JP6537884B2 - フィルム延伸装置及び延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを搬送しながら加熱して延伸させるフィルム延伸装置及び熱可塑性樹脂フィルムを延伸させた延伸フィルムの製造方法に関するものである。
従来から、樹脂フィルムは、所定の方向に引っ張って延ばすことで、その引っ張り方向に対する強度が増すことが知られている。
例えば、2本以上のロールで樹脂フィルムを走行させながら、ガラス転移温度以上に加熱し、走行方向に配置されたロール間の周速差を利用して、フィルムを走行方向に一軸延伸(縦延伸)する技術が一般的に行われている。
この際の樹脂フィルムの加熱方法としては、高温ロールと接触させて加熱する方法や非接触式の加熱手段を用いて加熱する方法などがある。
しかし、近年、樹脂フィルムに要求される品質が高度化しており、従来の高温ロールと接触させて加熱する方法では、高温ロールからの剥離時の転写欠陥や剥離点の変動に伴う延伸ムラなどが問題になっている。
そこで、近年では、高温ロールによる加熱に加えて、非接触ヒーターや熱風炉等を用いて、樹脂フィルムを所望の温度にコントロールする方策が用いられている(例えば、特許文献1,2)。
例えば、特許文献1に記載のロール縦延伸機は、走行方向で前後に配置された2本のロールの周速差で樹脂フィルムを一軸延伸するものであり、前記2本のロール間に非接触式の赤外線ヒーターが設置されている。そして、特許文献1に記載のロール縦延伸機は、赤外線ヒーターから赤外線を放射させることによって前記の2本のロール間の樹脂フィルムをガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、延伸することが可能となっている。
また、特許文献2に記載の延伸装置は、延伸ロール間に赤外線ヒーターと赤外線温度計が設置され、赤外線ヒーターと赤外線温度計は、樹脂フィルムを挟んで対向する位置に配されている。そして、特許文献2に記載の延伸装置は、延伸中の樹脂フィルムの温度を赤外線温度計で検知し、温度管理しながら加熱することが可能となっている。
特開2014−083703号公報 特開2010−208078号公報
ところで、一般的に、縦延伸の延伸開始点におけるフィルムの温度は、延伸後のフィルムの品質を左右する極めて重要な因子である。
上記した特許文献2の例では、赤外線ヒーターで加熱される位置が概ね延伸開始点に相当する。しかし、特許文献2に記載の延伸装置においても、赤外線ヒーターで加熱されている位置の樹脂フィルムの温度を精度良く把握することは出来ない。すなわち、特許文献2に記載の延伸装置は、加熱位置の温度を測定するために、非接触温度計を採用しているが、当該非接触温度計が樹脂フィルムを挟んで赤外線ヒーターと対抗配置されている。そのため、非接触温度計の計測範囲内に赤外線ヒーターの照射部分が入ることとなり、樹脂フィルム単独の温度を精度良く測定することはできない。それ故に、特許文献2に記載の延伸装置では、高品質の延伸フィルムを製造するにあたって、改善の余地があった。
そこで、本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを加熱して延伸し、高品質の延伸フィルムを製造可能なフィルム延伸装置及び延伸フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、フィルムの加熱温度を特定するべく、ネックイン量とフィルムの加熱温度との相関性について注目した。一般的に、同一規格の熱可塑性樹脂製の原反フィルムを同一の延伸条件で延伸する場合、ネックイン量はほぼ一定とみなせる。
ここで、「延伸条件」とは、製造装置の機械的条件や運転条件を広く指すが、特にネックイン量への影響が強い因子としては、延伸区間距離、延伸倍率、ラインスピード、及びフィルムの温度が挙げられる。すなわち、フィルムの加熱温度以外の延伸条件を同一として縦延伸する場合は、フィルムの加熱部位通過直後のフィルムの温度と延伸後のネックイン量は相関関係を持つと考えられる。また、フィルムの加熱温度は、当然のことながら、加熱手段の出力や加熱手段とフィルムの距離とある一定の相関性を持つ。すなわち、本発明者は、ネックイン量から加熱温度を推定し、加熱温度から加熱手段の出力等との相関関係をみることによって、加熱温度を実際に測定しなくても、出力等とネックイン量との相関関係を導き出せると考察した。
上記した考察のもと請求項1に記載の発明は、複数の回転ローラーと、前記複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有したフィルム延伸装置であって、前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるフィルム延伸装置において、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を有し、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも上流側部位の幅を測定する上流側幅測定手段を有し、前記上流側部位の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整する制御手段を有することを特徴とするフィルム延伸装置である。
(1)非接触加熱手段の出力
(2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
請求項2に記載の発明は、複数の回転ローラーと、前記複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有したフィルム延伸装置であって、前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるフィルム延伸装置において、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を有し、前記熱可塑性樹脂フィルムの原反の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整する制御手段を有することを特徴とするフィルム延伸装置である。
(1)非接触加熱手段の出力
(2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
すなわち、上記した発明は、複数の回転ローラーと、前記複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有したフィルム延伸装置であって、前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるフィルム延伸装置において、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を有し、前記下流側部位の幅の縮みに関する情報に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整するフィルム延伸装置に関連する
(1)非接触加熱手段の出力
(2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
ここでいう「走行方向」とは、例えば、製造、加工等の生産工程内で連続的に搬送される方向を指す。
上記の発明の構成によれば、複数の回転ローラーと、複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有しており、非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるものである。
そして、上記の発明の構成によれば、熱可塑性樹脂フィルムの非接触加熱手段よりも下流側部位の幅の縮みに関する情報に基づいて、上記の(1)又は(2)を調整する。すなわち、非接触加熱手段によって加熱された部位の幅の縮み関する情報に基づいて、上記の(1)又は(2)を調整し、非接触加熱手段によるフィルムの加熱温度を調整する。そのため、非接触加熱手段によるフィルムの加熱部位の加熱温度を調整するにあたって、実際のフィルム温度を物理的に測定することなく、高品質の延伸フィルムを製造することが可能である。また、非接触加熱手段によるフィルムの加熱温度を所定の閾値内に収まるように、上記の(1)又は(2)を調整することによって、一定の品質以上の延伸フィルムを継続的に製造できる。
請求項に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記非接触加熱手段によってガラス転移温度以上の温度に加熱された後、自然冷却又は冷却手段によって冷却されるものであり、前記下流側幅測定手段は、前記熱可塑性樹脂フィルムの温度がガラス転移温度以下に下がる部位よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム延伸装置である。
本発明の構成によれば、ガラス転移温度以下に下がる部位よりも下流側の幅を検知するため、幅を検知する部分においては、フィルムが周速差による引っ張り力によって延伸されない。そのため、正確なフィルムの幅の縮みに関する情報を取得することができる。
上記した発明において、前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記非接触加熱手段によってガラス転移温度超過の温度に加熱されることが好ましい。
また、上記した発明において、前記熱可塑性樹脂フィルムは、自然冷却又は冷却手段によってガラス転移温度未満の温度に冷却されることが好ましい。
請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム延伸装置において、前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記2本の回転ローラーのうち下流側の回転ローラーと一時的に接触するものであり、前記熱可塑性樹脂フィルムの下流側の回転ローラーとの接触開始位置よりも下流側の幅を測定することが好ましい(請求項)。
上記した発明において、前記熱可塑性樹脂フィルムの下流側の回転ローラーからの離反部位よりも下流側の幅を測定することが好ましい。
この構成によれば、延伸されたフィルムが回転ローラーによって冷却されてガラス転移温度以下となり、冷却されて安定してから幅を検知するので、より正確なフィルムの幅の縮みに関する情報を取得することができる。
上記した発明は、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも上流側部位の幅を測定する上流側幅測定手段を有し、前記上流側部位の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、前記非接触加熱手段の出力を調整することに関連する
この発明の構成によれば、走行方向の上流側部位の幅と下流側部位の幅の変化量に基づいて、非接触加熱手段の出力を調整するので、上流側部位の幅に対する下流側部位の幅の縮みに関する情報を正確に取得することができ、調整誤差を少なくすることができる。そのため、極めて近い品質の延伸フィルムを継続的に製造できる。
請求項5に記載の発明は、前記上流側部位の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、前記非接触加熱手段による前記熱可塑性樹脂フィルムの加熱部位の温度を推定することを特徴とする請求項に記載のフィルム延伸装置である。
本発明の構成によれば、非接触加熱手段による加熱部位の温度を推定するので、例えば延伸フィルムに異常が生じた場合に原因の特定を行いやすい。
また、本発明の構成によれば、加熱部位におけるフィルム温度が推定できるので、製造初期において、出力等の調整が容易である。
上記の発明において、推定した加熱部位の温度に基づいて、前記非接触加熱手段の出力を調整することが好ましい。
上記の発明は、前記熱可塑性樹脂フィルムの原反の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、前記非接触加熱手段の出力を調整することに関連する。
の構成によれば、あらかじめ測定されて既知となっている熱可塑性樹脂フィルムの原反の幅と、下流側幅測定手段によって測定された下流側部位の幅の差分に基づいて非接触加熱手段の出力を調整するので、上流側幅測定手段を設けずとも、下流側部位の幅の縮みに関する情報を取得可能であり、それに基づき非接触加熱手段の出力の調整が可能である。
請求項に記載の発明は、前記2本の回転ローラーのうち、下流側の回転ローラーは、前記熱可塑性樹脂フィルムを冷却する冷却ローラーであり、前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記回転ローラーに接触することによって、ガラス転移温度以下に冷却されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフィルム延伸装置である。
本発明の構成によれば、下流側の回転ローラーがフィルムに接触することによって、フィルムの温度をガラス転移温度以下に冷却するので、下流側の回転ローラー上においてフィルムが周速差による引っ張り力によって変形しにくく、下流側部位の幅の縮みに関する情報を正確に取得できる。
請求項に記載の発明は、複数の回転ローラーと、非接触加熱手段を使用する延伸フィルムの製造方法であって、前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させて延伸フィルムを形成する延伸フィルムの製造方法において、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも上流側部位の幅と、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅との差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整することを特徴とする延伸フィルムの製造方法である。
(1)非接触加熱手段の出力
(2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
すなわち、本発明は、複数の回転ローラーと、非接触加熱手段を使用する延伸フィルムの製造方法であって、前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させて延伸フィルムを形成する延伸フィルムの製造方法において、前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を使用し、前記下流側部位の幅の縮みに関する情報に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整する延伸フィルムの製造方法に関連する。
(1)非接触加熱手段の出力
(2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
上記の構成によれば、実際のフィルム温度を物理的に測定することなく、高品質の延伸フィルムを製造することが可能である。また、一定の品質以上の延伸フィルムを継続的に製造できる。
本発明のフィルム延伸装置及び延伸フィルムの製造方法によれば、熱可塑性樹脂フィルムの幅の縮みに関する情報に基づいて、非接触加熱手段の出力又は非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離を調整するので、所定の品質が確保された延伸フィルムを長期に亘って安定的に製造することができる。
本発明の第1実施形態の延伸装置を模式的に示した斜視図である。 図1の延伸装置を別の方向からみた斜視図である。 図1の延伸装置の平面図である。 図1の制御装置のブロック図である。 図1の延伸装置を用いて延伸フィルムを製造する際の説明図であり、(a)〜(d)はフィルムの経時変化を示す。 第1実施形態の調整動作を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の調整動作を表すフローチャートである。 本発明の他の実施形態における延伸装置の概念図である。 本発明の他の実施形態における延伸装置の概念図である。 本発明の他の実施形態における延伸装置の概念図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、図1の姿勢を基準とする。
本発明の第1実施形態の延伸装置1(フィルム延伸装置)は、熱可塑性樹脂製のフィルム100を所定の方向に走行させ、その走行中に走行方向Xに延伸させる一軸延伸装置である。延伸装置1は、原反フィルム100aを搬送方向Xに延伸させて延伸フィルム100cを製造可能となっている。
なお、以下の説明においては、フィルム100の延伸加工前の原反部分を原反フィルム100a、延伸加工中の部分を仕掛延伸フィルム100b、延伸加工後の部分を延伸フィルム100cともいう。
また、本実施形態の延伸装置1は、フィルム100の縮みに関する情報たるネックイン量Nから加熱位置X5でのフィルム温度T1を推定し、当該フィルム温度T1から非接触加熱手段5の出力をフィードバック制御する調整動作を実施可能である点を特徴の一つとしている。
このことを踏まえながら、以下、第1実施形態の延伸装置1について詳細に説明する。
延伸装置1は、図1に示されるように、第1回転ローラー2と、第2回転ローラー3と、非接触加熱手段5と、第1幅検知手段6(上流側幅測定手段)と、第2幅検知手段7(下流側幅測定手段)と、制御装置8(図4参照)を備えている。
第1回転ローラー2は、所望の速度で自転可能な回転ローラーであり、供給された原反フィルム100aを第2回転ローラー3側に送り出すローラーである。すなわち、第1回転ローラー2は、一対の回転ローラー2,3のうち上流側に位置した上流側ローラーである。
また、第1回転ローラー2は、原反フィルム100aの温度をガラス転移温度近傍の温度であって、ガラス転移温度以下の温度になるように加熱する加熱ローラーでもある。
第2回転ローラー3は、所望の速度で自転可能な回転ローラーであり、第1回転ローラー2から送り出された仕掛延伸フィルム100bを引き込むローラーである。すなわち、第2回転ローラー3は、一対の回転ローラー2,3のうち下流側に位置した下流側ローラーである。
また、第2回転ローラー3は、原反フィルム100aが加熱された仕掛延伸フィルム100bを冷却する冷却手段たる冷却ローラーでもある。
非接触加熱手段5は、フィルム100に熱を加え、フィルム100の温度をガラス転移温度以上の温度まで昇温させる加熱装置である。
非接触加熱手段5は、非接触式の加熱装置であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ランプ式やパネル式の赤外線ヒーターや熱風ノズルによる対流加熱、熱風炉の設置を通過させる手段などが挙げられる。
フィルム100を走行方向Xに均一に延伸させたい場合は、非接触加熱手段5として、走行方向Xに加熱範囲を有する熱風炉やパネル式赤外線ヒーターが使用可能である。
回転ローラー2,3間が極めて短い場合やフィルム100の延伸開始点位置を優先して制御したい場合は、非接触加熱手段5として、バー型ランプ式の赤外線ヒーターや熱風ノズル単独による加熱が使用可能である。
また、非接触加熱手段5は、延伸フィルム100cの製造時において、走行中のフィルム100に対して幅方向全域又は一部の領域を加熱するように、フィルム100の片面又は両面側に非接触で配置されている。
本実施形態の非接触加熱手段5は、ライン状に延びた2本の赤外線ヒーター12,13を使用しており、熱可塑性樹脂フィルムを線状に加熱することが可能となっている。
また、赤外線ヒーター12,13は、延伸フィルム100cの製造時において、フィルム100を挟んで対向する位置に配されている。すなわち、赤外線ヒーター12,13は、フィルム100の両面に向けて赤外線を照射可能となっている。
第1幅検知手段6は、原反フィルム100aの幅を検知するものである。
本実施形態では、第1幅検知手段6は、原反フィルム100aの第1回転ローラー2との接触開始位置X1直前の幅を検知するものである。すなわち、第1幅検知手段6は、幅方向Yのエッジ検出手段である。
第1幅検知手段6は、フィルム100の幅を検知できれば特に限定されるものではなく、例えば株式会社オムロン社製のレーザー式CCD測長センサーZX−GTや、株式会社ニレコ社製の超音波センサーUHWシリーズが使用可能である。
第1幅検知手段6は、図2に示されるように、第1回転ローラー2の軸方向に離間した一対の検知部10,11から構成されている。
検知部10,11は、第1回転ローラー2の軸方向に所定の幅をもっており、フィルム100の幅方向Yの端部を検出する部位である。検知部10,11は、フィルム100の幅方向Yの両端部に対応して設けられており、フィルム100のエッジ位置のデータから幅W1(図3参照)を算出することができる。
第2幅検知手段7は、延伸フィルム100cの幅を検知するものである。本実施形態では、第2幅検知手段7は、延伸フィルム100cの第2回転ローラー3との離反開始位置X4直後の幅を検知するものである。すなわち、第2幅検知手段7は、幅方向Yのエッジ検出手段である。
第2幅検知手段7は、フィルム100の幅を検知できれば特に限定されるものではなく、例えば株式会社オムロン社製のレーザー式CCD測長センサーZX−GTや、株式会社ニレコ社製の超音波センサーUHWシリーズが使用可能である。
また、第2幅検知手段7は、図1に示されるように、第2回転ローラー3の軸方向に離間した一対の検知部15,16から構成されている。
検知部15,16は、第2回転ローラー3の軸方向に所定の幅をもっており、フィルム100の軸方向の端部を検知する部位である。すなわち、検知部15,16は、フィルム100の幅方向両端部に対応するように設けられており、フィルム100のエッジ位置のデータから幅W2(図3参照)を算出することができる。
制御装置8は、CPU、ROM、RAMなどを主要部として構成されるものであり、図4で示されるように、制御部20、入力部21、演算部22、記憶部23、及び出力部25を備えている。
制御部20は、非接触加熱手段5への機器制御を司る部分であり、制御装置8と、各種出入力機器(非接触加熱手段5、第1幅検知手段6、及び第2幅検知手段7)の間での各種信号の送受信、各種出入力機器から送信されたデータの記憶、記憶したデータの読み出し、各種プログラムの実行等を行う部分である。すなわち、この制御部20は、各種出入力機器から送信された信号や、過去に各種出入力機器から送信された信号(データ)に基づいて、各種出入力機器を制御するための信号を生成可能となっている。
入力部21は、各種出入力機器から送信される信号を受信する部分であり、第1幅検知手段6や第2幅検知手段7等の各種センサーによって検知される情報を受信可能となっている。
演算部22は、CPUの演算処理の実行を司る部分であり、算術演算、論理演算等の各種演算を実行する部分である。
記憶部23は、RAM及びROMによって構成され、処理手順を記載したプログラム、過去に行った延伸工程でのデータ等を一時的又は半永久的に記憶する部分である。
なお、ROMには、演算部22に各種制御を行わせるためのプログラム及びデータが記憶され、RAMには、各種設定値や、プログラムの実行に必要なデータが記憶される。
出力部25は、制御部20が生成した信号を各種出入力機器に対して制御信号を送信するための部分である。
フィルム100は、公知の熱可塑性樹脂フィルムであり、本実施形態のフィルム100はアクリル系樹脂フィルムである。
フィルム100は、上記したように、延伸装置1によって加工され、原反フィルム100a、仕掛延伸フィルム100b、延伸フィルム100cの順に変化する。
原反フィルム100aは、延伸加工前の材料フィルムであり、一律の厚みをもったフィルムである。
仕掛延伸フィルム100bは、延伸フィルム100cの仕掛品である。
延伸フィルム100cは、原反フィルム100aを一軸延伸したフィルムである。
延伸装置1でフィルム100を加工している状態においては、原反フィルム100aは、仕掛延伸フィルム100bよりも上流側部位であり、延伸フィルム100cは、仕掛延伸フィルム100bよりも下流側部位である。すなわち、原反フィルム100aは、延伸フィルム100cよりも上流側部位である。
続いて、本実施形態の延伸装置1の各構成部材の位置関係について説明する。
第1回転ローラー2と第2回転ローラー3は、図1に示されるように、搬送方向Xに所定の間隔を空けて配されており、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3の間に非接触加熱手段5が配されている。また、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3は、それぞれ回転軸L1,L2が同一方向に延びて互いに平行となっている。
第1幅検知手段6は、図1,図2から読み取れるように、非接触加熱手段5よりも上流側に位置しており、第1回転ローラー2から原反フィルム100aが離反する離反開始位置X2(送り出し開始位置X2)よりも上流側に位置していることが好ましい。
本実施形態の第1幅検知手段6は、第1回転ローラー2によるフィルム100の引き込み開始位置X1(接触開始位置X1)よりも上流側に配されている。すなわち、第1幅検知手段6は、外部から延伸装置1に搬入された原反フィルム100aが第1回転ローラー2に掛かる位置X1よりも上流側に配されている。そのため、走行中の原反フィルム100aの幅W1を第1回転ローラー2に掛かる直前で測定でき、原反フィルム100aのバタつきや走行皺の影響を抑えることができる。
第1幅検知手段6の検知部10,11は、図2に示されるように、第1回転ローラー2の軸方向に所定の間隔を空けて配されており、フィルム100の端部を跨るように配されている。
第2幅検知手段7は、図1に示されるように、非接触加熱手段5よりも下流側に位置しており、第2回転ローラー3から延伸フィルム100cが引き込み開始位置X3(接触開始位置X3)よりも下流側に位置していることが好ましい。
本実施形態の第2幅検知手段7は、第2回転ローラー3の離反する位置X4よりも下流側に配されている。すなわち、第2幅検知手段7は、延伸装置1から外部へ搬出される延伸フィルム100cが第2回転ローラー3から剥離(離反)位置X4よりも下流側に配されている。そのため、第2幅検知手段7は、走行中の延伸フィルム100cの幅W2を第2回転ローラー3によって冷却され、フィルム100の性状が安定した位置で測定でき、延伸フィルム100cのバタつきや走行皺の影響を抑えることができる。
第2幅検知手段7の検知部15,16は、第2回転ローラー3の回転軸方向に所定の間隔を空けて配されており、フィルム100の端部を跨るように配されている。
続いて、本実施形態の延伸装置1のフィルム100が通過する各領域について説明する。
フィルム100は、回転ローラー2,3間の区間である縦延伸区間を通過する。そして、本実施形態のフィルム100は、延伸装置1によって延伸される際に、縦延伸区間の一部又は全部を構成する少なくとも3つの領域を経る。
具体的には、フィルム100は、図1,図2,図5から読み取れるように、縦延伸区間を構成する原反領域30と、延伸領域31と、接触領域32を通過する。
原反領域30は、第1回転ローラー2の引き込み開始位置X1から非接触加熱手段5によって加熱される位置X5までの領域である。原反領域30は、フィルム100が原反フィルム100aの状態で通過する領域であり、幅が概ね一定となる領域である。
延伸領域31は、非接触加熱手段5によって加熱される位置X5から第2回転ローラー3の引き込み開始位置X3までの領域である。延伸領域31は、フィルム100が周速差を利用した引っ張り力によって延伸され、仕掛延伸フィルム100bの状態で通過する領域であり、流れ方向(走行方向X)の上流側から下流側に向けて幅が漸次減少する領域である。
接触領域32は、第2回転ローラー3の引き込み開始位置X3から外部への送り出し開始位置X4(離反開始位置X4)までの領域である。接触領域32は、フィルム100が第2回転ローラー3と接触して冷却され、安定した状態となる領域であり、幅が概ね一定となる領域である。
続いて、延伸装置1による延伸フィルムの製造方法について説明する。
延伸装置1は、延伸フィルム100cを製造するにあたって、延伸フィルム100cを製造する製造動作と、製造動作の結果からフィードバック制御する調整動作を実施する。そして、上記したように本実施形態の延伸装置1は、調整動作に特徴の一つを有している。
以下、調整動作の説明に先立って、製造動作について説明する。
まず、フィルム100を公知の手法によって取り付け、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3の回転によって、延伸対象たるフィルム100を延伸方向に走行させる。
このとき、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3は、ともにフィルム100を一方向に搬送するように、異なる周速で回転する。具体的には、第1回転ローラー2の周速V1は、第2回転ローラー3の周速V2よりも遅くなっている。そのため、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3の間で周速差が発生し、この周速差によって、フィルム100が走行方向Xに引っ張られ、フィルム100に走行方向Xの引っ張り力が加わる。
なお、第1回転ローラー2の周速V1と第2回転ローラー3の周速V2は、それぞれ工程全体のラインスピードと延伸区間における縦延伸倍率によって適宜決定される。また、フィルム100の材質等によっても適宜決定される。
そして、上記の回転ローラー2,3の回転と並行して、非接触加熱手段5によって、原反フィルム100aに熱を加え、上記の回転ローラー2,3の周速差による引っ張り力によって原反フィルム100aを延伸させて仕掛延伸フィルム100bとする。
具体的には、非接触加熱手段5によって、原反フィルム100aをガラス転移温度以上の温度となるように急激に加熱し、回転ローラー2,3の周速差によって走行方向Xに延伸させる。
このとき、非接触加熱手段5で加熱されたフィルム100は、非接触加熱手段5から第2回転ローラー3に接触するまでの間、ガラス転移温度以上の温度に維持される。
またこのとき、フィルム100は、走行方向Xと非接触加熱手段5を構成する赤外線ヒーター12,13の赤外線照射方向が交わる位置X5で幅方向Yに均一に加熱される。
そして、延伸された仕掛延伸フィルム100bを第2回転ローラー3に接触させて冷却し、延伸フィルム100cとする。
このとき、仕掛延伸フィルム100bの断面積は、回転ローラー2,3に延伸されることによって、原反フィルム100aの断面積に比べて小さくなる。そのため、フィルム100が下流側に進むにつれて、空気による冷却速度が増加し、第2回転ローラー3によって延伸フィルム100cが引き込まれる引き込み開始位置X3では、自然冷却によりガラス転移温度付近の温度又はガラス転移温度以下になる。
またこのとき、第2回転ローラー3に接触したフィルム100は、第2回転ローラー3の表面温度によってガラス転移温度以下に冷却される。そのため、第2回転ローラー3よりも下流側では、フィルム100は、変形せず、形状を保ったまま送り出される。
その後、フィルム100と接触しながら第2回転ローラー3が回転し、外部に搬出される。
続いて、上記の延伸フィルムの製造動作をフィルム100の特定部位Sの推移に注目して説明する。
フィルム100の特定部位Sは、ガラス転移温度(Tg)以下の状態(本実施形態ではガラス転移温度よりも低温状態)で、外部から第1回転ローラー2によって引き込まれ、第1回転ローラー2との接触開始位置X1に至る。接触開始位置X1に至った特定部位Sは、図5(a)に示されるように、第1回転ローラー2の外周面と接触して加熱しながら、第1回転ローラー2の周方向に移動し離反開始位置X2に至る。
離反開始位置X2に至った特定部位Sは、ガラス転移温度近傍の温度であってかつガラス転移温度以下の状態で、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3との間の周速差による引っ張り力を受けながら直線上に走行し、図5(b)に示されるように、非接触加熱手段5による加熱位置X5に至る。
特定部位Sは、加熱位置X5に至ると、非接触加熱手段5から受ける熱量によって、ガラス転移温度以上の状態(本実施形態ではガラス転移温度よりも高温状態)となり、弾性率及び機械的強度が低下する。
このときの特定部位Sのフィルム温度は、(Tg+5)℃〜(Tg+20)℃であることが好ましい。
そして、特定部位Sは、図5(c)に示されるように、ガラス転移温度以上の状態(本実施形態ではガラス転移温度よりも高温状態)で引っ張り力を受けて延伸されながら、第2回転ローラー3に引き込まれ、第2回転ローラー3との接触開始位置X3に至る。すなわち、特定部位Sは、走行方向Xの上流側から下流側に向かうにつれて表面積が増加するとともに断面積が低下しながら、接触開始位置X3に至る。
接触開始位置X3に至った特定部位Sは、図5(d)に示されるように、第2回転ローラー3の外周面と接触して冷却されながら、離反開始位置X4に至る。そして、離反開始位置X4に至った特定部位Sは、ガラス転移温度以下の状態(本実施形態ではガラス転移温度よりも低温状態)で、外部に送り出される。
続いて、本実施形態の延伸装置1の特徴の一つである調整動作について図6を参照しながら説明する。
本実施形態の延伸装置1は、非接触加熱手段5の出力調整を、延伸フィルム100cのネックイン量を測定する測定工程と、測定工程で測定したネックイン量の測定データと前もってオフラインで取得したネックイン量とフィルム100の温度の相関データを照合し、フィルム100の温度を予測して非接触加熱手段5の出力値をリアルタイムで決定する出力決定工程と、出力決定工程で決定した出力値に非接触加熱手段5の出力値を調整する調整工程の3つの工程を自動又は手動で連続的に繰り返し行い、フィルム100の加熱温度を所望の範囲に調整する調整動作を実施する。
具体的には、まず調整動作の事前準備として、オフラインにて、原反フィルム100aの幅方向長さ(幅W1)と延伸フィルム100cの幅方向長さ(幅W2)の差分たるネックイン量N(=W1−W2)と、当該ネックイン量Nにおけるフィルム温度T0の関係に関するデータと、各フィルム温度に対する非接触加熱手段5の出力の関係に関するデータを取得する。
得られたデータを記憶部23で記憶し、延伸フィルム100cの製造と並行して調整動作を行う。
まず第1幅検知手段6によって、延伸前の原反フィルム100aの幅W1を検知し、延伸後の延伸フィルム100cの幅W2を検知する。
そして、原反フィルム100aの幅W1と延伸フィルム100cの幅W2の差分たるネックイン量Nを算出し(STEP.1)、あらかじめオフラインで取得したネックイン量Nと加熱位置X5でのフィルム温度T0との関係から、加熱位置X5におけるフィルム温度T1を推定する(STEP.2)。
続いて、フィルム温度T1が以下の数式(1)を満たすかどうか判断する(STEP.3)。
下限閾値A≦フィルム温度T1≦上限閾値B・・・・(1)
ここで、下限閾値Aは、品質に異常が生じる温度よりもやや高い温度であり、上限閾値Bは、品質に異常が生じる温度よりもやや低い温度である。
すなわち、フィルム温度T1が下限閾値A又は上限閾値Bとなったとしても、品質に異常が生じていない。
フィルム温度T1が数式(1)を満たす場合には、原反フィルム100aが所望の温度で加熱されていると判断し(STEP.3でYES)、STEP.1に戻る。すなわち、非接触加熱手段5の出力を現状維持したまま、延伸フィルム100cの製造を続ける。
フィルム温度T1が数式(1)を満たさない場合には(STEP.3でNO)、フィルム温度T1が下限閾値A未満あるいは上限閾値B超過であるから、フィルム温度T1が下限閾値A未満であるかどうかを判断する(STEP.4)。
下限閾値A未満である場合には(STEP.4でYES)、非接触加熱手段5の出力が小さすぎるとして、フィルム温度T1が数式(1)を満たすように、非接触加熱手段5の出力を大きくし(STEP.5)、STEP.1に戻る。すなわち、変更後の出力で延伸フィルム100cの製造を続ける。
下限閾値A未満でない場合には(STEP.4でNO)、フィルム温度T1が上限閾値B超過であるから、非接触加熱手段5の出力が大きすぎるとして、フィルム温度T1が数式(1)を満たすように、非接触加熱手段5の出力を小さくし(STEP.6)、STEP.1に戻る。すなわち、変更後の出力で延伸フィルム100cの製造を続ける。
このように、調整動作では、ネックイン量Nからフィルム温度T1を推定し、フィルム温度T1が所定の範囲(数式(1))に収まるように調整するため、高品質のフィルム100を継続的に製造できる。
上記した調整動作は、自動と手動のいずれでも可能であるが、製造が長時間に亘る場合は、自動を選択することが好ましい。
自動で行う場合は、あらかじめ延伸条件、フィルム温度、ネックイン量、非接触加熱手段5の出力のデータを制御装置8に登録しておく。そして、運転中はネックイン量Nのリアルタイムの測定データから非接触加熱手段5の出力値の変更量を決定し、その変更量に基づき非接触加熱手段5の出力を調整する。こうすることで、自動で一定の品質以上の延伸フィルム100cを連続的に製造することができる。
本実施形態の延伸装置1によれば、従来は測定が困難であった非接触加熱手段5を通過直後のフィルム100の温度(延伸開始温度)を精度良く予測でき、所望の範囲に収まるようにコントロールできる。そのため、高品質な延伸フィルム100cを得ることが長期に亘り安定的に可能となる。
本実施形態の延伸装置1によれば、フィルム100は、上流側ローラーたる第1回転ローラー2を通過する直前のフィルム温度がガラス転移温度以下となる。そのため、第1回転ローラー2を通過する前に延伸が開始されることを防止できる。また、第1回転ローラー2を通過する際に粘着キズや転写といったキズ欠陥を抑制することができる。
また、本実施形態の延伸装置1によれば、下流側ローラーたる第2回転ローラー3を通過した後もフィルム温度がガラス転移温度以下となる。そのため、第2回転ローラー3を通過した後に応力や張力の影響によりフィルム100が変形することを防止できる。
本実施形態の延伸装置1によれば、フィルム100の縦延伸工程において、第2回転ローラー3の通過位置X4でのフィルム100のネックイン量Nをモニタリングし、予め取得したフィルム100の温度とネックイン量Nとのデータに基づき、非接触加熱手段5による加熱直後のフィルム温度T1を予測し、この予測結果に基づき非接触加熱手段5の出力を調整する。そのため、フィルム100の延伸開始温度を所望の値にコントロールでき、高品質な延伸フィルム100cを製造することができる。
続いて、第2実施形態の延伸装置について図7を用いて説明する。
第2実施形態の延伸装置は、第1実施形態の延伸装置1と調整動作が異なる。
すなわち、第1実施形態の延伸装置1の調整動作では、非接触加熱手段5による加熱位置X5でのフィルム100の温度を推定し、推定した温度に基づいて非接触加熱手段5の出力を制御した。一方、第2実施形態の延伸装置の調整動作では、ネックイン量からフィルム100の温度を推定せずに、直接非接触加熱手段5をフィードバック制御する。
具体的には、まず第1幅検知手段6によって、延伸前の原反フィルム100aの幅W1を検知し、延伸後の延伸フィルム100cの幅W2を検知する。
そして、原反フィルム100aの幅W1と延伸フィルム100cの幅W2の差分たるネックイン量N(=W1−W2)を算出し(STEP.11)、ネックイン量Nが以下の数式(2)を満たすかどうか判断する(STEP.12)。
下限閾値C≦ネックイン量N≦上限閾値D・・・・(2)
ここで、下限閾値Cは、品質に異常が生じる温度で延伸した場合に想定されるネックイン量よりもやや大きい値であり、上限閾値Dは、品質に異常が生じる温度で延伸した場合に想定されるネックイン量よりもやや小さい値である。すなわち、ネックイン量Nが下限閾値C又は上限閾値Dとなったとしても、品質に異常が生じていない。
ネックイン量Nが数式(2)を満たす場合には、原反フィルム100aが適切に加熱されていると判断し(STEP.12でYES)、STEP.1に戻る。すなわち、非接触加熱手段5の出力を現状維持したまま、延伸フィルム100cの製造を続ける。
ネックイン量Nが数式(2)を満たさない場合には、ネックイン量Nが下限閾値C未満であるかどうかを判断する(STEP.13)。
下限閾値C未満である場合には(STEP.13でYES)、非接触加熱手段5の出力が小さすぎるとして、数式(2)の範囲を満たすように非接触加熱手段5の出力を大きくし(STEP.14)、STEP.11に戻る。すなわち、変更後の出力で延伸フィルム100cの製造を続ける。
下限閾値C未満でない場合には(STEP.13でNO)、ネックイン量Nが上限閾値D超過であるから、非接触加熱手段5の出力が大きすぎるとして、数式(2)の範囲を満たすように非接触加熱手段5の出力を小さくし(STEP.15)、STEP.11に戻る。すなわち、変更後の出力で延伸フィルム100cの製造を続ける。
第2実施形態の延伸装置によれば、ネックイン量Nから直接非接触加熱手段5の出力を調整するので、システムを単純化することができる。
上記した実施形態では、フィルム100の加熱温度を調整するために、ネックイン量Nに基づいて非接触加熱手段5の出力を増減させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ネックイン量Nに基づいて、フィルム100と非接触加熱手段5との間隔を調整してもよい。すなわち、ネックイン量Nが大きく非接触加熱手段5の出力が大きい場合には、フィルム100と非接触加熱手段5との間隔を広げ、ネックイン量Nが小さく非接触加熱手段5の出力が小さい場合には、フィルム100と非接触加熱手段5との間隔を狭めてもよい。このようにすることで、フィルム100の加熱温度を調整することができる。
上記した調整動作は、第1実施形態の調整動作と同様、自動と手動のいずれでも可能であるが、製造が長時間に亘る場合は、自動を選択することが好ましい。
上記した実施形態では、走行方向において、一対の回転ローラー2,3の間に一つの非接触加熱手段5を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8のように走行方向において、一対の回転ローラー2,3の間に複数の非接触加熱手段5を並設してもよい。この場合、フィルム100の下流側部位の幅を検知する第2幅検知手段7は、最も下流側に位置する非接触加熱手段5よりも下流側に位置することが好ましい。
上記した実施形態では、第1回転ローラー2と第2回転ローラー3によって、原反フィルム100aを延伸させて延伸フィルム100cとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の第1回転ローラー2と第2回転ローラー3の間に別途回転ローラーを設けてもよい。すなわち、図9に示されるように、3本以上の回転ローラーを備えていてもよい。
また、3本以上の回転ローラー2,300,3を使用する場合において、非接触加熱手段は、一対の回転ローラー2,3の間の位置にあれば特に限定されるものではない。例えば、非接触加熱手段5は、図9(a)のように上流側の回転ローラー2と中流側の回転ローラー300の間に設けてもよい。また例えば、非接触加熱手段5は、図9(b)のように上流側の回転ローラー2と中流側の回転ローラー300の間と、中流側の回転ローラー300と下流側の回転ローラー3との間のそれぞれに設けてもよい。
上記した実施形態では、原反フィルム100aの幅と延伸フィルム100cの幅の差であるネックイン量に基づいて、非接触加熱手段5を制御したが、本発明はこれに限定されるものではなく、原反フィルム100aの幅と延伸フィルム100cの幅の比率であるネックイン率(延伸フィルム100cの幅の縮みに関する情報)によって、非接触加熱手段を制御してもよい。
上記した実施形態では、第1幅検知手段6によって第1回転ローラー2によるフィルム100の引き込み開始位置X1直前でのフィルム幅W1を検知し、第2幅検知手段7によって第2回転ローラー3によるフィルム100の離反開始位置X4直後でのフィルム幅W2を検知したが、本発明はこれに限定されるものではない。フィルム幅W1を引き込み開始位置X1で検知してもよいし、引き込み開始位置X1よりも下流側で検知してもよい。また、フィルム幅W2をフィルム100の離反開始位置X4で検知してもよいし、離反開始位置X4よりも上流側で検知してもよい。
上記した実施形態では、原反フィルム100aの幅W1と延伸フィルム100cの幅W2からネックイン量を算出し、非接触加熱手段5の出力を調整したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10(a)に示されるように、非接触加熱手段5よりも下流側であって、かつ、引き込み開始位置X3よりも上流側に第2幅検知手段7を設け、原反フィルム100aの幅W1と仕掛延伸フィルム100bの所定位置での幅の差(仕掛延伸フィルム100bの幅の縮みに関する情報)から非接触加熱手段5の出力を調整してもよい。
また、図10(b)に示されるように、非接触加熱手段5よりも下流側であって、かつ、引き込み開始位置X3よりも上流側に第1幅検知手段6を設け、仕掛延伸フィルム100bの所定位置での幅と延伸フィルム100cの幅W2との差(延伸フィルム100cの幅の縮みに関する情報)から非接触加熱手段5の出力を調整してもよい。
さらに、図10(c)に示されるように、非接触加熱手段5よりも下流側であって、かつ、引き込み開始位置X3よりも上流側に第1幅検知手段6及び第2幅検知手段7を設け、仕掛延伸フィルム100bの幅の変化(仕掛延伸フィルム100bの幅の縮みに関する情報)から非接触加熱手段5の出力を調整してもよい。
上記した実施形態では、第1幅検知手段6によって原反フィルム100aの幅W1を検知し、第2幅検知手段7によって延伸フィルム100cのフィルム幅W2を検知したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、別の製造ライン等によって製造されたフィルム100を用いたり、市販品のフィルム100を用いたりする場合などの原反フィルム100aの幅W1が既知である場合には、必ずしも第1幅検知手段6によってフィルム幅W1を検知する必要はない。この場合、第1幅検知手段6を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、一対の赤外線ヒーター12,13によってフィルム100の両面を加熱したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの赤外線ヒーターによってフィルム100の片面を加熱してもよい。
この場合、赤外線ヒーターとフィルム100を挟んで対向する位置に赤外線の反射板を設けることが好ましい。反射板を設けることによって、反射板を用いない場合に比べて赤外線による加熱効果を高めることができる。
上記した実施形態では、赤外線ヒーター12,13によってフィルム100の両面を加熱したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非接触加熱手段は、1つ又は複数の吹き出しノズルを有する熱風炉を用いてもよい。
この場合、熱風炉をフィルム100の片面側又は両面側に非接触で配置し、熱風炉が覆う範囲のフィルム100を所望の温度と風量の熱風で加熱することが好ましい。
上記した実施形態では、フィルム100が外部に露出した状態で延伸区間を通過したが、本発明はこれに限定されるものではなく、延伸区間におけるフィルム100を覆う保護カバーを設けてもよい。こうすることによって、延伸区間において保温効果を高めることができ、外部から異物がフィルム100に付着することも防止できる。
以下、本発明の延伸装置1を用いて延伸フィルム100cを製造した実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、延伸フィルム100cの製造に先立って、オフラインにて、フィルム100のネックイン量と加熱部位のフィルム温度との関係を取得した。
具体的には、原反フィルム100aとして、厚さ100μmのアクリル系の熱可塑性樹脂フィルム原反を用い、恒温槽付引張試験機(恒温槽はエスペック株式会社製恒温槽PHH−302)を使用して引張試験を行った。
この引張試験では、延伸フィルム100cの製造工程で用いられる延伸条件(延伸区間距離、延伸倍率、ラインスピード)に該当する初期ひずみ速度でのネックイン量Nを、ガラス転移温度(Tg)℃から(Tg+25)℃の範囲で1℃刻みに取得した。
また、引張試験時のフィルム温度に関しては、恒温槽が設定温度到達後にフィルムサンプルを恒温槽内にセットし、5分間待機して熱可塑性樹脂フィルムと恒温槽内の温度が完全に一致してから引張試験を実施した。
一例として、恒温槽の設定温度が(Tg+8)℃の時、延伸倍率が2.0倍、延伸方向の初期ひずみ速度が0.5[1/sec]の条件ではネックイン量は31.4mmであった。このとき、延伸後のフィルムの透明性を示すヘイズ値は、1%以下と良好な範囲内に収まった。
次に、上記した引張試験によって得られたネックイン量とフィルム温度との関係を延伸装置1にインプットし、延伸フィルム100cの製造を行った。
このとき、非接触加熱手段5として熱風炉を用いた。また、原反フィルム100aとして、引張試験時と同じ幅及び厚みをもつ同材料のフィルム原反を用い、延伸倍率2.0倍、延伸方向の初期ひずみ速度が0.5[1/sec]の条件で、ネックイン量が31.4mmとなるように熱風炉の出力をフィードバック制御しながら調整した。
結果、熱風炉内温度が(Tg+10)℃で安定した時に、ネックイン量が31.4mmとなった。この時、延伸後のフィルムの透明性を示すヘイズ値は、1%以下と良好な範囲内に収まった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1とは異なり、ネックイン量が所定の値(実施例1では31.4mm)をとるように出力を制御するのではなく、熱風炉の設定温度を調整してフィルムの延伸を行った。
具体的には、比較例1では、実施例1と同様に、非接触加熱手段が熱風炉である延伸装置1を使用し、原反フィルム100aとして、引張試験時と同幅及び厚みである同様のフィルム原反を用いた。また、延伸倍率2.0倍、延伸方向のひずみ速度を0.5[1/sec]の条件とし、熱風炉の設定温度を(Tg+8)℃に設定して、フィルムを延伸した。その結果、ネックイン量が30.9mmとなった。
このとき、延伸後のフィルムは、実施例1よりも白濁しており、ヘイズ値が1%を上回って製品の許容範囲を外れる結果となった。
(比較例2)
比較例1と同様の装置構成及び延伸条件で、原反フィルムの中央表面に高応答性の熱電対を貼付し、熱風炉の設定温度を(Tg+8)℃に設定した際のフィルム表面の実測温度を測定した。その結果、熱電対で測定したフィルムの表面温度は(Tg+5)℃であり、熱風炉の設定温度より低くなった。すなわち、熱風炉の設定温度と実際のフィルムの表面温度の間で、ずれが生じていた。
以上の結果から、ネックイン量に基づいて熱風炉の出力を調整することによって、装置の設定温度を調整するよりも正確に制御できることがわかった。
1 延伸装置(フィルム延伸装置)
2 第1回転ローラー
3 第2回転ローラー(冷却手段)
5 非接触加熱手段
6 第1幅検知手段(上流側幅測定手段)
7 第2幅検知手段(下流側幅測定手段)
100 フィルム
100a 原反フィルム(上流側部位)
100b 仕掛延伸フィルム(上流側部位,下流側部位)
100c 延伸フィルム(下流側部位)
N ネックイン量
Tg ガラス転移温度

Claims (7)

  1. 複数の回転ローラーと、前記複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有したフィルム延伸装置であって、
    前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるフィルム延伸装置において、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を有し、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも上流側部位の幅を測定する上流側幅測定手段を有し、
    前記上流側部位の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整する制御手段を有することを特徴とするフィルム延伸装置。
    (1)非接触加熱手段の出力
    (2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
  2. 複数の回転ローラーと、前記複数の回転ローラーの中で対をなす2本の回転ローラーの間に非接触加熱手段を有したフィルム延伸装置であって、
    前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記複数の回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させるフィルム延伸装置において、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅を測定する下流側幅測定手段を有し、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの原反の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整する制御手段を有することを特徴とするフィルム延伸装置。
    (1)非接触加熱手段の出力
    (2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記非接触加熱手段によってガラス転移温度以上の温度に加熱された後、自然冷却又は冷却手段によって冷却されるものであり、
    前記下流側幅測定手段は、前記熱可塑性樹脂フィルムの温度がガラス転移温度以下に下がる部位よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム延伸装置。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記2本の回転ローラーのうち下流側の回転ローラーと一時的に接触するものであり、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの下流側の回転ローラーとの接触開始位置よりも下流側の幅を測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム延伸装置。
  5. 前記上流側部位の幅と前記下流側部位の幅の差分に基づいて、前記非接触加熱手段による前記熱可塑性樹脂フィルムの加熱部位の温度を推定することを特徴とする請求項に記載のフィルム延伸装置。
  6. 前記2本の回転ローラーのうち、下流側の回転ローラーは、前記熱可塑性樹脂フィルムを冷却する冷却ローラーであり、
    前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記回転ローラーに接触することによって、ガラス転移温度以下に冷却されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフィルム延伸装置。
  7. 複数の回転ローラーと、非接触加熱手段を使用する延伸フィルムの製造方法であって、
    前記非接触加熱手段によって熱可塑性樹脂フィルムを加熱し、前記回転ローラー間で生じる周速差を利用して前記熱可塑性樹脂フィルムを延伸させて延伸フィルムを形成する延伸フィルムの製造方法において、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの走行方向において、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも上流側部位の幅と、前記熱可塑性樹脂フィルムの前記非接触加熱手段よりも下流側部位の幅との差分に基づいて、以下の(1)又は(2)を調整することを特徴とする延伸フィルムの製造方法。
    (1)非接触加熱手段の出力
    (2)非接触加熱手段と熱可塑性樹脂フィルムの距離
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