JP6539825B2 - 工具材の製造方法及び工具 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザークラッディング法による工具材の製造方法、及びレーザークラッディング法により製造された工具に関する。さらに詳しくは、熱処理を施さずに、レーザークラッディング法で複数層の肉盛りを施す工具材の製造方法、及び熱処理を施さずに、レーザークラッディング法で複数層の肉盛りを施された工具に関する。
金属基材の表面の硬度を上げ、耐摩耗性を向上させる技術として、鋼材に焼入れ等を施す技術がある。たとえば位置決めピンや歯車に対して行われる表面処理の技術がこれに該当する。しかし切断や鍛造等の塑性加工をする際の工具に対して、上記熱処理によって耐摩耗性の向上を図った場合、表面が摩耗すると基材を含めた工具全体を交換する必要があり、装置のランニングコストが大きくなるという問題がある。
これに対し表面処理技術の一つとして、基材表面に基材と異なる高硬度材料を肉盛りすることで、耐摩耗性を向上させる技術がある。この場合、被加工物と接触する高硬度材料の部分が摩耗しても、基材は元の形状を保持できるので、その基材に対して再度肉盛りを行い、使用をすることが可能となる。特許文献1には、肉盛りを行う技術として、レーザーを用いて基材上に高硬度部分を形成するレーザークラッディング法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では高硬度の肉盛り部は一層のみであり、摩耗が激しい工具に使用すると、短時間で肉盛り部がなくなり、工具交換の頻度が多くなるという問題があった。
特開2013−176778号公報
本発明は上記事情に鑑み、摩耗が激しい加工に用いる場合であっても、工具交換の頻度を少なくすることが可能な工具材を製造する方法、及びその製造方法により製造された工具を提供することを目的とする。
第1発明の工具材の製造方法は、肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により基材上に下部肉盛り層が形成された後、熱処理が施されることなく、下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層が、レーザークラッディング法により形成され、前記基材が、円筒形状をなし、前記上部肉盛り層を形成する際、前記下部肉盛り層の円周方向の端部と、前記上部肉盛り層の円周方向の端部と、が重ならないように、前記上部肉盛り層を形成することを特徴とする。
第2発明の工具材の製造方法は、第1発明において、下部肉盛り層が、基材の表面における第1の範囲に形成される下層形成工程と、この下層形成工程で下部肉盛り層が形成された範囲と異なる第2の範囲で、下部肉盛り層が形成される別下層形成工程と、下層形成工程で形成した下部肉盛り層に重ねて上部肉盛り層が形成される上層形成工程と、を含むことを特徴とする。
第3発明の工具材の製造方法は、第1発明において、下部肉盛り層を形成した後、直ちに上部肉盛り層を形成せずに下部肉盛り層の温度を低下させる冷却期間を設けた後、下部肉盛り層に重ねて上部肉盛り層を形成することを特徴とする。
第4発明の工具材の製造方法は、肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により基材上に下部肉盛り層が形成された後、熱処理が施されることなく、前記下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層が、前記レーザークラッディング法により形成され、基材が、円筒形状をなし、基材の円周方向に沿って並ぶように複数の下部肉盛り部分を形成して下部肉盛り層を形成し、基材の円周方向に沿って並ぶように複数の上部肉盛り部分を形成して上部肉盛り層を形成し、上部肉盛り部分を形成する際、各々の下部肉盛り部分の円周方向の端部と、各々の上部肉盛り部分の円周方向の端部とが重ならないように、上部肉盛り部分を形成することを特徴とする。
第5発明の工具材の製造方法は、第1発明から第4発明において、下部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末が、上部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末と同成分であることを特徴とする。
第6発明の工具は、工具用の基材と、この基材上に肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により形成された下部肉盛り層と、この下部肉盛り層に、レーザークラッディング法による形成後に熱処理が施されることなく、レーザークラッディング法により直接重ねられた上部肉盛り層と、を備え、前記基材が、円筒形状をなし、前記下部肉盛り層の円周方向端部と、前記上部肉盛り層の円周方向端部と、が重ならないように上部肉盛り層が形成されていることを特徴とする。
第7発明の工具は、第6発明の工具において、下部肉盛り層が、基材の表面における第1の範囲に形成された第1下層と、第1の範囲とは異なる、基材の表面における第2の範囲に形成された第2下層と、により構成され、上部肉盛り層が、第1下層及び第2下層上に形成されることを特徴とする。
第8発明の工具は、工具用の基材と、この基材上に肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により形成された下部肉盛り層と、この下部肉盛り層に、前記レーザークラッディング法による形成後に熱処理が施されることなく、前記レーザークラッディング法により直接重ねられた上部肉盛り層と、を備え、基材が円筒形状をなし、この基材の円周方向に沿って並べられた複数の下部肉盛り部分により下部肉盛り層が形成され、基材の円周方向に沿って並べられた複数の上部肉盛り部分により上部肉盛り層が形成され、上部肉盛り部分は、各々の下部肉盛り部分の円周方向の端部と、各々の上部肉盛り部分の円周方向の端部とが重ならないように、形成されていることを特徴とする。
第9発明の工具は、第6発明から第8発明の工具において、下部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末が、上部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末と同成分であることを特徴とする。
第1発明、及び第6発明によれば、レーザークラッディング法により下部肉盛り層が形成された後、熱処理が施されることなく、下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層がレーザークラッディング法により形成されることにより、耐摩耗性を有する高硬度層が厚くなった工具材及び工具を提供できる。これにより工具交換の頻度を少なくすることができる。
第2発明、及び第7発明によれば、同じ位置である第1の範囲において、下部肉盛り層が形成される下層形成工程と、上部肉盛り層が形成される上層形成工程と、の間に下層形成工程と異なる位置である第2の範囲で下部肉盛り層が形成される別下層形成工程を設けたことにより、下層形成工程終了後上層形成工程を行う前に先の下部肉盛り層が冷却される時間を確保することができる。これにより肉盛り層の品質の安定化を図ることができる。
第3発明によれば、下部肉盛り層が所定の温度以下になった後、上部肉盛り層を形成することにより、下部肉盛り層には上部肉盛り層を行う際に供給される熱による熱処理が施され、高硬度層の硬度をさらに上げることができる。
第4発明、及び第8発明によれば、円筒形状の工具材で、下部肉盛り層を構成する複数の下部肉盛り部の円周方向の端部に対し、上部肉盛り層を構成する複数の上部肉盛り部の円周方向の端部と、を重ならないように形成することにより、上下の肉盛り層が一体として基材から剥離することを防止できる。
第5発明、及び第9発明によれば、上下の肉盛り層のための肉盛り用金属粉末が、同成分であることにより、上部の肉盛り層作成時の温度により下部の肉盛り層の変態温度が一致し、熱処理が下部の肉盛り層に適切に施され、肉盛り層の硬度を全体として上げることができる。
(a)本発明の実施形態に係る工具材の斜視図である。(b)工具材上に施工された高硬度層の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る製造方法の手順を示した説明図である。 本発明の第2実施形態に係る製造方法の手順を示した説明図である 図2の製造方法(2層)を示した側面断面図である。 図2の製造方法(3層)を示した側面断面図である。 3層の肉盛り層の切断面の測定図である。 5層の肉盛り層の切断面の測定図である。 8層の肉盛り層の切断面の測定図である。 図8の切断面の硬度を示した測定図である。 本発明の実施形態に係る圧延用ロールの説明図である。 従来例の圧延用ロールの説明図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
レーザークラッディング法とは、微細な金属粉末をレーザーの照射領域に噴射して溶解肉盛りする方法である。微細で、粒径が統一された金属粉末を用いて行うので、レーザークラッディング法は、以下の利点を有する。(1)母材の希釈率を低減できる、(2)熱ひずみや熱影響部を少なくできる、(3)金属層厚さを正確に制御できる、(4)金属粉末材料の混合比率を正確に制御できる、などである。この利点によりレーザークラッディング法は、切断工具や圧延工具等の、製作段階の中間体である工具材の製作に利用される。
このレーザークラッディング法による肉盛り層厚さは、従来ある程度の厚さに制限されることが多く、それ以上の厚さを確保することが困難であった。この厚さ以上を確保するためには、アーク溶接など他の溶接方法で一度にその層厚を形成するか、多層の金属層を形成することが考えられる。しかし、他の溶接方法で一度に層厚を形成する方法では、上記のレーザークラッディングによる利点、特に金属層厚さの正確な制御を行うという利点を生かすことができない。また、肉盛り溶接を多層で行う場合、基材上に複数回高硬度材料による金属層を重ね合わせると、この重ねあわされた層に残留引張応力が残存し、その応力により割れが生じることが知られており、工具材に対して、焼入れ焼き戻し等の熱処理を注意深く行う必要があった。
本実施形態では、金属粉末を用いるレーザークラッディング法により基材上に下部肉盛り層が形成される。そして、レーザークラッディング法による下部肉盛り層の形成後に熱処理が施されることなく、下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層が、金属粉末を用いるレーザークラッディング法により形成される。
ここでレーザークラッディング法は、適当な基材表面に、粒径が統一された金属粉末である肉盛り材を供給し、レーザービームの走査によって基材と肉盛り材とを一体化する表面処理法である。
適当な基材としては、本実施形態の製造方法を適応した後の熱処理によって適切な靱性を付加される材料が好ましい。例えば、鉄板、鋼板のように、Fe系の基材が好ましい。具体的には、Cを約0.03%から0.8%程度の範囲で含むFe系の基材が好ましい。Cの量は、工具材の使用目的に応じて適当に設定することができる。基材として、SKD(合金工具鋼)、SUJ(高炭素クロム軸受鋼)、SKH(高速度工具鋼)等を用いてもよい。
金属粉末である肉盛り材としては、下部肉盛り層と上部肉盛り層とは同成分とし、切削や切断のために要求される硬度として、高いほど好ましいとするときは、カタログ値として高硬度とされる金属粉末を用いることが好ましい。切削や切断のために要求される硬度としては、ビッカース硬度HVで、700以上1000以下とすることができる。カタログ値は、焼入れ焼き戻し処理を行ったときの値で示されることが多いが、その条件で、ビッカース硬度HVが700以上1000以下を狙えるものを肉盛り材とすることが好ましい。なお金属粉末については、特許文献1に示されているので詳細は省略する。
そのような金属粉末としては、合金鋼を用いることが好ましい。合金鋼の中でも、広く用いられているFe系の高速度工具鋼を用いることが好ましい。
なおSKHのような熱伝導率の低い肉盛り材がより好ましい。熱伝導率が低い肉盛り材であれば、レーザーから肉盛り材へ投入したエネルギーが、熱に変換して逃げる割合が少なくなる。これにより肉盛り層の温度をマルテンサイト変態温度以上に保持しやすくなる。
また、後で述べるように、肉盛り層に隣接して他の肉盛り層を形成する際にも、熱伝導率が低いSKHのような肉盛り材の場合、他の肉盛り層からの伝熱の抑制効果により、当該肉盛り層がマルテンサイト変態点以下の温度に一度下がった状態から、予期せず他の肉盛り層から伝熱により加熱され、当該肉盛り層の焼き入れ性が悪化するということを抑制できる。更に、肉盛層を厚さ方向に形成する場合には、熱の伝導は厚さ方向のみとなるため、より少ない熱量で肉盛り材の温度を、マルテンサイト変態点以上に保持することができる。
下部肉盛り層の形成の手順としては、平面状の基材の上に、所定の距離だけ、所定のレーザー走査速度でレーザーを直線に動作させ、高硬度部材を直線に肉盛りした後、その直線の肉盛りラインに隣接して肉盛りラインを、レーザーを反対の方向に動作させて肉盛りする。この操作を繰り返すことで、所定の面積のレーザークラッディングが行われる。なお、肉盛りラインに隣接して他の肉盛ラインを肉盛りする際、レーザーを反対の方向に動作させるのではなく、毎回同じ方向へ動作させるようにしてもよい。
そして、下部肉盛り層を形成した後、基材全体に熱処理が施されることなく、下部肉盛り層の上に、上部肉盛り層を形成する。上部肉盛り層の形成は、レーザークラッディング法により行う。レーザークラッディング法は、高温になる溶融池が小さいため、レーザーの走査速度を適切に選択することで、下部肉盛り層全体を高温にすることがなく、レーザーの作用する一部のみが高温となるようにできる。これにより下部肉盛り層の大部分は、焼入れ温度以上に過熱されることが防止され、下部肉盛り層に割れを生じることがなく、さらに工具に適した硬度に肉盛り層をすることができる。
図1(a)は 、本発明の実施形態に係る工具材の斜視図であり、図1(b)は、この工具材を構成する基材50上に施工された肉盛り層の側面図である。なお、図1(a)は、肉盛り層の重ね合わせ方がわかりやすいように、上層(円筒外周方向)に位置する肉盛り層については、円筒形状の軸心方向の長さを短く表している。
図2は、本発明の第1実施形態に係る製造方法の手順を示した説明図である。図2は、肉盛り層をその上方から見た図であり、円筒の外周を上下で表している。また図2(a)から図2(e)にかけて時系列に2層の肉盛り層が形成されているのを示している。肉盛り層を構成する各肉盛り部分は矩形とし、下部肉盛り層を構成する下部肉盛り部分を破線で、上部肉盛り層を構成する上部肉盛り部分を実線で示している。また矩形で示した各肉盛り部分の内部に、その肉盛り部分を形成するためにレーザーが走査した軌跡である溶接基準線52を示す。
この工具材は円筒形状を有し、この円筒形状の軸心を中心に回転する。工具の刃として、円筒形状の外周上に基材50よりも高硬度な肉盛り層が設けられ、この外周が被加工材に接触することで、被加工材を塑性加工する。
2層の肉盛り工程について図1、図2により詳細に説明する。第1工程として、円筒形状の基材50に対し、下部肉盛り層である第1肉盛り層1が、第1の範囲で形成される。第1肉盛り層1は、2つの部分からなり、それぞれの肉盛り部分は、例えば図2(a)で示すように、基材50の円周方向に沿って、所定距離レーザーが往復で走査することにより形成される。すなわち、この第1工程は下部肉盛り層(例えば第1下層1a)が所定の位置で形成される下層形成工程と、この下層形成工程と異なる第2の範囲で、下部肉盛り層(例えば第2下層1b)が形成される別下層形成工程とを含む。またこの第1肉盛り層1は下部肉盛り層の一部である下部肉盛り部分を形成する。
第2工程として、第2肉盛り層2が形成される。第2肉盛り層2は、第1肉盛り層1(この説明では1a)に重ねた形で形成される。この第2肉盛り層2は、上部肉盛り層の一部である上部肉盛り部分である。第2肉盛り層2の円周方向の長さは第1肉盛り層1の1/2とし、第1肉盛り層1と同じく、基材50の円周方向に沿って、所定距離レーザーが往復で操作することにより形成される。
第3工程として、第3肉盛り層3が形成される。第3肉盛り層3は、第1肉盛り層1の終端部(第2下層1bの終端部)から下部肉盛りを開始する。第3肉盛り層3は、下部肉盛り層の一部である下部肉盛り部分を形成し、レーザーの走査方向は第1肉盛り層1等と同じである。また第3肉盛り層3の円周方向の長さは、第1肉盛り層1と同じとする。
第4工程として、第4肉盛り層4が形成される。第4肉盛り層4は、第2肉盛り層2の終端部から上部肉盛を開始する。第4肉盛り層4は、上部肉盛り層の一部である上部肉盛り部分を形成し、第4肉盛り層4の円周方向の長さは第1肉盛り層1と同じであり、レーザーの走査方向も第1肉盛り層1等と同じである。
この後第3工程及び第4工程と同様の工程を、第5工程及び第6工程等として継続することで、2層の肉盛り層が円筒形状の基材50の外周の全周にわたり形成される。この複数の肉盛り層が形成される間、この工具材に対しては何ら単独で熱処理を行うことはない。
レーザークラッディング法により下部肉盛り層が形成された後、熱処理が施されることなく、下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層がレーザークラッディング法により形成されることにより、上部肉盛り層の形成のためのレーザー照射により、下部肉盛り層に焼もどし処理が行われたのと同等の効果、すなわち割れが生じず、下部肉盛り層の硬度を上げることができる。よって耐摩耗性を有する高硬度層が厚くなった工具材及び工具を提供でき、工具交換の頻度を少なくすることができる。
また、同じ位置で下部肉盛り層が形成される下層形成工程と、上部肉盛り層が形成される上層形成工程と、の間に下層形成工程と異なる位置で下部肉盛り層が形成される別下層形成工程を設けたことにより、下層形成工程終了後、上層形成工程を行う前に下部肉盛り層が冷却される時間を確保することができる。これにより下層の溶け込み量を一定にしたり、下層の温度上昇を広い範囲で焼き戻し温度以下にしたりでき、肉盛り層の品質の安定化を図ることができる。
さらに、円筒形状の工具材で、下部肉盛り層を構成する複数の下部肉盛り部の円周方向の端部と、上部肉盛り層を構成する複数の上部肉盛り部の円周方向の端部とが重なっていないことにより、上下の肉盛り層が一体として基材から剥離することを防止できる。
図2では、下部肉盛り層を第1下層1a、第2下層1bに分け、それぞれにレーザーを走査させるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば図3に示すように、レーザーの走査方向を、円筒の円周方向に垂直な方向に走査させた場合、第1下層1aと第2下層1bとは、連続的に走査される。
更に、図2で第3肉盛り層3は、円周方向のレーザーの直線走査長さが、第3肉盛り層3の半分よりも少し短い長さであり、第3肉盛り層3が円周方向に2つの領域に分けられていたが、これに限定されるものではなく、例えば円周方向のレーザーの直線走査長さが、第3肉盛り層3の円周方向長さよりも少し短い長さであり、第3肉盛り層3が円周方向に1つの領域を形成するようにしても問題ない。この場合、上部肉盛り部分の円周方向の端部と、レーザーの走査方向が垂直になるので、より肉盛り層同士の剥離が困難となる。
なお、図2及び図3では、レーザーを複数回往復させて各肉盛り部を形成するように示したが、これに限定されるものではなく、例えば1往復で肉盛り部を形成したり、1方向に1度だけ走査させたりする場合も含まれる。
また、下層を形成する第1肉盛り層1及び上層を形成する第2肉盛り層2は、周方向に沿って分割して設けられなくてもよい。すなわち、1度に第1肉盛り層を周方向全体にわたって形成し、その後、第2肉盛り層2を周方向全体にわたって形成するようにしてもよい。
また、第1下層1a、第2下層1bとは、隣接している必要はなく、第1下層1aと第2下層1bとは若干離れていてもよい。
この場合も下部肉盛り層が所定の温度以下になった後、上部肉盛り層を形成することにより、これにより下層の溶け込み量を一定にしたり、下層の温度上昇を広い範囲で焼き戻し温度以下にしたりでき、肉盛り層の品質の安定化を図ることができる。
加えて、上下の肉盛り層のための肉盛り用金属粉末が、同成分である場合について説明したが、これに限定されるものではない。特に基材50と肉盛り材の相性が良くない場合、直接基材50に肉盛りされる材料には、他の肉盛り材とは異なる肉盛り材を用いることができる。この場合、線膨張係数が異なる材料の緩衝となる延性の良いものが好ましい。
図4は、図2の製造方法で2層の肉盛り層を形成する場合の製造方法の一例を示した側面方向の断面図、図5は3層の肉盛り層を形成する場合の製造方法の一例を示した側面方向の断面図である。図4及び図5においては(a)から(d)にかけて時系列に肉盛り層が形成されているのを示している。図内の1から11までの番号は、それぞれ肉盛りを行う順番に従った番号を示している。すなわち1は、第1肉盛り層、2は第2肉盛り層であり、第11肉盛り層までの肉盛り層形成の順序を示している。
図6から図8は、レーザークラッディング法を用いて、複数の肉盛り層を形成した例の切断面の測定図を示す。図6は肉盛り層が3層である場合を示す。使用した基材50は、平板状のSCM440であり、その表面をブラスト処理している。肉盛り材としては、広く一般的に使用されているSPM30を使用し、基材50に直接形成される初層は、図の奥行き方向へ7回(3往復半)レーザー走査を行うことにより形成されている。初層に直接重ねられる第2層は、6回(3往復)のレーザー走査、第3層は、5回(2往復半)のレーザー走査により形成されている。レーザーの出力は2kW、走査速度は0.01m/s、レーザースポットの径は4.3mmである。切断面で、肉盛り材の下にある基材50の熱影響部53、及び肉盛り部51のいずれにおいても割れはなく、良好に肉盛り部が形成されているのがわかる。
図7は肉盛り層が5層である場合を示す。第3層から第5層は5回(2往復半)のレーザー走査により形成されている。図8は肉盛り層が8層である場合を示す。第3層から第5層は5回(2往復半)のレーザー走査により形成されている。いずれも熱影響部53及び肉盛り部51ともに割れはなく、良好に肉盛り部が形成されているのがわかる。
図9には、図8の切断面において硬度を測定した結果を示す。図の上部にあるグラフの横軸は、下部の写真の横方向の座標に対応したもので、縦軸は硬度を示す。グラフの中の□は基材50の表面から2.5mmの高さの各点の結果であり、○は5.5mmの高さの各点の結果である。ほとんどの場所で、ビッカース硬度HV800以上を示しており、レーザークラッディング法により肉盛り層を形成している間に、単独で熱処理を行っていない状態であっても、十分な硬さを確保することができているのがわかる。
図10には、本発明の実施形態に係る圧延用ロールの説明図、図11には従来例の圧延用ロールの説明図を示す。いずれの図も、円筒形の圧延用ロールの断面図を示している。
従来例の圧延用ロールでは、基材50の円周上に高硬度層100が遠心鋳造法またはHIP法で設けられ、被加工物54の形状に合わせてその高硬度層100が成形される(図11 I、II)。そして工具である圧延ロールを用いて被加工物54が加工され(図11 III)、高硬度層100が摩耗すると、基材50と合わせて圧延用ロールすべてが廃却される。
本実施形態の圧延ロールでは、基材50の円周上に肉盛り部51を形成するための凹部が設けられ(図10 I)、その凹部にレーザークラッディング法により肉盛り部51が形成された後、被加工物54の形状に合わせて肉盛り部51が成形される(図10 II)。そして工具である圧延ロールを用いて被加工物54が加工され(図10 III)、肉盛り部51が摩耗すると、その部分について再度肉盛りをレーザークラッディング法により行う。
本実施形態では、工具である圧延用ロールの肉盛り部51を、基材50に対して繰り返し形成できるので、圧延用ロールの廃棄回数が少なくなり、装置のランニングコストを抑えることができる。また、遠心鋳造法により製作される場合と異なり、レーザークラッディング法により肉盛り部51が形成されることで圧延ロールが製造されることにより、製造にかけるエネルギーが減らされ、COの削減も可能となる。
1〜11 第1〜11肉盛り層
1a 第1下層
1b 第2下層
50 基材
51 肉盛り部
52 溶接基準線
53 熱影響部
54 被加工物
100 高硬度層

Claims (9)

  1. 肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により基材上に下部肉盛り層が形成された後、
    熱処理が施されることなく、前記下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層が、前記レーザークラッディング法により形成され
    前記基材が、円筒形状をなし、
    前記上部肉盛り層を形成する際、前記下部肉盛り層の円周方向の端部と、前記上部肉盛り層の円周方向の端部と、が重ならないように、前記上部肉盛り層を形成する、
    ことを特徴とする工具材の製造方法。
  2. 前記下部肉盛り層が、前記基材の表面における第1の範囲に形成される下層形成工程と、
    前記下層形成工程で前記下部肉盛り層が形成された範囲と異なる第2の範囲で、前記下部肉盛り層が形成される別下層形成工程と、
    前記下層形成工程で形成された前記下部肉盛り層に重ねて前記上部肉盛り層が形成される上層形成工程と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の工具材の製造方法。
  3. 前記下部肉盛り層を形成した後、
    直ちに前記上部肉盛り層を形成せずに前記下部肉盛り層の温度を低下させる冷却期間を設けた後、前記下部肉盛り層に重ねて前記上部肉盛り層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工具材の製造方法。
  4. 肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により基材上に下部肉盛り層が形成された後、
    熱処理が施されることなく、前記下部肉盛り層に直接重ねて上部肉盛り層が、前記レーザークラッディング法により形成され、
    前記基材が、円筒形状をなし、
    前記基材の円周方向に沿って並ぶように複数の下部肉盛り部分を形成して前記下部肉盛り層を形成し、
    前記基材の円周方向に沿って並ぶように複数の上部肉盛り部分を形成して前記上部肉盛り層を形成し、
    前記上部肉盛り部分を形成する際、各々の前記下部肉盛り部分の円周方向の端部と、各々の前記上部肉盛り部分の円周方向の端部とが重ならないように、前記上部肉盛り部分を形成する
    ことを特徴とする工具材の製造方法。
  5. 前記下部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末が、
    前記上部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末と同成分である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の工具材の製造方法。
  6. 工具用の基材と、
    この基材上に肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により形成された下部肉盛り層と、
    この下部肉盛り層に、前記レーザークラッディング法による形成後に熱処理が施されることなく、前記レーザークラッディング法により直接重ねられた上部肉盛り層と、を備え
    前記基材が、円筒形状をなし、
    前記下部肉盛り層の円周方向端部と、前記上部肉盛り層の円周方向端部と、が重ならないように上部肉盛り層が形成されている、
    ことを特徴とする工具。
  7. 前記下部肉盛り層が、前記基材の表面における第1の範囲に形成された第1下層と、
    前記第1の範囲とは異なる、前記基材の表面における第2の範囲に形成された第2下層と、により構成され、
    前記上部肉盛り層が、前記第1下層及び前記第2下層上に形成される
    ことを特徴とする請求項6に記載の工具。
  8. 工具用の基材と、
    この基材上に肉盛り用金属粉末を供給しながらレーザービームを照射して肉盛りするレーザークラッディング法により形成された下部肉盛り層と、
    この下部肉盛り層に、前記レーザークラッディング法による形成後に熱処理が施されることなく、前記レーザークラッディング法により直接重ねられた上部肉盛り層と、を備え
    前記基材が円筒形状をなし、
    前記基材の円周方向に沿って並べられた複数の下部肉盛り部分により前記下部肉盛り層が形成され、
    前記基材の円周方向に沿って並べられた複数の上部肉盛り部分により前記上部肉盛り層が形成され、
    前記上部肉盛り部分は、各々の前記下部肉盛り部分の円周方向の端部と、各々の前記上部肉盛り部分の円周方向の端部とが重ならないように、形成されている
    ことを特徴とする工具。
  9. 前記下部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末が、
    前記上部肉盛り層を形成するための肉盛り用金属粉末と同成分である
    ことを特徴とする請求項6から請求項8に記載の工具。
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