JP6539132B2 - 発煙剤組成物および発煙装置 - Google Patents
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Description
実施例1の記載では、不飽和ポリエステル樹脂(プレポリマー)を含む棒状体を成形した後で硬化させている。
棒状体にマッチで着火すると、助燃剤や酸化剤の作用により不飽和ポリエステル樹脂が熱分解してガスを生じさせ、そのときに酸化亜鉛また塩化亜鉛などの白色粉末を放出して白煙を生じさせるものと考えられる。
このように白煙源は白色粉末であり、ガス源が熱硬化性樹脂の熱分解によるものであるから、瞬間的に多量のガスを発生させて白色粉末を拡散させることは困難であると考えられる。
塩化ビニルモノマー自体は発癌性があるとして使用が禁止されているものであり、塩化ビニル樹脂であっても、燃焼により有害な塩素ガスを発生することが考えられるため、安全性の点で問題がある。
(A)白煙源を発生させるための発煙剤としては、ワックス類や金属水酸化物が挙げられており、ワックス類を用いた場合は発生する煙にべたつき感があるため、不法侵入者に嫌悪感を与えるという点で防犯効果は高いが、後の清掃に時間がかかるという点で改善の余地があり、金属水酸化物を用いた場合は、(B)成分の燃焼に対して冷却剤としても作用するため、燃焼温度が低下して、白煙の噴出圧力が影響を受ける可能性がある点で改善の余地がある。
前記(A)成分の燃料と前記(B)成分の酸化剤が、前記(A)成分の燃料と前記(B)成分の酸化剤が燃焼するときの燃焼温度が前記(C)成分の発煙源成分の融点以上になる組み合わせである発煙剤組成物と、それを使用した発煙装置を提供する。
また本発明の発煙剤組成物は、(C)成分として屈折率1.8以上の金属酸化物および金属塩から選ばれる発煙源成分を含んでいるため、前記(C)成分の光散乱効果によって、光がある環境下では、より視界の遮断効果が高められる。
本発明で用いる燃料は、含窒素有機化合物のほか、HTPB(末端水酸基ポリブタジエン)、CTPB(カルボキシル基端末ポリブタジエン)などの炭化水素系ポリマーが挙げられるが、含窒素有機化合物が好ましい。
テトラゾール類化合物は、5−アミノテトラゾール、ビテトラゾールアンモニウム塩などが好ましい。
グアニジン類化合物は、グアニジン硝酸塩(硝酸グアニジン)、アミノグアニジン硝酸塩、ニトログアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩などが好ましい。
トリアジン化合物は、メラミン、シアヌル酸、アンメリン、アンメリド、アンメランドなどが好ましい。
ニトロアミン類化合物は、シクロ−1,3,5−トリメチレン−2,4,6−トリニトラミンが好ましい。
本発明で用いる酸化剤は、ガス発生剤組成物の酸化剤として公知のものを用いることができ、塩基性金属硝酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、塩素酸塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マンガン、塩基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデン、塩基性硝酸ビスマスおよび塩基性硝酸セリウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
過塩素酸塩および塩素酸塩としては、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本発明で用いる(C)成分は、屈折率1.8以上の金属酸化物および金属塩から選ばれる発煙源成分を含むものである。
(C)成分の発煙源成分は、屈折率1.8以上の金属酸化物および金属塩から選ばれる1種のもの、または2種以上の組み合わせからなるものである。
屈折率が1.8以上であると、より屈折率が小さいものと同量を使用した場合と比べると、光の散乱効果が大きくなり、より高い視界の遮蔽効果を実現できるようになる。
本発明では、(C)成分の全てが屈折率1.8以上の発煙源成分からなるものが好ましいが、製造コストなどの観点から、屈折率1.8以上の発煙源成分と屈折率が1.8未満の発煙源成分の混合物であってもよい。
屈折率1.8以上の発煙源成分と屈折率が1.8未満の発煙源成分の混合物を使用する場合には、屈折率1.8以上の発煙源成分の割合が80質量%以上であることが好ましい。
(C)成分の発煙源成分の粒子径は特に制限されるものではなく、例えば0.5μm以下のものを使用することができる。
例えば、(C)成分の発煙源成分として酸化チタン(ルチル)(融点2120K)を使用したときは、(A)成分の燃料と(B)成分の酸化剤の燃焼温度が2120K以上、好ましくは2120Kを超える温度になるように組み合わせる。
また組成物の燃焼温度と(C)成分の融点は、濃い発煙(煙幕)を生成させる観点から、差(組成物の燃焼温度−(C)成分の融点)が200K以下であることが好ましく、前記の差が100〜200Kの範囲であることがより好ましい。
(A)成分の燃料と(B)成分の酸化剤との燃焼温度を(C)成分の発煙成分の融点以上とすると、燃焼時に(C)成分が溶融した状態で空気中に放出され、その後、空気中で冷却されることで固化して、粒子(白煙)が形成される。このため、原料として使用する(C)成分の粒子径に依存することなく白煙が生成され、十分な遮蔽効果が得られる。
なお、ガス発生器で使用するガス発生剤組成物の燃焼温度については、多数の公報の実施例においても示されており、数例を示すと、特開2014−80340号公報、特開2014−80338号公報、特開2012−211064号公報、特開2012−211035号公報の実施例において、燃料、酸化剤、バインダ、各種添加剤を含むガス発生剤組成物の燃焼温度が計算により求められている。
本発明では必要に応じて、バインダを含有することができる。
バインダとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、微結晶性セルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドのアミノ化物、ポリアクリルヒドラジド、アクリルアミド・アクリル酸金属塩共重合体、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸エステル化合物の共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルゴム、グアガム、デンプン、シリコーンから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明の組成物中、バインダの含有量は0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
これらの成型体は、組成物に水または有機溶媒を添加混合し、押出成型する方法(単孔円柱状、多孔円柱状の成型体)、打錠機などを用いて圧縮成型する方法(ディスク形状の成型体)により製造することができる。
単孔円柱状、多孔円柱状のものは、孔が長さ方向に貫通しているもの、孔が貫通せずに窪みを形成しているもののいずれでもよい。
本発明の組成物は、(A)成分と(B)成分の成型体と粉末状の(C)成分が混合されたものにすることもできる。
本発明の発煙剤組成物は、発煙装置(煙幕発生装置)の発煙源(煙幕発生源)として使用することができる。
発煙装置(煙幕発生装置)としては、例えば、特開2015−43143号公報の発煙器(図1〜図5)、特許第3816867号の煙幕発生器などの公知の装置を使用することができる。
発煙装置は、発煙源(煙幕源)の排出口を有するハウジング内に電気式点火器と発煙剤組成物が収容されたものであり、必要に応じてセンサーなどと組み合わされている。
発煙装置は、室内の天井や壁に取り付けられて使用される。
発煙剤組成物は、例えば発煙装置内の一つの収容室内にまとめて収容されているか、あるいは(A)成分および(B)成分と、(C)成分が別々の収容室に収容されていてもよい。
この燃焼生成物が(C)成分と接触して溶融させることで、(C)成分に由来する発煙源が発生する。
また、(B)酸化剤は、(A)燃料を燃焼させると共に、それ自体は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酸化カリウム、炭酸カリウムなどの白煙源に変化して、微細な粉末のまま白煙となる。
燃焼により水蒸気が生じると、これも冷却されて白煙(液滴)に変化するため、発煙源になる。
そして、(A)成分および(B)成分が燃焼するときの熱や高温ガスにより、(C)成分に由来する発煙源、(B)成分に由来する粉末、および水蒸気は、発煙装置から室内に勢いよく放出されて冷却されるため、白煙が生じる。
また、煙幕発生装置に使用した発煙剤組成物は、(C)成分として屈折率1.8以上の発煙源成分を含んでいるため、より屈折率が小さいものと同量を使用した場合と比べると、光の散乱効果が大きくなり、より高い視界の遮蔽効果を実現できるようになる。
このような光の散乱効果による遮蔽効果の向上効果は、例えば、防犯灯(常夜灯)などの薄暗い環境下でも有効であるが、さらに効果を高める観点から、発煙装置が作動して白煙が拡散されると共に、照明を点灯させるようにすることもできる。
(燃焼温度の算出方法)
燃焼温度;熱化学平衡計算シミュレーションプログラムを用いて理論計算を行った。
表2に示す組成で各成分を秤量し、篩に2回通し、十分に混合した後、イオン交換水を添加して混合した。これを110℃で16時間乾燥後、粉砕した。
製造した組成物サンプル0.2gを金網上に置き、金網の下には固形燃料(主成分メタノール)を配置した。
これらの上からアクリルボックス(0.06m3)を被せて、内部を密閉状態とした。
透過率測定器(キコー技研 MLXA-D12-785-70)をセットし、外部から加熱し固形燃料を着火して燃焼させた。
固形燃料の着火から9分後に波長785nmの光線透過率を測定した。透過率が小さいほど、白煙(煙幕)が濃いことを示している。
実施例1と実施例3の対比において、実施例1の光線透過率が高くなっているのは、(C)の融点と組成物の燃焼温度差(360K)が大きくなりすぎ、小さなアクリルボックス内では溶融状態の(C)成分が十分に冷却されなかったため、白煙を生成しなかったためと考えられる。しかし、より大きな空間を有する実際の建物に適用したときには、十分に冷却されるため、実用上は十分に機能するものと考えられる。
Claims (6)
- (A)燃料、(B)酸化剤、ならびに(C)屈折率1.8以上の金属酸化物および金属塩から選ばれる発煙源成分を含む、白煙が生成される発煙剤組成物であって、
前記(A)成分の燃料と前記(B)成分の酸化剤が、前記(A)成分の燃料と前記(B)成分の酸化剤が燃焼するときの燃焼温度が前記(C)成分の発煙源成分の融点以上になる組み合わせである、白煙が生成される発煙剤組成物。 - (C)成分の屈折率1.8以上の発煙源成分が、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、酸化クロム(III)、黒酸化鉄、酸化ジルコニウム、塩化銀、酸化亜鉛、塩化ナトリウム、酸化アルミニウム、塩化カリウム、酸化マグネシウムから選ばれるものである、請求項1記載の白煙が生成される発煙剤組成物。
- 前記燃料が、テトラゾール類化合物、グアニジン類化合物、トリアジン類化合物、ニトロアミン類化合物から選ばれる含窒素有機化合物である、請求項1または2記載の白煙が生成される発煙剤組成物。
- 前記酸化剤が、アルカリ金属のハロゲン酸塩またはアルカリ金属の過ハロゲン酸塩、アルカリ類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩等または硝酸アンモニウムから選ばれるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白煙が生成される発煙剤組成物。
- さらにバインダを含有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白煙が生成される発煙剤組成物。
- 発煙源として請求項1〜5のいずれか1項に記載の白煙が生成される発煙剤組成物が収容された発煙装置。
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