JP5487376B2 - レーザクラッディング方法及び工具材 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザクラッディング方法及び工具材に係り、特に基材の表面にクラッド材を供給しレーザビームを照射して一体化するレーザクラッディング方法及びレーザクラッディング方法による工具材に関する。
基材の表面処理の方法として、基材の表面にクラッド材を供給し焼結、レーザ照射、電子ビーム照射、プラズマ溶射等の技術によって一体化することが行われる。
例えば、特許文献1には、切断ダイの形成方法として、ダイ表面をレーザビームで所望のブレードパターンに沿って走査する段階と、選択した粉末をレーザビームで走査される領域に導入して操作パターンに沿って一体形成されるブレードを構成する段階と、その後切削、研磨、放電加工または他の適当な方法によってブレードを最終形状に形成する段階とを含む方法が述べられている。また、ダイブレードをさらに硬化させるために、いずれかの適当技術、例えば、レーザビームをダイブレードに沿って走査して、更に強化するために十分な温度に上昇させ、または被覆形成トラックを極低温処理して被覆形成材料に残留するオーステナイトを排除することが述べられている。
また、特許文献2には、燃焼ノズルの製造方法として、ニードルシート及びノズルヘッドを有する単一体の基体を、熱処理可能鋼鉄から未硬化状態で最終外形に製造し、次いで高温腐食耐性の被覆をノズルヘッドにかぶせ、その後ノズル穴を作製し、次いで基体を硬化させることが述べられている。ここで被覆のために使用される合金は、Ni系の合金、またはCo系の合金で、レーザクラッディング、プラズマスプレー、溶接、粉末冶金法等によって施用されることが好ましいと述べられている。基体の硬化処理としては、焼き戻しが述べられている。
特表2001−525732号公報 特開2000−73919号公報
切刃を有する切削工具、切断工具等の工具、はさみ、ナイフ等の道具等は、切刃を有する部分に硬さ等が必要で、切刃を保持する基材には靱性等が必要である。切削や切断を行わせることに適した高硬度を有する材料は、例えば高速度工具鋼であるが、高価であり、多くは焼結状である。そこで、適当な靱性を有する基材の刃先部分にのみ、高価な高硬度材料を付加することが行われる。
例えば、切削工具の場合、刃先部分に、高速度工具鋼の粉末を溶射法で吹付けて一体化し、あるいは、高速度工具鋼の粉末を別途焼結して刃先部分とし、これを基材にろう付けすることが行われる。この場合、刃先の硬度をあげ、また基材の靱性を向上させるためにも、全体に対して焼入れ焼き戻しの熱処理が行われる。
素材の部分的焼入れとしてレーザ焼入れ法が知られているが、高速度工具鋼の粉末を基材と一体化する方法にもレーザ照射を用いることが考えられる。この場合、鋼材の素材に高速度工具鋼の粉末を供給してレーザビームを照射し、高硬度部分を肉盛し、これを刃先とする。この方法は、素材表面を別の特性を有する材料で覆う技術であるクラッディング技術であり、レーザビーム照射を用いることからレーザクラッディングと呼ばれる。このときにも焼入れ焼き戻しの熱処理が行われる。
ところが、高速度工具鋼の粉末を素材表面に供給してレーザビームを照射し、これを焼入れ処理すると、割れが生じる場合があり、焼き戻し処理でも回復しないことが生じる。このことは、レーザビーム照射以外の電子ビーム照射等でも生じ得る。切刃部分あるいはその近傍に割れが生じると、高硬度ではあっても耐久性に問題が生じる。
本発明の目的は、割れが生じないレーザクラッディング方法及びその方法で製造される工具材を提供することである。
上記のように、レーザクラッディングを行った後に、通常の焼入れ処理をすると、上記のように割れが生じる場合がある。ここで、レーザビーム照射は、クラッド材を基材と一体化させるための部分的加熱手段として用いているが、レーザ照射後には基材への熱拡散により急速に冷却されることから、部分的焼入れが行われていることになる。したがって、レーザクラッディングの後、通常の焼入れを行うと、2度焼入れとなっているのではないか、とも考えられる。
この点に着目し、レーザクラッディング処理のままの状態、レーザクラッディング処理の後焼入れ処理を行った状態、レーザクラッディング処理の後焼入れ焼き戻し処理を行った状態、レーザクラッディング処理の後焼入れを行わずに加熱し徐冷する熱処理を行った状態のそれぞれについて、割れが生じるか否かと、レーザビーム走査した部分の硬さを比較した。その結果、レーザクラッディング処理の後焼入れを行わずに加熱し徐冷する熱処理を行ったものは、割れが生じず、さらに、レーザビーム走査した部分の硬さは、そのレーザクラッディング処理の後焼入れ焼き戻しを行った状態よりも高硬度で、レーザクラッディング処理の後焼入れを行った状態よりも高硬度である。端的にいえば、焼入れ工程を省略することで、割れが生じすしかも硬度も上げることができることが分かった。
本発明は、この知見に基づくもので、以下の手段は、この知見を具体化するものである。
すなわち、本発明に係るレーザクラッディング方法は、Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化するクラッディング工程と、クラッディング工程の後に、焼入れ処理を行うことなく、全体を加熱しその後徐冷し、レーザ走査部分のビッカース硬度が700以上1000以下とする熱処理工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るレーザクラッディング方法において、クラッド材は、W及びMoを含むFe系の高速度工具鋼粉末であることが好ましい。
また、本発明に係るレーザクラッディング方法において、熱処理工程の所定の温度範囲は、クラッディング工程のままでレーザ走査部分に存在する残留オーステナイト成分を減少させる温度範囲であることが好ましい。
また、本発明に係る工具材は、Fe基材と、Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化し、焼入れ処理を行うことなく、全体を加熱しその後徐冷して形成されたレーザクラッディング層であって、ビッカース硬度が700以上1000未満であるレーザクラッディング層と、クラッド材と基材との合金層と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る工具材において、レーザクラッディング層は、残留オーステナイト成分が所定割合以下であることが好ましい。
上記構成の少なくとも1つにより、レーザクラッディング方法は、Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化し、その後に全体を加熱しその後徐冷し、レーザ走査部分のビッカース硬度が700以上1000以下とする。比較のために、レーザビームの走査によって一体化した全体を焼入れ処理したものは、ビッカース硬度がこれよりも50から100低硬度であった。このように、焼入れ処理を省略することで、割れが生じずに、硬度を高めることができる。
また、レーザクラッディング方法におけるクラッド材をW及びMoを含むFe系の高速度工具鋼粉末とすることで、他のNi系、Co系の合金粉末を用いるものに比べて高硬度とできる。
また、レーザクラッディング方法における熱処理工程の所定の温度範囲は、クラッディング工程のままでレーザ走査部分に存在する残留オーステナイト成分を減少させる温度範囲とする。残留オーステナイト成分があると硬度が落ちる。したがって、残留オーステナイト成分を消滅させるか、残存しても硬度に影響がない程度の割合とすることで、より高硬度とすることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、工具材は、Fe基材と、Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化して形成されたレーザクラッディング層であって、ビッカース硬度が700以上1000未満であるレーザクラッディング層と、クラッド材と基材との合金層とを含む。この硬度は、切削、切断等に用いられる工具材としては、最高レベルのものであり、高価なFe系の高速度工具鋼粉末を切刃として必要な部分にのみ使用し、全体のコストを抑制しながら、最高レベルの硬度を得ることができる。
また、工具材において、レーザクラッディング層は、残留オーステナイト成分が所定割合以下であるので、残留オーステナイトを含むものに比べ、硬度を高めたものとできる。所定割合は、残留オーステナイト成分をゼロとすることが好ましい。
本発明に係る実施形態を得るための実験に用いた合金粉末のリストと、それらを用いてレーザクラッディング層を形成したときのそれぞれの硬度の結果を示す図である。 本発明に係る実施形態と比較例について、レーザクラッディングの様子を示す断面図である。 本発明に係る実施形態と比較例について、レーザクラッディングした状態における深さ方向の硬度分布を示す図である。 本発明に係る実施形態と比較例について、深さ方向の硬度分布を示す図である。 本発明に係る実施形態において、レーザクラッディング後の熱処理の温度をパラメータとして、深さ方向の硬度分布を示す図である。 本発明に係る実施形態において、レーザ走査した部分の硬度とレーザクラッディング後の熱処理の温度との関係を示す図である。 本発明に係る実施形態において、レーザクラッディング後の熱処理の前後におけるα相の存在を示すX線解析図である。 図7に対応して、レーザクラッディング後の熱処理の前後におけるγ相の消失を示すX線解析図である。 図7、図8とは別の特性X線による結果を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、比較例を示しながら詳細に説明する。
レーザクラッディング方法としては、適当な基材表面にクラッド材を供給し、レーザビームの走査によって基材とクラッド材とを一体化するクラッディング工程と、クラッディング工程の後に全体を加熱しその後徐冷する熱処理工程を含む。
適当な基材としては、その後の熱処理によって適切な靱性を付加される材料が好ましい。例えば、鉄板、鋼板のように、Fe系の基材が好ましい。具体的には、Cを約0.03%から0.8%程度の範囲で含むFe系の基材が好ましい。Cの量は、工具材の使用目的に応じて適当に設定することができる。
クラッド材としては、クラッディング工程の後の熱処理として、焼入れを伴わずに、加熱と徐冷のみの処理によって、切削や切断のための工具、道具に要求される硬度を発現できる材料を用いることが好ましい。切削や切断のために要求される硬度として、高いほど好ましいとするときは、カタログ値として高硬度とされるクラッド材を用いることが好ましい。切削や切断のために要求される硬度としては、ビッカース硬度HVで、700以上1000以下とすることができる。カタログ値は、焼入れ焼き戻し処理を行ったときの値で示されることが多いが、その条件で、ビッカース硬度HVが700以上1000以下を狙えるものをクラッド材とすることが好ましい。
そのようなクラッド材としては、合金鋼を用いることが好ましい。合金鋼の中でも、高速度工具鋼を用いることが好ましい。そのような高速度工具鋼として、HAP72を用いることが好ましい。HAP72は、日立金属の商標、商品名である。HAP72のカタログ値の硬度はHVで940以上である。
また、クラッディングとしてレーザビームの走査を行うので、粉末あるいは線材等の形態のクラッド材を用いることが好ましい。
レーザクラッディング工程の後の熱処理としては、鋼材におけるマルテンサイト変態が生じない加熱温度と冷却速度を有するものであることが必要である。この熱処理は、レーザビームの照射部分に対して硬度を高める機能と、基材に対して靱性を高める機能を有するので、レーザクラッディング工程で一体化された基材とクラッディング層の全体に対して行う。かかる熱処理としては、熱処理炉、熱処理槽等を用いることが好ましい。雰囲気としては、不活性ガスの下が好ましい。減圧下または真空雰囲気で行うこともよい。
熱処理条件としては、レーザクラッディング工程によって生じ得る残留オーステナイト成分を所定割合以下に抑制できる条件であることが好ましい。所定割合としては、残留オーステナイト成分がゼロであることが好ましい。残留オーステナイト成分がゼロであることは、X線解析において、γ相が誤差範囲以内の検出であることで確認することができる。
加熱温度としては、上記のHAP72を用いる場合、540℃から560℃の範囲が好ましい。この条件のときに、実験結果によれば、レーザ照射部分の硬度はHVで920から990程度とでき、X線解析結果でγ相が検出されなくなる。
以下に図面を用いて、実施形態と比較例について、詳細に説明する。ここでは、基材として、ビッカース硬度HVが200程度のステンレス鋼材の板材を用い、クラッド材としては合金鋼の粉末を用いる。レーザビームの走査は、一般的なレーザ加工機を用い、適当なビーム径と、適当な走査速度で、工具の刃先となる部分を走査して行われる。
図1は、工具の刃先の硬度の目標として、ビッカース硬度HVが700以上1000以下としたときに、どのようなクラッド材がよいかを選択する実験に用いた合金粉末のリストである。
図1には、クラッド材として14種類の合金粉末が粉末種別ごとに並べられている。また、図1には、14の合金粉末におけるそれぞれのカタログに掲載されている硬度が示されている。HRCはロックウェル硬度で、HV換算として示されているのは、予めわかっている換算式を用いてHRCをビッカース硬度HVに換算した値である。カタログにビッカース硬度HVが掲載されている場合には、その値を示した。
14種類の合金粉末の中で、2つはNi系の合金粉末である。Ni系とは、主成分がNiであるもので、図1ではそれを「Ni基」として示してある。同様にCo系とは、主成分がCoであり、Fe系とは主成分がFeであり、図1ではそれぞれ、「Co基」、「Fe基」として示してある。
14種類の合金粉末で、heganes1560,heganes2540,heganes2548は、ヘガネス社の合金粉末の商標、商品名である。また、Delro60,stellite1,stellite12,stellite20,stellite190,TRIBALOY T−800,DELCROME 200Wは、デロロステライトグループの合金粉末の商標、商品名である。M2は、AISIの規格名であり、我が国におけるJISのSKH51に相当する高速度工具鋼の合金粉末である。SPM30,SPM60は山陽特殊製鋼の高速度工具鋼合金粉末の商標、商品名である。
図1から分かるように、Fe系の合金粉末のカタログ値の硬度は、Ni系、Co系の合金粉末よりも高い値を示す。それらの中でもHAP72は、高い硬度を示す。HAP72の成分組成は、Feを主成分とし、Cが2.02%から2.32%、Crが3.70%から4.70%、Wが9.00%から10.00%、Moが8.00%から8.50%、Vが4.80%から5.10%、Coが9.00%から10.00%である。
なお、図1における「肉盛り層硬さビッカース硬度HV(肉盛りまま)」とあるのは、これらの合金粉末を用いてレーザクラッディング処理を行って、基材とクラッド材とを一体化した状態を「肉盛り」状態として、その状態のときのレーザ走査した部分のビッカース硬度HVを測定した実験結果をまとめたものである。
これらのことから、実施形態としては、クラッド材にHAP72を用いることとし、以下では、HAP72を用いる実施形態を中心に、他の比較例を参照しながら説明を続ける。
図2(a)は、ステンレス鋼材である基材10の表面12に、クラッド材であるHAP72を供給し、供給されたクラッド材に対しレーザビームを走査して、基材10とクラッド材を一体化したときの様子を示す断面図である。クラッド材であるHAP72はレーザビームが照射されることで局部的に温度が上昇し、溶融し、基材10と一体化し、肉盛り状のレーザクラッディング層20となる。基材10とレーザクラッディング層20との間の境界線22は、レーザビーム照射前の基材10の表面12からやや内部に入ったところに形成されている。
図2(a)に示されるように、基材10であるステンレス鋼材の板材の厚さは、レーザクラッディング層20の厚さに比較して、十分に厚い。したがって、基材10の表面に供給されたHAP72は、レーザビームによって照射され、局部的な温度上昇で溶融し基材10と一体化するが、溶融と一体化の過程で、十分な厚さの基材10が低温であることから、溶融から急冷する焼入れが行われることになる。これはレーザ焼入れと同じ現象である。このように、レーザクラッディング処理は、基材10とクラッド材とを一体化する加熱処理であるが、同時に、溶融したクラッド材を焼入れする効果も生じる。
そこで、基材10とレーザクラッディング層20とが一体化した部分の深さ方向の硬度分布を述べるために、深さ方向の距離dの基準を設定した。図2(a)に示すように、レーザビーム照射前の基材10の表面12の位置を深さ方向の距離d=0とし、基材10の内部に向かう方向を+d方向、レーザクラッディング層20の肉盛り状の表面に向かう方向を−d方向とする。
図3は、横軸に、深さ方向の距離dについて任意の単位を基準としてとり、縦軸にビッカース硬度HVをとって、図1で説明した合金粉末のいくつかについての硬度分布の様子を示す図である。なお、深さ方向の分布とは別に、全体の硬度の上限と下限と平均値については、上記のように、図1にまとめてある。
図3における硬度は、図2(a)の状態、すなわち、レーザクラッディング処理を行ったままの状態についてである。dが1.5以上の領域の硬度は、基材10であるステンレス鋼の硬度で、ここではHVが約200である。dが負の値の領域の硬度は、レーザクラッディング層20の硬度で、基材10の硬度よりも高い硬度となっているが、図1で示した粉末合金のカタログ値よりも低めの硬度となっている。
実施形態では、クラッド材としてHAP72を用い、図3の状態から、所定の温度範囲で加熱し、徐冷する熱処理を行う。図4は、実施形態の熱処理と、比較例の熱処理について、深さ方向の硬度分布を示す図である。横軸、縦軸は図3と同じである。
ここで、実施形態は、図4でC−Aと示される熱処理を行うものであり、他は比較例である。比較例の1番目は、図4でCとして示されるもので、図3で説明したレーザクラッディング処理(C)のままの状態で熱処理を何も施していない例である。比較例の1番目の硬度の最大値は、HVで約650程度である。
比較例の2番目は、図4でC−Qとして示されるもので、図3で説明したレーザクラッディング処理の後に、焼入れ処理(Q)のみを行ったものである。焼入れ処理は、基材10とレーザクラッディング層20とが一体化したものの全体を、熱処理炉を用いて約1150℃に加熱し、油冷によって急冷した。比較例の2番目の硬度の最大値は、HVで約850程度である。この値は、HAP72のカタログ値よりもやや低めである。
比較例の3番目は、図4でC−Q−Aとして示されるもので、比較例の2番目に対し、さらに、焼き戻しのための熱処理(A)を行ったものである。焼き戻しのための熱処理も、基材10とレーザクラッディング層20とが一体化したものの全体について熱処理炉を用いて行った。焼き戻しのための熱処理としては、約550℃に加熱し、その後室温に徐冷した。この加熱と徐冷を2度行った。比較例の3番目の硬度の最大値は、比較例の2番目とほぼ同じである。
比較例の2番目と3番目の相違は、dが+0.5より深い領域で現れている。比較例の2番目は、焼入れ処理によって、基材10であるステンレス鋼も焼入れされて、その硬度がHVで約600程度に上昇している。これに対し、比較例の3番目は、焼入れ処理の後で焼き戻しのための熱処理が行われているので、基材10あるステンレス鋼も焼入れの後焼き戻しされて、その硬度がHVで約400程度に戻されて、靱性が向上している。
実施形態は、図4でC−Aと示されているもので、比較例の2番目のように焼入れ処理を行うことをせず、比較例の3番目の焼入れ処理を省略したものに相当する。すなわち、図3で説明したレーザクラッディング処理の後に熱処理(A)を行ったものである。この熱処理も、基材10とレーザクラッディング層20とが一体化したものの全体について熱処理炉を用いて行った。焼き戻しのための熱処理としては、約550℃に加熱し、その後室温に徐冷した。加熱時間は、基材10の熱容量に応じて適当に設定することができる。実施形態の硬度の最大値は、比較例の2番目、3番目のいずれよりも高く、HVで約900程度である。
実施形態における熱処理(A)の温度範囲は、約550℃であるが、更に限定することができる。図5は、熱処理(A)の温度範囲について実験した結果を示す図である。横軸、縦軸は図3、図4と同じである。ここでは、熱処理(A)の温度を500℃、520℃、540℃、560℃、580℃、600℃として、硬度の深さ分布を調べた。この結果から、最大硬度は、熱処理(A)の温度が500℃から上昇するにつれて向上するが、540℃から560℃付近で上限となり、さらに温度を上げると、かえって低下することが分かる。
図6は、その様子を分かりやすく整理したもので、横軸に熱処理(A)の温度をとり、縦軸にビッカース硬度をとったものである。ここでは、熱処理(A)後のレーザクラッディング層20の表面の数点について硬度を測定し、その結果の平均値と最大値、最小値が示されている。図6から分かるように、熱処理(A)の温度を540℃から560℃の範囲とすることで、硬度を最大にできることが分かる。
そこで、実施形態としては、熱処理(A)の温度を540℃から560℃の範囲とする。そして、熱処理(A)の温度が540℃未満のものを比較例の4番目、560℃を超えるものを比較例の5番目とする。
再び図2に戻ると、図2(a)は、レーザクラッディング処理を行ったままの断面図であるので、比較例の1番目に相当する。図2(b)は、比較例の2番目の断面図である。ここでは、レーザクラッディング層24と基材10は、焼入れ処理を受けている。そして、レーザクラッディング層24と基材10の境界付近で、割れ30が生じている。図2(c)は、比較例の3番目の断面図である。ここでは、レーザクラッディング層26と基材10は、焼入れ処理と焼き戻しのための熱処理を受けている。そして、レーザクラッディング層26と基材10の境界付近で、割れ32が生じている。
図2(d)は、実施形態の断面図である。ここでは、レーザクラッディング層26と基材10は、レーザクラッディング処理の後で、540℃から560℃の範囲の温度の熱処理を受ける。そして、レーザクラッディング層26と基材10には、割れは生じていない。
図7から図9は、実施形態のレーザクラッディング層20のX線解析を行った結果を示す図である。X線解析としては、レーザクラッディング層20のα相とγ相の存在を知ることができるX線回折技術を用いる。ここでα相はマルテンサイト相に相当し、γ相は、マルテンサイト相に変態しきれない残留オーステナイト相に相当する。残留オーステナイト相が存在すると、硬度が低下することが知られている。
図7と図8は、特性X線として、波長が0.229012nmであるCrKα1を用いたもので、マルテンサイト相に相当するα相のピーク位置は2θ=154.775°に現れ、オーステナイト相であるγ相のピーク位置は2θ=126.892°に現れる。ここで、図7は、α相のピーク位置の拡大図、図8は、γ相のピーク位置の拡大図で、いずれも横軸はX線回折に用いられる回折角2θで、縦軸は回折されたX線の強度を計数するカウンタの検出カウント数である。図7と図8のいずれにもおいて、(a)は、レーザクラッディング処理のままの状態で測定した結果で、(b)は、レーザクラッディング処理の後で540℃から560℃の熱処理を行った後の状態で測定した結果である。
図7(a),(b)に示されるように、α相は、540℃から560℃の熱処理の前後のいずれにも存在が認められる。これに対し、図8(a)に示されるように、540℃から560℃の熱処理の前においてγ相の存在が認められるが、図8(b)に示されるように、540℃から560℃の熱処理の後ではX線回折におけるγ相のピークが消失している。このことから、レーザクラッディング処理の後で、540℃から560℃の熱処理を行うと、レーザクラッディング処理の際の残留オーステナイト相が消失し、これによって硬度が向上すると考えることができる。
図9は、図7、図8の結果を確認するために、特性X線として、波長が0.15418nmであるCuKα1を用いて、同様の実験を行った結果である。図9(a)は、レーザクラッディング処理のままの状態で測定した結果で、図9(b)は、レーザクラッディング処理の後で540℃から560℃の熱処理を行った後の状態で測定した結果である。図9(a),(b)を比較すると、やはり、レーザクラッディング処理の後で、540℃から560℃の熱処理を行うと、レーザクラッディング処理の際の残留オーステナイト相が消失していることが分かる。
これらのことから、レーザクラッディング処理の後の熱処理で硬度を向上させるには、残留オーステナイト成分を低下させることができる温度範囲で熱処理を行うことがよいと考えられる。上記の540℃から560℃の範囲は、そのように、残留オーステナイト成分を所定の割合以下とすることができる範囲であることになる。所定の割合としては、好ましくは誤差範囲でゼロとすることがよいが、切削、切断のための工具、道具の仕様に応じて適宜設定するものとしてもよい。
まとめると、実施形態の方法は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理の後の熱処理として、540℃から560℃の範囲の熱処理を行ったものである。これによって割れが生じず、また、残留オーステナイト成分が所定の割合に減少する。それによって得られる実施形態の工具材の硬度は、HVで最大1000程度となる。
これに対し、比較例の1番目は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理を行ったままのものである。比較例の1番目の硬度は、HVで約600程度である。比較例の2番目は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理を行った後焼入れ処理を行ったものである。比較例の2番目の硬度は、HVで約850程度である。比較例の3番目は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理を行った後焼入れ処理と焼き戻しのための熱処理を2度行ったものである。比較例の3番目の硬度は、HVで約850程度である。比較例の2番目と3番目は、いずれも割れを生じることがある。
比較例の4番目は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理の後の熱処理として、540℃未満の熱処理を行ったものである。比較例の4番目の硬度は、実施形態の硬度よりも低い。比較例の4番目は、クラッド材として、HAP72を用い、レーザクラッディング処理の後の熱処理として、560℃を超える温度の熱処理を行ったものである。比較例の5番目の硬度は、実施形態の硬度よりも低い。
その他の比較例は、クラッド材として、HAP72以外の合金粉末を用いたものである。図1に示されるように、HAP72以外の合金粉末のカタログ値の硬度はいずれもHAP72よりも低く、実施形態と同様の熱処理を行った場合でも、硬度が約700程度にとどまると予測される。もっとも、レーザクラッディング処理の後に、所定範囲の温度で加熱し、徐冷する熱処理を行うことで硬度が700を超える場合には、切削または切断の工具、道具に用いられる工具材として有用であるので、これを実施形態に加えてもよい。
本発明に係るレーザクラッディング方法及び工具材は、切削、切断に用いられる工具、道具に利用できる。
10 基材、12 表面、20,24,26,28 レーザクラッディング層、22 境界線。

Claims (5)

  1. Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化するクラッディング工程と、
    クラッディング工程の後に、焼入れ処理を行うことなく、全体を加熱しその後徐冷し、レーザ走査部分のビッカース硬度が700以上1000以下とする熱処理工程と、
    を含むことを特徴とするレーザクラッディング方法。
  2. 請求項1に記載のレーザクラッディング方法において、
    クラッド材は、W及びMoを含むFe系の高速度工具鋼粉末であることを特徴とするレーザクラッディング方法。
  3. 請求項1に記載のレーザクラッディング方法において、
    熱処理工程の所定の温度範囲は、クラッディング工程のままでレーザ走査部分に存在する残留オーステナイト成分を減少させる温度範囲であることを特徴とするレーザクラッディング方法。
  4. Fe基材と、
    Fe基材表面にクラッド材としてFe系の高速度工具鋼粉末を供給し、レーザビームの走査によってFe基材とクラッド材とを一体化し、焼入れ処理を行うことなく、全体を加熱しその後徐冷して形成されたレーザクラッディング層であって、ビッカース硬度が700以上1000未満であるレーザクラッディング層と、
    クラッド材と基材との合金層と、
    を含むことを特徴とする工具材。
  5. 請求項4に記載の工具材において、レーザクラッディング層は、残留オーステナイト成分が所定割合以下であることを特徴とする工具材。
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