JP6539050B2 - 車両用灯具およびその光源の異常検出器 - Google Patents
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Description
本発明のある態様は、光源の異常検出器に関する。光源は、励起光を出射するレーザダイオードと、励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、を備え、励起光と蛍光のスペクトルを含む白色の出力光を生成するよう構成される。異常検出器は、第1波長に感度を有し、第2波長に対して実質的に不感であり、光源の出力光の一部を受け、受光量に応じた第1電流を生成する第1フォトセンサと、第2波長に感度を有し、第1波長に対して実質的に不感であり、光源の出力光の一部を受け、受光量に応じた第2電流を生成する第2フォトセンサと、第1電流の経路上に設けられた第1抵抗を含み、第1抵抗の電圧降下に応じた第1検出信号を出力する第1電流電圧変換回路と、第2電流の経路上に設けられた第2抵抗を含み、第2抵抗の電圧降下に応じた第2検出信号を出力する第2電流電圧変換回路と、第1検出信号と第2検出信号にもとづいて、異常の有無を判定する判定部と、を備える。
R1×I1<R2×I2 …(1)
R1×I1’>R2×I2’ …(2)
を満たすように定められてもよい。
この場合、第1検出信号と第2検出信号の大小比較により、異常を検出できる。
この構成では、第1電流電圧変換回路、第2電流電圧変換回路の利得(電流電圧変換)は、第1抵抗、第2抵抗それぞれの抵抗値のみで定まることとなる。これにより誤差要因を排除することができ、高精度な異常検出が可能となる。
この場合、フォトダイオードのアノードカソード間に電圧が印加されないため、広い光量範囲で暗電流の影響を受けずに光を検出できる。
光源の出力が小さい場合には、第1検出信号と第2検出信号が近接することとなり、ノイズの影響により誤検出が生ずるおそれがある。オフセットを導入することで、光量が小さいときの異常の誤検出を抑制できる。
この場合、いずれかの異常検出器に故障が異常が発生した場合であっても、別の電流所検出器によって光源の異常を検出し、適切な保護処理を実行することができる。
本発明の別の態様も、異常検出器に関する。光源は、励起光を出射するレーザダイオードと、励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、を備え、励起光と蛍光のスペクトルを含む白色の出力光を生成するよう構成される。異常検出器は、光源の出力光を回折させる回折素子と、回折素子の回折光を検出する光検出器と、光検出器の検出結果にもとづいて異常の有無を判定する判定部と、を備える。
これにより、有意な回折パターンの有無を判定できる。
これにより、蛍光体に異常があるときに鮮明な回折パターンを得ることができる。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図3は、第1の実施の形態に係る異常検出器30を備える車両用灯具1のブロック図である。車両用灯具1は、光源10と、光源10の異常を検出する異常検出器30と、点灯回路200と、を備える。
R1×I1<R2×I2 …(1)
R1×I1’>R2×I2’ …(2)
図5は、第1の構成例に係る異常検出器30aを示す回路図である。
この構成例において、第1フォトセンサ32は、第1フォトダイオードPD1と第1カラーフィルタCF1を含む。第1カラーフィルタCF1は、励起光20の波長である青色の光に対して透過率が高く、蛍光22の波長に対して透過率が低い。第2フォトセンサ34は、第2フォトダイオードPD2と第2カラーフィルタCF2を含む。第2カラーフィルタCF2は、蛍光22の波長領域である緑〜赤に対して透過率が高く、青色の光に対して透過率が低い。第1カラーフィルタCF1としては青色フィルタを、第2カラーフィルタCF2としては黄色フィルタ、緑色フィルタあるいは赤色フィルタを用いてもよい。
V1=R1×ISC1 …(3)
V2=R2×ISC2 …(4)
図6は、第2の構成例に係る異常検出器30bを示す回路図である。
第1電流電圧変換回路36に関して、第1演算増幅器OA21の反転入力端子(−)には、第1フォトダイオードPD1のアノードが接続され、第1演算増幅器OA21の非反転入力端子(+)には、第1フォトダイオードPD1のカソードが接続されるとともに、所定の固定電圧が印加される。たとえば固定電圧は電源電圧VCCであってもよいし、そのほかの電圧レベルであってもよい。
V21=VCC−R21×ISC1 …(5)
V22=VCC−R22×ISC2 …(6)
図4(a)、(b)に戻る。図5の第1の構成例では、出力光強度が小さい領域では、検出電流ISC1、ISC2が小さいため、第1検出信号V21と第2検出信号V22が近接する。したがってノイズや素子バラツキ、演算増幅器や電圧コンパレータのオフセット電圧など(以下、誤差要因という)が無視できない程度に大きい場合、出力光強度が小さい範囲で第1検出信号V21と第2検出信号V22の大小関係が反転し、異常を誤検出したり、本来異常であるにもかかわらず、異常を検出できないといった問題が生じうる。図7(a)、(b)から分かるように、図6の第2の構成例においてもこの問題は同様に生じうる。
V32=R12/(R11+R12)×V22
=R12/(R11+R12)×VCC−R12/(R11+R12)×R22×ISC2 …(7)
V2’=(R13・V2+R14・VCC)/(R13+R14)
=(R13・R2×ISC2+R14・VCC)/(R13+R14) …(8)
実施の形態では、判定部40を電圧コンパレータCMP1で構成したが、本発明はそれには限定されない。たとえば判定部40は、第1検出信号V1、第2検出信号V2それぞれをデジタル値D1、D2に変換するA/Dコンバータを含み、デジタル値D1、D2を、デジタル信号処理することにより、異常を判定してもよい。
オフセット幅ΔVを導入する方法は、分圧回路R11、R12には限定されない。たとえば、コンパレータCMP1を、入力オフセット電圧を調節可能に構成し、第1検出信号V1、第2検出信号V2の少なくとも一方をオフセットさせてもよい。この場合、ノイズ等の誤差要因による誤検出を防止できる。
図5の異常検出器30aにおいて、第1検出信号V1、第2検出信号V2の少なくとも一方をオフセットさせることも有効である。具体的には、図4(a)の第2検出信号V2を正方向にオフセットさせてもよい。これは、第1演算増幅器OA1の非反転入力端子(+)に、オフセット幅ΔVに対応する固定電圧を印加すればよい。
図10は、第4変形例に係る車両用灯具1bのブロック図である。車両用灯具1bは、複数(本実施の形態では2個)の異常検出器30を備える。異常検出器30は、第1の実施の形態およびその変形例で説明したいずれかを使用しうる。2個の異常検出器30は同一の構成であってもよいし、異なる構成の異常検出器を組み合わせてもよい。
図12は、第2の実施の形態に係る異常検出器50を備える車両用灯具1のブロック図である。車両用灯具1は、光源10と、光源10の異常を検出する異常検出器50と、を備える。光源10については、第1の実施の形態と同様であり、励起光20と蛍光22のスペクトルを含む白色の出力光24を生成するよう構成される。
回折素子52は、光源10の出力光24を回折させる。たとえば回折素子52としては透過型あるいは反射型の回折格子が利用される。光検出器54は、回折素子52の回折光26を検出する。判定部56は、光検出器54の検出結果にもとづいて異常の有無を判定する。
図13(a)は、蛍光体14が正常であるときの回折光を、図13(b)は、蛍光体14が異常であるときの回折光を示す図である。
蛍光体14が正常であるとき、励起光20は蛍光体14により散乱されるため、回折素子52に入力される励起光20は、そのコヒーレント性が低下しており、したがって回折素子52により得られる回折光26には、有意な干渉縞は観測されない(図13(a))。一方、蛍光体14が異常であるときには、励起光20は散乱されず、コヒーレントな状態で回折素子52に入力されるため、回折素子52による回折光26には、有意な干渉縞が観測されることとなる(図13(b))。
図14は、第1の構成例に係る異常検出器50aを含む車両用灯具1aを示す図である。車両用灯具1aは、光源10と光源10の出射光24を反射するリフレクタ2と、リフレクタ2で反射した出射光24を受けて灯具前方に出射するレンズ4を備える。リフレクタ2にはピンホールが設けられる。リフレクタ2の背面側には回折素子52が設けられ、出射光24のうちピンホール58を通過する一部の光が回折素子52に到達する。ピンホール58の大きさ(開口面積)は特に限定されない。
図15(a)の判定部56は、差分演算器60と、電圧コンパレータCMP2を含む。差分演算器60は、フォトセンサPS1からの検出信号Vs1と、フォトセンサPS2からの検出信号Vs2を受け、それらの差分を増幅する。差分演算器60の構成は特に限定されず、公知の回路を用いればよい。電圧コンパレータCMP2は、差分演算器60の出力電圧V3を、所定のしきい値電圧VTHと比較する。電圧コンパレータCMP2の出力(異常検出信号S1)は、2つのフォトセンサの出力の差分がしきい値より小さいときネゲートされ、差分がしきい値より大きくなるとアサートされる。この構成例では、負論理系が採用され、アサートがローレベル、ネゲートがハイレベルに割り当てられる。
図16は、第2の構成例に係る異常検出器50bを示す回路図である。光検出器54bは、回折光26を受ける複数の画素55を含む。光検出器54bは、CCDやCMOSセンサが利用可能であり、カラーフィルタと組み合わせてもよい。光検出器54bは、1次元に配列された複数の画素を含むラインセンサであってもよいし、マトリクス状に配列された複数の画素を含むマトリクスアレイセンサであってもよい。
Claims (18)
- 光源の異常検出器であって、
前記光源は、
励起光を出射するレーザダイオードと、
前記励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、
を備え、前記励起光と前記蛍光のスペクトルを含む白色の出力光を生成するよう構成され、
前記異常検出器は、
前記励起光の波長に感度を有し、前記蛍光の波長に対して実質的に不感であり、前記出力光の一部を受け、受光量に応じた第1電流を生成する第1フォトセンサと、
前記蛍光の波長に感度を有し、前記励起光の波長に対して実質的に不感であり、前記出力光の一部を受け、受光量に応じた第2電流を生成する第2フォトセンサと、
前記第1電流の経路上に設けられた第1抵抗を含み、前記第1抵抗の電圧降下に応じた第1検出信号を出力する第1電流電圧変換回路と、
前記第2電流の経路上に設けられた第2抵抗を含み、前記第2抵抗の電圧降下に応じた第2検出信号を出力する第2電流電圧変換回路と、
前記第1検出信号と前記第2検出信号にもとづいて、異常の有無を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする異常検出器。 - 前記蛍光体が正常であるときの前記第1電流をI1、前記第2電流をI2、前記蛍光体が異常であるときの前記第1電流をI1’、前記第2電流をI2’とするとき、第1抵抗の抵抗値R1および第2抵抗の抵抗値R2は、関係式
R1×I1<R2×I2 …(1)
R1×I1’>R2×I2’ …(2)
を満たすように定められることを特徴とする請求項1に記載の異常検出器。 - 前記判定部は、前記第1検出信号と前記第2検出信号の大小関係が逆転すると、異常と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出器。
- 前記判定部は、電圧コンパレータを含むことを特徴とする請求項3に記載の異常検出器。
- 前記第1電流電圧変換回路は、
反転入力端子に前記第1フォトセンサが接続され、非反転入力端子に固定電圧が印加された第1演算増幅器と、
前記第1演算増幅器の反転入力端子と出力端子の間に設けられた前記第1抵抗と、
を含み、
前記第2電流電圧変換回路は、
反転入力端子に前記第2フォトセンサが接続され、非反転入力端子に固定電圧が印加された第2演算増幅器と、
前記第2演算増幅器の反転入力端子と出力端子の間に設けられた前記第2抵抗と、
を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の異常検出器。 - 前記第1フォトセンサおよび前記第2フォトセンサはそれぞれ、第1フォトダイオード、第2フォトダイオードを含み、
前記第1演算増幅器の前記反転入力端子には、前記第1フォトダイオードのカソードが接続され、前記第1フォトダイオードのアノードには、前記固定電圧が印加され、
前記第2演算増幅器の前記反転入力端子には、前記第2フォトダイオードのカソードが接続され、前記第2フォトダイオードのアノードには、前記固定電圧が印加されることを特徴とする請求項5に記載の異常検出器。 - 前記第1フォトセンサおよび前記第2フォトセンサはそれぞれ、第1フォトダイオード、第2フォトダイオードを含み、
前記第1演算増幅器の前記反転入力端子には、前記第1フォトダイオードのアノードが接続され、前記第1演算増幅器の前記非反転入力端子には、前記第1フォトダイオードのカソードが接続されるとともに、所定の固定電圧が印加され、
前記第2演算増幅器の前記反転入力端子には、前記第2フォトダイオードのアノードが接続され、前記第2演算増幅器の前記非反転入力端子には、前記第2フォトダイオードのカソードが接続されるとともに、前記固定電圧が印加されることを特徴とする請求項5に記載の異常検出器。 - 前記判定部は、前記第1検出信号および前記第2検出信号の少なくとも一方を、それらが離間する方向にオフセットさせることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の異常検出器。
- 前記判定部は、前記第2検出信号を分圧する分圧回路を含むことを特徴とする請求項7に記載の異常検出器。
- 前記光源と、
前記光源の異常を検出する請求項1から9のいずれかに記載の異常検出器と、
前記光源を駆動するとともに、前記異常検出器が異常を検出したとき、所定の保護処理を実行する点灯回路と、
を備えることを特徴とする車両用灯具。 - 前記異常検出器は複数個、設けられ、
前記点灯回路は、少なくとも1個の前記異常検出器が異常を検出したとき、前記保護処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の車両用灯具。 - 光源の異常検出器であって、
前記光源は、
励起光を出射するレーザダイオードと、
前記励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、
を備え、前記励起光と前記蛍光のスペクトルを含む白色の出力光を生成するよう構成され、
前記異常検出器は、
前記光源の前記出力光を回折させる回折素子と、
前記回折素子の回折光を検出する光検出器と、
前記光検出器により有意な干渉縞が観測されたとき、前記蛍光体が異常であると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする異常検出器。 - 前記光検出器は、前記蛍光体が正常であるときに前記回折光のパターンがピークを有する第1位置と、前記蛍光体が正常であるときにピークの存在しない第2位置の2点の光強度を検出し、
前記判定部は、前記2点の光強度にもとづいて、前記蛍光体の異常の有無を判定することを特徴とする請求項12に記載の異常検出器。 - 前記光検出器は、前記2点に設けられた2個のフォトセンサを含み、
前記判定部は、前記2個のフォトセンサの出力の差分が所定のしきい値を超えると、前記蛍光体が異常であると判定することを特徴とする請求項13に記載の異常検出器。 - 前記光検出器は、前記回折光を受ける複数の画素を有し、
前記判定部は、前記複数の画素により測定される回折パターンにもとづいて異常の有無を判定し、
前記判定部は、前記複数の画素により測定されたデータを空間微分する微分器を含み、前記微分器の出力にもとづいて前記蛍光体の異常の有無を判定することを特徴とする請求項14に記載の異常検出器。 - 前記複数の画素からのデータは、シーケンシャルリードされるものであり、
前記微分器は、順次読み出される前記複数の画素からのデータを時間微分し、
前記判定部は、前記微分器の出力が所定のしきい値を超えると、前記蛍光体が異常であると判定することを特徴とする請求項15に記載の異常検出器。 - 前記回折素子と前記光源の間に設けられたピンホールをさらに備えることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載の異常検出器。
- 前記光源および前記異常検出器は、車両用灯具に使用されるものであり、
前記車両用灯具は、前記光源の出力光を反射するリフレクタを備え、前記リフレクタに前記ピンホールが形成されることを特徴とする請求項17に記載の異常検出器。
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