JP6538642B2 - 製膜装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製膜装置及び方法に関するものであり、特に、光学フイルムを製造する製膜装置及び方法に関するものである。
フイルム(特に光学フイルム)を製造する製膜装置として、ポリマーを溶媒に溶解したポリマー溶液からフイルムを製造する溶液製膜装置と、ポリマーを高温で溶融したポリマー溶融液からフイルムを製造する溶融製膜装置とが広く知られている。例えば、溶液製膜装置で長尺のフイルムを製造する場合、走行する支持体へポリマー溶液を流延ダイ(流出部)から連続的に流出することにより流延膜(ポリマー膜)を形成し、この流延膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥させる。支持体として用いられるベルトは、環状に形成されており、一対のローラ(回転ドラム)に掛け渡された状態で長手方向に走行する。これにより、ベルトは、ポリマー溶液が流延される流延位置と、流延膜が剥ぎ取られる剥取位置とを循環する。ベルトの素材としては、例えば、金属、より具体的には、オーステナイト系の結晶構造を有するステンレス鋼などが用いられている。
フイルムには平滑性、すなわち、フイルム面が平滑であることが求められる。そして、ベルトのポリマー溶液が流延される流延面は、フイルムの平滑性に影響を与えるので、定期的に研磨処理するなどしてできるだけ平滑にされる。また、回転ドラムの間に複数のガイドローラを配置し、ガイドローラの外周面によってベルトを下側から支持することにより、ベルトの上下方向のたるみ及び/または振動を防止している。
しかし、ベルトの素材にオーステナイト系のステンレス鋼を用いた場合、ガイドローラとベルトとの接触面圧が高いと、ベルトがマルテンサイト変態してしまい、フイルムの平滑性を損なうことがある。このため、下記特許文献1では、ガイドローラとして金属性のローラ(金属ローラ)の表面をフッ素系のゴムをライニングしたガイドローラ(ゴムローラ)を用いることで、ベルトとの接触面圧を低減させ、マルテンサイト変態を防止している。
また、下記特許文献2には、ベルトの掛け渡されたローラ(回転ドラム)をベルト(フイルム)の幅方向に移動させることにより、ベルトの幅方向における位置を制御(調整)する位置制御機構を備えた製膜装置が記載されている。ベルトの幅方向における位置は、製造するフイルムの幅が広くなるほど精密に制御する必要があるため、例えば、幅が2m以上の比較的広いフイルムを製造する製膜装置では、前述した位置制御機構を備えている場合が多い。
特開2008−221761号公報 特開2013−18180号公報
上記特許文献1のように、ガイドローラとして金属ローラに代えてゴムローラを用いることで、ベルトとの接触面圧を抑えることができるが、一方で、ゴムローラは、耐熱性と耐溶剤性とが高いフッ素系のゴムを用いても、長期に渡って連続使用すると、使用に伴って外径が変化したり、摩耗することにより削りかすが発生してしまうといった問題があった。
このように、ガイドローラの外径が変化したり摩耗してしまうと、ガイドローラ及び/またはベルトの清掃と、ガイドローラの交換などを行う必要があり、そのため、生産効率が低下してしまう。また、上記特許文献2のように、ベルトの幅方向における位置を制御する場合には、ベルトのコントロール性が低下してしまうなどの問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ガイドローラと金属ベルト間の耐摩耗性を向上できマルテンサイト変態及び/またはベルトのコントロール性の低下などを防止できる製膜装置及び方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の製膜装置は、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルトと、ベルト上にポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成する流出部と、ベルトの環内に配置され、外周面をベルトに当接させてベルトを下方から支持する耐性ローラと、ベルトの環内に配置され、ベルトが掛け渡される一対の回転ドラムと、を備え、耐性ローラは、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成されており、かつ、回転ドラムからベルトの幅の3倍以内の領域に配置されている。
また、本発明の製膜装置は、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルトと、ベルト上にポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成する流出部と、ベルトの環内に配置され、外周面をベルトに当接させてベルトを下方から支持する耐性ローラと、ベルトの環内に配置され、ベルトが掛け渡される一対の回転ドラムと、回転ドラムの少なくとも一方をベルトの幅方向にスライドさせることにより、ベルトの幅方向の位置を制御するベルト位置制御装置と、を備え、耐性ローラは、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成されている。
ベルトの環内に配置され、外周面をベルトに当接させてベルトを下方から支持する複数のガイドローラを備え、複数のガイドローラの少なくとも1つが耐性ローラであってもよい。耐性ローラとして、外周面が芳香族ポリエーテルケトンから形成された第1耐性ローラと、外周面がフッ素樹脂から形成された第2耐性ローラとの少なくとも一方を備えていることが好ましい。
ベルトの環内に配置され、ベルトが掛け渡される一対の回転ドラムと、回転ドラムの少なくとも一方をベルトの幅方向にスライドさせることにより、ベルトの幅方向の位置を制御するベルト位置制御装置を備えていることが好ましい。耐性ローラは、回転ドラムからベルトの幅の3倍以内の領域に配置されていることが好ましい。
耐性ローラとして、第1耐性ローラと、第2耐性ローラとの両方をそれぞれ少なくとも1つ以上備えることが好ましい。第1耐性ローラは、第2耐性ローラよりも、流出部に近い領域に配置されていることが好ましい。
ベルトは、オーステナイト系の結晶構造を有するステンレス鋼から形成されたものでもよい。
流出部は、ポリマーが溶媒に溶解したポリマー溶液をベルト上に流出させることにより、ポリマー膜として流延膜を形成する流延ダイであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の製膜方法は、一対の回転ドラムに掛け渡され、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルト上に、流出部からポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成するポリマー膜形成ステップと、ポリマー膜をベルトから剥がして乾燥する乾燥ステップと、を有し、ポリマー膜形成ステップにおいて、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成された耐性ローラを、ベルトの環内であり、かつ、回転ドラムからベルトの幅の3倍以内の領域に配置し、外周面をベルトに当接させてベルトを下方から支持する。また、本発明の製膜方法は、一対の回転ドラムに掛け渡され、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルト上に、流出部からポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成するポリマー膜形成ステップと、ベルト位置制御装置が、回転ドラムの少なくとも一方をベルトの幅方向にスライドさせることにより、ベルトの幅方向の位置を制御する位置制御ステップと、ポリマー膜をベルトから剥がして乾燥する乾燥ステップと、を有し、ポリマー膜形成ステップにおいて、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成された耐性ローラを、ベルトの環内に配置し、外周面をベルトに当接させてベルトを下方から支持する。
本発明によれば、ガイドローラと金属ベルト間の耐摩耗性を向上できマルテンサイト変態及び/またはベルトのコントロール性の低下などを防止できる。
溶液製膜装置の概略図である。 耐性ローラと比較対象のローラとの検証を行う実験系の説明図である。 耐性ローラと比較対象のローラとの検証結果を示す説明図である。 実施例と比較例におけるローラの配置位置の説明図である。 実施例と比較例とにおける性能評価を示す説明図である。
図1に示す溶液製膜装置10は、ドープ12からフイルム14を連続的に製造するためのものである。ドープ12は、ポリマーが溶媒に溶けているポリマー溶液である。本実施形態では、ポリマーとしてセルローストリアセテート(TAC,triacetylcellulose)、溶媒としてジクロロメタンとメタノールとの混合物を用いているが、ポリマー及び溶媒はこれらに限定されない。本発明で用いることができるポリマー及び溶媒の詳細については後述する。ドープ12には、可塑剤、紫外線吸収剤、レタデーション制御剤等の各種添加剤と、フイルム14同士の貼り付きを防止するためのマット剤等が含まれていてもよい。
溶液製膜装置10は、流延ユニット20と、テンタ22と、ローラ乾燥機24と、巻取機26とを備え、これらが上流側から順に配置されている。流延ユニット20は、環状に形成されたベルト30と、ベルト30が掛け渡され、ベルト30を周面で支持した状態で長手方向へ走行させる一対の回転ドラム32a,32bと、ドープ12をベルト30上に流延させる流延ダイ(流出部)34と、ドープ12が流延されることによって形成された流延膜(ポリマー膜)36をベルト30から剥ぎ取るための剥取ローラ38とを備える。
ベルト30は、流延膜36の支持体であり、例えば、長さが55m以上200m以下の範囲内、幅が1.5m以上5.0m以下の範囲内、厚みが1.0mm以上2.0mm以下の範囲内としている。ベルト30は、金属、一例としてオーステナイト系の結晶構造を有するステンレス鋼から形成されている。ベルト30は、素材(すなわち、オーステナイト系のステンレス鋼)を圧延することにより長尺のベルト材とした後、長手方向の一端と他端とを突き合わせて溶接し、溶接部を研磨することで製造される。
回転ドラム32aには、回転駆動機構40が接続されている。回転駆動機構40は、モータなどの駆動力供給手段(図示無し)と、カム及び/またはギアなどの駆動力伝達手段(図示無し)とを備え、駆動力供給手段から供給された駆動力を、駆動力伝達手段を介して回転ドラム32aに伝達することにより、回転ドラム32aを回転させる。この回転ドラム32aの回転によりベルト30が長手方向へ連続走行する。また、ベルト30の走行に従動して回転ドラム32bが回転する。なお、回転ドラム32aを回転駆動する例で説明をしたが、回転ドラム32aに代えて回転ドラム32bを回転駆動してもよい。もちろん、回転ドラム32aと回転ドラム32bとの両方を回転駆動してもよい。
回転ドラム32bには、位置制御機構(ベルト位置制御装置)50が接続されている。位置制御機構50は、回転ドラム32bを回転軸方向(ベルト30の幅方向)にスライド自在に支持する支持機構と、アクチュエータなどの駆動力供給手段と、カム及び/またはギアなどの駆動力伝達手段とを備え、駆動力供給手段から供給された駆動力を、駆動力伝達手段を介して支持機構に伝達し、回転ドラム32bをベルト30の幅方向にスライド移動させることによって、ベルト30の幅方向における位置を制御する。なお、回転ドラム32bをスライドさせることによりベルト30の位置制御を行う例(回転ドラム32bが位置制御機構50として機能する例)で説明をしたが、回転ドラム32bに代えて回転ドラム32aをスライドさせることによりベルト30の位置制御を行ってもよい。もちろん、回転ドラム32aと回転ドラム32bとの両方をスライドさせることによりベルト30の位置制御を行ってもよい。
流延ダイ34は、供給されてきたドープ12を、ベルト30に対向する流出口34aから連続的に流出する。走行中のベルト30にドープ12を連続的に流出することにより、ドープ12はベルト30上で流延され、ベルト30上に流延膜36が形成される。図1においては、ドープ12がベルト30に接触して流延膜36が形成され始める位置(流延位置)に、符号PCを付す。なお、本実施形態では、流延ダイ34を回転ドラム32aの上方に配しているが、流延ダイ34を回転ドラム32aと回転ドラム32bとの間のベルト30の上方に配してもよい。
一対の回転ドラム32a、32bは、周面温度を調節する温度コントローラ(図示せず)を備える。周面温度を調節した回転ドラム32a、32bにより、ベルト30を介して流延膜36は温度を調整される。流延膜36を加熱することにより乾燥を促進し、この乾燥により固める(ゲル化する)いわゆる乾燥ゲル化方式の場合には、回転ドラム32a、32bの周面温度は、例えば15℃以上35℃以下の範囲内にするとよい。こうしたゲル化により流延膜36は搬送可能な固さになる。
流延ダイ34からベルト30に至るドープ12、いわゆるビードに関して、ベルト30の走行方向における上流に、減圧チャンバ(図示無し)を配してもよい。減圧チャンバは、流出したドープ12の上流側エリアの雰囲気を吸引することによりこのエリアを減圧する。また、流延膜36の乾燥を促進するための送風機(図示無し)を、ベルト30に対向させた状態に配してもよい。
流延膜36を、テンタ22への搬送が可能な程度にまでベルト30上で固めてから、溶媒を含む状態でベルト30から剥がす。剥取ローラ38は、流延膜36をベルト30から連続的に剥ぎ取るためのものである。剥取ローラ38は、ベルト30から剥ぎ取ることで形成されたフイルム14を例えば下方から支持し、流延膜36がベルト30から剥がれる剥取位置PPを一定に保持する。剥ぎ取る手法は、フイルム14を下流側へ引っ張る手法と、剥取ローラ38を周方向に回転させる手法等のいずれでもよい。
ベルト30からの剥ぎ取りは、乾燥ゲル化方式の場合には、例えば、流延膜36の溶媒含有率が3質量%以上100質量%以下の範囲にある間に行う。なお、本明細書においては、溶媒含有率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶媒の質量をx、溶媒含有率を求めるフイルム14または流延膜36の質量をyとするときに、{x/(y−x)}×100で求める百分率である。
以上のように流延ユニット20は、ドープ12からフイルム14を形成する。ベルト30は流延位置PCと剥取位置PPとを循環して走行することで、ドープ12の流延と流延膜36の剥ぎ取りとが繰り返し行われる。
流延ユニット20とテンタ22との間の搬送路には、フイルム14の乾燥をすすめるための送風機(図示無し)を配してもよい。流延膜36を剥ぎ取ることにより形成されたフイルム14は、テンタ22に案内される。テンタ22は、長尺のフイルム14の側部を把持する複数のクリップ60と、一対のレール(図示無し)及びチェーン(図示無し)とを備える。クリップ60の代わりにピンプレート(図示無し)を用いてもよい。ピンプレートは、複数のピン(図示無し)が台の上面に起立した姿勢で配され、フイルム14の側部に個々のピンを突き刺すことによりフイルム14を保持する。
レールはフイルム14の搬送路の各側部に設置される。チェーンは、原動スプロケット及び従動スプロケット(図示無し)に掛け渡され、レールに沿って移動自在に取り付けられている。クリップ60は、チェーンに所定の間隔で取り付けられており、原動スプロケットの回転により、クリップ60はレールに沿って循環移動する。クリップ60は、テンタ22の入口近傍で、案内されてきたフイルム14の保持を開始し、出口に向かって移動し、出口近傍で保持を解除する。保持を解除したクリップ60は再び入口近傍に移動し、新たに案内されてきたフイルム14を保持する。このように、クリップ60は、フイルム14の各側部を把持した状態で長手方向に搬送する。
テンタ22は、第1の乾燥機としての機能をもち、フイルム14の搬送路の上方に送風機62を備える。送風機62の下面には、乾燥気体を流出する流出口(図示無し)が形成されており、通過するフイルム14に向けて乾燥気体を吹き出す。なお、同様の構造を有する送風機を、フイルム14の搬送路の下方に設けてもよい。
ローラ乾燥機24は、第2の乾燥機であり、複数のローラ64と空調機(図示無し)とを備える。各ローラ64はフイルム14を周面で支持する。フイルム14はローラ64に巻き掛けられ、搬送される。空調機は、ローラ乾燥機24の内部の温度及び/または湿度などを調節する。巻取機26は、フイルム14をロール状に巻き取るためのものである。
このように、溶液製膜装置10では、流延ダイ34からベルト30上にドープ12(ポリマー溶液)を連続的に流延することにより流延膜36を形成するステップ(流延膜形成ステップ)、流延膜36をベルト30から剥がし、テンタ22及びローラ乾燥機24により乾燥するステップ(乾燥ステップ)を経てフイルム14が製造される。そして、このようにして製造されたフイルム14は、例えば、光学フイルムとして利用することができる。光学フイルムとしては、例えば、偏光板の保護フイルムと、位相差フイルムが挙げられる。
上述の溶液製膜装置10において膜厚が一定の高品位のフイルム14を製造するためには、流延ユニット20においてドープ12が流延されるベルト30(特に、流延位置PCから回転ドラム32bまでの間のベルト30)を水平に保ち、流延膜36の膜厚を一定とすることが重要である。このため、流延ユニット20では、回転ドラム32aと回転ドラム32bとの間のベルト30(回転ドラム32aから回転ドラム32bへ向かうベルト30)の下方にガイドローラ70を配置し、ガイドローラ70の外周面をベルト30に当接させることにより、ベルト30を下方から支持している。こうすることで、ばたつき及び/またはたるみを抑えた状態でベルト30を水平に保ち、流延膜36の膜厚を一定にできる。
また、ガイドローラ70、特にガイドローラ70の表面(外周面)は、ベルト30に当接されるため、摩耗により外径が変化してしまうと、ベルト30を水平に保つことができなくなってしまう。さらに、摩耗により生じた粉塵が流延膜に付着してしまうとフイルム14の品質低下を招いてしまう。また、摩擦により生じた粉塵がガイドローラ70及び/またはベルト30の裏面(内周面)に付着するとベルトの振動などによりフイルム14の平面性低下(品質低下)を招いてしまう。
一方、ガイドローラ70として、少なくとも表面を摩耗性に優れた金属製にしたもの(金属ローラ)を用いた場合、ガイドローラ(金属ローラ)の摩耗は防止されるものの、ベルト30との摩擦により、ベルト30が摩耗してしまうといった問題がある。また、例えば、ベルト30の材質が、オーステナイト系の結晶構造を有するステンレス鋼である場合、ベルト30がマルテンサイト変態して変形してしまい、フイルム14の品質低下及び/またはベルト30を新しいものに交換しなければならないといった問題も生じる。
このため、従来は、ガイドローラ70として金属ローラに耐熱性と耐溶剤性とを有するフッ素系のゴムをライニングしたもの(ゴムローラ)を用いていた。しかし、このゴムローラはマルテンサイト変態を防止する効果は得られるが、フイルム(特に光学フイルム)を長期に渡って連続して製造する場合には、摩耗性としては未だ不十分である。すなわち、フイルムの長期連続製造時には、フイルムの温度と、ベルト30との間の圧力と、ポリマー溶液の溶剤及び/またはフイルム材料の揮散成分の付着と、ライニングされたゴムの膨潤などの要因が影響して摩耗性が低下してしまう。
また、本実施形態のように、位置制御機構50によりベルト30の幅方向の位置を制御する場合、ガイドローラ70とベルト30との間の摩擦力が不足していたり一定でないと、ベルト30の幅方向の位置を制御する際のベルト制御性能(コントロール性)が低下してしまうといった問題も生じる。
つまり、ガイドローラ70としてゴムローラを用いた場合、フイルムを長期に渡って連続して製造している間に、ガイドローラ(ゴムローラ)の外径の変化と、摩耗及び/または摩擦により生じた粉塵がガイドローラ(ゴムローラ)及びベルト30の裏面(内周面)に付着することとにより、ガイドローラ(ゴムローラ)とベルト30との間の摩擦力が不足したり変化してしまい、ベルト30の制御性能が低下してしまう。また、ガイドローラ70として金属ローラを用いた場合、ガイドローラ(金属ローラ)とベルト30との間の摩擦力を高めることが難しく(摩擦力が不足してしまい)、ベルト30のコントロール性が低下してしまう。
このため、本発明の溶液製膜装置10では、ガイドローラ70として、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bで規定される長期耐熱温度指数(以下、RTIと称する)が150℃以上の樹脂により表面(外周面)を形成したもの(以下、このようなガイドローラを耐性ローラと称する場合がある)を用いている。なお、RTIは、規定時間が経過したときに初期の物性値(電気的特性及び/または機械的特性など)が50%に低下する温度を示すものであり、Relative Thermal Indexの略である。このRTIの値は、一般的にプラスチックの熱的耐久性及び/または機械的耐久性を示す指標であって、各種樹脂素材の規格値等で示されている。
耐性ローラで用いる樹脂(耐性ローラの表面を形成する樹脂)は、ベルト30との長期接触時の磨耗性、ベルト30として、オーステナイト系の結晶構造を有するステンレスベルトを用いた場合のマルテンサイト化による変形などを総合的に評価し選定した。これらを実使用における溶剤と添加剤揮散物の付着等の影響も踏まえて評価した結果、いわゆる「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれる、耐熱性に優れ、かつ、高い機械特性を有する樹脂を用いることで、摩耗性の向上とマルテンサイト化の防止とを両立できた。また、ベルト30との摩擦力もゴムローラ及び金属ローラと比較して、安定して高い状態を維持できた(ベルト30のコントロール性も高い状態で維持できた)。
なお、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれる樹脂は、一般的な定義としてRTIが150℃以上のものが挙げられる。RTIが150℃以上の樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、RTI240℃)、ポリフェニレンサルファイド(PPS、RTI230℃)、ポリエーテルスルホン(PES、RTI190℃)、ポリイミド(PI、RTI300℃)、ポリエーテルイミド(PEI、RTI170℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、RTI260℃)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA、RTI260℃)、ポリスルホン(PSU、RTI160℃)、ポリフェニルサルホン(PPSU、RTI170℃)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、RTI150℃)などが挙げられる。これらのRTIの値は、樹脂メーカーの公開情報などによって知ることができる。
これらのRTI150℃以上の「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれる樹脂は、フッ素成分及び/または芳香族の比率が多い樹脂の構造によって高い耐熱性とともに耐溶剤性も有する。このため、上記の耐性ローラのようにベルト30と高い圧力で長期間接触したり、フイルムの製造過程における温度条件下という環境と溶剤と添加剤揮散物の付着が起きる環境とで使用される耐性ローラの表面の樹脂として好ましく用いることができる。
これらの樹脂(RTIが150°C以上の樹脂)のうち、金属ローラの表面に粉体コーティングができる、または、樹脂をチューブ状に形成し、これを金属ローラまたはゴムローラに被せて収縮させることにより表面に付与できるなどの点からPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの芳香族ポリエーテルケトン、及び/またはPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)などのフッ素樹脂を耐性ローラの表面に付与することが好ましい。
具体的にはビクトレックス・エムシー社のPEEKコート剤をガイドローラ表面に付与したり、グンゼ(株)のフッ素樹脂PFA熱収縮チューブをガイドローラ表面に付与するなどにより耐性ローラを作成できる。耐性ローラは、ガイドローラ70としてベルト30を支えるなどの点を考慮し、金属ローラの表面に上述した樹脂を付与することが好ましい。またフッ素系ゴムライニングしたロールの表面に上記樹脂を付与してもよい。このようにRTIが150℃以上の樹脂により外周面を形成した耐性ローラを用いることで、摩耗及び/またはマルテンサイト変態によるフイルム14の品質低下を防止して良好な品質のフイルム14を製造できる。
なお、本発明は、少なくとも外周面が、RTIが150℃以上の樹脂から形成された耐性ローラを、少なくとも1つ備えていればよいので、細部の構成については上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、上記実施形態では、全てのガイドローラを耐性ローラとする例で説明をしたが、一部のガイドローラのみを耐性ローラとしてもよい。もちろん、耐性ローラの配列位置と配列本数と配列ピッチ、並びに、ガイドローラのうちの耐熱ローラの割合などについても自由に設定できる。
なお、一部のガイドローラのみを耐性ローラとする場合、耐性ローラ以外のガイドローラとしては、金属ローラ(SUSなどの金属から形成されたローラ)と、ゴムローラ(金属ローラをゴムライニングしたローラ)など周知の各種のローラを用いることができる。しかし、金属ローラを用いた場合はマルテンサイト変態による不具合が発生する恐れがあるため、一部のガイドローラのみを耐性ローラとする場合、耐性ローラ以外のガイドローラとしてはゴムローラを用いることが好ましい。
また、同じ材質である場合、回転ドラム32a、32bに近いほどガイドローラの摩耗が大きく、特に、回転ドラム32a、32bからベルト30の幅の3倍以内の領域はガイドローラの摩耗が大きくなる傾向にあることが判っている(図3(b)参照)。これは、位置制御機構50によるベルトの位置制御時には、回転ドラム32a、32bに近いほど、ベルト30幅方向への位置の変動が大きく、ガイドローラに対して大きな摩擦抵抗がかかり、その結果、回転ドラム32a、32bからの距離がベルト幅の3倍までの領域のガイドローラが摩耗しやすいためと考えられる。また、流延ダイ34が回転ドラム32aの近傍に配置されていること、及び、ベルト30上での乾燥時に回転ドラム32aの近傍の排気効率が悪いことにより、回転ドラム32aに近いほど、溶剤及び/または添加剤揮散物の濃度が高く、これらがガイドローラ及び/またはベルト30に付着するなどの影響も考えられる。
このため、一部のガイドローラのみを耐性ローラとする場合、耐性ローラを回転ドラム32a、32bに近い側に配置し、耐性ローラ以外のローラを回転ドラム32a、32bから遠い側に配置することが好ましく、さらには、回転ドラム32a、32bからベルト30の幅の3倍以内の領域に耐性ローラを配置することが好ましい。なお、回転ドラムからベルトの幅の3倍以内の領域とは、回転ドラムがベルトと接触する位置を基準位置とし、この基準位置からの距離がベルト幅の3倍以内となる範囲を示している。
また、耐性ローラとゴムローラとを比較した場合、耐摩耗性については耐性ローラの方が優れているものの、位置制御機構50による制御性能、すなわち、ベルト30の幅方向の位置制御を行う際のコントロール性についてはゴムローラの方が優れている場合もある。これはベルト30との摩擦係数と表面の硬さと表面粗さ等といった特性によるものあるため、耐性ローラの表面を形成する樹脂の種類(材質)と粗さと厚みとの少なくともいずれかひとつを調整したり、表面の樹脂の内側にゴムライニングするなどにより耐性ローラのコントロール性をゴムローラと同等となるように向上させることが好ましい。また、耐摩耗性が必要な場所に限定して耐性ローラを用いてもよい。この場合、位置制御機構50側(上記実施形態においては、回転ドラム32b側)については、耐性ローラを配置する範囲を回転ドラム32bからベルト30の幅の3倍以内の範囲にとどめ、これより遠い範囲についてはゴムローラを配置するなどが考えられる。
また、反対に、位置制御機構50側とは反対側(上記実施形態においては、回転ドラム32a側)については、耐性ローラを配置する範囲を回転ドラム32aからベルト30の幅の3倍以上としてもよい。このように、位置制御機構50側については耐性ローラを使用する範囲を最低限度に制限し、位置制御機構50とは反対側については耐性ローラを使用する範囲を積極的に拡大することで、ベルト30の幅方向の位置制御を行う際のコントロール性の低下を防止し、かつ、摩耗による問題も防止できる。
さらに、本発明は、1種類の耐性ローラのみを用いる構成に限定されず、複数種類の耐性ローラを用いる構成としてもよい。この場合、金属ローラの表面にPEEKをコーティングしたPEEKローラ(第1耐性ローラ)と、ゴムローラの表面をPFA製チューブで被覆したPFAローラ(第2耐性ローラ)とを用いるといったことが考えられる。
なお、前述したPEEKローラとPFAローラとを比較すると、耐摩耗性についてはPEEKローラが、コントロール性(ベルト30の幅方向の位置制御を行う際のコントロール性)についてはより柔軟なPFAローラが優れている。このため、求められる性能に応じてPEEKローラとPFAローラとの各配置位置を決定することが好ましい。具体的には、より耐摩耗性を重視する場合と範囲(例えば、回転ドラム32a、32bからベルト30の幅の3倍以内の範囲)についてはPEEKローラを用い、よりコントロール性を重視する場合と範囲(例えば、位置制御機構50の近傍(回転ドラム32b側))についてはPFAローラを用いることが好ましい。
また、ポリマーの溶媒による膨潤率(外径の拡大率)は、ゴムローラが最も高く、次いで素材にゴムを含むPFAローラが高く、PEEKローラが最も低い。そして、溶液製膜装置10では、流延ダイ34の近傍であるほど空気中の溶媒含有量(溶媒ガスの濃度)が高く、膨潤の影響を受けやすい。このため、PEEKローラとPFAローラとの両方の耐性ローラを用いる場合、流延ダイ34に近い側(回転ドラム32a側)にPEEKローラを配置し、流延ダイ34から遠い側(回転ドラム32b側)にPFAローラを配置することが好ましい。また、ゴムローラと耐性ローラとの2種類のガイドローラを用いる場合、流延ダイ34に近い側に耐性ローラを配置し、流延ダイ34から遠い側にゴムローラを配置することが好ましい。
また、上記実施形態は、1種のドープ12を用いて単層構造のフイルム14を製造する例であるが、製造するフイルムは複層構造であってもよい。複層構造のフイルムを製造する場合には、周知の共流延または逐次流延により、複数種類のドープを流延すればよい。
さらに、上記実施形態は、ポリマーとしてTACを用いた例であるが、TACに代えて、TACと異なる他のセルロースアシレート、または環状ポリオレフィン等としてもよい。セルロースアシレートについて、詳細を以下に説明する。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、つまりアシル基の置換度(以下、アシル基置換度と称する)が下記式(1)〜(3)の全ての条件を満足するものが特に好ましい。なお、(1)〜(3)において、A及びBはともにアシル基置換度であり、Aにおけるアシル基はアセチル基であり、Bにおけるアシル基は炭素原子数が3〜22のものである。
2.4≦A+B≦3.0・・・(1)
0≦A≦3.0・・・(2)
0≦B≦2.9・・・(3)
セルロースを構成し、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、このようなセルロースの水酸基の一部または全部がエステル化されて、水酸基の水素が炭素数2以上のアシル基に置換されたポリマーである。なお、グルコース単位中のひとつの水酸基のエステル化が100%されていると置換度は1であるので、セルロースアシレートの場合には、2位、3位及び6位の水酸基がそれぞれ100%エステル化されていると置換度は3となる。
ここで、グルコース単位で2位のアシル基置換度をDS2、3位のアシル基置換度をDS3、6位のアシル基置換度をDS6として「DS2+DS3+DS6」で求められる全アシル基置換度は2.00〜3.00であることが好ましく、2.22〜2.90であることがより好ましく、2.40〜2.88であることがさらに好ましい。さらに、「DS6/(DS2+DS3+DS6)」は0.32以上であることが好ましく、0.322以上であることがより好ましく、0.324〜0.340であることがさらに好ましい。
アシル基は1種類だけでもよいし、2種類以上であってもよい。アシル基が2種類以上であるときには、そのひとつがアセチル基であることが好ましい。2位、3位、及び6位の水酸基の水素のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位、及び6位におけるアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとするとき、「DSA+DSB」の値は、2.2〜2.86であることが好ましく、2.40〜2.80であることが特に好ましい。DSBは1.50以上であることが好ましく、1.7以上であることが特に好ましい。そして、DSBは、その28%以上が6位水酸基の置換であることが好ましいが、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは31%以上、特に好ましくは32%以上が6位水酸基の置換であることが好ましい。また、セルロースアシレートの6位の「DSA+DSB」の値が0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.85以上であることが特に好ましい。以上のようなセルロースアシレートを用いることにより、溶液製膜に用いられるポリマー溶液をつくるために好ましい溶解性が得られる。
炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、プロピオニル基、ブタノイル基が特に好ましい。
ポリマーとしてセルロースアシレートを用いる場合には、ドープ12の溶媒としては、セルロースアシレートフイルムを溶液製膜で製造する場合のドープの溶媒として公知のものを用いることができる。例えば、ジクロロメタン、各種アルコール、各種ケトン等である。これらから選ばれる複数を混合して、この混合物を溶媒として用いてもよい。
[検証]
図2Aに示す実験系110により、上述した耐性ローラの性能と効果を検証した。
実験系110は、図1の流延ユニット20を小型化及び簡略化したものであり、直径10cmの2つの金属ドラム132a,132b(図1の回転ドラム32a,32bに対応)に、幅0.25m、長さ2.5mのオーステナイト系のステンレスベルト130(図1のベルト30に対応)を掛け渡し、金属ドラム132aの上側からステンレスベルト130上にドープを流延し、金属ドラム132aの下側でステンレスベルト130から流延膜を引き剥がす構成としている。
そして、この実験系110において、上記耐性ローラをガイドローラとして使用した場合(すなわち、本発明の耐性ローラにより、金属ドラム132a、132b間のステンレスベルト130を下方から支持した場合)と、比較対象のローラをガイドローラとして使用した場合とを比較することにより、耐性ローラの性能と効果を検証した。なお、実験系110は、ガイドローラを1本のみ用いる構成となっており、検証は、ガイドローラを交換しながら複数回行った。
また、耐性ローラとして、PEEKローラ140とPFAローラ150との2種類について検証した。さらに、比較対象のローラとして、金属ローラ160とゴムローラ170との2種類について検証した。金属ローラ160は、ステンレス製のローラであり、ゴムローラ170は、金属製の本体にフッ素系ゴムバイトン(登録商標)(デュポン社製)をライニングしたローラである。また、PEEKローラ140は、金属ローラ160の外周にビクトレックス・エムシー社のPEEKコート剤をコーティングしたローラであり、PFAローラ150は、ゴムローラ170の外周をグンゼ(株)のフッ素樹脂PFA熱収縮チューブで被覆したローラである。
検証により得られた各ローラ140、150、160、170の、耐摩耗性の評価、スジバリ変位量、スジバリに起因して生じるステンレスベルト130の変形の有無について、図2Bに示す。なお、スジバリは、ステンレスベルト130の走行方向に延びるスジ状のバリであり、ステンレスベルト130がマルテンサイト変態することによって発生する。スジバリ変位量は、ステンレスベルト130の流延面(ドープ12が流延される側の面)に生じたスジバリの高さ(大きさ)を計測して得られた値であり、スジバリの最も高い地点と最も低い地点の高さの差を示している。
図2Bに示すように、耐摩耗性の評価は、ゴムローラ170以外は摩耗が認められず、また、ゴムローラ170の摩耗も製品に不具合が生じるほどではなかったため、ゴムローラ170の評価を「B」とし、それ以外のローラについては評価を「A」とした。なお、評価は「A」、「B」、「C」の3段階で行った。「A」は最も高い評価であり、「C」は最も低い評価である。また、評価「A」、「B」は、フイルムの品質に影響を及ぼさない(または、影響を及ぼしたとしても無視できるレベルの僅かな影響である)、すなわち、合格基準に達していることを示す評価であり、評価「C」は、フイルムに不具合が生じる恐れがある、すなわち、合格基準に達していないことを示す評価である。
スジバリ変位量については、金属ローラ160を用いた場合が最も大きく、それ以外のローラを用いた場合については、いずれも金属ローラ160を用いた場合よりも大幅に小さい値であった。具体的には、金属ローラ160を用いた場合が1.2μm、ゴムローラ170を用いた場合が0.3μm、PEEKローラ140を用いた場合が0.15μm、PFAローラ150を用いた場合が0.2μmであった。
また、スジバリに起因して生じるステンレスベルト130の変形は、金属ローラ160を用いた場合についてのみ変形が認められ、それ以外のローラについては変形が認められなかった。
このように、実験系110を用いた検証では、耐性ローラ(PEEKローラ140、PFAローラ150)が、ゴムローラ170よりも耐摩耗性が高いだけでなく、金属ローラ160よりもスジバリの発生を抑えることができる(ステンレスベルト130をマルテンサイト変態させ難い)ということが確認できた。
[実施例]
続いて、実際の溶液製膜装置10(図1参照)において、耐性ローラを使用した実施例1−4、及び、実施例との比較に用いた比較例について説明を行う。
全ての実施例及び比較例では、直径が約2mの回転ドラム32a、32bを、中心間の距離が約50mとなるように配置し、ここに幅約2mのベルト30を掛け渡した。前述のように、ベルト30の材質はオーステナイト系のステンレスである。また、回転ドラム32aは、回転駆動機構40により回転駆動され、回転ドラム32bは、位置制御機構50によりベルト30の幅方向にスライドされるものである。
ガイドローラ70は、回転ドラム32aとベルト30との接点(第1接点)から、回転ドラム32bとベルト30との接点(第2接点)までの約50mの間に、No.1ローラ〜No.19ローラの19本のガイドローラ70を配置した。なお、No.1ローラは、第1接点から850mmの地点に配置し、No.2ローラは、No.1ローラから第2接点側に2280mmの地点に配置し、以降は、2370mmピッチでNo.3ローラ〜No.19ローラを配置した。
用いたドープ12は下記の第1ドープと第2ドープとの2種類であり、流延ダイ34としては、第1ドープの流れを第2ドープの流れで挟んだ態様で流延する共流延用の流延ダイを用い、回転ドラム32aの上方から流延を行った。なお、第1ドープと第2ドープとは、下記のTAC等を溶媒に溶解することにより調製し、ろ過してから流延ダイに案内した。
<第1ドープ>
TAC(置換度2.85、粘度平均重合度320) 100質量部
添加剤A 8質量部
ジクロロメタン 470質量部
メタノール 70質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
上記の添加剤Aは、アジピン酸とエチレングリコールとをアジピン酸:エチレングリコール=50:50のモル比で反応させ、アセチル基で末端封止して得られた数平均分子量(Mn)が1000のポリエステル化合物である。なお、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(MWD)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。具体的には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めることができる。添加剤Aは、下記の第2ドープにも使用した。下記の第2ドープに用いた微粒子は、二酸化ケイ素であり、一次粒径は20nm、モース硬度は7.0であった。
<第2ドープ>
TAC(置換度2.85、粘度平均重合度320) 100質量部
添加剤A 8質量部
ジクロロメタン 520質量部
メタノール 80質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
微粒子(アエロジル社製 NX90S等) 0.05質量部
剥取位置PPにおける流延膜36の溶媒含有率が30質量%になるように流延膜36を乾燥した。剥ぎ取られたフイルム14をテンタ22により温度が120℃の乾燥気体で乾燥し、テンタ22の出口でのフイルム14の溶媒含有率を10質量%以下とした。テンタ22から出たフイルム14をスリッタ(図示無し)に案内し、クリップ60による把持跡をフイルム14から切除するように側部を切り離した。このフイルム14を、内部の温度を130℃以上140℃以下の範囲内に調節したローラ乾燥機24に案内し、溶媒含有率が0.1質量%以下になるまで乾燥した。フイルム14の側部にナーリングを付与した後、巻取機26によりフイルム14を5000m、ロール状に巻取った。
上述のようにNo.1〜No.19の19本のガイドローラ70を設けた溶液製膜装置10において、第1接点(回転ドラム32aとベルト30との接点)を「0m」、第2接点(回転ドラム32bとベルト30との接点)を「50m」とした0m〜50mの範囲を、第1〜第4の4つの領域に分割し、各領域のガイドローラ70を、ゴムローラまたは耐性ローラ(PEEKローラ、PFAローラ)へと変更することにより、比較例及び実施例1―4とした(図3A参照)。
「第1領域」は、第1接点を0m、第2接点を50mとしたときに0m以上6m以下の領域(回転ドラム32a側(流延ダイ34側、位置制御機構50とは反対側)の領域であり、かつ、回転ドラム32aからベルト30の幅の3倍以内の領域)である。
「第2領域」は、6mよりも大きく25m以下の領域(回転ドラム32a側(流延ダイ34側、位置制御機構50とは反対側)の領域)である。
「第3領域」は、25mよりも大きく44m以下の領域(回転ドラム32b側(流延ダイ34とは反対側、位置制御機構50側の領域)である。
「第4領域」は、44mよりも大きく50m以下の領域(回転ドラム32b側(流延ダイ34とは反対側、位置制御機構50側)の領域であり、かつ、回転ドラム32bからベルト30の幅の3倍以内の領域)である。
図3Aに示すように、「比較例」は、第1〜第4の全ての領域において、ゴムローラ(金属製の本体にゴムライニングしたローラ)を用いた例である。
「実施例1」は、第1、第4領域にPEEKローラ(金属ローラの外周にPEEKをコーティングしたローラ)を用い、第2、第3領域にゴムローラを用いた例である。
「実施例2」は、第1、第4領域にPFAローラ(ゴムローラの外周をPFA製のチューブで被覆したローラ)を用い、第2、第3領域にゴムローラを用いた例である。
「実施例3」は、第1、第4領域にPEEKローラを用い、第2領域にゴムローラを用い、第3領域にPFAローラを用いた例である。
「実施例4」は、第1、第4領域にPEEKローラを用い、第2領域にPFAローラを用い、第3領域にゴムローラを用いた例である。
比較例、及び、実施例1−4のそれぞれについて長期連続運転後の、耐摩耗性の評価と、ベルト制御性の評価(ベルト30の幅方向の位置を行う際のコントロール性)と、ベルト変形の有無とについて、図3Bに示す。なお、評価は、前述の図2Bの場合と同様に「A」、「B」、「C」の3段階で行った。つまり、「A」は最も高い評価であり、「C」は最も低い評価であり、「A」、「B」は、合格基準に達していることを示す評価であり、評価「C」は、合格基準に達していないことを示す評価である。
図3Bに示すように、比較例、及び、実施例1−4では、いずれもベルトの変形は認められなかったため、ゴムローラと耐性ローラとのいずれを用いても(金属ローラを用いないことで)ベルト30のマルテンサイト化を防止できることが判った。
また、第1、第4領域は、第2、第3領域と比較してガイドローラの摩耗が大きく、ゴムローラでは合格基準を満たさないことが判った(図3Bの比較例参照)。
さらに、ガイドローラが全てゴムローラである場合、ベルト制御性も合格基準を満たさないことが判った(図3Bの比較例参照)。
一方、第1、第4領域に耐性ローラ(PEEKローラまたはPFAローラ)を用いることで、第2、第3領域についてはゴムローラを用いても耐摩耗性、ベルト制御性ともに合格基準を満たすことが判った(図3Bの実施例1−4参照)。
また、PEEKローラの方がPFAローラよりも耐摩耗性に優れることが判った(図3Bの実施例1、2参照)。
なお、第3領域(位置制御機構50側(ベルト30の幅方向にスライドされる回転ドラム32b側)の領域)については、耐性ローラ(PFAローラ)を用いることで、耐摩耗性を向上できるものの、ゴムローラを用いる場合と比較してベルト制御性が低下してしまうことが判った(図3Bの実施例3参照)。
一方、第2領域(位置制御機構50とは反対側(ベルト30の幅方向にスライドされる回転ドラム32bとは反対側)の領域)については、耐性ローラ(PFAローラ)を用いることで、第2領域の耐摩耗性を向上でき、かつ、ベルト制御性も低下しないことが判った(図3Bの実施例4参照)。
以上、ポリマーを溶媒に溶解したポリマー溶液からフイルムを製造する溶液製膜装置に本発明を適用する(ガイドローラとして耐性ローラを用いる)例で説明をしたが、ポリマーを高温で溶融したポリマー溶融液からフイルムを製造する溶融製膜装置に対して本発明を適用してもよい。
10 溶液製膜装置
12 ドープ
14 フイルム
20 流延ユニット
22 テンタ
24 ローラ乾燥機
30 ベルト
32a、32b 回転ドラム
34 流延ダイ(流出部)
36 流延膜(ポリマー膜)
40 回転駆動機構
50 位置制御機構(ベルト位置制御装置)
70 ガイドローラ
110 実験系
132a、132b 金属ドラム(回転ドラム)
130 ステンレスベルト(ベルト)
140 PEEKローラ(耐性ローラ、第1耐性ローラ)
150 PFAローラ(耐性ローラ、第2耐性ローラ)
160 金属ローラ
170 ゴムローラ

Claims (12)

  1. 環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルトと、
    前記ベルト上にポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成する流出部と、
    前記ベルトの環内に配置され、外周面を前記ベルトに当接させて前記ベルトを下方から支持する耐性ローラと、
    前記ベルトの環内に配置され、前記ベルトが掛け渡される一対の回転ドラムと、
    を備え、
    前記耐性ローラは、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から前記外周面が形成されており、かつ、前記回転ドラムから前記ベルトの幅の3倍以内の領域に配置されている製膜装置。
  2. 環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルトと、
    前記ベルト上にポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成する流出部と、
    前記ベルトの環内に配置され、外周面を前記ベルトに当接させて前記ベルトを下方から支持する耐性ローラと、
    前記ベルトの環内に配置され、前記ベルトが掛け渡される一対の回転ドラムと、
    前記回転ドラムの少なくとも一方を前記ベルトの幅方向にスライドさせることにより、前記ベルトの幅方向の位置を制御するベルト位置制御装置と、
    を備え、
    前記耐性ローラは、アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から前記外周面が形成されている製膜装置。
  3. 前記回転ドラムの少なくとも一方を前記ベルトの幅方向にスライドさせることにより、前記ベルトの幅方向の位置を制御するベルト位置制御装置を備えた請求項1に記載の製膜装置。
  4. 前記耐性ローラは、前記回転ドラムから前記ベルトの幅の3倍以内の領域に配置されている請求項2記載の製膜装置。
  5. 前記ベルトの環内に配置され、外周面を前記ベルトに当接させて前記ベルトを下方から支持する複数のガイドローラを備え、
    前記複数のガイドローラの少なくとも1つが前記耐性ローラである請求項1から4のいずれか1項に記載の製膜装置。
  6. 前記耐性ローラとして、前記外周面が芳香族ポリエーテルケトンから形成された第1耐性ローラと、前記外周面がフッ素樹脂から形成された第2耐性ローラとの少なくとも一方を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の製膜装置。
  7. 前記耐性ローラとして、前記第1耐性ローラと、前記第2耐性ローラとの両方をそれぞれ少なくとも1つ以上備えた請求項6に記載の製膜装置。
  8. 前記第1耐性ローラは、前記第2耐性ローラよりも、前記流出部に近い領域に配置されている請求項7に記載の製膜装置。
  9. 前記ベルトは、オーステナイト系の結晶構造を有するステンレス鋼から形成される請求項1から8のいずれか1項に記載の製膜装置。
  10. 前記流出部は、前記ポリマーが溶媒に溶解したポリマー溶液を前記ベルト上に流出させることにより、前記ポリマー膜として流延膜を形成する流延ダイである請求項1から9のいずれか1項に記載の製膜装置。
  11. 一対の回転ドラムに掛け渡され、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルト上に、流出部からポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成するポリマー膜形成ステップと、
    前記ポリマー膜を前記ベルトから剥がして乾燥する乾燥ステップと、を有し、
    前記ポリマー膜形成ステップにおいて、
    アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成された耐性ローラを、前記ベルトの環内であり、かつ、前記回転ドラムから前記ベルトの幅の3倍以内の領域に配置し、前記外周面を前記ベルトに当接させて前記ベルトを下方から支持する製膜方法。
  12. 一対の回転ドラムに掛け渡され、環状に形成されて長手方向に連続走行する金属製のベルト上に、流出部からポリマーを連続的に流出することにより、ポリマー膜を形成するポリマー膜形成ステップと、
    ベルト位置制御装置が、前記回転ドラムの少なくとも一方を前記ベルトの幅方向にスライドさせることにより、前記ベルトの幅方向の位置を制御する位置制御ステップと、
    前記ポリマー膜を前記ベルトから剥がして乾燥する乾燥ステップと、を有し、
    前記ポリマー膜形成ステップにおいて、
    アメリカ保険業者安全試験所プロトコルUL746Bにより規定される長期耐熱温度指数が150°C以上の樹脂から外周面が形成された耐性ローラを、前記ベルトの環内に配置し、前記外周面を前記ベルトに当接させて前記ベルトを下方から支持する製膜方法。
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