JP6534147B2 - 単一カメラによる物体の変位と振動の測定方法、装置およびそのプログラム - Google Patents

単一カメラによる物体の変位と振動の測定方法、装置およびそのプログラム Download PDF

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    • G01HMEASUREMENT OF MECHANICAL VIBRATIONS OR ULTRASONIC, SONIC OR INFRASONIC WAVES
    • G01H9/00Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves by using radiation-sensitive means, e.g. optical means

Description

本発明は、物体の面外変位分布または面内変位と変外変位を含む三次元変位分布、さらに、時系列の測定結果から得られる振動分布を簡便かつ高精度で測定するための解析手法、装置およびそのプログラムに関する。
従来の接触式変位、非接触式レーザー変位計、超音波変位計などは信頼性の高い計測結果を得ることができ、時間分解能も高いものが多い。
しかし、一度の計測では1点の1方向のみの変位情報しか得られず、構造物全体の変位振動挙動を把握するには複数点にセンサを設置しなければならないため、配線が複雑になりコスト費用や解析時間が増加する問題点がある。
特に小さい対象物または巨大構造物の場合、センササイズの制限または取り付けるための足場設置の都合により同時に複数のセンサを設置できない場合がある。
一方で、画像計測による全視野計測法は撮影エリア全体の変位分布情報を取得できる。
全視野計測法にはスペックル干渉法やデジタルホログラフィ法、デジタル画像相関法、サンプリングモアレ法がある。
ところで物体が変形すると、図1に示すように、カメラの撮影素子面に平行しているxとy(縦横)方向への変位量である面内変位(In-plane displacement)と、カメラの撮影素子面に垂直しているz(奥行き)方向への変位量である面外変位(Out-of-plane displacement)がある。
現存の全視野計測法の原理によれば、特許文献1に記載されているように、単一のカメラでは面内変位を測定できるが、面外変位を測定することはできていない。
さらに、特許文献2に記載されているように、物体の面外変位または面内と面外を含む三次元変位を2台のカメラを用いて計測する方法が開発されているが、単一のカメラのみで三次元変位を測定できる方法および計測装置は開発されていない。
特願2015−527141号明細書 特開2013−221801号公報
Ri, S., Fujigaki, M., Morimoto, Y., Sampling Moire Method for Accurate Small Deformation Distribution Measurement, Experimental Mechanics, Vol.50, No.4, pp.501-508 (2010).
物体の面外変位または三次元変位を測定するために、複数台のカメラを用いる方法では、カメラ間の正確な同期、複数のカメラ装置を揃えるための費用や複数枚の画像を利用するために生じる解析時間の増加、2台または複数台のカメラで撮影された画像内で同時に撮影できる範囲しか解析できないなど、測定には多くの制限を受ける。
特に複数台のカメラを用いる場合、それぞれのカメラで撮影した画像の解析に加えて、同じ点における探索を行う必要があり、結果が得るまでの計算時間がかかる。
また、室外実験などでは、撮影環境としては常に振動のある場所での画像撮影になり、2台または複数台のカメラは固定されているとはいえ、わずかながらカメラ自身がそれぞれ異なる微小振動があり、それが計測誤差となる場合が多い。
上記課題を解決するために、本発明では、図2に示すような単一デジタル(ビデオ)カメラから得た画像を、例えばパーソナルコンピュータのように、別筐体の表示装置を有する情報処理装置の演算部でその画像を演算処理して簡便に物体の面外変位または面内・面外変位を含む三次元変位および振動を測定・表示するものである。
当該カメラが表示部を有するときは、カメラ内の演算部で演算処理を行い適宜表示部に計測結果を表示することができる。
(1)計測方法1:面外変位計測(単一カメラによる面外変位計測の原理)
本発明は、物体表面に貼り付けたまたは転写した格子マーカ(格子模様は正弦波もしくは余弦波、矩形波、三角波などの任意の繰り返しのある模様とする)をデジタル(ビデオ)カメラで撮影した場合、画像上の格子のピッチは面外変位が生じるとわずかながら変化することに着目した。
物理的に格子がカメラに近づくと画像上の格子ピッチは大きくなり、逆に遠ざかると格子ピッチは小さくなる。
この性質とレンズの倍率の原理を組み合わせることによって面外変位による画像上の格子ピッチのわずかな変化より面外変位量を定量的に求めることができる方法を以下に説明する。
図2により、水平方向および垂直方向に格子状に配置された撮像素子からなるイメージセンサ上に記録される格子ピッチの大きさをQ[pixel]、センササイズ(1pixelの実寸)をa[mm/pixel]とし,物体にあらかじめ張り付けた格子の格子ピッチをp[mm]とすると、その大きさの比は像面(イメージセンサー面)とレンズ間の距離dと物体面とレンズ間の距離zに比例する。すなわち、三角形の相似関係Qa: p=d:zより、次式が得られる。
Figure 0006534147
式(1)において、像面とレンズ間の距離dはレンズのピントを合わせることによってわずかに変化するので正確に測定することはできない。
よって,dはレンズの結像の公式より焦点距離fを用いて表すことにする。
Figure 0006534147
式(2)において、レンズと格子間の距離zがイメージセンサとレンズの距離dと比べて十分に大きい場合、レンズの焦点距離fとdはf = d (z>>d)と近似することができる。
この近似式及び式(1)よりレンズと格子間の距離Zはfを用いて式(3)で表すことができる。
Figure 0006534147
同様に面外変位後の画像上の格子ピッチQ’からz’を求めると式(4)で表すことができる。
Figure 0006534147
よって、面外変位量Δz=z'-zを計算すると式(5)になり、変形前後の格子ピッチの変化から定量的に求めることができる。
Figure 0006534147
ここで、変形前後の格子ピッチは既存のサンプリングモアレ法(非特許文献1)より求めた変形前後のモアレ縞の位相、
Figure 0006534147
のそれぞれの位相勾配(位相の傾き)である、
Figure 0006534147
からそれぞれ式(8)および式(9)より高精度に求めることができる。
Figure 0006534147
Figure 0006534147
なお、モアレ縞の位相(式(6))の位相勾配(式(7))を求める方法はいろいろ考えられるが、一例として、画像処理でよく用いられる微分方法である中心2次差分、すなわち横方向のモアレ縞の位相勾配を隣接する2画素の位相値の差分の平均値から求めることができる。
式で表現すると、
Figure 0006534147
Figure 0006534147
となる。
式(5)から、面外変位量は実験で用いる格子マーカのピッチp [mm]、イメージセンサのピクセルサイズa [mm/pixel]、カメラレンズの焦点距離f [mm]に依存することがわかる。
これらのパラメータは計測実験の際に、用いる計測装置の仕様によって決まるため、仮に物体に張り付けた格子のピッチp、カメラのCCDのサイズa及びレンズの焦点距離fが事前に正確に知ることができるなら、式(5)より面外変位前後の格子ピッチの変化から直接面外変位量を算出することができる。
一方、これらのパラメータのうち、どれか1つ正確に把握することが困難の場合でも、あらかじめ移動した移動量がわかる移動ステージを用いて,面外変位前後の画像上の格子ピッチの変化と面外変位量より、定数k=p(f/a)をキャリブレーションすることがより予め正確に求めることは可能である。
(2)計測方法2:単一カメラによる面内・面外変位同時計測原理
画像計測の場合、面内変位と面外変位が同時に発生する場合、画像上では本来の測定したい面内変位と面外変位による見かけ上の面内変位が発生する。
そのため、面内変位を正確に計測することはできない。
本発明では面外変位による見かけ上の面内変位量を考慮することで、物体の面内・面外変位量を同時に求めることが可能になる。
図3は単一カメラによる面内・面外変位同時計測手法の原理図である。
格子を貼り付けた物体が面内と面外に変位が発生する場合、サンプリングモアレ法で計測するX方向の面内変位量Δxは式(11)で表される。
Figure 0006534147
式(12)のΔxはX方向の面内変位であり、δはZ方向の面外変位による見かけ上の面内変位である。
ここで、面外変位による見かけ上の面内変位δは式(14)より表される。
ただし,微小変形において、
Figure 0006534147
と、近似できるものとする。
ただし、θはレンズの光軸とレンズの中心と変形前の物体に張り付いた格子を結ぶ線のなす角度の水平方向または垂直方向成分とし、θ'は変形後のレンズの光軸とレンズの中心と変形後の当該格子を結ぶ線のなす角度の水平方向または垂直方向成分とする。
Figure 0006534147
従って、式(12)と式(14)より面外変位による見かけ上の面内変位量の影響を除外した面内変位量は式(15)で表される。
Figure 0006534147
画角による見かけ上の面内変位、Δztanθは実験条件一定で物体に面外変位のみを発生させ、生じる見かけ上の面内変位δを求めることによってあらかじめtanθを求めることができる。
また、簡易的な方法として、カメラレンズの焦点距離がわかる場合、レンズの仕様で決まる画角からtanθを求めることもできる。
求めたtanθと面外変位による画像上の格子ピッチの変化より面外変位量Δzを求め、式(13)より面外変位による見かけ上の面内変位量dを求め、式(14)より求めた面内変位量から見かけ上の面内変位量を引くことによって、正確な面内変位量を求めることができる。
同様にy方向の面内変位量Δyを求めれば、最終的に物体の三次元変位を得ることができる。
本発明は単一カメラのみで三次元変位を計測できるため、2台のカメラを用いる場合より撮影範囲が広く、低コスト、カメラ間の同期不要や計算量が少ないという利点がある。
本発明により、測定対象物表面に規則模様があるマーカを貼り付けるまたは転写し、デジタルカメラで連続的に撮影するだけで、簡便に高精度な面外変位分布や三次元変位分布およびその振動分布を測定できる。
そのため、撮影する光学素子を各種顕微鏡(例えば、電子走査顕微鏡やレーザー走査顕微鏡、光学顕微鏡など)や一眼レフカメラ(例えば、CCDカメラやCMOSカメラ、ビデオカメラなど)で観察する対象物の大きさにあわせて選択すれば、ナノスケールからメガスケールまで幅広い範囲における変位と振動計測が可能になる。
具体的には、本発明は以下の効果がある。
(1)一台のカメラのみで面外変位さらに三次元変位計測ができる。そのため動的計測に容易に適用でき、振動計測が可能である。
(2)複数の変位センサを取り付ける方法に比べて、配線が不要であり、同時に複数点の変位・振動情報が得られる。
(3)遠方からリモート計測が可能である。
図1は単一カメラによる物体の面内・面外変位計測の光学系を表した概略図である。 図2はデジタルカメラと格子の距離およびCCDセンサ上の格子の大きさの関係を表す模式図である。 図3は単一カメラによる物体の面内・面外変位同時計測原理図である。 図4は面外変位計測の光学系を写した写真画像であって:(左側)(a)全体の様子、(右上)(b)焦点距離が8mmのカメラレンズの場合、(右下)(c) 焦点距離が25mmのカメラレンズの場合を表す写真画像である。 図5は面外変位量(微小変形)の実験結果(実際の変位と計測変位)を表す表図である。 図6は面外変位量(大変形)の実験結果(実際の変位と計測変位)を表す表図である。 図7は面内・面外変位同時計測の実験光学系を写した写真画像である。 図8は単一カメラと2台カメラより得られた面内変位の測定結果の比較図(左側柱状が単一カメラ、右側柱状が2台カメラ)である。(従来の2台のカメラシステムと同程度の精度が得られているのがわかる。) 図9は単一カメラと2台カメラより得られた面外変位の測定結果の比較図(左側柱状が単一カメラ、右側柱状が2台カメラ)である。(従来の2台のカメラシステムと同程度の精度が得られているのがわかる。) 図10は片持ち梁の振動解析実験の光学系を写した写真画像である。 図11は単一カメラを利用して撮影された画像データから得られた面外変位(たわみ)分布の結果を表す表図である。図11(a)はたわみなしの状態の結果、図11(b)は奥行き方向へのたわみ時の結果、図11(c)は手前方向へのたわみ時の結果である。 図12はレーザドップラー振動計で得られた振動計測結果をあらわす表図である。 図13は本発明で得られた振動計測結果をあらわす表図である。 図14はレーザドップラー振動計と本発明で得られた振動周波数解析結果を表す表図である。
(1)実施例1:単一カメラによる面外変位計測
本発明による面外変位の計測精度を確認するために以下の実験を行った。
本実験の光学系を図4に示す。
使用した装置は2軸移動ステージ(移動分解能は1μm)、格子マーカとCCDカメラ(1280×960画素, モノクロ, ピクセルサイズは4.65μm×4.65μm)である。
防振台上に固定した移動ステージに格子ピッチが1mmの矩形波模様を貼り付けた。
移動ステージを面外(奥行き)方向に移動させ、各移動量の格子を撮影し、それぞれの画像を解析することによって面外変位量を求めた。
本精度確認実験では、カメラレンズの焦点距離を8mm、16mm、25mmの3種類のものを用いた。カメラレンズの焦点距離が8mmと25mmの場合の光学系をそれぞれ図4(b)と図4(c)に示す。
移動ステージを面外方向(z方向)に0.01mmずつ1mmまで移動させた場合(微小変形)と、0.1mmずつ10mmまで移動させた場合(大変形)でそれぞれ面外変位量を測定した。
本精度検証実験の解析条件として撮影画像にY方向にローパスフィルタ(カーネル半幅を40画素、カットオフ周波数を0.01Hz)をかけ2次元の格子模様から横方向のみの1次元の格子模様を抽出してサンプリングモアレ法において間引き数を20画素で位相解析を行った。
位相の勾配を算出する際の安定性を高めるために、得られたモアレ縞の位相分布にsin/cosフィルタ(カーネル半幅を3画素、カーネル高さを3画素)繰り返し3回に平滑化処理を行った。
評価方法は画像の中心付近の100×100画素における平均変位量を用いた。
図5に微小変形の場合の面外変位量の実験結果を示す。
3つの異なる焦点距離のカメラレンズを用いた場合、いずれも与えられた面外変位量によく一致した結果が得られた。
同様に、図6に大変形の場合の面外変位量の実験結果を示す。
ここでも同じく3つの異なる焦点距離のカメラレンズを用いた場合、いずれも与えられた面外変位量によく一致した結果が得られた。
画像上の異なる解析箇所(例えば、画像中心、画像の横の端部、および画像の角部の端)での解析結果から解析箇所に依存せず全画面上で正しく面外変位を測定することができることを確認している。
従って、本発明は微小変形から大変形まで広いダイナミックレンジでの高精度な面外変位計測が可能である。
本発明の画像の演算処理は、パーソナルコンピュータ上のC/C++プログラムにより実行して計測結果を求めたが、プログラムの種類は本発明を実施する計測実行環境により適宜変更することができる。
(2)実施例2:単一カメラによる面内・面外変位計測の精度確認の実験結果
図7に2台のカメラを設置した面内・面外変位同時計測精度検証実験の光学系を示す。
使用した装置は2軸の移動ステージ(移動分解能は1μm)、格子マーカ(格子ピッチの周期は1mmの2次元矩形波模様)、2台のCCDカメラ(1280×960pixel, モノクロ,ピクセルサイズは4.65μm×4.65μm)である。
2台のカメラレンズの焦点距離はともに16mmのものを用いた。
また2台のカメラ間の距離は55mm、CCD面と物体格子間の距離は365mmであった。
具体的な実験手順を以下に示す。
(1)カメラ1とカメラ2をそれぞれの画像上の格子ピッチが10pixelになるようにカメラ位置を調節した。
(2)面外方向に0.1mmの変位を与え、それぞれのカメラで撮影し、見かけの上の面内変位よりカメラ1、カメラ2上での画角tanθを算出した。
(3)移動ステージに貼り付けた格子をそれぞれのカメラで撮影し、その画像データを保存した。
(4)X方向に面内変位を0.001mmずつ計10回与え、0〜0.01mm間,計11枚の画像をそれぞれのカメラで撮影した。
(5)X方向の移動ステージの移動量を0mmに戻す。
(6)Z方向に面外変位を0.01mm与えその画像をそれぞれのカメラで撮影した。
(7)Z方向に移動した状態で(4)〜(5)の作業を行う。
(8)(4)〜(7)の作業を面外変位量が0〜0.1mm間、計11回行う。
(9)(3)と(4)〜(8)の作業を行い、単一カメラで得られた画像、および2台のカメラから得られた画像を利用して面内変位量と面外変位量解析を行った。
解析では、ローパスフィルタ(カーネル半幅は20画素、カットオフ周波数は0.01)、位相分布にsin/cosフィルタを適用(カーネルサイズ半幅、縦10画素横10画素、3回繰り返し)してから面内・面外変位を求めた。200×200画素の評価エリアにおける平均値を算出した。
本実験では、移動ステージ上に貼り付けた格子を面内・面外方向に変位を与え、それぞれの写真をカメラ1およびカメラ2で同期して画像撮影を行った。
従来の2台のカメラから撮影された画像から面内・面外変位を算出した結果と本発明である単一カメラ(カメラ1)より取得した画像から面内・面外変位を算出した結果を比較した。
本発明による単一カメラと従来の2台のカメラで得られた面内変位と面外変位の測定結果を図8と図9に示す。
図中の面内変位、面外変位はそれぞれの方向の変位が生じたときの10個の計測値の平均値である(面内変位量0.001mmの場合,面外変位量0.01〜0.1mmの時の10個の計測値の平均値)。
グラフ内のエラーバーは10個のデータの標準偏差である。
図8と図9から、微小変位計測実験での所定評価エリアの平均値では、単一カメラで計測した場合でも2台のカメラとほぼ同じ精度で計測できることを確認できた。
(3)実施例3:片持ち梁の振動計測
本発明では動画撮影のフレームレートの半分以下の周波数の振動の計測が可能である。
発明による振動計測の一例として、図10に片持ち梁の振動解析実験の光学系を示す。
本実験では格子を貼り付けた梁の左端を固定し、右端にたわみを与えた後の自由振動を一眼レフカメラとレーザドップラー振動計で同時に計測した。
梁はステンレス製の30cm直定規の先端に重りを装着したものを用いた。
直定規表面にピッチ周期が2.3mmの格子を貼り付けた。
ドップラーレーザー振動計(以下LDVと記す)は分解能1.5μmであり、実験では測定範囲を±5.2mmに設定した。
サンプリング周期は52.08Hzである。使用した一眼レフデジタルビデオカメラのフレームレートは24fpsである。
画像上の格子の1周期が約20画素になるようにカメラと格子間の距離を決定した。
カメラと格子間の距離は350mmとなった。
片持ち梁に自由振動を与えその様子を一眼レフカメラで動画撮影し、裏側からLDVで振動を計測した。
カメラで得られた動画から時系列でのJPEG画像に変換し、得られた画像より梁の振動を計測した。
図11に単一カメラを利用して撮影された画像データから得られた面外変位(たわみ)分布の計測の結果を示す。
図11(a)はたわみなしの状態の結果、図11(b)は奥行き方向へのたわみ時の結果、図11(c)は手前方向へのたわみ時の結果である。
実験結果より時系列での片持ち梁全体のたわみの様子がわかる。
図12と図13にそれぞれレーザドップラー振動計と本発明(解析エリアは画像中央の40×40画素)で得られた振動波形を示す。
実験結果より、本発明はLDVと同精度で振動計測が可能であることが確認できた。
図13に示すように本発明で得られた梁の振動波形から自由減衰係数を求めることができる。
図14にLDVと本発明による振動波形の周波数ヒストグラムを重ねたグラフを示す。
一次振動、2次振動のピークがそれぞれサンプリングモアレ法では3.70Hz、7.38Hz、LDVでは3.71Hz、7.40Hzと計測された。
これにより本発明法は従来のLDVと同じ高い精度で振動周波数解析が行うことができることがわかる。
今回の振動計測実験では24fpsのフレームレートのカメラを用いた。ナイキスト・シャノンのサンプリング定理によれば、最大でフレームレートの半分である12Hzの振動を計測できる。
さらに高い振動数の振動を計測するにはフレームレートの高い撮影が可能なカメラを利用すればよい。
一方、本発明は従来のLDVに比べて振動時の片持ち梁全体のたわみ分布および振動数分布を得ることができる。
本計測技術は、ナノ構造体(例えば、光起電力素子、薄膜太陽電池デバイス、光・バイオ・ガスセンサなど)からインフラ構造物(例えば、橋梁・トンネル・高層ビル・プラント配管など)を対象に幅広い分野における三次元変位計測・振動計測に利用できる。
1 デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ
2 対物レンズ
3 イメージセンサ(水平方向および垂直方向に格子状に配置された撮像素子)
4 格子
5 被計測物(物体)
6 変形前の格子ピッチpのz平面
7 変形後の格子ピッチpのz平面
8 光軸
9 イメージセンサ平面

Claims (12)

  1. 単一のデジタルカメラによる面外変位分布計測方法であって、
    前記デジタルカメラは焦点距離fの対物レンズと、水平方向および垂直方向に格子状に配置された撮像素子を備え、
    被計測物の表面に前記撮像素子の水平方向または垂直方向と同一方向にピッチpの周期模様が貼り付けてられている状態において、
    前記被計測物に面外荷重が与えられた場合、
    前記デジタルカメラで当該面外荷重による面外変位の前後における前記周期模様を撮像し、
    当該面外変位の前後におけるピッチpに対応する当該画像上の当該周期模様の(i,j)座標におけるピッチQ、Q’を求め、
    当該周期模様の当該面外変位量Δzを次の数式16により求めて全視野における面外変位分布を得ることを特徴とする単一のデジタルカメラによる面外変位分布計測方法。
    ただし、前記周期模様は水平方向にピッチpとし、数式16においてaは定数とし、また、ピッチQ、Q’は数式17、数式18により求めるものとし、数式17、数式18において、Tはサンプリングモアレ法により間引き処理をする画素間隔、φmはそのモアレ縞の位相、φmドット(φの上に点)、φ’mドットは前記面外変位の前後におけるその位相値を用いて求めた位相勾配である。
    Figure 0006534147
    Figure 0006534147
    Figure 0006534147
  2. 単一のデジタルカメラによる面内・面外変位計測方法であって、
    請求項1におけるΔzの計測の後に、さらに、前記被計測物の前記ピッチpにおいてサンプリングモアレ法により求めた前記水平方向および垂直方向の各面内変位x、yから見かけ上の当該面内変位量を減算して前記水平方向および垂直方向の各面内変位Δx、Δyを計測することを特徴とする面内・面外変位同時計測方法。
    ただし、Δx、Δyは次式により求めるものとし、θx、θyは前記対物レンズの光軸と前記対物レンズの中心と変形前の物体に貼付された前記ピッチpを結ぶ線のなす角度の前記水平方向および垂直方向成分とする。
    Figure 0006534147
    Figure 0006534147
  3. 単一のデジタルビデオカメラによる動的面外変位分布計測方法であって、
    請求項1の単一のデジタルカメラはさらに所定の時間分解能(フレームレート、fps)を有する動画撮影機構を備え、
    前記被計測物に前記面外荷重が与えられ、
    前記デジタルビデオカメラにより当該面外荷重による面外変位の前後における前記周期模様を前記フレームレートで撮影し、
    前記面外荷重の前後に撮像された連続するフレーム画像から所定の時間において前記全視野における面外変位分布を連続して求めることを特徴とする動的面外変位分布計測方法。
  4. 単一のデジタルビデオカメラによる周期模様を用いた振動周波数解析方法であって、
    請求項1の単一のデジタルカメラはさらに時間分解能(フレームレート、fps)が計測する振動周期の倍より大きい動画撮影機構を備え、
    前記被計測物に振動により前記面外荷重が与えられ、
    前記デジタルビデオカメラにより所定の位置における当該面外荷重による面外変位の前後における前記周期模様を前記フレームレートで撮影し、
    前記振動の前後に撮像された連続するフレーム画像から所定の時間において連続して得られる当該所定の位置における当該面外変位に基づいて前記被計測物の振動波形を求めて振動周波数を解析することを特徴とする振動周波数解析方法。
  5. 請求項1に記載する単一のデジタルカメラによる面外変位分布計測方法において撮像した画像を当該処理する事を特徴とするプログラムおよび当該プログラムを収納した記録媒体。
  6. 請求項2に記載する単一のデジタルカメラによる面内・面外変位同時計測方法において撮像した画像を当該処理する事を特徴とするプログラムおよび当該プログラムを収納した記録媒体。
  7. 請求項3に記載する単一のデジタルビデオカメラによる動的面外変位分布計測方法おいて撮像した画像を当該処理することを特徴とするプログラムおよび当該プログラムを収納した記録媒体。
  8. 請求項4に記載する単一のデジタルビデオカメラによる振動周波数解析方法において撮像した画像を当該処理することを特徴とするプログラムおよび当該プログラムを収納した記録媒体。
  9. 単一のデジタルカメラによる面外変位分布計測装置であって、
    少なくとも単一のデジタルカメラと、
    前記単一のデジタルカメラで撮像した画像を処理する演算部と、
    前記演算結果を表示する表示部を備え、
    請求項1に記載の単一のデジタルカメラによる面外変位分布計測方法を実行する事を特徴とする面外変位分布計測装置。
  10. 単一のデジタルカメラによる面内・面外変位同時計測装置であって、
    少なくとも単一のデジタルカメラと、
    前記単一のデジタルカメラで撮像した画像を処理する演算部と、
    前記演算結果を表示する表示部を備え、
    請求項2に記載の単一のデジタルカメラによる面内・面外変位同時計測方法を実行する事を特徴とする面外変位分布計測装置。
  11. 単一のデジタルビデオカメラによる動的面外変位分布計測装置であって、
    少なくとも単一のデジタルビデオカメラと、
    前記単一のデジタルビデオカメラで撮像した画像を処理する演算部と、
    前記演算結果を表示する表示部を備え、
    請求項3に記載の単一のデジタルビデオカメラによる動的面外変位分布計測方法を実行する事を特徴とする動的面外変位分布計計測装置。
  12. 単一のデジタルビデオカメラによる振動周波数解析装置であって、
    少なくとも単一のデジタルビデオカメラと、
    前記単一のデジタルビデオカメラで撮像した画像を処理する演算部と、
    前記演算結果を表示する表示部を備え、
    請求項4に記載の単一のデジタルビデオカメラによる振動周波数解析方法を実行する事を特徴とする振動周波数解析装置。
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