JP6540062B2 - パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置および評価方法 - Google Patents

パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置および評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失の評価装置及び評価方法に関する。
インバータ等電力変換装置に用いられる代表的なパワー半導体デバイスとして、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)がある。また、近年、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)等のMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)やHEMT(高電子移動度トランジスタ)が次世代のパワー半導体デバイスとして注目されている。
インバータに利用されるパワー半導体デバイスは、その通電電流と印加電圧の瞬時値の積の時間積分によるエネルギー損失のジュール熱によって発熱する。すなわち、インバータの設計に重要な動作損失、動作温度となる。パワー半導体デバイスは、50A以上の電流定格では、パワー半導体モジュールとして、複数のチップがモジュール内部で配線される。
このエネルギー損失は、パワー半導体デバイスに電流が流れている導通期間とスイッチング時と分けて評価されるのが一般的である(オフ期間のエネルギー損失は微少なので、特に配慮する必要がある場合以外は無視が可能である)。
導通期間のエネルギー損失はカーブトレーサを用いて通電電流に対する電圧降下を測定し、スイッチング時のエネルギー損失はオッシロスコープで電流、電圧の時間変化を測定することで、各々の損失を評価している。
スイッチングエネルギー損失の評価用の回路としては、例えば図8に示すようなインダクタンス負荷の試験回路が用いられる。図8では、パワー半導体モジュールとして、基本の構造となる、ハーフブリッジの2in1モジュールを用いている。
図8において、直流電源1の正、負極端間には抵抗2およびコンデンサ3が直列に接続されている。コンデンサ3の両端間には、上アームのパワー半導体デバイス4および下アームのパワー半導体デバイス5が直列に接続されている。上アームのパワー半導体デバイス4にはインダクタンス負荷6が並列に接続されている。
前記パワー半導体デバイス4、5は、本試験回路ではIGBTおよびそれに逆並列接続されたフリーホイールダイオードによって各々構成され、それらをパワー半導体モジュール10としている。
上アームのパワー半導体デバイス4のゲート−エミッタ間は接続され、下アームのパワー半導体デバイス5のゲートにはパルス信号が印加される。
前記パルス信号印加によるパワー半導体デバイス5のスイッチング時の、コレクタ電流Ic(通電電流)は電流プローブによって測定され、コレクタ−エミッタ間電圧VCE(印加電圧)は電圧プローブによって測定される。これらプローブにより測定された電流、電圧は図示省略のオッシロスコープなどの測定器に取り込まれて、各種の評価が行われる。
尚、波形測定器の測定精度を高める技術は例えば特許文献1に開示され、電力変換装置における電力用スイッチング素子のスイッチング損失を求める技術は例えば特許文献2に開示されている。
特開2011−43373号公報 特開2004−312817号公報
従来の、例えば図8の回路におけるパワー半導体デバイスのスイッチング時の電流、電圧の評価において、それぞれのプローブのアンプ特性のばらつきによって、トリガからの時間が数ナノ秒異なることが一般的であり、この時間ずれがあるまま通電電流と印加電圧の瞬時値の積の時間積分を行うと、算出したエネルギー損失に誤差が生じる。
このため、図9(a)のように、パルス発生器7の両端間に無誘導抵抗8を接続した回路を用い、予め電圧の方形波で電流を無誘導抵抗8に通電し、この抵抗8の両端の電圧VLとこの回路の通電電流ILをそれぞれ電圧プローブ、電流プローブにて同時に評価し、方形波の立ち上がり、立下りのタイミングで検出時間の差分を補正している。
尚、図9(b)は方形波の立ち上がりのタイミングにおけるILとVLの検出時間の差分を表している。
しかしながら図9の方法のように、高速に立ち上がり、立下りの波形を得ようとすると低電圧、低電流の評価となり、実際の半導体スイッチを評価する数百V、数百Aでも正しいか懸念が残る。すなわち、正確なスイッチングエネルギー損失が評価できているか、確証が得られない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、スイッチングエネルギー損失を正確に評価することができるパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置及び評価方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置は、直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路と、前記第2のパワー半導体デバイスの通電電流および前記第1のパワー半導体デバイスの電圧と前記第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する測定部と、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、電流波形と、前記電圧の和の電圧波形とに基づいて、前記電流波形の時間微分波形と前記電圧波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正部と、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出部とを備え、前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴としている。
また、請求項5に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法は、直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路を備え、前記パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失を評価する方法であって、
電流プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の通電電流を測定する電流測定ステップと、電圧プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する電圧測定ステップと、タイミング補正部が、前記電流プローブによって測定された前記電流の電流波形と前記電圧プローブによって測定された前記電圧の和の電圧波形に基づいて、前記電流波形の時間微分波形と前記電圧波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正ステップと、スイッチングエネルギー損失算出部が、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出ステップとを備え、前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴としている。
また、請求項2に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置は、直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路と、前記第2のパワー半導体デバイスの通電電流および前記第1のパワー半導体デバイスの電圧と前記第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する測定部と、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、電流波形と、前記電圧の和の電圧波形とに基づいて、前記電流波形の2回微分波形と前記電圧波形の時間微分波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正部と、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出部とを備え、前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴としている。
また、請求項6に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法は、直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路を備え、前記パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失を評価する方法であって、
電流プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の通電電流を測定する電流測定ステップと、電圧プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する電圧測定ステップと、タイミング補正部が、前記電流プローブによって測定された前記電流の電流波形と前記電圧プローブによって測定された前記電圧の和の電圧波形に基づいて、前記電流波形の2回微分波形と前記電圧波形の時間微分波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正ステップと、スイッチングエネルギー損失算出部が、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出ステップとを備え、前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴としている。
また、請求項4に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記測定部によって測定される前記電圧の和の電圧波形は、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧を各々同一種類の電圧プローブで測定し、それら電圧を足し合わせることにより取得するか、又は第1および第2のパワー半導体デバイスの直列回路の両端間の電圧を同一種類の電圧プローブで測定することにより取得することを特徴としている。
また、請求項8に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法は、請求項5ないし7のいずれか1項において、前記電圧測定ステップは、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧を各々同一種類の電圧プローブで測定し、それら電圧を足し合わせることにより実行されるか、又は第1および第2のパワー半導体デバイスの直列回路の両端間の電圧を同一種類の電圧プローブで測定することにより実行されることを特徴としている。
上記構成において、電流プローブ、電圧プローブの各々のアンプ特性の違いに起因して、測定された電流波形、電圧波形に時間的ずれが生じても、タイミング補正部によって時間差を無くす補正が行われる。このため補正された電流、電圧を用いて算出されたスイッチングエネルギー損失の精度が向上し、これによって正確なスイッチングエネルギー損失の評価を行うことができる。
また、請求項3に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置は、請求項1又は2において、前記測定した電流波形および電圧波形のデータを記憶する記憶部を備え、前記タイミング補正部は前記記憶部に記憶された電流波形および電圧波形に基づいてタイミング補正を行うことを特徴としている。
また、請求項7に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法は、請求項5又は6において、記憶部が、前記測定した電流波形および電圧波形のデータを記憶するステップを備え、前記タイミング補正ステップは、前記記憶部に記憶された電流波形および電圧波形に基づいてタイミング補正を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、電流波形、電圧波形の測定完了後にタイミング補正を行って正しいスイッチングエネルギー損失を算出することができる。
(1)請求項1〜8に記載の発明によれば、精度の高いスイッチングエネルギー損失が得られ、これによって正確なスイッチングエネルギー損失の評価を行うことができる。
(2)請求項3、7に記載の発明によれば、電流波形、電圧波形の測定完了後にタイミング補正を行って正しいスイッチングエネルギー損失を算出することができる。
本発明の実施形態例によるスイッチングエネルギー損失評価装置の構成を表し、(a)は試験回路図、(b)はブロック図。 本発明の実施形態例における、試験回路の各部の電圧、電流波形図。 本発明の一実施例における、試験回路の各部の電圧、電流波形図。 本発明の他の実施例における、試験回路の各部の電圧、電流波形図。 本発明の実施形態例において、試験回路の各部を測定する電圧プローブ、電流プローブの特性の違いにより、測定波形に時間的ずれが生じた場合の電圧、電流波形図。 本発明の一実施例の効果を説明するための、電圧波形、電流の時間微分波形を示す波形図。 本発明の一実施例の効果を説明するための、エネルギー損失の特性図。 一般的なインダクタンス負荷スイッチングエネルギー評価回路の例を示す回路図。 従来のスイッチングエネルギー評価手法の一例を表し、(a)は回路図、(b)は検出時間の差分の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。図1は本実施形態例によるスイッチングエネルギー損失評価装置を表しており、本実施形態例における試験回路は、図1(a)に示すように図8と同一の回路を用いる。図1(a)において図8と異なる点は、コンデンサ3とパワー半導体モジュール10間のループの寄生インダクタンスLsの存在を明記した点にあり、その他の部分は図8と同一に構成されている。
図1(a)において、下アームのパワー半導体デバイス5(第2のパワー半導体デバイス)がパルス信号印加によってスイッチングするとき、上アームのパワー半導体デバイス4(第1のパワー半導体デバイス)の電圧も変動する。
この上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和は、直流電源1の直流電圧にほぼ等しい電圧から、寄生インダクタンスLsと通電電流I(パワー半導体デバイス5のコレクタ電流Ic)の変化di/dtとの積に等しい誘導電圧(Ls・di/dt)が減算された電圧波形となる。
本実施形態例では、前記物理現象を利用し、図1(b)の装置によって電圧波形と電流波形の時間タイミングを補正する。
図1(b)において、11は、例えばオッシロスコープを備え、自身に接続された電圧プローブ11V、電流プローブ11Iによって図1(a)の各箇所の電圧、電流を測定する測定部である。
電圧プローブ11Vは上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和を測定し、電流プローブ11Iは下アームのパワー半導体デバイス5のスイッチング時のコレクタ電流Ic(通電電流I)を測定する。
12は、測定部11によって測定された電圧波形と電流波形の時間差を無くすタイミング補正を行うタイミング補正部である。タイミング補正部12は、一実施例として、図1(a)の上アームパワー半導体デバイス4と下アームパワー半導体デバイス5の電圧の和の電圧波形と、下アームパワー半導体デバイス5のコレクタ電流Icの時間微分波形を得、これら波形のピーク値が一致するように波形の時間をシフトさせる。
またタイミング補正部12は、他の実施例として、上アームパワー半導体デバイス4と下アームパワー半導体デバイス5の電圧の和の電圧の時間微分波形と、下アームパワー半導体デバイス5のコレクタ電流Icの2回微分波形を得、これら波形のピーク値が一致するように波形の時間をシフトさせる。
13は、タイミング補正部12によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出部である。
14は、スイッチングエネルギー損失算出部13により算出されたスイッチングエネルギー損失を、例えば設定した基準スイッチングエネルギー損失の値と比較して評価する評価部である。
これらタイミング補正部12、スイッチングエネルギー損失算出部13および評価部14の各処理は、例えばコンピュータから成る演算装置20によって実行される。
また測定部11からの電流波形、電圧波形のデータおよび前記各部での処理に関するデータは、演算装置20内の図示省略の記憶部に格納されるものである。
演算装置20は、例えばコンピュータにより構成され、通常のコンピュータのハードウェアリソース、例えばROM、RAM、CPU、入力装置、出力装置、通信インターフェース、ハードディスク、記録媒体およびその駆動装置を備えている。
このハードウェアリソースとソフトウェアリソース(OS、アプリケーションなど)との協働の結果、演算装置20は、図1のタイミング補正部12、スイッチングエネルギー損失算出部13および評価部14の各機能を実装する。
上記のように構成された装置において、まず測定部11は電流プローブ11Iによって、下アームのパワー半導体デバイス5のスイッチング時のコレクタ電流Icを測定し、電圧プローブ11Vによって上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和を測定する。
上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和は、上アームのパワー半導体デバイス4と下アームのパワー半導体デバイス5それぞれの電圧を同じ種類の電圧プローブで測定して足し合わせて取得する方法と、評価に用いるアームの電圧(下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ−エミッタ間電圧VCE)とは別に、上アームと下アームのパワー半導体デバイス4と5の直列回路の両端間の電圧波形を同じ種類の電圧プローブで測定して取得する方法がある。これらの電圧プローブには両者の場合とも差動プローブを用いるのが安全である。
ここで、スイッチングエネルギー損失評価を行う際の図1(a)の各部のターンオフ時の波形を図2に示す。図2において、Aは下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ−エミッタ間電圧、Bは上アーム電圧(パワー半導体デバイス4のコレクタ−エミッタ間電圧)、Cは下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流、Dは下アームのパワー半導体デバイス5のゲート−エミッタ間電圧を各々示している。
測定部11で取得された各部の電流波形、電圧波形のデータは演算装置20内の記憶部に記憶される。
次にタイミング補正部12は、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、例えば図3のように上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和の電圧波形と、下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流(通電電流I)の時間微分波形を取得し、これらの波形ピーク値が一致するように波形の時間をシフトする。
図3の、Eは上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和(Vtotal)の波形を示し、Fは下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流の時間微分(di/dt)波形を示している。
このように、前記電圧波形と電流の時間微分波形の各ピーク値が一致するようにシフトすることにより、スイッチングエネルギー損失算出部13において電流(Ic)と電圧(VCE)の積の時間積分を演算した結果、精度の高い正しいスイッチングエネルギー損失が得られる。
またタイミング補正部12は、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、例えば図4のように、上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和の波形の時間微分の波形と、下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流の2回微分波形を取得し、これらの波形のピーク値が一致するように波形の時間をシフトする。この際、数学的ノイズを低減させるために各波形データの移動平均をとる。
図4のGは上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和の時間微分波形(20区間移動平均)を示し、Hは下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流の2回微分波形を示している。
図4のようなタイミング補正を行うことで、スイッチング損失算出部13での演算においてさらに精度の高いスイッチングエネルギー損失を得ることができる。
尚、図3、図4における上アームと下アームの電圧の和は、上アーム(パワー半導体デバイス4)と下アーム(パワー半導体デバイス5)それぞれの電圧を同一種類の電圧プローブで測定して足し合わせる方法により取得したものである。
次に、本実施形態例の効果をパワー半導体デバイス5のターンオフ時について説明する。下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流波形を測定する電流プローブ11Iが、コレクタ−エミッタ間電圧波形を測定する電圧プローブ11Vに比べ、20ns遅れた場合と、20ns進んだ場合を図5〜図7に示し、この場合について検証する。20nsの差は、現実に起こる範囲である。
図5は図1の試験回路の各部の電圧、電流波形を示し、図2と同一部分は同一符号をもって示している。図5の、Cdはコレクタ−エミッタ間電圧波形を測定する電圧プローブ11Vの波形に比べてコレクタ電流波形を測定する電流プローブ11Iの波形が20ns遅れた場合のコレクタ電流波形(Ic+20ns)を示し、Cfは20ns進んだ場合のコレクタ電流波形(Ic−20ns)を示している。
図6は、測定された上アームと下アームのパワー半導体デバイス(4、5)の電圧の和の電圧波形と、下アームのパワー半導体デバイス5のコレクタ電流の時間微分波形を示し、図3と同一部分は同一符号をもって示している。図6のFdは図5と同様に、コレクタ電流が20ns遅れた場合の時間微分波形(di/dt+20ns)を示し、Ffは20ns進んだ場合の時間微分波形(di/dt−20ns)を示している。
図7は、発生損失、すなわちスイッチングエネルギー損失算出部13により演算したスイッチングエネルギー損失と、その損失累積を表している。
図7において、Iは、タイミング補正部12において図3で述べたタイミング補正が行われたことにより図5、図6で述べたコレクタ電流の遅れ、進みが無い場合の発生損失であり、Jはその場合の損失累積を示している。
Idは前記のようにコレクタ電流が20ns遅れた場合の発生損失であり、Jdはその場合の損失累積を示している。Ifは前記のようにコレクタ電流が20ns進んだ場合の発生損失であり、Jfはその場合の損失累積を示している。
図6において、コレクタ電流の時間微分(Fd,Ff)と上アームと下アームの電圧の和(Vtotal)を比較すると、ピーク値もそれぞれ20ns遅れと20ns進んでいることが見て取れる。
そして図7において、それぞれの発生損失と累積損失を見ると、20ns遅れた場合は電流波形と電圧波形のタイミングが補正されたものに比べて無視できないほど大きくなる。すなわち発生損失であれば、タイミング補正が行われたIに比べてIdは無視できないほど大となり、損失累積であればタイミング補正が行われたJに比べてJdは無視できないほど大となる。
また、20ns進んだ場合は、発生損失であればタイミング補正が行われたIに比べてIfは無視できないほど小となり、損失累積であればタイミング補正が行われたJに比べてJfは無視できないほど小となる。
図5〜図7の検証はターンオフ波形での結果であるが、ターンオン時も電流波形と電圧波形のタイミングが異なると、同様に損失計算に差異が生じる。
このため、本実施形態例により電流波形と電圧波形のタイミングを補正することは効果が高い。
更に本実施形態例の優れている点は、従来の方法では測定完了後に補正をかけることはできないのに対し、本実施形態例では測定完了後に補正をかけることができる。すなわち、測定され記憶されたデータを元に、波形毎にコンピュータを用いて数学的に電流波形と電圧波形のタイミングを補正し、正しい損失を算出することができることである。
1…直流電源
2…抵抗
3…コンデンサ
4、5…パワー半導体デバイス
6…インダクタンス負荷
10…パワー半導体モジュール
11…測定部
11V…電圧プローブ
11I…電流プローブ
12…タイミング補正部
13…スイッチングエネルギー損失算出部
14…評価部
20…演算装置

Claims (8)

  1. 直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路と、
    前記第2のパワー半導体デバイスの通電電流および前記第1のパワー半導体デバイスの電圧と前記第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する測定部と、
    前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、電流波形と、前記電圧の和の電圧波形とに基づいて、前記電流波形の時間微分波形と前記電圧波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正部と、
    前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出部とを備え、
    前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴とするパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置。
  2. 直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路と、
    前記第2のパワー半導体デバイスの通電電流および前記第1のパワー半導体デバイスの電圧と前記第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する測定部と、
    前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、電流波形と、前記電圧の和の電圧波形とに基づいて、前記電流波形の2回微分波形と前記電圧波形の時間微分波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正部と、
    前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出部とを備え、
    前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴とするパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置。
  3. 前記測定した電流波形および電圧波形のデータを記憶する記憶部を備え、
    前記タイミング補正部は前記記憶部に記憶された電流波形および電圧波形に基づいてタイミング補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置。
  4. 前記測定部によって測定される前記電圧の和の電圧波形は、
    第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧を各々同一種類の電圧プローブで測定し、それら電圧を足し合わせることにより取得するか、
    又は第1および第2のパワー半導体デバイスの直列回路の両端間の電圧を同一種類の電圧プローブで測定することにより取得する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価装置。
  5. 直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路を備え、前記パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失を評価する方法であって、
    電流プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の通電電流を測定する電流測定ステップと、
    電圧プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する電圧測定ステップと、
    タイミング補正部が、前記電流プローブによって測定された前記電流の電流波形と前記電圧プローブによって測定された前記電圧の和の電圧波形に基づいて、前記電流波形の時間微分波形と前記電圧波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正ステップと、
    スイッチングエネルギー損失算出部が、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出ステップとを備え、
    前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴とするパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法。
  6. 直流電源の正、負極端間に、第1のパワー半導体デバイスおよびインダクタンス負荷の並列体と、パルス信号が制御端に印加される第2のパワー半導体デバイスとを直列に接続して構成された試験回路を備え、前記パワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失を評価する方法であって、
    電流プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の通電電流を測定する電流測定ステップと、
    電圧プローブが、前記第2のパワー半導体デバイスのスイッチング時の、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧の和を測定する電圧測定ステップと、
    タイミング補正部が、前記電流プローブによって測定された前記電流の電流波形と前記電圧プローブによって測定された前記電圧の和の電圧波形に基づいて、前記電流波形の2回微分波形と前記電圧波形の時間微分波形のピーク値が時間的に一致するようにタイミング補正を行うタイミング補正ステップと、
    スイッチングエネルギー損失算出部が、前記タイミング補正部によってタイミングが補正された電流と電圧の瞬時値の積の時間積分を行ってスイッチングエネルギー損失を算出するスイッチングエネルギー損失算出ステップとを備え、
    前記算出されたスイッチングエネルギー損失の評価を行うことを特徴とするパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法。
  7. 記憶部が、前記測定した電流波形および電圧波形のデータを記憶するステップを備え、
    前記タイミング補正ステップは、前記記憶部に記憶された電流波形および電圧波形に基づいてタイミング補正を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法。
  8. 前記電圧測定ステップは、第1のパワー半導体デバイスの電圧および第2のパワー半導体デバイスの電圧を各々同一種類の電圧プローブで測定し、それら電圧を足し合わせることにより実行されるか、
    又は第1および第2のパワー半導体デバイスの直列回路の両端間の電圧を同一種類の電圧プローブで測定することにより実行される
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイスのスイッチングエネルギー損失評価方法。
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