JP6534567B2 - 光照射装置 - Google Patents
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光配向に用いる照射装置は、一般に、光源、及び、光源と光配向膜(ワーク)との間に配置される偏光子と、を備え、光源の光を偏光子に通して偏光光を得る。近年では、長い帯状の光配向膜を光配向するために、光配向膜の幅相当の長さの棒状ランプを光源とするとともに、光配向膜をステージ上に載置して長さ方向に搬送することで帯状の光配向膜を均一に光配向する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルム照射装置及び一般的なUV硬化装置、可視光硬化装置に於いても、補助反射板などを用い、均一な照射を行う技術が提案されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ワークに照射される照度または積算光量を均一化できる光照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記照度が高い箇所の光は、前記棒状ランプの長手方向の中央部の光であることを特徴とする。
さらに、前記減光手段は、前記減光フィルタと、前記減光フィルタを支持する支持フレームと、を備え、前記減光フィルタは、前記棒状ランプの長手方向に位置を調整可能に支持されていることを特徴とする。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光配向装置の構成を示す側面図である。
光配向装置(光照射装置)10は、板状もしくは、帯状の光配向対象物(ワーク)Wの光配向膜に偏光光を照射して光配向する照射装置である。
なお、ワークステージ13の移動に伴う振動と照射器14の冷却に起因する振動とを分離するために、照射器設置架台12をステージ搬送架台11に固定するのではなく当該ステージ搬送架台11と別置する構成でも良い。ステージ搬送架台11及び照射器設置架台12は防振構造を有しても良い。このように振動を低減することで、照射器14から光配向対象物Wに照射される偏光光の照度及び偏光特性のムラの低減を図ることができる。
ステージ搬送架台11には、ワークステージ13をステージ搬送架台11の面に沿って搬送方向Xへ移送する直動機構(不図示)が内設されている。光配向対象物Wの光配向の工程では、ワークステージ13に載置された光配向対象物Wが、上記直動機構によってワークステージ13とともに搬送されて照射器14の直下を通過し、この通過の際に偏光光に曝露されて光配向膜が配向される。
照射器14は、光源たる棒状ランプ20と、反射鏡21と、波長選択フィルタ22と、減光手段23と、偏光子ユニット(偏光ユニット)24とを備える。
棒状ランプ20は、放電灯であり、少なくとも光配向対象物Wの幅と同等以上の長さに延びる直管型の1本の紫外線ランプである。反射鏡21は、断面楕円形、かつ棒状ランプ20の長手方向に沿って延びるシリンドリカル凹面反射鏡であり、棒状ランプ20の光を集光して偏光子ユニット24に向けて照射する。
減光手段23は、棒状ランプ20から照射される光の光量を減ずるものであり、波長選択フィルタ22と偏光子ユニット24との間に配置される。波長選択フィルタ22を設けることで、所望の波長の光が光配向対象物Wに照射されるように波長を選択できる。
偏光子ユニット24は、減光手段23と光配向対象物Wとの間に配置され、棒状ランプ20から光配向対象物Wに照射される光を直線偏光に偏光する。この偏光光が光配向対象物Wの光配向膜に照射されることで、光配向膜が配向される。
図4は、減光手段23及び偏光子ユニット24を並べて示す平面図である。なお、図2に示すように、偏光子ユニット24は減光手段23の下方に重なるように配置されるが、図4では、減光手段23と偏光子ユニット24との幅方向Yの位置関係を示すために、両者の幅方向の位置関係を設置状態のものとしながら、両者を前後にずらして図示している。
枠体28は、搬送方向Xにおけるフレーム26の前縁部に支持される枠体前部28aと、フレーム26の後縁部に支持される枠体後部28bと、枠体前部28a及び枠体後部28bの幅方向の端部を前後に連結する左右一対の側縁部28c,28cとを備える。ワイヤーグリッド偏光子27を透過する光は、枠体前部28a、枠体後部28b、及び、側縁部28c,28cが区画する略矩形の開口28dを通る。ワイヤーグリッド偏光子27は、開口28dを塞ぐように設けられ、開口28dの周縁部に支持される。
単位偏光子ユニット25は、フレーム26上に載置され、枠体前部28a及び枠体後部28bにそれぞれ設けられるねじ等の固定具30,30によってフレーム26に固定される。
ワイヤーグリッド偏光子27は、直線偏光子の一種である。上述の通り、光源が棒状ランプ20であることから、ワイヤーグリッド偏光子27には、さまざまな角度の光が入射するが、ワイヤーグリッド偏光子27は、斜めに入射する光であっても直線偏光化して透過させる。
支持フレーム32は、棒状ランプ20の長手方向に延びる略矩形の開口33を備える枠状体であり、棒状ランプ20の光は、この開口33を通って下方に照射される。支持フレーム32の前縁部32a及び後縁部32bには、減光フィルタ31を固定するフレーム側固定部34が、棒状ランプ20の長手方向に複数並べて設けられる。
減光フィルタ31は、前後に長い略矩形の板部材であり、開口33を前後に跨ぐように配置され、支持フレーム32の前縁部32a及び後縁部32bの面上に支持される。詳細には、各減光フィルタ31は、前端部及び後端部に固定部35,35を備え、これら固定部35,35がフレーム側固定部34,34に連結されることで、支持フレーム32に固定される。ここで、フレーム側固定部34,34は、例えば位置決めピンであり、固定部35,35は、位置決めピンに嵌合する孔である。固定部35,35の一方を真円の孔とし、他方を前後に長い長孔にすることで、減光フィルタ31を幅方向Yに位置決めできるとともに、減光フィルタ31の前後方向の伸びを許容できる。このため、減光フィルタ31が光の熱によって膨張した場合であっても、減光フィルタ31を適切に支持できる。
また、棒状ランプ20の長手方向に複数設けられた任意のフレーム側固定部34に減光フィルタ31を固定することができ、減光フィルタ31を設ける位置を容易に調整できる。
偏光子ユニット24では、単位偏光子ユニット25が並べて複数配置されるため、高照度領域Rh及び低照度領域Rlが、棒状ランプ20の長手方向に交互に形成される。なお、図4では、図面を見易くするため、高照度領域Rh及び低照度領域Rlは、1箇所にのみ図示されている。
本第1の実施の形態では、各減光フィルタ31は、高照度領域Rhに重なるようにワイヤーグリッド偏光子27に対応する位置にそれぞれ設けられている。また、偏光子ユニット24において低照度領域Rlに重なる部分は、互いに隣接する減光フィルタ31,31の間の部分に相当し、空間となっている。
光配向装置10による光配向の工程では、幅方向Yにおける所定の有効利用幅Y1内において、光配向対象物Wに照射される光量が均一であることが望ましい。ここで、有効利用幅Y1は、光配向対象物Wの幅方向のサイズが収まる大きさを有する。
近年では、光配向の工程にかかる時間を短縮するために、光配向に対する感度が高い材料が光配向対象物Wに使用されるようになっているため、光量を均一に保つことが光配向対象物Wの品質向上に対し重要になっている。
これに対し、本第1の実施の形態では、高照度領域Rhに減光フィルタ31を設けることで、高照度領域Rh及び低照度領域Rlの光量が共に減じられるが、高照度領域Rhでは、減光フィルタ31によって直接的に光量を減じられるため、図5に光量分布L2で示すように、光量の低下は低照度領域Rlよりも大きくなる。この結果、光量分布L2は、有効利用幅Y1の全域に亘って均一化される。ここで、減光フィルタ31は、低照度領域Rlに合わせて高照度領域Rhの光量を減じ、光量分布を均一にできる減光率を備えたものが適宜選択されている。
また、本第1の実施の形態では、有効利用幅Y1内において、比較例の光量の最大値に対して80%以上の光量を確保できており、照度のムラまたは積算光量のムラを解消しながら、十分な光量を確保できた。
さらに、減光手段23は、減光フィルタ31と、減光フィルタ31を支持する支持フレーム32と、を備え、減光フィルタ31は、棒状ランプ20の長手方向に位置を調整可能に支持されている。これにより、減光フィルタ31の位置を、高照度領域Rhに合わせて棒状ランプ20の長手方向に調整できる。このため、光配向対象物Wに照射される光量を容易に均一化できる。
以下、図6及び図7を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
減光手段123は、板状の複数の減光フィルタ131a,131b,131cと、これら減光フィルタ131a,131b,131cを横並びに一列に整列した状態で支持する支持フレーム132とを備えている。減光手段123は、上記第1の実施の形態の減光手段23に替えて設けられる。
支持フレーム132は、棒状ランプ20の長手方向に延びる略矩形の開口33を備える枠状体であり、棒状ランプ20の光は、この開口33を通って下方に照射される。支持フレーム132の前縁部132a及び後縁部132bには、減光フィルタ131a,131b,131cを固定するフレーム側固定部34が、棒状ランプ20の長手方向に複数並べて設けられる。
図7に示されるように、棒状ランプ20から光配向対象物Wに到達する光量は、光配向対象物Wの幅方向の中央で最も大きく、幅方向の両端部に行くほど、曲線的に徐々に低下して行き、幅方向の両端部で最も小さくなる。これは、幅方向の中央部では、棒状ランプ20の長手方向の中央部20b、一端部20a及び他端部20cからの光が照射されるのに対し、幅方向の両端部では、棒状ランプ20の一端部20a及び他端部20cよりも幅方向の外側に光源が存在しないためである。なお、第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態のものとは異なり、長手方向の中央部の光量が他の部分よりも大きくなる特性の棒状ランプ20を例に挙げて説明している。
減光フィルタ131a,131cは、減光フィルタ131bの左右に隣接して設けられ、減光フィルタ131bの位置よりも低照度領域Rl側の位置に配置される。
減光フィルタ131bは、減光フィルタ131a,131cよりも減光率が高いものが選択されており、減光フィルタ131a,131cよりも大きく光量を減ずる。
これに対し、本第2の実施の形態では、高照度領域Rhに減光フィルタ131a,131b,131cを設け、低照度領域Rlに合わせて高照度領域Rhの光量を減じるため、光量分布L4で示すように、光量分布を均一化できる。
また、高照度領域Rhにおいて、照度に合わせて減光率の異なる減光フィルタを配置し、照度が高い中央部で光量をより大きく減ずるため、光量分布を効果的に均一化できる。ここで、減光フィルタとしてメッシュ状のフィルタを用いる場合、メッシュの開口の面積を変化させることで、減光率を調整できる。
さらに、棒状ランプ20の長手方向において、低照度領域Rlに合わせて高照度領域Rhの光量を減じるため、光量分布を棒状ランプ20の長手方向の大部分に亘って均一化できる。これにより、棒状ランプ20の有効利用幅Y1を大きく確保できるため、棒状ランプ20を長手方向にコンパクト化できる。
また、本第2の実施の形態では、有効利用幅Y1内において、比較例の光量の最大値に対して60%程度の光量を確保できており、照度のムラまたは積算光量のムラを解消しながら、十分な光量を確保できた。
また、減光手段123は、棒状ランプ20の長手方向の中央部20bの光を、他の部分、すなわち中央部20bに隣接する外側の部分よりも大きく減じる。これにより、棒状ランプ20において照度が高い長手方向の中央部20bの光が、減光手段123によって、他よりも大きく減じられるため、減光手段123の照度を照度が低い箇所に合わせることができ、光配向対象物Wに照射される光量を均一化できる。
以下、図8を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態では、減光手段の他の態様について説明する。
減光手段223は、板状の複数の減光フィルタ231・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、減光フィルタ231・・・を横並びに一列に整列した状態で支持する支持フレーム232とを備えている。減光手段223は、上記第1の実施の形態の減光手段23に替えて設けられる。
支持フレーム232は、棒状ランプ20の長手方向に延びる略矩形の開口233を備える枠状体であり、棒状ランプ20の光は、この開口233を通って下方に照射される。
支持フレーム232は、棒状ランプ20の長手方向に延びる一対のガイド部232a,232bを、開口233の前縁部及び後縁部に備える。ここでは、ガイド部232a,232bは、各減光フィルタ231・・・の前端及び後端が載置される段部であり、開口233の長手方向の全体に亘って連続して設けられている。また、ガイド部232a,232bには、各減光フィルタ231・・・をガイド部232a,232bに固定する固定部材234・・・がそれぞれ設けられる。ここでは、図面の煩雑化を防ぐため、固定部材234・・・の符号は一部のみに付されている。
詳細には、各減光フィルタ231・・・は、ガイド部232a,232bに沿って棒状ランプ20の長手方向にスライドするように移動自在であり、長手方向の任意の位置にセットされた状態で、固定部材234・・・によって固定される。すなわち、各減光フィルタ231・・・を任意の位置に固定できるため、棒状ランプ20の長手方向において照度が高い箇所に合わせて適切な位置に容易に各減光フィルタ231・・・を配置できる。この場合、各減光フィルタ231・・・の配置のピッチを異ならせることもできる。また、図8では、各減光フィルタ231・・・の幅は同一であるが、これに限らず、光量分布に合わせて、互いに幅が異なる複数種類の減光フィルタを支持フレーム232に設けても良い。さらに、光量分布に合わせて各減光フィルタ231・・・の減光率を異ならせても良い。
以下、図9を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第4の実施の形態では、減光フィルタの他の態様について説明する。
減光フィルタ331は、支持フレーム32(図4参照)に支持される一枚の板状のフィルタである。減光フィルタ331を透過する光は、支持フレーム32の開口33(図4参照)を通って光配向対象物Wに照射される。
減光フィルタ331は、透光性を有するガラス等によって構成される板状の基材331aと、基材331aの一部の領域に形成される減光部331bとを備える。
詳細には、減光部331bは、光量分布に合わせて、棒状ランプ20からの光量が他の箇所よりも大きい部分に設けられる。減光部331bは、基材331aの表面に光を減光させる性質を備える膜を蒸着によって形成したものである。このように、支持フレーム32に支持される一枚の基材331a上に、光量分布に合わせて部分的に減光部331bを設けても良い。
第4の実施の形態では、減光フィルタ331を、図7に示すような棒状ランプ20の中央部の光量が他の箇所よりも大きい構成に用いる場合を示しており、減光フィルタ331の長手方向の中央部に減光部331bが形成されている。
上記第1〜第4の実施の形態では光照射装置として、光配向装置10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、光照射装置は、フィルム上の光硬化材料の硬化、または、幅広いワークを照射する際、UV照度ムラまたは積算光量ムラが硬化終了後の品質に問題が発生する場合に有効である。
また、上記第1から第4の実施の形態では紫外線ランプを例に挙げて説明したが、他の種類の光源であっても良い。
20 棒状ランプ(光源)
20b 中央部
23,123,223 減光手段
24 偏光子ユニット(偏光ユニット)
27 ワイヤーグリッド偏光子(偏光子)
28 枠体
31,231 減光フィルタ
32,132,232 支持フレーム
131a,131b,131c 減光フィルタ
Rh 高照度領域(照度が高くなる箇所)
Rl 低照度領域(照度が低い箇所、低照度箇所)
W 光配向対象物(ワーク)
Claims (4)
- 光源の光をワークに照射する光照射装置において、
前記光源の光を減じる減光手段を備え、
前記減光手段は、
前記ワークに光が照射される照射領域において、照度が低い箇所に合せて、相対的に照度が高くなる箇所を照射する光を減じ、
棒状ランプを有する前記光源の光を偏光する偏光ユニットを備え、
前記偏光ユニットは、枠体に支持した複数の偏光子が前記棒状ランプの長手方向に並べられ、
前記減光手段は、前記照射領域において前記枠体の遮光によって生じる低照度箇所に合せて、他の箇所を照射する光を減じる複数の減光フィルタを備え、互いに隣接する前記減光フィルタの間の空間が、前記光の照射方向において前記低照度箇所に重なることを特徴とする光照射装置。 - 前記減光手段は、
前記棒状ランプの長手方向における照度が高い箇所の光を、長手方向の他の箇所の光よりも大きく減じることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。 - 前記照度が高い箇所の光は、前記棒状ランプの長手方向の中央部の光であることを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
- 前記減光手段は、
前記減光フィルタと、
前記減光フィルタを支持する支持フレームと、を備え、
前記減光フィルタは、前記棒状ランプの長手方向に位置を調整可能に支持されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光照射装置。
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