JP6534211B2 - 包装硬貨処理装置および包装硬貨処理方法 - Google Patents

包装硬貨処理装置および包装硬貨処理方法 Download PDF

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本発明は、各々が複数の包装硬貨を収納する複数の収納部を備えた包装硬貨処理装置およびこのような包装硬貨処理装置による包装硬貨処理方法に関する。
所定枚数(例えば、50枚)の硬貨を重積させて紙やフィルム等の包装媒体によって包装することにより形成される包装硬貨を金種毎に収納するとともに収納されている包装硬貨を筐体の外部に出金可能な包装硬貨処理装置として従来から様々なタイプのものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。特許文献1等に開示されるような従来の包装硬貨収納装置では、同一金種の複数の包装硬貨を一列に収納する収納トレイが鉛直方向に沿って並ぶよう複数設けられている。ここで、各収納トレイは包装硬貨処理装置の本体部分から引き出し可能となっており、収納トレイを本体部分から引き出すことによりこの収納トレイから包装硬貨を取り出したり当該収納トレイに包装硬貨を補充したりすることができるようになっている。
従来の包装硬貨処理装置では、各々の収納トレイが本体部分に正常に装着されているか否かを検出するためのセンサや、各々の収納トレイに収納されている包装硬貨の金種を判定するセンサ等が設けられている。そして、ある収納トレイが本体部分に正常に装着されていなかったり、ある収納トレイに収納されている包装硬貨の金種が当該収納トレイに対応する金種ではなかったりすることがセンサにより検出された場合には、異常情報がモニタに表示されるようになる。そして、操作者はモニタに表示されている異常情報を見ることにより、本体部分から収納トレイを引き出して異常を解消することができるようになる。
特許第5599272号
しかしながら、従来の包装硬貨処理装置では複数の収納トレイが鉛直方向に沿って並ぶよう配置されているため、収納トレイに収納されている包装硬貨や収納トレイ自体に異常が発生した場合に異常情報をモニタに表示させるだけでは、操作者は包装硬貨処理装置の扉を開いたときにどの収納トレイを本体部分から引き出せばよいかを迅速に特定することができず、また、誤った収納トレイを本体部分から引き出してしまうおそれがある。また、複数の収納トレイにおいて異常が発生したときに、操作者は一つの収納トレイを本体部分から引き出して異常を解消しただけで復旧処理が終わったと勘違いしてしまう場合がある。
また、従来の包装硬貨処理装置において、各々の収納トレイに対応してLED等の表示部を複数設け、収納トレイに収納されている包装硬貨や収納トレイ自体に異常が発生したときに当該収納トレイに対応する表示部を例えば点灯させることにより操作者に異常情報を報知するものがある。しかしながら、このような包装硬貨処理装置では各々の収納トレイに対応してLED等の表示部を複数設けるためコストが高くなるとともに各表示部に接続される配線が複雑になってしまい筐体の内部のスペース上の制約が生じてしまうという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、収納部に収納されている包装硬貨の異常または収納部の異常が発生した場合に操作者はどの収納部で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる包装硬貨処理装置および包装硬貨処理方法を提供することを目的とする。
本発明の包装硬貨処理装置は、各々が複数の包装硬貨を収納し、各々が定位置と引出位置との間で移動可能となっている複数の収納部と、各前記収納部を他の前記収納部から独立して前記定位置から前記引出位置に移動させる駆動機構と、各前記収納部に収納されている包装硬貨の異常または各前記収納部の異常を前記収納部毎に検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
このような包装硬貨処理装置によれば、異常検出手段により異常が検出された収納部を定位置から引出位置に移動させることにより、収納部に収納されている包装硬貨の異常または収納部の異常が発生した場合に操作者はどの収納部で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる。
本発明の包装硬貨処理装置においては、各前記収納部は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されていてもよい。
本発明の包装硬貨処理装置は、各前記収納部における包装硬貨の取り出し口を選択的に塞ぐよう各前記収納部に対向して設けられた閉止部材を更に備え、前記制御部は、前記閉止部材が各前記収納部の前記取り出し口を塞ぐ位置から退避したことを条件として、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御するようになっていてもよい。
この場合、前記閉止部材は、開閉可能な扉を含んでいてもよい。
本発明の包装硬貨処理装置においては、前記制御部は、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させる旨の指令が当該制御部に入力されたことを条件として、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御するようになっていてもよい。
本発明の包装硬貨処理装置においては、前記制御部は、前記引出位置に移動した前記収納部を当該引出位置から前記定位置に戻す旨の指令が当該制御部に入力されたときに、前記引出位置に移動した前記収納部を当該引出位置から前記定位置に移動させるよう前記駆動機構を制御するようになっていてもよい。
本発明の包装硬貨処理装置においては、各前記収納部を前記定位置にロックするロック機構が各前記収納部に対応して設けられており、前記制御部は、前記異常検出手段により異常が検出されていない前記収納部を前記定位置にロックするよう前記ロック機構を制御するようになっていてもよい。
本発明の包装硬貨処理装置においては、前記制御部は、複数の前記収納部について前記異常検出手段により異常が検出された場合には、前記異常検出手段により異常が検出された全ての前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御するようになっていてもよい。
本発明の包装硬貨処理方法は、各々が複数の包装硬貨を収納する複数の収納部を備えた包装硬貨処理装置による包装硬貨処理方法であって、各前記収納部に収納されている包装硬貨の異常または各前記収納部の異常を前記収納部毎に検出する工程と、異常が検出された前記収納部を定位置から引出位置に移動させる工程と、を備えたことを特徴とする。
このような包装硬貨処理方法によれば、異常が検出された収納部を定位置から引出位置に移動させることにより、収納部に収納されている包装硬貨の異常または収納部の異常が発生した場合に操作者はどの収納部で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる。
本発明の包装硬貨処理装置および包装硬貨処理方法によれば、収納部に収納されている包装硬貨の異常または収納部の異常が発生した場合に操作者はどの収納部で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態による硬貨処理装置の外観を示す斜視図である。 図1に示す硬貨処理装置を正面側から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図1に示す硬貨処理装置を左側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図1に示す硬貨処理装置を右側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図1等に示す硬貨処理装置における入金繰出部および入金搬送部を上方から見たときの構成を示す構成図である。 図1等に示す硬貨処理装置における各構成部材間での硬貨の流れを示す説明図である。 図1等に示す硬貨処理装置における制御系の構成を示す機能ブロック図である。 図1等に示す硬貨処理装置の包装硬貨収納ユニットにおいて全ての収納トレイが定位置に位置している状態を示す斜視図である。 図8に示す状態から下から2番目の収納トレイが定位置から引出位置に移動したときの状態における包装硬貨収納ユニットの外観を示す斜視図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおける収納トレイの構成を示す斜視図である。 図10に示す収納トレイにおいて包装硬貨が整列した状態で収納されているときの斜視図である。 図10に示す収納トレイにおいて包装硬貨が整列していない状態で収納されているときの斜視図である。 図10に示す収納トレイ、このような収納トレイを受ける収納トレイ受け部および収納トレイ受け部が載置される載置部の構成を示す斜視図である。 図13に示す収納トレイ、収納トレイ受け部および載置部の側面図である。 図13等に示す載置部の上面図である。 図13等に示す収納トレイ受け部が定位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。 図13等に示す収納トレイ受け部が定位置から引出位置に移動させられたときの状態を示す斜視図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおける異常検出手段の構成を示す側面図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて包装硬貨の精査処理を行う際に異常検出手段により異常が検出されたときの動作を示すフローチャートである。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出されたときの操作表示部における表示画面を示す図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出された後にエラー解除を行う際の操作表示部における表示画面を示す図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出された後にエラー解除を行う際の操作表示部における表示画面を示す図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出された後にエラー解除を行う際の操作表示部における表示画面を示す図である。 図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出された後にエラー解除を行う際の操作表示部における表示画面を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図24は、本実施の形態による硬貨処理装置およびこのような硬貨処理装置による硬貨処理方法を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による硬貨処理装置の外観を示す斜視図であり、図2乃至図4は、それぞれ、図1に示す硬貨処理装置を正面側、左側方、右側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。また、図5は、図1等に示す硬貨処理装置における入金繰出部および入金搬送部を上方から見たときの構成を示す構成図である。また、図6は、図1等に示す硬貨処理装置における各構成部材間での硬貨の流れを示す説明図である。また、図7は、図1等に示す硬貨処理装置における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図8乃至図18は、それぞれ、図1等に示す硬貨処理装置における包装硬貨収納ユニットを示す図である。また、図19は、図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出されたときの動作を示すフローチャートである。また、図20乃至図24は、それぞれ、図8等に示す包装硬貨収納ユニットにおいて異常検出手段により異常が検出されたときや異常検出手段により異常が検出された後にエラー解除を行う際の操作表示部における表示画面を示す図である。なお、図4、図8、図9、図11、図12、図18等において包装硬貨を参照符合Wで示している。
本実施の形態による硬貨処理装置10は、バラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨に紙やフィルム等の包装媒体を巻くことにより包装硬貨を形成したりこの形成された包装硬貨の出金処理を行ったりすることができるようになっている。このような硬貨処理装置10の外観や内部構成の詳細について図1乃至図5を用いて説明する。
本実施の形態による硬貨処理装置10は、略直方体形状の筐体12と、筐体12の上面に設けられた硬貨投入口21に投入されたバラ硬貨を筐体12の内部に繰り出す入金繰出部20と、入金繰出部20により繰り出されたバラ硬貨を搬送する入金搬送部28と、入金搬送部28により搬送されるバラ硬貨を識別する入金識別部29とを備えている。また、入金搬送部28には、入金識別部29により正常な硬貨ではないと識別されたバラ硬貨や入金識別部29により識別することができなかったバラ硬貨をリジェクト硬貨として選別するリジェクト選別部30、入金識別部29により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部34、および入金識別部29により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部36がそれぞれ設けられている。また、筐体12の内部には、任意選別部34や各金種別選別部36により選別されたバラ硬貨を金種毎に一時的に保留する入金一時保留部40、および入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部52がそれぞれ設けられている。また、筐体12の内部には、任意選別部34により選別されたバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装することによって包装硬貨を形成する包装部60、包装部60により形成された包装媒体を収納する包装硬貨収納ユニット100および包装部60により形成された包装媒体を筐体12の内部で搬送する包装硬貨搬送ユニット110がそれぞれ設けられている。このような硬貨処理装置10の各構成部材の詳細について以下に説明する。
図2、図3および図5に示すように、入金繰出部20は、筐体12の上面に設けられた硬貨投入口21に投入されたバラ硬貨を受け入れる供給円盤22と、この供給円盤22からバラ硬貨が適量ずつ供給される回転円盤24と、回転円盤24からバラ硬貨を1枚ずつ入金搬送部28に繰り出す繰出機構26とを有している。
図5に示すように、入金搬送部28は、入金繰出部20から繰り出されたバラ硬貨を搬送路に沿って搬送する搬送ベルトを有している。ここで、搬送ベルトとしては例えば入金搬送部28の搬送路に沿って移動する丸ベルトが用いられるようになっており、入金繰出部20から繰り出されたバラ硬貨は当該丸ベルトとの間で働く摩擦力により搬送路に沿って搬送されるようになっている。また、入金搬送部28には、当該入金搬送部28により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う入金識別部29が設けられている。入金識別部29によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部200に送られるようになっている。
また、図5に示すように、入金搬送部28には、入金識別部29により正常な硬貨ではないと識別されたバラ硬貨や入金識別部29により識別することができなかったバラ硬貨をリジェクト硬貨として選別するリジェクト選別部30が設けられている。また、図3に示すように、筐体12の内部には、リジェクト選別部30により選別されたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨が集積される入金リジェクト部38、およびリジェクト選別部30から入金リジェクト部38にリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を送る入金リジェクト用シュート31がそれぞれ設けられている。ここで、図1に示すように、操作者は筐体12の前面から入金リジェクト部38の内部にアクセス可能となっており、入金リジェクト部38に送られたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を操作者は筐体12の前面から取り出すことができるようになっている。
また、入金搬送部28において、硬貨の搬送方向におけるリジェクト選別部30の下流側には、入金識別部29により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部34が設けられている。ここで、任意選別部34により選別される特定の任意の金種の硬貨とは、例えばバラ硬貨の包装処理において包装部60によって包装媒体により包装されることにより包装硬貨とされるべきバラ硬貨や、特定の金種の硬貨の計数処理において袋装着部に装着される貯留袋75(図3において二点鎖線で表示)に送られるべきバラ硬貨のことをいう。
また、入金搬送部28において、硬貨の搬送方向における任意選別部34の更に下流側には、入金識別部29により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部36が設けられている。具体的には、複数の金種別選別部36として、硬貨の搬送方向における上流側から順に、5円硬貨を選別する5円硬貨選別部36a、1円硬貨を選別する1円硬貨選別部36b、50円硬貨を選別する50円硬貨選別部36c、100円硬貨を選別する100円硬貨選別部36d、10円硬貨を選別する10円硬貨選別部36eおよび500円硬貨を選別する500円硬貨選別部36fが設けられている。ここで、リジェクト選別部30、任意選別部34および5円硬貨選別部36aは、ソレノイド等の電気的駆動機構によって強制的にバラ硬貨を分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。一方、1円硬貨選別部36b、50円硬貨選別部36c、100円硬貨選別部36dおよび10円硬貨選別部36eは、小径硬貨から大径硬貨の順にバラ硬貨を径の大きさで選別して該当する分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。また、500円硬貨選別部36fは、5円硬貨選別部36a、1円硬貨選別部36b、50円硬貨選別部36c、100円硬貨選別部36dおよび10円硬貨選別部36eの各分岐孔に落とし込まれなかったバラ硬貨を500円硬貨として当該500円硬貨選別部36fに対応する分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。
また、図2および図3に示すように、筐体12の内部において入金搬送部28の下方には入金一時保留部40が設けられている。入金一時保留部40は、任意選別部34により選別されたバラ硬貨が一時的に保留される任意一時保留部42と、各金種別選別部36により選別されたバラ硬貨が金種別に一時的に保留される金種別一時保留部44とを有している。ここで、任意一時保留部42は、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、金種別一時保留部44は、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する保留領域44a、44b、44c、44d、44e、44fに区画された、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、任意一時保留部42および金種別一時保留部44は互いに連結されており、これらの任意一時保留部42および金種別一時保留部44は一体的に水平方向に移動するようになっている。また、任意一時保留部42や金種別一時保留部44の下方には板状の底部材46が設けられており、これらの任意一時保留部42や金種別一時保留部44の枠体の底部に設けられた開口が底部材46により選択的に閉止されるようになっている。また、図2および図3に示すように、入金一時保留部40は、任意一時保留部42および金種別一時保留部44を水平方向(具体的には、図2における左右方向)に移動させる第1駆動機構45と、底部材46を水平方向(具体的には、図2における左右方向)に移動させる第2駆動機構47とを有している。
また、図2および図3に示すように、筐体12の内部において入金一時保留部40の更に下方には、入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を筐体12の外部に排出するための排出部50、入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部52、入金一時保留部40の任意一時保留部42から送られたバラ硬貨を包装部60や後述する袋装着部に装着された貯留袋75に送るシュート機構70、および入金一時保留部40の任意一時保留部42から送られたバラ硬貨が収納されるバラ硬貨一括収納箱98(図2や図3では図示せず)がそれぞれ設けられている。
入金一時保留部40における金種別一時保留部44は、各金種別選別部36の分岐孔の真下かつ排出部50の真上の位置である第1位置と、各収納繰出部52の真上の位置である第2位置との間で図2における左右方向に移動可能となっている。また、底部材46は、第1位置にある金種別一時保留部44の底部の開口を塞ぐ第1位置と、第1位置にある金種別一時保留部44の底部の開口を開く第2位置との間で図2における左右方向に移動可能となっている。また、本実施の形態による硬貨処理装置10が待機状態にあるときには金種別一時保留部44は第1位置に位置するとともに底部材46も第1位置に位置するようになる。ここで、金種別一時保留部44が第1位置に位置するとともに底部材46が第1位置に位置しているときには、各金種別選別部36の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fに金種毎に一時的に保留されるようになる。そして、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構45により金種別一時保留部44が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域44a〜44fからバラ硬貨が自重により落下して各収納繰出部52の収納領域52a〜52f(後述)に金種毎に送られ、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに金種毎に収納されるようになる。一方、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構47により底部材46が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域44a〜44fからバラ硬貨が自重により落下して排出部50に送られ、この排出部50に金種混合状態で集積されるようになる。
また、入金一時保留部40における任意一時保留部42は、第1駆動機構45による当該任意一時保留部42の移動方向(具体的には、図2における左右方向)に沿って並ぶ第1保留領域および第2保留領域に区画されたものから構成されている。そして、金種別一時保留部44が第1位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域が任意選別部34の分岐孔の真下に位置するとともに排出部50の真上に位置するようになる。なお、このときに底部材46が第1位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域の底部の開口が当該底部材46により塞がれるようになり、任意選別部34の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部42の第1保留領域に一時的に保留されるようになる。また、金種別一時保留部44が第2位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域がバラ硬貨一括収納箱98の真上に位置するようになっている。そして、任意一時保留部42の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構45により金種別一時保留部44が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部42の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下してバラ硬貨一括収納箱98に送られ、このバラ硬貨一括収納箱98に収納されるようになる。一方、任意一時保留部42の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構47により底部材46が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部42の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下して排出部50に送られ、当該排出部50に集積されるようになる。また、第1駆動機構45によって、入金一時保留部40における任意一時保留部42を、その第2保留領域が任意選別部34の分岐孔の真下に位置するような第3位置に移動させることができるようになっている。ここで、任意一時保留部42が第3位置に位置しているときには、任意選別部34の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部42の第2保留領域に送られた後、この第2保留領域を通過してシュート機構70の上部シュート72(後述)に送られるようになっている。
図3等に示すように、複数の収納繰出部52の各々は、それぞれ、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する収納領域52a、52b、52c、52d、52e、52fを有しており、これらの収納領域52a〜52fにバラ硬貨が金種別に収納されるようになっている。より詳細には、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fには、入金一時保留部40の金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fからバラ硬貨がそれぞれ送られるようになっている。また、各収納繰出部52において収納領域52a〜52fの底部には回転円盤等の硬貨繰出部52pがそれぞれ設けられており、各硬貨繰出部52pにより各収納繰出部52の収納領域52a〜52fからバラ硬貨が1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、各収納繰出部52の下方には水平方向に延びるコンベア54が設けられており、各硬貨繰出部52pにより各収納繰出部52の収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨はコンベア54により搬送されるようになっている。ここで、コンベア54には、当該コンベア54により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う出金識別部55が設けられている。出金識別部55によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部200に送られるようになっている。また、出金識別部55により識別されたバラ硬貨はコンベア54により出金用シュート58を介して出金箱90に送られるか、あるいは包装用シュート57を介して包装部60に送られるようになっている。
排出部50は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能な返却箱50aを有しており、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第1保留領域や金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fから送られたバラ硬貨が金種混合状態で集積されるようになっている。
バラ硬貨一括収納箱98は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能となっており、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第1保留領域から送られたバラ硬貨が集積されるようになっている。
図3に示すように、シュート機構70は、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第2保留領域から送られたバラ硬貨が通過する上部シュート72と、この上部シュート72から分岐した貯留用シュート74および包装用シュート76とを有しており、上部シュート72から貯留用シュート74や包装用シュート76への分岐箇所には分岐部材78が設けられている。ここで、上部シュート72から分岐部材78により包装用シュート76に分岐させられたバラ硬貨は包装部60に送られるようになっている。一方、図1に示すように、貯留用シュート74の下流側端部に位置する排出側開口74aは筐体12の前面に開口するようになっており、この排出側開口74aの近傍には、図3において二点鎖線で示すような貯留袋75を筐体12の側面に装着させる袋装着部(図示せず)が設けられている。そして、袋装着部に貯留袋75が装着されているときには、上部シュート72から分岐部材78により貯留用シュート74に分岐させられたバラ硬貨は排出側開口74aから貯留袋75に送られてこの貯留袋75に貯留されるようになる。
出金箱90は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能となっており、本実施の形態による硬貨処理装置10においてバラ硬貨の出金処理が行われる際に、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨がコンベア54により出金用シュート58を介して出金箱90に送られるようになっている。また、出金箱90には、操作者が当該出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出す際に把持される取っ手90aが設けられており、このような取っ手90aを操作者が把持することにより出金箱90を筐体12から容易に引き出すことができるようになっている。また、出金箱90には図示しないロック機構が設けられており、このロック機構により出金箱90は筐体12の内部にロックされるようになっている。一方、ロック機構によるロックが解除されると、操作者は出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出すことができるようになる。また、図2に示すように、出金箱90の底部には開口が設けられているとともに、この開口はシャッタ部材92により選択的に閉じられるようになっている。また、筐体12の下部には、出金リジェクト箱56と、出金箱90の底部に設けられた開口から出金リジェクト箱56にバラ硬貨を送る出金リジェクト用シュート94がそれぞれ設けられている。そして、本実施の形態による硬貨処理装置10においてバラ硬貨の出金処理が行われる際に、出金されるべきバラ硬貨の金種とは異なる金種のバラ硬貨が収納繰出部52の各収納領域52a〜52fから繰り出されて出金箱90に送られたり、収納繰出部52の各収納領域52a〜52fからのバラ硬貨の繰り出しエラーによって各収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨の枚数が不確定となってしまったりした場合には、出金箱90の底部に設けられた開口がシャッタ部材92により開かれ、出金箱90に送られたバラ硬貨はこの出金箱90から出金リジェクト用シュート94を介して出金リジェクト箱56に送られるようになる。
包装部60は、シュート機構70の包装用シュート76や包装用シュート57により当該包装部60に送られたバラ硬貨が集積されるとともに集積されたバラ硬貨を1枚ずつ繰り出す集積部としての回転円盤62と、回転円盤62により繰り出されたバラ硬貨を搬送するコンベア63と、コンベア63により搬送されたバラ硬貨が積層状態で集積されるとともに集積された所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装する包装機構68とを有している。ここで、包装機構68は上方から見て仮想の正三角形の各頂点に位置する3本の包装ローラ68aを有しており、各包装ローラ68aの間の包装領域において所定枚数重積した重積硬貨が包装媒体により包装されて包装硬貨が形成されるようになっている。図4に示すように、包装機構68により形成された包装硬貨はこの包装機構68から下方に排出されるようになっている。また、包装機構68の下方には包装硬貨用シュート65および横搬送部67が設けられており、包装機構68により形成された包装硬貨が当該包装機構68から下方に排出されると、この排出された包装硬貨は包装硬貨用シュート65を通って横搬送部67に送られ、この横搬送部67により包装硬貨搬送ユニット110に向かって搬送されるようになる。また、横搬送部67と包装硬貨搬送ユニット110との間には、横搬送部67から包装硬貨搬送ユニット110への包装硬貨の放出と放出規制とを切り換える切換部材69が設けられている。
また、図2等に示すように、包装部60においてコンベア63の下方には排出シュート64が設けられており、包装機構68により所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を包装する際に所定の枚数に満たない端数分のバラ硬貨はコンベア63から排出シュート64に送られてこの排出シュート64により出金リジェクト箱56に送られるようになっている。また、出金リジェクト箱56の近傍には、端数分のバラ硬貨を収納する端数硬貨収納箱97が設けられているとともに、この出金リジェクト箱56には、排出シュート64から送られた端数分のバラ硬貨を出金リジェクト箱56および端数硬貨収納箱97の何れかに分岐させる分岐部材96が設けられている。このような分岐部材96が設けられていることにより、コンベア63から排出シュート64に送られた端数分のバラ硬貨を出金リジェクト箱56および端数硬貨収納箱97のうち何れかに収納させることができるようになる。
図4に示すように、包装硬貨搬送ユニット110は、筐体12の内部における上部および下部にそれぞれ設けられた2つのプーリ112と、これらの2つのプーリ112に掛け渡された無端状の循環ベルト114と、2つのプーリ112のうち一方のプーリ112を回転駆動させることにより循環ベルト114を図4における時計回りの方向および反時計回りの方向に循環移動させる駆動モータ(図示せず)とを有している。また、図4に示すように、循環ベルト114には、包装硬貨搬送ユニット110により搬送されるべき包装硬貨が引っ掛けられる突起116が等間隔で複数設けられている。ここで、各突起116は、当該突起116と包装硬貨とが接する面が循環ベルト114の延びる方向(すなわち、図4における上下方向)に対して所定の角度(例えば、60°)をなして傾斜する方向に当該循環ベルト114から突出して形成されている。このように各突起116が循環ベルト114の延びる方向に対して傾斜していることにより、突起116に引っ掛けられた包装硬貨はその自重により突起116上で循環ベルト114側に寄せられるようになる。そして、循環ベルト114が図4における反時計回りの方向に循環移動すると、包装硬貨は突起116に引っ掛けられた状態で(すなわち、突起116上で循環ベルト114側に寄せられた状態で)循環ベルト114の移動に合わせて図4における反時計回りの方向に沿って搬送されるようになる。また、本実施の形態では、循環ベルト114は、所定量だけ移動すると所定時間だけ停止し、その後再び所定量だけ移動するような動作が繰り返し行われる間欠移動を行うよう、駆動モータにより駆動させられるようになっている。
また、図4に示すように、筐体12の内部において包装硬貨搬送ユニット110の近傍には、包装硬貨の収納を行う包装硬貨収納ユニット100が設けられている。ここで、包装硬貨収納ユニット100は、同一金種の複数の包装硬貨を一列に収納する複数(図4に示す例では6つ)の収納トレイ140を有しており、各収納トレイ140には包装硬貨が金種別に収納されるようになっている。ここで、各収納トレイ140は水平方向に対して傾斜しており、収納トレイ140に収納されている包装硬貨は、包装硬貨搬送ユニット110に近い側である収納トレイ140の最前部に向かって転がるようになっている。また、各収納トレイ140は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている。また、各収納トレイ140に収納される包装硬貨の金種は収納トレイ140毎に予め設定されている。例えば、6つの収納トレイ140のうち上側の3つの収納トレイ140にはそれぞれ10円の包装硬貨が収納され、下から3番目の収納トレイ140には50円の包装硬貨が収納され、下側の2つの収納トレイ140にはそれぞれ100円の包装硬貨が収納されるようになっている。
また、各収納トレイ140は、図4に示す位置から包装硬貨搬送ユニット110に向かって(すなわち、図4における左方向に)移動可能となっており、各収納トレイ140が包装硬貨搬送ユニット110における循環ベルト114の近傍の位置まで進出したときに、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨が循環ベルト114の突起116に1つずつ受け渡されるようになる。また、各収納トレイ140の前端部分(すなわち、図4における左端部分)と、包装硬貨搬送ユニット110との間には、各収納トレイ140に対応して複数のストッパ部分104aが設けられたストッパ機構104が上下方向に移動可能に配置されている。このストッパ機構104が下降位置にあるときには、包装硬貨搬送ユニット110に向かって進出した収納トレイ140の最前部の包装硬貨にストッパ部分104aが接触してこの最前部の包装硬貨が循環ベルト114の突起116に受け渡されないようになる。この場合には、循環ベルト114により搬送される包装硬貨が突起116から収納トレイ140の最前部に受け渡され、この収納トレイ140に収納されるようになる。一方、ストッパ機構104が上昇位置にあるときには、包装硬貨搬送ユニット110に向かって進出した収納トレイ140の最前部の包装硬貨にストッパ部分104aが接触せず、この最前部の包装硬貨が循環ベルト114の突起116に受け渡されるようになる。
このような包装硬貨収納ユニット100の構成の詳細について図8乃至図18を用いて説明する。なお、図8は、包装硬貨収納ユニット100において全ての収納トレイ140が定位置に位置している状態を示す斜視図であり、図9は、図8に示す状態から下から2番目の収納トレイ140が定位置から引出位置に移動したときの状態における包装硬貨収納ユニット100を示す斜視図である。また、図10は、図8等に示す包装硬貨収納ユニット100における収納トレイ140の構成を示す斜視図であり、図11は、図10に示す収納トレイ140において包装硬貨が整列した状態で収納されているときの斜視図であり、図12は、図10に示す収納トレイ140において包装硬貨が整列していない状態で収納されているときの斜視図である。また、図13は、図10に示す収納トレイ140、このような収納トレイ140を受ける収納トレイ受け部142(後述)および収納トレイ受け部142が載置される載置部144(後述)の構成を示す斜視図であり、図14は、図13に示す収納トレイ140、収納トレイ受け部142および載置部144の側面図であり、図15は、図13等に示す載置部144の上面図である。また、図16は、図13等に示す収納トレイ受け部142が定位置に位置しているときの状態を示す斜視図であり、図17は、図13等に示す収納トレイ受け部142が定位置から引出位置に移動させられたときの状態を示す斜視図である。また、図18は、図8等に示す包装硬貨収納ユニット100における異常検出手段108(後述)の構成を示す側面図である。
図8および図9に示すように、包装硬貨収納ユニット100は、その前面が開口しているとともに複数(図8および図9に示す例では6つ)の収納トレイ140が鉛直方向に沿って並ぶよう収容されるケーシング101を有しており、各収納トレイ140はそれぞれケーシング101の前面開口から手前側に引き出して当該ケーシング101の外部に取り出し可能となっている。すなわち、各収納トレイ140は、ケーシング101に完全に収容される定位置と、ケーシング101の前面開口から手前側に突出する引出位置(すなわち、図9における下側から2番目の収納トレイ140の位置)との間で移動可能となっている。また、包装硬貨収納ユニット100には、各収納トレイ140を他の収納トレイ140から独立して定位置から引出位置に移動させる駆動機構106が設けられている。このような駆動機構106の構成の詳細については後述する。また、包装硬貨収納ユニット100には、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140自体の異常(具体的には、例えば収納トレイ受け部142(後述)への収納トレイ140の装着不良)を収納トレイ140毎に検出する異常検出手段108が設けられている。このような異常検出手段108の構成の詳細についても後述する。また、本実施の形態では、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106が後述する制御部200により制御されるようになっている。
図13乃至図15に示すように、包装硬貨収納ユニット100において、各収納トレイ140に対応して、当該収納トレイ140を受ける収納トレイ受け部142および収納トレイ受け部142が載置される載置部144がそれぞれ設けられている。すなわち、包装硬貨収納ユニット100において、収納トレイ140、収納トレイ受け部142および載置部144からなる組合せ体が鉛直方向に沿って並ぶよう複数組(図8等に示す例では6組)設けられている。ここで、収納トレイ受け部142は、その上面に収納トレイ140が取り付けられる板状のものからなり、収納トレイ140および収納トレイ受け部142は一体的に上記の定位置と引出位置との間で移動するようになっている。なお、図16は、収納トレイ受け部142が定位置に位置しているときの状態を示す斜視図であり、図17は、収納トレイ受け部142が引出位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。ここで、図16および図17では、収納トレイ受け部142に受けられる収納トレイ140の図示が省略されている。一方、載置部144は包装硬貨収納ユニット100のケーシング101に固定されており、この載置部144の上面で収納トレイ受け部142が定位置と引出位置との間でスライドするようになっている。
本実施の形態では、収納トレイ受け部142に設けられたアタッチメント部材等により収納トレイ140は収納トレイ受け部142に着脱自在に取り付けられるようになっていてもよく、あるいは、収納トレイ140を収納トレイ受け部142にロックするロック機構109(図7参照)が設けられていてもよい。後者の場合には、ロック機構109によるロックが解除されると収納トレイ140を収納トレイ受け部142から取り外すことができるようになる。
各収納トレイ140を他の収納トレイ140から独立して定位置から引出位置に移動させる駆動機構106の構成の詳細について図15乃至図17を用いて説明する。図15乃至図17に示すように、載置部144の上面において循環ベルト106cがプーリ106bおよび回転円盤106dに掛け渡されており、プーリ106bが回転すると循環ベルト106cが循環移動を行うことにより回転円盤106dも回転するようになっている。また、駆動機構106は、プーリ106bを回転させるモータ106aを有しており、当該モータ106aによりプーリ106bが回転させられるようになっている。また、回転円盤106dの上面にはピン部材106eが設けられている。また、載置部144の上面には2つのピン部材144aが設けられている。
一方、図16および図17に示すように、収納トレイ受け部142には、各ピン部材144aに対応して、当該収納トレイ受け部142の移動方向に沿って延びる貫通穴としての2つの長穴142bが形成されている。そして、載置部144の上面に設けられた2つのピン部材144aがそれぞれ収納トレイ受け部142の各長穴142bに挿入されている状態で、各ピン部材144aが各長穴142bに沿って相対的に移動することにより収納トレイ受け部142は各長穴142bの延びる方向に沿って載置部144に対して移動するようになる。また、収納トレイ受け部142には、回転円盤106dの上面に設けられたピン部材106eに対応して、当該収納トレイ受け部142の幅方向に沿って延びる貫通穴としての長穴142cが形成されている。そして、回転円盤106dの上面に設けられたピン部材106eが収納トレイ受け部142の長穴142cに挿入されている状態で、回転円盤106dが回転すると収納トレイ受け部142はピン部材106eにより押動されることによって図16に示すような定位置と図17に示すような引出位置との間で移動するようになる。なお、回転円盤106dが回転したときに、ピン部材106eは長穴142cに沿って相対的に往復移動を行うようになる。
このように、本実施の形態では、モータ106a、プーリ106b、循環ベルト106c、回転円盤106d、ピン部材106e等を組み合わせることにより駆動機構106が構成されている。また、本実施の形態では、鉛直方向に沿って並ぶよう設けられた複数の収納トレイ140に対応して、モータ106a、プーリ106b、循環ベルト106c、回転円盤106d、ピン部材106eからなる組合せ体が複数組設けられている。また、本実施の形態では、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨を循環ベルト114の突起116に受け渡したり、循環ベルト114の突起116に引っ掛けられた状態で当該循環ベルト114により搬送されている包装硬貨を各収納トレイ140に収納させたりする場合にも、駆動機構106により収納トレイ140が定位置から引出位置に移動させられるようになっている。
次に、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140の異常を収納トレイ140毎に検出する異常検出手段108の構成の詳細について図18等を用いて説明する。図18に示すように、異常検出手段108は、鉛直方向に沿って延びる細長い板状のベース部150と、ベース部150において各収納トレイ140に対応して設けられた複数(例えば、6つ)の上径センサ152と、ベース部150において各収納トレイ140に対応して設けられた複数(例えば、6つ)の穴センサ154とを有している。ここで、ベース部150は、鉛直方向に沿って並ぶよう配置される複数(例えば、6つ)の収納トレイ140をまたがるよう設けられており、当該ベース部150は各収納トレイ140の長手方向(すなわち、図18において矢印で示す方向)に移動自在となっている。また、上径センサ152は、収納トレイ140に収納されている包装硬貨を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含む光センサからなり、当該上径センサ152は、ベース部150が各収納トレイ140の長手方向に沿って移動するときに各収納トレイ140に収納されている各包装硬貨の上側の径の大きさ(より厳密には、包装硬貨を構成するバラ硬貨の中心よりも上側の弦長の大きさ)を検知するようになっている。そして、上径センサ152により検知された各包装硬貨の上側の径の大きさに基づいて各包装硬貨の直径の大きさが算出され、この直径の大きさに基づいて包装硬貨の金種が検知されるようになっている。
また、穴センサ154は、収納トレイ140に収納されている包装硬貨を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含む光センサからなり、当該穴センサ154は、ベース部150が各収納トレイ140の長手方向に沿って移動するときに各収納トレイ140に収納されている各包装硬貨の中心穴の有無を検知するようになっている。そして、各包装硬貨の金種を検知する際に穴センサ154により検知された各包装硬貨の中心穴の有無に係る情報も用いられるようになっている。
また、図10乃至図12に示すように、収納トレイ140の両側壁には、当該収納トレイ140に収納されている包装硬貨の上径の大きさが上径センサ152により検知される際にこの上径センサ152の発光素子から発せられた光が通過するための開口140a、および収納トレイ140に収納されている包装硬貨の穴の有無が穴センサ154により検知される際にこの穴センサ154の発光素子から発せられた光が通過するための開口140bが、それぞれ、収納トレイ140に収納される複数の包装硬貨の各々に対応して設けられている。また、図13に示すように、収納トレイ受け部142の両側壁にも、収納トレイ140に収納されている包装硬貨の穴の有無が穴センサ154により検知される際にこの穴センサ154の発光素子から発せられた光が通過するための開口142aが、収納トレイ140に収納される複数の包装硬貨の各々に対応して設けられている。
このようなベース部150、上径センサ152、穴センサ154等を用いることによって、ベース部150が各収納トレイ140の全長に亘って当該収納トレイ140の長手方向に沿って移動することにより各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種が検知されるようになる。
本実施の形態では、上述したように、各収納トレイ140に収納される包装硬貨の金種は収納トレイ140毎に予め設定されている。そして、ベース部150、上径センサ152、穴センサ154等を用いることによって検知された包装硬貨の金種が、当該包装硬貨が収納されている収納トレイ140に対応して予め設定されている包装硬貨の金種と異なる場合には、すなわち、誤った金種の包装硬貨が収納トレイ140に収納されている場合には、収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常が異常検出手段108により検出されるようになる。また、図11に示すように収納トレイ140において包装硬貨が整列した状態で収納されているときには、収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常が異常検出手段108により検出されないが、図12に示すように収納トレイ140において包装硬貨が整列していない状態で収納されているときには上径センサ152、穴センサ154等による検知結果に基づいて収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常が異常検出手段108により検出されるようになる。また、収納トレイ140に収納されている包装硬貨において包装媒体がめくれたりまたは破れていたり、あるいは収納トレイ140に収納されている包装硬貨が変形してしまったりした場合にも、上径センサ152、穴センサ154等による検知結果に基づいて収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常が異常検出手段108により検出されるようになる。また、収納トレイ140に包装硬貨以外の異物が混入していたり、収納トレイ140に収納されている包装硬貨間に隙間が生じてしまっている場合にも、上径センサ152、穴センサ154等による検知結果に基づいて収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常が異常検出手段108により検出されるようになる。また、異常検出手段108は、収納トレイ140が正常に収納トレイ受け部142に装着されていなかったり、収納トレイ受け部142が正常に載置部144に載置されていなかったりした場合には、図示しない検知センサ等により収納トレイ140自体の異常を検出するようになっている。このように、本実施の形態では、異常検出手段108は、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の様々な種類の異常、および各収納トレイ140自体の様々な種類の異常を検出するようになっている。
また、筐体12の前面において包装硬貨搬送ユニット110の前部域には、包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132および包装硬貨投出部136がそれぞれ設けられている。また、包装硬貨出金部130および包装硬貨一括収納箱132の各々に対応して、包装硬貨搬送ユニット110の循環ベルト114により搬送される包装硬貨を選択的に包装硬貨出金部130および包装硬貨一括収納箱132にそれぞれ分岐させる分岐部材118、119、120が設けられている。また、分岐部材120により包装硬貨搬送ユニット110から分岐させられた包装硬貨を包装硬貨投出部136に送る包装硬貨投出用シュート138が設けられている。ここで、図1に示すように、操作者は筐体12の前面から包装硬貨出金部130にアクセス可能となっており、包装硬貨出金部130に送られた包装硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができるようになっている。また、図1に示すように、操作者は筐体12の前面から包装硬貨投出部136にアクセス可能となっており、分岐部材120により包装硬貨搬送ユニット110の循環ベルト114から分岐させられて包装硬貨投出用シュート138により包装硬貨投出部136に送られた包装硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができるようになっている。また、循環ベルト114を図4における時計回りの方向に循環移動させた場合には、横搬送部67により包装硬貨搬送ユニット110に送られた包装硬貨をすぐに包装硬貨投出用シュート138経由で包装硬貨投出部136に送ることができるようになる。
また、図1に示すように、筐体12の前面側における右側部分には開閉可能な前扉14が設けられており、当該前扉14を開くことにより筐体12内の包装硬貨収納ユニット100にアクセスすることができるようになっている。より詳細には、前扉14には上述した包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132、包装硬貨投出部136および包装硬貨搬送ユニット110が取り付けられており、前扉14を開いたときにはこれらの包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132、包装硬貨投出部136および包装硬貨搬送ユニット110も前扉14と一体的に移動するようになっている。このことにより、操作者は前扉14を開くと包装硬貨収納ユニット100のケーシング101の前面開口にアクセスして収納トレイ140をケーシング101の外部に取り出すことにより収納トレイ140に包装硬貨を収納したり収納トレイ140から包装硬貨を取り出したりすることができるようになっている。また、図7に示すように、硬貨処理装置10において前扉14の開閉を検知する扉開閉検知手段210が設けられており、前扉14が開かれたときには扉開閉検知手段210によりこのことが検知されるようになっている。本実施の形態では、これらの開閉可能な前扉14、包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132、包装硬貨投出部136および包装硬貨搬送ユニット110を組み合わせることにより、各収納トレイ140における包装硬貨の取り出し口を選択的に塞ぐよう各収納トレイ140に対向して設けられた閉止部材が構成されている。
また、図7に示すように、本実施の形態による硬貨処理装置10には、当該硬貨処理装置10の各構成部材の制御を行う制御部200が設けられている。具体的には、制御部200には、入金繰出部20、入金搬送部28、入金識別部29、リジェクト選別部30、任意選別部34、各金種別選別部36、入金一時保留部40、各収納繰出部52、コンベア54、出金識別部55、包装部60、分岐部材78、分岐部材96、包装硬貨収納ユニット100(具体的には、駆動機構106、異常検出手段108、ロック機構109等)、包装硬貨搬送ユニット110、分岐部材118、119、120等がそれぞれ接続されている。ここで、入金識別部29や出金識別部55によるバラ硬貨の識別情報はこれらの入金識別部29や出金識別部55から制御部200に送られるようになっている。また、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常や各収納トレイ140自体の異常が異常検出手段108により検出された場合にはこのような検出信号が異常検出手段108から制御部200に送られるようになっている。また、制御部200は、硬貨処理装置10の各構成部材に指令の信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、制御部200には操作表示部202、印字部204、記憶部206および通信インターフェース部208がそれぞれ接続されている。操作表示部202は、例えば筐体12の上部に設けられたタッチパネル等からなり、硬貨処理装置10における硬貨の処理状況や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納ユニット100の各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報を表示するようになっている。また、操作者はこの操作表示部202により制御部200に様々な指令を入力することができるようになっている。また、印字部204は、硬貨処理装置10における硬貨の処理状況や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納ユニット100の各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報をレシート等に印刷するプリンタ等から構成されている。また、記憶部206は、硬貨処理装置10における硬貨の処理履歴や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納ユニット100の各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報を記憶するようになっている。また、制御部200は通信インターフェース部208を介して上位端末等の外部装置に対して様々な信号の送受信を行うことができるようになっている。また、図7に示すように、制御部200には扉開閉検知手段210が接続されている。そして、操作者によって前扉14の開閉が行われてこのことが扉開閉検知手段210により検知されると、扉開閉検知手段210による検知情報が制御部200に送られるようになっている。
次に、このような構成からなる硬貨処理装置10の動作(とりわけ、包装硬貨収納ユニット100において包装硬貨の精査処理を行う際に異常検出手段108により異常が検出されたときの動作)について図19に示すフローチャートおよび図20乃至図24に示す操作表示部202の表示画面を用いて説明する。なお、精査処理とは、硬貨処理装置10の筐体12内の貨幣(ここでは、包装硬貨)の金種毎の在高を確認する処理のことをいう。以下に示すような硬貨処理装置10の動作は、制御部200が硬貨処理装置10の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
本実施の形態による硬貨処理装置10において包装硬貨の精査処理を行うにあたり、操作者によって操作表示部202により包装硬貨の精査処理開始の指令が入力されたり、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部208を介して包装硬貨の精査処理開始の指令が制御部200に送信されたりすると、制御部200において包装硬貨の精査処理開始の指令が受け付けられるようになる。制御部200は、包装硬貨の精査処理開始の指令を受け付けると、ベース部150を図18に示すような各収納トレイ140の前端部分の位置から各収納トレイ140の長手方向に沿って当該収納トレイ140の略全長の長さ分だけ図18における右上方向に移動させる。そして、ベース部150が移動している間に、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の上側の径の大きさが上径センサ152により検知されるとともに各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の中心穴の有無が穴センサ154により検知され、これらの上径センサ152および穴センサ154の検知情報に基づいて各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種が検知されるようになる。このようにして、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の在高(すなわち、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種毎の本数や合計金額)が検知される。
また、上述したような包装硬貨の精査処理が行われている間に、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常や各収納トレイ140自体の異常が異常検出手段108により検出されると(STEP1の「YES」)、操作表示部202において警告メッセージが表示されるようになる(STEP2)。具体的には、操作表示部202には図20に示すような画面が表示されるようになる。ここでは、「画面にタッチしてください」というメッセージがポップアップ表示される。加えて、包装硬貨に関する情報(一点鎖線で囲まれた範囲)が他の情報と異なる色(例えば、赤色)で表示されており、包装硬貨に関する異常が発生したことを、操作者が認識しやすくなっている。なお、異常検出手段108により異常が検出されたときに、操作表示部202において警告メッセージが表示されることに加えて、あるいは操作表示部202において警告メッセージが表示される代わりに、警告音や音声により操作者に対して警告がなされるようになっていてもよく、あるいは異常検出手段108により異常が検出された旨の情報が通信インターフェース部208により上位端末等の外部装置に送信され、この外部装置において操作者に対して表示や音声等により警告がなされるようになっていてもよい。
操作表示部202に図20に示すような警告メッセージに係る画面が表示されているときに、操作者が操作表示部202の画面における「エラー解除」ボタンを押下すると(STEP3の「YES」)、操作表示部202には図21に示すようなエラー解除の初期画面が表示されるようになる。そして、操作表示部202における図21に示すような画面で操作者が「開始」ボタンを押下すると、前扉14が自動で開くようになる。この際に、包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132、包装硬貨投出部136および包装硬貨搬送ユニット110も前扉14と一体的に移動する。なお、操作表示部202における図21に示すような画面で操作者が「開始」ボタンを押下したときに、前扉14が自動で開く代わりに、前扉14を閉状態でロックするためのロック機構(図示せず)による当該前扉14のロックが解除され、操作者が手動で前扉14を開くことができるようになっていてもよい。そして、前扉14が開かれると、操作者は包装硬貨収納ユニット100のケーシング101の前面開口にアクセスして各収納トレイ140に手を触れることができるようになり、収納トレイ140をケーシング101の外部に取り出すことにより収納トレイ140に包装硬貨を収納したり収納トレイ140から包装硬貨を取り出したりすることができるようになる。また、前扉14が開いたことが扉開閉検知手段210により検知されると(STEP4の「YES」)、操作表示部202には図22に示すような画面が表示されるようになる。
操作表示部202に図22に示すような画面が表示されているときに、操作者が操作表示部202の画面における「異常トレイ突出」ボタンを押下すると(STEP5の「YES」)、包装硬貨収納ユニット100において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された収納トレイ140に対応する駆動機構106が、当該収納トレイ140および収納トレイ受け部142を一体的に定位置(すなわち、ケーシング101に完全に収容されている位置)から引出位置(すなわち、ケーシング101の前面開口から前方に突出した位置)に移動させる(STEP6)。図9は、下から2番目の収納トレイ140において異常検出手段108により異常が検出され、この収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられたときの状態を示している。図9に示すように、異常が発生したことが異常検出手段108により検出された収納トレイ140のみが定位置から引出位置に移動することによって、この収納トレイ140がケーシング101の前面開口から手前側に突出するようになり、このことにより操作者は鉛直方向に沿って並ぶよう配置された複数の収納トレイ140のうちどの収納トレイ140のエラー解除を行えばいいかを一目で分かるようになる。なお、本実施の形態では、複数の収納トレイ140において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された場合には、異常が検出された全ての収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるようになっている。また、異常が発生したことが異常検出手段108により検出された収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられると、操作表示部202には図23に示すような画面が表示されるようになる。
そして、定位置から引出位置に移動した収納トレイ140をケーシング101の外部に取り出すことによりこの収納トレイ140に収納されている異常な包装硬貨を当該収納トレイ140から取り出したり、収納トレイ140において包装硬貨を入れ直したり、あるいは定位置から引出位置に移動した収納トレイ140を操作者が収納トレイ受け部142に装着し直したりすることにより、異常が検出された収納トレイ140について操作者によりエラー解除が手作業で行われる。その後、図23に示すような操作表示部202の画面において操作者が「トレイ収納」ボタンを押下すると(STEP7の「YES」)、全ての収納トレイ140が駆動機構106によって定位置に戻されてケーシング101内に収容されるようになる(STEP8)。また、全ての収納トレイ140が駆動機構106によって定位置に戻されてケーシング101内に収容されると、操作表示部202には図24に示すような前扉14を閉めることを操作者に促す画面が表示されるようになる。そして、操作者が手動で前扉14を閉めると、扉開閉検知手段210により前扉14が閉められたことが検知され(STEP9の「YES」)、包装硬貨収納ユニット100において状態チェック処理が行われる(STEP10)。具体的には、上述した包装硬貨の精査処理が行われる場合と同様に、制御部200はベース部150を図18に示すような各収納トレイ140の前端部分の位置から各収納トレイ140の長手方向に沿って当該収納トレイ140の略全長の長さ分だけ図18における右上方向に移動させる。そして、各収納トレイ140における全てのエラー状態が解除され、ベース部150が移動している間に異常検出手段108により異常が検出されなかった場合には(STEP11の「YES」)、包装硬貨収納ユニット100のエラー解除に関する一連の動作が完了する。一方、各収納トレイ140における全てのエラー状態が解除されていなかったり、あるいは新たなエラー状態が発生したりすることにより、ベース部150が移動している間に異常検出手段108により別の収納トレイ140について異常が検出された場合には(STEP11の「NO」)、上述したSTEP2〜STEP10に係る動作が繰り返し行われるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)およびこのような硬貨処理装置10による硬貨処理方法(包装硬貨処理方法)によれば、各収納トレイ140(収納部)に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140の異常を収納トレイ140毎に検出する異常検出手段108が設けられているとともに、制御部200は、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106を制御するようになっている。このように、本実施の形態による硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)では、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させることにより、収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または収納トレイ140の異常が発生した場合に操作者はどの収納トレイ140で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる。
より詳細に説明すると、従来の包装硬貨処理装置では、ある収納トレイが収納トレイ受け部に正常に装着されていなかったり、ある収納トレイに収納されている包装硬貨の金種が当該収納トレイに対応する金種ではなかったりすることが検出された場合には、異常情報が操作表示部に表示されるようになる。しかしながら、従来の包装硬貨処理装置では複数の収納トレイが鉛直方向に沿って並ぶよう配置されているため、収納トレイに収納されている包装硬貨や収納トレイ自体に異常が発生した場合に異常情報をモニタに表示させるだけでは、操作者は包装硬貨処理装置の前扉を開いたときにどの収納トレイを本体部分(ケーシング)から引き出せばよいかを迅速に特定することができず、また、誤った収納トレイを本体部分から引き出してしまうおそれがあった。また、複数の収納トレイにおいて異常が発生したときに、操作者は一つの収納トレイを本体部分から引き出して異常を解消しただけで復旧処理が終わったと勘違いしてしまう場合があった。これに対し、本実施の形態による硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)では、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させることにより、操作者はどの収納トレイ140で異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができるため、従来の包装硬貨処理装置における上記の問題を解決することができるようになる。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)においては、上述したように、各収納トレイ140は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている。このときには、収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または収納トレイ140の異常が発生した場合に、鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている複数の収納トレイ140のうち異常が検出された収納トレイ140の前端部分が他の収納トレイ140の前端部分よりも前方に突出するため、操作者はどの収納トレイ140で異常が発生しているかをより確実に認識することができるようになる。なお、収納トレイ140は、鉛直方向に沿って並べられるとともに、幅方向にも複数列が並べられる構成をなっていてもよい。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)においては、上述したように、各収納トレイ140における包装硬貨の取り出し口を選択的に塞ぐよう各収納トレイ140に対向して前扉14等の閉止部材が設けられており、制御部200は、このような閉止部材が各収納トレイ140の取り出し口を塞ぐ位置から退避したことを条件として(すなわち、前扉14が開いたことを条件として)、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106を制御するようになっている。この場合には、操作者が各収納トレイ140における包装硬貨の取り出し口にアクセスすることができるような状態で、異常が検出された収納トレイ140が定位置から引出位置に移動するため、操作者はどの収納トレイ140で異常が発生しているかをより確実に認識することができるようになる。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)においては、上述したように、制御部200は、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させる旨の指令が当該制御部200に入力されたことを条件として(具体的には、図22に示すような操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンが押下されたことを条件として)、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106を制御するようになっている。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)においては、上述したように、制御部200は、引出位置に移動した収納トレイ140を当該引出位置から定位置に戻す旨の指令が当該制御部200に入力されたときに(具体的には、図23に示すような操作表示部202の画面において「トレイ収納」ボタンが押下されたことを条件として)、引出位置に移動した収納トレイ140を当該引出位置から定位置に移動させるよう駆動機構106を制御するようになっている。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)においては、上述したように、制御部200は、複数の収納トレイ140について異常検出手段108により異常が検出された場合には、異常検出手段108により異常が検出された全ての収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106を制御するようになっている。この場合には、複数の収納トレイ140において異常が発生したときに、操作者が一つの収納トレイ140をケーシング101から引き出して異常を解消しただけで復旧処理が終わったと勘違いしてしまうことを防止することができるようになる。
なお、本実施の形態による硬貨処理装置10(包装硬貨処理装置)やこのような硬貨処理装置10による硬貨処理方法(包装硬貨処理方法)は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、本実施の形態による硬貨処理装置10において、包装硬貨の精査処理が行われるとき以外でも、各収納トレイ140(収納部)に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140自体の異常が異常検出手段108により検出されると、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106が制御部200により制御されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態による硬貨処理装置10において、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるのは、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させる旨の指令が当該制御部200に入力されたとき(具体的には、図22に示すような操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンが押下されたとき)に限定されることはない。変形例として、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140の異常が異常検出手段108により検出された場合において、前扉14が開かれるとすぐに(すなわち、操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンを押下することなく)、異常が検出された収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるようになっていてもよい。また、更に別の例として、前扉14が開かれる前の状態でも、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140の異常が異常検出手段108により検出されるとすぐに、異常が検出された収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるようになっていてもよい。
また、上記の説明では、複数の収納トレイ140において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された場合には、異常が検出された全ての収納トレイ140が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるような態様について述べたが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。変形例として、複数の収納トレイ140において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された場合に、前扉14が開かれた後に図22に示すような操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンが押下されると、あるいは前扉14が開かれるとすぐに、異常が検出された複数の収納トレイ140のうちある一つの収納トレイ140(例えば、異常が検出された収納トレイ140の中で最上位のもの)が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられ、この収納トレイ140についてエラー解除が行われて例えば手動により定位置に戻されると、異常が検出された別の収納トレイ140(例えば、異常が検出された収納トレイ140の中で次位のもの)が駆動機構106により定位置から引出位置に移動させられるように、異常が検出された全ての収納トレイ140が順番に引出位置へ移動されるようになっていてもよい。
また、変形例に係る硬貨処理装置10において、収納トレイ140を収納トレイ受け部142にロックするロック機構109が設けられている場合には、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140自体の異常が異常検出手段108により検出され、前扉14が開かれたときに、異常検出手段108により異常が検出されていない収納トレイ140についてはロック機構109により当該収納トレイ140が収納トレイ受け部142にロックされ、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140についてはロック機構109によるロックが解除されるようになっていてもよい。この場合には、異常が検出されていない収納トレイ140はロック機構109により収納トレイ受け部142にロックされるようになるため収納トレイ受け部142から取り外すことができなくなり、このため異常が検出されていない収納トレイ140に対して操作者が誤ってエラー解除に係る操作を行ってしまうことを防止することができるようになる。
また、上記の説明では、各収納トレイ140を他の収納トレイ140から独立して定位置から引出位置に移動させる駆動機構106としてモータ106aによりプーリ106bを回転させることによってピン部材106eが設けられた回転円盤106dを回転させるような構成のものを述べたが、各収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させる駆動機構はこのような構成のものに限定されることはない。各収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させる駆動機構の他の例として、例えば、各収納トレイ140を定位置から引出位置に付勢するバネ等の付勢手段(図示せず)および各収納トレイ140を定位置でロックするロック機構(図示せず)を有するものが用いられるようになっていてもよい。このような駆動機構を用いたときには、通常時は各収納トレイ140はロック機構によって定位置にロックされるようになる。一方、収納トレイ140において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された場合には、前扉14が開かれた後に図22に示すような操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンが押下されると、あるいは前扉14が開かれるとすぐに、異常が検出された収納トレイ140に対応するロック機構による当該収納トレイ140のロックが解除され、付勢手段によりこの収納トレイ140が定位置から引出位置に移動させられるようになる。そして、エラー解除を行った後、収納トレイ140を押し込むと、定位置へロックされるものとする。
また、各収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させる駆動機構の更に他の例として、収納トレイ140および収納トレイ受け部142がそれぞれ傾斜した状態となっており、当該収納トレイ140が収納トレイ受け部142に対してスライド自在となっている場合に、各収納トレイ140を定位置でロックするロック機構(図示せず)のみが用いられるようになっていてもよい。このような駆動機構を用いたときには、通常時は各収納トレイ140はロック機構によって定位置にロックされるようになる。一方、収納トレイ140において異常が発生したことが異常検出手段108により検出された場合には、前扉14が開かれた後に図22に示すような操作表示部202の画面において「異常トレイ突出」ボタンが押下されると、あるいは前扉14が開かれるとすぐに、異常が検出された収納トレイ140に対応するロック機構による当該収納トレイ140のロックが解除され、傾斜した状態にある収納トレイ140は自重により収納トレイ受け部142に対して斜め下方にスライドして定位置から引出位置に移動するようになる。
また、図8や図9等に示す構成の包装硬貨収納ユニット100では、ケーシング101の前面に開口が設けられており、このケーシング101の前面開口から収納トレイ140を外部に取り出すことによって包装硬貨を収納トレイ140に収納したり収納トレイ140から包装硬貨を取り出したりすることができるようになっているが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。変形例に係る包装硬貨収納ユニットとして、ケーシングの背面に開口が設けられるとともにこの開口を開閉する背面扉が設けられており、ケーシングの背面に設けられた開口から収納トレイをケーシングの外部に取り出して包装硬貨を収納トレイに収納したり収納トレイから包装硬貨を取り出したりすることができるようになっているものが用いられてもよい。このような変形例に係る包装硬貨収納ユニットでは、各収納トレイに収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイの異常が異常検出手段により検出され、背面の開口を開閉する背面扉が開かれたときに、異常が検出された収納トレイがケーシング内の定位置から背面側に移動してこの背面の開口から突出するようになっていてもよい。そして、異常が検出された収納トレイを操作者がケーシングから取り出してエラー解除を行うと、当該操作者は収納トレイをケーシング内の定位置に戻すようになる。このような変形例に係る硬貨処理装置でも、異常検出手段により異常が検出された収納トレイを定位置から背面側に移動させて背面の開口から突出した引出位置に位置させることにより、収納トレイに収納されている包装硬貨の異常または収納トレイの異常が発生した場合に操作者はどの収納トレイで異常が発生しているかを迅速かつ確実に認識することができ、よって復旧処理にかかる手間や時間を短縮することができる。
また、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の異常または各収納トレイ140自体の異常を収納トレイ140毎に検出する異常検出手段108は、ベース部150、上径センサ152および穴センサ154を組み合わせたものに限定されることはない。異常検出手段の他の例として、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨を磁気センサで走査することによって当該包装硬貨の金種や有無を判別するような構成のものが用いられるようになっていてもよい。また、このような異常検出手段において、収納トレイ140を受ける収納トレイ受け部142の所定位置に、収納トレイ140が正常に当該収納トレイ受け部142に装着されているか否かを検知する検知センサを配置してもよい。このような異常検出手段によれば、各収納トレイ140に収納されている包装硬貨の金種の間違いや間隙を伴う整列異常を検出するとともに、収納トレイ受け部142に対する収納トレイ140の装着異常も検出することができるようになる。
また、上記の説明では、硬貨処理装置10として、バラ硬貨の入金処理や出金処理、および入金されたバラ硬貨から包装硬貨を作成するような包装処理を行うことができるものについて述べたが、本実施の形態による硬貨処理装置はこのような構成のものに限定されることはない。本実施の形態による硬貨処理装置は少なくとも包装硬貨の収納を行うことができるようになっていればよく、上述したバラ硬貨の入金処理や出金処理、および入金されたバラ硬貨から包装硬貨を作成するような包装処理を行わないようになっていてもよい。
また、本発明に係る包装硬貨処理装置や包装硬貨処理方法として、包装硬貨収納ユニット100単体やこのような包装硬貨収納ユニット100単体による包装硬貨処理方法が用いられるようになっていてもよい。この場合には、異常検出手段108により異常が検出された収納トレイ140を定位置から引出位置に移動させるよう駆動機構106を制御する制御部が包装硬貨収納ユニット100に設けられるようになる。
10 硬貨処理装置
12 筐体
14 前扉
20 入金繰出部
21 硬貨投入口
22 供給円盤
24 回転円盤
26 繰出機構
28 入金搬送部
29 入金識別部
30 リジェクト選別部
31 入金リジェクト用シュート
34 任意選別部
36 金種別選別部
36a 5円硬貨選別部
36b 1円硬貨選別部
36c 50円硬貨選別部
36d 100円硬貨選別部
36e 10円硬貨選別部
36f 500円硬貨選別部
38 入金リジェクト部
40 入金一時保留部
42 任意一時保留部
44 金種別一時保留部
44a〜44f 保留領域
45 第1駆動機構
46 底部材
47 第2駆動機構
50 排出部
50a 返却箱
52 収納繰出部
52a〜52f 収納領域
52p 硬貨繰出部
54 コンベア
55 出金識別部
56 出金リジェクト箱
57 包装用シュート
58 出金用シュート
60 包装部
62 回転円盤
63 コンベア
64 排出シュート
65 包装硬貨用シュート
67 横搬送部
68 包装機構
68a 包装ローラ
69 切換部材
70 シュート機構
72 上部シュート
74 貯留用シュート
74a 排出側開口
75 貯留袋
76 包装用シュート
78 分岐部材
90 出金箱
90a 取っ手
92 シャッタ部材
94 出金リジェクト用シュート
96 分岐部材
97 端数硬貨収納箱
98 バラ硬貨一括収納箱
100 包装硬貨収納ユニット
101 ケーシング
104 ストッパ機構
104a ストッパ部分
106 駆動機構
106a モータ
106b プーリ
106c 循環ベルト
106d 回転円盤
106e ピン部材
108 異常検出手段
109 ロック機構
110 包装硬貨搬送ユニット
112 プーリ
114 循環ベルト
116 突起
118、119、120 分岐部材
130 包装硬貨出金部
132 包装硬貨一括収納箱
136 包装硬貨投出部
138 包装硬貨投出用シュート
140 収納トレイ
140a、140b、140c 開口
142 収納トレイ受け部
142a 開口
142b、142c 長穴
144 載置部
144a ピン部材
150 ベース部
152 上径センサ
154 穴センサ
200 制御部
202 操作表示部
204 印字部
206 記憶部
208 通信インターフェース部
210 扉開閉検知手段

Claims (9)

  1. 各々が複数の包装硬貨を収納し、各々が定位置と引出位置との間で移動可能となっている複数の収納部と、
    各前記収納部を他の前記収納部から独立して前記定位置から前記引出位置に移動させる駆動機構と、
    各前記収納部に収納されている包装硬貨の異常または各前記収納部の異常を前記収納部毎に検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する制御部と、
    を備えた、包装硬貨処理装置。
  2. 各前記収納部は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている、請求項1記載の包装硬貨処理装置。
  3. 各前記収納部における包装硬貨の取り出し口を選択的に塞ぐよう各前記収納部に対向して設けられた閉止部材を更に備え、
    前記制御部は、前記閉止部材が各前記収納部の前記取り出し口を塞ぐ位置から退避したことを条件として、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する、請求項1または2記載の包装硬貨処理装置。
  4. 前記閉止部材は、開閉可能な扉を含む、請求項3記載の包装硬貨処理装置。
  5. 前記制御部は、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させる旨の指令が当該制御部に入力されたことを条件として、前記異常検出手段により異常が検出された前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装硬貨処理装置。
  6. 前記制御部は、前記引出位置に移動した前記収納部を当該引出位置から前記定位置に戻す旨の指令が当該制御部に入力されたときに、前記引出位置に移動した前記収納部を当該引出位置から前記定位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装硬貨処理装置。
  7. 各前記収納部を前記定位置にロックするロック機構が各前記収納部に対応して設けられており、
    前記制御部は、前記異常検出手段により異常が検出されていない前記収納部を前記定位置にロックするよう前記ロック機構を制御する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装硬貨処理装置。
  8. 前記制御部は、複数の前記収納部について前記異常検出手段により異常が検出された場合には、前記異常検出手段により異常が検出された全ての前記収納部を前記定位置から前記引出位置に移動させるよう前記駆動機構を制御する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の包装硬貨処理装置。
  9. 各々が複数の包装硬貨を収納する複数の収納部を備えた包装硬貨処理装置による包装硬貨処理方法であって、
    各前記収納部に収納されている包装硬貨の異常または各前記収納部の異常を前記収納部毎に検出する工程と、
    異常が検出された前記収納部を定位置から引出位置に移動させる工程と、
    を備えた、包装硬貨処理方法。
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