JPH10228553A - 硬貨入出金機 - Google Patents

硬貨入出金機

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JPH10228553A
JPH10228553A JP9031627A JP3162797A JPH10228553A JP H10228553 A JPH10228553 A JP H10228553A JP 9031627 A JP9031627 A JP 9031627A JP 3162797 A JP3162797 A JP 3162797A JP H10228553 A JPH10228553 A JP H10228553A
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coin
coins
conveyor
dispensing
hopper
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Takushi Ono
拓士 大野
Masashi Ito
昌史 伊藤
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Glory Ltd
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Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補充硬貨収納箱77および異物回収箱78を機体
1に容易に着脱可能とし、搬送コンベヤ111 を補充硬貨
および残留硬貨類の搬送に共用する。 【解決手段】 補充硬貨収納箱77および異物回収箱78
を、機体1の背部にその背部側から着脱可能に設ける。
ホッパ13に残る残留硬貨類を放出するホッパ放出手段27
を設ける。補充硬貨収納箱77から放出される硬貨および
ホッパ13から放出される残留硬貨類を受け入れる搬送コ
ンベヤ111 を設ける。搬送コンベヤ111 の正転により、
補充硬貨収納箱77から放出される硬貨を入金受部6へ搬
送する。搬送コンベヤ111 の逆転により、ホッパ13から
放出される残留硬貨類を異物回収箱78へ搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、銀行など
で使用されるATMなどに搭載され、硬貨の入金および
出金を行なう硬貨入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の硬貨入出金機では、機体
の前部に形成された入金受部に投入される入金硬貨をホ
ッパに受け入れ、このホッパの入金硬貨を繰出手段によ
り1枚ずつ繰り出して硬貨識別通路に送り、この硬貨識
別通路で識別された入金硬貨を金種別あるいは一括して
一時保留するとともに、入金承認時に出金に使用可能な
入金硬貨を出金用硬貨として金種別出金部へ金種別に収
納するようにしている。
【0003】また、金種別出金部への初期補充時や、出
金処理に伴って金種別出金部の出金用硬貨の収納量が減
少した場合の途中補充時においては、機体の側部などに
その側部側から着脱自在に配置された補充硬貨収納箱か
ら補充硬貨を放出させ、この補充硬貨をホッパへ搬送
し、ホッパから補充硬貨を1枚ずつ硬貨識別通路へ送り
込んで金種別出金部に補充するようにしている。
【0004】このような硬貨入出金機では、繰出手段に
より入金硬貨や補充硬貨を1枚ずつ繰り出すホッパにお
いて、繰出手段で繰り出すことができない残留硬貨類
(残留硬貨、残留異物(クリップ、ピン、輪ゴム、ご
み、模造硬貨、メタルなど)などを総称して残留硬貨類
と呼ぶ)が残ることがある。
【0005】そのため、ホッパ内に繰り出すことができ
ない残留硬貨類が残る場合には、専用に設けられた搬送
コンベヤによって、その残留硬貨類を入金受部に返却す
るか、あるいは機体の側部などにその側部側から着脱自
在に配置された異物回収箱に回収するようにしている。
【0006】そして、補充硬貨収納箱や異物回収箱を機
体に対して着脱する場合には、機体が組み込まれた例え
ばATMなどから機体を後方や前方に引き出し、機体の
側部側から補充硬貨収納箱や異物回収箱を着脱するよう
にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
硬貨入出金機では、補充硬貨収納箱や異物回収箱などを
機体に対して着脱する場合には、機体が組み込まれた例
えばATMなどから機体後方や前方に引き出さなければ
ならず、手間がかかる。
【0008】また、残留硬貨類を異物回収箱に回収する
ために、使用頻度が少いにもかかわらず、専用の搬送コ
ンベヤを設ける必要があり、コスト高になるとともに、
機体内に大きな設置スペースを必要として大形化する問
題がある。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、補充硬貨収納箱や異物回収箱などを機体を後方や
前方に引き出すことなく容易に着脱可能とするととも
に、ホッパに残る残留硬貨類の異物回収箱への回収を別
の補充硬貨を搬送する搬送コンベヤで共用させ、コスト
低減および小形化をできる硬貨入出金機を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の硬貨入出
金機は、機体の前部に設けられた入金受部に投入される
入金硬貨をホッパに受け入れ、このホッパの入金硬貨を
繰出手段により1枚ずつ繰り出して硬貨識別通路に送
り、この硬貨識別通路で識別された入金硬貨を一時保留
するとともに入金承認時に出金に使用可能な入金硬貨を
出金用硬貨として金種別出金部へ収納する硬貨入出金機
において、前記機体の背部にその背部側から着脱可能に
設けられ、前記金種別出金部へ補充する硬貨を収納して
補充時にその硬貨を放出する補充硬貨収納箱と、前記機
体の背部にその背部側から着脱可能に設けられる異物回
収箱と、前記ホッパに残る残留硬貨類を放出させるホッ
パ放出手段と、前記補充硬貨収納箱から放出される硬貨
を受け入れて正転により前記入金受部へ搬送するととも
に、前記ホッパから放出される残留硬貨類を受け入れて
逆転により前記異物回収箱へ搬送する搬送コンベヤとを
具備しているものである。
【0011】補充硬貨収納箱および異物回収箱を機体に
対して着脱する場合には、機体を後方や前方に引き出す
ことなく、機体の背部にその背部側から着脱可能とす
る。また、補充時には、補充硬貨収納箱から放出される
硬貨を搬送コンベヤに受け入れてこの搬送コンベヤの正
転によりその硬貨を入金受部へ搬送し、入金経路である
入金受部、ホッパ、繰出手段および硬貨識別通路を経由
して金種別出金部に補充する。また、ホッパに残留硬貨
類が残った場合には、ホッパから放出される残留硬貨類
を搬送コンベヤに受け入れてこの搬送コンベヤの逆転に
よりその残留硬貨類を異物回収箱へ搬送する。したがっ
て、搬送コンベヤを補充硬貨および残留硬貨類の搬送に
共用する。
【0012】なお、繰出手段としては、傾斜円盤、遠心
力円盤、1枚分離ゲートを備えた繰出コンベヤなどの例
を含む。また、入金硬貨の一時保留には、金種別に分類
して保留する場合と、一括保留する場合があり、一括保
留する場合には、入金承認時に金種別に分類して金種別
出金部へ収納する。また、残留硬貨類とは、残留硬貨、
残留異物(クリップ、ピン、輪ゴム、ごみ、模造硬貨、
メタルなど)などを総称して呼ぶ。
【0013】請求項2記載の硬貨入出金機は、請求項1
記載の硬貨入出金機において、搬送コンベヤは、表面に
突起が搬送方向に沿って所定ピッチ毎に突設されたベル
トを有しているものであり、硬貨および残留硬貨類を突
起で引っ掛けて搬送する。
【0014】請求項3記載の硬貨入出金機は、請求項1
または2記載の硬貨入出金機において、入金承認時にオ
ーバーフロー硬貨を受け入れて収納するとともに、オー
バーフロー硬貨を硬貨識別通路へ送って精査を行なう精
査時にオーバーフロー硬貨を放出するオーバーフロー硬
貨収納箱を具備し、搬送コンベヤは、オーバーフロー硬
貨収納箱から放出されるオーバーフロー硬貨を受け入れ
て正転により入金受部へ搬送するものであり、搬送コン
ベヤをオーバーフロー硬貨の搬送にも共用する。
【0015】請求項4記載の硬貨入出金機は、請求項3
記載の硬貨入出金機において、出金用硬貨を硬貨識別通
路へ送って精査を行なうとともに回収する精査回収時に
金種別出金部から投出される出金用硬貨を受け入れてホ
ッパに搬送する出金用硬貨搬送手段と、前記硬貨識別通
路で精査されるオーバーフロー硬貨および出金用硬貨を
補充硬貨収納箱へ回収する回収手段とを具備しているも
のであり、機体内の全ての硬貨を補充硬貨収納箱により
機体内から取り出して回収する。
【0016】請求項5記載の硬貨入出金機は、請求項4
記載の硬貨入出金機において、機体の背部にその背部側
から着脱可能に設けられ、補充リジェクト硬貨、回収リ
ジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスを具備して
いるものであり、リジェクトボックスを機体に対して着
脱する場合には、機体を後方や前方に引き出すことな
く、機体の背部にその背部側から着脱可能とする。な
お、リジェクトボックスは、補充リジェクト硬貨用およ
び回収リジェクト硬貨用に別々に着脱可能に設ける場
合、それらを一体に着脱可能に設けた場合を含む。
【0017】請求項6記載の硬貨入出金機は、請求項1
ないし5いずれか記載の硬貨入出金機において、ホッパ
に残る残留硬貨類を検知する検知センサと、この検知セ
ンサにより残留硬貨類を検知した場合、ホッパ放出手段
により残留硬貨類を放出させるとともに、搬送コンベヤ
を正転させて残留硬貨類を入金受部へ返却させる制御部
とを具備しているものであり、搬送コンベヤを共用し
て、残留硬貨類を返却する。なお、検知センサによる残
留硬貨類の検知は、例えば入金一時保留終了時点などの
入金時の所定時期に行なう場合を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0019】図1(硬貨入出金機の内部機構を示す側面
図)および図2(硬貨入出金機の内部機構を示す拡大正
面図)において、硬貨入出金機は、例えば銀行などで使
用されるATMに搭載されるもので、1は硬貨入出金機
の機体で、この機体1は、前後方向(図1左右方向)の
奥行き寸法および上下方向の高さ寸法が大きく、左右方
向(図2左右方向)の幅寸法が小さい箱形に形成されて
いる。機体1の上面前部(図1上面右側)には入金硬貨
の投入および出金硬貨などの取り出しが行なわれる入出
金口2が形成され、この入出金口2の下側には図示しな
いモータの駆動によって開閉されるシャッタ3が配設さ
れているとともに、入出金口2の周縁部から下方に入出
金口枠4が延設されている。
【0020】入出金口2の下方には、入金硬貨および出
金硬貨などを受け入れる入金受部としての硬貨受部6が
配設されている。この硬貨受部6は、ほぼ樋状に形成さ
れて、機体1の左右方向に沿って横長に配設され、その
両端の支軸7を中心として図示しないモータの駆動によ
って図1に示す受入姿勢と上下面が反転する放出姿勢と
に回動される。硬貨受部6の下方には、硬貨受部6の反
転によって放出される硬貨を受け入れるシュート8が配
設されている。なお、硬貨受部6には硬貨が受け入れら
れたことを検知するセンサが設けられている。
【0021】また、シュート8の下方には、硬貨受部6
から放出されてシュート8で導かれる硬貨を受け入れて
1枚ずつ繰り出す貯留繰出部11が配設されている。この
貯留繰出部11は、繰出手段として傾斜円盤12を有すると
ともに、この傾斜円盤12との間に硬貨を貯留するホッパ
13を有している。
【0022】傾斜円盤12は、水平方向に対してやや傾斜
する状態の回転軸15に取り付けられ、図示しないモータ
の正転駆動によって図3(硬貨通路の側面図)および図
4(貯留繰出部の拡大側面図)矢印方向に回転される。
図4に示すように、傾斜円盤12の表面周縁部には処理す
る最大径硬貨の直径より広い幅の凹部16が形成され、こ
の凹部16には回転方向に長い長孔17が同心円上に沿って
貫通形成されている。長孔17の間隔は処理する最大径硬
貨の直径より広い寸法とされる。
【0023】傾斜円盤12の裏面側には、各長孔17の回転
方向側の縁部に図示しない板ばねが取り付けられ、この
板ばねの先端側に長孔17を通じて傾斜円盤12の表面から
突出するピン18が取り付けられている。このピン18は、
通常、長孔17の回転方向寄りの位置にあるとともに傾斜
円盤12より所定量(最小厚み硬貨の厚みよりやや小さい
程度)突出しているが、回転方向に対して無理な力がか
かると、板ばねに抗して傾斜円盤12の表面から退避する
ようになっている。そして、傾斜円盤12の回転により、
ホッパ13内に貯留された硬貨のうち、傾斜円盤12の凹部
16に係合する硬貨がピン18にて1枚ずつ掻き上げられ
る。
【0024】傾斜円盤12の回転方向の表面上部の後述す
る硬貨通路31が接続される位置の手前には、傾斜円盤12
の表面上方に突出して厚み規制部材19が配設されてい
る。この厚み規制部材19は、傾斜円盤12の外に配設され
る支軸20を中心として揺動可能に支持されているととも
に、厚み規制部材19に連結されたばね21によって図4反
時計回り方向に付勢されている。
【0025】傾斜円盤12の表面上部の後述する硬貨通路
31の接続位置には、傾斜円盤12の凹部16に係合してピン
18により1枚ずつ掻き上げられる硬貨を後述する硬貨通
路31に取り込む取込部材22が配設されている。この取込
部材22は、傾斜円盤12の凹部16の表面に硬貨が通過でき
ない間隔で対向され、ピン18が通過する通過溝23が形成
されている。
【0026】図1および図2に示すように、ホッパ13
は、上面が開口形成され、周縁が傾斜円盤12の周縁に沿
って円弧状に形成され、傾斜円盤12に対向する対向壁部
分の下部側が傾斜円盤12の下縁部に向けて傾斜状に形成
されている。ホッパ13の対向壁部分から下縁部分にかけ
て放出口26が形成され、この放出口26に放出手段として
の可動ホッパ壁27が開閉可能に配置されている。可動ホ
ッパ壁27は、上端の揺動軸28を支点としてホッパ13に揺
動可能に取り付けられ、図示しないソレノイドの駆動に
よって開閉される。ホッパ13の放出口26の下方には、可
動ホッパ壁27の開放によって放出口26から放出される残
留硬貨類を後述する搬送コンベヤ111 に導くシュート29
が配設されている。
【0027】ホッパ13には、傾斜円盤12によって繰り出
すことができない残留硬貨、残留異物(クリップ、ピ
ン、輪ゴム、ごみ、模造硬貨、メタルなど)などの残留
硬貨類を検知する投受光式の検知センサS1,S2,S3,S4
が配設されている。検知センサS1は傾斜円盤12と平行に
検知光を投受光するように投光器と受光器が配置され、
検知センサS2,S3,S4はホッパ13の下縁に沿って検知光
を投受光するように投光器と受光器が配置されている。
【0028】また、図1および図3に示すように、傾斜
円盤12の上部には、傾斜円盤12によって1枚ずつ繰り出
される硬貨を受け入れて搬送する硬貨識別通路としての
硬貨通路31が接続されている。この硬貨通路31には、傾
斜円盤12の上部に接続されて後方に向けて上昇傾斜され
る硬貨識別通路部32、この硬貨識別通路部32から後方に
向けてほぼ水平に延設される硬貨分類通路部33、この硬
貨分類通路部33の末端から円弧状に上方に折返す折返し
通路部34、この折返し通路部34から前方に向けてほぼ水
平に延設されて硬貨受部6に至る送出通路部35が順に形
成されている。
【0029】この硬貨通路31の各通路部32〜35には、硬
貨の一面が接触状態で搬送される硬貨通路板36が傾斜円
盤12と同じ傾斜状態に配設されている。この硬貨通路板
36の下縁には、硬貨識別通路部32、硬貨分類通路部33お
よび折返し通路部34で硬貨の下縁部を案内するガイド板
37が配設され、送出通路部35で硬貨の下縁部を案内する
ガイド板38が配設されている。図4に示すように、硬貨
通路板36の先端が傾斜円盤12の上縁部に近接配置される
とともに、ガイド板37の先端が取込部材22に連続されて
おり、傾斜円盤12によって1枚ずつ繰り出される硬貨を
硬貨通路31に受入可能とされている。
【0030】図1および図3に示すように、硬貨通路31
の各通路部32〜35に沿って硬貨を搬送する無端状の搬送
ベルト39が配設されている。この搬送ベルト39は、硬貨
通路板36に対向する側に沿って処理する最大径硬貨の直
径より広い間隔をあけて複数の突起40が設けられてお
り、傾斜円盤12に臨んで配設された駆動プーリ41とその
他の複数の従動プーリ42とによって張設されている。
【0031】駆動プーリ41には図示しないモータの駆動
力が伝達され、このモータの正転駆動によって搬送ベル
ト39が図中時計回り方向(矢印方向)に回動される。搬
送ベルト39は、硬貨通路板36と突起40との間隙が接触し
ない微小間隙に設定されているとともに、硬貨通路板36
と搬送ベルト39の突起40以外の対向面部との間隙が最小
厚みよりやや小の間隙と設定されており、搬送方向前後
の突起40間に受け入れた硬貨を硬貨通路板36に押し付け
ながら搬送するようになっている。なお、搬送ベルト39
による硬貨搬送速度は、傾斜円盤12で繰り出される硬貨
の繰出速度より多少速くなっている。
【0032】また、硬貨通路31の硬貨識別通路部32に
は、搬送される硬貨の適正、不適正、金種などの識別を
行なう材質センサ、イメージセンサなどにて構成される
識別部43が配設されている。
【0033】また、硬貨通路31の硬貨分類通路部33にお
ける硬貨通路板36には、上流側から下流側に順次間隔を
おいて、1円、5円、10円、50円、100円、50
0円硬貨を分類する金種別の分類孔44、入金時にオーバ
ーフロー硬貨を分類する分類孔45、補充時にオーバーフ
ロー硬貨を分類する分類孔46、リジェクト硬貨を分類す
る分類孔47がそれぞれ開口されている。
【0034】図5(硬貨分類通路部の上方から視る断面
図)および図6(硬貨分類通路部の斜視図)に示すよう
に、各分類孔44〜47にはそれぞれを開閉する振分部材48
がそれぞれ設けられ、この各振分部材48は、支軸49にて
硬貨通路31の上流側が開口するように硬貨通路板36に軸
支され、各分類孔44〜47を塞ぐ閉塞位置と各分類孔44〜
47を開口して硬貨通路31内に進出する進出位置との間を
回動可能としている。各振分部材48には、進出位置への
回動時に搬送ベルト39との衝合を避ける切欠部50が形成
されている。なお、各分類孔44〜47の手前には、硬貨を
検知するタイミングセンサが配置されている。
【0035】そして、各振分部材48の支軸49にはロータ
リー式のソレノイドSDが連結されており、識別部43の識
別信号およびタイミングセンサの検知信号に基づいて、
対応する硬貨が分類孔44〜47を通過する際に、その通過
に備えて対応する振分部材48が進出位置へ回動され、そ
の振分部材48を通じて開口された分類孔44〜47に強制的
に落下される。
【0036】また、図1および図7(図1のA−A断面
図)に示すように、金種別の各分類孔44の裏面側には、
後述する一時保留部61に分類された硬貨を導く金種別の
シュート51がそれぞれ配設されている。
【0037】図1および図8(図1のB−B断面図)に
示すように、分類孔45の裏面側には、後述する搬送コン
ベヤ71に入金時のオーバーフロー硬貨を導くシュート52
が配設されている。このシュート52の途中には、後述す
る補充硬貨収納箱77に回収時の硬貨を導く回収手段の一
部を構成するシュート53が接続され、その接続部分に切
換ゲート54が配設されている。切換ゲート54は、図示し
ないソレノイドの駆動によって分類孔45から落下する硬
貨をシュート52またはシュート53のいずれかに導くよう
に切り換えられる。
【0038】図1および図9(図1のC−C断面図)に
示すように、分類孔46の裏面側には、後述するオーバー
フロー硬貨収納箱76に補充時のオーバーフロー硬貨を導
くシュート55が配設されている。
【0039】図1および図10(図1のD−D断面図)
に示すように、分類孔47の裏面側には、後述するリジェ
クトボックス75に補充時および回収時のリジェクト硬貨
を導くシュート56が配設されている。シュート56の途中
は補充リジェクト硬貨用のシュート部56a と回収リジェ
クト硬貨用のシュート部56b とに分岐され、その分岐部
分に切換ゲート57が配設されている。切換ゲート57は、
図示しないソレノイドの駆動によって分類孔47から落下
する硬貨をシュート部56a またはシュート部56b のいず
れかに導くように切り換えられる。
【0040】送出通路部35の末端には、送出通路部35か
ら放出される硬貨を硬貨受部6に導くシュート58が配設
されている。
【0041】また、図1および図7に示すように、各シ
ュート51の下端には硬貨を金種別に重積状態で一時保留
する一時保留部61がそれぞれ配設されている。この各一
時保留部61は、硬貨を金種別に重積保留する筒状の金種
別一時保留枠62にて形成されている。この金種別一時保
留枠62は、図示しないモータの駆動によって、シュート
51の下方の一時保留位置と、シュート51の下方に対して
図7左方向に移動する放出位置とに移動される。金種別
一時保留枠62には、放出位置でシュート51の下方に位置
される投出ガイド部63が形成されている。
【0042】一時保留部61の下方には、金種別出金部66
がカセット方式で着脱可能に機体1に装着されている。
この金種別出金部66は、各分類孔44の分類金種に対応す
る金種別に硬貨を重積収納する金種別収納筒67を備え、
この各金種別収納筒67と各一時保留部61との間に投出板
68が配設されており、各金種別収納筒67の上部において
出金用硬貨の補充および投出が行なわれる。投出板68
は、図示しないモータの駆動によって、各一時保留部61
と各金種別収納筒67との間の一時保留位置と、図7右方
向の各一時保留部61と各金種別収納筒67との間から外れ
た後退位置とに移動される。
【0043】各金種別収納筒67内には重積硬貨を支承す
る支承部材69がそれぞれ上下動可能に配設されている。
この各支承部材69は、各金種別収納筒67の図示しない上
下方向に沿って形成された案内溝を通じて、各金種別収
納筒67の側部に配設された金種別の各駆動機構70に着脱
可能に連結され、各駆動機構70によってそれぞれ独立し
て昇降される。
【0044】なお、各金種別収納筒67内の硬貨量は、後
述する制御部155 の計数データから判断される。
【0045】そして、金種別出金部66では、硬貨の投出
時(出金時および回収時)において、一時保留部61を放
出位置に移動させるとともに投出板68を後退位置に移動
させた状態で、出金する金種に対応する金種別収納筒67
内の硬貨を上昇させて最上位硬貨を一時保留部61の投出
ガイド部63に当接させ(出金しない金種に対応する金種
別収納筒67内の硬貨は投出板68より下方に位置させてお
く)、投出板68を後退位置から一時保留位置に移動させ
ることにより、投出ガイド部63に当接する各金種の1枚
の硬貨を後述する搬送コンベヤ71上に投出する。同じ金
種を複数枚投出する場合には、投出板68が後退位置に移
動した後、対応金種の硬貨を再び上昇させ、同様にして
投出する。投出板68は最後の硬貨が投出完了するまで継
続して往復移動される。投出完了した金種については、
硬貨の上昇を停止することにより、その金種の硬貨の投
出を停止する。
【0046】さらに、金種別出金部66では、硬貨の収納
時(補充時および入金時)において、一時保留部61を一
時保留位置に位置させた状態で、投出板68を後退位置に
移動させ、一時保留部61に保留されていた入金硬貨およ
び一時保留部61を通じて落下する補充硬貨を金種別収納
筒67内に受け入れ、金種別収納筒67内の硬貨上に重積す
る。金種別収納筒67内に硬貨を1枚受け入れる度に重積
硬貨を1枚分下降させ、後続の硬貨の収納を可能とす
る。
【0047】また、図1および図7に示すように、金種
別出金部66の上部寄りの一側には、シュート52の下方か
らホッパ13上にわたって、出金用硬貨搬送手段としての
搬送コンベヤ71が配設されている。この搬送コンベヤ71
は、図示しないモータの駆動によって回動されるベルト
コンベヤであり、金種別出金部66から投出される硬貨、
一時保留部61から放出される硬貨、分類孔45からシュー
ト52を介して放出されるオーバーフロー硬貨を受け取
り、正転により後述するオーバーフロー硬貨収納箱76
へ、逆転によりホッパ13へ搬送する。搬送コンベヤ71の
両側には放出される硬貨をコンベヤ上に受け取る受取枠
72が配設され、搬送コンベヤ71の後述するオーバーフロ
ー硬貨収納箱76側の端部上方には搬送コンベヤ71から放
出される硬貨を後述するオーバーフロー硬貨収納箱76に
導くガイド板73が配設されている。
【0048】また、機体1の背部には、上側から下側の
順に、リジェクトボックス75、オーバーフロー硬貨収納
箱76、補充硬貨収納箱77、異物回収箱78がそれぞれ配置
され、それらは機体1の背部に開閉可能に配設された後
扉79の開放によって、それぞれ機体1の背部側から着脱
可能とされている。
【0049】リジェクトボックス75は、図1および図1
0に示すように、内部が補充リジェクト硬貨収納部81と
回収リジェクト硬貨収納部82に区画されて一体に形成さ
れている。補充リジェクト硬貨収納部81の上面にはシュ
ート部56a から補充リジェクト硬貨を受け入れる受入口
83が形成され、回収リジェクト硬貨収納部82の上面には
シュート部56b から回収リジェクト硬貨を受け入れる受
入口84が形成されている。
【0050】オーバーフロー硬貨収納箱76は、図1、図
8および図9に示すように、箱状に形成され、上面には
シュート55からオーバーフロー硬貨を受け入れる受入口
86が形成されているとともに、搬送コンベヤ71からオー
バーフロー硬貨を受け入れる受入口87が形成され、前面
には収納された硬貨を放出する放出口88が形成されてい
る。放出口88に臨む機体1側には、この放出口88から放
出される硬貨を後述する搬送コンベヤ111 に導くシュー
ト89が固定的に配設されている。
【0051】オーバーフロー硬貨収納箱76の内底部に
は、前後方向に沿ってベルトコンベヤ90が配設されてい
るとともに、このベルトコンベヤ90上に硬貨を集めるホ
ッパ91が配設されている。ベルトコンベヤ90の前端は放
出口88の内側に臨ませられ、この放出口88に臨むベルト
コンベヤ90の前端上方には逆転ローラ92が配設されてい
る。ベルトコンベヤ90と逆転ローラ92との間隔は、硬貨
の厚み方向に1枚あるいは数枚の硬貨が通過可能とする
寸法とされる。
【0052】そして、図示しないモータの駆動によっ
て、ベルトコンベヤ90および逆転ローラ92がそれぞれ図
1時計回り方向に回転され、ベルトコンベヤ90によって
硬貨が放出口88に向けて搬送されるとともに、逆転ロー
ラ92で2枚以上または数枚以上の重なり硬貨がオーバー
フロー硬貨収納箱76内に戻され、放出口88から硬貨が所
定量ずつ放出される。
【0053】なお、オーバーフロー硬貨収納箱76のベル
トコンベヤ90および逆転ローラ92の駆動は、オーバーフ
ロー硬貨収納箱76にモータを配置して、オーバーフロー
硬貨収納箱76の機体1への装着によって機体1側からモ
ータに給電するようにしてもよく、あるいは、機体1側
にモータを配置して、オーバーフロー硬貨収納箱76の機
体1への装着によってモータの駆動伝達系と結合するよ
うにしてもよい。
【0054】補充硬貨収納箱77は、回収箱としても兼用
されるもので、オーバーフロー硬貨収納箱76と同一構造
に形成されている。すなわち、補充硬貨収納箱77は、図
1、図8および図9に示すように、箱状に形成され、上
面にはシュート53から硬貨を受け入れる受入口96が形成
されているとともに、この受入口96に隣接して受入口97
が形成され、前面には収納された硬貨を後述する搬送コ
ンベヤ111 に放出する放出口98が形成されている。
【0055】補充硬貨収納箱77の内底部には、前後方向
に沿ってベルトコンベヤ100 が配設されているととも
に、このベルトコンベヤ100 上に硬貨を集めるホッパ10
1 が配設されている。ベルトコンベヤ100 の前端は放出
口98の内側に臨ませられ、この放出口98に臨むベルトコ
ンベヤ100 の前端上方には逆転ローラ102 が配設されて
いる。ベルトコンベヤ100 と逆転ローラ102 との間隔
は、硬貨の厚み方向に1枚あるいは数枚の硬貨が通過可
能とする寸法とされる。
【0056】そして、図示しないモータの駆動によっ
て、ベルトコンベヤ100 および逆転ローラ102 がそれぞ
れ図1時計回り方向に回転され、ベルトコンベヤ100 に
よって硬貨が放出口98に向けて搬送されるとともに、逆
転ローラ102 で2枚以上または数枚以上の重なり硬貨が
補充硬貨収納箱77内に戻され、放出口98から硬貨が所定
量ずつ放出される。
【0057】なお、補充硬貨収納箱77のベルトコンベヤ
90および逆転ローラ92の駆動は、補充硬貨収納箱77にモ
ータを配置して、補充硬貨収納箱77の機体1への装着に
よって機体1側からモータに給電するようにしてもよ
く、あるいは、機体1側にモータを配置して、補充硬貨
収納箱77の機体1への装着によってモータの駆動伝達系
と結合するようにしてもよい。
【0058】異物回収箱78は、上面を開口した箱状に形
成されている。
【0059】また、図1に示すように、機体1の底部域
から機体1の前部域にわたって搬送コンベヤ111 が配設
され、この搬送コンベヤ111 の両側には各部から放出さ
れる硬貨や残留硬貨類などを受け入れるとともにそれら
硬貨や残留硬貨類などの搬送コンベヤ111 に沿った搬送
をガイドするガイド部材112 が配設されている。
【0060】搬送コンベヤ111 は、機体1の底部に沿っ
てほぼ水平状に配置される第1のコンベヤ域115 、機体
1の前部に沿ってほぼ垂直状に配置される第2のコンベ
ヤ域116 、第1のコンベヤ域115 と第2のコンベヤ域11
6 との間で傾斜状に配置される第3のコンベヤ域117 を
有している。
【0061】搬送コンベヤ111 は、無端状のベルト121
を有し、このベルト121 が、機体1の底部前側に配置さ
れた駆動ローラ122 と、機体1の底部後側に配置された
従動ローラ123 、機体1の上部前側に配置された従動ロ
ーラ124 とによって張設されるとともに、第2のコンベ
ヤ域116 の硬貨受部6に臨む上端の表面両側縁に係合す
る複数のガイドローラ125 および第3のコンベヤ域117
において表面両側縁に係合する複数のガイドローラ126
によって張設され、第1ないし第3のコンベヤ域115 〜
117 が形成されている。駆動ローラ122 にはモータMか
らの正逆転駆動力が伝達され、ベルト121 の正転により
補充硬貨や残留硬貨類などを硬貨受部6に搬送し、ベル
ト121 の逆転により補充硬貨や残留硬貨類などを異物回
収箱78に搬送する。
【0062】ベルト121 は、図11((a) は第1のコン
ベヤ域の平面図、(b) は図11(a)のE−E断面図)、
図12((a) は第2のコンベヤ域の背面図、(b) は図1
2(a) のF−F断面図、(c) は第2のコンベヤ域の側面
図)および図13((a) は第3のコンベヤ域の側面図、
(b) は第3のコンベヤ域の背面図)に示すように、平ベ
ルトで、その幅は処理する最大径硬貨の直径より広い幅
に形成されている。ベルト121 の表面には、その搬送方
向に沿って処理する最大径硬貨の直径より広く最小径硬
貨が径方向に2枚入らない所定ピッチ毎に複数の突起12
7 が形成されている。突起127 は、断面四角形で、ベル
ト幅方向に3つが並び、ベルト121 の表面から例えば4
mm程度突出して2枚の硬貨が同時に係合して搬送され
ることもある。
【0063】図11に示すように、第1のコンベヤ域11
5 において、両側のガイド部材112は、ほぼ垂直状の壁
部131 を有し、この壁部131 の下端にベルト121 の表面
縁部に進出するガイド部132 が形成され、壁部131 の内
面からガイド部132 の先端にかけて傾斜部133 が形成さ
れている。両側のガイド部材112 のガイド部132 の先端
間の間隔は、処理する最大径硬貨の直径よりやや広く形
成されている。傾斜部133 は、硬貨の逃げ用、つまり防
止用として機能する。
【0064】図12に示すように、第2のコンベヤ域11
6 において、両側のガイド部材112には、壁部131 が形
成されていない以外は、第1のコンベヤ域115 と同様
に、ベルト121 の表面縁部に進出するガイド部132 が形
成され、壁部131 の内面からガイド部132 の先端にかけ
て傾斜部133 が形成されている。
【0065】図13に示すように、第3のコンベヤ域11
7 において、両側のガイド部材112には、第1のコンベ
ヤ域115 と同様に、壁部131 が形成され、ベルト121 の
表面縁部に進出するガイド部132 が形成され、壁部131
の内面からガイド部132 の先端にかけて傾斜部133 が形
成されている。
【0066】また、図1に示すように、第1のコンベヤ
域115 の異物回収箱78に臨む端部にはシャッタ135 が配
設され、このシャッタ135 は、図示しないソレノイドの
駆動によって開閉されるもので、通常閉鎖され、異物回
収箱78への残留硬貨類の回収時に開放される。
【0067】また、図12に示すように、第2のコンベ
ヤ域116 の表面のほぼ全域に対向してガイド板141 が配
設されている。このガイド板141 には、第2のコンベヤ
域116 の表面に対向するガイド面142 が形成され、この
ガイド面142 に各突起127 の移動領域に対向して3つの
溝部143 が形成されている。ガイド面142 とベルト121
の表面との対向距離は突起127 の突出量とほぼ同程度か
あるいは突出量より小さく設定され、ガイド面142 と突
起127 の先端との相対的な隙間が極力小さくされるかあ
るいは無くされている。ガイド面142 と突起127 の先端
との相対的な隙間が極力小さくされるかあるいは無くさ
れても、ガイド面142 に形成された溝部143 によって突
起127 が接触することはない。
【0068】また、図13に示すように、第3のコンベ
ヤ域117 の表面に臨ませて、ベルト121 の突起127 に載
って掻き上げられる硬貨のうち、突起127 の先端より出
っ張った状態で重なった硬貨を突起127 から落とす規制
手段146 が配設されている。この規制手段146 は、ベル
ト幅方向に3つ並ぶ突起127 とほぼ同程度の幅に形成さ
れたローラ147 を有し、このローラ147 が一対のレバー
148 の一端に回転自在に軸支され、このレバー148 が支
軸149 を支点として揺動可能に支持されている。レバー
148 の他端にはローラ147 がベルト121 に近付くように
レバー148 を図13(a) 時計回り方向に付勢するスプリ
ング150 が連結され、このスプリング150 の付勢による
レバー148 の回動を所定位置で規制するストッパ151 が
配設されている。レバー148 がストッパ151 に当接した
規制状態では、ローラ147 とベルト121 の表面との距離
が突起127 の突出高さとほぼ等しくなる。
【0069】また、図14には硬貨入出金機の概略制御
ブロック図を示し、制御部155 は硬貨入出金機全体を制
御するもので、この制御部155 にセンサ群156 から検知
信号が入力され、制御部155 によりモータ群157 および
ソレノイド群158 を制御する。
【0070】センサ群156 には、識別部43、硬貨受部6
のセンサ、ホッパ13の検知センサS1〜S4、硬貨分類通路
部33の各タイミングセンサなどが含まれる。
【0071】モータ群157 には、シャッタ3の開閉用の
モータ、硬貨受部6の回動用のモータ、傾斜円盤12およ
び搬送ベルト39の回動用のモータ、一時保留部61の移動
用のモータ、投出板68の移動用のモータ、搬送コンベヤ
71の回動用のモータ、オーバーフロー硬貨収納箱76のベ
ルトコンベヤ90および逆転ローラ92の回動用のモータ、
補充硬貨収納箱77のベルトコンベヤ100 および逆転ロー
ラ102 の回動用のモータ、搬送コンベヤ111 の回動用の
モータMなどが含まれる。
【0072】ソレノイド群158 には、可動ホッパ壁27の
開閉用のソレノイド、各振分部材48の移動用のソレノイ
ドSD、切換ゲート54の切換用のソレノイド、切換ゲート
57の切換用のソレノイド、シャッタ135 の開閉用のソレ
ノイドなどが含まれる。
【0073】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0074】図1に示すように、機体1の後扉79を開放
し、リジェクトボックス75、オーバーフロー硬貨収納箱
76、補充硬貨収納箱77、異物回収箱78を機体1の背部に
装着し、後扉79を閉じる。このとき、機体1の背部にそ
の背部側から着脱可能としているため、機体1を例えば
ATMから後方や前方に引き出すことなく容易に着脱で
きる。また、リジェクトボックス75、オーバーフロー硬
貨収納箱76、異物回収箱78は空状態であり、補充硬貨収
納箱77には各金種の硬貨を混在状態で収納している。
【0075】そして、制御部155 の制御による硬貨補充
処理について説明する。
【0076】補充には、金種別出金部66に硬貨が全く収
納されていない場合の初期補充と、処理途中で硬貨収納
量が減少した場合の途中補充とを含む。
【0077】傾斜円盤12、搬送ベルト39、搬送コンベヤ
111 、補充硬貨収納箱77のベルトコンベヤ100 および逆
転ローラ102 がそれぞれ正転回動され、硬貨受部6が放
出姿勢に反転回動され、投出板68が後退位置(図7右方
向)に移動され、切換ゲート54が補充硬貨収納箱77への
シュート53側に切り換えられ、切換ゲート57が補充リジ
ェクト硬貨収納部81へのシュート部56a 側に切り換えら
れる。なお、入出金口2のシャッタ3、可動ホッパ壁2
7、異物回収箱78へのシャッタ135 はそれぞれ閉鎖され
ており、一時保留部61はシュート51と金種別出金部66と
の間に位置されている。
【0078】これにより、補充硬貨収納箱77内の硬貨
が、搬送コンベヤ111 の第1のコンベヤ域115 上に所定
量ずつ繰り出され、搬送コンベヤ111 、反転回動した硬
貨受部6の部分およびシュート8を通じてホッパ13内に
送り込まれる。
【0079】搬送コンベヤ111 の第1のコンベヤ域115
では、図11に示すように、ベルト121 の上面に硬貨
(図中には硬貨を符号Cで示し、他の図も同様である)
が載った状態で水平に搬送される。
【0080】搬送コンベヤ111 の第3のコンベヤ域117
では、図13に示すように、ベルト121 の突起127 上に
硬貨が載った状態で斜め上方に搬送される。その搬送途
中で、ベルト121 の突起127 に載って搬送される硬貨の
うち、突起127 の先端より出っ張った状態で重なった硬
貨の上縁に規制手段146 のローラ147 が接触し、その重
なり硬貨の下縁が浮き上がり、突起127 から外れて落下
する。したがって、規制手段146 の位置を通過すること
により、突起127 上には、1枚の硬貨が載るか、2枚の
硬貨が重なって載ってもその重なり厚みが突起127 の突
出量より少い硬貨が載る。
【0081】搬送コンベヤ111 の第2のコンベヤ域116
では、図12に示すように、突起127 に載った硬貨が、
ベルト121 の表面とガイド板141 のガイド面142 との
間、および両側のガイド部材112 の間を通じて揚送され
る。このとき、ガイド面142 の溝部143 に突起127 が臨
み、ガイド面142 と突起127 との相対的な隙間が極力小
さくされるかあるいは無くされているため、第2のコン
ベヤ域116 で揚送される硬貨が突起127 から外れて落下
することはない。
【0082】なお、補充硬貨収納箱77から繰り出される
硬貨に混入していたクリップなどの異物(図中にはクリ
ップなどの異物を符号Zで示す)も硬貨と同様にしてホ
ッパ13に送り込まれる。
【0083】ホッパ13に送り込まれた硬貨は、図3およ
び図4に示すように、傾斜円盤12の回転により、傾斜円
盤12のピン18で1枚ずつ間隔をあけて硬貨通路31に繰り
出される。硬貨通路31に繰り出される硬貨は、搬送ベル
ト39の隣接する突起40間に1枚ずつ送り込まれ、後側の
突起40で押されながら硬貨通路板36に寄り掛かった状態
で硬貨識別通路部32および硬貨分類通路部33へ搬送され
る。
【0084】硬貨通路31の硬貨識別通路部32および硬貨
分類通路部33を搬送される硬貨は、識別部43で識別さ
れ、この識別部43の識別信号および各分類孔44の直前の
タイミングセンサの検知信号に基づいて、硬貨が対応金
種の分類孔44に到達する際に、進出位置へ回動される振
分部材48を通じて開口された分類孔44に落下される。
【0085】各分類孔44に落下された硬貨は、シュート
51および一時保留部61を通じて金種別出金部66の金種別
収納筒67内に導かれて収納される。このとき、金種別収
納筒67内の支承部材69の上面(硬貨が載っていない)あ
るいは支承部材69上に載る重積硬貨の上面が金種別収納
筒67の上端近傍に位置され、硬貨の落下距離を少くし、
金種別収納筒67内で硬貨立ちなどが生じるのを防止す
る。金種別収納筒67内に硬貨を1枚受け入れる度に重積
硬貨を1枚分下降させ、後続の硬貨の収納を可能とす
る。
【0086】このような硬貨補充処理によりある金種の
金種別収納筒67で硬貨収納量が満配になったことが制御
部155 の計数データから判別された場合、以降の該当金
種をオーバーフロー硬貨として、対応金種の分類孔44で
落下されることなく通過され、分類孔45にて落下され
る。分類孔45に落下されたオーバーフロー硬貨は、切換
ゲート54およびシュート53を通じて補充硬貨収納箱77に
戻される。
【0087】また、識別部43で識別不能硬貨、偽貨、損
貨などが識別された場合には、それらをリジェクト硬貨
として、分類孔44,45,46を通過され、分類孔47にて落
下される。分類孔47に落下されたリジェクト硬貨は、切
換ゲート57およびシュート部56a を通じてリジェクトボ
ックス75の補充リジェクト硬貨収納部81に回収収納され
る。
【0088】そして、識別部43で硬貨の識別が所定時間
ない場合、あるいは全金種の金種別収納筒67の満配が判
別された場合、補充硬貨収納箱77からの硬貨の繰り出し
が停止され、それから所定時間(搬送コンベヤ111 上の
硬貨が硬貨分類通路部33まで搬送されて分類され終るの
に十分な時間)経過後に、傾斜円盤12、搬送ベルト39、
搬送コンベヤ111 、補充硬貨収納箱77のベルトコンベヤ
100 および逆転ローラ102 の正転回動が停止され、硬貨
受部6が受入姿勢に反転回動される。投出板68は、一時
保留位置(図7左方向)に移動させてもよいし、移動せ
ずにその位置で待機してもよい。各切換ゲート54,57
は、所定の定位置に復帰するようにしてもよいし、移動
せずにその位置で待機してもよい。
【0089】その搬送コンベヤ111 の停止と同時期に、
センサS1〜S4でホッパ13内に残る残留硬貨類があるか検
知される。残留硬貨類が無しと検知されれば、入出金処
理に待機する待機状態となる。
【0090】傾斜円盤12によって繰り出すことができな
い残留硬貨、残留異物(クリップ、ピン、輪ゴム、ご
み、模造硬貨、メタルなど)などがホッパ13内に残り、
残留硬貨類が有りと検知されれば、可動ホッパ壁27が開
放され、ホッパ13内に残る残留硬貨類が放出口26から放
出されてシュート29を通じて搬送コンベヤ111 の第1の
コンベヤ域115 上に導かれる。ホッパ13からの残留硬貨
類の放出時には、傾斜円盤12を正転または逆転、あるい
は正逆転を数回繰り返すことにより、ホッパ13内に残る
残留硬貨類を確実に放出させることができる。残留硬貨
類の放出後には、可動ホッパ壁27が閉鎖され、傾斜円盤
12も停止される。
【0091】残留硬貨類が有りの検知により、シャッタ
135 が開放されるとともに、搬送コンベヤ111 が逆転さ
れており、ホッパ13から放出された残留硬貨類が搬送コ
ンベヤ111 の第1のコンベヤ域115 上を搬送されて異物
回収箱78に放出され、異物回収箱78に回収収納される。
残留硬貨類の回収収納後には、シャッタ135 が閉鎖さ
れ、搬送コンベヤ111 が停止され、入出金処理に待機す
る待機状態となる。
【0092】次に、制御部155 の制御による入金処理に
ついて説明する。
【0093】機械操作者による入金操作指令に基づい
て、入出金口2のシャッタ3が開放される。機械操作者
により入出金口2を通じて硬貨受部6に入金硬貨が投入
されると、その入金硬貨の投入を硬貨受部6のセンサで
検知してシャッタ3が閉鎖され、その直後に、硬貨受部
6が受入姿勢から放出姿勢に反転され、硬貨受部6内の
入金硬貨がシュート8を通じてホッパ13に放出される。
【0094】硬貨受部6は放出姿勢に反転した後にその
放出姿勢から受入姿勢に反転復帰され、シャッタ3が再
び開放される。これにより、後述するが、硬貨受部6に
返却されるリジェクト硬貨や残留硬貨類を機械操作者が
いつでも取り出せるようにする。
【0095】また、入金操作指令に基づいて、傾斜円盤
12および搬送ベルト39がそれぞれ正転回動され、一時保
留部61および投出板68がそれぞれ一時保留位置に移動さ
れ(一時保留位置に位置してしない場合)、切換ゲート
54が搬送コンベヤ71へのシュート52側に切り換えられ
る。
【0096】ホッパ13に送り込まれた硬貨は、補充処理
時と同様に、傾斜円盤12の回転により、傾斜円盤12のピ
ン18で1枚ずつ間隔をあけて硬貨通路31に繰り出され
る。硬貨通路31に繰り出される硬貨は、搬送ベルト39の
隣接する突起40間に1枚ずつ送り込まれ、後側の突起40
で押されながら硬貨通路板36に寄り掛かった状態で硬貨
識別通路部32および硬貨分類通路部33へ搬送される。
【0097】硬貨通路31の硬貨識別通路部32および硬貨
分類通路部33を搬送される硬貨は、識別部43で識別さ
れ、この識別部43の識別信号および各分類孔44の直前の
タイミングセンサの検知信号に基づいて、硬貨が対応金
種の分類孔44に到達する際に、進出位置へ回動される振
分部材48を通じて開口された分類孔44に落下される。
【0098】各分類孔44に落下された硬貨は、シュート
51を通じて一時保留部61に導かれ、一時保留部61の下面
を閉塞する投出板68上に載置され、金種別に一時保留さ
れる。
【0099】このような入金処理によりある金種の一時
保留部61で一時保留可能とする枚数分の硬貨が収納され
たことが制御部155 の計数データから判別された場合、
以降の該当金種をオーバーフロー硬貨として、対応金種
の分類孔44で落下されることなく通過され、分類孔45に
て落下される。分類孔45に落下されたオーバーフロー硬
貨は、切換ゲート54およびシュート52を通じて搬送コン
ベヤ71に導かれ、この搬送コンベヤ71上で一括して一時
保留される。
【0100】また、識別部43で識別不能硬貨、偽貨、損
貨などが識別された場合には、それらをリジェクト硬貨
として、硬貨分類通路部33を通過され、折返し通路部34
および送出通路部35を経て、硬貨受部6に返却される。
このとき、入出金口2は、開放されているため、機械操
作者によりリジェクト硬貨を取り出すことができる。
【0101】そして、識別部43で所定時間硬貨が識別さ
れなくなった時点で、機体1に投入された全ての入金硬
貨の一時保留が完了したものと判断し、所定時間(正規
硬貨が硬貨分類通路部33で分類されるかリジェクト硬貨
が硬貨受部6に返却されるまでに十分の時間)経過後に
傾斜円盤12および搬送ベルト39が停止される。
【0102】また、全ての入金硬貨の一時保留が完了し
たものと判断した時点で、センサS1〜S4によりホッパ13
内に残る残留硬貨類があるか検知される。
【0103】傾斜円盤12によって繰り出すことができな
い残留硬貨、残留異物(クリップ、ピン、輪ゴム、ご
み、模造硬貨、メタルなど)などがホッパ13内に残り、
残留硬貨類が有りと検知されれば、可動ホッパ壁27が開
放され、ホッパ13内に残る残留硬貨類が放出口26から放
出されてシュート29を通じて搬送コンベヤ111 の第1の
コンベヤ域115 上に導かれる。ホッパ13からの残留硬貨
類の放出時には、傾斜円盤12を正転または逆転、あるい
は正逆転を数回繰り返すことにより、ホッパ13内に残る
残留硬貨類を確実に放出させることができる。残留硬貨
類の放出後には、可動ホッパ壁27が閉鎖され、傾斜円盤
12も停止される。
【0104】残留硬貨類が有りの検知により、搬送コン
ベヤ111 が正転されており、ホッパ13から放出された残
留硬貨類が搬送コンベヤ111 の第1のコンベヤ域115 、
第3のコンベヤ域117 、第2のコンベヤ域116 を順に搬
送されて硬貨受部6に放出される(搬送コンベヤ111 に
よる搬送は補充処理時を参照)。残留硬貨類が硬貨受部
6に搬送されるのに十分な時間経過後に、搬送コンベヤ
111 が停止される。
【0105】硬貨受部6からリジェクト硬貨や残留硬貨
類が取り出されることにより、シャッタ3が閉鎖され、
入金承認操作または入金不承認操作の待機状態となる。
【0106】また、残留硬貨類が無しと検知された場合
には、シャッタ3が閉鎖され、入金承認操作または入金
不承認操作の待機状態となる。さらに、残留硬貨類が有
りの場合と同様に、可動ホッパ壁27の開放、傾斜円盤12
の回動が行なわれる。これにより、センサS1〜S4で検知
されずにホッパ13内に残る輪ゴムやごみなどの異物が、
ホッパ13から搬送コンベヤ111 の第1のコンベヤ域115
上に放出される。この場合には、シャッタ135 が開放さ
れるとともに搬送コンベヤ111 が逆転され、異物が異物
回収箱78に回収収納される。異物の回収収納後には、シ
ャッタ135 が閉鎖され、搬送コンベヤ111 が停止され
る。
【0107】そして、入金承認操作がなされた場合に
は、投出板68が後退位置(図7右方向)に移動され、一
時保留部61に金種別に一時保留されていた硬貨が落下さ
れ、金種別収納筒67内の支承部材69の上面(硬貨が載っ
ていない)あるいは支承部材69上に載る重積硬貨の上面
に重積される。このとき、金種別収納筒67内の支承部材
69の上面(硬貨が載っていない)あるいは支承部材69上
に載る重積硬貨の上面が金種別収納筒67の上端近傍に位
置され、一時保留部61からの硬貨の落下距離を少くし、
金種別収納筒67内で硬貨立ちなどが生じるのを防止す
る。支承部材69の下降により、重積硬貨が金種別収納筒
67内に収納される。
【0108】搬送コンベヤ71上のオーバーフロー硬貨
は、搬送コンベヤ71の正転によりオーバーフロー硬貨収
納箱76に一括して放出されて収納される。
【0109】これら一時保留硬貨の収納後に、入出金処
理に待機する待機状態となる。
【0110】また、入金不承認操作がなされた場合に
は、一時保留部61が放出位置(図7左方向)に移動さ
れ、一時保留部61に一時保留されていた硬貨が搬送コン
ベヤ71上に放出される。したがって、搬送コンベヤ71上
には、既に一時保留されていたオーバーフロー硬貨に一
時保留部61からの硬貨が合流される。
【0111】入金不承認操作により、傾斜円盤12および
搬送ベルト39が回動されるとともにシャッタ3が開放さ
れ、さらに、搬送コンベヤ71がホッパ13へ向けて逆転さ
れる。これにより、搬送コンベヤ71上の硬貨は、ホッパ
13に搬送され、このホッパ13から傾斜円盤12により硬貨
通路31に繰り出され、この硬貨通路31の末端に搬送され
て硬貨受部6に返却される。硬貨受部6に返却された硬
貨が機械操作者により取り出されることにより、シャッ
タ3が閉鎖され、入出金処理に待機する待機状態とな
る。
【0112】次に、制御部155 の制御による出金処理に
ついて説明する。
【0113】機械操作者により出金の金額または金種と
枚数が入力されると、一時保留部61が放出位置(図7左
方向)に移動されて投出ガイド部63が金種別収納筒67の
上方に対向されるとともに投出板68が後退位置(図7右
方向)に移動された状態で、出金する金種に対応する金
種別収納筒67内の硬貨を上昇させて最上位硬貨を一時保
留部61の投出ガイド部63に当接させ(出金しない金種に
対応する金種別収納筒67内の硬貨は投出板68より下方に
位置させておく)、投出板68が後退位置から一時保留位
置に移動することにより、投出ガイド部63に当接する各
金種の1枚の硬貨が搬送コンベヤ71上に投出される。
【0114】同じ金種を複数枚投出する場合には、投出
板68が後退位置に移動した後、対応金種の硬貨が再び上
昇され、投出板68の往復移動により同様にして投出され
る。投出板68は出金硬貨のうちの最後の硬貨が投出完了
するまで継続して往復移動される。投出完了した金種に
ついては、硬貨の上昇が停止されることにより、その金
種の硬貨の投出が停止される。
【0115】出金指令により、傾斜円盤12および搬送ベ
ルト39が回動され、切換ゲート57が回収リジェクト硬貨
収納部82へのシュート部56b 側に切り換えられ、さら
に、搬送コンベヤ71がホッパ13へ向けて逆転される。こ
れにより、搬送コンベヤ71上の投出された硬貨は、ホッ
パ13に搬送され、このホッパ13から傾斜円盤12により硬
貨通路31に繰り出され、識別部43で識別される。
【0116】識別部43による識別の結果、正常と識別さ
れた硬貨は、硬貨通路31の末端に搬送されて硬貨受部6
に出金される。また、異常と識別されたリジェクト硬貨
は、分類孔47で落下され、シュート部56b を通じてリジ
ェクトボックス75の回収リジェクト硬貨収納部82に収納
される。
【0117】識別部43で硬貨の識別が所定時間なくなっ
た時点で、識別部43で識別されたデータと入力された金
額または金種と枚数のデータとが一致すれば、シャッタ
3が開放され、硬貨受部6に出金された硬貨の取り出し
が可能となる。このとき、傾斜円盤12、搬送ベルト39お
よび搬送コンベヤ71が停止される。硬貨受部6から硬貨
が取り出されたことが検知されると、シャッタ3が閉鎖
され、入出金処理に待機する待機状態となる。
【0118】また、出金処理途中でリジェクト硬貨が識
別されて回収されたために、出金硬貨に不足が生じ、識
別部43で識別されたデータと入力操作された金額または
金種と枚数のデータとが一致しない場合には、該当金種
の硬貨が、必要枚数だけ再び投出され、搬送コンベヤ7
1、ホッパ13および傾斜円盤12を経て硬貨通路31に繰り
出されるとともに識別部43で識別され、正常と識別され
れば、硬貨受部6に出金される。そして、識別部43で識
別されたデータと入力された金額または金種と枚数のデ
ータとが一致すれば、シャッタ3が開放され、硬貨受部
6に出金された硬貨の取り出しが可能となる。このと
き、傾斜円盤12、搬送ベルト39および搬送コンベヤ71が
停止される。硬貨受部6から硬貨が取り出されたことが
検知されると、シャッタ3が閉鎖され、入出金処理に待
機する待機状態となる。
【0119】なお、リジェクト硬貨は、オーバーフロー
硬貨収納箱76に回収するようにしてもよい。
【0120】次に、制御部155 の制御による回収処理に
ついて説明する。
【0121】最初に、金種別出金部66に収納された硬貨
の回収が開始される。
【0122】搬送コンベヤ71がホッパ13へ向けて逆転さ
れ、傾斜円盤12、搬送ベルト39がそれぞれ正転され、切
換ゲート54が補充硬貨収納箱77へのシュート53側に切り
換えられ、切換ゲート57が回収リジェクト硬貨収納部82
へのシュート部56b 側に切り換えられる。
【0123】金種別出金部66に収納された硬貨は、出金
時と同様に、投出板68の往復移動と金種別収納筒67内の
硬貨の上昇とにより1枚ずつ搬送コンベヤ71上に投出さ
れ、この搬送コンベヤ71でホッパ13に送り込まれる。ホ
ッパ13に送り込まれた硬貨は、傾斜円盤12により硬貨通
路31に繰り出され、硬貨識別通路部32の識別部43で識別
される。
【0124】識別部43による識別の結果、正常と識別さ
れた硬貨は、硬貨分類通路部33の分類孔45から落下さ
れ、シュート53を経て補充硬貨収納箱77に回収される。
また、異常と識別されたリジェクト硬貨は、硬貨分類通
路部33の分類孔47で落下され、シュート部56b を通じて
リジェクトボックス75の回収リジェクト硬貨収納部82に
回収される。
【0125】そして、制御部155 の収納データに基づい
て、金種別出金部66に収納された全ての硬貨の投出が完
了すると、投出動作が停止される。さらに、識別部43が
硬貨を所定時間検知しなくなると、オーバーフロー硬貨
収納箱76に収納された硬貨の回収が開始される。
【0126】オーバーフロー硬貨収納箱76に収納された
硬貨の回収に伴って、搬送コンベヤ71は停止され、傾斜
円盤12、搬送ベルト39がそれぞれ継続して正転され、各
切換ゲート54,57は切換状態のまま保たれ、さらに、搬
送コンベヤ111 が正転され、硬貨受部6が放出姿勢に反
転回動される。
【0127】オーバーフロー硬貨収納箱76に収納された
硬貨は、ベルトコンベヤ90と逆転ローラ92の回転によ
り、所定量ずつシュート89を通じて搬送コンベヤ111 の
第1のコンベヤ域115 に繰り出され、搬送コンベヤ111
の第1のコンベヤ域115 、第3のコンベヤ域117 および
第2のコンベヤ域116 (搬送コンベヤ111 による搬送は
補充処理時を参照)、反転回動した硬貨受部6の部分、
シュート8を経てホッパ13に送り込まれる。
【0128】ホッパ13に送り込まれた硬貨は、傾斜円盤
12により硬貨通路31に繰り出され、硬貨識別通路部32の
識別部43で識別される。識別部43による識別の結果、正
常と識別された硬貨は、硬貨分類通路部33の分類孔45か
ら落下され、シュート53を経て補充硬貨収納箱77に回収
される。また、異常と識別されたリジェクト硬貨は、硬
貨分類通路部33の分類孔47で落下され、シュート部56b
を通じてリジェクトボックス75の回収リジェクト硬貨収
納部82に回収される。
【0129】そして、オーバーフロー硬貨収納箱76に収
納された硬貨が全て繰り出され、識別部43が硬貨を所定
時間検知しなくなると、ベルトコンベヤ90と逆転ローラ
92、搬送コンベヤ111 、傾斜円盤12、搬送ベルト39がそ
れぞれ停止され、硬貨受部6が受入姿勢に反転回動され
る。
【0130】その後、可動ホッパ壁27が開放される(セ
ンサS1〜S4で残留硬貨類を検知するしないにかかわらな
い)。ホッパ13内に残留硬貨類が残っていれば、放出口
26から放出されてシュート29を通じて搬送コンベヤ111
の第1のコンベヤ域115 上に導かれる。このホッパ13か
らの残留硬貨類の放出時には、傾斜円盤12を正転または
逆転、あるいは正逆転を数回繰り返すことにより、ホッ
パ13内に残る残留硬貨類を確実に放出させることができ
る。残留硬貨類の放出後には、可動ホッパ壁27が閉鎖さ
れ、傾斜円盤12も停止される。
【0131】シャッタ135 が開放されるとともに搬送コ
ンベヤ111 が逆転され、ホッパ13から放出された残留硬
貨類が搬送コンベヤ111 の第1のコンベヤ域115 上を搬
送されて異物回収箱78に放出され、異物回収箱78に回収
収納される。残留硬貨類の回収収納後には、シャッタ13
5 が閉鎖され、搬送コンベヤ111 が停止され、回収完了
となる。
【0132】そして、機械管理者により、機体1の後扉
79を開放し、機体1の背部側から、リジェクトボックス
75、補充硬貨収納箱77および異物回収箱78がそれぞれ取
り出される。また、オーバーフロー硬貨収納箱76につい
ては、通常は取り出す必要がなく、点検時や清掃時など
のときに取り出し可能である。
【0133】以上のように、リジェクトボックス75、オ
ーバーフロー硬貨収納箱76、補充硬貨収納箱77および異
物回収箱78を機体1の背部にその背部側から着脱可能に
設けたため、機体1を例えばATMなどから後方や前方
へ引き出すことなく、それらリジェクトボックス75、オ
ーバーフロー硬貨収納箱76、補充硬貨収納箱77および異
物回収箱78を容易に着脱できる。
【0134】さらに、補充硬貨収納箱77から放出される
硬貨を搬送コンベヤ111 に受け入れてこの搬送コンベヤ
111 の正転によりその硬貨を硬貨受部6へ搬送し、ホッ
パ13から放出される残留硬貨類を搬送コンベヤ111 に受
け入れてこの搬送コンベヤ111 の逆転によりその残留硬
貨類を異物回収箱78へ搬送するとともに正転によりその
残留硬貨類を硬貨受部6へ搬送するため、搬送コンベヤ
111 を共用でき、コスト低減および小形化できる。
【0135】また、回収時(精査時)にオーバーフロー
硬貨収納箱76から放出されるオーバーフロー硬貨を搬送
コンベヤ111 に受け入れてこの搬送コンベヤ111 の正転
により硬貨受部6へ搬送するため、搬送コンベヤ111 を
共用でき、コスト低減および小形化できる。
【0136】また、検知センサS1〜S4によりホッパ13内
の残留硬貨類を検知した場合、可動ホッパ壁27を開放さ
せて残留硬貨類を放出させるとともに、搬送コンベヤ11
1 を正転させて残留硬貨類を硬貨受部6へ搬送するた
め、搬送コンベヤ111 を共用して、残留硬貨類を返却で
きる。
【0137】また、搬送コンベヤ111 は表面に突起127
が搬送方向に沿って所定ピッチ毎に突設されたベルト12
1 を有しているため、硬貨および残留硬貨類を突起127
で引っ掛けて確実に搬送できる。
【0138】また、回収時(精査回収時)に硬貨通路31
で識別(精査)されるオーバーフロー硬貨および出金用
硬貨を補充硬貨収納箱77へ回収するため、機体1内の全
ての硬貨を補充硬貨収納箱77により機体1内から取り出
して回収できる。
【0139】また、搬送コンベヤ111 の第2のコンベヤ
域116 の表面に対向して配設されるガイド板141 に、第
2のコンベヤ域116 の表面に対向するガイド面142 およ
び突起127 に対向する溝部143 を設けたため、ガイド面
142 と突起127 との相対的な隙間を極力小さくするかあ
るいは無くしても、ガイド面142 と突起127 が接触する
ことがなく、そして、そのガイド面142 と突起127 との
相対的な隙間を極力小さくするかあるいは無くすことに
より、第2のコンベヤ域116 で揚送する硬貨や残留硬貨
類が突起127 から外れて落下することがなく、硬貨や残
留硬貨類を効率よく硬貨受部6へ搬送できる。
【0140】なお、繰出手段としては、前記実施の形態
のように傾斜円盤12を用いる他、遠心力円盤、1枚分離
ゲートを備えた繰出コンベヤなどを用いても、同様の作
用効果を奏する。
【0141】また、入金硬貨の一時保留には、前記実施
の形態のように金種別に分類して保留する場合の他、一
括保留する場合があり、一括保留する場合には、入金承
認時に金種別に分類して金種別出金部へ収納する。
【0142】また、リジェクトボックス75は、前記実施
の形態のように補充リジェクト硬貨収納部81と回収リジ
ェクト硬貨収納部82とを一体に設けることにより着脱を
容易にできるが、補充リジェクト硬貨用および回収リジ
ェクト硬貨用に別々のリジェクトボックスを用いてそれ
ぞれを着脱可能に設けてもよい。
【0143】
【発明の効果】請求項1記載の硬貨入出金機によれば、
補充硬貨収納箱および異物回収箱を機体の背部にその背
部側から着脱可能に設けたため、機体を後方や前方へ引
き出すことなく補充硬貨収納箱および異物回収箱を容易
に着脱でき、さらに、補充硬貨収納箱から放出される硬
貨を搬送コンベヤに受け入れてこの搬送コンベヤの正転
によりその硬貨を入金受部へ搬送するとともに、ホッパ
から放出される残留硬貨類を搬送コンベヤに受け入れて
この搬送コンベヤの逆転によりその残留硬貨類を異物回
収箱へ搬送するため、搬送コンベヤを共用でき、コスト
低減および小形化できる。
【0144】請求項2記載の硬貨入出金機によれば、請
求項1記載の硬貨入出金機の効果に加えて、搬送コンベ
ヤは表面に突起が搬送方向に沿って所定ピッチ毎に突設
されたベルトを有しているため、硬貨および残留硬貨類
を突起で引っ掛けて確実に搬送できる。
【0145】請求項3記載の硬貨入出金機によれば、請
求項1または2記載の硬貨入出金機の効果に加えて、精
査時にオーバーフロー硬貨収納箱から放出されるオーバ
ーフロー硬貨を搬送コンベヤに受け入れてこの搬送コン
ベヤの正転により入金受部へ搬送するため、搬送コンベ
ヤを共用でき、コスト低減および小形化できる。
【0146】請求項4記載の硬貨入出金機によれば、請
求項3記載の硬貨入出金機の効果に加えて、精査回収時
に硬貨識別通路で精査されるオーバーフロー硬貨および
出金用硬貨を補充硬貨収納箱へ回収するため、機体内の
全ての硬貨を補充硬貨収納箱により機体内から取り出し
て回収できる。
【0147】請求項5記載の硬貨入出金機によれば、請
求項4記載の硬貨入出金機の効果に加えて、リジェクト
ボックスを機体の背部にその背部側から着脱可能に設け
たため、機体を後方や前方へ引き出すことなくリジェク
トボックスを容易に着脱できる。
【0148】請求項6記載の硬貨入出金機によれば、請
求項1ないし5いずれか記載の硬貨入出金機の効果に加
えて、検知センサにより残留硬貨類を検知した場合、ホ
ッパ放出手段により残留硬貨類を放出させるとともに、
搬送コンベヤを正転させて残留硬貨類を入金受部へ搬送
するため、搬送コンベヤを共用して、残留硬貨類を返却
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨入出金機の内
部機構を示す側面図である。
【図2】同上硬貨入出金機の内部機構を示す拡大正面図
である。
【図3】同上硬貨通路の側面図である。
【図4】同上貯留繰出部の拡大側面図である。
【図5】同上硬貨分類通路部の上方から視る断面図であ
る。
【図6】同上硬貨分類通路部の斜視図である。
【図7】同上図1のA−A断面図である。
【図8】同上図1のB−B断面図である。
【図9】同上図1のC−C断面図である。
【図10】同上図1のD−D断面図である。
【図11】同上搬送コンベヤの第1のコンベヤ域を示
し、(a) は第1のコンベヤ域の平面図、(b) は図11
(a) のE−E断面図である。
【図12】同上搬送コンベヤの第2のコンベヤ域を示
し、(a) は第2のコンベヤ域の背面図、(b) は図12
(a) のF−F断面図、(c) は第2のコンベヤ域の側面図
である。
【図13】同上搬送コンベヤの第3のコンベヤ域を示
し、(a) は第3のコンベヤ域の側面図、(b) は第3のコ
ンベヤ域の背面図である。
【図14】同上硬貨入出金機の概略制御ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 機体 6 入金受部としての硬貨受部 12 繰出手段としての傾斜円盤 13 ホッパ 27 ホッパ放出手段としての可動ホッパ壁 31 硬貨識別通路としての硬貨通路 53 回収手段の一部を構成するシュート 66 金種別出金部 71 出金用硬貨搬送手段としての搬送コンベヤ 75 リジェクトボックス 76 オーバーフロー硬貨収納箱 77 補充硬貨収納箱 78 異物回収箱 111 搬送コンベヤ 121 ベルト 127 突起 155 制御部 S1〜S4 検知センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の前部に設けられた入金受部に投入
    される入金硬貨をホッパに受け入れ、このホッパの入金
    硬貨を繰出手段により1枚ずつ繰り出して硬貨識別通路
    に送り、この硬貨識別通路で識別された入金硬貨を一時
    保留するとともに入金承認時に出金に使用可能な入金硬
    貨を出金用硬貨として金種別出金部へ収納する硬貨入出
    金機において、 前記機体の背部にその背部側から着脱可能に設けられ、
    前記金種別出金部へ補充する硬貨を収納して補充時にそ
    の硬貨を放出する補充硬貨収納箱と、 前記機体の背部にその背部側から着脱可能に設けられる
    異物回収箱と、 前記ホッパに残る残留硬貨類を放出させるホッパ放出手
    段と、 前記補充硬貨収納箱から放出される硬貨を受け入れて正
    転により前記入金受部へ搬送するとともに、前記ホッパ
    から放出される残留硬貨類を受け入れて逆転により前記
    異物回収箱へ搬送する搬送コンベヤとを具備しているこ
    とを特徴とする硬貨入出金機。
  2. 【請求項2】 搬送コンベヤは、表面に突起が搬送方向
    に沿って所定ピッチ毎に突設されたベルトを有している
    ことを特徴とする請求項1記載の硬貨入出金機。
  3. 【請求項3】 入金承認時にオーバーフロー硬貨を受け
    入れて収納するとともに、オーバーフロー硬貨を硬貨識
    別通路へ送って精査を行なう精査時にオーバーフロー硬
    貨を放出するオーバーフロー硬貨収納箱を具備し、 搬送コンベヤは、オーバーフロー硬貨収納箱から放出さ
    れるオーバーフロー硬貨を受け入れて正転により入金受
    部へ搬送することを特徴とする請求項1または2記載の
    硬貨入出金機。
  4. 【請求項4】 出金用硬貨を硬貨識別通路へ送って精査
    を行なうとともに回収する精査回収時に金種別出金部か
    ら投出される出金用硬貨を受け入れてホッパに搬送する
    出金用硬貨搬送手段と、 前記硬貨識別通路で精査されるオーバーフロー硬貨およ
    び出金用硬貨を補充硬貨収納箱へ回収する回収手段とを
    具備していることを特徴とする請求項3記載の硬貨入出
    金機。
  5. 【請求項5】 機体の背部にその背部側から着脱可能に
    設けられ、補充リジェクト硬貨、回収リジェクト硬貨を
    収納するリジェクトボックスを具備していることを特徴
    とする請求項4記載の硬貨入出金機。
  6. 【請求項6】 ホッパに残る残留硬貨類を検知する検知
    センサと、 この検知センサにより残留硬貨類を検知した場合、ホッ
    パ放出手段により残留硬貨類を放出させるとともに、搬
    送コンベヤを正転させて残留硬貨類を入金受部へ返却さ
    せる制御部とを具備していることを特徴とする請求項1
    ないし5いずれか記載の硬貨入出金機。
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