JP6540185B2 - 欠陥検査装置及びその制御方法、プログラム、並びに、記憶媒体 - Google Patents

欠陥検査装置及びその制御方法、プログラム、並びに、記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、被検査体の表面と超音波プローブとの間に液体を介在させて、液体を介した超音波の伝播によって被検査体に欠陥が存在するか否かを検査する欠陥検査装置及びその制御方法、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに、当該プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
従来、被検査体の内部にある欠陥を検出するために、被検査体を液体である水に浸漬させて超音波を伝播させ、欠陥から戻ってくる超音波を検出することにより、被検査体の内部欠陥を検出する方法がある。このような水浸式超音波探傷法では、水の中に気泡が混入すると、気泡からの反射超音波が欠陥からの反射超音波と同様に検出されることがあり、欠陥の誤検出を起こす要因となる。このような水浸式超音波探傷法による気泡に関する技術として、例えば、下記の特許文献1、特許文献2及び特許文献3の技術が挙げられる。
具体的に、特許文献1には、水の温度を上げることにより気泡の発生を抑制して探傷を行う技術が記載されている。特許文献2には、被検査体の表面に付着した気泡や水中の気泡による表面反射超音波の強度低下を検出して感度を補正することにより、気泡がない時と同様の検出性能で探傷を行う技術が記載されている。特許文献3には、所定エコーの強度低下から気泡の存在を検出し、探触子を機械的に振動させて気泡を除去して探傷する技術が記載されている。
特開2010−25678号公報 特開平6−308102号公報 特開平6−331604号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、気泡からの反射超音波が欠陥からの反射超音波と同様に検出される場合に、気泡による反射超音波が検出されたのか否かを把握することは困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、気泡からの反射超音波が欠陥からの反射超音波と同様に検出される場合に、気泡による反射超音波が検出されたのか否かを把握することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
本発明の欠陥検査装置は、被検査体の表面と超音波プローブとの間に液体を介在させて、前記液体を介した超音波の伝播によって前記被検査体に欠陥が存在するか否かを検査する欠陥検査装置であって、前記超音波プローブから前記被検査体に対して超音波を送信する送信手段と、反射した前記超音波を反射超音波として前記超音波プローブを介して受信する受信手段と、前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信する時点から前記被検査体の表面で反射した前記反射超音波である表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第1期間として設定する第1期間設定手段と、前記表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点から前記被検査体の裏面で反射した前記反射超音波である裏面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第2期間として設定する第2期間設定手段と、前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信した時点からの経過時間に対する前記反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する波形取得手段と、前記第2期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第2反射超音波が存在し、前記第1期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第1反射超音波が存在する場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものでないと判定し、前記第2期間に前記第2反射超音波が存在し、前記第1期間に前記第1反射超音波が存在しない場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものであると判定する判定手段とを有する。
また、本発明は、上述した欠陥検査装置の制御方法、及び、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに、当該プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。
本発明によれば、気泡からの反射超音波が欠陥からの反射超音波と同様に検出される場合に、欠陥による反射超音波が検出されたのか否かを把握することができる。
本発明の実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成の一例を示す図である。 図1に示す気泡・欠陥判定部による気泡判定を説明するための図である。 図1に示す気泡・欠陥判定部による欠陥判定を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る欠陥検査装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における実施例1の実験の様子を示す図である。 本発明の実施形態における実施例1の実験の結果を示し、図5に示す超音波プローブと被検査体との間に気泡が存在しない場合の反射超音波波形の一例を示す図である。 本発明の実施形態における実施例2の第1実験の結果を示し、超音波プローブと被検査体との間に気泡が存在する場合の反射超音波波形の一例を示す図である。 本発明の実施形態における実施例2の第1実験の結果を示し、気泡の大きさ及び気泡の位置の算出結果を示す図である。 本発明の実施形態における実施例2の第2実験の結果を示し、超音波プローブと被検査体との間に気泡が存在する場合の反射超音波波形の一例を示す図である。 本発明の実施形態における実施例2の第2実験の結果を示し、気泡の大きさ及び気泡の位置の算出結果を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置100の概略構成の一例を示す図である。本実施形態に係る欠陥検査装置100は、被検査体の表面210と超音波プローブ110との間に液体310である水を介在させて、当該水を介した超音波の伝播によって被検査体200に欠陥201が存在するか否かを検査する装置である。ここで、本実施形態では、被検査体200として鋼板を想定した例について説明を行うが、本発明においては、この鋼板に限定されるものではなく、超音波の伝播によって欠陥201を検出することができるものであれば他の物も適用可能である。また、図1に示す被検査体200は、水槽300内の液体310の中に配置されている。
欠陥検査装置100は、図1に示すように、超音波プローブ110、超音波送受信装置120、及び、制御・処理装置130を有して構成されている。
超音波プローブ110は、被検査体200に対して超音波を送信し、また、反射した超音波を反射超音波として受信するために用いられるものである。また、本実施形態では、超音波プローブ110は、制御・処理装置130の制御に基づいて、被検査体の表面210に対して平行に移動して走査し、被検査体200の欠陥検出を行う。なお、本実施形態では、被検査体200に対して超音波プローブ110を移動させて欠陥検出を行うようにしているが、本発明においてはこの形態に限らず、超音波プローブ110に対して被検査体200を移動させて欠陥検出を行う形態も適用可能である。
超音波送受信装置120は、制御・処理装置130の制御に基づいて、超音波プローブ110から被検査体200に対して超音波を送信する送信部121と、反射した超音波を反射超音波として超音波プローブ110を介して受信する受信部122を有して構成されている。
制御・処理装置130は、欠陥検査装置100の動作を統括的に制御するとともに、液体310中に存在する気泡311の検出や被検査体200に存在する欠陥201の検出に係る各種の処理を行う。この制御・処理装置130は、情報入力部131、気泡検出ゲート設定部132、欠陥検出ゲート設定部133、反射超音波波形取得部134、気泡・欠陥判定部135、気泡大きさ算出部136、気泡位置算出部137、及び、記録・表示部138を有して構成されている。
情報入力部131は、例えば検査者から操作入力された各種の情報を、必要に応じて、制御・処理装置130の各構成部に入力する処理を行う。例えば、情報入力部131は、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報や、液体310を伝播する超音波の速度情報、被検査体200における表面210と裏面220との長さ(L)情報、被検査体200を伝播する超音波の速度情報、気泡検出ゲート設定部132で設定される気泡検出ゲートにおける信号検出閾値の情報、欠陥検出ゲート設定部133で設定される欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値の情報等を入力する処理を行う。
気泡検出ゲート設定部(第1期間設定部)132は、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波を送信する時点から被検査体の表面210で反射した反射超音波である表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に、第1期間である気泡検出ゲートを設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、気泡検出ゲート設定部132は、情報入力部131から入力された、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、液体310を伝播する超音波の速度情報に基づいて、気泡検出ゲートを設定する処理を行う。なお、本発明においては、この形態に限定されるものではなく、以下の処理を行うことによって、気泡検出ゲートを設定するようにした形態も含まれる。具体的には、まず、図1に示す欠陥検査システムにおいて予め予備実験を行い、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波を送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する。そして、この予備実験により得られた反射超音波波形を例えば記録・表示部138に表示し、この表示された反射超音波波形から検査者が情報入力部131を介して気泡検出ゲートを指定する。そして、気泡検出ゲート設定部132は、情報入力部131を介して指定された気泡検出ゲートの設定を行う形態である。なお、気泡検出ゲート設定部132が設定する気泡検出ゲート(第1期間)は、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波を送信する時点から表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に設定されるため、本発明においては、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波を送信する時点から表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間を気泡検出ゲートとして気泡検出ゲート設定部132において設定する形態も含まれるものとする。
欠陥検出ゲート設定部(第2期間設定部)133は、上述した表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から被検査体の裏面220で反射した反射超音波である裏面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に、第2期間である欠陥検出ゲートを設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、欠陥検出ゲート設定部133は、情報入力部131から入力された、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、液体310を伝播する超音波の速度情報、並びに、被検査体200における表面210と裏面220との長さ(L)情報、及び、被検査体200を伝播する超音波の速度情報に基づいて、欠陥検出ゲートを設定する処理を行う。なお、本発明においては、この形態に限定されるものではなく、以下の処理を行うことによって、欠陥検出ゲートを設定するようにした形態も含まれる。具体的には、まず、図1に示す欠陥検査システムにおいて予め予備実験を行い、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波を送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する。そして、この予備実験により得られた反射超音波波形を例えば記録・表示部138に表示し、この表示された反射超音波波形から検査者が情報入力部131を介して欠陥検出ゲートを指定する。そして、欠陥検出ゲート設定部133は、情報入力部131を介して指定された欠陥検出ゲートの設定を行う形態である。なお、欠陥検出ゲート設定部133が設定する欠陥検出ゲート(第2期間)は、表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から裏面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に設定されるため、本発明においては、表面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から裏面反射超音波を超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間を欠陥検出ゲートとして欠陥検出ゲート設定部133において設定する形態も含まれるものとする。
反射超音波波形取得部134は、送信部121により超音波プローブ110から超音波を送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する処理を行う。
気泡・欠陥判定部135は、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形において、気泡検出ゲート設定部132で設定された気泡検出ゲート(第1期間)に、情報入力部131から入力された気泡検出ゲートにおける信号検出閾値以上(所定閾値以上)の信号強度を有する反射超音波である第1反射超音波が存在する場合に、被検査体の表面210と超音波プローブ110との間の液体310中に気泡311が存在すると判定する。さらに、気泡・欠陥判定部135は、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形において、欠陥検出ゲート設定部133で設定された欠陥検出ゲート(第2期間)に、情報入力部131から入力された欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値以上(所定閾値以上)の信号強度を有する反射超音波である第2反射超音波が存在する場合であって、上述した液体中に気泡311が存在すると判定した場合には、当該第2反射超音波を気泡311に起因する反射超音波であると判定する。
ここで、上述した気泡・欠陥判定部135による気泡判定について、図2を用いて詳しく説明する。
図2は、図1に示す気泡・欠陥判定部135による気泡判定を説明するための図である。具体的に、図2(a)は、図1に示す超音波プローブ110が実線の位置にある場合の様子を示している。図2(b)は、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形、即ち送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信した時点からの経過時間(t)に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を示している。
図2(a)に示すように、超音波プローブ110から送信された超音波が被検査体の表面210で反射する場合、Sで示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図2(b)に示す反射超音波波形において、表面反射超音波Sとして検出されるものである。
また、図2(a)に示すように、超音波プローブ110から送信された超音波が被検査体の裏面220で反射する場合、Bで示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図2(b)に示す反射超音波波形において、裏面反射超音波Bとして検出されるものである。
ここで、図2(b)には、超音波プローブ110において送信超音波Tを送信する時点から表面反射超音波Sを受信する時点までの期間の間に、気泡検出ゲート設定部132により設定された気泡検出ゲート401を示している。また、図2(b)には、超音波プローブ110において表面反射超音波Sを受信する時点から裏面反射超音波Bを受信する時点までの期間の間に、欠陥検出ゲート設定部133により設定された欠陥検出ゲート402を示している。
さらに、超音波プローブ110からの超音波伝播経路に気泡311が混入すると、超音波プローブ110から送信された超音波が気泡311の上部(気泡311の超音波プローブ110側の部分)で反射する場合、C1で示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図2(b)に示す反射超音波波形において、表面反射超音波Sの前の第1反射超音波C1として検出されるものである。また、超音波プローブ110から送信された超音波が被検査体の表面210で反射した後に気泡311の下部(気泡311の被検査体200側の部分)で反射し、更に、再度、被検査体の表面210で反射する場合、C2で示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図2(b)に示す反射超音波波形において、表面反射超音波Sの後の第2反射超音波C2として検出されるものである。
この図2を用いて説明したように、気泡・欠陥判定部135は、図2(b)に示す反射超音波波形において、気泡検出ゲート401の期間内に第1反射超音波C1が存在する場合に、被検査体の表面210と超音波プローブ110との間の液体310中に気泡311が存在すると判定する。さらに、気泡・欠陥判定部135は、図2(b)に示す反射超音波波形において、欠陥検出ゲート402の期間内に第2反射超音波C2が存在する場合であって、気泡検出ゲート401の期間内に第1反射超音波C1が存在する場合には、当該第2反射超音波C2を気泡311に起因する反射超音波であると判定する。
ここで、再び、図1の説明に戻る。
また、気泡・欠陥判定部135は、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形において、欠陥検出ゲート設定部133で設定された欠陥検出ゲート(第2期間)に、情報入力部131から入力された欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値以上(所定閾値以上)の信号強度を有する反射超音波である第2反射超音波が存在する場合であって、上述した反射超音波波形において気泡検出ゲートに第1反射超音波が存在せずに液体310中に気泡311が存在しないと判定した場合には、被検査体200に欠陥201が存在すると判定を行う。
ここで、上述した気泡・欠陥判定部135による欠陥判定について、図3を用いて詳しく説明する。
図3は、図1に示す気泡・欠陥判定部135による欠陥判定を説明するための図である。具体的に、図3(a)は、図1に示す超音波プローブ110が破線の位置にある場合の様子を示している。図3(b)は、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形、即ち送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信した時点からの経過時間(t)に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を示している。
図3(a)に示すように、超音波プローブ110から送信された超音波が被検査体の表面210で反射する場合、Sで示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図3(b)に示す反射超音波波形において、表面反射超音波Sとして検出されるものである。
また、図3(a)に示すように、超音波プローブ110から送信された超音波が被検査体の裏面220で反射する場合、Bで示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図3(b)に示す反射超音波波形において、裏面反射超音波Bとして検出されるものである。
ここで、図3(b)には、超音波プローブ110において送信超音波Tを送信する時点から表面反射超音波Sを受信する時点までの期間の間に、気泡検出ゲート設定部132により設定された気泡検出ゲート401を示している。また、図3(b)には、超音波プローブ110において表面反射超音波Sを受信する時点から裏面反射超音波Bを受信する時点までの期間の間に、欠陥検出ゲート設定部133により設定された欠陥検出ゲート402を示している。
さらに、超音波プローブ110からの超音波伝播経路に欠陥201が存在すると、超音波プローブ110から送信された超音波であって被検査体の表面210を通過した超音波が被検査体200の内部の欠陥201で反射する場合、Fで示す経路で超音波が伝播することになる。これは、図3(b)に示す反射超音波波形において、表面反射超音波Sの後の第2反射超音波Fとして検出されるものである。
この図3を用いて説明したように、気泡・欠陥判定部135は、図3(b)に示す反射超音波波形において、欠陥検出ゲート402の期間内に第2反射超音波Fが存在する場合であって、気泡検出ゲート401の期間内に上述した第1反射超音波が存在せずに液体310中に気泡311が存在しないと判定した場合には、被検査体200に欠陥201が存在すると判定を行う。
ここで、再び、図1の説明に戻る。
気泡大きさ算出部136は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定された場合に、図2(b)に示す反射超音波波形における第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1、図2(b)に示す反射超音波波形における表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2、及び、液体310を伝播する超音波の速度に基づいて、気泡311の大きさdを算出する処理を行う。具体的に、気泡大きさ算出部136は、以下の(1)式を用いて、気泡311の大きさdを算出する。なお、(1)式において、Cwは、液体310を伝播する超音波の速度である。
Figure 0006540185
気泡位置算出部137は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定された場合に、図2(b)に示す反射超音波波形における表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2、及び、液体310を伝播する超音波の速度に基づいて、被検査体の表面210からの気泡311までの距離で示される気泡311の位置wを算出する処理を行う。具体的に、気泡位置算出部137は、以下の(2)式を用いて、気泡311の位置wを算出する。なお、(2)式において、Cwは、液体310を伝播する超音波の速度である。
Figure 0006540185
記録・表示部138は、気泡・欠陥判定部135による判定結果や、気泡大きさ算出部136で算出された気泡311の大きさd、気泡位置算出部137で算出された気泡311の位置w等の各情報を記録し、また、表示する処理を行う。さらに、記録・表示部138は、必要に応じて、情報入力部131から入力された各種の情報や、反射超音波波形取得部134で取得された反射超音波波形等を記録し、また、表示する処理を行う。
次に、本実施形態に係る欠陥検査装置100の制御方法における処理手順について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、検査者は、被検査体200と超音波プローブ110の配置位置を決定し、欠陥検査装置100に対して、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、被検査体200における表面210と裏面220との長さ(L)情報を操作入力すると、ステップS101において、情報入力部131は、検査者によって操作入力された、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、被検査体200における表面210と裏面220との長さ(L)情報を入力する処理を行う。
さらに、検査者が、欠陥検査装置100に対して、液体310を伝播する超音波の速度情報、及び、被検査体200を伝播する超音波の速度情報を操作入力すると、続いて、ステップS102において、情報入力部131は、検査者によって操作入力された、液体310を伝播する超音波の速度情報、及び、被検査体200を伝播する超音波の速度情報を入力する処理を行う。
続いて、ステップS103において、制御・処理装置130は、ステップS101及びS102において入力された情報に基づいて、各超音波(図2(b)または図3(b)に示す送信超音波T,表面反射超音波S,裏面反射超音波B)の位置(時間)を設定する。
続いて、ステップS104において、気泡検出ゲート設定部132は、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信する時点から被検査体の表面210で反射した反射超音波である表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に、第1期間である気泡検出ゲートを設定する処理を行う。具体的に、ここでは、図2(b)及び図3(b)に示す気泡検出ゲート401を設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、気泡検出ゲート設定部132は、情報入力部131から入力された、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、液体310を伝播する超音波の速度情報に基づいて、気泡検出ゲート401を設定する処理を行う。なお、本発明においては、この形態に限定されるものではなく、以下の処理を行うことによって、気泡検出ゲート401を設定するようにした形態も含まれる。具体的には、まず、図1に示す欠陥検査システムにおいて予め予備実験を行い、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する。そして、この予備実験により得られた反射超音波波形を例えば記録・表示部138に表示し、この表示された反射超音波波形から検査者が情報入力部131を介して気泡検出ゲート401を指定する。そして、気泡検出ゲート設定部132は、情報入力部131を介して指定された気泡検出ゲート401の設定を行う形態である。なお、気泡検出ゲート設定部132が設定する気泡検出ゲート(第1期間)は、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信する時点から表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に設定されるため、本発明においては、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信する時点から表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間を気泡検出ゲート401として気泡検出ゲート設定部132において設定する形態も含まれるものとする。
続いて、ステップS105において、欠陥検出ゲート設定部133は、上述した表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から被検査体の裏面220で反射した反射超音波である裏面反射超音波Bを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に、第2期間である欠陥検出ゲートを設定する処理を行う。ここでは、図2(b)及び図3(b)に示す欠陥検出ゲート402を設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、欠陥検出ゲート設定部133は、情報入力部131から入力された、被検査体の表面210と超音波プローブ110との距離情報、及び、液体310を伝播する超音波の速度情報、並びに、被検査体200における表面210と裏面220との長さ(L)情報、及び、被検査体200を伝播する超音波の速度情報に基づいて、欠陥検出ゲート402を設定する処理を行う。なお、本発明においては、この形態に限定されるものではなく、以下の処理を行うことによって、欠陥検出ゲート402を設定するようにした形態も含まれる。具体的には、まず、図1に示す欠陥検査システムにおいて予め予備実験を行い、送信部121により超音波プローブ110から送信超音波Tを送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する。そして、この予備実験により得られた反射超音波波形を例えば記録・表示部138に表示し、この表示された反射超音波波形から検査者が情報入力部131を介して欠陥検出ゲート402を指定する。そして、欠陥検出ゲート設定部133は、情報入力部131を介して指定された欠陥検出ゲート402の設定を行う形態である。なお、欠陥検出ゲート設定部133が設定する欠陥検出ゲート(第2期間)は、表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から裏面反射超音波Bを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間の間に設定されるため、本発明においては、表面反射超音波Sを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点から裏面反射超音波Bを超音波プローブ110を介して受信部122で受信する時点までの期間を欠陥検出ゲート402として欠陥検出ゲート設定部133において設定する形態も含まれるものとする。
さらに、検査者が、欠陥検査装置100に対して、気泡検出ゲートにおける信号検出閾値の情報、及び、欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値の情報を操作入力すると、続いて、ステップS106において、情報入力部131は、検査者によって操作入力された、気泡検出ゲートにおける信号検出閾値の情報、及び、欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値の情報を入力する処理を行う。
続いて、ステップS107において、送信部121は、ステップS103で設定された送信超音波Tの時間に基づいて、現在配置されている超音波プローブ110から被検査体200に対して超音波を送信し、また、受信部122は、反射した超音波を反射超音波として現在配置されている超音波プローブ110を介して受信する。
続いて、ステップS108において、反射超音波波形取得部134は、送信部121により超音波プローブ110から超音波を送信した時点からの経過時間に対する反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する処理を行う。
続いて、ステップS109において、気泡・欠陥判定部135は、ステップS108で取得された反射超音波波形において、ステップS105で設定された欠陥検出ゲートの期間内に、第2反射超音波を検出できたか否かを判断する。ここで、第2反射超音波を検出できたか否かの判断は、ステップS106で入力された欠陥検出ゲートにおける信号検出閾値の情報に基づいて行われる。
ステップS109の判断の結果、第2反射超音波を検出できなかった場合には(S109/NO)、ステップS110に進む。
ステップS110に進むと、気泡・欠陥判定部135は、現在配置されている超音波プローブ110の位置に対応する被検査体200の位置に欠陥201が存在しないと判定を行う。
一方、ステップS109の判断の結果、第2反射超音波を検出できた場合には(S109/YES)、ステップS111に進む。
ステップS111に進むと、気泡・欠陥判定部135は、ステップS108で取得された反射超音波波形において、ステップS104で設定された気泡検出ゲートの期間内に、第1反射超音波を検出できたか否かを判断する。ここで、第1反射超音波を検出できたか否かの判断は、ステップS106で入力された気泡検出ゲートにおける信号検出閾値の情報に基づいて行われる。
ステップS111の判断の結果、第1反射超音波を検出できた場合には(S111/YES)、ステップS112に進む。
ステップS112に進むと、気泡・欠陥判定部135は、現在配置されている超音波プローブ110と被検査体の表面210との間の液体310中に気泡311が存在すると判定する。
続いて、ステップS113において、気泡大きさ算出部136は、例えば図2(b)に示す反射超音波波形における第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1、例えば図2(b)に示す反射超音波波形における表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2、及び、ステップS102で入力された液体310を伝播する超音波の速度情報に基づいて、気泡311の大きさdを算出する処理を行う。具体的に、気泡大きさ算出部136は、上述した(1)式を用いて、気泡311の大きさdを算出する。
続いて、ステップS114において、気泡位置算出部137は、例えば図2(b)に示す反射超音波波形における表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2、及び、ステップS102で入力された液体310を伝播する超音波の速度情報に基づいて、被検査体の表面210からの気泡311までの距離で示される気泡311の位置wを算出する処理を行う。具体的に、気泡位置算出部137は、上述した(2)式を用いて、気泡311の位置wを算出する。
一方、ステップS111の判断の結果、第1反射超音波を検出できなかった場合には(S111/NO)、ステップS115に進む。
ステップS115に進むと、気泡・欠陥判定部135は、現在配置されている超音波プローブ110の位置に対応する被検査体200の位置に欠陥201が存在すると判定を行う。
ステップS110の処理が終了した場合、ステップS114の処理が終了した場合、或いは、ステップS115の処理が終了した場合には、ステップS116に進む。
ステップS116に進むと、記録・表示部138は、ステップS110、ステップS114或いはステップS115の気泡・欠陥判定部135による判定結果や、ステップS113で算出された気泡311の大きさd、ステップS114で算出された気泡311の位置w等の各情報を記録し、また、表示する処理を行う。さらに、記録・表示部138は、必要に応じて、ステップS101、S102及びS106で入力された各種の情報や、ステップS108で取得された反射超音波波形等を記録し、また、表示する処理を行う。
続いて、ステップS117において、制御・処理装置130は、被検査体200の全領域を超音波プローブ110で走査したか否かを判断する。
ステップS117の判断の結果、被検査体200の全領域については超音波プローブ110で未だ走査していない場合には(S117/NO)、ステップS118に進む。
ステップS118に進むと、制御・処理装置130は、超音波プローブ110を所定の位置に移動する制御を行う。その後、ステップS107に戻り、ステップS118で移動させた超音波プローブ110の位置において超音波の送受信を行い、ステップS108以降の処理を行う。
一方、ステップS117の判断の結果、被検査体200の全領域を超音波プローブ110で走査した場合には(S117/YES)、図4に示すフローチャートの処理を終了する。
以上説明した本発明の実施形態によれば、気泡311からの反射超音波が欠陥201からの反射超音波と同様に検出される場合に、気泡311による反射超音波が検出されたのか否かを把握することができる。
次に、上述した本発明の実施形態を踏まえた実施例について説明する。
[実施例1]
図5は、本発明の実施形態における実施例1の実験の様子を示す図である。図5において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。また、図5では、超音波プローブ110と電気的に接続されている、図1に示す超音波送受信装置120及び制御・処理装置130については、記載を省略している。
実施例1の実験では、図5に示すように、水槽300内の液体310中の所定の位置に、超音波プローブ110及び被検査体200−1を配置している。さらに、水槽300内の液体310中の所定の位置に、気泡311を発生させるための空気を送り込むチューブを配置している。
超音波プローブ110は、超音波の周波数が15MHz程度、口径が12mm程度、超音波のフォーカス距離が100mm程度の物を使用した。被検査体200−1は、板厚(L)が10mm程度のSUS板を使用し、また、欠陥201として、φ1mm程度で深さが5mm程度の縦穴を設けた。
また、液体310である水を伝播する超音波の速度は、Cw=1480m/s程度であり、被検査体200−1を構成するSUSを伝播する超音波の速度は、Cs=5660m/s程度である。また、図5に示す実施例1の実験では、超音波プローブ110と被検査体200−1との間の距離を80mm程度とすることにより、欠陥201の深さ5mm程度付近に超音波の焦点がくるような配置とした。
図6は、本発明の実施形態における実施例1の実験の結果を示し、図5に示す超音波プローブ110と被検査体200−1との間に気泡311が存在しない場合の反射超音波波形の一例を示す図である。具体的に、図6は、横軸が超音波プローブ110から送信超音波を送信した時点からの経過時間(μs)を示し、縦軸が反射超音波の信号強度(V)を示している。
図6に示す反射超音波波形では、表面反射超音波Sと裏面反射超音波Bが観察される。また、図6に示す反射超音波波形には、気泡検出ゲート設定部132により設定された気泡検出ゲート401と、欠陥検出ゲート設定部133により設定された欠陥検出ゲート402が示されている。この際、欠陥検出ゲート設定部133は、表面反射超音波Sの信号強度が充分小さくなる期間を考慮して、欠陥検出ゲート402を設定する。
また、実施例1の実験では、気泡検出ゲート401における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定し、欠陥検出ゲート402における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定するものとする。この場合、図6に示す反射超音波波形では、気泡・欠陥判定部135は、気泡検出ゲート401に第1反射超音波が存在しないため、図5に示す超音波プローブ110と被検査体200−1との間に気泡311が存在しないと判定し、また、欠陥検出ゲート402に第2反射超音波Fが存在するため、被検査体200に欠陥201が存在すると判定を行う。
[実施例2]
実施例2の実験では、欠陥201を人工的に設けた被検査体200−1に替えて、欠陥201の無い被検査体200−2を用いたものである。それ以外の構成については、図5に示す実施例1の実験と同様である。
図7は、本発明の実施形態における実施例2の第1実験の結果を示し、超音波プローブ110と被検査体200−2との間に気泡311が存在する場合の反射超音波波形の一例を示す図である。具体的に、図7は、横軸が超音波プローブ110から送信超音波を送信した時点からの経過時間(μs)を示し、縦軸が反射超音波の信号強度(V)を示している。
図7に示す反射超音波波形では、表面反射超音波Sと裏面反射超音波Bが観察される。また、図7に示す反射超音波波形には、気泡検出ゲート設定部132により設定された気泡検出ゲート401と、欠陥検出ゲート設定部133により設定された欠陥検出ゲート402が示されている。この際、欠陥検出ゲート設定部133は、表面反射超音波Sの信号強度が安定する期間を考慮して、欠陥検出ゲート402を設定する。
また、実施例2の第1実験では、気泡検出ゲート401における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定し、欠陥検出ゲート402における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定するものとする。この場合、図7に示す反射超音波波形では、気泡・欠陥判定部135は、気泡検出ゲート401に第1反射超音波C1が存在するため、超音波プローブ110と被検査体200−2との間に気泡311が存在すると判定を行う。また、気泡・欠陥判定部135は、図7に示す反射超音波波形において、気泡検出ゲート401に第1反射超音波C1が存在するため、欠陥検出ゲート402に存在する第2反射超音波C2を気泡311に起因する反射超音波であると判定する。
また、図7には、第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1が3.18μs、表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2が2.33μsであることが示されている。
図8は、本発明の実施形態における実施例2の第1実験の結果を示し、気泡311の大きさd及び気泡311の位置wの算出結果を示す図である。
気泡大きさ算出部136は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定されると、図7に示す第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1(3.18μs)、図7に示す表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2(2.33μs)、及び、液体310を伝播する超音波の速度(Cw=1480m/s)に基づいて、上述した(1)式を用いて、気泡311の大きさd=0.63mmを算出する。
また、気泡位置算出部137は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定されると、図7に示す表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2(2.33μs)、及び、液体310を伝播する超音波の速度(Cw=1480m/s)に基づいて、上述した(2)式を用いて、被検査体の表面210からの気泡311までの距離で示される気泡311の位置w=1.72mmを算出する。
図9は、本発明の実施形態における実施例2の第2実験の結果を示し、超音波プローブ110と被検査体200−2との間に気泡311が存在する場合の反射超音波波形の一例を示す図である。具体的に、図9は、横軸が超音波プローブ110から送信超音波を送信した時点からの経過時間(μs)を示し、縦軸が反射超音波の信号強度(V)を示している。
図9に示す反射超音波波形では、表面反射超音波Sと裏面反射超音波Bが観察される。また、図9に示す反射超音波波形には、気泡検出ゲート設定部132により設定された気泡検出ゲート401と、欠陥検出ゲート設定部133により設定された欠陥検出ゲート402が示されている。この際、欠陥検出ゲート設定部133は、表面反射超音波Sの信号強度が安定する期間を考慮して、欠陥検出ゲート402を設定する。
また、実施例2の第2実験でも、気泡検出ゲート401における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定し、欠陥検出ゲート402における信号検出閾値を信号強度の絶対値が0.15Vに設定するものとする。この場合、図9に示す反射超音波波形では、気泡・欠陥判定部135は、気泡検出ゲート401に第1反射超音波C1が存在するため、超音波プローブ110と被検査体200−2との間に気泡311が存在すると判定を行う。また、気泡・欠陥判定部135は、図9に示す反射超音波波形において、気泡検出ゲート401に第1反射超音波C1が存在するため、欠陥検出ゲート402に存在する第2反射超音波C2を気泡311に起因する反射超音波であると判定する。
また、図9には、第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1が3.24μs、表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2が2.67μsであることが示されている。
図10は、本発明の実施形態における実施例2の第2実験の結果を示し、気泡311の大きさd及び気泡311の位置wの算出結果を示す図である。
気泡大きさ算出部136は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定されると、図9に示す第1反射超音波C1と表面反射超音波Sとの間の第1時間t1(3.24μs)、図9に示す表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2(2.67μs)、及び、液体310を伝播する超音波の速度(Cw=1480m/s)に基づいて、上述した(1)式を用いて、気泡311の大きさd=0.42mmを算出する。
また、気泡位置算出部137は、気泡・欠陥判定部135により液体310中に気泡311が存在すると判定されると、図9に示す表面反射超音波Sと第2反射超音波C2との間の第2時間t2(2.67μs)、及び、液体310を伝播する超音波の速度(Cw=1480m/s)に基づいて、上述した(2)式を用いて、被検査体の表面210からの気泡311までの距離で示される気泡311の位置w=1.98mmを算出する。
(その他の実施形態)
上述した本発明の実施形態では、被検査体の表面210と超音波プローブ110との間に介在させる310として汎用性が高い水を用いる例を示したが、本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、被検査体の表面210と超音波プローブ110との間に介在させる310として、被検査体200における錆の防止の観点から油等を用いる形態も、本発明に適用可能である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 欠陥検査装置、110 超音波プローブ、120 超音波送受信装置、121 送信部、122 受信部、130 制御・処理装置、131 情報入力部、132 気泡検出ゲート設定部、133 欠陥検出ゲート設定部、134 反射超音波波形取得部、135 気泡・欠陥判定部、136 気泡大きさ算出部、137 気泡位置算出部、138 記録・表示部、200 被検査体、201 欠陥、210 被検査体の表面、220 被検査体の裏面、300 水槽、310 液体、311 気泡

Claims (7)

  1. 被検査体の表面と超音波プローブとの間に液体を介在させて、前記液体を介した超音波の伝播によって前記被検査体に欠陥が存在するか否かを検査する欠陥検査装置であって、
    前記超音波プローブから前記被検査体に対して超音波を送信する送信手段と、
    反射した前記超音波を反射超音波として前記超音波プローブを介して受信する受信手段と、
    前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信する時点から前記被検査体の表面で反射した前記反射超音波である表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第1期間として設定する第1期間設定手段と、
    前記表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点から前記被検査体の裏面で反射した前記反射超音波である裏面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第2期間として設定する第2期間設定手段と、
    前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信した時点からの経過時間に対する前記反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する波形取得手段と、
    前記第2期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第2反射超音波が存在し、前記第1期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第1反射超音波が存在する場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものでないと判定し、
    前記第2期間に前記第2反射超音波が存在し、前記第1期間に前記第1反射超音波が存在しない場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものであると判定する判定手段と
    を有することを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 記判定手段は、
    前記第1期間に前記第1反射超音波が存在しない場合には、前記被検査体の表面と前記超音波プローブとの間の前記液体中に気泡が存在しないと判定すると共に、前記第2反射超音波は欠陥に起因して発生したものであると判定し、
    前記第1期間に前記第1反射超音波が存在する場合には、前記被検査体の表面と前記超音波プローブとの間の前記液体中に気泡が存在すると判定すると共に、前記第2反射超音波気泡に起因して発生したものであると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装置。
  3. 前記判定手段により前記液体中に前記気泡が存在すると判定された場合に、前記反射超音波波形における前記第1反射超音波と前記表面反射超音波との間の時間t1、前記反射超音波波形における前記表面反射超音波と前記第2反射超音波との間の時間t2、及び、前記液体を伝播する前記超音波の速度に基づいて、前記気泡の大きさを算出する気泡大きさ算出手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の欠陥検査装置。
  4. 前記判定手段により前記液体中に前記気泡が存在すると判定された場合に、前記反射超音波波形における前記表面反射超音波と前記第2反射超音波との間の時間t2、及び、前記液体を伝播する前記超音波の速度に基づいて、前記被検査体の表面からの前記気泡までの距離で示される前記気泡の位置を算出する気泡位置算出手段を更に有することを特徴とする請求項2または3に記載の欠陥検査装置。
  5. 被検査体の表面と超音波プローブとの間に液体を介在させて、前記液体を介した超音波の伝播によって前記被検査体に欠陥が存在するか否かを検査する欠陥検査装置の制御方法であって、
    送信手段により、前記超音波プローブから前記被検査体に対して超音波を送信する送信ステップと、
    受信手段により、反射した前記超音波を反射超音波として前記超音波プローブを介して受信する受信ステップと、
    前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信する時点から前記被検査体の表面で反射した前記反射超音波である表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第1期間として設定する第1期間設定ステップと、
    前記表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点から前記被検査体の裏面で反射した前記反射超音波である裏面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第2期間として設定する第2期間設定ステップと、
    前記送信ステップにより前記超音波プローブから前記超音波を送信した時点からの経過時間に対する前記反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する波形取得ステップと、
    前記第2期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第2反射超音波が存在し、前記第1期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第1反射超音波が存在する場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものでないと判定し、
    前記第2期間に前記第2反射超音波が存在し、前記第1期間に前記第1反射超音波が存在しない場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものであると判定する判定ステップと
    を有することを特徴とする欠陥検査装置の制御方法。
  6. 被検査体の表面と超音波プローブとの間に液体を介在させて、前記液体を介した超音波の伝播によって前記被検査体に欠陥が存在するか否かを検査する欠陥検査装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    送信手段により、前記超音波プローブから前記被検査体に対して超音波を送信する送信ステップと、
    受信手段により、反射した前記超音波を反射超音波として前記超音波プローブを介して受信する受信ステップと、
    前記送信手段により前記超音波プローブから前記超音波を送信する時点から前記被検査体の表面で反射した前記反射超音波である表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第1期間として設定する第1期間設定ステップと、
    前記表面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点から前記被検査体の裏面で反射した前記反射超音波である裏面反射超音波を前記超音波プローブを介して前記受信手段で受信する時点までの期間を第2期間として設定する第2期間設定ステップと、
    前記送信ステップにより前記超音波プローブから前記超音波を送信した時点からの経過時間に対する前記反射超音波の信号強度を示す反射超音波波形を取得する波形取得ステップと、
    前記第2期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第2反射超音波が存在し、前記第1期間に所定閾値以上の信号強度を有する前記反射超音波である第1反射超音波が存在する場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものでないと判定し、
    前記第2期間に前記第2反射超音波が存在し、前記第1期間に前記第1反射超音波が存在しない場合、前記第2反射超音波が欠陥に起因するものであると判定する判定ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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