JP6534882B2 - 吹付けノズル - Google Patents
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Description
この乾式吹付け工法においては、粉体を瞬間的に液体と混練して吹付けるため、粉体と液体との混練性にバラツキが生じ易い。混練性のバラツキは、吹付けた混練物の品質低下の要因となる。また、混練性のバラツキから粉塵と骨材との跳ね返りが激しくなり、作業環境の悪化や、混練物の付着率低下による吹付けロスの増加に伴うコスト増加の要因ともなる。したがって、乾式吹付け工法においては、如何にして粉体と液体とを均一に混練するかが技術的な課題となっている。
本発明の目的は、粉体と液体との混練のバラツキを抑制することが可能な吹付けノズルを提供することにある。
そして、液体供給部は、液体を周壁から離れて流路の中に吐出する複数の吐出孔が設けられ、流路の中心部を横切るように直線状に延伸し、かつ両端が前記周壁に支持された吐出管と、吐出管の途中から分岐して流路の下流側に突出し、かつ液体を周壁から離れて流路の中に吐出する複数の分岐吐出孔が設けられた分岐管と、を有している。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る吹付けノズル2を説明する前に、この吹付けノズル2を具備した乾式吹付けシステム1について説明する。
図1に示すように、乾式吹付けシステム1は、本発明の第1の実施形態に係る吹付けノズル2に粉体供給源3の粉体を供給する粉体供給経路4を備えている。また、乾式吹付けシステム1は、吹付けノズル2に液体供給源6の液体を供給する液体供給経路7を備えている。吹付けノズル2は、粉体供給経路4を通して供給された粉体と、液体供給経路7を通して供給された液体とを混練して混練物を生成するように構成されている。そして、吹付けノズル2は、生成した混練物9を吹付け口42から噴出するように構成されている。
液体供給経路7の途中には高圧ポンプ8が設置されている。液体供給源6の液体は、高圧ポンプ8の圧送力を利用して吹付けノズル2に供給される。液体としては、生成する混練物9に応じて異なるが、この第1の実施形態では例えば水が用いられる。
第1の実施形態に係る吹付けノズル2は、図2及び図3に示すように、周壁11で区画された流路12に、この流路12を流れる粉体9Aと混練される液体9Bを供給する液体供給部10を備えている。そして、液体供給部10は、周壁11及び流路12と、液体9Bを周壁11から離れて流路12の中に吐出する複数の吐出孔21が設けられた吐出管20とを有している。流路12は、図4から分かるように、粉体9Aが流れる方向と直交する断面が例えば円形状で形成されている。
また、第1の実施形態に係る吹付けノズル2は、図2に示すように、混練移送管30の下流側に配置され、かつ混練移送管30の混練路31と連通するノズル路41及び吹付け口42が設けられたノズル40を備えている。液体供給部10及び混練移送管30は、例えば鋼、ゴム、硬質プラスチック類で形成されている。また、吐出管20及びノズル40は、例えば鋼、アルミニウム、硬質プラスチック類で形成されている。
図4に示すように、複数の吐出孔21は、吐出管20の延伸方向に沿って配列されている。また、複数の吐出孔21は、液体供給部10の周壁11と対向するようにして設けられている。また、複数の吐出孔21は、流路12を横切る断面方向において吐出管20の左右両側に設けられている。
一方、液体9Bは、図1に示す液体供給源6から液体供給経路7を通して図3に示す吹付けノズル2に供給される。吹付けノズル2に供給された液体9Bは、図3及び図4に示す液体供給部10の外周壁貫通孔13aを通して液体供給室14に流れ込む(供給される)。そして、液体9Bは、液体供給室14から周壁貫通孔11aを通して吐出管20の管路22に流れ込む(供給される)。そして、液体9Bは、図3及び図4に示すように、複数の吐出孔21から流路12の中に吐出される。そして、液体9Bは粉体9Aと混練され、液体9B及び粉体9Aが混練移送管30の混練路31を液体供給部10側からノズル40側に向かって流れている間に混練物9が生成される。そして、生成された混練物9は、ノズル40の吹付け口42から噴出する。
これに対し、本発明の一実施形態に係る吹付けノズル2において、液体供給部10は、液体9Bを周壁11から離れて流路12の中に吐出する複数の吐出孔21が設けられた吐出管20を有している。したがって、本発明の一実施形態に係る吹付けノズル2によれば、流路12の中心付近にも強制的に液体9Bを供給することができるので、粉体9Aと液体9Bとの混練のバラツキを抑制することができる。また、粉体9Aと液体9Bとの混練のバラツキを抑制することができるので、生成された混練物9の品質向上をより図ることができる。また、混練物9の品質向上をより図ることができるので、混練物9の粉塵化やリバウンドを低減でき、さらに、作業環境の改善や、混練物9の付着率低下によるコスト改善を達成することができる。
また、本発明の第1の実施形態に係る吹付けノズル2において、複数の吐出孔21は、吐出管20の延伸方向に沿って配列されている。また、複数の吐出孔21は、液体供給部10の周壁11と対向するようにして設けられている。また、複数の吐出孔21は、流路12を横切る断面方向において吐出管20の左右両側に設けられている。したがって、本発明の第1の実施形態に係る吹付けノズル2によれば、流路12の周壁付近から中心付近に亘って満遍なく液体9Bを供給することができるので、粉体9Aと液体9Bとの混練のバラツキを更に抑制することができる。
本発明の第2の実施形態に係る吹付けノズル2Aは、上述した第1の実施形態に係る吹付けノズル2とほぼ同様の構成になっているが、液体供給部10Aの構成が異なっている。
本発明の第2の実施形態に係る吹付けノズル2Aは、図5及び図6に示すように、周壁11で区画された流路12にこの流路12を流れる粉体9Aと混練される液体9Bを供給する液体供給部10Aを備えている。そして、液体供給部10Aは、第1の実施形態と同様に、周壁11、流路12、吐出管20、外周壁13、液体供給室14及び給液管15を有している。また、液体供給部10Aは、上述した液体供給部10とは異なり、周壁11に周方向に沿って設けられ、かつ液体9Bを流路12の中に吐出する複数の周壁吐出孔11bを更に有している。この複数の周壁吐出孔11bの各々は、液体供給室14と連通している。
このように、第2の実施形態に係る吹付けノズル2Aは、吐出管20を有し、更に周壁11に複数の周壁吐出孔11Bが設けられているので、流路12の周壁付近から中心付近に亘って満遍なく液体9Bを供給することができ、第1の実施形態に係る吹付けノズル2と比較して粉体9Aと液体9Bとの混練のバラツキを更に抑制することができる。
本発明の第3の実施形態に係る吹付けノズル2Bは、上述した第1の実施形態に係る吹付けノズル2とほぼ同様の構成になっているが、液体供給部10Bの構成が異なっている。
本発明の第3の実施形態に係る吹付けノズル2Bは、図7及び図8に示すように、周壁11で区画された流路12に、この流路12を流れる粉体9Aと混練される液体9Bを供給する液体供給部10Bを備えている。そして、液体供給部10Bは、第1の実施形態と同様に、周壁11、流路12、吐出管20、外周壁13、液体供給室14及び給液管15を有している。また、液体供給部10Bは、吐出管20の途中から分岐して流路12の下流側に突出し、かつ液体9Bを周壁11から離れて流路12の中に吐出する複数の分岐吐出孔24が設けられた分岐吐出管23を更に有している。複数の分岐吐出孔24は、分岐吐出管23に設けられた管路25を通して吐出管20の管路22と連通している。また、複数の分岐吐出孔24は、周壁11と対向する分岐吐出孔24a、及び液体9Bを下流側に向かってと出する分岐吐出孔24bを含む。
なお、第3の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、吐出管20、複数の周壁吐出孔11b及び分岐吐出管23を有するように液体供給部を構成してもよい。
上述の第1〜第3の実施形態では、液体供給部を1つ備えた場合について説明した。これに対し、本発明の第4の実施形態に係る吹付けノズル4Cは、図9に示すように、粉体9Aが流れる方向に沿って配列された2つの液体供給部10を備えている。このように2つの液体供給部10を備えることにより、第1の実施形態と比較して、粉体9Aと液体9Bとの混練のバラツキを更に抑制することができる。
なお、液体供給部10は3つ以上備えてもよい。また、第4の実施形態では、液体供給部10について説明したが、2つ以上の液体供給部10Aを備えてもよく、また、2つ以上の液体供給部10Bを備えてもよい。また、液体供給部10、液体供給部10A及び液体供給部10Bの少なくとも何れか2つの液体供給部を組み合わせて混在させてもよい。また、2つの液体供給部において、流路12の中心を軸にして各々の吐出管20の角度を相対的にずらしてもよい。
2…吹付けノズル
3…粉体供給源
4…粉体供給経路
5…圧縮空気供給源
6…液体供給源
7…液体供給経路
8…高圧ポンプ
9…混練物
10…液体供給部
11…周壁
11a…周壁貫通孔
11b…周壁吐出孔
12…流路
13…外周壁
13a…外周壁貫通孔
14…液体供給室
20…吐出管
21…吐出孔
22…管路
23…分岐吐出管
24…分岐吐出孔
25…管路
30…混練移送管
31…混練路
35…粉体供給ホース
36…粉体供給路
40…ノズル
41…ノズル路
42…吹付け口
45,46…連結金具
Claims (6)
- 周壁で区画された流路に、前記流路を流れる粉体と混練される液体を供給する液体供給部と、
前記液体供給部の下流側に配置され、かつ前記流路と連通する混練路が設けられた混練移送管と、
前記混練移送管の下流側に配置され、かつ前記混練路と連通するノズル路及び吹付け口が設けられたノズルと、
を備え、
前記液体供給部は、
前記液体を前記周壁から離れて前記流路の中に吐出する複数の吐出孔が設けられ、前記流路の中心部を横切るように直線状に延伸し、かつ両端が前記周壁に支持された吐出管と、
前記吐出管の途中から分岐して前記流路の下流側に突出し、かつ前記液体を前記周壁から離れて前記流路の中に吐出する複数の分岐吐出孔が設けられた分岐管と、
を有していることを特徴とする吹付けノズル。 - 前記複数の吐出孔は、前記吐出管の延伸方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載の吹付けノズル。
- 前記複数の吐出孔は、前記周壁と対向するようにして設けられていることを特徴とする請求項2に記載の吹付けノズル。
- 前記複数の吐出孔は、前記流路を横切る断面方向において前記吐出管の左右両側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の吹付けノズル。
- 前記液体供給部は、前記周壁に周方向に沿って設けられ、前記液体を前記流路の中に吐出する複数の周壁吐出孔を更に有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の吹付けノズル。
- 前記液体供給部は、前記周壁の外側に配置された外周壁と、前記周壁を周方向に囲むようにして前記周壁及び前記外周壁で形成された液体供給室とを更に有し、
前記吐出管は、前記複数の吐出孔の各々と連結された管路を更に有し、
前記複数の分岐吐出孔の各々は、前記分岐突出管に設けられた管路を通して前記吐出管の前記管路と連通し、
前記吐出管の前記管路は、前記周壁を貫通する周壁貫通孔を通して前記液体供給室と連結されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の吹付けノズル。
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