JP6538256B1 - 樹脂シート、樹脂シートの製造方法、積層体、積層体の製造方法、及び炭素繊維強化プラスチックの成形方法 - Google Patents

樹脂シート、樹脂シートの製造方法、積層体、積層体の製造方法、及び炭素繊維強化プラスチックの成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面が平滑なCFRPを成形可能な樹脂シートを提供する。【解決手段】本発明の樹脂シート1は、プリプレグPに積層される。プリプレグPは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物Sが炭素繊維基材Tに含浸されたものである。プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になる。樹脂シート1は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂を含む材料から形成されている。プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂が液状化している間において、プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂の粘度は、1Pa・s〜50Pa・sであり、樹脂シート1の最低粘度は、50Pa・s〜500Pa・sの範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグに積層される樹脂シート、当該樹脂シートの製造方法、前記プリプレグと前記樹脂シートとを備える積層体、当該積層体の製造方法、及び前記積層体を用いて炭素繊維強化プラスチックを成形する方法に関する。
繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)は、金属に比べて軽いため様々な用途に使用されている。特に炭素繊維(カーボンファイバー)を使用した炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、ガラス繊維等に比べても軽く、強度が高いため、航空機、自動車、ロボットなどに使用されている(炭素繊維強化プラスチックを、CRFPと略す)。
CFRPを成形する方法として、プリプレグを用いる方法がある。図7に示すように、プリプレグPは、樹脂組成物Sを炭素繊維基材Tに含漬させたものであり、樹脂組成物Sにはエポキシ樹脂及び硬化剤が含まれている。CFRPを成形する際には、複数のプリプレグPを重ね合わせた重合体Q(図7)に、熱及び圧力を加えることで、各プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂を硬化させることが行われる。
上述したようなプレプレグPを用いてCFRPを成形方法として、オートクレーブ成形やプレス成形と称される方法がある(例えば特許文献1)。
オートクレーブ成形では、プリプレグPの重合体Qを入れた真空パックを型の内部に配置するとともに、上記型をオートクレーブの内部に配置することが行われる。そして、オートクレーブ内の気圧を高めることで、重合体Qの各プリプレグPに圧力が加えられ、オートクレーブ内の型の温度を高めることで各プリプレグPに熱が加えられる。
プレス成形では、図8に示すように、上下の型Y1,Y2の間にプリプレグPの重合体Qを挟み込むとともに、型Y1,Y2を熱板で挟み込むことで、型Y1,Y2を介して重合体Qの各プリプレグPに熱及び圧力が加えられる。
上記のオートクレーブ成形やプレス成形で各プリプレグPに熱が加えられる際には、各プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂の性状が変化する。つまり、エポキシ樹脂は、常温では固形状或いは半固形状を呈しており、熱が加えられることで液状化して粘度が低下し、さらに熱が加えられることで、硬化剤との反応が進行して高分子化と共に架橋が生じ、最終的に硬化して固体状となる。
そして、オートクレーブ成形では、エポキシ樹脂が液状化した際に真空パックの内部を減圧することで、プリプレグPに存在する気泡Aを抜き出すことが行われる。またプレス成形では、エポキシ樹脂が液状化した際にプリプレグPを加圧することで、プリプレグPに存在する気泡Aを押し出すことが行われる。
特開2008-024787号公報
ところでCFRPの成形に使用されるプリプレグPでは、炭素繊維基材Tへのエポキシ樹脂の含浸性を高くする必要がある。このため、エポキシ樹脂が液状化した際のエポキシ樹脂の粘度が、1Pa・s〜50Pa・s程度に低くされる。このことから、オートクレーブ成形やプレス成形では、上記の減圧処理或いは加圧処理を行ったり、また加熱でエポキシ樹脂を硬化させても、プリプレグPの表面近傍に生じた気泡Aを消滅或いは縮小することができず、その結果、成形後のCFRPの表面にピンホールが生じる問題が生じていた。
つまり、エポキシ樹脂の粘度が高く設定される場合には、エポキシ樹脂が液状化した際に上記の減圧処理或いは加圧処理による圧力がエポキシ樹脂に加えられることで、エポキシ樹脂が流動する。このため、プリプレグPに存在する気泡Aは、炭素繊維基材TやプリプレグP,P間の境界に沿って移動するものとなるので、プリプレグPから気泡Aが除去される(図8では、気泡Aの移動方向を矢印で示している)。これに対し、上述のようにエポキシ樹脂の粘度が低く設定されていると、減圧処理或いは加圧処理による圧力がエポキシ樹脂に掛かりにくい。このため、エポキシ樹脂の流動が生じにくく、上記の炭素繊維基材Tや境界に沿った気泡Aの移動が生じにくい。したがって、気泡AはプリプレグPに残存することになる。特にプリプレグPに含まれる炭素繊維基材Tが織物である場合には、縦糸Taと横糸Tbとの交点近傍で、エポキシ樹脂の流動が特に生じにくくなる。このため特に上記の交点近傍において気泡Aが残存することになる(図9参照)。
また、液状化後にエポキシ樹脂を加熱する際には、プリプレグPの内部では、エポキシ樹脂の粘度が高まることで、気泡Aに圧力が加えられる。このためプリプレグPの内部に生じた気泡Aは、消滅或いは縮小する(図9は、プリプレグPの内部に生じた気泡Aは、消滅した状態を示している)。これに対して、プリプレグPの表面近傍では、樹脂粘度の高まりによる圧力が開放されてしまうので、気泡Aに圧力が加えられず、気泡Aが消滅或いは縮小しない(図9参照)。
以上の理由から、オートクレーブ成形やプレス成形では、プリプレグPの表面近傍に生じた気泡Aを消滅或いは縮小することができず、気泡AによってCFRPの表面にピンホールが生じる問題が生じていた(以下、ピンホールの符号として、気泡の符号Aを適宜用いる)。
また、オートクレーブ成形やプレス成形によってCFRPが成形された後では、図10に示すように、CFRPの表面に塗料Dが塗布されるが、CFRPの表面にピンホールAが生じていた場合には、ピンホールA内に存在する空気によって塗料Dが弾かれる(この現象はピンホールAが深い場合に顕著に生じる)。このため塗料DによってピンホールAを埋めることができず、塗装後のCFRPは、依然としてピンホールAによる外観不良の問題を有したものとなる。このため、CFRPの表面にピンホールAが生じた場合には、CFRPの表面を平滑にするために、以下に示す作業1〜4が行われている。
作業1:図11(a)〜図11(b)に示すように、CFRPの表面を研磨して、ピンホールAの深さを浅くする(図11(a)は研磨前の状態を示し、図11(b)は研磨後の状態を示す)。
作業2:図11(c)に示すように、液体状の樹脂M(エポキシ樹脂やウレタン樹脂等)でピンホールAを埋めて、樹脂Mを硬化させる。
作業3:図11(d)に示すように、CFRPの表面を研磨して、CFRPの表面に付着している樹脂Mを除去する。
作業4:図11(e)に示すように、CFRPの表面に塗装を施す(CFRPの表面に塗料Dを塗布する)。
上記の作業1〜4は、作業4の塗装でピンホールAが埋まるまで、繰り返し行われており、多大な手間及び費用を生じさせるものとなっていた。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が炭素繊維基材に含浸されたプリプレグに積層されることで、表面が平滑なCFRPを成形可能な樹脂シート、当該樹脂シートの製造方法、前記樹脂シートが前記プリプレグに積層された積層体、当該積層体の製造方法、及び前記積層体を用いてCFRPを成形する方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.プリプレグに積層される樹脂シートであって、
前記プリプレグは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が炭素繊維基材に含浸されたものであって、
前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になり、
前記樹脂シートは、エポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂を含む材料から形成されており、
前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が液状化している間において、前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の粘度は、1Pa・s〜50 Pa・sであり、前記樹脂シートの最低粘度は、50Pa・s〜500Pa・sの範囲にあることを特徴とする樹脂シート。
項2.前記樹脂シートに含まれる熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂、ポリカーボネード樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである、項1に記載の樹脂シート。
項3.前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであり、
前記樹脂シートに含まれる硬化剤は、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである、項1又は2に記載の樹脂シート。
項4.前記樹脂シートでは、前記エポキシ樹脂及び前記熱可塑性樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂に含まれる固形分が20〜50重量部とされている、項1乃至3のいずれかに記載の樹脂シート。
項5.前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂及び硬化剤は、前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂が固体状になったときに、透明であり、
前記樹脂シートに含まれる熱可塑性樹脂は、前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂と相溶して透明となり、当該エポキシ樹脂が硬化した後も透明である、項1乃至4のいずれかに記載の樹脂シート。
項6.項1乃至5のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法であって、
前記樹脂シートの材料を離型紙或いは離型フィルム上に塗工する塗工工程と、
前記樹脂シートの材料が塗工された前記離型紙或いは離型フィルムを乾燥機内で加熱する加熱工程と、
加熱によって成形された前記樹脂シートを前記離型紙或いは離型フィルムから剥離する剥離工程とを有する樹脂シートの製造方法。
項7.エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が炭素繊維基材に含浸されているプリプレグと、
前記プリプレグに積層される項1乃至5のいずれかに記載の樹脂シートとを備え、
前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になり、
前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が液状化している間において、前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の粘度は、1Pa・s〜50 Pa・sであることを特徴とする積層体。
項8.前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであり、
前記プリプレグの樹脂組成物に含まれる硬化剤は、ジシアンジアミドである、項7に記載の積層体。
項9.前記プリプレグの樹脂組成物及び前記樹脂シートには、硬化促進剤が含まれており、
前記硬化促進剤は、イミダゾール及び3級ホスフォニウム塩のうちののいずれか1種又は2種の組み合わせである、項7又は8に記載の積層体。
項10.前記プリプレグの樹脂組成物及び前記樹脂シートには、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記硬化剤が80〜100重量部の割合で含まれ、前記硬化促進剤が80〜100重量部の割合で含まれる項9に記載の積層体。
項11.複数の前記プリプレグを重ね合わせた重合体に、前記樹脂シートが積層されている、項7乃至10のいずれかに記載の積層体。
項12.項7乃至11のいずれかに記載の積層体を製造する製造方法であって、
前記樹脂シートを製造する工程と、
前記プリプレグを製造する工程と、
前記プリプレグに前記樹脂シートを積層する工程とを有し、
前記樹脂シートを製造する工程では、前記樹脂シートの材料を離型紙或いは離型フィルム上に塗工する塗工工程と、前記樹脂シートの材料が塗工された前記離型紙或いは離型フィルムを乾燥機内で加熱する加熱工程と、加熱によって成形された前記樹脂シートを前記離型紙或いは離型フィルムから剥離する剥離工程とが実施され、
前記プリプレグを製造する工程では、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むシート材を、炭素繊維基材の上側及び下側に重ね合わせたものを、一対の熱ローラの間に送り込むことで、前記シート材に含まれていたエポキシ樹脂及び硬化剤を、前記炭素繊維機材に含漬させることが行われる、積層体の製造方法。
項13.項7乃至11のいずれかに記載の積層体を用いて炭素繊維強化プラスチックを成形する方法であって、
真空パックの内部に積層体を配置する工程と、
型の内部に前記真空パックを配置する工程と、
オートクレーブの内部に前記型を配置する工程と、
前記オートクレーブ内の気圧を高めることで前記積層体に圧力を加え、且つ、前記オートクレーブ内に配置された前記型の温度を高めることで前記積層体に熱を加える工程とを有する成形方法。
項14.項7乃至11のいずれかに記載の積層体を用いて炭素繊維強化プラスチックを成形する方法であって、
上型と下型とによって前記積層体を挟み込む工程と、
一対の熱板によって前記上型及び前記下型を挟み込むことで、前記積層体に熱及び圧力を加える工程とを有する成形方法。
本発明によれば、プリプレグのエポキシ樹脂の粘度が1Pa・s〜50 Pa・sがなっている間(プリプレグのエポキシ樹脂が液状化している間)において、プリプレグに積層される樹脂シートの最低粘度が50Pa・s〜500Pa・sになる。これにより、樹脂シートの樹脂が、プリプレグ内に進入して、プリプレグの気泡を埋める。したがって、表面が平滑なCFRPを成形可能である。
本発明の実施形態に係る樹脂シートを備えた積層体を示す概略断面図である。 樹脂シートの樹脂がプリプレグの気泡に進入することで、気泡が消滅した状態を示す概略断面図である。 本発明の積層体の変形例を示す概略断面図である。 実施例及び比較例の樹脂シートの粘度と温度との関係を示すグラフである。 比較例のCFRPを示す写真である。 実施例のCFRPを示す写真である。 従来の積層体を示す概略断面図である。 CFRPを成形するために従来使用されていたプリプレグの重合体を示す概略断面図である。 プリプレグの表面近傍に気泡が残存した状態を示す概略断面図である。 CFRPの表面にピンホールが生じた状態を示す概略断面図である。 CFRPの表面を平滑にするために行われる作業を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る樹脂シート1を備えた積層体2を示す概略断面図である。
積層体2は、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)を成形するために使用される(以下、炭素繊維強化プラスチックを、CFRPと記す)。積層体2は、プリプレグPと、プリプレグPに積層される樹脂シート1とを備えている。
プリプレグPは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物Sが炭素繊維基材Tに含浸されたものである。図1に示す積層体2では、複数のプリプレグPを重ね合わせた重合体Qの上下の表面に、樹脂シート1が積層されている。CFRPを成形する際には、重合体Q及び樹脂シート1を含む積層体2に熱及び圧力を加えることが行われる。
炭素繊維基材Tは、炭素繊維からなる織物である。炭素繊維基材Tとして、例えば、3Kの炭素繊維(3,000本のフィラメントからなる炭素繊維)の糸を平織に織った織布を使用できる。この場合、炭素繊維基材Tの目付は200g/mとされる。
プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になる。樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂には、炭素繊維基材Tへの含浸性が求められる。このため、樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂は、液状化している間(つまりエポキシ樹脂の温度が90℃〜110℃である間)の粘度が1Pa・s〜50 Pa・sと低いものとされる。
プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、セロキサイド2021Pのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである。
ビスフェノールFのジグリシジルエーテルとして、三菱ケミカル株式会社製のjER806,jER-807や、DIC株式会社製のエピクロン830,エピクロン835を使用できる。ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとして、三菱ケミカル株式会社製のjER825,jER828や、DIC株式会社製のエピクロン840,エピクロン850や、日本化薬株式会社製のRE-310Sや、株式会社ADEKA 製のEP-4100を使用できる。脂環式エポキシ樹脂として、株式会社ダイセル製のセロキサイド2021Pを使用できる。
プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれる硬化剤は、例えば、ジシアンジアミド(Dicyandiamide,cyanoguanidine:DiCY)である。当該ジシアンジアミドは、プリプレグに含ませる硬化剤として一般的なものであり、当該ジシアンジアミドとして、ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製のDiCYを使用できる。
樹脂シート1は、プリプレグPに存在する気泡Aを消滅させるために、プリプレグPに積層される。当該樹脂シート1は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂を含む材料から形成されている。樹脂シート1の材料に熱可塑性樹脂が含まれることで、プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂が液状化している間(つまりプリプレグPに含まれるエポキシ樹脂の粘度が1Pa・s〜50Pa・sになっている間)において、樹脂シート1の最低粘度は50Pa・s〜500Pa・sと高くされ、樹脂シート1は外部圧力により変形可能なものとされる。この特徴から、プリプレグPに含まれるエポキシ樹脂が液状化している間では、図2に示すように、樹脂シート1の樹脂がプリプレグP内に進入して気泡Aを埋める。これにより気泡Aが消滅する。なお樹脂シート1の最低粘度が50Pa・sよりも低い場合には、樹脂シート1の樹脂による圧力がプリプレグPに掛かりにくく、樹脂シート1の樹脂をプリプレグP内に進入して気泡Aを埋めることができない。また樹脂シート1の最低粘度が500Pa・sより高い場合には、樹脂シート1の膜としての強度が高くなることで、樹脂シート1の樹脂をプリプレグP内に進入して気泡Aを埋めることが出来ない。
また本実施形態では、CFRPの外観を良好なものとするために、CFRPの表面を構成するものとなる樹脂シート1は、透明とされる。つまり、樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂が固体状になったときに、樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂及び硬化剤は、透明である。さらに樹脂シート1に含まれる熱可塑性樹脂は、樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂と相溶して透明となり、前記エポキシ樹脂が硬化した後も透明である。
以下、上記の特徴を有する樹脂シート1を製造するために使用される材料について説明する。
樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、セロキサイド2021Pのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである。
ビスフェノールFのジグリシジルエーテルとして、三菱ケミカル株式会社製のjER806,jER-807や、DIC株式会社製のエピクロン830,エピクロン835を使用できる。ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとして、三菱ケミカル株式会社製のjER825,jER828や、DIC株式会社製のエピクロン840,エピクロン850や、日本化薬株式会社製のRE-310Sや、株式会社ADEKA 製のEP-4100を使用できる。脂環式エポキシ樹脂として、株式会社ダイセル製のセロキサイド2021Pを使用できる。
樹脂シート1に含まれる硬化剤は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである。プリプレグPの樹脂組成物S及び樹脂シート1には、エポキシ樹脂100重量部に対して、硬化剤が80〜100重量部の割合で含まれることが好ましい。
フェノールノボラック樹脂として、DIC株式会社製のTD-2131,TD2091や、明和化成株式会社製のDL-92を使用できる。クレゾールノボラック樹脂として、DIC株式会社製のKA-1160,KA-1163を使用できる。ビスフェノールAノボラック樹脂として、DIC株式会社製のVH-4150,VH-4170を使用できる。
なお本実施形態では、上述したように、プリプレグPの樹脂組成物Sに含める硬化剤として、ジシアンジアミド(Dicyandiamide,cyanoguanidine:DiCY)が使用されるが、ジシアンジアミドによる硬化物は白濁する可能性がある。したがって、CFRPの外観を良好にする観点から、樹脂シート1に含める硬化剤としては、ジシアンジアミドは使用されない(樹脂シート1に含める硬化剤として、上記のフェノールノボラック樹脂等の硬化剤が使用される)。
樹脂シート1に含まれる熱可塑性樹脂は、例えば、フェノキシ樹脂、ポリカーボネード樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせとされる。これらの熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂中に相溶しても、エポキシ樹脂と硬化剤との反応による架橋構造には関与しないので、ガラス転移温度(Tg)などへの影響は及ぼさないと考えられる。
フェノキシ樹脂として、PKHH,PKHB(巴工業株式会社)VP-50(新日鉄住金化学株式会社)、jER1256(三菱ケミカル株式会社)を使用できる。ポリカーカーボネード樹脂として、ユーピロン(三菱ケミカル株式会社)、タフロン(出光興産株式会社)を使用できる。ポリアリレート樹脂として、Uポリマー(ユニチカ株式会社)を使用できる。アクリル樹脂として、パラペット、クラリティ(株式会社クラレ)を使用できる。ブチラール樹脂として、モビタール(株式会社クラレ)エスレック(積水化学工業株式会社)を使用できる。
なお、樹脂シート1では、エポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、熱可塑性樹脂に含まれる固形分が20〜50重量部とされることが好ましい。
また、プリプレグPの樹脂組成物S及び樹脂シート1には、硬化促進剤が含まれてもよい。硬化促進剤は、例えば、イミダゾール及び3級ホスフォニウム塩のうちのいずれか1種又は2種の組み合わせである。イミダゾールとして、2E4MZ,2P4MZ(味の素株式会社)を使用できる。3級ホスフォニウム塩として、北興化学工業株式会社製のTPP-PB,TPP-MKを使用できる。
なお樹脂シート1では、エポキシ樹脂100重量部に対して、硬化剤が80〜100重量部の割合で含まれ、硬化促進剤が0.1〜5.0重量部の割合で含まれることが好ましい。
またプリプレグPの樹脂組成物S及び樹脂シート1には、消泡剤や、レベリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。
以上説明した積層体2は、樹脂シート1を製造する工程と、プリプレグPを製造する工程と、プリプレグPに樹脂シート1を積層する工程とを実施することで製造される。
樹脂シート1を製造する工程では、樹脂シート1の材料を離型紙或いは離型フィルム上に塗工する塗工工程と、樹脂シート1の材料が塗工された離型紙或いは離型フィルムを乾燥機内で加熱する加熱工程と、加熱によって成形された樹脂シート1を離型紙或いは離型フィルムから剥離する剥離工程とが実施される。
なお上記の塗工工程では、エポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂の固形分をメチルエチルケトン(ethyl methyl ketone、MEK)等の溶剤で溶解させることで、樹脂シート1の材料の粘度調整が行われる。上記の乾燥工程では、樹脂シート1の材料に含まれる溶剤が蒸発することで、樹脂シート1の粘性が高まる。
プリプレグPを製造する工程では、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むシート材を、炭素繊維基材Tの上側及び下側に重ね合わせたものを、一対の熱ローラの間に送り込むことが行われる。この方法によれば、シート材に含まれていたエポキシ樹脂及び硬化剤が、炭素繊維基材Tに含漬することで、プリプレグPが製造される。
樹脂シート1やプリプレグPが製造された後では、複数のプリプレグPを重ね合わせて重合体Qを形成し、重合体Qの上下の表面に樹脂シート1を積層することで、積層体2(図1)が製造される。
そして積層体2を用いてCFRPを成形する際には、例えばオートクレーブ成形やプレス成形によって、積層体2に熱及び圧力を加えることが行われる。
オートクレーブ成形では、真空パックの内部に積層体2を配置する工程と、型の内部に上記の真空パックを配置する工程と、オートクレーブの内部に上記の型を配置する工程と、オートクレーブ内の気圧を高めることで積層体2に圧力を加えるとともに、オートクレーブ内に配置された型の温度を高めることで積層体2に熱を加える工程とが順次実施される。
プレス成形では、上下の型によって積層体2を挟み込む工程と、一対の熱板によって上下の型を挟み込むことで、積層体2に熱及び圧力を加える工程とが実施される。
上記のオートクレーブ成形やプレス成形で、積層体2に熱が加えられる間では、プリプレグPの樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂の温度が90℃〜110℃に達することで、樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂は、液状化して粘度が1Pa・s〜 50Pa・sになる。そして当該樹脂組成物Sに含まれるエポキシ樹脂の粘度が1Pa・s〜50Pa・sがなっている間(プリプレグPに含まれるエポキシ樹脂が液状化している間)において、樹脂シート1の最低粘度が50Pa・s〜500Pa・sになる。これにより、樹脂シート1の樹脂が、プリプレグP内に進入して、気泡Aを埋める(図2参照)。これにより気泡Aが消滅する。
そしてさらに熱が積層体2に加えられることで、プリプレグPの樹脂組成物Sや樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂が硬化剤と反応する。これにより、プリプレグPや樹脂シート1に含まれるエポキシ樹脂が硬化して、CFRPが成形される。当該CFRPは、プリプレグPに存在していた気泡Aが消滅したことで、表面が平滑なものとなる(つまり、CFRPは、ピンホールが無いものとなる)。
そしてCFRPが成形された後では、CFRPの表面に塗装が施される。この際には、CFRPの表面が平滑であることで、従来技術のようにピンホールによって塗料が弾かれない。このため、従来技術のように手間や費用を要せず、塗装を完了できる。
なお本発明は上記実施形態に限定されず、種々改変できる。例えば、本発明の積層体は、図1に示す積層体2に限定されず、図3(a),図3(b),図3(c)に示すように変形できる。図3(a)に示す積層体3では、複数のプリプレグPを重ね合わせた重合体Qの一方の表面のみに、樹脂シート1が積層されている。また図3(b)に示す積層体4では、1層のプリプレグPの上下の表面に樹脂シート1が積層されている。また図3(c)に示す積層体5では、1層のプリプレグPの一方の表面のみに樹脂シート1が積層されている。
本発明者らは、樹脂シート1に熱可塑性樹脂を含ませることによる効果を確認するための試験を行った。以下、この試験について説明する。
本試験は、熱可塑性樹脂を含む実施例の樹脂シートと、熱可塑性樹脂を含まない比較例の樹脂シートとを作成した。以下の表1に、実施例及び比較例の樹脂シートを製造するために使用した材料を示す。
実施例及び比較例の樹脂シートを成形するために、バーコーターを用いて樹脂シート1の材料を離型紙上に塗工する塗工工程と、樹脂シート1の材料が塗工された離型紙を乾燥機内で加熱する加熱工程と、加熱によって成形された樹脂シート1を離型紙から剥離する剥離工程とを実施した。加熱工程では、乾燥機内の温度を100℃として、積層体2を5分間加熱し、樹脂シート1に含ませる溶剤を蒸発させた。その結果、離型紙への樹脂付着量が100g/mである実施例及び比較例の樹脂シートが製造された。
そして、実施例の樹脂シートをプリプレグPに積層することで、実施例の積層体を作成した。また、比較例の樹脂シートをプリプレグPに積層することで、比較例の積層体を作成した。
上記のプリプレグPは、炭素繊維基材Tの上側及び下側にシート材を重ね合わせたものを、一対の熱ローラの間に送り込むことで、シート材中のエポキシ樹脂及び硬化剤を炭素繊維基材Tに含ませたものである。炭素繊維基材Tは、3Kの炭素繊維(3000本のフィラメントからなる炭素繊維)の糸を、平織に織った織布であり、目付が200g/mである。
上記のシート材に、比較例の樹脂シートの製造に使用したエポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤・添加剤・溶剤(表1の「比較例の樹脂シート」の列参照)を含ませたことで、プリプレグPを、比較例の樹脂シートの製造に使用したエポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤・添加剤・溶剤が炭素繊維基材Tに含まれるものにした。そして、プリプレグPを4枚重ね合わせた重合体の表面及び裏面に、実施例の樹脂シートを積層することで、実施例の積層体を得た。また、プリプレグPを4枚重ね合わせた重合体の表面及び裏面に、比較例の樹脂シートを積層することで、比較例の積層体を得た。
そして、実施例の積層体に熱及び圧力を加えることで実施例のCFRPを成形し、比較例の積層体に熱及び圧力を加えることで比較例のCFRPを成形した。この成形時には、温度が130℃であり、プレス圧が2MPaである熱板によって、実施例及び比較例の積層体に熱及び圧力を加えることを、2時間行っており、この間、ティ・エイ・インスツルメント社製のレオメーター(AR-G2)を用いて、実施例及び比較例の樹脂シートの粘度を計測した。そして実施例及び比較例のCFRPが成形された後では、これらCFRPの表面の状態を観察した。
図4は、実施例及び比較例の樹脂シートの粘度と温度との関係を示すグラフである。図4に示すように、プリプレグPに含まれるエポキシ樹脂が液状化する温度帯90℃〜110℃(つまりエポキシ樹脂の粘度が1Pa・s〜50Pa・sとなる温度帯)では、熱可塑性樹脂を含む実施例の樹脂シートは、粘度が50Pa・s〜500Pa・sの範囲にあり、最低粘度が100Pa・s程度になった。これに対して、熱可塑性樹脂を含まない比較例の樹脂シートは、上記の温度帯90℃〜110℃における粘度が50Pa・s未満の範囲にあり、最低粘度が10Pa・s程度になった。このことから、樹脂シートに熱可塑性樹脂を含ませることで、温度帯90℃〜110℃における樹脂シートの最低粘度を、プリプレグPに含まれるエポキシ樹脂の粘度(1Pa・s〜50Pa・s)よりも、高くできることが実証された。
図5は、比較例のCFRPを示す写真であり、図6は、実施例のCFRPを示す写真である。
比較例のCFRPでは、繊維の交点の部分にピンホールAが生じていた(図5)。これに対して、実施例のCFRPは、繊維の交点に樹脂が充填されて、樹脂の層が繊維表面を覆うものとなっており、平滑な表面を有していた(図6)。このことから、樹脂シートに熱可塑性樹脂を含ませて、樹脂シートの粘度を高めることで、プリプレグPの気泡Aが消滅し、平滑な表面を有するCFRP(ピンホールAのないCFRP)が得られることが実証された。
1 樹脂シート
2,3,4,5 積層体
A 気泡、ピンホール
P プリプレグ
Q 重合体
S 樹脂組成物
T 炭素繊維基材

Claims (14)

  1. プリプレグに積層される樹脂シートであって、
    前記プリプレグは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が炭素繊維基材に含浸されたものであって、
    前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になり、
    前記樹脂シートは、エポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂を含む材料から形成されており、
    前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が液状化している間において、前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の粘度は、1Pa・s〜50Pa・sであり、前記樹脂シートの最低粘度は、50Pa・s〜500Pa・sの範囲にあることを特徴とする樹脂シート。
  2. 前記樹脂シートに含まれる熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂、ポリカーボネード樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである、請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであり、
    前記樹脂シートに含まれる硬化剤は、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである、請求項1又は2に記載の樹脂シート。
  4. 前記樹脂シートでは、前記エポキシ樹脂及び前記熱可塑性樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂に含まれる固形分が20〜50重量部とされている、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂シート。
  5. 前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂及び硬化剤は、前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂が固体状になったときに、透明であり、
    前記樹脂シートに含まれる熱可塑性樹脂は、前記樹脂シートに含まれるエポキシ樹脂と相溶して透明となり、当該エポキシ樹脂が硬化した後も透明である、請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法であって、
    前記樹脂シートの材料を離型紙或いは離型フィルム上に塗工する塗工工程と、
    前記樹脂シートの材料が塗工された前記離型紙或いは離型フィルムを乾燥機内で加熱する加熱工程と、
    加熱によって成形された前記樹脂シートを前記離型紙或いは離型フィルムから剥離する剥離工程とを有する樹脂シートの製造方法。
  7. エポキシ樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が炭素繊維基材に含浸されているプリプレグと、
    前記プリプレグに積層される請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂シートとを備え、
    前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、常温で固形状或いは半固形状を呈するものであり、90℃〜110℃に加熱されることで、液状化して粘度が低くなり、さらに加熱されることで、硬化材との反応が進行して固体状になり、
    前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が液状化している間において、前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の粘度は、50Pa・s〜500Pa・sであることを特徴とする積層体。
  8. 前記プリプレグの樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであり、
    前記プリプレグの樹脂組成物に含まれる硬化剤は、ジシアンジアミドである、請求項7に記載の積層体。
  9. 前記プリプレグの樹脂組成物及び前記樹脂シートには、硬化促進剤が含まれており、 前記硬化促進剤は、イミダゾール及び3級ホスフォニウム塩のうちののいずれか1種又は2種の組み合わせである、請求項7又は8に記載の積層体。
  10. 前記プリプレグの樹脂組成物及び前記樹脂シートには、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記硬化剤が80〜100重量部の割合で含まれ、前記硬化促進剤が80〜100重量部の割合で含まれる請求項9に記載の積層体。
  11. 複数の前記プリプレグを重ね合わせた重合体に、前記樹脂シートが積層されている、請求項7乃至10のいずれかに記載の積層体。
  12. 請求項7乃至11のいずれかに記載の積層体を製造する製造方法であって、
    前記樹脂シートを製造する工程と、
    前記プリプレグを製造する工程と、
    前記プリプレグに前記樹脂シートを積層する工程とを有し、
    前記樹脂シートを製造する工程では、前記樹脂シートの材料を離型紙或いは離型フィルム上に塗工する塗工工程と、前記樹脂シートの材料が塗工された前記離型紙或いは離型フィルムを乾燥機内で加熱する加熱工程と、加熱によって成形された前記樹脂シートを前記離型紙或いは離型フィルムから剥離する剥離工程とが実施され、
    前記プリプレグを製造する工程では、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むシート材を、炭素繊維基材の上側及び下側に重ね合わせたものを、一対の熱ローラの間に送り込むことで、前記シート材に含まれていたエポキシ樹脂及び硬化剤を、前記炭素繊維機材に含漬させることが行われる、積層体の製造方法。
  13. 請求項7乃至11のいずれかに記載の積層体を用いて炭素繊維強化プラスチックを成形する方法であって、
    真空パックの内部に積層体を配置する工程と、
    型の内部に前記真空パックを配置する工程と、
    オートクレーブの内部に前記型を配置する工程と、
    前記オートクレーブ内の気圧を高めることで前記積層体に圧力を加え、且つ、前記オートクレーブ内に配置された前記型の温度を高めることで前記積層体に熱を加える工程とを有する成形方法。
  14. 請求項7乃至11のいずれかに記載の積層体を用いて炭素繊維強化プラスチックを成形する方法であって、
    上型と下型とによって前記積層体を挟み込む工程と、
    一対の熱板によって前記上型及び前記下型を挟み込むことで、前記積層体に熱及び圧力を加える工程とを有する成形方法。
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