JP6538605B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、主として、油圧式変速装置を備える作業車両に関する。
従来から、トラクタ等の作業車両において、圃場内をスムーズに走行させるため等に油圧式変速装置を備える構成が知られている。特許文献1及び2は、この種の作業車両を開示する。
特許文献1及び2の作業車両は、油圧ポンプと油圧モータからなる油圧式変速装置を備えている。油圧ポンプは、エンジンの動力によって駆動されることで油圧を発生させる。油圧モータは、油圧ポンプが発生させた油圧を回転力に変換する。また、油圧ポンプは可動斜板を備えており、可動斜板の傾斜角度に応じてオイルの吐出量を変化させて変速を行うことができる。
また、特許文献1では、油圧式変速装置内のオイルは、タンクポートに接続された油路及びクラッチ等を介してミッションケース内へ排出される。特許文献2では、油圧式変速装置内のオイルが排出される構成について開示されていない。
特開2000−108700号公報 特開平4−277374号公報
ここで、油圧式変速装置は、内部に十分な量のオイルが必要となり、例えば油圧式変速装置の内部の全てをオイルで満たす必要がある。一方で、ミッションケースでは、内部の全てをオイルで満たす必要がないため、油圧式変速装置とミッションケースとで要求されるオイルの高さ(水位)が異なることとなる。従って、油圧式変速装置とミッションケースのオイルの高さの違いを考慮して、油圧式変速装置からミッションケースへオイルを排出する必要がある。しかし、特許文献1及び特許文献2では、オイルの高さについて記載されていない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、油圧式変速装置とミッションケースのオイルの高さの違いを考慮して、油圧式変速装置からミッションケースへオイルを排出する構成の作業車両を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の作業車両が提供される。即ち、この作業車両は、エンジンと、ミッションケースと、油圧式変速装置と、オイル排出管と、動力伝達部と、を備える。前記ミッションケースには、オイルが入れられる。前記油圧式変速装置には、オイルを排出する排出口が前記ミッションケースの基準オイルレベルより上方に形成されており、前記エンジンの動力を変速する。前記オイル排出管は、前記排出口に接続されており、前記油圧式変速装置のオイルを前記ミッションケースへ排出する管状の部材であり、前記基準オイルレベルの上方から下方を経由し、当該基準オイルレベルより上方でオイルを排出する。前記動力伝達部は、前記エンジンが発生させた動力を伝達する。前記オイル排出管は、前記動力伝達部、又は、当該動力伝達部に接続されるオイル経路に接続されており、前記オイル排出管が排出するオイルは、前記ミッションケースに戻る前に、前記動力伝達部の潤滑に使用される。
これにより、油圧式変速装置のオイル排出管の位置をあまり高くせずに、油圧式変速装置内をオイルで満たすことができる。従って、ミッションケースの高さ方向の寸法(特にオイル排出管がある部分)を小さくできる。また、油圧式変速装置のオイル排出管が、動力伝達部のオイル供給管としての機能も有するため、油圧式変速装置に設けられる配管の数を減らすことができる。
前記の作業車両においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記動力伝達部は、前記エンジンの動力を作業機へ伝達するか否かを切り替えるPTOクラッチである。前記オイル排出管は、前記PTOクラッチを覆うPTOクラッチケースに接続される。
これにより、油圧式変速装置が排出したオイルをPTOクラッチの潤滑に用いることができる。そのため、油圧式変速装置に設けられる配管の数を減らすことができる。
前記の作業車両においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記動力伝達部は、前記エンジンの動力を作業機へ伝達するPTO軸を変速するPTO変速機構である。前記オイル排出管が排出するオイルは、前記PTO変速機構の内部に配置されたニードルベアリングの潤滑に使用される。
これにより、油圧式変速装置が排出したオイルをPTO変速機構のニードルベアリングの潤滑に用いることができる。そのため、油圧式変速装置に設けられる配管の数を減らすことができる。
本発明の一実施形態に係るトラクタの全体的な構成を示す右側面図。 トラクタに備えられるミッションケースの内部の構成を示す右側面図。 ミッションケースの内部の構成を示す平面図。 トラクタの動力伝達図。 トラクタの油圧管路を示す図。 ミッションケースの内部の基準オイルレベル及びオイルの流れを概略的に示す図。 ミッションケースの内部の構造を示す図。 油圧式変速装置とPTOクラッチケースとがオイル排出管により接続される様子を後上方から見た斜視図。 油圧式変速装置とPTOクラッチケースとがオイル排出管により接続される様子を前上方から見た斜視図。 変形例に係るミッションケース内の構成を示す右側面図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るトラクタ1の全体的な構成を示す右側面図である。図2は、トラクタ1に備えられるミッションケース103の内部の構成を示す右側面図である。図3は、ミッションケース103の内部の構成を示す平面図である。図4は、トラクタ1の動力伝達図である。
図1は、本実施形態に係る作業車両としてのトラクタ1を示している。トラクタ1の機体2は、走行車輪(走行部)としての左右1対の前輪101,101及び左右1対の後輪102,102により支持されている。機体2の前部のボンネット106の内部には、駆動源としてのエンジン105が配置される。
ボンネット106の後方の機体2の上面には、キャビン112が配置され、キャビン112の内部には、オペレータが着座するための座席111が配置されている。また、キャビン112の内部には、座席111に着座したオペレータが足を置くためのフロア108が配置されている。また、座席111の周囲には、ステアリングハンドル107等の操作具が配置される。また、他の操作具として、例えば、走行用変速レバー、クラッチペダル、及びPTO用変速レバー等が配置される。
キャビン112の左右外側には、オペレータが乗降するステップ113,113が設けられている。また、エンジン105に燃料を供給する図略の燃料タンクがキャビン112の前方に配置され、この燃料タンクはボンネット106内に収容されている。
機体2の構造体をなすフレームは、前バンパー114及び前車軸ケース115を有する図略のエンジンフレームと、当該エンジンフレームの後部に着脱自在に固定した左右の機体フレーム116,116と、により構成されている。当該機体フレーム116の後部にはミッションケース103が連結されている。ミッションケース103は、エンジン105からの動力を適宜変速して前後4輪に伝達するための機構を内部に収容している。ミッションケース103には、後車軸117を介して後輪102が取り付けられている。左右の後輪102の(鉛直方向の)上方は、左右のリアフェンダー118によって覆われている。
エンジン105の後方には図略のクラッチハウジングが配置され、当該クラッチハウジングの後方には上述のミッションケース103が配置される。これにより、エンジン105からの動力を後輪102に変速しながら伝達して駆動することができる。
エンジン105の動力は、ミッションケース103の後端から更に後方へ突出する第1PTO軸131、ミッションケース103の下端から前方へ突出する第2PTO軸132に伝達される(図2等を参照)。トラクタ1は作業機装着装置を備えており、トラクタ1の第1PTO軸131又は第2PTO軸132に、図略の作業機を装着可能に構成されている。
図2から図4に示すように、ミッションケース103内には、エンジン105から伝達される動力を適宜に変速するための油圧式変速装置(HST)120が収容される。エンジン105の動力は、図4に示すエンジン出力軸21を経由してミッションケース103の主変速入力軸121に伝達され、油圧式変速装置120及び走行変速機構によって適宜変速されて、前輪101及び後輪102に伝達されるようになっている。
油圧式変速装置120は、油圧管によって相互に接続された油圧ポンプ124と油圧モータ126とを備えて構成されている。油圧ポンプ124は主変速入力軸121によって駆動される一方、油圧モータ126は第1副伝達軸31を駆動する。
油圧ポンプ124と油圧モータ126の一方は固定容量型とされ、他方は可変容量型とされている。本実施形態においては、油圧モータ126が固定容量型とされ、油圧ポンプ124が可変容量型とされており、当該油圧ポンプ124が吐出するオイルの量(吐出量)を変化させることができる。なお、油圧モータ126を可変容量型とし、油圧ポンプ124を固定容量型としても良い。
油圧ポンプ124には、傾斜角度に応じて吐出量を変化させる可動斜板125が設けられている。オペレータが変速操作を行うことで、この可動斜板125の傾斜角度が変化する。これにより、第1副伝達軸31の回転速度を変化させることができる。
主変速入力軸121は、その軸線が前後方向に延びるように配置される。主変速入力軸121の前端にはエンジン105のエンジン出力軸21が配置されており、主変速入力軸121はエンジン出力軸21の動力により回転する。また、主変速入力軸121の後端には第1主伝達軸22が連結され、この第1主伝達軸22は、エンジン出力軸21及び主変速入力軸121と一体的に回転するように構成されている。また、油圧式変速装置120には、第1主伝達軸22と平行に配置された第1副伝達軸31が接続されている。
ミッションケース103内において、油圧式変速装置120の後方には、第1主伝達軸22、第1副伝達軸31、及び前輪伝達軸33が互いに平行に配置される。第1副伝達軸31は油圧モータ126から後方に突出するように配置され、この第1副伝達軸31には、油圧式変速装置120で無段階に変速された回転が出力される。
第1主伝達軸22の後方には、第1PTO軸131又は第2PTO軸132へ動力を伝達するか遮断するかを切り替えるためのPTOクラッチ(動力伝達部)25が配置されている。第1主伝達軸22に伝達されたエンジン105の動力は、PTOクラッチ25を介して、第2主伝達軸23に伝達される。第2主伝達軸23に伝達されたエンジン105の動力は、その後方に配置されるPTOギア群130を介して、第1PTO軸131や第2PTO軸132に出力される。この構成により、トラクタ1に装着された作業機に動力を伝達して駆動することができる。
第1副伝達軸31の後方には、副変速装置30が配置される。副変速装置30は、第1副伝達軸31の回転を変速して、当該第1副伝達軸31と平行に配置された第2副伝達軸32に伝達するように構成されている。第2副伝達軸32の回転は、ミッションケース103の後部に配置された後輪デフ装置36に入力され、後車軸ケース内の車軸、伝達歯車等を経由して後輪102を駆動する。
また、第2副伝達軸32の回転は、当該第2副伝達軸32と平行に配置された前輪伝達軸33に伝達される。前輪伝達軸33の回転は、前輪デフ装置35に入力され、前車軸ケース115内の車軸、伝達歯車等を介して前輪101を駆動する。
次に、トラクタ1の油圧管路について簡単に説明する。図5は、トラクタ1の油圧管路の配置を示す図である。
図5に示すように、この油圧管路では、エンジン105の動力で動作する油圧ポンプ40によって、PTOバルブ機構43、パワーステアリング機構45、油圧式変速装置120、作業機駆動機構50等へオイル(作動油)が供給される。また、PTOバルブ機構43、パワーステアリング機構45、油圧式変速装置120、作業機駆動機構50等へ供給されたオイルは、オイルタンクとして機能するミッションケース103(詳細には後述の第2室103c)へ戻る。なお、ミッションケース103とは別部材としてオイルタンクを設けても良い。
PTOバルブ機構43は、PTOクラッチ25の近傍に配置されている。PTOバルブ機構43は、オペレータの指示に応じてバルブを動作させることで、PTOクラッチ25がエンジン105の動力を伝達する状態と、エンジン105の動力を遮断する状態とを切り替える。
パワーステアリング機構45は、パワーステアリングバルブ46と、パワーステアリングシリンダ47と、パワーステアリングポンプ48と、を備える。
パワーステアリングバルブ46には、パワーステアリングシリンダ47と、パワーステアリングポンプ48と、が接続されている。パワーステアリングバルブ46は、ステアリングハンドル107の回転に応じて、パワーステアリング機構45を作動させるオイルの流れを切り換える。
パワーステアリングシリンダ47は、シリンダ部が前車軸ケース115に固定されるとともに、ピストンロッドがナックルアームに連結されている。
ステアリングハンドル107を回転させることで、油圧ポンプ40が供給したオイルがパワーステアリングバルブ46を介してパワーステアリングシリンダ47及びパワーステアリングポンプ48へ供給される。これにより、パワーステアリングシリンダ47のピストンロッドが伸縮し、前輪101が旋回する。
油圧式変速装置120に供給されたオイルは、上述のように油圧ポンプ124及び油圧モータ126を駆動し、排出口128から排出される。排出口128から排出されたオイルは、後述のオイル排出管61内を流れ、PTOクラッチ25へ供給され、ミッションケース103へ排出される。これにより、PTOクラッチ25を潤滑することができる。なお、オイル排出管61の詳細については後述する。
作業機駆動機構50は、作業機としてのローダ55を駆動する機構である。作業機駆動機構50は、アーム駆動バルブ51と、バケット駆動バルブ52と、を備える。
アーム駆動バルブ51は、ローダ55のアームシリンダ56に接続されている。アーム駆動バルブ51は、座席111の近傍に配置された図略の操作具の操作に応じて、アームシリンダ56へ供給するオイルの量及びその方向を調整する。この構成により、アームシリンダ56を伸縮させることで、アーム57が上下に回動する。
バケット駆動バルブ52は、ローダ55のバケットシリンダ58に接続されている。バケット駆動バルブ52は、座席111の近傍に配置された図略の操作具の操作に応じて、バケットシリンダ58へ供給するオイルの量及びその方向を調整する。この構成により、バケットシリンダ58を伸縮させることで、バケット59が上下に回動する。
次に、油圧式変速装置120からPTOクラッチ25へオイルを供給する構成について、図6から図9を参照して説明する。図6は、ミッションケース103の内部の基準オイルレベル及びオイルの流れを示す図である。図7は、ミッションケース103の内部の構造を示す図である。図8及び図9は、油圧式変速装置120とPTOクラッチケース25bとがオイル排出管61により接続される様子を示す斜視図である。なお、図6から図9では、図面を見易くするために、第2副伝達軸32等の部材を省略している。
図7に示すように、ミッションケース103は、第1室103bと、第2室103cと、から構成されている。第1室103bには、油圧式変速装置120が配置されている。第2室103cには、各種の伝達軸及びPTOクラッチ25等が配置されている。本実施形態では、ミッションケース103のうち、第2室103cがオイルタンクとして機能している。また、図7では、ミッションケース内に貯められているオイルをドットで表現している。図7に示すように、第2室103cには基準オイルレベルまでオイルが入れられており、第1室103bにはオイルは入れられていない。
図6及び図7には、このオイルの流れが太線の矢印で示されている。図6及び図7に示すように、油圧式変速装置120には上部からオイルが供給されており、このオイルは、排出口128に接続されたオイル排出管61を介して、PTOクラッチ25に供給される。PTOクラッチ25に供給されたオイルは、ミッションケース103へ排出される(戻される)。
また、上述のように、ミッションケース103はオイルタンク(作動油タンク)としての機能を有しており、ミッションケース103内にはオイルが入れられている。ここで、ミッションケース103に入れられたオイルの高さ(水位)を「オイルレベル」と称する。また、ミッションケース103に必要な量のオイルが入れられたときのオイルレベルを「基準オイルレベル」と称する。基準オイルレベルは、オイルレベルゲージ又はオイル点検窓等に付けられた印、説明書の記載等で確認することができる。また、トラクタ1の出荷時又は納品時のオイルレベルも基準オイルレベルに該当する。また、本実施形態の基準オイルレベルは、後輪デフ装置36の中心軸よりも上方である。更には、ミッションケース103から供給されたオイルがエンジン105を通って戻ることを1巡として、本実施形態ではオイルは1分間に2巡しており、これが可能な量のオイルに基づいて、本実施形態の基準オイルレベルが定められている。
一般的には、ミッションケース103の内部をオイルで完全に満たす必要はない。従って、図6に示すように、ミッションケース103の上端よりも下方の位置に基準オイルレベルが設定されることが一般的である。従って、基準オイルレベルは、油圧式変速装置120に重なるように設定されることとなる。また、本実施形態では、基準オイルレベルは油圧式変速装置120の中央よりも下方に設定されている。
これに対し、油圧式変速装置120には、内部に大量のオイルを入れる必要がある(本実施形態では、油圧式変速装置120の内部を全てオイルで満たす必要がある)。従って、油圧式変速装置120の内部と、ミッションケース103の内部と、で要求されるオイルの高さが異なる。
これを実現するために、仮に、オイル排出管61が、油圧式変速装置120の上端より高い位置でオイルを排出する構成を考える。この構成では、ミッションケース103の高さ方向の寸法が大きくなってしまう。特に、本実施形態では、図1に示すように、ミッションケース103のすぐ上側にはフロア108が配置されている。従って、ミッションケース103の高さ方向の寸法が大きくなると、フロア108の高さが高くなってしまう。
以上を考慮し、本実施形態では、油圧式変速装置120の排出口128が、基準オイルレベルよりも上方に形成されており、かつ、オイル排出管61は、基準オイルレベルの上方から下方を経由し、当該基準オイルレベルより上方に位置するように配置されている。このように、オイル排出管61が基準オイルレベルの下方を経由するため、オイル排出管61の一部は常にオイルで満たされる。従って、オイル排出管61から油圧式変速装置120へ空気が流れることを防止できる。そのため、油圧式変速装置120へ供給されるオイルの量が少なくなった場合であっても、油圧式変速装置120の内部を全てオイルで満たした状態を維持することができる。
従って、本実施形態の構成では、オイル排出管61を高い位置に配置する必要がない。そのため、図6に示すように、ミッションケース103には、オイル排出管61の上部に相当する部分に凹み部103aが形成されている。凹み部103aは、ミッションケース103の上部を下方に凹ませた部分である。
本実施形態では、図1に示すように、凹み部103aが形成される位置にフロア108が形成されているので、フロア108の高さを下げることができる。なお、この構成は、フロア108を避けた位置に油圧式変速装置120が配置されているため実現できる。
以下、オイル排出管61の形状及び位置について詳細に説明する。図6から図9に示すように、オイル排出管61は、第1オイル排出部61aから第6オイル排出部61fにより構成されている。第1オイル排出部61aがオイル排出方向の最も上流側の部分であり、第6オイル排出部61fがオイル排出方向の最も下流側の部分である。
第1オイル排出部61aは、油圧式変速装置120の排出口128に接続されている。第1オイル排出部61aは排出口128から水平方向(後方)に延びるように構成されている。第2オイル排出部61bは、第1オイル排出部61aの下流側端部に接続されている。第2オイル排出部61bは、後方に近づくにつれて下方に近づくように傾斜している。第2オイル排出部61bは、基準オイルレベルを上方から下方へ通過する部分である。
第3オイル排出部61cは、第2オイル排出部61bの下流側端部に接続されている。第3オイル排出部61cは、水平方向(後方)に延びるように構成されている。第4オイル排出部61dは、第3オイル排出部61cの下流側端部に接続されている。第4オイル排出部61dは、後方に近づくにつれて上方に近づくように傾斜している。また、第4オイル排出部61dは、PTOクラッチ25等を取り付けるためのPTOクラッチ取付部材70を通過する。
第5オイル排出部61eは、第4オイル排出部61dの下流側端部に接続されている。第5オイル排出部61eは、上側に延びるように構成されている。また、第4オイル排出部61d又は第5オイル排出部61eは、基準オイルレベルを下方から上方へ通過する部分である。第6オイル排出部61fは、第5オイル排出部61eの下流側端部に接続されている。第6オイル排出部61fは、水平方向(前方)に延びるように構成されている。第6オイル排出部61fは、PTOクラッチ取付部材70に接続される。
このように、本実施形態のオイル排出管61は、オイルが流れる方向が反転するように複数の曲げが形成されている。なお、オイルが流れる方向が反転することは必須ではなく、PTOクラッチ25等の配置によっては、反転させなくても良い。
次に、PTOクラッチ取付部材70について説明する。PTOクラッチ取付部材70には、PTOクラッチ25等が取り付けられている。PTOクラッチ取付部材70は、ミッションケース103を前後方向に区切るように配置されている。図8及び図9に示すように、PTOクラッチ取付部材70には、第1主伝達軸挿通孔71と、第1副伝達軸挿通孔72と、前輪伝達軸挿通孔73と、オイル排出管挿通孔74と、オイル排出管接続孔75と、オイル経路76と、が形成されている。
第1主伝達軸挿通孔71には第1主伝達軸22が挿通されており、当該第1主伝達軸22が相対回転可能に支持されている。第1副伝達軸挿通孔72には、第1副伝達軸31が挿通されており、当該第1副伝達軸31が相対回転可能に支持されている。前輪伝達軸挿通孔73には、前輪伝達軸33が挿通されており、当該前輪伝達軸33が相対回転可能に支持されている。
オイル排出管挿通孔74は、PTOクラッチ取付部材70の外周の端部近傍であって、第1主伝達軸挿通孔71及び第1副伝達軸挿通孔72よりも下方かつ前輪伝達軸挿通孔73よりも上方に形成されている。オイル排出管挿通孔74には、オイル排出管61(詳細には第4オイル排出部61d)が挿通されている。
オイル排出管接続孔75には、オイル排出管61(詳細には第6オイル排出部61f)が接続される。オイル排出管接続孔75は、第1主伝達軸挿通孔71の近傍であって、第1副伝達軸挿通孔72及び前輪伝達軸挿通孔73よりも上方に形成されている。
オイル排出管接続孔75は、PTOクラッチ取付部材70の内部に形成されるオイル経路76に接続されている。オイル経路76は、オイル排出管接続孔75と、PTOクラッチ25と、を接続しており、オイル排出管接続孔75を介して供給されたオイルをPTOクラッチ25へ供給する。
また、PTOクラッチ25は、動力の伝達状態を切り替えるためのPTOクラッチプレート25aと、このPTOクラッチプレート25aを覆うPTOクラッチケース25bと、を備えている。オイル経路76に供給されたオイルは、PTOクラッチケース25bの内部へ供給され、PTOクラッチプレート25aの潤滑油として用いられる。
以上に説明したように、このトラクタ1は、エンジン105と、ミッションケース103と、油圧式変速装置120と、オイル排出管61と、を備える。ミッションケース103には、オイルが入れられている。油圧式変速装置120には、オイルを排出する排出口128がミッションケース103の基準オイルレベルより上方に形成されており、エンジン105の動力を変速する。オイル排出管61は、排出口128に接続されており、油圧式変速装置120のオイルをミッションケース103へ排出する管状の部材であり、基準オイルレベルの上方から下方を経由し、当該基準オイルレベルより上方でオイルを排出する。
これにより、オイル排出管61の位置をあまり高くせずに、油圧式変速装置120内をオイルで満たすことができる。従って、ミッションケース103の高さ方向の寸法(特にオイル排出管61がある部分)を小さくできる。
また、本実施形態のトラクタ1は、エンジン105が発生させた動力を伝達する動力伝達部(PTOクラッチ25、副変速装置30、PTOギア群130等)を備える。オイル排出管61は、動力伝達部、又は、当該動力伝達部に接続されるオイル経路76に接続されており、オイル排出管61が排出するオイルは、ミッションケース103に戻る前に、動力伝達部の潤滑に使用される。
これにより、油圧式変速装置120のオイル排出管61が、動力伝達部のオイル供給管としての機能も有する。そのため、油圧式変速装置120に設けられる配管の数を減らすことができる。
また、本実施形態のトラクタ1において、動力伝達部は、エンジン105の動力を作業機へ伝達するか否かを切り替えるPTOクラッチ25である。オイル排出管61は、PTOクラッチ25を覆うPTOクラッチケース25bに接続される。
これにより、油圧式変速装置120が排出したオイルをPTOクラッチ25の潤滑に用いることができる。そのため、油圧式変速装置120に設けられる配管の数を減らすことができる。
次に、図10を参照して、上記実施形態の変形例を説明する。図10は、変形例に係るミッションケース103内の構成を示す右側面図である。なお、以後の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
上記実施形態では、オイル排出管61のオイルの排出先はPTOクラッチ25であったが、本変形例では、オイル排出管61のオイルの排出先は、PTO変速機構26である。PTO変速機構26は、第1PTO軸131又は第2PTO軸132を変速するための、第1PTO変速ギア82と、第2PTO変速ギア83と、第3PTO変速ギア84と、を備える。また、PTO変速機構26は、第1PTO軸131又は第2PTO軸132を逆転するためのPTO逆転ギア85を備える。また、第1PTO変速ギア82は、ニードルベアリング81によって回転可能に支持されている。
変形例におけるオイル排出管61の経路は、上記実施形態と同様にPTO変速機構取付部材70xに接続される。PTO変速機構取付部材70xには、PTO変速機構26の内部へ接続されるオイル経路が形成されている。この構成により、オイル排出管61が排出したオイルは、第1PTO変速ギア82を支持するニードルベアリング81に到達し、当該ニードルベアリング81を潤滑する。
上記で説明したように、本変形例のトラクタ1において、動力伝達部は、エンジン105の動力を作業機へを伝達するPTO軸(第1PTO軸131及び第2PTO軸132)を変速するPTO変速機構26である。オイル排出管61が排出するオイルは、PTO変速機構26の内部に配置されたニードルベアリング81の潤滑に使用される。
これにより、油圧式変速装置120が排出したオイルをPTO変速機構26のニードルベアリング81の潤滑に用いることができる。そのため、油圧式変速装置120に設けられる配管の数を減らすことができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
オイル排出管61は、基準オイルレベルの上方から下方を経由し、当該基準オイルレベルより上方でオイルを排出する構成であれば、上記実施形態で示した例に限られない。例えば、上記実施形態では、オイル排出管61がPTOクラッチ取付部材70を挿通するように配置されているが、PTOクラッチ取付部材70を挿通せずにオイル経路76に接続されていても良い。
上記実施形態では、オイル排出管61は、PTOクラッチ25に接続されているが、PTOクラッチ25等の動力伝達部に接続されずにオイルをミッションケース103へ排出する構成であっても良い。
上記実施形態では、オイル排出管61がPTOクラッチ25に接続されるが、オイル排出管61は別の動力伝達部(エンジン105の動力を伝達するギア、例えば、副変速装置30、PTOギア群130等)に接続されていても良い。
上記実施形態では、オイル排出管61は、オイル経路76を介してPTOクラッチケース25bに接続されているが、オイル排出管61は、オイル経路76を介さずに直接的にPTOクラッチケース25bに接続されていても良い。
上記実施形態では、オイル排出管61は、ミッションケース103内にあるPTOクラッチ25に接続されるが、オイル排出管61は、ミッションケース103の外にある動力伝達部に接続されても良い。
本発明は、トラクタ以外の作業車両(例えば、田植機又はコンバイン等)に適用することもできる。
1 トラクタ(作業車両)
25 PTOクラッチ(動力伝達部)
25a PTOクラッチプレート
25b PTOクラッチケース
26 PTO変速機構(動力伝達部)
55 ローダ(作業機)
61 オイル排出管
70 PTOクラッチ取付部材
76 オイル経路
81 ニードルベアリング
103 ミッションケース
105 エンジン
108 フロア
120 油圧式変速装置
128 排出口

Claims (3)

  1. エンジンと、
    オイルが入れられているミッションケースと、
    オイルを排出する排出口が前記ミッションケースの基準オイルレベルより上方に形成されており、前記エンジンの動力を変速する油圧式変速装置と、
    前記排出口に接続されており、前記油圧式変速装置のオイルを前記ミッションケースへ排出する管状の部材であり、前記基準オイルレベルの上方から下方を経由し、当該基準オイルレベルより上方でオイルを排出するオイル排出管と、
    前記エンジンが発生させた動力を伝達する動力伝達部と、
    を備え、
    前記オイル排出管は、前記動力伝達部、又は、当該動力伝達部に接続されるオイル経路に接続されており、前記オイル排出管が排出するオイルは、前記ミッションケースに戻る前に、前記動力伝達部の潤滑に使用されることを特徴とする作業車両。
  2. 請求項に記載の作業車両であって、
    前記動力伝達部は、前記エンジンの動力を作業機へ伝達するか否かを切り替えるPTOクラッチであり、
    前記オイル排出管は、前記PTOクラッチを覆うPTOクラッチケースに接続されることを特徴とする作業車両。
  3. 請求項に記載の作業車両であって、
    前記動力伝達部は、前記エンジンの動力を作業機へ伝達するPTO軸を変速するPTO変速機構であり、
    前記オイル排出管が排出するオイルは、前記PTO変速機構の内部に配置されたニードルベアリングの潤滑に使用されることを特徴とする作業車両。
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