JP2018194358A - 超音波検査方法及び超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査方法及び超音波検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018194358A
JP2018194358A JP2017096436A JP2017096436A JP2018194358A JP 2018194358 A JP2018194358 A JP 2018194358A JP 2017096436 A JP2017096436 A JP 2017096436A JP 2017096436 A JP2017096436 A JP 2017096436A JP 2018194358 A JP2018194358 A JP 2018194358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
ultrasonic
reaching
arrival
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017096436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6830630B2 (ja
Inventor
友則 木村
Tomonori Kimura
友則 木村
朗 細谷
Akira Hosoya
朗 細谷
高橋 実
Minoru Takahashi
実 高橋
小池 光裕
Mitsuhiro Koike
光裕 小池
潤 村越
Jun Murakoshi
潤 村越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Ryoden Shonan Electronics Corp
National Research and Development Agency Public Works Research Institute
Original Assignee
Public Works Research Institute
Mitsubishi Electric Corp
Ryoden Shonan Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Public Works Research Institute, Mitsubishi Electric Corp, Ryoden Shonan Electronics Corp filed Critical Public Works Research Institute
Priority to JP2017096436A priority Critical patent/JP6830630B2/ja
Publication of JP2018194358A publication Critical patent/JP2018194358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6830630B2 publication Critical patent/JP6830630B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】超音波探傷子を同一平面上に設置する必要がなく、高精度で試験体の性状を検査することのできる超音波検査方法及び超音波検査装置を得る。
【解決手段】送信用超音波斜角探触子5から出射され、試験体内を伝搬する二つの波のうち、第一到達波を、溶接部3を透過してデッキプレート2の平坦部分で反射した後に受信される波とし、第二到達波を、Uリブ1の平坦部分で反射して溶接部3を透過し、デッキプレート2の平坦部分で再び反射した後に受信される波とする。これら第一到達波と第二到達波は受信用超音波斜角探触子6で受信される。試験体の性状の推定は、第一到達波と第二到達波を用いて行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて試験体の性状を判断する超音波検査方法及び超音波検査装置に関するものである。
近年、道路橋等の構造物の老朽化が問題となっており、適切な維持管理が要求されている。道路橋に用いられている鋼床版は、板状のデッキプレートとその下に設けられたUリブとから構成されている。この様子を図11に示す。図示のように、鋼板であるデッキプレート2を、Uリブ1が下から支える構造であり、この二つの部材は溶接されている。二つの部材が溶接されている様子を図12に示す。図示のように、Uリブ1とデッキプレート2とは溶接部3で溶接されている。また、二つの部材を溶接するときに、溶材が溶け込まずに未溶着な部分が発生する。図12では、これを未溶着部4として示している。
デッキプレート2の上にはアスファルトがあり、その上を車が走行する。溶接部3には、車が走行する度に応力が集中するため、未溶着部4の先端から亀裂が発生する場合がある。図12には、未溶着部4の先端から亀裂4aが発生している様子を示している。この亀裂4aが進展すると、溶接部3を破断することもある。このため、未溶着部4の先端から進展した亀裂4aを、破断後だけでなく破断前に非破壊で検出する技術が要望されている。
溶接部の亀裂検査の従来方法としては、例えば特許文献1に記載されている方法があった。特許文献1に記載の方法は、送信用の超音波探触子と受信用の超音波探触子を同一の探傷面に設置し、亀裂からの反射波により亀裂の有無を検査する方法である。
特開2003−57214号公報
しかしながら、上記従来の検査方法は、送信用の超音波探触子と受信用の超音波探触子を試験体の同じ面に接触させることができない場合は適用困難である。特に、道路橋等の構造物を対象とする場合、デッキプレート2上には舗装面があることから超音波探触子を設置するのは困難であった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、超音波探傷子を同一平面上に設置する必要がなく、高精度で試験体の性状を検査することのできる超音波検査方法及び超音波検査装置を得ることを目的とする。
この発明に係る超音波検査方法は、第1の部材と第2の部材を溶接した試験体に送信用超音波探触子から超音波を伝搬させ、伝搬した超音波の波を受信用超音波探触子で受信することで、試験体の溶接部の性状を推定する超音波検査方法において、送信用超音波探触子を第1の部材面上に設置すると共に、受信用超音波探触子を第2の部材面上に設置し、試験体内を伝搬する二つの波のうち、第一到達波を、溶接部を透過して第2の部材の平坦部分で反射した後に受信される波とし、第二到達波を、第1の部材の平坦部分で反射して溶接部を透過し、第2の部材の平坦部分で再び反射した後に受信される波とし、試験体の性状の推定を、第一到達波と第二到達波を用いて行うようにしたものである。
この発明の超音波検査方法は、試験体の性状の推定を、第一到達波と第二到達波を用いて行うようにしたので、超音波探触子を同一平面上に設置する必要がなく、高精度で試験体の性状を検査することができる。
この発明の実施の形態1による超音波検査装置を示す構成図である。 図2A及び図2Bは、この発明の実施の形態1による超音波検査装置の探触子の応答特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による超音波検査装置の試験体の具体的な寸法の一例を示す説明図である。 図4A〜図4Fは、この発明の実施の形態1による超音波検査装置の試験体内の音場を示す説明図である。 図5A〜図5Cは、この発明の実施の形態1による超音波検査装置の受信信号における第一到達波と第二到達波とを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による超音波検査装置の亀裂長さに対する振幅の変化を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による超音波検査装置の亀裂長さに対する振幅比を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による超音波検査装置の信号処理部のハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態1による超音波検査装置の信号処理部の処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による超音波検査装置の信号処理部の処理を示すフローチャートである。 デッキプレートとUリブとの関係を示す斜視図である。 デッキプレートとUリブとの溶接部の状態を示す説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による超音波検査方法に用いる超音波検査装置を示す構成図である。
図1において、Uリブ1とデッキプレート2は、図11及び図12で説明したように、第1の部材と第2の部材に相当する構成である。また、溶接部3、未溶着部4及び亀裂4aについても図11及び図12と同様である。そして、実施の形態1による超音波検査装置は、送信用超音波斜角探触子5、受信用超音波斜角探触子6及び送受信機10を備えている。送信用超音波斜角探触子5は、Uリブ1上に設置され、所定の屈折角で超音波を出射する探触子である。受信用超音波斜角探触子6はデッキプレート2上に設置され、取付面を介して超音波を受信する探触子である。送受信機10は、送信用超音波斜角探触子5に対して電気信号を供給すると共に、受信用超音波斜角探触子6からの電気信号を受け取って、溶接部3の性状を推定する処理部であり、送信部11、受信部12及び信号処理部13を備えている。送信部11は、信号処理部13によって制御され、送信用超音波斜角探触子5を励振するための電気信号を発生する処理部である。受信部12は受信用超音波斜角探触子6で受信された電気信号を必要に応じて増幅し、信号処理部13に送るための処理部である。信号処理部13は、受信用超音波斜角探触子6で受信された第一到達波(図1において実線で示す)と第二到達波(図1において破線で示す)を用いて溶接部3の性状を推定する処理部であるが、その詳細については後述する。
実施の形態1は、図1に示すように、送信用超音波斜角探触子5をUリブ1に設置し、受信用超音波斜角探触子6をデッキプレート2に設置し、この状態で得られた受信信号の振幅から、未溶着部4から進展した亀裂4aの長さを推定するものである。
図1に示した探触子の配置とした場合、どのような信号が受信されるのかを確認するため、シミュレーションを行った。シミュレーションに用いた探触子の応答特性は図2に示す通りであり、周波数5MHzで比較的広帯域なものを想定した。図中、図2Aは相対振幅の時間経過を示し、図2Bは周波数に対する相対振幅を示す。
試験体の寸法や、試験体との具体的な位置関係は、図3に示す通りである。Uリブ1の厚さは6mm、デッキプレート2の厚さは12mmである。Uリブ1とデッキプレート2は、図中に示す角度が13°で溶接されているものとした。溶け込み率50%を想定し、Uリブ1とデッキプレート2との接着領域は3mmとした。送信用超音波斜角探触子5は、横波屈折角がほぼ90°となるような角度とした。また、受信用超音波斜角探触子6は、横波屈折角が45°となるような角度とした。
試験体内の音場を図4に示す。図4A〜図4Fは、それぞれ、送信用超音波斜角探触子5を励振してから、8μs後、10μs後、12μs後、14μs後、16μs後、及び18μs後の音場であり、超音波の振幅を濃淡で示している。また、図4では未溶着部4の先端からの亀裂長さが2.2mmの場合の音場である。図から明らかなように、送信用超音波斜角探触子5から伝搬した波は、そのまま溶接部3を透過する成分(図中、実線で表示)もあれば、Uリブ1の底面で反射されてから溶接部3を透過する成分(図中、破線で表示)もある。この二つの波は、いずれもデッキプレート2の上面で反射され、受信用超音波斜角探触子6で受信される。図4の音場から分かるように、これら二つの波は時間的に分離され、到達時間が異なる。そのまま溶接部3を透過する成分の方が早く受信され、この波を「第一到達波」とする。また、Uリブ1の底面で反射されてから溶接部3を透過する成分の方が遅く受信され、この波を「第二到達波」とする。
図1において、第一到達波の伝搬経路を実線で示し、第二到達波の伝搬経路を破線で示している。図から分かるように、これらの波は未溶着部4の先端からの亀裂4aによって、伝搬経路が遮られる。亀裂4aが短い場合には、第一到達波はあまり影響されないが、第二到達波は大きく影響を受ける。
シミュレーションで得られた受信信号を図5に示す。図5A〜図5Cでは、それぞれ亀裂長さ0mm,2.2mm,4.0mmの場合の信号である。図5Aに示すように、亀裂長さ0mmの場合には、第一到達波の振幅よりも第二到達波の振幅の方が大きい。図5Bに示すように、亀裂長さ2.2mmの場合、両者の振幅はほぼ同等となる。また、図5Cに示すように、亀裂長さ4.0mmの場合には、振幅の大小が逆転し、第一到達波の振幅の方が第二到達波の振幅よりも大きくなっている。本発明は、この現象を利用して、亀裂長さを推定するというものである。なお、20μsより前にも小さい信号が受信されているが、これは表面波に起因するものであるので、本発明では考慮しない。
亀裂長さを変えて同様のシミュレーションを行い、亀裂長さに対する振幅の変化を求めた。結果を図6に示す。図中、実線が第一到達波の振幅であり、破線が第二到達波の振幅である。図の縦軸は、亀裂長さ0mmの場合に受信された第一到達波の振幅で規格化している。図に示すように、第一到達波の振幅は4mm付近まではあまり変化せず、4mmを超えると大きく減少する。一方、第二到達波の振幅は一様に減少していき、亀裂長さが2.2mm付近で両者が逆転する。
両者の振幅比(第一到達波の振幅÷第二到達波の振幅)を求め、亀裂長さに対する振幅比を求めた結果を図7に示す。図に示すように、亀裂が短い場合には振幅比が小さくなり、亀裂が長い場合には振幅比が大きくなる。例えば、振幅比の閾値を1.0として検査を行えば、振幅比が閾値より小さい場合には亀裂は2.2mm以下の微小なものと推定でき、閾値よりも大きい場合には亀裂は2.2mm以上長さがあるものと推定できる。
本発明は、送信用超音波斜角探触子5及び受信用超音波斜角探触子6を動かさずに受信された二つの信号を用いるので、探触子と試験体との接触状態に影響されない。すなわち、探触子と試験体との接触状態が悪い場合には、第一到達波及び第二到達波の振幅が共に低下し、低下量は同等であるので、振幅比は変わらない。振幅比を用いるメリットはこの点にある。
次に、信号処理部13の詳細について説明する。信号処理部13は、第一到達波と第二到達波を用い、これらの振幅比から溶接部3の性状として未溶着部4からの亀裂長さを推定する。信号処理部13では、第一到達波及び第二到達波が受信される時間を予め求めておき、二つの時間ゲートを設ける。この二つの時間ゲートとして、例えば図5には、それぞれ「ゲート1」及び「ゲート2」として示している。そして、信号処理部13は、それぞれのゲート1,2内の信号の振幅を求め、さらに振幅比を求めることで、未溶着部4からの亀裂長さを推定する。このように、第一到達波及び第二到達波の伝搬経路からゲートを設ける時間を決めるという点が、本実施の形態の特徴である。
信号処理部13のハードウェア構成は、たとえば、パーソナルコンピュータまたはワークステーションなどのCPU(Central Processing Unit)内蔵のコンピュータを用いて実現可能である。あるいは、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのLSI(Large Scale Integrated circuit)を用いて実現されてもよい。
図8は、信号処理部13のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。図8の例では、CPUを含むプロセッサ131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、記録媒体134、送受信インターフェース回路135、表示インターフェース回路136及び信号路137で構成され、外部機器として表示器138が接続されている。これらのプロセッサ131〜表示インターフェース回路136は、バス回路などの信号路137を介して相互に接続されており、表示器138は表示インターフェース回路136に接続されている。
プロセッサ131は、RAM133を作業用メモリとして使用して、ROM132から読み出された超音波測定用のコンピュータプログラムを実行する。すなわち、このコンピュータプログラムは、本実施の形態の超音波検査方法を実現するためのプログラムである。記録媒体134は、例えば、SDRAM(Synchronous DRAM)などの揮発性メモリ、またはHDD(ハードディスクドライブ)もしくはSSD(ソリッドステートドライブ)を用いて構成され、検査結果等のデータを記録するのに用いられる。送受信インターフェース回路135は、送信部11との間の信号伝達及び受信部12との間の信号伝達に使用される回路である。表示インターフェース回路136は、表示器138との間の信号伝達に使用される回路である。表示器138は、亀裂長さの推定結果を表示するものである。結果は数字として表示しても良いし、LEDランプの明るさで表示しても良い。表示方法は限定されるものではない。
次に、実施の形態1の超音波検査方法について説明する。図9は超音波検査方法を実現するための信号処理部13の処理を示すフローチャートである。
先ず、信号処理部13から送信部11へ、超音波を発生させるための制御信号を送る(ステップST1)。これにより、送信部11で電気信号を発生させ、送信用超音波斜角探触子5を励振する。これにより、送信用超音波斜角探触子5は超音波をUリブ1内に照射する。この超音波の横波が溶接部3を通り、デッキプレート2の上面で反射されて受信用超音波斜角探触子6で受信され、電気信号に変換される。すなわち、第一到達波と第二到達波が受信用超音波斜角探触子6で受信される。受信用超音波斜角探触子6はこれを電気信号に変換して受信部12に送る。受信部12では、必要があれば信号を増幅し、信号処理部13に送る。
信号処理部13では、受信部12からの受信信号を、送受信インターフェース回路135で受け取る(ステップST2)。その後、受信信号は、信号路137を介してRAM133に格納される(ステップST3)。次に、プロセッサ131は、RAM133から受信信号を読み出し(ステップST4)、その受信信号に基づいて、ゲート1内の振幅I及びゲート2内の振幅Iを算出する(ステップST5)。次いで、プロセッサ131は、ゲート1内の振幅Iとゲート2内の振幅Iとの振幅比I/Iを求める(ステップST6)。また、振幅比に基づいて、溶接部3に発生した亀裂4aの長さを推定する(ステップST7)。
そして、プロセッサ131は、表示インターフェース回路136を制御して推定結果を表示器138に送る(ステップST8)。これにより表示器138は、推定結果を表示する。以上で処理は終了する。なお、これらの処理結果は、適宜記録媒体134に記録される。
以上説明したように、実施の形態1の超音波検査方法によれば、第1の部材と第2の部材を溶接した試験体に送信用超音波探触子から超音波を伝搬させ、伝搬した超音波の波を受信用超音波探触子で受信することで、試験体の溶接部の性状を推定する超音波検査方法において、送信用超音波探触子を第1の部材面上に設置すると共に、受信用超音波探触子を第2の部材面上に設置し、試験体内を伝搬する二つの波のうち、第一到達波を、溶接部を透過して第2の部材の平坦部分で反射した後に受信される波とし、第二到達波を、第1の部材の平坦部分で反射して溶接部を透過し、第2の部材の平坦部分で再び反射した後に受信される波とし、試験体の性状の推定を、第一到達波と第二到達波を用いて行うようにしたので、超音波探触子を同一平面上に設置する必要がなく、高精度で試験体の性状を検査することができる。
また、実施の形態1の超音波検査方法によれば、第一到達波と第二到達波の振幅比から、溶接部の性状を推定するようにしたので、探触子と試験体との接触状態に影響されることなく高精度で試験体の性状を検査することができる。
また、実施の形態1の超音波検査方法によれば、第一到達波と第二到達波は、受信用超音波探触子で受信される時間的に異なる区間の波としたので、第一到達波と第二到達波の容易かつ確実に取り出すことができる。
また、実施の形態1の超音波検査装置によれば、第1の部材と第2の部材を溶接した試験体における第1の部材上に設置され、試験体に超音波を出射する送信用超音波探触子と、第2の部材上に設置され、送信用超音波探触子から出射されて試験体内を伝搬する二つの波のうち、溶接部を透過して第2の部材の平坦部分で反射した後に受信される第一到達波と、第1の部材の平坦部分で反射して溶接部を透過し、第2の部材の平坦部分で再び反射した後に受信される第二到達波とを受信する受信用超音波探触子と、第一到達波と第二到達波を用いて、溶接部の性状を推定する信号処理部とを備えたので、超音波探触子を同一平面上に設置する必要がなく、高精度で試験体の性状を検査することができる。
また、実施の形態1の超音波検査装置によれば、信号処理部は、第一到達波と第二到達波の振幅比から、溶接部の性状を推定するようにしたので、探触子と試験体との接触状態に影響されることなく高精度で試験体の性状を検査することができる。
また、実施の形態1の超音波検査装置によれば、信号処理部は、受信用超音波探触子で受信される時間的に異なる区間の波を第一到達波と第二到達波とするようにしたので、第一到達波と第二到達波の容易かつ確実に取り出すことができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、第一到達波と第二到達波の振幅比だけでなく、少なくともいずれか一方の到達波の振幅も併用して溶接部3の性状を推定するようにしたものである。
例えば、図7に示すように、亀裂長さが4.8mmの場合だけ、第一到達波と第二到達波の振幅比が小さくなっている。このような場合、実施の形態1で示した振幅比だけで亀裂長さを判断するのは困難である。
亀裂長さ4.8mmの場合に振幅比が小さくなる原因は、第二到達波の振幅が非常に小さいためである。振幅比を(第一到達波の振幅÷第二到達波の振幅)としているので、第二到達波の振幅が非常に小さいと分母が小さくなり、この場合は分母の僅かの変化で振幅比が大きく変わってしまう。ここで、第一到達波の振幅も小さい場合、本来、亀裂の長さが長いという推定結果が得られなければいけないが、振幅比のみで推定した場合は亀裂の長さが小さいという判定結果となってしまう。そこで、実施の形態2では、実施の形態1で示した振幅比による判定に加え、第一到達波あるいは第二到達波の振幅値を併用するものである。すなわち、実施の形態2の信号処理部13は、第一到達波と第二到達波のうち、少なくとも一方の波の振幅を用いて溶接部の性状を推定するよう構成されている。他の構成は、図1に示した実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態2の信号処理部13は、実施の形態1と同様に、まず振幅比を求め、大きければ亀裂は長いと推定する。振幅比が小さい場合に、第一到達波あるいは第二到達波の振幅値も判断材料に用いる。すなわち、ゲート1内の振幅値とゲート2内の振幅値を用いる。振幅比が小さく、かつ、第一到達波あるいは第二到達波の振幅も非常に小さい場合には、亀裂が長いと推定する。すなわち、実施の形態2の信号処理部13の処理では、実施の形態1における図9のフローチャートにおいて、ステップST7の処理が「振幅比と、ゲート1内あるいはゲート2内の振幅値に基づいて亀裂長さを推定する」となる。なお、振幅値として第一到達波と第二到達波の両方を用いるか、いずれか一方を用いるか、また、いずれか一方の場合は第一到達波と第二到達波のうちどちらを用いるかは、探触子の配置や超音波の周波数等によって適宜選択する。
以上説明したように、実施の形態2の超音波検査方法によれば、第一到達波と第二到達波のうち、少なくとも一方の波の振幅を用いて溶接部の性状を推定するようにしたので、試験体の性状の検査精度をより向上させることができる。
また、実施の形態2の超音波検査装置によれば、信号処理部は、第一到達波と第二到達波のうち、少なくとも一方の波の振幅を用いて溶接部の性状を推定するようにしたので、試験体の性状の検査精度をより向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、第一到達波と第二到達波のいずれも受信できない場合は溶接部が破断していると判定するようにしたものである。
実施の形態1と実施の形態2では、第一到達波と第二到達波の振幅を用いて亀裂の長さを推定しているが、これらの波が受信されない場合もある。それは、未溶着部4の先端からの亀裂が進展し、溶接部3を破断した場合である。この場合、Uリブ1からデッキプレート2へ超音波は伝搬しないため、いずれの到達波も受信されない。実施の形態3に係わる超音波検査方法は、第一到達波と第二到達波が受信されなくなった場合、溶接部3は破断していると判定するというものである。なお、溶接部3の上に塗装があり、塗装だけが破断して溶接部3は破断していないという場合もある。このような場合、目視検査では「破断あり」と誤判定する可能性があるが、本発明の実施の形態3による検査方法であれば、第一到達波あるいは第二到達波を用いて判断するので、誤判定することはない。
実施の形態3の超音波検査装置の図面上の構成は、実施の形態1の超音波検査装置の構成と同じである。ただし、信号処理部13が、受信用超音波斜角探触子6で、第一到達波と第二到達波が共に受信できない場合は、溶接部3が破断していると判定するよう構成されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
図10は、実施の形態3の超音波検査方法を示すフローチャートである。ここで、ステップST10とステップST11以外は、図9に示した実施の形態1の処理と同様である。ステップST10では、信号処理部13は、ゲート1及びゲート2内の信号の振幅が閾値以上かを判定する。ここで、閾値とは、第一到達波と第二到達波が受信されたか否かを判別するための値であり、検査条件に基づいて適宜決定する。ステップST10において、閾値以上であった場合、以降の処理は実施の形態1と同様である。一方、ステップST10において、ゲート1及びゲート2内の信号の振幅が共に閾値以上ではなかった場合、信号処理部13は溶接部3が破断していると判定し(ステップST11)、ステップST8に移行する。
以上説明したように、実施の形態3の超音波検査方法によれば、第一到達波と第二到達波が共に受信できない場合は、溶接部が破断していると判定するようにしたので、溶接部の破断を確実に判定することができる。
また、実施の形態3の超音波検査装置によれば、受信用超音波探触子で、第一到達波と第二到達波が共に受信できない場合は、溶接部が破断していると判定するようにしたので、溶接部の破断を確実に判定することができる。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態3では、Uリブ1の厚さやデッキプレート2の厚さ及び溶け込み率等を図3に示したような値として説明したが、これらの値に限定されるものではなく、他の値であってもシミュレーション結果に基づいて同様に亀裂長さ推定が可能である。
また、本発明の超音波検査方法及び超音波検査装置における信号の振幅は、絶対値の振幅でもよいし、正の値の振幅でもよい。負の値の振幅でも構わない。
さらに、本発明の超音波検査方法及び超音波検査装置は、第1の部材と第2の部材を溶接した試験体全般に適用可能である。ここでは例として、Uリブ1を第1の部材、デッキプレート2を第2の部材として説明したが、第1の部材や第2の部材をUリブやデッキレートに限定するものではない。
また、実施の形態1〜実施の形態3では、第1の部材に送信用超音波斜角探触子5を設置し、第2の部材に受信用超音波斜角探触子6を設置した場合について説明したが、送信と受信を入れ替えても結果は変わらない。例えば、送信部11を受信用超音波斜角探触子6に接続し、受信部12を送信用超音波斜角探触子5に接続しても良い。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 Uリブ、2 デッキプレート、3 溶接部、4 未溶着部、4a 亀裂、5 送信用超音波斜角探触子、6 受信用超音波斜角探触子、10 送受信機、11 送信部、12 受信部、13 信号処理部。

Claims (10)

  1. 第1の部材と第2の部材を溶接した試験体に送信用超音波探触子から超音波を伝搬させ、当該伝搬した超音波の波を受信用超音波探触子で受信することで、前記試験体の溶接部の性状を推定する超音波検査方法において、
    前記送信用超音波探触子を前記第1の部材面上に設置すると共に、前記受信用超音波探触子を前記第2の部材面上に設置し、
    前記試験体内を伝搬する二つの波のうち、第一到達波を、前記溶接部を透過して前記第2の部材の平坦部分で反射した後に受信される波とし、第二到達波を、前記第1の部材の平坦部分で反射して前記溶接部を透過し、前記第2の部材の平坦部分で再び反射した後に受信される波とし、
    前記試験体の性状の推定を、前記第一到達波と前記第二到達波を用いて行うことを特徴とする超音波検査方法。
  2. 前記第一到達波と前記第二到達波の振幅比から、前記溶接部の性状を推定することを特徴とする、請求項1記載の超音波検査方法。
  3. 前記第一到達波と前記第二到達波は、前記受信用超音波探触子で受信される時間的に異なる区間の波であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波検査方法。
  4. 前記第一到達波と前記第二到達波のうち、少なくとも一方の波の振幅を用いて前記溶接部の性状を推定することを特徴とする請求項2記載の超音波検査方法。
  5. 前記第一到達波と前記第二到達波が共に受信できない場合は、前記溶接部が破断していると判定することを特徴とする請求項1記載の超音波検査方法。
  6. 第1の部材と第2の部材を溶接した試験体における前記第1の部材上に設置され、前記試験体に超音波を出射する送信用超音波探触子と、
    前記第2の部材上に設置され、前記送信用超音波探触子から出射されて前記試験体内を伝搬する二つの波のうち、前記溶接部を透過して前記第2の部材の平坦部分で反射した後に受信される第一到達波と、前記第1の部材の平坦部分で反射して前記溶接部を透過し、前記第2の部材の平坦部分で再び反射した後に受信される第二到達波とを受信する受信用超音波探触子と、
    前記第一到達波と前記第二到達波を用いて、前記溶接部の性状を推定する信号処理部とを備えたことを特徴とする超音波検査装置。
  7. 前記信号処理部は、前記第一到達波と前記第二到達波の振幅比から、前記溶接部の性状を推定することを特徴とする請求項6記載の超音波検査装置。
  8. 前記信号処理部は、前記受信用超音波探触子で受信される時間的に異なる区間の波を前記第一到達波と前記第二到達波とすることを特徴とする請求項6または請求項7記載の超音波検査装置。
  9. 前記信号処理部は、前記第一到達波と前記第二到達波のうち、少なくとも一方の波の振幅を用いて前記溶接部の性状を推定することを特徴とする請求項7記載の超音波検査装置。
  10. 前記信号処理部は、前記受信用超音波探触子で、前記第一到達波と前記第二到達波が共に受信できない場合は、前記溶接部が破断していると判定することを特徴とする請求項6記載の超音波検査装置。
JP2017096436A 2017-05-15 2017-05-15 超音波検査方法及び超音波検査装置 Active JP6830630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017096436A JP6830630B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 超音波検査方法及び超音波検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017096436A JP6830630B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 超音波検査方法及び超音波検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018194358A true JP2018194358A (ja) 2018-12-06
JP6830630B2 JP6830630B2 (ja) 2021-02-17

Family

ID=64570985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017096436A Active JP6830630B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 超音波検査方法及び超音波検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6830630B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114152674A (zh) * 2021-11-11 2022-03-08 无锡金诚工程技术服务有限公司 一种正交异性钢箱梁u肋角焊缝的超声相控阵检测方法
CN114184672A (zh) * 2021-11-11 2022-03-15 无锡金诚工程技术服务有限公司 一种提高u肋角焊缝测量精确度的超声相控阵检测方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114152674A (zh) * 2021-11-11 2022-03-08 无锡金诚工程技术服务有限公司 一种正交异性钢箱梁u肋角焊缝的超声相控阵检测方法
CN114184672A (zh) * 2021-11-11 2022-03-15 无锡金诚工程技术服务有限公司 一种提高u肋角焊缝测量精确度的超声相控阵检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6830630B2 (ja) 2021-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10481131B2 (en) Ultrasonic test system, ultrasonic test method and method of manufacturing aircraft part
US10473624B2 (en) Shear wave sensors for acoustic emission and hybrid guided wave testing
JP5237923B2 (ja) 密着性評価装置及び方法
US9488623B2 (en) Guided wave mode sweep technique for optimal mode and frequency excitation
JP5112942B2 (ja) 超音波探傷方法及び装置
JP6830630B2 (ja) 超音波検査方法及び超音波検査装置
JP4728838B2 (ja) 超音波によるスポット溶接部の評価方法及び装置
JP2011141211A (ja) 土中構造物の欠陥評価装置、土中構造物の欠陥評価方法、および土中構造物の欠陥評価プログラム
JP2017173095A (ja) 超音波探触子及びその製造方法
JP2002062281A (ja) 欠陥深さ測定方法および装置
JP4784556B2 (ja) 超音波検査の感度補正方法
JP4294374B2 (ja) 超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP2016205858A (ja) 欠陥検査装置及びその制御方法、プログラム、並びに、記憶媒体
JP4682921B2 (ja) 超音波探傷方法及び超音波探傷装置
JP4583898B2 (ja) 超音波探傷装置
JP5841027B2 (ja) 検査装置および検査方法
JP4761147B2 (ja) 超音波探傷方法及び装置
JP6415345B2 (ja) 超音波診断装置
JP4209689B2 (ja) 超音波探傷装置
JP4143527B2 (ja) 薄板超音波探傷装置
Loveday et al. Influence of resonant transducer variations on long range guided wave monitoring of rail track
JP2004138392A (ja) 超音波探傷装置及び超音波探傷方法
JP2008286792A (ja) 超音波によるスポット溶接部の評価方法及び装置
CA3216686A1 (en) Method and device for checking the wall of a pipeline for flaws
JPS63261151A (ja) 超音波探触子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170615

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201002

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20201002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6830630

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250