより、チャンバ上部空間15の圧力が容易に制御される。さらに具体的には、圧力制御部12により、FFU74による給気流量の減少、および、ガス排出部75による排気流量の増大の少なくとも一方が実行される(ステップS31)。これにより、チャンバ上部空間15からカップ部4へのガスの流路であるカップ天蓋部の中央開口の大部分がトッププレート5により閉塞された状態であっても、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
また、図9に示す処理では、ステップS18の乾燥処理において、処理雰囲気用ガスである不活性ガスの処理空間90への供給量が増大する際に、図7に示すステップS19に代えて、ステップS32が並行して行われる。具体的には、仕切開口部821の開口率を変更することなく、圧力制御部12により、FFU74による給気流量、および、ガス排出部75による排気流量の少なくとも一方が制御されることにより、チャンバ上部空間15の圧力が容易に制御される。さらに具体的には、圧力制御部12により、FFU74による給気流量の減少、および、ガス排出部75による排気流量の増大の少なくとも一方が実行される(ステップS32)。これにより、処理空間90への処理雰囲気用ガスの供給量が増大する場合であっても、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
図9に示す処理では、トッププレート5が第2の位置から移動されて第1位置に位置する際に(ステップS21)、図7に示すステップS22に代えて、ステップS33が並行して行われる。具体的には、仕切開口部821の開口率を変更することなく、圧力制御部12によりFFU74およびガス排出部75の少なくとも一方が制御され、FFU74による給気流量の増大、および、ガス排出部75による排気流量の減少の少なくとも一方が実行される(ステップS33)。チャンバ11内では、上述のように、カップ天蓋部の中央開口が大きく開放されるため、チャンバ上部空間15のガスが当該中央開口を介してカップ部4内へと導かれてチャンバ11外へと排出される。これにより、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。
このように、基板処理装置1では、ステップS31〜S33が行われる場合であっても、トッププレート5の位置にかかわらずチャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持してチャンバ上部空間15の圧力変動を抑制することことができる。これにより、トッププレート5の位置変化による処理空間90における雰囲気の変化(例えば、気流の乱れ等)を抑制することができる。また、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際にも、チャンバ上部空間15の圧力を、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に容易に維持することができる。このように、処理空間90への処理雰囲気用ガスの供給量にかかわらずチャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持してチャンバ上部空間15の圧力変動を抑制することにより、処理雰囲気用ガスの供給量の変化による処理空間90における雰囲気の変化(例えば、気流の乱れ等)を抑制することができる。その結果、処理空間90における基板9に対する処理(例えば、薬液処理、洗浄処理、乾燥処理)の質を向上することができる。
また、チャンバ上部空間15の圧力変動が抑制されることにより、処理空間90をチャンバ上部空間15からシールするラビリンス57を好適に維持することができる。その結果、チャンバ上部空間15の雰囲気がノズル間隙56を介して処理空間90へと侵入することを抑制することができる。
上述のステップS31,S32では、圧力制御部12によるFFU74およびガス排出部75の少なくとも一方の制御は、好ましくは、圧力測定部13の出力(すなわち、圧力測定部13によるチャンバ上部空間15の圧力の測定値)に基づいて行われる。具体的には、圧力測定部13の出力が所定の目標圧力におよそ等しくなるように、圧力制御部12により、FFU74による給気流量の減少、および、ガス排出部75による排気流量の増大の少なくとも一方が実行される。これにより、チャンバ上部空間15の圧力制御の精度を向上することができる。圧力制御部12によるFFU74およびガス排出部75の少なくとも一方の制御は、例えば、チャンバ上部空間15の圧力の測定値と、FFU74による給気流量およびガス排出部75による排気流量の少なくとも一方との関係を示すテーブル等に基づいて行われてもよい。ステップS33におけるFFU74およびガス排出部75の少なくとも一方の制御においても同様である。
上記基板処理装置1では、様々な変更が可能である。
例えば、仕切部82における仕切開口部821の開口率を変更する機構は、上述の機構に限定されず、様々に変更されてよい。周辺側壁部81における側壁開口部811の開口率を変更する機構も、上述の機構に限定されず、様々に変更されてよい。
基板処理装置1では、チャンバ上部空間15の圧力をチャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持することができるのであれば、圧力測定部13は省略されてもよい。また、チャンバ上部空間15の圧力は、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持されるのであれば、必ずしも一定の圧力にされる必要はない。
基板処理装置1では、チャンバ上部空間15からチャンバ下部周辺空間14に流入したガスは、必ずしも、カップ部4内のガスを排出するガス排出部75によりチャンバ11外へと排出される必要はない。例えば、ガス排出部75とは独立した他のガス排出部がチャンバ下部周辺空間14に接続され、当該他のガス排出部によりチャンバ下部周辺空間14内のガスがチャンバ11外に排出されてもよい。この場合、周辺側壁部81から側壁開口部811が省略されてよい。
ラビリンス57は、必ずしも、対向部材フランジ部522の第1凹凸部55と対向部材保持部61の第2凹凸部615とにより形成される必要はない。ラビリンス57の形状および配置は、様々に変更されてよい。また、ラビリンス57は、必ずしも、トッププレート5が第2の位置の位置する状態においてのみ形成される必要はなく、トッププレート5の位置にかかわらず設けられていてもよい。トッププレート5は、必ずしも、基板保持部31に保持されて基板回転機構33により基板9と共に回転する必要はなく、基板回転機構33から独立した他の回転機構により回転されてもよい。また、トッププレート5は、回転しなくてもよい。
カップ部4は、1つ、または、3つ以上のガードを備えていてもよい。カップ部4が備えるガードが1つである場合、当該ガードのガード側壁部およびガード天蓋部が、カップ部4のカップ側壁部およびカップ天蓋部となる。
基板処理装置1では、ステップS12およびステップS23において搬出入口113が開放されている間、ガス排出部75による排気流量が一時的に増大されてもよい。
図7に示す基板9の処理では、ステップS19は、必ずしもステップS18の乾燥処理と並行して行われる必要はなく、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際であれば、いずれのタイミングで行われてもよい。また、処理空間90への不活性ガスの供給量増大により、チャンバ上部空間15の圧力が一時的に増大する場合等、ステップS19にて仕切開口部821の開口率が増大することによりチャンバ上部空間15からチャンバ下部周辺空間14へと導かれたガスは、必ずしも、側壁開口部811を介して周辺側壁部81よりも径方向内方へと導かれる必要はない。この場合であっても、チャンバ上部空間15のガスの一部がチャンバ下部周辺空間14へと導かれることにより、チャンバ上部空間15の圧力の一時的増大を緩和することができる。その結果、チャンバ上部空間15の圧力が、チャンバ11外の圧力よりも低い圧力に維持される。図7に示す基板9の処理では、ステップS14およびステップS19のうち一方のステップのみが行われてもよい。
基板処理装置1では、図9に示すステップS31,S32,S33を含む処理が行われる場合、仕切開口部821および側壁開口部811の開口率を調節する仕切開口調節部825および側壁開口調節部815は省略されてもよい。また、仕切部82および周辺側壁部81から、仕切開口部821および側壁開口部811が省略されてもよい。
図9に示す基板9の処理では、ステップS32は、必ずしもステップS18の乾燥処理と並行して行われる必要はなく、処理空間90への不活性ガスの供給量が増大する際であれば、いずれのタイミングで行われてもよい。また、図9に示す基板9の処理では、ステップS31およびステップS32のうち一方のステップのみが行われてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 基板処理装置
4 カップ部
5 トッププレート
6 対向部材移動機構
9 基板
11 チャンバ
12 圧力制御部
13 圧力測定部
14 チャンバ下部周辺空間
15 チャンバ上部空間
31 基板保持部
33 基板回転機構
51 対向部材本体
54 対向部材開口
55 第1凹凸部
57 ラビリンス
72 処理液供給部
73 ガス供給部
74 FFU
75 ガス排出部
81 周辺側壁部
82 仕切部
91 (基板の)上面
111 チャンバ側壁部
411 第1ガード側壁部
412 第1ガード天蓋部
421 第2ガード側壁部
422 第2ガード天蓋部
521 対向部材筒部
522 対向部材フランジ部
611 保持部本体
613 フランジ支持部
615 第2凹凸部
741 導入口
811 側壁開口部
821 仕切開口部
822 (仕切開口部の)開口
J1 中心軸
S11〜S23,S31〜S33 ステップ

Claims (12)

  1. 基板を処理する基板処理装置であって、
    水平状態で基板を保持する基板保持部と、
    前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、
    上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、
    前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、
    前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、
    前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、
    前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、
    前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、
    前記カップ部の周囲を囲む筒状の周辺側壁部と、
    前記周辺側壁部の上端部から前記チャンバの側壁部であるチャンバ側壁部へと環状に広がることにより、前記周辺側壁部と前記チャンバ側壁部との間の空間であるチャンバ下部周辺空間を前記チャンバ内の他の空間から仕切る仕切部と、
    前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御部と、
    を備え、
    前記カップ部が、
    円筒状のカップ側壁部と、
    前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部と、
    を備え、
    前記仕切部に開閉可能な仕切開口部が設けられ、
    前記圧力制御部が、前記仕切開口部の開口率を制御することにより、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部および前記仕切部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を制御することを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記圧力制御部の制御により、前記チャンバ上部空間の圧力が、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持され、
    前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記圧力制御部が前記仕切開口部の開口率を増大させることにより、前記チャンバ上部空間のガスが、前記チャンバ下部周辺空間へと導かれて前記チャンバ外へと排出され、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持されることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置であって、
    前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスが供給され、前記処理空間への前記処理雰囲気用ガスの供給量が増大する際に、前記圧力制御部が前記仕切開口部の開口率を増大させることにより、前記チャンバ上部空間のガスが、前記チャンバ下部周辺空間へと導かれて前記チャンバ外へと排出され、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持されることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の基板処理装置であって、
    前記周辺側壁部に側壁開口部が設けられ、
    前記チャンバ上部空間から前記チャンバ下部周辺空間へと導かれたガスが、前記側壁開口部を介して前記周辺側壁部よりも径方向内方へと導かれ、前記カップ部内のガスと共に前記ガス排出部により前記チャンバ外へと排出されることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記仕切開口部が、前記仕切部の全面に亘って均等に分布する複数の開口を有することを特徴とする基板処理装置。
  6. 基板を処理する基板処理装置であって、
    水平状態で基板を保持する基板保持部と、
    前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、
    上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、
    前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、
    前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、
    前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、
    前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、
    前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、
    前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御部と、
    を備え、
    前記カップ部が、
    円筒状のカップ側壁部と、
    前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部と、
    を備え、
    前記圧力制御部が、前記ガス排出部による排気流量、および、前記ガス導入部による給気流量の少なくとも一方を制御することにより、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を制御し、
    前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記圧力制御部の制御により、前記チャンバ上部空間の圧力が、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持され、
    前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記圧力制御部の制御により、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方が実行されることにより、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持されることを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスが供給され、前記処理空間への前記処理雰囲気用ガスの供給量が増大する際に、前記圧力制御部の制御により、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方が実行されることにより、前記チャンバ上部空間の圧力が前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持されることを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記チャンバ上部空間の圧力を測定する圧力測定部をさらに備え、
    前記圧力測定部の出力に基づいて前記圧力制御部による制御が行われることを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記第2の位置に位置する前記対向部材と前記基板との間の空間である処理空間に処理雰囲気用ガスを供給する処理雰囲気用ガス供給部と、
    前記処理空間に連続し、シールガスが供給されることにより前記処理空間を前記チャンバ上部空間からシールするラビリンスと、
    をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記対向部材が、
    前記基板の前記上面に対向するとともに中央部に前記対向部材開口が設けられる対向部材本体と、
    前記対向部材本体の前記対向部材開口の周囲から上方に突出する筒状の対向部材筒部と、
    前記対向部材筒部の上端部から径方向外方に環状に広がるとともに前記対向部材移動機構に保持される対向部材フランジ部と、
    前記対向部材フランジ部の上面において凹部と凸部とが同心円状に交互に配置される第1凹凸部と、
    を備え、
    前記対向部材移動機構が、
    前記対向部材フランジ部の下面と前記上下方向に対向する保持部下部と、
    前記対向部材フランジ部の前記上面と前記上下方向に対向する保持部上部と、
    前記保持部上部の下面において凹部と凸部とが同心円状に交互に配置される第2凹凸部と、
    をさらに備え、
    前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態では、前記対向部材フランジ部が前記保持部下部により下側から支持されることにより、前記対向部材が前記対向部材移動機構により保持されて前記基板保持部から上方に離間し、
    前記対向部材が前記第2の位置に位置する状態では、前記対向部材が、前記対向部材移動機構から離間し、前記基板保持部により保持されて前記基板回転機構により前記基板保持部と共に回転可能となり、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部の一方の凹部内に他方の凸部が間隙を介して配置されることにより前記ラビリンスが形成されることを特徴とする基板処理装置。
  11. 水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部と、前記カップ部の周囲を囲む筒状の周辺側壁部と、前記周辺側壁部と前記チャンバの側壁部であるチャンバ側壁部との間の空間であるチャンバ下部周辺空間を前記チャンバ内の他の空間から仕切る仕切部とを備える基板処理装置において基板を処理する基板処理方法であって、
    前記カップ部が、
    円筒状のカップ側壁部と、
    前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部と、
    を備え、
    前記仕切部に開閉可能な仕切開口部が設けられ、
    前記基板処理装置において、
    a)前記チャンバ内における前記カップ天蓋部および前記仕切部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程と、
    b)前記仕切開口部の開口率を制御することにより、前記チャンバ上部空間の圧力を制御する工程と、
    が実行されることを特徴とする基板処理方法。
  12. 水平状態で基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に対向するとともに中央部に対向部材開口が設けられる対向部材と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転させる基板回転機構と、前記対向部材開口を介して前記基板の前記上面に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の周囲に配置されて前記基板からの処理液を受けるカップ部と、前記対向部材を保持し、前記上下方向の第1の位置と前記第1の位置よりも下方の第2の位置との間で移動する対向部材移動機構と、前記基板保持部、前記対向部材および前記カップ部を内部に収容するチャンバと、前記チャンバの上部に設けられた導入口から前記チャンバ内にガスを導入するガス導入部と、前記カップ部内のガスを吸引して前記チャンバ外へと排出するガス排出部とを備える基板処理装置において基板を処理する基板処理方法であって、
    前記カップ部が、
    円筒状のカップ側壁部と、
    前記カップ側壁部の上端部から径方向内方に広がり、内周縁が前記第2の位置に位置する前記対向部材の外周面と径方向に対向する円環板状のカップ天蓋部と、
    を備え、
    前記基板処理装置において、
    a)前記対向部材が前記第1の位置に位置する状態において、前記チャンバ内における前記カップ天蓋部よりも上方の空間であるチャンバ上部空間の圧力を、前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程と、
    b)前記対向部材が前記第1の位置から移動されて前記第2の位置に位置する際に、前記ガス排出部による排気流量の増大、および、前記ガス導入部による給気流量の減少の少なくとも一方を実行することにより、前記チャンバ上部空間の圧力を前記チャンバ外の圧力よりも低い圧力に維持する工程と、
    が実行されることを特徴とする基板処理方法。
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