JP6537573B2 - 電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法およびその処理システム - Google Patents

電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法およびその処理システム Download PDF

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Description

本発明は、電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法に関する。例えば、焼却施設で発生する排水中のイオン性物質を除去し、機器冷却水などとして再利用可能な水に精製するとともに、イオン性物質が濃縮された水の液量を従来よりも少なくする(濃縮率を向上させる)方法に関する。
排水中の金属イオンを除去する方法として、逆浸透膜(RO膜)による加圧ろ過方法、電気透析方法、イオン交換樹脂に吸着する方法、加熱して蒸留する方法などがある。
また、電気二重層電極を用いた液中のイオン性物質除去について特許文献1〜5が知られている。
特開平6−325983 特開2002−273434 特開2002−210467 特開2002−210469 特開2002−273441
しかしながら、逆浸透膜(RO膜)などの方法は、多くのエネルギーを消費する。膜、樹脂などの材料コストが高価である。再生などの運転方法が複雑となる。析出した塩の付着、SS分による目詰まりなどに弱い。RO膜では濃縮倍率を向上させる場合には、加圧ポンプの必要動力が倍増するため多くのエネルギーを消費するとともに、膜の目詰まりが起こりやすくなる。
また、電気二重層電極を用いた方法では、1回の処理で電極に捕捉できるイオンの量は、電極の表面積に比例する。このため、処理対象液中のイオン性物質の濃度が高い場合には、1回に処理できる液量が少なくなり、電極からイオンを脱離する操作頻度を増やす(若しくは、電極の表面積を増やす)必要がある。このとき、電極で捕捉したイオンを脱離する際に必要な液は一定量であるため、濃縮倍率(処理対象液/脱離液(イオン性物質回収液))が低くなるとの欠点があった。一方、処理対象液中のイオン性物質の濃度が低い場合には、高い濃縮倍率で処理が可能である。
そこで、上記問題に鑑みて、本発明は、処理対象液中のイオン性物質の濃度が高い場合でも濃縮倍率を向上させて高い濃縮倍率で処理が可能となる電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法およびその処理システムを提供することを目的とする。
本発明の電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法は、
イオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を、電気二重層式の除去装置で除去する除去工程と、
前記除去工程で処理された後の処理液を前記除去装置から貯留容器に送り貯留する貯留工程と、
前記貯留容器に送られる前記処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、前記処理対象液を用いて前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する第1脱離工程と、
前記第1脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液を前記除去装置から送り回収容器に回収する第1回収工程と、
前記除去装置へ送られる前記処理対象液中のイオン性物質の電気伝導率D1と前記回収容器へ送られる前記脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)の場合に、前記第1脱離工程および前記第1回収工程を終了する第1終了確認工程と、
前記第1終了確認工程の後に、前記除去工程、前記貯留工程を繰り返す繰返工程と、
前記繰返工程において、前記貯留容器に送られる前記処理液の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、前記回収容器から前記除去装置へ送られる脱離液を用いて、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する第2脱離工程と、
前記第2脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収する第2回収工程と、
前記第1回収工程で回収された脱離液を全量、前記除去装置へ送り終えた場合に、前記第2脱離工程および前記第2回収工程を終了する第2終了確認工程と、を含み、
前記第2終了確認工程の後に、前記繰返工程へ戻り、
前記第2回収工程において、前記除去装置から前記回収容器へ送られる前記脱離液の電気伝導率D3が所定値zを超えた(D3>z)場合に、次の脱離処理において、第2脱離工程から第1脱離工程へ変更することを特徴とする。
この構成によれば、第1脱離工程では、処理対象液を用いて脱離処理を行い、次の第2脱離工程では、脱離液(濃縮液)を用いて脱離処理を行うため、脱離液(濃縮液)を再利用することを繰り返す。これによって、処理対象液中のイオン性物質の濃度が高い場合でも最終的な濃縮率(処理対象液/脱離液)を飛躍的に高められる。
上記発明の一実施形態において、前記第1、第2脱離工程は、電極へ通電を停止、または電極へ逆電圧を印加して、電極からイオン性物質を脱離することを特徴とする。
この構成によれば、電極からの脱離処理を効果的に行える。
上記発明の一実施形態において、前記第1、第2終了確認工程後に、前記除去装置に液体または気体を送り込んで、前記除去装置から脱離液を前記回収容器へ送り出す排出工程を、さらに含むことを特徴とする。
この構成によれば、脱離工程の完了時に、除去装置に残留している脱離液を効果的に排出させることができ、イオン性物質の除去率を向上させることができる。
他の本発明の電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理システムは、
イオン性物質含有の処理対象液を貯留する第1貯留容器と、
前記第1貯留容器から送られるイオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を除去する電気二重層式の除去装置と、
前記除去装置で処理された処理液を貯留する第2貯留容器と、
前記第1貯留容器から前記除去装置まで前記処理対象液が送られる第1送液ラインと、
前記除去装置から前記第2貯留容器まで前記処理液が送られる第2送液ラインと、
前記第1送液ラインに設けられ、かつ前記処理対象液中のイオン性物質の電気伝導率D1を測定する第1測定部と、
前記第2送液ラインに設けられ、かつ前記処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2を測定する第2測定部と、
前記除去装置から送られる、前記電極から脱離されたイオン性物質を含む脱離液(濃縮液)を回収する回収容器と、
前記除去装置から前記回収容器まで前記脱離液(濃縮液)が送られる第3送液ラインと、
前記第3送液ラインに設けられ、かつ前記脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D3を測定する第3測定部と、
前記回収容器から前記除去装置まで前記脱離液が送られる第4送液ラインと、
前記第4送液ラインに設けられ、かつ前記脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D4を測定する第4測定部と、
前記第1貯留容器から処理対象液を前記除去装置に送り、前記除去装置の電極に正電圧の印加をし、前記処理対象液からイオン性物質が除去された処理液を前記第2貯留容器へ送るようにして除去処理を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定し、D2がx以上との判定結果に基づいて、前記処理対象液を前記除去装置に通液しながら、前記除去装置の電極への印加を停止または電極へ逆電圧を印加させることで、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離して、脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収するように第1脱離処理の制御をし、
前記制御部は、前記電気伝導率D1と前記脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)か否かを判定し、D3−D1≦yとの判定結果に基づいて、前記第1脱離処理を終了し、前記除去装置の電極に正電圧の印加を再開して、前記処理対象液からイオン性物質を除去する前記除去処理を再開するように制御し、
次いで、前記制御部は、前記電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定し、D2がx以上との判定結果に基づいて、前記脱離液を前記除去装置に通液しながら、前記除去装置の電極への印加を停止または電極へ逆電圧を印加させることで、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離して、脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収するように第2脱離処理の制御をし、
前記制御部は、前記第1脱離処理で前記回収容器に回収された脱離液を全量、前記除去装置へ送り終えた場合に、前記第2脱離処理を終了し、前記除去装置の電極に正電圧の印加を再開して、前記処理対象液からイオン性物質を除去する前記除去処理を再開するように制御し、
前記制御部は、前記第2脱離処理において、前記電気伝導率D3が所定値zを超えた(D3>z)か否かを判定し、D3>zとの判定結果の場合に、次の脱離処理から第2脱離処理から第1脱離処理へ変更するように制御することを特徴とする。
上記発明の一実施形態において、前記処理システムは、前記除去装置から脱離液を前記回収容器へ送り出すために、前記除去装置に液体または気体を送り込む送込部をさらに有する。
上記処理システムは、上記処理方法と同様の作用効果を有する。
電気伝導度を測定する測定部としては、例えば、電気伝導度計、イオンクロマトグラフなどが挙げられる。
実施形態1に係る処理方法のフロー図である。 実施形態1に係る処理システムを説明するための図である。 実施形態2に係る処理システムを説明するための図である。
(実施形態1)
本発明に係る実施形態1の処理システム10および処理フローを図1、2を参照しながら説明する。
(除去工程)
除去工程は、イオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を、電気二重層式の除去装置2で除去する(S1)。第1貯留容器1は、イオン性物質含有の処理対象液を貯留する。電気二重層式の除去装置2は、第1貯留容器1から送られるイオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を除去する。第1送液ラインL1は、第1貯留容器1から除去装置2まで処理対象液が送られる。第1測定部T1は、第1送液ラインL1に設けられ、処理対象液中のイオン性物質の電気伝導率D1をリアルタイムに測定する。電気伝導率D1の測定データは、後述する制御部6へ送られる。
(貯留工程)
貯留工程は、除去工程で処理された後の処理液を除去装置2から第2貯留容器3に送り貯留する(S2)。第2貯留容器3は、除去装置2で処理された処理液を貯留する。第2送液ラインL2は、除去装置2から第2貯留容器3まで処理液が送られる。第2測定部T2は、第2送液ラインL2に設けられ、処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2をリアルタイムに測定する。電気伝導率D2の測定データは、後述する制御部6へ送られる。
制御部6は、第1貯留容器1から処理対象液を除去装置2に送り、除去装置2の電極に正電圧の印加をし、処理対象液からイオン性物質が除去された処理液を第2貯留容器3へ送るようにして除去処理を制御する。例えば、制御部6は、第1貯留容器1の出口部の自動バルブを開けて、液送モータ(不図示)を駆動させて除去装置2へ送り込む。制御部6は、除去装置2の電極へ正電圧を印加するように電源(不図示)を制御する。
(第1脱離工程)
第1脱離工程は、第2貯留容器3に送られる処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、処理対象液を用いて除去装置2の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する(S3−1、S3−2)。所定値xは、機器、冷却水の補給水の水質基準値(30mS/m)を基準に設定することで好まし。xは、例えば0.01〜30.0mS/mの範囲であり、好ましくは0.01〜10.0mS/mである。
制御部6は、電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定する。制御部6は、D2≧xとの判定結果の時に、処理対象液を除去装置2に通液しながら、除去装置2の電極への印加を停止(または電極へ逆電圧を印加)させるように電源を制御する。処理対象液を用いた脱離処理は1回だけ行い、次の脱離処理は、脱離液(濃縮液)を用いた脱離処理を所定条件(D3>z)まで行い、その後処理対象液を用いた脱離処理へ再び戻る。詳細は後述する。
(第1回収工程)
第1回収工程は、第1脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液(濃縮液)を除去装置2から送り回収容器4に回収する(S4)。回収容器4は、除去装置2から送られる、電極から脱離されたイオン性物質を含む脱離液(濃縮液)を回収する(第1脱離処理)。第3送液ラインL3は、除去装置2から回収容器4まで脱離液(濃縮液)が送られる。第3測定部T3は、第3送液ラインL3に設けられ、脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D3をリアルタイムに測定する。電気伝導率D3の測定データは、後述する制御部6へ送られる。
(第1終了確認工程)
第1終了確認工程は、除去装置2へ送られる処理対象液の電気伝導率D1と回収容器4へ送られる脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)の場合に、第1脱離工程および第1回収工程の終了を確認する(S5)。所定値yは例えば、0〜10.0s/mの範囲であり、好ましくは0〜8.0s/m、より好ましくは0〜6.0s/mである。
制御部6は、電気伝導率D1と脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)か否かを判定する。D3−D1≦yとの判定結果の時に、第1脱離処理を終了する。
(繰返工程)
繰返工程は、第1確認工程の後に、除去工程、貯留工程を繰り返す(S6)。除去装置2の電極に正電圧の印加を再開して、処理対象液からイオン性物質を除去する除去処理(S1、S2の工程を再開する)を再開する。
(第2脱離工程)
第2脱離工程は、繰返工程において、第2貯留容器3に送られる処理液の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、回収容器4から除去装置2へ送られる脱離液(濃縮液)を用いて、除去装置2の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する(S7−1、S7−2)。
制御部6は、電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定する。制御部6は、D2≧xとの判定結果の時に、脱離液(濃縮液)を除去装置2に通液しながら、除去装置2の電極への印加を停止(または電極へ逆電圧を印加)させるように電源を制御する。例えば、制御部6は、第1貯留容器1の出口部の自動バルブを閉じる。制御部6は、回収容器4の出口部の自動バルブを開け、液送モータ(不図示)を駆動させて脱離液(濃縮液)を除去装置2へ送り込む。制御部6は、除去装置2の電極への印加を停止(または電極へ逆電圧を印加)するように電源(不図示)を制御する。所定値xは、機器、冷却水の補給水の水質基準値(30mS/m)を基準に設定することで好まし。xは、例えば0.01〜30.0mS/mの範囲であり、好ましくは0.01〜10.0mS/mである。
(第2回収工程)
第2回収工程は、第2脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液(濃縮液)を除去装置2から送り回収容器4に回収する(第2脱離処理)(S8−1)。
第2回収工程において、除去装置2から回収容器4へ送られる脱離液の電気伝導率D3が所定値zを超えた(D3>z)場合に、次の脱離処理において、第2脱離工程から第1脱離工程へ変更する(S8−2)。これにより、回収容器4の脱離液は高濃度になっていることが分かる。次の脱離工程の前に回収容器4の脱離縮液は別途排出される。次の脱離工程では、処理対象液を用いた脱離処理へ戻る。所定値zは、例えば、5s/mである。
(第2終了確認工程)
第2終了確認工程は、前記第1回収工程で回収された脱離液を全量、除去装置2へ送り終えた場合に、第2脱離工程および第2回収工程の完了を確認する(S9)。第2確認工程の後に、繰返工程(S6)へ戻る。
制御部6は、第1回収工程(第1脱離処理)で回収容器に回収された脱離液を全量、除去装置2へ送り終えたか否かを判定する。例えば、第3送液ラインL3に流量計を設け、回収容器4に回収される脱離液の量をその流量計で測定しておき、その値(初期脱離液量)をメモリ(不図示)に記憶する。第4送液ラインL4に流量計を設け、回収容器4から除去装置2へ送られる脱離液の量(循環脱離液量)を測定する。制御部6は、初期脱離液と循環脱離液量とが一致(実質的に一致する、例えば±1〜5%の測定誤差および装置・配管内残留誤差)した時に循環脱離液を全量送り終えたと判断し、第2脱離処理を終了する。別実施形態として、回収容器4に重量計を設置しておき、初期容器重量、第1回収工程後の容器(脱離液含む)重量を測定してメモリに記憶し、第2脱離工程中の重量をリアルタイムで測定し、初期容器重量と一致(実質的に一致、例えば±1〜5%の測定誤差および装置・配管内残留誤差)した時に循環脱離液を全量送り終えたと判断し、第2脱離処理を終了する。
第2確認工程の後に、除去工程、貯留工程を繰り返す(S6)。除去装置2の電極に正電圧の印加を再開して、処理対象液からイオン性物質を除去する除去処理(S1、S2の工程を再開する)を再開する。
(別実施形態)
第2脱離工程から第1脱離工程への切替条件(S8−2)の別実施形態として以下の構成ができる。処理システム10の第4送液ラインL4は、回収容器4から除去装置2まで脱離液が送られる。また、第4測定部T4は、第4送液ラインL4に設けられ、脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D4を測定する。
回収容器4から除去装置2へ送られる脱離液の電気伝導率D4が所定値qを超えた(D4>q)場合に、次の脱離処理において、第2脱離工程から第1脱離工程へ変更する。
(実施形態2)
実施形態2の処理システム(方法)は、除去装置2から脱離液を回収容器4へ送り出すために、除去装置2に液体または気体を送り込む送込部5をさらに有する構成である。送込部5としては、例えば、気体または液体を送り込むブロー装置が例示される。実施形態1における第1終了確認工程後または第2終了確認工程後に、除去装置2に液体または気体を送り込んで、除去装置2から脱離液を回収容器4へ送り出す(排出工程)ことで、各脱離工程の完了時に、除去装置2に残留している脱離液を効果的に排出させることができ、イオン性物質の除去率を向上させることができる。
(実施形態3)
ごみ焼却施設の排水処理システムに、実施形態1の処理システム10を利用する構成について図3を用いて説明する。排水処理システムは、焼却施設と、前記焼却施設から排出される生活排水を放流する構成と、前記焼却施設に使用される機器冷却水を循環する循環系と、前記循環系に配置される冷却塔と、前記冷却塔よりも後段で循環される水をブロー水として用いて、前記焼却施設から排出されるプラント排水から所定成分を除去する除去装置(本実施形態ではSS分を除去するMF膜(精密ろ過膜)、他には、限外ろ過膜、逆浸透膜など)と、前記除去装置を通過した処理済水を前記焼却施設の場内利用(焼却灰冷却水、プラットフォーム洗浄、洗車など)を行う構成と、前記処理済水を処理対象水として、上記実施形態1または2の処理システム10へ導入してイオン性物質を除去する構成と、前記処理システム10で処理された処理水の一部を前記生活排水として処理し、当該処理水の残部を前記循環系に補給し、前記処理システム10から排出された濃縮液(脱離液)を焼却施設の炉内に送り込む構成とを有する。
排水処理システムは、さらに前記処理システムから排出された濃縮液をごみピットへ散布すること、および/または、飛灰キレート液添加液として利用する構成もできる。
図3の排水処理システムは、濃縮率が10倍を想定している。ごみ処理量100トン/日の規模のごみ焼却施設において、その排水排出量は、プラント排水10m/日、ボイラーブロー水10m/日で合計20m/日である。従来技術であれば、排水利用として、場内利用15m/日、減温塔吹き込み5m/日を行っていた。減温塔は電気二重層式除去装置の前段に配置されていた。
一方、本実施形態1,2の処理システム10を用いることで、減温塔を省略できる。場内利用15m/日、処理システム10で5m/日とし、処理システム10で処理された処理水は機器冷却水(全部または一部)として利用される。また濃縮液は炉内噴霧、ごみピット散水、飛灰キレート処理添加に使用される。
ごみ処理量100トン/日の焼却施設では2.4トン/日程度まで炉内噴霧を行っても燃焼に影響がないことが運転実績より分かっている。この場合必要濃縮率が2.08倍である。また、ごみ処理量100トン/日の焼却施設から発生する飛灰量が約3トン/日(ごみの3wt%)であり、飛灰キレート処理時に添加する水量が0.3〜0.6トン/日(灰の10〜20%)である。この場合必要濃縮率が8.3〜16.7倍である。
比較例として、上記排水処理システムにおいて、処理システム10に代替して、RO膜を用いて同様の処理をした場合、排水の濃縮倍率は2倍程度である。2倍を超えるとファウリングが生じ易くなり実質的に使用できない。本処理システム10の場合は、濃縮液が2〜10倍以上の濃縮が可能である。
従来技術では、イオン性物質の濃縮液が、焼却施設内で減温塔もしくは焼却炉内などに吹き込むことで処理されていた。しかし、この濃縮水が少なくなるほど蒸発に必要なエネルギーを低減できるため、発電設備が付帯している場合には濃縮倍率を高めることで発電効率を向上させることができる。本実施形態では、濃縮水の量を従来よりも少なくできるので、焼却飛灰の重金属類溶出防止処理での添加水として使用できる。これにより塩は、飛灰とともに焼却施設の系外に排出されるため、系内での塩の濃縮を回避できる(塩が焼却施設内で蓄積させることを防ぐことができる)。従来技術では、ごみ焼却施設を排水クローズド(放流不可)のシステムにする場合、余剰の排水は減温塔設備(ボイラー・節炭器出口の排ガスを150℃程度まで冷却する設備)の噴霧水として用いていた。一方、本実施形態を導入し余剰の排水を処理することによって、減温塔で噴霧する必要がなくなり、減温塔を廃止して節炭器出口の温度をできるだけ低くすることで熱回収を増加させ、発電効率を向上させることができる。
(実施例)
上記実施形態1の処理システム10において、プラント排水1Lを処理する。プラント排水にはイオン性物質が含まれ、その濃度は5,000mg/Lである(処理対象水中のイオン物質濃度が高い)。処理システム10の電極に捕捉される量は990mg/電極、捕捉率は99%である。脱離処理には、イオン回収液(初回は水)100mL/電極を用い、繰り返し脱離処理回数を5回とした。その結果、処理後の処理水は1Lであり、そのイオン性物質濃度が50mg/Lであった。イオン回収液の100mL中のイオン性物質回収量は4,950mgであり、イオン性物質濃度が49,500mg/Lであり、濃縮倍率は9.90倍であった。
(比較例:従来例)
イオン脱離液として水を使用する。電極に捕捉される量は990mg/電極、捕捉率は99%である。脱離処理回数を5バッチとした。処理後の処理水は1Lであり、そのイオン性物質濃度が50mg/Lであった。イオン回収液の500mL中のイオン性物質回収量は4,950mgであり、イオン性物質濃度9,900mg/Lであり、濃縮倍率は1.98倍であった。
1 第1貯留容器
2 電気二重層式除去装置
3 第2貯留容器
4 回収容器
5 送込部
6 制御部
L1 第1送液ライン
L2 第2送液ライン
L3 第3送液ライン
L4 第4送液ライン
T1 第1測定部
T2 第2測定部
T3 第3測定部
T4 第4測定部

Claims (5)

  1. イオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を、電気二重層式の除去装置で除去する除去工程と、
    前記除去工程で処理された後の処理液を前記除去装置から貯留容器に送り貯留する貯留工程と、
    前記貯留容器に送られる前記処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、前記処理対象液を用いて前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する第1脱離工程と、
    前記第1脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液を前記除去装置から送り回収容器に回収する第1回収工程と、
    前記除去装置へ送られる前記処理対象液中のイオン性物質の電気伝導率D1と前記回収容器へ送られる前記脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)の場合に、前記第1脱離工程および前記第1回収工程を終了する第1終了確認工程と、
    前記第1終了確認工程の後に、前記除去工程、前記貯留工程を繰り返す繰返工程と、
    前記繰返工程において、前記貯留容器に送られる前記処理液の電気伝導率D2が所定値x以上になった場合に、前記回収容器から前記除去装置へ送られる脱離液を用いて、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離する第2脱離工程と、
    前記第2脱離工程で脱離されたイオン性物質を含む脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収する第2回収工程と、
    前記第1回収工程で回収された脱離液を全量、前記除去装置へ送り終えた場合に、前記第2脱離工程および前記第2回収工程を終了する第2終了確認工程と、を含み、
    前記第2終了確認工程の後に、前記繰返工程へ戻り、
    前記第2回収工程において、前記除去装置から前記回収容器へ送られる前記脱離液の電気伝導率D3が所定値zを超えた(D3>z)場合に、次の脱離処理において、第2脱離工程から第1脱離工程へ変更することを特徴とする、電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理方法。
  2. 前記第1、第2脱離工程は、電極へ通電を停止、または電極へ逆電圧を印加して、電極からイオン性物質を脱離する、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記第1、第2終了確認工程後に、前記除去装置に液体または気体を送り込んで、前記除去装置から脱離液を前記回収容器へ送り出す排出工程を、さらに含む請求項1または2に記載の処理方法。
  4. イオン性物質含有の処理対象液を貯留する第1貯留容器と、
    前記第1貯留容器から送られるイオン性物質含有の処理対象液からイオン性物質を除去する電気二重層式の除去装置と、
    前記除去装置で処理された処理液を貯留する第2貯留容器と、
    前記第1貯留容器から前記除去装置まで前記処理対象液が送られる第1送液ラインと、
    前記除去装置から前記第2貯留容器まで前記処理液が送られる第2送液ラインと、
    前記第1送液ラインに設けられ、かつ前記処理対象液中のイオン性物質の電気伝導率D1を測定する第1測定部と、
    前記第2送液ラインに設けられ、かつ前記処理液中のイオン性物質の電気伝導率D2を測定する第2測定部と、
    前記除去装置から送られる、前記電極から脱離されたイオン性物質を含む脱離液(濃縮液)を回収する回収容器と、
    前記除去装置から前記回収容器まで前記脱離液(濃縮液)が送られる第3送液ラインと、
    前記第3送液ラインに設けられ、かつ前記脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D3を測定する第3測定部と、
    前記回収容器から前記除去装置まで前記脱離液が送られる第4送液ラインと、
    前記第4送液ラインに設けられ、かつ前記脱離液中のイオン性物質の電気伝導率D4を測定する第4測定部と、
    前記第1貯留容器から処理対象液を前記除去装置に送り、前記除去装置の電極に正電圧の印加をし、前記処理対象液からイオン性物質が除去された処理液を前記第2貯留容器へ送るようにして除去処理を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定し、D2がx以上との判定結果に基づいて、前記処理対象液を前記除去装置に通液しながら、前記除去装置の電極への印加を停止または電極へ逆電圧を印加させることで、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離して、脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収するように第1脱離処理の制御をし、
    前記制御部は、前記電気伝導率D1と前記脱離液の電気伝導率D3との差が所定値y以下(D3−D1≦y)か否かを判定し、D3−D1≦yとの判定結果に基づいて、前記第1脱離処理を終了し、前記除去装置の電極に正電圧の印加を再開して、前記処理対象液からイオン性物質を除去する前記除去処理を再開するように制御し、
    次いで、前記制御部は、前記電気伝導率D2が所定値x以上か否かを判定し、D2がx以上との判定結果に基づいて、前記脱離液を前記除去装置に通液しながら、前記除去装置の電極への印加を停止または電極へ逆電圧を印加させることで、前記除去装置の電極に付着したイオン性物質を当該電極から脱離して、脱離液を前記除去装置から送り前記回収容器に回収するように第2脱離処理の制御をし、
    前記制御部は、前記第1脱離処理で前記回収容器に回収された脱離液を全量、前記除去装置へ送り終えた場合に、前記第2脱離処理を終了し、前記除去装置の電極に正電圧の印加を再開して、前記処理対象液からイオン性物質を除去する前記除去処理を再開するように制御し、
    前記制御部は、前記第2脱離処理において、前記電気伝導率D3が所定値zを超えた(D3>z)か否かを判定し、D3>zとの判定結果の場合に、次の脱離処理から第2脱離処理から第1脱離処理へ変更するように制御することを特徴とする、電気二重層式除去装置を用いたイオン性物質含有液の処理システム。
  5. 前記処理システムは、前記除去装置から脱離液を前記回収容器へ送り出すために、前記除去装置に液体または気体を送り込む送込部をさらに有する、請求項4に記載の処理システム。
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