JP6539517B2 - 精製重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精製重合体の製造方法に関する。
近年、ゴム弾性を有する軟質材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様に成形加工及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマーが幅広い分野で利用されている。
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、1,3−ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエン単量体の重合体、及び共役ジエン単量体と、当該共役ジエン単量体と共重合可能なスチレンなどのビニル芳香族単量体との共重合体等の共役ジエン系重合体が挙げられる。
このような共役ジエン系重合体は、粘接着剤、アスファルト改質剤、耐衝撃性透明樹脂、並びにポリオレフィン及びポリスチレン樹脂の改質剤として非常に重要である。
一般的に、前記熱可塑性エラストマー、例えば共役ジエン系重合体は、アルキルリチウムなどを重合開始剤としたリビングアニオン重合によって製造される。
一方、アニオン重合によって製造される重合体においては、重合後の溶液(以下、「重合体溶液」という)中に、重合開始剤に由来する金属残渣が含まれるため、得られる重合体中に金属残渣が存在する場合がある。
上述したように重合体中に金属残渣が存在すると、最終的に得られる製品の着色や熱安定性の悪化、ブツ、表面肌荒れ、濁りなど、様々な品質低下を招来するおそれがあるため、重合体の製造工程で効率的に除去することが求められている。
そこで、重合体中に残存する金属残渣を除去する方法として、従来、各種の技術提案がなされている。
例えば、特許文献1においては、噛み合せ構造を有する回転分散機を用いて、特定の条件で重合体溶液と水とを混合した後、水及び溶剤を除去することによって、重合体溶液中のリチウム残渣を除去する方法が開示されている。
特許文献2においては、ヒドロキシカルボン酸界面活性剤を添加することで金属残渣を除去する方法が提案されている。
また、特許文献3においては、噛み合せ構造を有する回転分散機を用いて、重合体溶液とカルボン酸と水とを激しく混合することによって、重合体溶液中のリチウムなどの金属残渣を除去する方法が開示されている。
特開平6−136034号公報 特許第4730499号公報 国際公開第2013/161890号
上述したように、製品の品質悪化を招来する金属残渣は、重合体溶液中から効率的に除去する必要がある。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような従来の方法では、金属残渣に対して、特にリチウム残渣に対して、高い除去効果が得られないという問題を有している。また、前記従来の方法は、いずれもカルボン酸等の有機酸化合物を多量に添加することを含む除去方法が主に行われており、有機酸化合物による配管の腐食が懸念されるという問題も有している。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、有機リチウム化合物を重合開始剤として使用した重合体溶液から、効率的に有機リチウム化合物残渣を除去し、金属残渣の少なく、色調、及び加熱後の色調に優れ、臭気が少ない精製重合体を得、かつ配管腐食が低減化できる、精製重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、有機リチウム化合物を含有する重合体溶液に対して、特定の化学構造を有する中性有機化合物と水とを混合することにより、上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
〔1〕
工程1:有機リチウム化合物を重合開始剤として、溶媒中で単量体をアニオン重合して
、活性末端を有するリビング重合体を得る工程と、
工程2:前記リビング重合体の活性末端を失活させ、重合体溶液を得る工程と、
工程3:前記重合体溶液と、エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なく
とも一種の基を有する中性有機化合物と、水とを混合して、混合液を得る工程であって、
前記有機リチウム化合物の量C[mol]に対する、前記中性有機化合物に含まれる前記
エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基の総数B[mol
]の比(B/C)が0.1以上以下である、混合液を得る工程と、
工程4:前記混合液から、水相及び前記溶媒を除去し、精製重合体を得る工程と、
を、有し、
前記精製重合体は共役ジエン単量体単位を含む重合体である、精製重合体の製造方法。
〔2〕
前記中性有機化合物の分子量M[g/mol]に対する、前記中性有機化合物1mоl
内に有するエステル基及びケトン基の総数A[mоl]の比(A/M)が0.0066以
上0.035以下である、前記〔1〕に記載の精製重合体の製造方法。
〔3〕
前記工程3において、前記中性有機化合物を添加後に水を添加し、かつ、かみ合わせ構
造を有する回転分散機を用いて混合を行う、前記〔1〕又は〔2〕に記載の精製重合体の
製造方法。
本発明によれば、重合体溶液中に残存する金属残渣を効率的に除去できるため、金属残渣の少ない精製重合体を得ることができ、かつ配管腐食が低減される。また、本発明によれば、色調、及び加熱後の色調に優れ、臭気が少ない精製重合体が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔精製重合体の製造方法〕
本実施形態の精製重合体の製造方法は、
工程1:有機リチウム化合物を重合開始剤として、溶媒中で単量体をアニオン重合して、活性末端を有するリビング重合体を得る工程と、
工程2:前記リビング重合体の活性末端を失活させ、重合体溶液を得る工程と、
工程3:前記重合体溶液と、エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する中性有機化合物と、水とを混合して、混合液を得る工程であって、前記有機リチウム化合物の量C[mol]に対する、前記中性有機化合物に含まれる前記エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基の総数B[mol]の比(B/C)が0.1以上7以下である、混合液を得る工程と、
工程4:前記混合液から、水相及び前記溶媒を除去し、精製重合体を得る工程と、
を、有する。
以下、各工程について詳述する。
(工程1)
本実施形態の精製重合体の製造方法の(工程1)においては、有機リチウム化合物を重合開始剤として、溶媒中で単量体をアニオン重合して、活性末端を有するリビング重合体を得る。
<有機リチウム化合物>
重合開始剤である有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物;1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチオペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,10−ジリチオデカン、1,1−ジリチオジフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどのリチウムアミド化合物が挙げられる。
これらの中でも、有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、及びリチウムピペリジドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物が好ましく、n−ブチルリチウムがより好ましい。
(アニオン重合)
アニオン重合に使用する単量体としては、アニオン重合をすることができる単量体であれば特に限定されず、公知の単量体を使用できる。当該単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン単量体、ビニル芳香族単量体、及び開環重合性モノマー等が挙げられる。
共役ジエン単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4〜12個の炭素原子を含有する共役ジエン系化合物が挙げられる。
共役ジエン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、及び4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を使用することができる。これらの中でも、共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
ビニル芳香族単量体としては、共役ジエン単量体と共重合が可能なビニル芳香族系単量体を使用することができる。ビニル芳香族単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニルアリル化合物が挙げられる。
ビニルアリル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アルコキシ基で置換されたスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ビニルナフタレン、及びアルキル基で置換されたビニルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を使用することができる。これらの中でも、ビニル芳香族単量体としては、スチレン、及びα−メチルスチレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
開環重合性モノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシド、エピスルフィド、ラクトン、ラクタム、及びα−アミノ酸−N−カルボン酸無水物(NCA)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を使用することができる。
これらの単量体は、一種類を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて共重合してもよい。
共役ジエン単量体を重合させ、又は共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体とを共重合させることがより好ましい。
アニオン重合に用いる溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及びこれらの混合物からなる炭化水素系溶媒が挙げられる。
重合体のミクロ構造を制御する観点から、溶媒中に極性化合物を添加してもよい。
極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
工程1のアニオン重合後に得られる溶媒中に含まれるリビング重合体の濃度は特に限定されない。溶媒中のリビング重合体の濃度は、例えば5〜50質量%が好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。リビング重合体の濃度が上記範囲内であると、金属残渣除去効率が高く、かつ生産性も良好である。
(工程2)
本実施形態の精製重合体の製造方法の工程2においては、上述した工程1のアニオン重合で得られたリビング重合体の活性末端を失活させ、重合体溶液を得る。
<活性末端の失活>
活性末端の失活方法については、以下に限定されるものではないが、例えば、活性水素を持つ化合物(以下、単に「失活剤」ともいう)を、重合体を含む溶媒中に添加する方法が挙げられる。
失活剤としては、水、アルコール等が挙げられ、アルコールとしては、例えば、メタノールを使用することができる。
また、一般的なカップリング剤や、末端変性剤を失活剤として使用してもよい。
これらの失活剤は、1種のみを単独で使用してもよく、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
工程2により得られる重合体溶液に含まれる重合体の濃度は特に限定されない。重合体溶液中の重合体の濃度は、例えば5〜50質量%が好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。重合体の濃度が上記範囲内であると、金属残渣除去効率が高く、かつ生産性も良好である。
(工程3)
本実施形態の精製重合体の製造方法の工程3においては、前記工程2で得られた重合体溶液と、エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する中性有機化合物と、水とを混合して、混合液を得る。
なお、前記有機リチウム化合物の量C[mol]に対する、前記中性有機化合物に含まれる前記エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基の総数B[mol]の比(B/C)は0.1以上7以下であるものとする。
<中性有機化合物>
中性有機化合物は、エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する中性の有機化合物であれば特に限定されない。
中性有機化合物は、エステル基及びケトン基以外の官能基を分子内に有してもよい。
なお、本明細書における「中性有機化合物」とは、後述する〔実施例〕に記載の評価方法において、ステンレス鋼材に対する非配管腐食性が評価「△」以上の有機化合物を指す。中性有機化合物としては、非配管腐食性が評価「○」である有機化合物であることが好ましい。
エステル基を有する中性有機化合物としては、金属残渣除去率等の観点から、例えば、下記一般式(1)又は(2):
1(COOR2n ・・・(1)
3OOC−COOR4 ・・・(2)
で表されるエステル化合物が挙げられる。
一般式(1)中、R1は、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R2は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nは1〜4の整数を表す。複数存在する場合のR2は、それぞれ独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R1〜R4は分岐を有してもよく、不飽和結合を有してもよく、芳香族環を有していてもよい。
1〜R4は、その水素原子の1つ以上が、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、アミド基等の置換基によって置換されていてもよい。
前記一般式(1)中、R1は、炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基であることがさらに好ましい。
2は、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
nは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
エステル基を有する中性有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸フェニル、プロピオン酸ヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ヘキシル、酪酸フェニル、ら吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸ブチル、吉草酸フェニル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプロン酸ブチル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸フェニル、エナント酸メチル、エナント酸エチル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、エナント酸ヘキシル、エナント酸フェニル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸ヘキシル、カプリル酸フェニル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、ペラルゴン酸ヘキシル、ペラルゴン酸フェニル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸プロピル、カプリン酸ブチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸フェニル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸フェニル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸フェニル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸フェニル、マルガリン酸メチル、マルガリン酸エチル、マルガリン酸プロピル、マルガリン酸ブチル、マルガリン酸ヘキシル、マルガリン酸フェニル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ヘキシル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、クロトン酸フェニル、バルミトレイン酸メチル、バルミトレイン酸エチル、バルミトレイン酸プロピル、バルミトレイン酸ブチル、バルミトレイン酸ヘキシル、バルミトレイン酸フェニル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸フェニル、バクセン酸メチル、バクセン酸エチル、バクセン酸プロピル、バクセン酸ブチル、バクセン酸ヘキシル、バクセン酸フェニル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸プロピル、リノール酸ブチル、リノール酸ヘキシル、リノール酸フェニル、リノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リノレン酸プロピル、リノレン酸ブチル、リノレン酸ヘキシル、リノレン酸フェニル、ステアリドン酸メチル、ステアリドン酸エチル、ステアリドン酸プロピル、ステアリドン酸ブチル、ステアリドン酸ヘキシル、ステアリドン酸フェニル、ステアリドン酸メチル、ステアリドン酸エチル、ステアリドン酸プロピル、ステアリドン酸ブチル、ステアリドン酸ヘキシル、ステアリドン酸フェニル、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、トリカルバリル酸トリメチル、トリカルバリル酸トリエチル、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、クエン酸トリメチル、及びクエン酸トリエチルからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
ケトン基を有する中性有機化合物としては、金属残渣除去率等の観点から、例えば、下記一般式(3)又は(4):
5(CO)m6 ・・・(3)
7(CO)R8(CO)R9 ・・・(4)
で表されるケトン化合物が挙げられる。
一般式(3)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、mは1〜4の整数を表す。
5及びR6は共に結合して、ケトン基を含む合計炭素数が3〜10の環を形成していてもよい。
一般式(4)中、R7〜R9は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R7及びR9は共に結合して、ケトン基を含む合計炭素数が3〜10の環を形成していてもよい。
5〜R9は、分岐を有してもよく、不飽和結合を有してもよく、芳香族環を有していてもよい。
5〜R9は、その水素原子の1つ以上が、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、アミド基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(3)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
mは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(4)中、R7〜R9は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
ケトン基を有する中性有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2―ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、4−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−デカノン、アセトフェノン、ジアセチル、アセチルアセトン、2,5−ヘキサジオン、及びジメドンからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
エステル基及びケトン基を有する中性有機化合物としては、金属残渣除去率等の観点から、例えば、下記一般式(5)又は(6):
10(CO)COOR11 ・・・(5)
12(CO)R13COOR14 ・・・(6)
で表される化合物が挙げられる。
一般式(5)中、R10は、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
一般式(6)中、R12は、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
10〜R14は、分岐を有してもよく、不飽和結合を有してもよく、芳香族環を有していてもよい。
10〜R14は、その水素原子の1つ以上が、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、アミド基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(5)中、R10は、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
11は、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
一般式(6)中、R12は、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
13及びR14は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基であることがさらに好ましい。
エステル基及びケトン基を有する中性有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−ケトプロピオン酸メチル、2−ケト酪酸メチル、及びアセト酢酸メチルからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
また、中性有機化合物は、当該中性有機化合物の分子量をM[g/mol]とし、中性有機化合物1mоl内に有するエステル基及びケトン基の総基数をA[mоl]とした場合、A/Mが0.0066以上0.035以下であることが好ましく、0.0100以上0.035以下であることがより好ましく、0.015以上0.035以下がさらに好ましい。
A/Mが0.0066以上であると、添加量に対する金属残渣除去効果がより高くなるため好ましい。
<中性有機化合物の添加量>
中性有機化合物の添加量は、重合時に添加した有機リチウム化合物の総モル数C[mol]に対する、中性有機化合物中のエステル基及びケトン基の総モル数B[mol]との比(B/C)が0.1以上7以下であればよい。
B/Cは、好ましくは0.3以上5以下、より好ましくは0.5以上3以下である。
B/Cを上記範囲とすることで、金属残渣の除去効率がより向上し、かつ残中性有機化合物に由来する重合体の臭気をより抑制することができる。
<中性有機化合物の添加時期>
中性有機化合物の添加時期は、リビング重合体の活性末端を失活させた後であれば特に限定されず、例えば、活性末端を失活させた後に直接リアクターに添加してもよく、また、リアクターから払い出した重合体溶液に中性有機化合物を添加してもよい。
<水の添加量>
工程3においては、水の添加量は、上述した工程2で製造した重合体溶液に対して0.1〜20容積倍であることが好ましく、0.2〜10容積倍であることがより好ましく、0.5〜5容積倍であることがさらに好ましい。水の添加量が上記範囲内であると、重合体溶液中に含まれる金属残渣が除去され易く、また、工程からの排水量を少なくすることができる。
<水の添加時期>
工程3において、水の添加時期は、活性末端を失活させた後であれば特に限定されず、上記中性有機化合物を添加する前、添加と同時、及び添加した後のいずれのタイミングで添加してもよい。
金属残渣除去効率の観点から、中性有機化合物を添加した後に水を添加して混合することが好ましい。
<混合方法>
工程3において、重合体溶液と中性有機化合物と水との混合方法は特に限定されず、例えば、スタティックミキサーのような駆動部を持たない静止型混合機や、撹拌翼を取り付けたストレージタンク、又はかみ合わせ構造を有する回転分散機などで機械的に混合してもよい。
特に、上記のように、中性有機化合物を添加した後に水を添加して混合する際、かみ合わせ構造を有する回転分散機を用いて混合を行うことにより、高い金属残渣除去効率の向上効果が得られる。
中でも、特開平6−136034号公報に記載されているような噛み合せ構造を有する回転分散機を用いて、下記条件で混合すると、より効果的に重合体溶液からリチウム残渣を除去することができる。
条件としては、かみ合わせ構造を有する回転分散機の運転においては、P/V値を3×104(kw/m3)以上とすることが好ましく、5×104(kw/m3)とすることがより好ましく、1×105(kw/m3)とすることがさらに好ましい。
これにより、強力なせん断力を与えることができ、重合体溶液から金属残渣をより効果的に除去することができる。
ここで、P(kw)とは、回転分散機の動力であり、混合時の消費電力を測定することで容易に求めることができる。
V(m3)は回転分散機における混合部の空間容積であり、溶液にせん断力を与える部分の空間容積である。
かみ合わせ構造を有する回転分散機の運転においては、周速(2πr・n)が5(m/s)以上であることが好ましく、より好ましくは7(m/s)、さらに好ましくは10(m/s)である。ここで、r(m)とは、回転分散機におけるロータ最外歯の半径、n(s−1)は回転分散機におけるロータの回転数である。かみ合わせ構造を有する回転分散機を用い、上記条件で混合を実施することで、0.01〜10(s)程度の短い平均滞留時間で、重合体溶液中に含まれる触媒由来の金属残渣を容易に除去することができる。
また、混合方法は、上記以外にも、例えば、撹拌機、乳化機を含めたホモジナイザー、あるいはポンプ等でせん断力を加える方法や、ボールミルあるいはロッドミル等のミル、あるいは高圧粉砕ロール等で衝突力、摩擦力を加える方法でもよい。
(工程4)
本実施形態の精製重合体の製造方法の工程4においては、上述した工程3により得られた混合液から水相及び溶媒を除去(分離)して、精製重合体を得る。
有機リチウム化合物の残渣は、主にリチウム塩化合物として水相に含まれているため、工程4を実施することによりリチウム残渣を効率的に除去することができる。
工程4における除去(分離)方法に関しては、当分野で一般的に使用されるものであれば特別に限定されない。例えば、工程3により得られた混合液から、静置分離、遠心分離、向流抽出等により水相を除去し、次にスチームストリッピングで溶媒を除去することによって、精製重合体を得る方法などが挙げられる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔測定及び評価方法〕
(リチウム除去率の測定方法)
誘導結合プラズマ(ICP,Inductivuty Coupled Plasa,株式会社島津製作所製、装置名:ICPS−7510)を用いた元素分析を通じて、工程2で得られた重合体溶液を真空乾燥させて得られた重合体中のリチウム量(リチウム初期量(ppm))と、工程4で得られた精製重合体中のリチウム量(リチウム残渣量(ppm))を測定し、下記計算式によりリチウム除去率(%)を算出した。
リチウム除去率(%)={(リチウム初期量−リチウム残渣量)/リチウム初期量}×100
(色調の評価方法)
後述の実施例及び比較例で得られた精製重合体を180℃で30秒予熱し、圧縮成型して、厚さ2mmのシートを作製し、得られたシートのb値を色差計(日本電色工業株式会社製 ZE−2000)を用いて測定した。
b値が大きいほど、重合体は黄色味が強く色調に劣ることを示す。
下記評価基準により、色調に優れる方から○、△、×と評価した。
<評価基準>
〇:b値が3未満
△:b値が3以上15未満
×:b値が15以上
(加熱後の色調の評価方法)
後述の実施例及び比較例で得られた精製重合体を圧縮成型して厚さ2mmのシートを作製し、得られたシートをギヤオーブンにより200℃で30分間加熱を行った後、該シートのb値を色差計(日本電色工業株式会社製 ZE−2000)を用いて測定した。
b値が大きいほど、重合体は黄色味が強く加熱後の色調に劣ることを示す。
下記評価基準により、加熱後の色調に優れる方から○、△、×と評価した。
<評価基準>
〇:b値が3未満
△:b値が3以上15未満
×:b値が15以上
(臭気の評価方法)
後述の実施例及び比較例で得られた精製重合体20gをガラス製のビンに入れ、アルミホイルで蓋をし、加熱乾燥機にて160℃で30分間加熱した後、加熱乾燥機から取り出し、耐熱性のある蓋でキャップし、室温(約25℃)にて30分静置した。
基準物質としては、後述する比較例1で得られる重合体の臭気の臭気レベルを5とした。
この基準物質と比較したときのブロック共重合体の相対的な臭気レベルを1(臭気弱)〜10(臭気強)の間で評価した。
官能評価は10人以上で行い、臭気レベルの平均値を算出した。
下記評価順により優れる方から○、△、×と評価した。
<評価基準>
〇:臭気レベルの平均値が5以下
△:臭気レベルの平均値が5より大きく6より小さい
×:臭気レベルの平均値が6以上
(非配管腐食性の評価方法)
工程3において添加する有機化合物の0.1M水溶液を2L作製した。
ステンレス鋼板(30mm×50mm×1mm)を、円盤に接触させて固定した。
ステンレス鋼を固定した円版を水溶液の中に投入し、水溶液の温度を40℃に保温した状態で、回転数60rpmにて5日間、円盤を回転させた。
試験前後でステンレス鋼板の質量を測定し、質量の減少率を配管腐食性の指標とした。
質量減少率が小さいほど非配管腐食性に優れることを示す。
下記評価基準により、非配管腐食性に優れる方から○、△、×と評価した。
<評価基準>
〇:質量減少率が0.01%未満
△:質量減少率が0.01%以上0.05%未満
×:質量減少率が0.05%以上
〔精製重合体の製造例〕
(実施例1)
<工程1>
内容積40Lで、攪拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、溶媒としてシクロヘキサン、重合開始剤としてノルマルブチルリチウム(以下、「n−ブチルリチウム」ともいう)を用いて、アニオン重合法によって、リビング重合体としてポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(スチレン含量:30.0質量%、ブタジエン含量:70.0質量%、数平均分子量:50,000)を含む、シクロヘキサン溶液25Lを得た。
重合開始剤としてのn−ブチルリチウムの添加量は0.072molであった。
工程1後の溶液中の重合体の濃度は、18質量%であった。
<工程2>
失活剤としてメタノールを用い、リビング重合体の活性末端を失活させ、重合体溶液を得た。
<工程3>
前記<工程2>で得られた重合体溶液に対し、有機化合物として酢酸エチル(「中性有機化合物」に分類される)を13g添加し、5分間撹拌した。その後、重合体溶液に対して3容量倍の水を添加し、噛み合わせ構造を有する回転分散機(日鋼工業製 キャビトロン1010)により、60℃、7600rpmの条件で0.1秒(sec)混合して混合液を得た。
この時のP/V値は1×105(kw/m3)、周速は28(m/s)であった。
P(kw)とは、回転分散機の動力である。
V(m3)は回転分散機における混合部の空間容積であり、溶液にせん断力を与える部分の空間容積である。
前記n−ブチルリチウムの量(mоl)に対する酢酸エチルに含まれるエステル基の数(mоl)の比(酢酸エチルに含まれるエステル基の数/n−ブチルリチウムの量)は、用いたそれぞれの材料の量から算出した。当該モル比は2.05であった。
<工程4>
前記<工程3>で得られた混合液を60℃に加温されたタンクに送り、5分滞留させて重合体溶液相と水相とを分離させた。
分離状態は良好であった。
水相を除去した後、真空乾燥させ、固体状の精製重合体として、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(スチレン含量:30.0質量%、ブタジエン含量:70.0質量%、数平均分子量:50,000)を得た。得られた固体状の精製重合体中に含まれるリチウムの量は0.013molであり、リチウム除去率は82%であった。
(実施例2)
有機化合物として2−ブタノン(「中性有機化合物」に分類される)を10.5g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.014molであり、リチウム除去率は80%であった。
(実施例3)
有機化合物として2−ケト酪酸メチル(「中性有機化合物」に分類される)を7.5g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.011molであり、リチウム除去率は85%であった。
(実施例4)
有機化合物としてラウリン酸メチル(「中性有機化合物」に分類される)を31g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.017molであり、リチウム除去率は77%であった。
(実施例5)
有機化合物として酢酸エチル(「中性有機化合物」に分類される)を1g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.035molであり、リチウム除去率は57%であった。
(実施例6)
有機化合物として酢酸エチル(「中性有機化合物」に分類される)を3.5g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.017molであり、リチウム除去率は77%であった。
(実施例7)
有機化合物として酢酸エチル(「中性有機化合物」に分類される)を20g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.012molであり、リチウム除去率は83%であった。
参考例8)
有機化合物として酢酸エチル(「中性有機化合物」に分類される)を40g添加した。
その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.011molであり、リチ
ウム除去率は85%であった。
(実施例9)
<工程3>において重合体溶液に対し0.05容量倍の水を添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.030molであり、リチウム除去率は61%であった。
(実施例10)
<工程3>において重合体溶液に対し22容量倍の水を添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.011molであり、リチウム除去率は85%であった。
(実施例11)
噛み合わせ構造を有する回転分散機のP/V値を5.3×104(kw/m3)した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.017molであり、リチウム除去率は77%であった。
(実施例12)
噛み合わせ構造を有する回転分散機のP/V値を3.2×104(kw/m3)した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.019molであり、リチウム除去率は74%であった。
(実施例13)
噛み合わせ構造を有する回転分散機のP/V値を2.5×104(kw/m3)した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.024molであり、リチウム除去率は66%であった。
(実施例14)
噛み合わせ構造を有する回転分散機の代わりに、回転駆動部の無いインラインミキサーを使用した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.027molであり、リチウム除去率は63%であった。
(比較例1)
有機化合物を添加しなかった。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.048molであり、リチウム除去率は33%であった。
(比較例2)
有機化合物として酢酸エチルを0.5g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.012molであり、リチウム除去率は40%であった。
(比較例3)
有機化合物として酢酸エチルを45g添加した。その他の条件は前記(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.011molであり、リチウム除去率は85%であった。
(比較例4)
有機化合物としてクエン酸(「中性有機化合物」に該当しない)を9g添加した。その他の条件は(実施例1)と同様にして、精製重合体を得た。
得られた固体状の精製重合体に含まれるリチウムの量は0.011molであり、リチウム除去率は85%であった。
本発明の精製重合体の製造方法は、有機リチウム化合部物残渣の少ない精製重合体の製造方法として、産業上の利用可能性があり、本発明により得られる精製重合体は、粘接着剤、アスファルト改質剤、耐衝撃性透明樹脂、並びにポリオレフィンおよびポリスチレン樹脂の改質剤として、産業上の利用可能性がある。

Claims (3)

  1. 工程1:有機リチウム化合物を重合開始剤として、溶媒中で単量体をアニオン重合して
    、活性末端を有するリビング重合体を得る工程と、
    工程2:前記リビング重合体の活性末端を失活させ、重合体溶液を得る工程と、
    工程3:前記重合体溶液と、エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なく
    とも一種の基を有する中性有機化合物と、水とを混合して、混合液を得る工程であって、
    前記有機リチウム化合物の量C[mol]に対する、前記中性有機化合物に含まれる前記
    エステル基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも一種の基の総数B[mol
    ]の比(B/C)が0.1以上以下である、混合液を得る工程と、
    工程4:前記混合液から、水相及び前記溶媒を除去し、精製重合体を得る工程と、
    を、有し、
    前記精製重合体は共役ジエン単量体単位を含む重合体である、精製重合体の製造方法。
  2. 前記中性有機化合物の分子量M[g/mol]に対する、前記中性有機化合物1mоl
    内に有するエステル基及びケトン基の総数A[mоl]の比(A/M)が0.0066以
    上0.035以下である、請求項1に記載の精製重合体の製造方法。
  3. 前記工程3において、前記中性有機化合物を添加後に水を添加し、かつ、かみ合わせ構
    造を有する回転分散機を用いて混合を行う、請求項1又は2に記載の精製重合体の製造方
    法。
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