JP6586898B2 - インターロッキングブロック - Google Patents

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Description

本発明は、インターロッキングブロックに関する。
都市のヒートアイランド現象への対策として様々なものが検討されており、セルベンの粒状物を用いた表層を形成することにより太陽光を反射し、また、下層を気孔を有する断熱層としたクールアイランド舗装というものが知られている。そしてこのような舗装が、駐車場や歩道などに用いられている。(特許文献1)
特開2012−87502号公報
しかしながら、上記の方法では、路面の温度の低下が十分ではなかった。また、特許文献1には、断熱層の気孔内に水を保持させ、気孔内の水の潜熱によって太陽熱の熱量を奪うことも記載はされているが、温度低下の程度や持続時間も十分ではなかった。
したがって本発明は、路面の温度の上昇を大きく抑制し、さらにその効果を長期間維持することができ、都市のヒートアイランド現象を抑制することができるインターロッキングブロックを提供する。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 表層がセルベンの粒状物およびセメントを含有するセメント組成物から成形され、下層が多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含有するセメント組成物から形成され、保水能が0.15g/cm以上であり、曲げ強度が3.0MPa以上である、インターロッキングブロック。
[2]前記多孔質セラミックスの粒状物は、孔径がミリメートルオーダーの気孔とマイクロメートルオーダーの気孔を有することを特徴とする[1]に記載のインターロッキングブロック。
[3]前記ミリメートルオーダーの気孔と前記マイクロメートルオーダーの気孔が連通していることを特徴とする[2]に記載のインターロッキングブロック。
[4] ランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度測定にて測定した温度が、密粒度アスファルトコンクリートの表面温度に比べ5℃以上低いことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のインターロッキングブロック。
本発明のインターロッキングブロックによれば、路面の温度上昇を長期に抑制することができるため、都市のヒートアイランド現象を抑制することができる。
本発明のインターロッキングブロックの一実施形態を示す断面図である。
「インターロッキングブロック」
本発明のインターロッキングブロックは、表層がセルベンの粒状物およびセメントを含有するセメント組成物から成形され、下層が多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含有するセメント組成物から形成され、
保水能が0.15g/cm以上であり、曲げ強度が3.0MPa以上である。
なお、本発明において、セメント組成物を「モルタル」ともいう。
<セメント組成物>
<表層>
表層を形成するセメント組成物は、セルベンの粒状物およびセメントを含有する。
(セルベン)
セルベンの粒状物は、太陽光等からの熱線の反射材及び骨材として配合されるものである。
セルベンは、トイレなどに使用されていた衛生陶器屑をいう。セルベンは表面が白、青、緑、黄色、赤、黒など任意のものに着色されていてもよい。セルベンはその一方の表面が着色されていても、その内部や裏面は白色であり、また、粉砕され粒状物となっている場合はその断面は白色であり、他の材料に比べ太陽光などからの熱線の反射性能に優れる。好ましくは、白または淡色のものが熱線の反射の観点から好ましい。
ここで「粒状」とは、粒子径30.0mm以下、即ち、目開き30.0mmの篩を通過できる大きさを意味する。セルベンの粒状物の粒子径は、例えば、10μm超30.0mm以下が好ましく、200μm超20.0mm以下がより好ましく、1.0mm超10.0mm以下がさらに好ましい。セルベンの粒状物の粒子径が上記上限値超であると、得られるインターロッキングブロックの表層の強度及び熱線の反射性が不足するおそれがある。一方、セルベンの粒状物の粒子径が上記下限値未満であると、得られるインターロッキングブロックの透水性、保水性、水の蒸散性し、温度低減効果が低下するおそれがある。
粒子径は、篩分けにより測定される値であり、例えば、0.5mm超5.0mm以下の粒状物は、目開き5.0mmの篩を通過し、目開き0.5mmの篩を通過できないものを意味する。
また、インターロッキングブロックは、本発明の目的に反しない範囲で、上記範囲外の粒子径を有するセルベンの粒状物を含んでもよい。
(セメント)
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、特殊セメント、普通ポルトランドセメントから酸化第二鉄を除去するなどして白度を高めた白色セメントなど、従来、インターロッキングブロックの製造に用いられる公知のセメントが挙げられる。
インターロッキングブロック中のセルベンの粒状物およびセメントの含有量は用途等を勘案して決定できるが、例えば、セルベンの粒状物とセメントの配合比率(質量比)が、セルベンの粒状物:セメント=100:5〜100であることが好ましく、より好ましくは100:10〜60である。セルベンの割合が少なくなると、得られるインターロッキングブロックの熱線反射性能、水の蒸散性が不十分になったり、透水性が十分に得られにくくなったりするおそれがある。一方、セメントの割合が少なくなると、インターロッキングブロック、特に表層の強度が不十分になるおそれがある。
なお、セメントの代わりに、セルベンを結合させる結合剤として、樹脂や釉薬を用いるとセルベン自体が有する気孔やセルベンの粒子同士の間の気孔が、樹脂等で閉塞され、透水性や蒸散性が低下するおそれがある。
<下層>
下層を形成するセメント組成物は、多孔質セラミックスの粒状物およびセメントを含有する。
(多孔質セラミックスの粒状物)
多孔質セラミックスの粒状物は、骨材、保水材として配合されるものである。
ここで、「粒状」とは、粒子径10.0mm以下、即ち、目開き10.0mmの篩を通過できる大きさを意味する。多孔質セラミックスの粒状物の粒子径は、例えば、0.5mm超10.0mm以下が好ましく、1.0mm超5.0mm以下がより好ましく、3.0mm超5.0mm以下がさらに好ましい。多孔質セラミックスの粒状物の粒子径が上記上限値超であると、得られるインターロッキングブロックの強度が不足するおそれがある。一方、多孔質セラミックスの粒状物の粒子径が上記下限値未満であると、得られるインターロッキングブロックの保水性、水の蒸散性が低下したり、嵩比重が大きくなったりするおそれがある。
粒子径は、表層と同様に篩分けにより測定される値であり、例えば、0.5mm超5.0mm以下の粒状物は、目開き5.0mmの篩を通過し、目開き0.5mmの篩を通過できないものを意味する。
また、インターロッキングブロックは、本発明の目的に反しない範囲で、上記範囲外の粒子径を有する多孔質セラミックスの粒状物を含んでもよい。
多孔質セラミックスの粒状物としては、多孔質のセラミックスを粒状にしたものであれば特に限定されないが、例えばセラミックス製の瓦や植木鉢などを破砕して得られる粒状物などが挙げられる。得られるインターロッキングブロックの保水性および透水性が高まる観点からは、セラミックスが有する気孔が連通しているものが好ましい。具体的には、スラグ、有機汚泥、珪藻土、ホウケイ酸ガラスからなる群から選択される少なくとも1種と、粘土とを含む混合物を900〜1150℃程度で焼成して得られる多孔質セラミックスを破砕して粒状物としたものが特に好ましい。このようにして得られる多孔質セラミックスは、孔径がミリメートルオーダーの気孔からマイクロメートルオーダーの気孔を形成するポーラス構造(多孔質)であり、また、これらの気孔は連通しており、優れた保水性、透水性を有した材料である。多孔質セラミックスは、孔径がナノメートルオーダーの気孔を有していてもよい。
ここで、「マイクロメートルオーダーの気孔」とは、気孔の孔径が1μm以上1000μm未満のものをいい、「ミリメートルオーダーの気孔」とは、気孔の孔径が1mm以上1000mm未満のものをいい、「ナノメートルオーダーの気孔」とは気孔の孔径が1nm以上1000nm未満のものをいう。
なお、「気孔の孔径」とは、気孔の長径(最大径)のことである。気孔の孔径は、多孔質セラミックスを切断し、その断面の気孔の長径をスケールや電子顕微鏡を用いて測定した値である。
多孔質セラミックスの粒状物としては、greenbiz(登録商標、小松精練株式会社製)シリーズおよび必要に応じてこれを破砕したものなどが挙げられる。
(セメント)
セメントとしては、表層と同様に普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、特殊セメント、白色セメントなど、従来、インターロッキングブロックの製造に用いられる公知のセメントが挙げられる。
インターロッキングブロック中の多孔質セラミックスの粒状物およびセメントの含有量は用途等を勘案して決定できるが、例えば、多孔質セラミックスの粒状物とセメントの配合比率(質量比)が、多孔質セラミックスの粒状物:セメント=100:5〜250であることが好ましく、より好ましくは100:10〜100である。多孔質セラミックスの割合が少なくなると、得られるインターロッキングブロックの保水性、揚水性、水の蒸散性が不十分になったり、透水性が十分に得られにくくなったりするおそれがある。一方、多孔質セラミックスの割合が多くなると、インターロッキングブロックの強度が不十分になるおそれがある。
表層と同様に、セメントの代わりに、セルベンを結合させる結合剤として、樹脂や釉薬を用いるとセルベン自体が有する気孔やセルベンの粒子同士の間の気孔が、樹脂等で閉塞され、保水性や透水性や水の蒸散性が低下するおそれがある。
(任意成分)
表層及び下層を形成するセメント組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述したセルベンの粒状物、多孔質セラミックスの粒状物およびセメント以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、多孔質セラミックスの粒状物以外の骨材(他の骨材)、顔料、防藻防カビ剤、流動化剤、遮熱剤などが挙げられる。特に、顔料としては、酸化チタンなどからなる白色顔料が好ましい。また、顔料として他の有色の顔料を用いてもよい。また、遮熱剤としては、アンチモンドープ酸化錫、スズドープ酸化インジューム、鉄クロム系材料、黒色酸化鉄系材料、酸化マンガン系材料の粒状物が挙げられる。また、一般の顔料としては、粒子径が大きく、活性が抑えられた酸化チタンも顔料兼遮熱剤として用いることができる。
インターロッキングブロックの製造過程における、セメント組成物中の水の含有量は、骨材やセメントの種類、これらの配合量を勘案して適宜決定される。
また、詳しくは後述するが、インターロッキングブロックの成形においてゼロスランプ加圧成形法を採用する場合、セメント組成物中の水の含有量は、モルタルがゼロスランプの状態となる量が好ましい。
ここで、「ゼロスランプ」とは、JIS A 1101に準拠したスランプ試験による変位量(スランプ値)が0cmとなることをいう。
他の骨材としては、瓦の破砕物(瓦屑)、珪砂、砂利、洗い砂、ガラスの破砕物などが挙げられる。
セメント組成物が他の骨材を含有することで、得られるインターロッキングブロックの強度がより向上する傾向にある。
他の骨材の粒子径は、例えば、0.5mm超10.0mm以下が好ましく、1mm超5.0mm以下がより好ましい。他の骨材の粒子径が上記上限値超であると、得られるインターロッキングブロックの強度が不足するおそれがある。一方、他の骨材の粒子径が上記下限値未満であると、得られるインターロッキングブロックの透水性、保水性が低下し、嵩比重が大きくなるおそれがある。
なお、ここでの粒子径もセルベンや多孔質セラミックスの粒状物と同様に篩分けにより測定される値である。
<性能>
本発明のインターロッキングブロックの保水能は、0.15g/cm以上であり、0.20g/cm以上が好ましく、0.30g/cm以上がより好ましい。保水能が0.15g/cm以上であれば、雨水等を十分に保水でき、路面の温度上昇を抑制するとともに、温度上昇抑制時間も長くなることから、都市のヒートアイランド現象の抑制を長期にわたり貢献することができる。
保水能の上限については特に制限されないが、得られるインターロッキングブロックの強度の観点では、0.80g/cm以下が好ましく、0.50g/cm以下がさらに好ましい。
インターロッキングブロックの保水能は、JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して測定される保水量により表される。
インターロッキングブロックの保水能は、多孔質セラミックスの粒状物の種類や配合量、セメントの種類等を組み合わせることで調節できる。
本発明のインターロッキングブロックの透水係数は、0.0001cm/s以上であると好ましい。さらに、0.0010cm/s以上が好ましく、0.0100cm/s以上がより好ましく、0.0150cm/s以上がさらに好ましく、0.1000cm/s以上が特に好ましい。
透水係数が前記下限値以上であれば、インターロッキングブロックの表面から素早く雨水を吸収し、下層の組成物に形成された空隙中に供給することができる。
透水係数の上限については特に制限されないが、0.5000cm/s以下が好ましい。
インターロッキングブロックの透水係数は、JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して測定される透水係数により表される。
インターロッキングブロックの透水係数は、多孔質セラミックスの粒状物の種類や配合量、セメントの種類等を組み合わせることで調節できる。
本発明のインターロッキングブロックの曲げ強度は、3.0MPa以上である。好ましくは5.0MPa以上であるとよい。曲げ強度が3.0MPa以上であれば、舗道、駐車場などの舗装材として十分な強度を有する。特に、曲げ強度が5.0MPa以上であれば、車道用の舗装材として十分な強度を有する。
曲げ強度の上限については特に制限されないが、30MPa以下が好ましい。
インターロッキングブロックの曲げ強度は、JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して測定される最大荷重により求められる。
インターロッキングブロックの曲げ強度は、多孔質セラミックスの粒状物の種類や配合量、セメントの種類等を組み合わせることで調節できる。
本発明のインターロッキングブロックの温度上昇抑制性能は、後に説明を行うランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度測定法において、インターロッキングブロックの表面温度と密粒度アスファルトコンクリートの表面温度を測定し、ランプ照射開始後1時間後、2時間後、3時間後のインターロッキングブロックの表面温度が、アスファルトコンクリートの表面温度に比べ低いものであり、好ましくは少なくともいずれかの経過時間において、その温度が5℃以上、より好ましくは10℃以上、さらにより好ましくは15℃以上低いとよい。なお、温度の差は、各時間における密粒度アスファルトコンクリートの表面温度(℃)からインターロッキングブロックの表面温度(℃)をひいた差で求められる。
密粒度アスファルトコンクリートの表面温度に比べ、インターロッキングブロックの表面温度が低ければ、インターロッキングブロックを敷設した路面や床面が冷たいだけではなく、その敷設した環境の温度の上昇も抑制することにより、都市のヒートアイランド現象を抑制することができる。
<構造>
本発明のインターロッキングブロックは、少なくともセルベンの粒状物とセメントを含有するセメント組成物からなる表層と、少なくとも多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含有するセメント組成物からなる下層の2層構造であってもよいし、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲でその他の層をも有する多層構造であってもよい。その他の層をも有する多層構造としては、セルベンの粒状物とセメントを含むセメント組成物からなる表層の下に形成された層であれば、多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含むセメント組成物からなる下層の上に形成されたものであっても、その下に形成されたものであってもよい。
表層には、セルベンの粒状物間に空隙を有し、これらが連通している。これらの連通した空隙により、インターロッキングブロック上の水を、下層、特に下層の多孔質セラミックスに供給することができる。また、セルベンを表層に有していることにより、下層、特に下層の多孔質セラミックスが保有する水を過剰に蒸散させず、水を保水し続けることができるため、長期に亘り、路面の温度上昇抑制効果を発揮し、都市のヒートアイランド現象も長期に抑制することができる。
表層の厚みは、熱線反射の観点、下層に保水された水の蒸散の抑制及び表層の強度の観点より、1mm以上が好ましく、さらに好ましくは2mm以上、さらにより好ましくは3mm以上がよい。上限は特にないが、インターロッキングブロック自体の厚みの50%以下が好ましく、インターロッキングブロックの厚みにもよるが、好ましくは、30mm以下、より好ましくは、20mm以下、さらにより好ましくは10mm以下がよい。
下層には、多孔質セラミックスの粒状物間に空隙を有し、これらが連通しており、また、多孔質セラミックスの粒状物の気孔と連通しているとよい。これらが連通していることより、表層を通過した水が下層の多孔質セラミックスの粒状物間の空隙に保水されるとともに、多孔質セラミックスの粒状物に掲載されている気孔にも水が供給され、当該気孔の内部にも水を保水することができる。
これにより、保水量が多くなることに加え、多孔質セラミックスに形成された気孔内に貯められた水は、多孔質セラミックスの粒状物間の空隙に貯められた水に比べ、蒸散が遅く、水の潜熱を利用した路面の温度上昇抑制性能をより長期に亘り発揮することができる。
下層の厚みは、保水性の強度の観点より、30mm以上が好ましく、さらに好ましくは40mm以上、さらにより好ましくは50mm以上がよい。上限は特にないが、インターロッキングブロック自体の厚みの50%超が好ましい。インターロッキングブロックの厚みは、2cm〜10cm、通常は6cmあるいは8cmのものが市販されている。
以上の構造を有するため、本発明のインターロッキングブロックは、表層が太陽等からの熱線を反射するとともに、下層に保水性された水により、セルベンとセメントを含む組成物からなる表層を有さない保水性インターロッキングブロック、また、セルベンとセメントを含む組成からなるが保水性を有さないインターロッキングブロックに比べ、路面等の温度を大きく低下させることができる。また、長期にわたり、路面の温度上昇を抑制することができる。
2層構造のインターロッキングブロックとしては、例えば図1に示すものが挙げられる。なお、本発明のインターロッキングブロックは、図1に示すインターロッキングブロック10に限定されない。
図1に示すインターロッキングブロック10は、下層12と、該下層12上に積層された表層14とからなる。
この例の下層12は骨材16とセメント18とを含み、表層14は骨材16とセメント18とを含む。
下層12に含まれる骨材は少なくとも前記の多孔質セラミックスの粒状物を含み、表層14に含まれる骨材16のうち、少なくとも前記のセルベンの粒状物を含む。
<インターロッキングブロックの製造方法>
本発明のインターロッキングブロックの製造方法は、上層を得るためのセルベンの粒状物と、セメントと、水と、必要に応じて水以外の任意成分とを混合してモルタルを調製する工程、下層を得るための多孔質セラミックスの粒状物と、セメントと、水と、必要に応じて水以外の任意成分とを混合してモルタルを調製する工程(モルタル調製工程)と、得られたモルタルを任意の形状に成形し、硬化させる工程(硬化工程)とを有する。この製造方法を「練り込み方法」ともいう。
モルタル調製工程において、上層用のセルベンの粒状物とセメントの配合比率(質量比)が、セルベンを含む粒状物:セメント=100:5〜100であることが好ましく、下層用の多孔質セラミックスの粒状物とセメントとの配合比率(質量比)は、多孔質セラミックスを含む粒状物:セメント=100:5〜250が好ましい。
硬化工程は、従来公知の方法を採用できる。成形および硬化方法としては、例えば、モルタルを任意の形状の型枠に入れ、数時間から数日間放置して硬化させる方法、モルタルを任意の形状の型枠に入れ、加圧して硬化させるゼロスランプ加圧成形法などが挙げられる。これらの中でも、ゼロスランプ加圧成形法が好ましい。
例えば、図1に示すインターロッキングブロック10は以下のようにして製造することができる。
まず、多孔質セラミックスの粒状物と、セメントと、水と、必要に応じて水以外の任意成分とを混合して、下層12を形成するためのセメント組成物(下層用セメント組成物)を調製する。
別途、セルベンの粒状物と、セメントと、水と、必要に応じて水以外の任意成分とを混合して、表層14を形成するためのモルタル(表層用モルタル)を調製する。
次いで、下層用セメント組成物を型枠に充填し、その上から表層用モルタルをさらに充填した後、ゼロスランプ加圧成形法等によって硬化させる。得られた硬化物を型枠から取り出し、養生させて下層12と、該下層12上に積層された表層14とからなる2層構造のインターロッキングブロック10を得る。
図1に示すインターロッキングブロック10は、表層14のみにセルベンの粒状物が含まれているが、下層12にもセルベンが含まれているインターロッキングブロックを製造する場合には、多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含有する下層用セメント組成物とセルベンの粒状物とを混合して下層用モルタルを調製し、得られた下層用モルタルを下層用セメント組成物の代わりに型枠に充填すればよい。
下層用セメント組成物もしくは下層用モルタル、ならびに表層用セメント組成物もしくは表層用モルタルの組成は、下層12および表層14に要求される特性に応じて適宜決定すればよい。
<作用効果>
以上説明した本発明のインターロッキングブロックは、表層にセルベンの粒状物を含み、下層に多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含み、かつ保水能が0.15g/cm以上であり、曲げ強度が3.0MPa以上であるため、保水性、透水性、および蒸散性を有する。よって、本発明のインターロッキングブロックによれば、太陽光などからの熱線を反射し、路面の温度上昇を抑制し、かつ、長時間にわたりこの効果を持続し、長期に亘りヒートアイランド現象を抑制できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で使用した原料と、各種測定・評価方法を示す。
「使用原料」
以下の原料を使用した。
・セルベンの粒状物:衛生陶器の廃材の粉砕物(株式会社サンエー製。商品名「エコセルベン」。粒子径 2mm超、3.3mm以下。)
・多孔質セラミックの粒状物:小松精練株式会社製の「greenbiz(登録商標) karyu」の破砕物。粒子径1mm超、5mm以下。「greenbiz(登録商標) karyu」は、ミリメートルオーダーの気孔とマイクメートルオーダーの気孔とナノメートルオーダーの気孔を有し、これらの気孔は連通している。
・瓦屑:瓦廃材の破砕物。粒子径1mm超、5mm以下。
・ガラス粒子:ホウケイ酸ガラスの破砕物。粒子径1mm超、5mm以下。
・普通ポルトランドセメント:宇部三菱セメント株式会社製。
・高炉セメント:宇部三菱セメント株式会社製。
・顔料:酸化チタンの粒状物(遮熱性をも有するもの。粒子径は平均粒子径1.0μm。なお、この粒子径は、電子顕微鏡を用い、任意の粒状物30個の長径を測定し、平均値を求めたもの。)
「測定・評価方法」
<保水能の測定>
JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して測定し、下記式(1)により保水能を求めた。なお、サンプル(N)数はN=10とし、その平均値を求めた。
保水能(g/cm)={湿潤質量(g)−絶乾質量(g)}÷試料の体積(cm) ・・・(1)
<透水係数の測定>
JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して測定した(インターロッキングブロックの透水試験法)。
<曲げ強度(1週間強度)の測定>
1週間養生後のインターロッキングブロックについて、万能試験装置(株式会社島津製作所製)を用い、JIS A 5371−2013(プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書B(規定)舗装・境界ブロック類推奨仕様B−3インターロッキングブロック)に準拠して、最大荷重を測定した。載荷スパンを試料の長さの80%とし、縁応力度の増加が1.0MPaとなるような載荷速度とした。なお、サンプル(N)数はN=10とし、その平均値を求めた。求めた最大荷重の平均値から、下記式(2)により曲げ強度を算出した。
曲げ強度(MPa)=[{3×スパン(mm)}÷{2×試料の幅(mm)×試料の厚さ(mm)×試料の厚さ(mm)}]×最大荷重の平均値(N) ・・・(2)
<ランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度測定>
試料は、直径100mm×厚み60mmの円柱状としたブロックとする。
温度30℃±1℃、湿度50±5RH%の環境下で試料を1時間水に浸漬し、水から取り出した後、試料の表面に付着した水滴を除去し、表乾状態とする。
次に、試料からの放熱を防ぐため、試料の底面、側面に厚さ50mm程度の断熱材(発泡スチロールなど)を使用し、試料の表面(表層)が上になるように設置する。
当該インターロッキングブロックの上に、ビームランプ(東芝ライテック(株)製 BRF110V150W)を設置。(ランプの高さは、比較試験体(密粒度アスファルトコンクリート)の表面温度が3時間で60℃になるように調整)表面の温度は、熱電対を用いランプ照射開始後、10分間隔で3時間測定する。
なお、表1には、ランプ照射開始後、1時間後、2時間後、3時間後の試料の表面温度を記載した。
また、インターロッキングブロックの表面温度との温度差を測定するため、密粒度アスファルトコンクリートの表面温度も上記の方法で測定した。
「実施例1」
表1に示す材料を混合して、ゼロスランプの下層用セメント組成物を調製した。
別途、表1に示す材料を混合して、ゼロスランプの表層用モルタルを調製した。
次いで、下層用セメント組成物を型枠に充填し、その上から表層用モルタルをさらに充填した後、2トンの圧力で振動加圧して硬化させた。硬化物を型枠から取り出し、1週間養生し、縦200mm、横100mm、厚さ60mmのインターロッキングブロックを得た。得られたインターロッキングブロックは、下層用セメント組成物が硬化した下層(厚さ50〜55mm)と、表層用モルタルが硬化した表層(厚さ5〜10mm)とからなる2層構造であった。なお、下層と表層を合計した厚さは60mmである。
得られたインターロッキングブロックについて、保水能、透水係数、曲げ強度及ランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度を測定を行った。これらの結果を表1に示す。なお、ランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度測定は、アスファルト舗装道路を想定し密粒度アスファルトを用いて製造したブロックについても行った。
「実施例2」
表1に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にして下層用セメント組成物および表層用モルタルを調製し、これらを用いてインターロッキングブロックを製造し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
「比較例1」
表1に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてモルタルを調製し、これらを用いてインターロッキングブロックを製造し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
「比較例2」
表1に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてモルタルを調製し、これらを用いてインターロッキングブロックを製造し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0006586898
以上、実施例1、2で得られたインターロッキングブロックは、表層及び下層には水が通過できる空隙を有し、これらが連通していることよりインターロッキングブロックの表面の水を上層から下層に水が供給できる。また、下層に用いた多孔質セラミックスの粒状物は、ミリメートルオーダーの気孔とマイクロメートルの気孔を有し、これらは連通しており、保水性に優れている。各実施例で得られたインターロッキングブロックは、保水能が0.15g/cm以上であり、曲げ強度が3.0MPa以上であり、さらに、密粒度アスファルトを用いたブロックに比べ、1時間後、2時間後、3時間後とも10℃以上温度上昇が少なかった。
従って、路面温度の上昇を大きく抑制し、かつ、長期に亘り温度低減効果を発揮し、ヒートアイランド現象を長期に抑えることが分かった。
10 インターロッキングブロック
12 下層
14 表層
16 骨材
18 セメント

Claims (3)

  1. 表層がセルベンの粒状物およびセメントを含有するセメント組成物から成形され、下層が多孔質セラミックスの粒状物とセメントを含有するセメント組成物から形成され、
    保水能が0.15g/cm以上であり、曲げ強度が3.0MPa以上であるインターロッキングブロックであって、
    ランプ照射によるインターロッキングブロックの表面温度測定にて測定した温度が、密
    粒度アスファルトコンクリートの表面温度に比べ5℃以上低いことを特徴とするインターロッキングブロック
  2. 前記多孔質セラミックスの粒状物は、孔径がミリメートルオーダーの気孔とマイクロメートルオーダーの気孔を有することを特徴とする請求項1に記載のインターロッキングブロック。
  3. 前記ミリメートルオーダーの気孔と前記マイクロメートルオーダーの気孔が連通していることを特徴とする請求項2に記載のインターロッキングブロック。
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