JP3213032U - 遮熱性舗装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮熱効果を向上させた遮熱性舗装体を提供する。【解決手段】アスファルト又はコンクリートからなる基層と、前記基層の上層に、遮熱骨材粒子をバインダーにより固着した骨材層と、前記骨材層の表面に遮熱用樹脂組成物含むトップコート層と、を有する遮熱性舗装体であって、前記遮熱骨材粒子が、カラー骨材粒子であって、その明度L*値をx、波長780〜2500nmの近赤外領域における日射反射率をy(%)、としたとき、次の関係式(1)および関係式(2)y ≧ 1.07x−12.0 …(1)73 ≦ x ≦ 95 …(2)を満たす遮熱性舗装体10。【選択図】図1

Description

本考案は、遮熱性能の良好な遮熱性舗装体に関する。
アスファルト舗装道路の遮熱機能は、都市のヒートアイランド現象低減の目的で注目され、近年発展している。そのほとんどは旧来から知られている遮熱塗装体であり、舗装アスファルト面へ遮熱塗料を直接吹き付けて遮熱性を付与した舗装体構造とする(例えば、特許文献1〜4参照)。
従来のアスファルト舗装道路は、太陽光に晒さされると路面温度が上昇しやすい。路面温度が上昇すると、路面上を走行する車両の重さやブレーキ等でかかる荷重により、路面に轍が形成され、舗装体の寿命が短くなってしまう場合がある。
この対策としては、路面温度の上昇を抑制してアスファルトの軟化を抑制することが考えられる。従来から、ヒートアイランド現象を抑制するために舗装体の表層を太陽反射材が混入された遮熱性アスファルト混合物で構成した舗装体(例えば、特許文献5参照)、熱伝導性の良好な繊維材料を配合した舗装体(例えば、特許文献6参照)、遮熱性セラミック真空球体配合の硬質骨材と該骨材を用いた舗装体(例えば、特許文献7参照)等が知られている。
特許第4118090号公報 特開2004−251108号公報 特許第4401171号公報 国際公開第2014/077332号 特開2004−176250号公報 特開2007−262805号公報 特開2006−144369号公報
しかしながら、遮熱塗料は本質的に樹脂膜であるため強度が弱く、道路表面に設置した場合、車両通行等による外力を不断に受け、さらにアスファルト舗装そのものが剛体ではないため生じる変形力を受け、容易に破損あるいは滅損してしまう。損耗形態のうち、滅損に関しては樹脂中に硬質セラミックス粉体を配合することにより耐摩耗性を改良する技術もあるが、樹脂そのものが割れてしまい破損脱落してしまう問題は残る。
また、舗装体の施工時に適用される骨材は、明度と日射反射率の特性に相関性を有していることが知られている。すなわち白色であれば日射反射率は高い。
道路表面には車線区分や停止線標示のために白色ライン標示材があり、交通安全のためにも白色ラインとの識別性が求められるために、実際には遮熱舗装面を白色にすることはできない背景がある。そのため、骨材粒子の明度に対して日射反射率の上限には一定の限界があった。したがって、舗装体の施工において使用する骨材によって、付与できる遮熱性にも限界があった。
そこで、本考案は、強度の低い遮熱塗料をアスファルト面へ直接塗布するのではなく、遮熱効果を向上させ、舗装体に良好な遮熱性を付与できる骨材粒子を含有する骨材層を有し、遮熱効果を向上させた遮熱性舗装体の提供を目的とする。
本考案の遮熱性舗装体は、アスファルト又はコンクリートからなる基層と、前記基層の上層に、遮熱骨材粒子をバインダーにより固着した骨材層と、前記骨材層の表面に遮熱用樹脂組成物を含むトップコート層と、を有する遮熱性舗装体であって、前記遮熱骨材粒子が、カラー骨材粒子であって、その明度L値をx、波長780〜2500nmの近赤外領域における日射反射率をy(%)、としたとき、次の関係式(1)および関係式(2)
y ≧ 1.07x−12.0 …(1)
73 ≦ x ≦ 95 …(2)
を満たすことを特徴とする。
本考案の遮熱性舗装体は、基層の上層に、遮熱性の良好な骨材粒子を含有する骨材層を形成しているため、基層の温度の上昇を抑制することができる。また、骨材層は強度が従来の遮熱塗料に比べ高いため、荷重の負荷等による基層の損傷をも抑制でき、舗装体自体の寿命を長くできる。
上記のように、本考案は、従来のような強度の低い遮熱塗料をアスファルト面へ直接塗布するのではなく、遮熱能力を有する強度の高い骨材粒子を含有する骨材層をアスファルト舗装面へ設けることで遮熱効果を有する舗装体構造が得られる。その施工法については、遮熱機能を目的としていないカラーすべり止め舗装分野で広く用いられる工法に準拠すればよく、このようにすることで外力がセラミックス製の骨材粒子に加わる構造となるため、長期間の耐久力が得られる。
また、このようにして得られた舗装体は、アスファルト変形を防ぐためにアスファルト自身の温度上昇を高度に抑える必要があるケースにも適している。たとえば、高架道路鋼板上に使用されるグースアスファルトの変形防止にも効果的である。
本考案の遮熱性舗装体の概略構造を説明するための図である。 参考例に示した遮熱性骨材の明度Lと日射反射率との関係を示したグラフである。
以下、本考案の遮熱性舗装体について、必要に応じて図面を参照しながら詳細に説明する。
[遮熱性舗装体]
本考案の遮熱性舗装体は、アスファルト又はコンクリートからなる基層と、該基層の上層に、遮熱骨材粒子をバインダーにより固着した骨材層と、該骨材層の表面に遮熱用樹脂組成物を含むトップコート層と、を有してなるものである。
この遮熱性舗装体の一例を図1に示した。図1に示した遮熱性舗装体10は、基層11と、基層11の上層に、骨材粒子12aをバインダー12bにより固着した骨材層12と、トップコート層13と、を有して構成されている。以下、図1の遮熱性舗装体を参照しながら、各構成要素について説明する。
<基層>
基層11は、従来の舗装体における基層として公知のものが挙げられ、アスファルト又はコンクリートから形成される基層である。より具体的には、アスファルトからなる基層としては、密粒度アスファルト混合物、細粒度アスファルト混合物、ポーラスアスファルト混合物、改質アスファルト混合物、グースアスファルト混合物等から形成されるものが挙げられる。また、コンクリートからなる基層としては、普通コンクリート、早強コンクリート、舗装用コンクリート等が挙げられる。これらのコンクリートは、セメント、骨材、水を混合して得られる他に、混和剤など種々の機能性物質を含んでもよい。
なお、この基層11は、上記基層を形成する材料を複数種積層して形成してもよい。例えば、グースアスファルトを基層の下部として、また、その上に改質アスファルトコンクリートを基層の上部として形成した2層構造のもの等、各種のオーバーレイ構造が挙げられる。
そして、これらの基層11には、その上層(表面層)として舗装体の表面に露出する骨材層12を形成する。
<骨材層>
骨材層12は、上記基層11の上層として、かつ、舗装体の表層として設けられるものである。この骨材層12は、基層11の上面に樹脂バインダー12bを介して遮熱骨材粒子12aが固着されてなるものである。この骨材層12は、基層11の上面に樹脂バインダー12bを塗布した後、遮熱骨材粒子12aを散布し、樹脂バインダー12bを固化させて容易に得ることができる。
〈遮熱骨材粒子〉
ここで用いる遮熱骨材粒子12aとしては、カラー骨材であって、その日射反射率をy、明度L値をxとしたとき、次の式(1)および式(2)
y ≧ 1.07x−12.0 …(1)
73 ≦ x ≦ 95 …(2)
を満たすものである。
骨材粒子としては、日射反射率と明度Lとがある程度相関し、比例関係にあることは分かっている。これに対して、本考案においては、同等の明度Lを有する骨材粒子の中でも比較的高い日射反射率を示し、遮熱性が良好な骨材粒子である。
すなわち、従来所定の用途に使用される骨材粒子として、見た目の印象は同等でありながら、遮熱効果のより優れたものが得られるため、例えば、舗装体の表面に上記骨材粒子を散布して固着させた骨材層を形成することで、遮熱効果の良好な舗装体を得ることができる。
ここで、本明細書における日射反射率は、特に断りのない限り、JIS K 5602に規定される分光反射率の測定及び計算方法を使用して算出した、近赤外域(780〜2500nm)の領域における日射反射率である。ただし、この遮熱骨材粒子は粒子であるため、本明細書における日射反射率の測定サンプルとしては、JIS規定の塗膜とは異なり、遮熱骨材粒子を粉砕して乾式プレスして形成した板形状のものを使用する。
また、近赤外域における日射反射率を考慮することは、遮熱性(蓄熱への影響)を評価するのに有効なものである。ここで、近赤外域における日射反射率は、80%以上が好ましく、90〜99%がより好ましい。
この遮熱骨材粒子のL値は、80〜95の範囲であり、82〜92がより好ましい。このL値の範囲は、本考案の遮熱性舗装体として遮熱性及び明るさ等を考慮して実用的な範囲を定めたものである。
また、この遮熱骨材粒子はカラー骨材粒子であり、本明細書でカラー骨材粒子とは黒色を除いた、珪石、長石、陶石等を顔料とともに約1300℃以上で焼成した着色磁器質骨材の粒子である。このカラー骨材粒子の色調は、灰白、濃灰などの灰色、赤色、青色、緑色、黄色等の種々の色調を選択できる。
このカラー骨材粒子の色調を色度で表せば、色度aが−5.0〜15.0、bが −6.0〜12の範囲が好ましく、aが−3.0〜12、bが−4.0〜8.0の範囲がより好ましい。
道路表面には車線区分や停止線標示のために白色ライン標示材があり、交通安全のためにも白色ラインとの識別性が求められるために、実際には遮熱舗装面を白色にすることはできない。また、近年では、道路の交通区分を区別し易くするために色調を変えて舗装することも行われるようになってきている。本考案では、上記のように種々の色調を有するカラー骨材を用いることで、舗装体自体の色調を調整可能とするとともに、骨材粒子の日射反射率を所定の範囲のものとすることで、良好な遮熱性の付与を可能としている。
ここで、本明細書におけるa、b、L値は、CIE 1976 L色空間により定まる明度指数である。このCIE 1976 L色空間は、CIE(国際照明委員会)が1976年に推奨した色空間であり、Lが明度を、a、bが色度となる色相、彩度を表し、現在、様々な分野で広く使用されている。ただし、本考案の骨材粒子は粒子であるため、本明細書における明度Lの測定サンプルとしては、特に断らない限り、遮熱骨材粒子を粉砕して乾式プレスして形成した板形状のものを使用する。
そして、本考案の遮熱骨材粒子は、その化学成分として、Alを5〜70質量%、SiOを15〜75質量%、を含み、AlとSiOとの合量が75質量%以上であることが好ましい。これら化学成分について説明する。なお、以下、本明細書においては、「質量%」を単に『%』と略して示す。なお、本明細書において、遮熱骨材粒子の各成分の含有量は、骨材粒子中に存在する各成分が、表示された酸化物として存在するものとした場合の換算含有量を示す。例えば「Feを0.001〜5%含有する」とは、骨材粒子中に存在するFeが、すべてFeの形で存在するものとした場合のFe含有量、すなわちFeのFe換算含有量が0.001〜5%であることを意味するものである。
Alはアルミナ結晶により骨材粒子の骨格を形成する成分である。骨材粒子中のAlの含有量は5〜70%であり、5〜50%が好ましく、10〜45%がより好ましい。この含有量が5%未満であると骨材強度が弱く、また70%を超えると低温焼結しにくくなってしまう。
また、SiOはムライト構造となって存在またはアルミナ結晶を埋める非晶質組織の成分であり、これを含有すると、粉砕過程の不規則な割れが減少する。骨材粒子中のSiOの含有量は15〜75%であり、25〜75%が好ましく、35〜70%がより好ましい。この含有量が15%未満であると低温焼結しにくくなり、また75%を超えると骨材強度が弱くなってしまう。
ここで、AlとSiOの合量(Al+SiO)は、80質量%以上とすることが好ましく、85質量%以上とすることがより好ましく、90質量%以上とすることがさらに好ましい。このような範囲とすることで、低温焼結が可能で、かつ、骨材強度が良好な骨材粒子が得られる。
この骨材粒子において、Feは着色を生じさせる成分であり、この成分を含有すると上記L値が低下する傾向にある。そのため、Feは、骨材粒子中にできるだけ含まない方がよく、Feの含有量は0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であるとより好ましく、0.1%以下であるとさらに好ましい。
この骨材粒子において、遷移金属元素の酸化物は着色を生じさせる成分であり、これら全ての遷移金属元素の酸化物の含有量の合量(Fe成分を含む)が1.0%以下であるとさらに好ましく、全ての遷移金属酸化物の含有量の合量(Fe成分を含む)が0.5%以下であると特に好ましい。Fe以外の遷移金属元素の酸化物としては、TiO、MnO、Co、NiO、CuO、ZnOが具体的なものとして挙げられる。
また、遮熱骨材粒子の平均粒径D50は、0.1μm〜10mmの範囲であることが好ましく、0.5mm〜5mmの範囲がより好ましい。なお、本明細書で記載する平均粒径D50は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%の粒径を表す。
〈樹脂バインダー〉
ここで使用する樹脂バインダー12bとしては、骨材粒子を固定するために用いられる公知の樹脂バインダーが挙げられ、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メチルメタクリレート樹脂(MMA樹脂)、等が挙げられる。
樹脂バインダー12bを基層11に塗布するにあたって、基層11とのなじみを良くするために、プライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、公知のプライマー層が使用でき、例えば、ウレタン変性メタクリル系樹脂等が挙げられる。
さらに、樹脂バインダー12bには、その遮熱性能を向上させるために、第1の遮熱微粒子を含有させてもよい。この第1の遮熱微粒子としては、白色顔料の粒子が挙げられ、例えば、酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化亜鉛粒子等が挙げられる。ここで用いる第1の遮熱微粒子は、その粒径D50が0.1〜30μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。なお、本明細書における顔料の粒径D50は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%での粒径を表す。
このような骨材層12を舗装体の表層に設けることで、太陽光等に晒された場合においても、基層11の温度上昇を抑制でき、基層11の強度の低下や荷重がかかること等による変形を抑制することができる。
この遮熱性舗装体10は、必要に応じて基層11の表面にプライマーを塗布し、基層11の表面に遮熱骨材粒子12aを固着させるための樹脂バインダー12bを塗布する。樹脂バインダー12bは、塗装機を用いて均一な膜厚になるように塗布することが好ましい。この樹脂バインダー12bの膜厚は、骨材粒子12aの1/2〜1/3が埋没する程度が好ましい。
次に、樹脂バインダー12b上に、遮熱骨材粒子12aを散布する。遮熱骨材粒子12aの散布は、樹脂バインダー12bの塗布後、速やかに行うことが好ましい。時間が経過すると樹脂バインダー12bの固化が進み、固着力が低下してしまう。また、遮熱骨材粒子12aの散布量は、1平方メートル当たり2〜8kgが好ましく、1平方メートル当たり6〜7kgであることが特に好ましい。
遮熱骨材粒子12aの散布が終わったら、養生し、樹脂バインダー12bを十分に硬化させる。この硬化により、遮熱骨材粒子12aが遮熱性舗装体10の表面に固着され、骨材層12が形成される。この骨材層12により、遮熱性舗装体10に良好な遮熱性を付与できる。
<トップコート層>
トップコート層13は、舗装体の表層に設ける遮熱特性を有する公知のトップコート層であれば特に限定されることなく適用できる。ここでトップコート層13を形成する樹脂としては、MMA樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
このトップコート層13は、トップコート形成用の塗料を、上記骨材層12を被覆するように塗布し、乾燥させることで形成できる。ここで用いるトップコート形成用の塗料としては、水性塗料でも油性塗料でもよく、その塗膜となる樹脂組成物に応じて適宜選択する。
このときトップコート層13には、その遮熱性能を向上させるために、第2の遮熱微粒子を含有させた遮熱型トップコート層を用いてもよい。この第2の遮熱微粒子としては、白色顔料の粒子が挙げられ、例えば、酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化亜鉛粒子等が挙げられる。ここで用いる第2の遮熱微粒子は、その平均粒径が0.1〜30μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。このように最表面に骨材粒子を存在させることで、遮熱性が良好で、温度上昇を有効に抑制した舗装体が得られる。
第2の遮熱微粒子を含有させるには、トップコート層用の樹脂を塗布してから第2の遮熱微粒子を散布してトップコート層13としてもよいし、トップコート層用の樹脂組成物に予め第2の遮熱微粒子を含有、分散させて遮熱粒子含有樹脂組成物としておき、この遮熱微粒子含有樹脂組成物を骨材層12の上に塗布してトップコート層13としてもよい。
以下に、本考案を参考例、実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本考案はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。
(参考例)
<硬質骨材>
灰色系および赤色系の硬質骨材について、遮熱性能に関する評価を下記の項目について実施した。評価に供した硬質骨材の一覧を表1に、遮熱性能に関する評価を表2に示す。硬質骨材1〜3は灰色系の硬質骨材、硬質骨材4〜8は赤色系の硬質骨材である。また、硬質骨材2〜3は同一品種であるが色度の際が大きい2つのロットを、硬質骨材4〜7は同一品種であるが色度の差異が大きい4つのロットを、それぞれ抽出した。
Figure 0003213032
[硬質骨材の日射反射率]
上記硬質骨材をメノウのすり鉢で粉砕して粉体状にし、30トンのプレス圧を加え乾式プレス成形して直径40mm×厚さ4mmの円板状の試験用成形体を得た。この試験用成形体について、JIS K 5602に準じ、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:U−4100)により波長300〜2500nmの間について分光反射率スペクトルを測定して基準太陽光の重価係数を用いることで日射反射率を算出した。
さらに、波長780〜2500nmの間についてのみ基準太陽光の重価係数を用いて近赤外領域における日射反射率を算出した。
[硬質骨材の色度]
硬質骨材の日射反射率測定の際に測定した分光反射率スペクトルより、色度(CIE 1976 L色空間におけるL、a、b値)をそれぞれ算出した。この測定は上記の日射反射率の測定と同時に行った。
[硬質骨材による路面温度低減効果]
以下の方法により作製した骨材評価用舗装体の路面低減温度が−6℃以下(負の値が大きくなる方向を含む)となる骨材評価用舗装体に用いた骨材について、遮熱性が良好(○)であり、それ以外を×と判定した。なお、この骨材評価用舗装体では、樹脂系バインダーへの遮熱顔料の添加とトップコートの塗布を行っていない。
〈骨材評価用舗装体の作製〉
直径10cm、高さ5cmの円柱形状の密粒アスファルト舗装試験体上に、所定の割合で2液混合させた2液硬化型エポキシ樹脂系バインダー(日進化成社製、商品名:タイストップ、所定混合重量比:主剤/硬化剤=48:52)を14.9g(1mあたり1.9kg)計量し、均一の厚みとなるように塗り広げた。バインダー塗布後直ちに、51.0gの硬質骨材(1mあたり6.5kg)を計量し、バインダー塗布面上に散布した。その後室温で24時間養生させた後、金属ブラシを用いて接着していない余剰骨材をこすり落とすことで骨材評価用舗装体を得た。
〈骨材評価用舗装体に対する路面温度低減効果の評価〉
東京都建設局発行の遮熱性舗装(車道) 設計・施工要領(案)(平成26年4月)に記載された室内照射試験法に従い、骨材評価用舗装体について路面低減温度の測定を行った。路面低減温度は測定用供試体へ3時間ランプ照射した後の(供試体の表面温度)−(基準供試体の表面温度、60℃となるよう照射条件調整)で表され、負の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が低く、温度上昇の抑制効果が認められ、正の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が高く、温度上昇の抑制効果が認められないことを示している。
表2に硬質骨材の評価結果をまとめて示した。また、図2にこれら骨材粒子の明度Lと近赤外領域における日射反射率との関係を示した。近赤外領域における日射反射率(%)をy、明度Lをxとしたとき、y=1.07x−12.0を境界とし、それ以上の日射反射率(%)を有するものを遮熱性の良好な骨材粒子として、本考案に用いる遮熱骨材粒子とした。
Figure 0003213032
[トップコートの調製]
(調製例1)
灰色系トップコート(日進化成社製、商品名:カラーマックスNクール、酸化チタン含有量:5質量%)100質量部に対して、硬質セラミックス粉体(AGCセラミックス社製、商品名:タフクーレ)30質量部を混合し、遮熱型トップコート1を得た。
(調製例2)
灰色系トップコート(日進化成社製、商品名:カラーマックスNクール、酸化チタン含有量:5質量%)を遮熱型トップコート2とした。
(調製例3)
灰色系トップコート(アトミクス社製、商品名:ハードカラーEM速乾 遮熱N−40、酸化チタン含有量:1質量%)を遮熱型トップコート3とした。
(調製例4)
赤色系トップコート(日進化成社製、商品名:カラーマックスNクール ベンガラ、酸化チタン含有量:5質量%)100質量部に対して酸化チタン(石原産業社製、商品名:PFR−404)20質量部を混合し、遮熱型トップコート4(酸化チタン含有量:20.8%)を得た。
(調製例5)
赤色系トップコート(アトミクス社製、商品名:ハードカラーEPOトップ 遮熱レンガ、酸化チタン含有量:1質量%)100質量部に対して酸化チタン(石原産業社製、商品名:PFR−404)10質量部を混合し、遮熱型トップコート5(酸化チタン含有量:10%)を得た。
[遮熱型樹脂系バインダーの調製]
(調整例6)
2液硬化型のエポキシ樹脂系バインダー(日進化成社製、商品名:タイストップ)主剤48質量部に対して酸化チタン(石原産業社製、商品名:PFR−404)3質量部を混合し、さらにエポキシ樹脂系バインダー(日進化成社製、商品名:タイストップ)硬化剤52質量部を混合し、遮熱型樹脂系バインダーを得た。
[舗装体の作製]
(例1)
直径10cm、高さ5cmの円柱形状の密粒アスファルト舗装試験体上に、調製例6で得られた遮熱型樹脂系バインダーを14.9g(1mあたり1.9kg)計量し、均一の厚みとなるように塗り広げた。バインダー塗布後直ちに、51.0gの硬質骨材1(1mあたり6.5kg)を計量し、バインダー塗布面上に散布した。その後室温で24時間養生させた後、金属ブラシを用いて接着していない余剰骨材をこすり落とした。
得られた舗装体表面に塗装用ローラーを用いて遮熱トップコート1の100重量部に対して10質量部の水を加えて希釈混合した塗布液を3.1g(1mあたり0.4kg/m)となるよう塗布し、1晩室温で乾燥させることで舗装体1を得た。
(例2)
硬質骨材として硬質骨材2を、トップコートとして遮熱トップコート2を用いる以外は例1と同様にして、舗装体2を得た。
(例3)
硬質骨材として硬質骨材2を、トップコートとして遮熱トップコート3を用いる以外は例1と同様にして、舗装体3を得た。
(例4)
硬質骨材として硬質骨材3を、トップコートとして遮熱トップコート2を用いる以外は例1と同様にして、舗装体4を得た。
(例5)
硬質骨材として硬質骨材4を、トップコートとして遮熱トップコート4を用いる以外は例1と同様にして、舗装体5を得た。
(例6)
硬質骨材として硬質骨材4を、トップコートとして遮熱トップコート5を用いる以外は例1と同様にして、舗装体6を得た。
(例7)
硬質骨材として硬質骨材8を、トップコートとして遮熱トップコート4を用いる以外は例1と同様にして、舗装体7を得た。
[舗装体の遮熱性能]
次に、以下に示す方法により、舗装体1〜7の遮熱性能に関する評価を行った。
東京都建設局発行の遮熱性舗装(車道) 設計・施工要領(案)(平成26年4月)に記載された室内照射試験法に従い、舗装体1〜7について路面低減温度の測定を行った。路面低減温度は測定用供試体へ3時間ランプ照射した後の、(供試体の表面温度)−(基準供試体の表面温度、60℃となるよう照射条件調整)で表され、負の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が低く、温度上昇の抑制効果が認められ、正の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が高く、温度上昇の抑制効果が認められないことを示している。得られた舗装体の温度上昇が抑制され、路面温度の低減温度が−10℃以下(絶対値が大きくなる方向を含む)となる舗装体について遮熱性が良好(○)であるとし、それ以外を×と判定した。
表3に舗装体1〜7の評価結果をまとめて示した。
Figure 0003213032
明度Lと日射反射率の関係が、y≧1.07x−12.0を満たした遮熱性能を有する硬質骨材を用いて、樹脂系バインダーへの遮熱顔料添加と遮熱型トップコートの塗布を組み合わせることで、−10℃以上となる路面低減温度が良好な舗装体が容易に得られた。
以上のとおり、本考案の遮熱性舗装体は、遮熱性能が良好であり、屋外に設けられ温度上昇の抑制が求められる舗装体として好適である。
本考案の遮熱性舗装体は、所定の色調を有し、日射反射率と明度との関係において所定の関係を満たす骨材粒子を用いることで、屋外に設けられ温度上昇の抑制が求められる舗装体として好適である。

Claims (7)

  1. アスファルト又はコンクリートからなる基層と、
    前記基層の上層に、遮熱骨材粒子をバインダーにより固着した骨材層と、
    前記骨材層の表面に遮熱用樹脂組成物を含むトップコート層と、
    を有する遮熱性舗装体であって、
    前記遮熱骨材粒子が、カラー骨材粒子であって、その明度L値をx、波長780〜2500nmの近赤外領域における日射反射率をy(%)、としたとき、次の関係式(1)および関係式(2)

    y ≧ 1.07x−12.0 …(1)
    73 ≦ x ≦ 95 …(2)

    を満たすことを特徴とする遮熱性舗装体。
  2. 前記遮熱骨材粒子が、赤色の色調を有する請求項1に記載の遮熱性舗装体。
  3. 前記遮熱骨材粒子が、灰色の色調を有する請求項1に記載の遮熱性舗装体。
  4. 前記バインダーが、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはMMA樹脂(メチルメタクリレート樹脂)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
  5. 前記バインダーが、第1の遮熱微粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
  6. 前記トップコート層が、水性塗料又は油性塗料を用いた塗膜である請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
  7. 前記トップコート層が、第2の遮熱微粒子を含有する遮熱型トップコート層である請求項6に記載の遮熱性舗装体。
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