JP6541249B2 - 静翼、回転機械 - Google Patents

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Description

本発明は、静翼、回転機械に関する。
蒸気タービンは、ケーシング内に、動翼と静翼とが交互に配列されている。動翼は回転軸と一体に設けられ、ケーシング内で旋回可能とされている。静翼は、ケーシングに固定されている。
ケーシング内に供給される蒸気は、ケーシング内で減圧膨張しながら静翼によって旋回流を生成する。この旋回流が動翼に当たることによって、動翼が回転軸と一体に回転し、蒸気タービンは、回転軸の回転力を出力する。
蒸気はケーシング内において減圧するにともなって温度が低下するため、特に、蒸気の流れ方向下流側においては、ケーシング内で水滴が発生しやすい。
そこで、特許文献1には、静翼の内部に空洞を形成し、静翼の空洞と外部とを連通させるスリットを通して、静翼の表面に付着した水滴を空洞に取り込んで除去する構成が開示されている。
ところで、蒸気タービンの高効率化、および低コスト化を目的として、静翼は、静翼の基端部と先端部とを結ぶ翼高さ方向における長大化、およびケーシングの中心軸方向における軸受長さの短縮化が進んでいる。このようにして、静翼のアスペクト比が高くなると、自励振動(フラッタ)が生じやすくなる。
これに対し、特許文献1には、空洞から翼内周面に摺接可能な板状バネ部材からなる摺接部材を備えた構成が開示されている。このような構成によれば、摺接部材が、空洞から翼内周面に摺接し、翼内周面との間に摩擦を生じさせる。この摩擦により静翼の弾性変形を減衰することで、静翼に生じる自励振動を抑制している。
特開2008−133825号公報
特許文献1に記載された構成においては、板状バネ部材からなる摺接部材が翼内周面との間で生じる摩擦によって、自励振動を抑制する。すなわち、自励振動の抑制効果を高めるには、摺接部材と翼内周面との接触面積を広くする必要がある。
しかし、摺接部材と翼内周面との接触面積を広くすると、水滴除去のため水滴の通路となるスリットを設ける位置が制限される。したがって、水滴除去のために最適な位置にスリットを設けることができないおそれがある。
そこでなされた本発明の目的は、静翼の自励振動を有効に抑制するとともに、スリットを設ける位置の自由度を高め、水滴除去を効率良く行うことのできる静翼、回転機械を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明に係る静翼は、内部に中空部を有するとともに、外部と前記中空部とを連通するスリットを有する翼本体と、繊維からなり、前記翼本体内の前記中空部の少なくとも一部の領域に圧縮状態で充填された充填部材と、を備え、前記翼本体内で前記中空部を複数に仕切る仕切部材を有し、前記仕切部材は、前記翼本体の基端部から先端部に向かう翼高さ方向において前記中空部を複数に仕切る板状の第一仕切部材を有し、前記第一仕切部材には、複数の貫通孔が形成され、前記充填部材は、前記中空部内において前記第一仕切部材で仕切られた領域に充填されている
このように、翼本体の中空部内に、繊維からなる充填部材を圧縮状態で充填すると、反力が生じて翼本体の内周面に充填部材が押し付けられる。これにより、翼本体が弾性変形したときに、充填部材と翼本体の内周面との間で摩擦力が生じる。この摩擦力により、翼本体の変位が減衰される。また、繊維からなる充填部材を中空部に充填しているため、充填部材の内部には、多数の空隙がある。そのため、スリットの位置に関わらず、スリットから進入した水滴は、充填部材の内部を通過する。したがって、スリットを形成する位置の自由度が高まる。
これにより、仕切部材によって画成された一部の領域に充填部材が充填されているため、少ない充填部材を必要な箇所のみに配置することができ、効率的に静翼に生じる自励振動を抑制することができる。
これにより、第一仕切部材によって翼高さ方向において中空部を仕切り、翼高さ方向の一部の中空部に充填部材を充填することで、静翼の振動モードに対して充填部材を効率良く配置でき、静翼の自励振動を効率良く抑制することができる。
また、この発明に係る静翼は、前記仕切部材は、前記翼本体の前縁部から後縁部に向かう翼コード方向において前記中空部を複数に仕切る第二仕切部材を有するようにしてもよい。
これにより、中空部を第二仕切部材で仕切ることで、独立した圧力状態の空間を複数作ることができ、各空間に連通するスリットが互いの影響を受けない。そのため、スリットのそれぞれにおいて、水滴回収効率の観点から最適な位置、最適な形状で形成することができる。
また、この発明に係る静翼は、前記スリットは、前記翼本体の背面及び腹面のそれぞれに形成され、前記背面側の前記スリットは、前記第二仕切部材に対して前記翼コード方向の一方の側に形成され、前記腹面側の前記スリットは、前記第二仕切部材に対して前記翼コード方向の他方の側に形成されているようにしてもよい。
これにより、腹面側のスリットが連通する中空部と、背面側のスリットが連通する中空部とが互いに独立した圧力状態となっている。したがって、腹面側と背面側との差圧の影響を抑えて、腹面側のスリット、背面側のスリットのそれぞれにおいて、水滴の回収効率を高めることができる。
また、この発明に係る静翼は、前記充填部材は、前記中空部内において、前記第二仕切部材に対して前記翼本体の後縁側の領域に充填されているようにしてもよい。
これにより、静翼においては、後縁側の方が前縁側よりも翼厚が小さい。したがって、静翼において弾性変形が生じた場合、後縁側の方が前縁側よりも剛性が低いために後縁部側の変位量が大きくなりやすい。このような静翼の後縁部側において、後縁側の領域に充填部材を充填することで、静翼に生じる変位を効率的に抑えることができる。
この発明に係る回転機械は、上記したような静翼を備える。
この発明に係る静翼、回転機械によれば、静翼に生じる弾性変形を充填部材で有効に減衰することによって、静翼の自励振動を有効に抑制するとともに、スリットを設ける位置の自由度を高め、水滴除去を効率良く行うことが可能となる。
この発明の実施形態に係る回転機械の全体構成を示す模式図である。 静翼を備えた静翼環の一部を示す斜視図である。 第1の実施形態における静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。 第2の実施形態におけるスリットが形成される前の静翼の構造を示す斜視展開図である。 第3の実施形態における静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。 第3の実施形態におけるスリットが形成される前の静翼の構造を示す斜視展開図である。 第4の実施形態における静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明による静翼、回転機械を実施するための形態を説明する。
図1は、この発明の本実施形態に係るタービンの全体構成を示す模式図である。図2は、静翼を備えた静翼環の一部を示す斜視図である。
図1に示すように、蒸気タービン(回転機械)10は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。
蒸気タービン10は、車室11と、該車室11を貫通するように軸線Oに沿って延びて軸線O回りに回転するロータ12と、ロータ12に設けられた動翼環20と、車室11に保持された静翼環30とを備えている。
ロータ12は、動翼環20が設けられた中間部が車室11内に収容されている。ロータ12は、その両端部が、車室11の軸線Oに沿った方向における両側の軸端部11sから車室11の外部に突出している。ロータ12は、車室11から外方に突出した両端部が、軸受部13により回転可能に支持されている。
軸受部13は、ロータ12の両端部にそれぞれ設けられたジャーナル軸受14と、ロータ12の一端側に設けられたスラスト軸受15と、を備えている。
動翼環20と静翼環30とは、軸線Oに沿って交互に配列されている。
動翼環20は、ロータ12の周囲に、複数の動翼21が放射状に取り付けられることで構成されている。これらの動翼21は、ロータ12の周方向に沿って等間隔に設置されている。
図2に示すように、静翼環30は、リング状の内側シュラウド31と外側シュラウド32との間に、複数の静翼33Aが放射状に配置されている。各静翼33Aは、基端部33sがロータ12の径方向内側の内側シュラウド31に固定され、先端部33tがロータ12の径方向外側の外側シュラウド32に固定されている。これら複数の静翼33Aは、静翼環30の周方向に沿って等間隔に設置されている。
図3は、静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。
図3に示すように、静翼33Aは、翼本体36と、繊維からなる充填部材40と、を備えている。
翼本体36は、腹側部材34と、背側部材35と、を有している。
腹側部材34は、その表面が静翼33Aの腹面33aを形成するよう、凹状に湾曲形成されている。
背側部材35は、その表面が静翼33Aの背面33bを形成するよう、凸状に湾曲形成されている。
腹側部材34と背側部材35は、それぞれ金属製の板状部材を、所定の形状に湾曲させたものである。
静翼33Aの翼本体36は、腹側部材34と背側部材35とを互いに組み合わせ、前縁部33fや後縁部33rとなる両端部を溶接して結合することで形成されている。これにより、静翼33Aの内部、すなわち腹側部材34の裏面34aと背側部材35の裏面35aとの間には、中空部37が形成されている。また、静翼33Aの内部には、腹側部材34の裏面34aと背側部材35の裏面35aとにより、中空部37に臨む翼内周面33mが形成されている。
腹側部材34には、静翼33Aの外部と中空部37とを連通する腹側スリット(スリット)41が形成されている。腹側スリット41は、腹側部材34の表面34bである腹面33aから裏面34aに向かって、前縁部33fから後縁部33rに向かう翼コード方向の前縁部33f側から後縁部33r側に傾斜している。腹側スリット41は、静翼33Aの基端部33sから先端部33tに向かう翼高さ方向に一定長連続して形成されている。この腹側スリット41は、腹側部材34に、静翼33Aの翼高さ方向において間隔をあけて複数形成されている。
背側部材35には、静翼33Aの外部と中空部37とを連通する背側スリット(スリット)42が形成されている。背側スリット42は、背側部材35の表面35bである背面33bから裏面35aに向かって、翼コード方向の前縁部33f側から後縁部33r側に傾斜している。背側スリット42は、静翼33Aの翼高さ方向に一定長連続して形成されている。このような背側スリット42は、背側部材35に、静翼33Aの翼高さ方向において間隔をあけて複数形成されている。
これらの腹側スリット41および背側スリット42により、静翼33Aの内部に形成された中空部37は、静翼33Aの外部と連通している。静翼33Aにおいて、腹面33a、背面33bに付着した水は、蒸気圧力を受けて腹面33a、背面33bを移動し、腹側スリット41、背側スリット42から中空部37に流入可能となっている。
中空部37に流入した水は、翼高さ方向に沿って静翼環30の回転中心側に向けて流れ、静翼33Aの内周側の内側シュラウド31に形成された開口(図示無し)から排出可能となっている。
充填部材40は、静翼33Aの中空部37に充填されている。本実施形態の充填部材40は、中空部37内の全領域にわたって圧縮状態で充填されている。この充填部材40としては、例えば、ステンレス鋼等の金属の材料を繊維状とし、これを絡めて丸めたステンレスウールのような金属繊維が用いられる。なお、金属繊維として、ステンレスウールを用いることで、スチールウールのように高い強度・高い耐熱性を得られるだけでなく、スチールウールよりも高い耐腐食性を得ることができる。このような充填部材40は、内部に多数の空隙を有するとともに、弾力性を有している。充填部材40は、中空部37内で圧縮された状態となるように、中空部37内に押し込むのが好ましい。これにより、充填部材40は、中空部37内で翼内周面33mに押し付けられた状態となる。
蒸気タービン10の作動時において、その運転条件によっては、静翼33Aに自励振動が生じ、静翼33Aが弾性変形することがある。このとき、中空部37内に、繊維状の充填部材40は、中空部37内に圧縮状態で充填されている。そのため、静翼33Aが弾性変形に伴って充填部材40も変形して反力が生じ、充填部材40と翼内周面33mとの間で摩擦力を生じる。この摩擦力により、腹側部材34と背側部材35の位置変動が減衰され、静翼33Aの弾性変形が減衰される。これにより、静翼33Aに生じる自励振動を抑制することができる。
また、中空部37内に充填部材40を充填するのみで、翼内周面33mへの溶接等は不要である。さらに、繊維状の材料を絡めて丸めたステンレスウールである充填部材40を中空部37内に充填しているだけのため、充填部材40の内部には多数の空隙がある。そのため、腹側スリット41及び背側スリット42の位置に関わらず、腹側スリット41及び背側スリット42から進入して中空部37内に回収された水滴は、充填部材40の内部を通過する。したがって、腹側スリット41、背側スリット42を形成する位置の自由度が高まる。
このようにして、静翼33の自励振動を有効に抑制するとともに、腹側スリット41、背側スリット42の位置の自由度を高め、水滴除去を効率良く行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる静翼、回転機械の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図4は、第2の実施形態におけるスリットが形成される前の静翼の構造を示す斜視展開図である。
図4に示すように、第2の実施形態の実施形態における蒸気タービン10の静翼環30を構成する静翼33Bは、翼本体36と、充填部材40と、を備えている。
翼本体36は、腹側部材34と、背側部材35と、仕切部材50と、を有している。
腹側部材34は、その表面が静翼33Bの腹面33aを形成するよう、凹状に湾曲形成されている。腹側部材34には、腹側スリット41(図3参照)が形成されている。
背側部材35は、その表面が静翼33Bの背面33bを形成するよう、凸状に湾曲形成されている。背側部材35には、背側スリット42(図3参照)が形成されている。
仕切部材50は、腹側部材34の裏面34aと背側部材35の裏面35aとの間で中空部37を複数に仕切っている。本実施形態の仕切部材50は、静翼33Bの翼高さ方向において中空部37を仕切る一対の板状の第一仕切部材50A、50Bを有している。第一仕切部材50A、50Bは、腹側部材34の裏面34a、背側部材35の裏面35aのそれぞれに直交するよう設けられている。第一仕切部材50A、50Bは、静翼33Bにおいて、翼高さ方向に間隔を空けて設けられており、中空部37を三つに画成している。第一仕切部材50A、50Bのうち、静翼33Aの基端部33s側に設けられている第一仕切部材50Bには、水滴を回収するための貫通孔が複数形成されている。
充填部材40は、静翼33Bの中空部37のうち、静翼環30の内周側に位置する第一仕切部材50Aと静翼環30の外周側に位置する第一仕切部材50Bとによって画成された一部の領域である翼高さ方向の中央付近の中空部37のみに圧縮状態で充填されている。この充填部材40としては、第1の実施形態と同様の材料が用いられる。充填部材40は、中空部37内の第一仕切部材50A、50B間で画成された領域に圧縮された状態となるように、中空部37内に押し込むのが好ましい。これにより、充填部材40は、中空部37内で翼内周面33mに押し付けられた状態となる。
このような静翼33Bは、背側部材35の裏面35aに溶接された第一仕切部材50A、50Bによって画成された領域に充填部材40が充填された後に、背側部材35に腹側部材34を組み合わせ、前縁部33fや後縁部33rとなる両端部を溶接して結合することで形成されている。その後、静翼33Bは、腹側スリット41や背側スリット42が形成される。
本実施形態の静翼33Bでは、静翼33Bに自励振動が生じた場合に、中空部37内の第一仕切部材50A、50B間で画成された領域に圧縮された状態で充填されている充填部材40と翼内周面33mとの間で摩擦力を生じる。この摩擦力により、腹側部材34と背側部材35の位置変動が減衰され、静翼33Aの弾性変形が減衰される。これにより、第一仕切部材50A、50によって画成された一部の領域のみに充填部材40が充填されているため、少ない充填部材40を必要な箇所のみに配置することができ、効率的に静翼33Aに生じる自励振動を抑制することができる。
また、第一仕切部材50A、50Bによって翼高さ方向において中空部37を仕切り、翼高さ方向の中央付近の中空部37のみに充填部材40を充填することで、静翼33Bにおける自励振動を効率良く抑制することができる。具体的には、静翼33Bの振動モードとしては、両端固定の梁の曲げモードのような曲げモードが生じ、翼高さ方向の両端部よりも中間部で大きく振動することがある。このような曲げモードに対して、翼高さ方向の中央付近の中空部37のみに充填部材40を充填することで、変位量の最も大きくなる翼高さ方向の中央付近に充填部材40を効率良く配置することができる。これにより、効率良く静翼33Aに生じる自励振動を抑制することができる。
また、静翼33Aの基端部33s側に設けられている第一仕切部材50Bに貫通孔が形成されていることで、中空部37内に回収された水滴を静翼環30の内側シュラウド31側から回収する際に、貫通孔から中空部37の外に排出させることができる。したがって、中空部37内に水滴が溜まってしまうことを抑制し、水滴除去をより効率良く行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる静翼、回転機械の第3の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第3の実施形態においては、上記第1、第2の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図5は、第3の実施形態における静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。図6は、第3の実施形態におけるスリットが形成される前の静翼の構造を示す斜視展開図である。
この図5に示すように、蒸気タービン10の静翼環30を構成する静翼33Cは、翼本体36と、充填部材40と、を備えている。
翼本体36は、腹側部材34と、背側部材35と、第二仕切部材60と、を有している。
腹側部材34は、その表面が静翼33Cの腹面33aを形成するよう、凹状に湾曲形成されている。腹側部材34には、腹側スリット41が形成されている。
背側部材35は、その表面が静翼33Cの背面33bを形成するよう、凸状に湾曲形成されている。背側部材35には、背側スリット42が形成されている。
第二仕切部材60は、腹側部材34の裏面34aと背側部材35の裏面35aとの間で中空部37を複数に仕切っている仕切部材50である。本実施形態に第二仕切部材60は、図5、図6に示すように、静翼33Cの翼コード方向において中空部37を仕切る板状の部材である。第二仕切部材60は、腹側部材34の裏面34a、背側部材35の裏面35aのそれぞれにほぼ直交するよう設けられている。第二仕切部材60は、静翼33Bにおいて、翼コード方向の中央付近に設けられており、中空部37を二つに画成している。第二仕切部材60は、静翼33Cの翼高さ方向に連続するよう設けられている。
また、腹側部材34に形成された腹側スリット41は、第二仕切部材60に対し、前縁部33f側または後縁部33r側の何れか翼コード方向の一方に配置される。また、背側部材35に形成された背側スリット42は、第二仕切部材60に対し、前縁部33f側または後縁部33r側の腹側スリット41と反対側である何れか翼コード方向の他方に配置されている。この実施形態においては、腹側スリット41は、第二仕切部材60に対して後縁部33r側に形成され、背側スリット42は、第二仕切部材60に対して前縁部33f側に形成されている。
充填部材40は、静翼33Cの中空部37において、第二仕切部材60に対して前縁部33f側の前方中空部37fと、第二仕切部材60に対して後縁部33r側の後方中空部37rとに、それぞれ充填されている。この充填部材40としては、第1の実施形態と同様の材料が用いられる。充填部材40は、中空部37の前方中空部37f、後方中空部37r内のそれぞれの領域で圧縮された状態となるように、押し込んで設けるのが好ましい。これにより、充填部材40は、前方中空部37f、後方中空部37r内で翼内周面33mに押し付けられた状態となる。
このような静翼33Cは、背側部材35の裏面35aに第二仕切部材60を溶接して取り付けておく。そして、第二仕切部材60の両側の前方中空部37f、後方中空部37r内に充填部材40を充填した後、腹側部材34と背側部材35とを互いに組み合わせ、前縁部33fや後縁部33rとなる両端部を溶接して結合することで、静翼33Cが形成される。その後、静翼33Bは、前方中空部37fに背側スリット42が形成され、後方中空部37rに腹側スリット41が形成される。
本実施形態における静翼33Cは、中空部37を静翼33Cの前縁部33fと後縁部33rとの間で仕切る板状の第二仕切部材60が設けられている。さらに、腹側スリット41は、第二仕切部材60に対して後縁部33r側の後方中空部37rに形成され、背側スリット42は、第二仕切部材60に対して前縁部33f側の前方中空部37fに形成されている。静翼33Cにおいては、腹面33a側は正圧となり、背面33b側は負圧となる。この腹面33a側と背面33b側との差圧により、腹側スリット41と背側スリット42とが中空部37で連通している場合には、例えば腹側スリット41における水滴の中空部37内への回収効率と、背側スリット42における水滴の中空部37への回収効率とで、差が生じることがある。すなわち、圧力の低い背面33b側においては、腹面33a側に比較して水滴の回収効率が低くなることがある。
これに対し、中空部37を第二仕切部材60で仕切ることによって、腹側スリット41が連通する後方中空部37rと、背側スリット42が連通する前方中空部37fとが互いに独立した圧力状態となっている。したがって、腹面33a側と背面33b側との差圧の影響を抑えて、腹側スリット41、背側スリット42のそれぞれにおいて、水滴の回収効率を高めることができる。
また、中空部37を第二仕切部材60で仕切ることで、独立した圧力状態の空間を複数作ることができ、腹側スリット41、背側スリット42が互いの影響を受けない。そのため、腹側スリット41、背側スリット42のそれぞれにおいて、水滴回収効率の観点から最適な位置、最適な形状で形成することができる。
また、上記第1、第2実施形態と同様、静翼33Cでは、中空部37内に、繊維状の充填部材40が設けられている。静翼33Cが弾性変形すると、充填部材40との間で生じる摩擦により、静翼33Cの弾性変形を減衰し、静翼33Cに生じる自励振動を抑制することができる。
そして、中空部37内に充填部材40を充填するのみで、翼内周面33mへの溶接等は不要である。したがって、腹側スリット41、背側スリット42を形成する位置の自由度が高まる。
このようにして、静翼33の自励振動を有効に抑制するとともに、腹側スリット41、背側スリット42の位置の自由度を高め、水滴除去を効率良く行うことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる静翼、回転機械の第4の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第4の実施形態においては、上記第1〜第3の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図7は、第4の実施形態における静翼の翼高さ方向に直交する方向の断面図である。
図7に示すように、蒸気タービン10の静翼環30(図1参照)を構成する静翼33Dは、翼本体36と、充填部材40と、を備えている。
翼本体36は、第3の実施形態と同様の形状をなしており、腹側部材34と、背側部材35と、第二仕切部材60と、を有している。
充填部材40は、静翼33Dの中空部37において、第二仕切部材60に対して前縁部33f側の前方中空部37f、および第二仕切部材60に対して後縁部33r側の後方中空部37rの少なくとも一つに充填されている。この実施形態においては、充填部材40は、第二仕切部材60に対して後縁部33r側の領域である後方中空部37rのみに充填されている。この充填部材40としては、第1の実施形態と同様の材料が用いられる。充填部材40は、後方中空部37r内で圧縮された状態となるように、押し込んで設けるのが好ましい。これにより、充填部材40は、後方中空部37r内で翼内周面33mに押し付けられた状態となる。
本実施形態における静翼33Dは、中空部37を静翼33Dの前縁部33fと後縁部33rとの間で仕切る板状の第二仕切部材60が設けられている。さらに、充填部材40は、第二仕切部材60に対して後縁部33r側の後方中空部37rのみに充填されている。
静翼33Dにおいては、後縁部33rの方が前縁部33fよりも静翼33Dとしての翼厚が小さい。したがって、静翼33Dにおいて弾性変形が生じた場合、後縁部33r側の方が前縁部33fよりも剛性が低いために後縁部33r側の変位量が大きくなりやすい。このような静翼33Dの後縁部33r側において、後方中空部37rに充填部材40を充填することで、静翼33Dに生じる変位を効率的に抑えることができる。したがって、静翼33Dの弾性変形を減衰し、静翼33Dに生じる自励振動を抑制することができる。
また、これにより、後縁部33r側のみに充填部材40が充填されているため、少ない充填部材40を変位量が大きく減衰が必要な箇所のみに配置することができ、効率的に静翼33Dに生じる自励振動を抑制することができる。
また、上記第3の実施形態と同様、腹側スリット41は、第二仕切部材60に対して後縁部33r側に形成され、背側スリット42は、第二仕切部材60に対して前縁部33f側に形成されている。これにより、腹側スリット41、背側スリット42のそれぞれにおいて、水滴の回収効率を高めることができる。
また、腹側スリット41、背側スリット42が互いの影響を受けないため、腹側スリット41、背側スリット42のそれぞれにおいて、水滴回収効率の観点から最適な位置、最適な形状で形成することが可能となる。
このようにして、静翼33の自励振動を有効に抑制するとともに、腹側スリット41、背側スリット42の位置の自由度を高め、水滴除去を効率良く行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の静翼、回転機械は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、静翼33A〜33Dの断面形状は、図示したものに限らず、適宜他の形状とすることができる。また、腹側スリット41,背側スリット42の位置、形状、設置数等についても、何ら限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、蒸気タービン10の静翼33A〜33Dを例に挙げたが、同様の構成は、他の回転機械等にも適宜適用することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。例えば、第2の実施形態の第一仕切部材55A、55Bと、第3及び第4の実施形態の第二仕切部材60とを互いに備えた構造を適用してもよい。
また、充填部材40は、本実施形態のようにステンレスウールのような金属繊維であることに限定されるものではなく、繊維からなる構成であればよい。例えば、充填部材40は、炭素繊維であってもよく、炭素繊維と金属繊維を混合した材料であってもよい。
10 蒸気タービン(回転機械)
11 車室
11s 軸端部
12 ロータ
13 軸受部
14 ジャーナル軸受
15 スラスト軸受
20 動翼環
21 動翼
30 静翼環
31 内側シュラウド
32 外側シュラウド
33A〜33D 静翼
33a 腹面
33b 背面
33f 前縁部
33m 翼内周面
33r 後縁部
34 腹側部材
34a 裏面
34b 表面
35 背側部材
35a 裏面
35b 表面
36 翼本体
37 中空部
37f 前方中空部
37r 後方中空部
40 充填部材
41 腹側スリット(スリット)
42 背側スリット(スリット)
50 仕切部材
50A、50B 第一仕切部材
60 第二仕切部材
O 軸線
S 蒸気

Claims (5)

  1. 内部に中空部を有するとともに、外部と前記中空部とを連通するスリットを有する翼本体と、
    繊維からなり、前記翼本体内の前記中空部の少なくとも一部の領域に圧縮状態で充填された充填部材と、を備え
    前記翼本体内で前記中空部を複数に仕切る仕切部材を有し、
    前記仕切部材は、前記翼本体の基端部から先端部に向かう翼高さ方向において前記中空部を複数に仕切る板状の第一仕切部材を有し、
    前記第一仕切部材には、複数の貫通孔が形成され、
    前記充填部材は、前記中空部内において前記第一仕切部材で仕切られた領域に充填されている静翼。
  2. 前記仕切部材は、前記翼本体の前縁部から後縁部に向かう翼コード方向において前記中空部を複数に仕切る第二仕切部材を有する請求項1に記載の静翼。
  3. 前記スリットは、前記翼本体の背面及び腹面のそれぞれに形成され、
    前記背面側の前記スリットは、前記第二仕切部材に対して前記翼コード方向の一方の側に形成され、
    前記腹面側の前記スリットは、前記第二仕切部材に対して前記翼コード方向の他方の側に形成されている請求項2に記載の静翼。
  4. 前記充填部材は、前記中空部内において、前記第二仕切部材に対して前記翼本体の後縁側の領域に充填されている請求項2または3に記載の静翼。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の静翼を備えた回転機械。
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