JP6538329B2 - 遮熱性セメント組成物 - Google Patents

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本発明は、遮熱性能を有し、特に舗装材として好適に用いることのできる遮熱性骨材を用いた遮熱性セメント組成物に関する。
歩道や自転車道等の路面に敷設される舗装材は、一般に、骨材、セメント及び顔料を材料として板状に成型したものが用いられているが、特に夏場の温度上昇によるヒートアイランド現象を和らげるために、遮熱材料や保水材を配合したものや、舗装材上に遮熱塗料を塗布したものや、比較的粗い骨材や多孔質骨材を用いて保水性や透水性を付与する等した遮熱性能を有する舗装材が注目され、数々の研究がなされている。
本出願人においては、特許文献1に示すように、白セメントと遮熱顔料と白骨材とが含有され、明度(L値)が30〜60であって日射反射率が40%以上であることを特徴とする遮熱性セメント組成物を提案している。
一方、舗装材の意匠性を高めるために、淡色の骨材と暗色の骨材とを混ぜて、いわゆる御影石調の舗装材が用いられている。色目が異なる骨材を用いる場合は、有色の骨材を用いる場合や、骨材の表面を着色する場合等がある。
例えば、後者としては、特許文献2には、塗料被覆層を有する骨材において、その塗料被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を含有した着色骨材が開示されている。また特許文献3には、着色剤が樹脂中に分散されている樹脂粒子からなるセメント着色用粒子が開示されている。
特開2012−206866号公報 特開2001−288384号公報 特開2004−91248号公報
ところで、舗装材として用いる場合は、人や自転車等の通行時に、靴や車輪との間で摩擦が生じるため、特許文献2に示すような着色骨材を用いると、塗料被覆層が摩擦により削れてしまい、内側の骨材が露出してしまい、性能の低下や外観不良が生じるおそれがある。また特許文献3に示すようなセメント着色用粒子においても、同様な性能の低下や外観不良が生じるおそれがある。
そこで本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性に優れた遮熱性能を有する暗色の遮熱性骨材を用いた遮熱性セメント組成物を提供するものである。
本発明に係る遮熱性セメント組成物は、無機材料からなる芯材の表面に白セメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されている遮熱性骨材同士が、暗色の遮熱顔料を含まないセメントによって接着されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る遮熱性セメント組成物は、無機材料からなる芯材の表面にセメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されている遮熱性骨材と、前記遮熱性骨材とは異なる骨材とを含み、前記遮熱性骨材と前記遮熱性骨材とは異なる骨材とが、前記暗色の遮熱顔料を含まないセメントによって接着されたことを特徴とするものである。
更に、本発明に係る遮熱性セメント組成物は、無機材料からなる芯材の表面に白セメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されている遮熱性骨材と、前記遮熱性骨材とは異なる骨材とを含み、前記遮熱性骨材と前記遮熱性骨材とは異なる骨材とが、前記暗色の遮熱顔料を含まない白セメントによって接着されたことを特徴とするものである
本発明に係る遮熱性セメント組成物に用いる遮熱性骨材によれば、芯材の表面にセメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されているので、遮熱性能を付与しつつ、耐摩耗性に優れたものとなる。
本発明において、前記セメントとして白セメントを用いることによって、遮熱性能をなるべく低下させずに、耐摩耗性に優れたものとなる。
本発明に係る遮熱性セメント組成物によれば、セメントを含む被覆層が形成された遮熱性骨材同士が、暗色の遮熱顔料を含まないセメントによって接着されているので、優れた耐摩耗性を有し、かつ、遮熱性能を発現させることができる。
また、本発明に係る遮熱性セメント組成物によれば、前記遮熱性骨材同士と、前記遮熱性骨材とは異なる骨材とを含み、前記遮熱性骨材と前記遮熱性骨材とは異なる骨材とが、前記暗色の遮熱顔料を含まないセメントによって接着されているので、優れた耐摩耗性を有し、かつ、遮熱性能を発現させるとともに、遮熱性骨材とは異なる骨材について、その配合割合、色調、種類等を適宜選択して、コストを含めて設計の自由度を高めることができる。
更に、本発明に係る遮熱性セメント組成物によれば、前記暗色の遮熱顔料を含まないセメントが白セメントであるので、遮熱性能をなるべく低下させずに、耐摩耗性に優れたものとなる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、具体的に説明する。
芯材は、舗装材に用いられることを考慮すると、一般には硬度の高い珪砂を好適に用いることができる。珪砂は、一般には花崗岩等の風化によって生じるものであって、石英(二酸化ケイ素)を主成分とするものである。芯材としては、前記珪砂に限られるものではなく、例えば、石灰石、砂利石、砕石、花崗岩、大理石等の自然石、陶磁器片、寒水石、ガラス破砕物、セラミック等が使用され、更にその粒径が0.3〜4mm程度のものを主に含むものが好適に使用される。
次に被覆層は、セメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆材を前記芯材の表面に被覆することによって形成されるものであって、すなわち、芯材の表面に前記被覆材による被覆層が形成されたものであって、遮熱顔料の遮熱性能を阻害せずに、芯材の表面に化学的又は物理的に結合するとともに、外側からの耐摩耗性に優れたものが好ましい。
また、前記被覆層は、芯材に対して部分的に被覆されていない場所が生じていると、そこを基点として被覆層が剥がれやすくなる可能性があり、また芯材の表面が露出することとなる。一方、被覆層が相対的に厚膜になると、一般には耐摩耗性が向上するが、その厚膜箇所の内部に含まれた遮熱性能を十分発現しない遮熱顔料が相対的に増えることとなる。したがって、被覆層は、芯材の表面に対して著しく剥がれやすい状態はなく、また芯材の表面が顕著に視認されるほどの非被覆箇所が生じない程度に該芯材の表面を被覆していればよい。更には、被覆層で芯材の表面全体を覆った形態が好ましく、該被覆層の膜厚としては、1μm〜1000μmの範囲が好ましく、更には2μm〜200μmの範囲が好ましく、更には2μm〜100μmの範囲が好ましい。
セメントとしては、例えば、白色のポルトランドセメント(以下、白セメントという。)を挙げることができる。白セメントは、一般にはJIS R5210に定める普通ポルトランドセメントにおいて、原料に含まれる酸化第二鉄等の鉄分を除去することにより、通常のポルトランドセメントより白色の程度を高めたセメントであり、通常、鉄分の含有量は0.2%程度である。白セメントの市販品としては、太平洋セメント株式会社製「ホワイトセメント」を挙げることができる。なお「ホワイトセメント」の白色の程度は、ハンター方式による白色度(JIS P8123に準拠)が90程度である。
またセメントとしては、遮熱性能を著しく低下させない範囲で、他の材料を用いてもよい。例えば、一般に用いられる普通ポルトランドセメント、高炉スラグ(JIS A5011−1)等を挙げることができる。前記高炉スラグは、普通ポルトランドセメントと共通する成分を多く含むものの、鉄分の含有量が少なく、白セメントに混練性しても日射反射率の低下が少ない。また、これらの材料から選択される1種類又は2種類以上を用いることができる。
遮熱顔料は、一般には、鉄クロム系材料、黒色酸化鉄材料、希土類酸化マンガンを含む材料等であって明度が50以下である比較的明度が低い材料が用いられる。一般に、日射反射率を高めるには明度(L値)を高め、すなわち淡色にすればよいが、これらの遮熱顔料は、比較的明度(L値)は低く、すなわち灰色又は黒っぽい暗色でありながら、高い日射反射率を示すものである。
遮熱顔料の市販品としては、大日精化工業株式会社製ダイピロキサイドカラーブラック「9581」、「9590」、「9596」、戸田工業株式会社製遮熱黒色顔料「HR−GB」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製遮熱顔料「42−707A」、「42−703A」、アサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「6350」、「6301」、石原産業株式会社「MTP−370」等を挙げることができる。
セメントと遮熱顔料との配合割合は特に限定されるものではないが、遮熱顔料は遮熱性能を付与するのみでなく、本発明に係る遮熱性骨材の明度を調整するための顔料でもあるため、遮熱顔料が少なすぎるとセメントに隠蔽されて明度が高くなりすぎるおそれがある。一方、遮熱顔料の配合割合が多すぎるとセメントが持っている芯材と接着する性能を阻害するおそれがある。したがって、配合割合としては、セメントの配合量に対して、遮熱顔料の配合割合は、0.1〜10.0重量%が好ましい。
本発明に係る遮熱性骨材は、芯材、セメント及び遮熱顔料に必要に応じて他の材料を加え、更に水を加えて混練し、次に、芯材の表面に必要以上の厚さの被覆層が形成されないようにするために、ふるい振とう器による振とう処理を行い、更に適時期間養生することによって完成する。なお混練させやすくするために混和剤等を添加してもよい。
本発明に係る遮熱性セメント組成物は、前記遮熱性骨材を用いたものであり、これに前記遮熱性骨材とは異なる骨材であって、遮熱性能を著しく阻害しない骨材を含むものでもよい。
前記遮熱性骨材とは異なる骨材としては、一般には、日射反射率が高い淡色の骨材が用いられ、例えば、石灰石(炭酸カルシウム)が好適に用いられるが、その他に、タルク、石英、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を主成分とする遮熱性骨材や粉状材料から選択される1種類又は2種類以上を用いることができ、その粒径が0.5〜3mm程度のものを主に含むものが使用される。前記石灰石(炭酸カルシウム)は、硬度が比較的低いため、混練器等の製造設備との接触面に摩耗や擦傷が生じにくく、また比較的安価で粒度を揃えやすいので好適に用いることができる。なお、意匠性を向上させるために、黒雲母等の有色鉱物が含まれており無色又は白色鉱物を主成分とした材料、例えば、御影石の砕石を用いてもよい。
本発明に係る遮熱性セメント組成物は、遮熱性骨材、遮熱性骨材とは異なる骨材として例えば明度が高い淡色や白色の骨材、これらを接着するための接着材、必要に応じて他の材料を加え、これに水を加えて混練した後、振動プレスによって成型し、更に適時期間養生することによって完成する。なお混練させやすくするために混和剤等を添加してもよい。
前記接着材としては、セメントが用いられ、具体的には白セメントを挙げることができる。更に接着材として、遮熱性骨材に用いられるセメントと同じものを用いれば、遮熱性骨材同士を接着させやすくなる。すなわち、またセメントは硬化後に硬度が高くなるため、舗装材として用いる場合に、人や自転車等の通行による摩擦が生じても容易には削られず耐摩耗性に優れたものとなって好適に用いることができる。また接着材として用いるセメントに前記暗色の遮熱顔料が含まれないようにすることによって、前記遮熱顔料を不必要に用いることなく、遮熱性能を発現することができる。
また本発明に係る遮熱性セメント組成物の他の実施形態としては、ブロック成型時にまず下地用のブロックを成型し、その上に遮熱性セメント組成物を一体に積層したものがあげられる。遮熱性セメント組成物の形状は、舗装材としての舗装材に用いる場合は、一般には板状であり、幅寸法及び奥行き寸法がいずれも10〜500mmであり、厚さ寸法が5〜100mmである。なおブロック塀等に用いられるいわゆるコンクリートブロック状に成形して用いてもよい。
次に本発明に係る遮熱性骨材について、実施例に基づいて説明する。
参考例1
芯材として珪砂、セメントとして太平洋セメント株式会社製「ホワイトセメント」、遮熱顔料としてアサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「Black6350」、水、及び混和剤を表1に示す配合割合で混練し、ふるいを通して乾燥し、更に養生して得られた粒状物を参考例1とした。
Figure 0006538329
〔反射率測定試験〕
作成した粒状物を石英セル(奥行12mm×幅24mm×高さ40mm)に詰めて、JIS K5602(塗膜の日射反射率の求め方)に準じて、分解能1nmの島津製作所株式会社製自記分光光度計「UV−3150」を用いて、近赤外域(波長:780〜2600nm)での分光反射率を測定し、この測定値における、JIS K5602の表1の「基準太陽光の重価係数」に記載された各波長における「重価係数」から、JIS K5602の「8 日射反射率の求め方」に記載された数式より反射率が算出され、算出された当該反射率を表2の「反射率(%)」の欄に示した。なお、前記測定試験においては、標準白色板としてJIS K5602に規定されたふっ素樹脂系標準白色板に換えて硫酸バリウムからなる白色板を用いた。
〔明度測定試験〕
作成した粒状物を石英セル(奥行12mm×幅24mm×高さ40mm)に詰めて、日本電色工業株式会社製測色試験器「SE−2000」を用いて、JIS Z8722(色の測定方法)基づき、分光反射率係数を測定し、JIS K8701に規定する三刺激値を求め、これからJIS K7105に基づいてL*値を算出し、その値を明度(L値)とし、その結果を表2の「明度(L値)」の欄に示した。
Figure 0006538329
〔比較例1〕
芯材として珪砂、セメントの代わりにアクリル樹脂エマルジョン、遮熱顔料としてアサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「Black6350」を表1に示す配合割合で混練し、ふるいを通して乾燥し、更に養生して得られた粒状物を比較例1とした。そして参考例1と同様に反射率測定試験、明度測定試験を実施した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例1に対して、アクリル樹脂の変わりに白セメントを配合した参考例1は、反射率、明度ともに高い値となった。また、比較的高価な遮熱顔料の使用量を比較すると、参考例1の方がその使用量がかなり少なく、効率的に遮熱性能を発現できることが分かった。
次に本発明に係る遮熱性セメント組成物について、実施例に基づいて説明する。
〔実施例2〕
参考例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材としてのセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表3に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を実施例2とした。
Figure 0006538329
〔耐摩耗性評価試験(外観評価)〕
作成した試験片を、JIS K7204に準拠する耐摩耗性試験(荷重:4.9N、回転速度:60rpm、回転数:200回転、摩耗輪の種類:H−22)によって、その後の表面状態を確認した。白化が視認される場合を「×」、白化が視認されずにほとんど変化していない場合を「○」とし、その結果を表4の「耐摩耗性」の欄に示した。
Figure 0006538329
〔比較例2〕
比較例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材としてのセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表3に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を比較例2とした。そして実施例2と同様に耐摩耗性評価試験(外観評価)を実施した。その結果を表4に示す。
また表4に示すように、耐摩耗性評価試験において白化が認められた比較例2に対して、実施例2は白化等の異常は認められなかった。これは、比較例2では、粒状物の表面の被覆層が剥がれて芯材の表面が露出したのに対して、実施例2では、粒状物の被覆層に用いた白セメントによって形成された被覆層の方が硬度は高く、また層厚も厚く形成されたため当該試験後も被覆層が残存しているものと考えられる。
更に、実施例2、比較例2の試験片における粒状物の表面は白っぽくなっていた。これは、バインダーとして用いた白セメントのカルシウム成分等の析出物が原因と思われる。一方、耐摩耗性評価試験後は、実施例2の試験片に係る粒状物の表面は前記白っぽさがなくなって、黒味が増しているように観察された。これは、表面の析出物が耐摩耗性評価試験によって削られて、その下にある粒状物の被覆層が現れ、この被覆層の層が前記試験後も残っているためと考えられる。
〔実施例3〕
参考例1の粒状物、接着材のセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を実施例3とした。
〔耐摩耗性評価試験(重量減少率)〕
作成した実施例3の試験片を、JIS K7204に準拠する耐摩耗性試験(荷重:4.9N、回転速度:60rpm、回転数:200回転、摩耗輪の種類:H−22)を実施した。そして、試験前後での重量減少量(単位:g)を試験前の重量(単位:g)で除した値の百分率を「重量減少率」(単位:%)とし、その結果を表6の「重量減少率(%)」の欄に示した。
〔耐摩耗性評価試験(外観変化度合い)〕
作成した実施例3の試験片の前記耐摩耗性試験後、摩耗輪が通過した箇所において、粒状物が位置している付近について試験前後に、日本電色工業株式会社製測色試験器「SE−2000」を用いて、JIS Z8722(色の測定方法)基づき、分光反射率係数を測定し、JIS K8701に規定する三刺激値を求め、これからJIS K7105に基づいてL*値を算出してその値を明度(L値)とし、試験後と試験前との明度の値の差を明度差(ΔL)とし、その結果を表6の「明度差(ΔL)」の欄に示した。なお、粒状物の芯材は珪砂であるので、粒状物の被覆層が摩耗して珪砂の表面が露出すると明度が高くなることとなり、明度差(ΔL)は大きくなる。
〔実施例4〕
参考例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材として白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を実施例4とした。そして実施例3と同様に耐摩耗性評価試験(重量減少率、外観変化度合い)を実施した。その結果を表6に示す。
〔実施例5〕
参考例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材のセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を実施例5とした。そして実施例3と同様に耐摩耗性評価試験(重量減少率、外観変化度合い)を実施した。その結果を表6に示す。
〔比較例3〕
比較例1の粒状物、接着材のセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を比較例3とした。そして実施例3と同様に耐摩耗性評価試験(重量減少率、外観変化度合い)を実施した。その結果を表6に示す。
〔比較例4〕
比較例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材のセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を比較例4とした。そして実施例3と同様に耐摩耗性評価試験(重量減少率、外観変化度合い)を実施した。その結果を表6に示す。
〔比較例5〕
比較例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材のセメントとして白セメント、これに水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を比較例5とした。そして実施例3と同様に耐摩耗性評価試験(重量減少率、外観変化度合い)を実施した。その結果を表6に示す。
Figure 0006538329
Figure 0006538329
表6に示すように、粒状物の被覆層において白セメントを用いた実施例3は、白セメントの替わりにアクリル樹脂を用いた比較例3と比べて、重量減少率及び外観変化度合いについて小さい値となった。同様に、実施例4、実施例5についても、それぞれ比較例4、比較例5と比べて、重量減少率及び外観変化度合いについて小さい値となった。これは、比較例3〜5では、遮熱性セメント組成物における粒状物の表面の被覆層が剥がれて芯材の表面が露出したのに対して、実施例3〜5では、粒状物の被覆層に用いた白セメントによって形成された被覆層の方が硬度は高く、被覆層が残存しているものと考えられる。したがって、実施例3〜5に係る遮熱性セメント組成物を歩道等に敷設した際、人や自転車等の通行による摩擦が生じても容易には削られず耐摩耗性に優れており、遮熱性能も長期間保持できる。加えて、実施例4、実施例5のような粒状物と石灰石による石目調の外観となる遮熱性セメント組成物においては、その意匠性も長期間保持することができると考えられる。
〔ランプ照射試験〕
作成した実施例3の試験片について、遮熱性舗装技術研究会が規定する「遮熱性舗装室内照射試験法」に準拠して、東芝ライテック株式会社製ビームランプ「BRF110V/150W」を所定の時間照射し、その時の表面温度を測定した。なお基準試験片として、アスファルト舗装した道路から一部を切り出したものを用い、この基準試験片に当該ランプ照射試験を実施して、表面温度が23℃から60℃となるまでの時間を照射時間Tとした。すなわち、実施例3の試験片の当初の表面温度を23℃とし、これに前記ビームランプを照射し、照射時間T後における当該試験片の表面温度を測定し、基準試験片の差を温度上昇の抑制効果として表7の「温度上昇の抑制効果(℃)」の欄に示した。表7の「温度上昇の抑制効果(℃)」の欄において、温度上昇の抑制効果は、負の値であれば、基準試験片より表面温度が低くて温度上昇の抑制効果が認められ、正の値であれば、基準試験片より表面温度が高くて温度上昇の抑制効果が認められないことを示している。
前記反射率測定試験において、粒状物を石英セル(奥行12mm×幅24mm×高さ40mm)に詰める替わりに、作成した実施例3の試験片を用いて分光反射率を測定し、算出された反射率を表7の「反射率(%)」の欄に示した。
前記実施例4の試験片について、実施例3と同様にランプ照射試験、反射率測定試験を実施した。その結果を表7に示す。
前記実施例5の試験片について、実施例3と同様にランプ照射試験、反射率測定試験を実施した。その結果を表7に示す。
参考例3
参考例1において、被覆層に用いるセメントとして、白セメントの替わりにポルトランドセメント(品名:普通ポルトランドセメント、宇部三菱セメント株式会社製)を用い、同様な方法で粒状物を作成した。この粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材として白セメント、水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を参考例3とした。実施例3と同様にランプ照射試験、反射率測定試験を実施した。その結果を表7に示す。
参考例2
参考例1の粒状物、遮熱性骨材とは異なる骨材として石灰石、接着材のセメントとしてポルトランドセメント、水、混和剤を表5に示す配合割合で混練した後、振動プレスによって直径約10cmの円盤状に成型し、更に適時期間養生後、中央に直径7.0mmの孔を空け、厚み10mmに切り出し作成した試験片を参考例2とした。そして、実施例3と同様にランプ照射試験、反射率測定試験を実施した。その結果を表7に示す。
Figure 0006538329
表7に示すように、粒状物の被覆層に含まれるセメントとして白セメントを用いた参考例2、接着材のセメントとして白セメントを用いた参考例3、前記セメントのいずれにも白セメントを用いた実施例3、実施例4、実施例5は、温度上昇の抑制効果が認められた。このうち、実施例4の温度上昇の抑制効果は−9.1℃、実施例5の温度上昇の抑制効果は−9.5℃はとなって、非常に大きな温度低下効果が認められた。
本発明に係る遮熱性骨材、及び遮熱性セメント組成物によれば、遮熱性能を維持しつつ、高い耐摩耗性を保持させることができるので、人や自転車等が通行する歩道や通路に敷設する舗装材おいて好適に利用することができる。更に、遮熱性セメント組成物において、遮熱性骨材とは異なる骨材として淡色や白系の骨材と組み合わせて用いることによって、いわゆる御影石調の外観を呈する舗装材としても利用することができる。

Claims (2)

  1. 無機材料からなる芯材の表面に白セメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されている遮熱性骨材同士が、前記暗色の遮熱顔料を含まない白セメントによって接着されたことを特徴とする遮熱性セメント組成物。
  2. 無機材料からなる芯材の表面に白セメントと暗色の遮熱顔料とを含む被覆層が形成されている遮熱性骨材と、前記遮熱性骨材とは異なる骨材とを含み、前記遮熱性骨材と前記遮熱性骨材とは異なる骨材とが、前記暗色の遮熱顔料を含まない白セメントによって接着されたことを特徴とする遮熱性セメント組成物。
JP2014229670A 2014-03-28 2014-11-12 遮熱性セメント組成物 Active JP6538329B2 (ja)

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