JP6532922B2 - 着磁器および着磁用部品 - Google Patents
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Description
[第1実施形態]
第1,2実施形態では、簡易な構造で凹凸感覚を知覚させる未公開の技術について説明する。第1実施形態では、S極およびN極からなるパタンが着磁された2つの磁性シートを用いて凹凸(「凸凹」ともいう)を知覚させる。なお、「磁性シート」は、強磁性材料を主原料とするシートであり、例えば、磁性ゴムを主原料とする磁性ゴムシート、磁性プラスチックを主原料とする磁性プラスチックシート、金属を主原料とする磁性金属シートなどである。強磁性材料が強い磁界内にさらされると、原子の双極子が磁場と整列し、その並びは磁場が除去された後も残る。一度磁化された強磁性材料は、反対向きの十分に強い磁界が印加されるか、強い衝撃、または十分に加熱されるまではその磁極の向きを保持する。本形態の力覚提示物は、「第1磁性シート」と「第2磁性シート」とを有する。「第1磁性シート」は「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が着磁されている。「第2磁性シート」は「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が着磁されている。ただし、人間または人間以外の動物である「動作主体」が、「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも何れかに接して、「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われることにより、「動作主体」が凹凸を知覚するようにされている。すなわち、「動作主体」が、「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも何れかに接して、「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われることにより、「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方から受けるせん断応力が周期的に変化する。せん断応力の変化は「第1面」および「第2面」に沿った平面が含む直線方向の変化であるが、「動作主体」はこの変化を「第1面」および「第2面」に対して略垂直な凹凸として知覚(錯覚)する。「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」の例は、S極に着磁された領域とN極に着磁された領域とが交互に周期的に配置されたものである。例えば、「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」は、S極に着磁された帯状の領域とN極に着磁された帯状の領域とが交互に周期的に配置されたものである。「第1テクスチャ」のパタンと「第2テクスチャ」のパタンとは同一であってもよいし、異なっていてもよい。「第1テクスチャ」のパタンと「第2テクスチャ」のパタンとの組み合わせによって、「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、「動作主体」が知覚する凹凸感も異なる。「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なってもよい。この場合には「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、「動作主体」が知覚する凹凸感も異なる。例えば、「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」が、S極に着磁されたテーブ状の領域とN極に着磁されたテーブ状の領域とが交互に周期的に配置されたものであり、「第1テクスチャ」の当該テーブ状の領域の長手方向が「第2テクスチャ」の当該テーブ状の領域の長手方向に倣うように「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作を行う、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われてもよい。この場合、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を、テーブ状の領域の長手方向に変化させるか、短手方向に変化させるかによって、「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、知覚する凹凸感も異なる。なお、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作の例は、以下(1)から(3)の何れか、またはその一部またはすべての組み合わせである。
(1)「動作主体」が直接「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方を動かすことで、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作。
(2)「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方と「動作主体」との間に介在するものを動かすことで、間接的に「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方を動かし、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作。
(3)「動作主体」が「第1磁性シート」と「第2磁性シート」との少なくとも一方を自動的に動かす装置を駆動し、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作。
また、「第1面と第2面との間の相対位置関係を変化させる」とは、例えば、「第1面」に対して「第2面」をスライドさせること、「第2面」に対して「第1面」をスライドさせることなどである。
図1Aの磁性シート210は「第1磁性シート」の具体例であり、図1Bの磁性シート220は「第2磁性シート」の具体例である。磁性シート210の一方の面(板面)211(第1面)には、S極の領域211aとN極の領域211bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。面211にはS極に着磁された帯状(テープ状)の領域211aとN極に着磁された帯状(テープ状)の領域211bとが交互に周期的に配置されている。すなわち、面211には領域211aと領域211bとが交互に配置されたストライプ状のテクスチャが配置されている。同様に、磁性シート220の一方の面(板面)221(第2面)には、S極の領域221aとN極の領域221bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。面221にはS極に着磁された帯状(テープ状)の領域221aとN極に着磁された帯状(テープ状)の領域221bとが交互に周期的に配置されている。すなわち、面221には領域221aと領域221bとが交互に配置されたストライプ状のテクスチャが配置されている。図1Aおよび図1Bの例の場合、領域211aの短手方向の幅(ピッチ)、領域211bの短手方向の幅(ピッチ)、領域221aの短手方向の幅(ピッチ)、領域221bの短手方向の幅(ピッチ)はいずれも2mmである。また、図1Aおよび図1Bでは、図形パタンの相違によって領域211a、領域211b、領域221a、および領域221bの磁極の相違を表現している。領域211a、領域211b、領域221a、および領域221bが視覚的に識別可能に塗り分けられているわけではない。すなわち、これらのテクスチャは着磁パタンであり、視覚的に塗り分けられた模様ではない(以下、同様)。磁性シート210および磁性シート220への着磁方法については後述する。
Ar(A,B)=f(pA,pB)[%] (1)
ただし、関数fは磁性シートA,Bに着磁されたパタンに依る。また2つの磁性シートA,B間に発生する保持力(Holding Force:H(A,B)[g/cm2])は、Ar(A,B)および両磁性シートA,Bの表面磁束密度BsA、BsB[mT]に依存し、関数gで表せる。
H(A,B)=g(Ar(A,B),Bs(A),Bs(B))[g/cm2] (2)
この2つの磁性シートA,Bの面を互いに接触または近接させたまま、これらの面の間の相対位置関係を変化させたときに知覚される凹凸感の強さV(A,B)は、H(A,B)の最大値H(A,B)MAXに依存し、関数hで表せる。
V(A,B)=h(H(A,B)MAX)
=h(g(Ar(A,B),Bs(A),Bs(B))MAX) (∵(2))
=h(g(f(pA,pB),pA,pB)MAX) (∵(1)および同一部材を用いた場合、表面磁束密度BsA、BsBは主にピッチpA,pBにそれぞれ依存)
=F(pA,pB) (3)
第1実施形態では、磁性シートの面のS極およびN極の一方の磁極に着磁される領域(例えば、S極に着磁される領域211a)の短手方向の幅(ピッチ)と、他方の磁極に着磁される領域(例えば、N極に着磁される領域211b)の短手方向の幅(ピッチ)と、互いに等しかった。しかしながら、磁性シートA,Bの少なくとも一方において、一方の磁極に着磁される領域のピッチと、他方の磁極に着磁される領域のピッチとが互いに相違してもよい。これによっても、「動作主体」が凹凸感覚を知覚させることができる。
本形態では、2つの磁性シートを用いて凹凸感を知覚させることができ、それぞれに着磁されたテクスチャやピッチに応じて多様な凹凸感を表現できる。
第2実施形態は第1実施形態の原理を応用したものである。前述のように、一方の磁性シートに着磁されたテクスチャが同一であったとしても、それに重ねられる他方の磁性シートに着磁されたテクスチャが異なれば、利用者に異なる凹凸感を提示できる。本形態ではこの特徴を利用する。本形態の力覚提示物は、「ベース磁性シート」「第1シート」「第2シート」「第1接触物」および「第2接触物」を有する。「ベース磁性シート」は、「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が予め着磁されている。「第1シート」は、視覚によって認識可能な「第1パタン」が設けられており、「ベース磁性シート」の「第1面」に重ね合せられる。「第2シート」は、「第1パタン」とは異なる、視覚によって認識可能な「第2パタン」が設けられており、「ベース磁性シート」の「第1面」に重ね合せられる。「第1接触物」は、「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。「第1接触物」は、例えば磁性シートであり、また例えば「第2面」側に磁性シートが貼り付けられた立体物や厚紙やプラスチック板などの「第2面」側に磁性シートが貼り付けられた物である。「第2接触物」は、「第3面」を含み、「第3面」にはS極の領域とN極の領域とを含み、「第2テクスチャ」とは異なる「第3テクスチャ」が予め着磁されている。「第2接触物」は、例えば磁性シートであり、また例えば「第3面」側に磁性シートが貼り付けられた立体物や厚紙やプラスチック板などの「第3面」側に磁性シートが貼り付けられた物である。ここで、「動作主体」が「第1行動」を行ったときに「第1接触物」から感じる凹凸感覚と、「第2行動」を行ったときに「第2接触物」から感じる凹凸感覚とは互いに異なる。言い換えると、「動作主体」が「第1行動」を行ったときに「第1接触物」から受けるせん断応力の変化の仕方と、「動作主体」が「第2行動」を行ったときに「第2接触物」から受けるせん断応力の変化の仕方と、は互いに異なる。ただし、「第1行動」とは、「ベース磁性シート」の「第1面」に「第1シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第1接触物」に接触して、「第1面」と「第2面」とを互いに近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。「第2行動」とは、「ベース磁性シート」の「第1面」に「第2シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第2接触物」に接触して、「第1面」と「第3面」とを互いに近接させたまま、「第1面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。
図9に本形態の「ベース磁性シート」であるベース磁性シート310を例示する。本形態のベース磁性シート310は磁性シートであり、その一方の面310a(第1面)にはS極の領域311a,312a,313a,314aとN極の領域311b,312b,313b,314bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が予め着磁されている。ベース磁性シート310の面310aは、4つの領域311,312,313,および314に区分されている。領域311には、S極の帯状の領域311aとN極の帯状の領域311bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域312には、S極の帯状の領域312aとN極の帯状の領域312bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域313には、S極の帯状の領域313aとN極の帯状の領域313bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域314には、S極の帯状の領域314aとN極の帯状の領域314bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。
以上より、同じベース磁性シート310を用いた場合でも、接触磁性シート320を用いるか接触磁性シート330を用いるかによって、利用者に異なる凹凸感覚を提示できる。例えば、接触磁性シート320を用いるか接触磁性シート330を用いるかによって、凹凸感覚の強さやピッチ(知覚される凹凸の間隔)を相違させることもできるし、凹凸感覚を知覚しない領域を相違させることもできる。このように互いに異なる凹凸感覚に対応する互いに異なる画像をシート341およびシート342に描いておけば、シート341およびシート342に表された互いに異なる画像に応じ、互いに異なる凹凸感覚を知覚させることができる。このように、本形態では永久磁石のみを用いているにもかかわらず、シートに表された画像に応じて凹凸感覚を異ならせることができる。このような技術は、例えば、表紙にベース磁性シートを内蔵し各ページをシートとすることにより、全ページで同じベース磁性シートを用いるものの、各ページについてはシートと接触物との組み合わせに応じて異なる凹凸感覚を提示する絵本などに応用することができる。
本形態では、「着磁対象物」に含まれる「着磁可能な物」を着磁するための「着磁器」について説明する。「着磁対象物」の3次元空間上の軸をx3,y3,z3とし、「着磁対象物」が含む「着磁可能な物」がx3y3平面A3またはその近傍に含まれるとする。「着磁対象物」が更にy3z3平面B3を含むものとする。「着磁器」は、この「着磁対象物」の平面A3に、y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所望長Lを有する形状の領域であるN極の領域とS極の領域とが交互に形成されるように、「着磁対象物」が含む「着磁可能な物」を着磁する。
図11Aに例示するように、本形態の着磁器400は、着磁用部品410(第1オブジェクト)、および送り用部品420(第2オブジェクト)を有するものである。この着磁器400は、図11Aに例示する着磁対象物430に含まれる着磁可能な物に着磁を行うためのものである。
図12、図13A、および図13Bに例示するように、本形態の着磁用部品410はベース部411、複数個の磁石(永久磁石)412、接合部413、およびシート414を有する。
ただし、L1≧Lである。例えば、直線部位αと軸x1がなす角度θが0°≦θ≦90°のような予め定めた範囲内となるように複数の直線部位αのそれぞれを設けておくのであれば、それぞれの直線部位αと軸x1がなす角度θがその範囲内で式(4)を満たすθとなるようにそれぞれの直線部位αを設けておけばよい。また各直線部位αにはそれぞれに対応するLの値が視認可能に設けられている。なお、視認可能な直線部位α、Lの値は、シート414に描かれたものであってもよいし、印刷されたものであってもよいし、刻まれたものであってもよい。要は、利用者が直線部位α、Lの値を視認可能であればよい。
図15Aから図15Cに例示するように、本形態の送り用部品420は、ベース部421、1個または複数個の固定部422、および接合部423を有する。
図16Aは着磁対象物430を例示した平面図である。図16Bは図16Aの底面図である。図16Cは図16Aの左側面図である。図16Aから図16Cに例示するように、着磁対象物430は、少なくとも2つの平面を含む立体物であり、ベース部431、および磁性シート432(着磁可能な物)を有する。
着磁器400を用いて着磁対象物430の磁性シート432に着磁する方法を説明する。着磁器400は、着磁対象物430の平面A3に、y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所望長Lを有する形状の領域(ピッチがLの領域)であるN極の領域とS極の領域とが交互に形成されるように、着磁対象物430が含む磁性シート432(着磁可能な物)を着磁する(図21Aから図21C)。
本形態では、利用者が所望長Lに対応する直線部位αと直線部位βとを重ねた状態で、着磁対象物430を着磁用部品410(第1オブジェクト)に対してy2軸の方向に相対的に移動させるだけで、2つの磁極の領域の幅がそれぞれほぼ所望長Lとなるストライプ状の領域を磁性シート432の平面A3に着磁できる。すなわち、2つの磁極の領域がストライプ状に配置されるように、着磁対象物430に含まれる磁性シート432(着磁可能な物)の平面A3に帯状の領域を短時間で着磁できる。また、着磁対象物430の平面A3と着磁用部品410(第1オブジェクト)の平面A1とが接し、着磁対象物430の平面B3と送り用部品420(第2オブジェクト)の平面B2とが接した状態で、着磁対象物430を送り用部品420(第2オブジェクト)に対してy2軸の方向に相対的に移動させるだけで、着磁対象物430を着磁用部品410(第1オブジェクト)に対してy2軸の方向に相対的に移動させることができる。これにより、正確かつ短時間で2つの磁極の領域の幅がそれぞれほぼ所望長Lとなるストライプ状の領域を着磁できる。さらに、直線部位αおよび直線部位βが視認可能であるため、利用者は直線部位αおよび直線部位βを視覚で確認しつつ、所望長Lに対応する直線部位αと直線部位βとを重ねることができる。これにより、利用者は所望長Lの幅のストライプ状の領域を容易に着磁できる。このようにストライプ状の領域が磁性シート432に着磁された着磁対象物430は、例えば、第2実施形態で説明した「第1接触物」や「第2接触物」として利用できる(例えば、図10A〜図10Dに例示した接触磁性シート320,330)。
「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の少なくとも一方が略透明であってもよい。「略透明」とは透明または半透明を意味し、透明度を表す指標(例えば、全光線透過率)が所定値以上である状態、および/または、曇り度を表す指標(例えば、ヘイズ)が所定値以下である状態を表す。これにより、直線部位αおよび直線部位βの配置の自由度が向上する。直線部位αおよび直線部位βの少なくとも一方が、略透明な「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の少なくとも一方を介して視認可能であってもよい。例えば、複数の直線部位αを「第2オブジェクト」側に設け、直線部位βを「第1オブジェクト」側に設けることも可能である。以降、既に説明した事項については、同じ参照番号を流用して説明を簡略化する。
ベース部411の形状は前述のものに限定されず、外部に平面A1を備えていればどのような形状であってもよい。磁石412の形状も前述のものに限定されず、複数の磁石412が互いに同一形状でなくてもよい。すべての複数の磁石412が同一の材質でなくてもよい。平面A1のx1方向の一つの直線に沿って複数の磁石412が配置されているのであれば、複数の磁石412がその他の位置に配置されていてもよい。例えば、ベース部411の平面A1の中央付近を通るx1方向の一つの直線ではなく、ベース部411の平面A1の辺縁付近を通るx1方向の一つの直線に沿って複数の磁石412が配置されていてもよい。すなわち、図12におけるベース部411の右端側や左端側に複数の磁石412が配置されていてもよい。複数の磁石412の少なくとも何れかがベース部411に内蔵されていてもよいし、複数の磁石412の少なくとも何れかがその他の部材で覆われていてもよい。すなわち、複数の磁石412の少なくとも何れかがベース部411の外部に露出していなくてもよい。複数の磁石412の平面A1側の端面が1つの平面上に配置されていなくてもよい。すなわち、複数の磁石412の平面A1側の端面のz1軸の位置が均一でなくてもよい。要は、平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)で一方の磁極に対する他方の磁極が並び、磁束密度についての「所定の条件」を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石が設けられていればよい。なお、法線方向の磁力線密度が一定以上になる領域λ1(図14B)に平面A3が配置されるように、複数の磁石412がベース部411に固定されていることが望ましい。
第3実施形態では、前述した「配置1」の磁石412と「配置2」の磁石412とが一列に交互に並べられていた(すなわち、平面A1側にS極とN極とが交互に並べられていた)。第4実施形態では、このように並べられていた複数の磁石412から「配置2」の磁石412のみを取り除いたもの、または、「配置1」の磁石412のみを取り除いたものを用いる。
本形態の着磁器は、第3実施形態の着磁器400の着磁用部品410を着磁用部品510(第1オブジェクト)に置換したものである。以下では、第3実施形態との相違点である着磁用部品510の構成および着磁方法を中心に説明する。
図23、図24Aおよび図24Bに例示するように、本形態の着磁用部品510はベース部411、複数個の磁石(永久磁石)512、接合部413、およびシート514を有する。
本形態の着磁器を用いて着磁対象物430の磁性シート432に着磁する方法を説明する。本形態の着磁器は、着磁対象物430の平面A3に、y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所定の長さを有する形状のN極の領域432nが、略所望長Lの中心間距離で形成されるように、着磁対象物430が含む磁性シート432(着磁可能な物)を着磁する(図26Aから図26C)。ただし、本形態の磁性シート432の平面A3は予めS極に着磁されている。着磁のための操作は、着磁用部品410が着磁用部品510に置換され、磁性シート432の平面A3が予めS極に着磁されていること以外、第3実施形態と同じである。
本形態では、利用者が所望長Lに対応する直線部位α’’’と直線部位βとを重ねた状態で、着磁対象物430を着磁用部品510(第1オブジェクト)に対してy2軸の方向に相対的に移動させるだけで、いずれか一方の磁極の領域(例えば、S極の領域432s)を略Lの中心間距離で磁性シート432の平面A3に着磁できる。ここで磁性シート432の平面A3に予め他方の磁極の領域(例えば、N極の領域432n)を着磁しておけば、磁性シート432の平面A3にストライプ状の領域を形成できる。すなわち、2つの磁極の領域がストライプ状に配置されるように、着磁対象物430に含まれる磁性シート432(着磁可能な物)の平面A3に帯状の領域を短時間で着磁できる。さらに、本形態では、直線部位βに重ね合わせる直線部位α’’’を変更することで、磁性シート432の平面A3のS極の領域432sとN極の領域432nとの比率を変更できる。
第3実施形態の変形例1,2で説明した変形を第4実施形態に対して行ってもよい。また、第4実施形態では、各直線部位α’’’に、当該直線部位α’’’にそれぞれに対応する中心間距離であるLの値が視認可能に設けられていた。しかし、各直線部位α’’’に、当該直線部位α’’’にそれぞれに対応する着磁し残り幅であるL−Mの値(LからMを減じた値)が視認可能に設けられていてもよい。この場合、利用者は所望の着磁し残り幅L−Mに対応する直線部位α’’’に直線部位βを重ね合わせた状態で上述のような操作を行えばよい。なお、第4実施形態では、上述した通り、同じ着磁用部品510を用いる限りは、直線部位βに重ね合わせる直線部位α’’’を変更しても、着磁する磁極の領域の幅(当該領域のx3方向の長さM)は変わらない。すなわち、ある中心間距離Lに対応する直線部位α’’’と、その中心間距離Lに対応する着磁し残り幅L−Mに対応する直線部位α’’’と、は同じである。従って、各直線部位α’’’に、当該直線部位α’’’にそれぞれに対応する中心間距離の値と着磁し残り幅の値の両方が視認可能に設けられていてもよい。
利用者が「第2オブジェクト」を用いることなく、「第1オブジェクト」で「着磁可能な物」に着磁してもよい。この場合も「第1オブジェクト」の3次元空間上の軸をx1,y1,z1とする。「第1オブジェクト」は、x1y1平面A1と、平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)でN極とS極が交互に並び、磁束密度についての所定の条件を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石と、を含む。
図27Aから図27Cおよび図28に例示するように、本形態の着磁用部品610はベース部411、複数個の磁石(永久磁石)412、接合部413、およびシート614を有する。
ただし、L1≧Lである。例えば、垂直指標α−21と軸x1がなす角度Θが0°≦Θ≦90°のような予め定めた範囲内となるように複数の垂直指標α−21のそれぞれを設けておくのであれば、それぞれの垂直指標α−21と軸x1がなす角度Θが0°≦Θ≦90°の範囲内で式(5)を満たすΘとなるようにそれぞれの垂直指標α−21を設けておけばよい。すなわち、L=L1(この例ではL1=6mm)に対応する垂直指標α−21は軸x1と略平行に配置されることになる。
磁性シート630(着磁対象物)の一つのx3y3平面A3に着磁を行う操作を説明する。図31Aおよび図31Bに例示するように、利用者は着磁用部品610を把持し、磁性シート630の平面A3と着磁用部品610の平面A1(ベース部411の一つのx1y1平面A1)とを接した状態で、磁性シート630に対して着磁用部品610をD4方向(y3軸の方向)に移動させる。この際、シート614に視認可能に設けられた複数個の垂直指標α−21のうちの所望長Lに対応する垂直指標α−21、および/または、複数個の平行指標α−22のうちの所望長Lに対応する平行指標α−22を参照しながら着磁用部品610を移動させる。垂直指標α−21を参照する場合、利用者は、シート614に視認可能に設けられた複数個の垂直指標α−21のうちの所望長Lに対応する垂直指標α−21がy3軸の方向と略垂直となるように、着磁用部品610を磁性シート630に対して相対的に移動させる。図31Aおよび図31Bは、L=5mmに対応する垂直指標α−21がy3軸の方向と略垂直となるように着磁用部品610を磁性シート630に対して相対的に移動させた様子を表している。平行指標α−22を参照する場合、利用者は、シート614に視認可能に設けられた複数個の平行指標α−22のうちの所望長Lに対応する平行指標α−22がy3軸の方向と略平行となるように、着磁用部品610を磁性シート630に対して相対的に移動させる。図31Aおよび図31Bは、L=5mmに対応する平行指標α−22がy3軸の方向と略平行となるように、着磁用部品610を磁性シート630に対して相対的に移動させた様子を表している。これにより、磁性シート630の平面A3にピッチがLであるN極の領域とS極の領域(y3方向の2つの直線を境界としたx3方向の幅がLのN極の領域とS極の領域)とが交互に着磁される。
利用者は着磁用部品610を把持し、磁性シート630の平面A3と着磁用部品610の平面A1とを接した状態で、磁性シート630に対して着磁用部品610をD4方向に移動させるだけで、所望のピッチLでN極の領域とS極の領域とをストライプ状に着磁できる。この際、Lに対応する垂直指標α−21および/または平行指標α−22を参照しつつ着磁用部品610を移動させることで、正確かつ容易に所望のピッチLのN極の領域とS極の領域とを着磁できる。
着磁用部品610のベース部411に、第3実施形態で説明した接合部413を設けてもよい。これにより、着磁用部品610を第1実施形態で説明した送り用部品420に接合することができる。これにより、着磁用部品610を第1実施形態で説明した着磁器400の着磁用部品410(第1オブジェクト)として機能させることもできる。さらに、着磁用部品610のベース部411の平面A1に第3実施形態で説明したシート414を固定してもよい。これにより、着磁用部品610と送り用部品420との組み合わせた場合には第3実施形態で説明したように着磁を行うことができ、着磁用部品610単体では第5実施形態で説明したように着磁を行うことができる。
図32に例示するように、第5実施形態またはその変形例の着磁用部品610から「配置2」の磁石412が取り除かれるか、または、「配置1」の磁石412が取り除かれた着磁用部品710が用いられてもよい。すなわち、着磁用部品610の複数の磁石412が、第4実施形態で説明した複数の磁石512に置換されてもよい。このような着磁用部品710を用い、第5実施形態で説明したように着磁を行うことで、磁性シート630の平面A3に中心間距離が略Lの複数のS極またはN極のいずれか一方の領域を着磁できる(第4実施形態)。平面A3が他方の磁極に磁化された磁性シート630に対し、着磁用部品710を用いて磁化することで、平面A3にS極の領域とN極の領域とが交互に配置された磁性シート630を得ることができる。ただし、S極の領域とN極の領域とが交互に配置された磁性シート630を得るためには、例えば、0°≦Θ≦90°のような予め定めた範囲内であれば、Θ<60°にする必要がある。
第5実施形態では、複数個の垂直指標α−21および複数個の平行指標α−22を視認可能なように着磁用部品610に設けた。しかしながら、第5実施形態またはその変形例において、複数個の垂直指標α−21または複数個の平行指標α−22のみを着磁用部品610に設けてもよい。また、ベース部411を略透明な部材で構成し、複数個の垂直指標α−21および/または複数個の平行指標α−22を、ベース部411の内部に設けたり、平面A1側に設けたりしてもよい。第3実施形態の変形例2で説明したベース部411や磁石412の変形を第5実施形態に対して行ってもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態で説明した各部位の形状、寸法、配置、位置関係などは一例であって本発明を限定するものではない。例えば、本発明の効果を得られるのであれば、各部位の形状、配置、寸法、位置関係などが各実施形態で説明したものと相違していてもよい。すなわち、各実施形態で例示した「平面」、「直線」、「円」、「円筒」といった形状が、それぞれ「略平面」、「略直線」、「略円」、「略円筒」であってもよい。「4mm」といった寸法が「略4mm」であってもよい。「ストライプ状」の配置が「略ストライプ状」の配置であってもよい。「平行」、「垂直」といった位置関係が、それぞれ「略平行」、「略垂直」であってもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
着磁用部品 410,510,610,710
送り用部品 420
着磁対象物 430
Claims (6)
- 着磁対象物に含まれる着磁可能な物を着磁するための着磁器であって、
前記着磁対象物の3次元空間上の軸をx3,y3,z3として、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物は、x3y3平面A3またはその近傍に含まれ、
前記着磁対象物は、更に、y3z3平面B3を含み、
前記着磁器は、
前記着磁対象物の前記平面A3に、
y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所望長Lを有する形状の領域であるN極の領域とS極の領域とが交互に形成されるように、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物を着磁するものであって、
前記着磁器は、第1オブジェクトと第2オブジェクトを含み、
前記第1オブジェクトの3次元空間上の軸をx1,y1,z1として、
前記第1オブジェクトは、
x1y1平面A1と、
前記平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)でN極とS極が交互に並び、磁束密度についての所定の条件を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石と、を含み、
前記第2オブジェクトの3次元空間上の軸をx2,y2,z2として、
前記第2オブジェクトは、y2z2平面B2を含み、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトは、
利用者が、
前記着磁対象物の前記平面A3と前記第1オブジェクトの前記平面A1とを接した状態、かつ、前記着磁対象物の前記平面B3と前記第2オブジェクトの前記平面B2とを接した状態、で
前記着磁対象物を前記第2オブジェクトに対して前記y2軸の方向に相対的に移動させられるように、
かつ、
前記第1オブジェクトの前記x1軸及びy1軸と、前記第2オブジェクトの前記x2軸及び前記y2軸と、がなす角が変更可能となるように、
接合可能とされている着磁器。 - 着磁対象物に含まれる着磁可能な物を着磁するための着磁器であって、
前記着磁対象物の3次元空間上の軸をx3,y3,z3として、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物は、x3y3平面A3またはその近傍に含まれ、
前記着磁対象物は、更に、y3z3平面B3を含み、
前記着磁器は、
前記着磁対象物の前記平面A3に、
y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所定の長さMを有する形状のN極またはS極のいずれか一方の磁極の領域が、略所望長Lの中心間距離で形成されるように、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物を着磁するものであって、
前記着磁器は、第1オブジェクトと第2オブジェクトを含み、
前記第1オブジェクトの3次元空間上の軸をx1,y1,z1として、
前記第1オブジェクトは、
x1y1平面A1と、
前記平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)で前記一方の磁極に対する他方の磁極が並び、磁束密度についての所定の条件を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石と、を含み、
前記第2オブジェクトの3次元空間上の軸をx2,y2,z2として、
前記第2オブジェクトは、y2z2平面B2を含み、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトは、
利用者が、
前記着磁対象物の前記平面A3と前記第1オブジェクトの前記平面A1とを接した状態、かつ、前記着磁対象物の前記平面B3と前記第2オブジェクトの前記平面B2とを接した状態、で
前記着磁対象物を前記第2オブジェクトに対して前記y2軸の方向に相対的に移動させられるように、
かつ、
前記第1オブジェクトの前記x1軸及びy1軸と、前記第2オブジェクトの前記x2軸及び前記y2軸と、がなす角が変更可能となるように、
接合可能とされている着磁器。 - 請求項1または2の着磁器であって、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトのうちの何れか一方には、予め定めた複数個の所望長Lの候補のそれぞれに対応する複数個の直線部位αが含まれており、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトのうちの他方には、1つの直線部位βが含まれており、
前記複数個の直線部位αと、前記直線部位βと、は、
所望長Lに対応する前記直線部位αと、前記直線部位βと、を利用者が重ね合せることにより、
前記第1オブジェクトの前記x1軸に対して前記第2オブジェクトの前記y2軸がなす角θが
- 請求項1から3の何れかの前記着磁器が含む前記第1オブジェクトとして機能する着磁用部品であって、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位α’が利用者の垂直指標として利用者に視認可能とされており、
および/または、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位γ’が利用者の平行指標として利用者に視認可能とされており、
前記x1軸に対して前記直線部位α’がなす各Θ、および/または、前記y1軸に対して前記直線部位γ’がなす各Θは、
利用者が、
前記着磁対象物の前記平面A3と前記平面A1とを接した状態、かつ、
前記複数個の垂直指標のうちの所望長Lに対応する垂直指標が前記y3軸の方向と略垂直となるように、および/または、前記複数個の平行指標のうちの所望長Lに対応する平行指標が前記y3軸の方向と略平行となるように、把持した状態で、前記着磁対象物に対して相対的に移動させることが可能である着磁用部品。 - 着磁対象物に含まれる着磁可能な物を着磁するための着磁器であって、
前記着磁対象物の3次元空間上の軸をx3,y3,z3として、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物は、x3y3平面A3またはその近傍に含まれ、
前記着磁器は、
前記着磁対象物の前記平面A3に、
y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所望長Lを有する形状の領域であるN極の領域とS極の領域とが交互に形成されるように、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物を着磁するものであって、
前記着磁器の3次元空間上の軸をx1,y1,z1として、
前記着磁器は、
x1y1平面A1と、
前記平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)でN極とS極が交互に並び、磁束密度についての所定の条件を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石と、を含み、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位α’が利用者の垂直指標として利用者に視認可能とされており、
および/または、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位γ’が利用者の平行指標として利用者に視認可能とされており、
前記x1軸に対して前記直線部位α’がなす各Θ、および/または、前記y1軸に対して前記直線部位γ’がなす各Θは、
利用者が、
前記着磁対象物の前記平面A3と前記平面A1とを接した状態、かつ、
前記複数個の垂直指標のうちの所望長Lに対応する垂直指標が前記y3軸の方向と略垂直となるように、および/または、前記複数個の平行指標のうちの所望長Lに対応する平行指標が前記y3軸の方向と略平行となるように、把持した状態で、前記着磁対象物に対して相対的に移動させることが可能である着磁器。 - 着磁対象物に含まれる着磁可能な物を着磁するための着磁器であって、
前記着磁対象物の3次元空間上の軸をx3,y3,z3として、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物は、x3y3平面A3またはその近傍に含まれ、
前記着磁器は、
前記着磁対象物の前記平面A3に、
少なくとも、y3方向の2つの直線を境界とし、x3方向に略所定の長さMを有する形状のN極またはS極のいずれか一方の磁極の領域が、略所望長Lの中心間距離で形成されるように、
前記着磁対象物が含む前記着磁可能な物を着磁するものであって、
前記着磁器の3次元空間上の軸をx1,y1,z1として、
前記着磁器は、
x1y1平面A1と、
前記平面A1のx1方向の一つの直線に沿って、所定の略中心軸間距離L1(L1≧L)で前記一方の磁極に対する他方の磁極が並び、磁束密度についての所定の条件を満たす略同一形状の磁場を形成する複数個の磁石と、を含み、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位α’が利用者の垂直指標として利用者に視認可能とされており、
および/または、
予め定めた複数個の所望長Lの候補にそれぞれ対応する複数個の直線部位γ’が利用者の平行指標として利用者に視認可能とされており、
前記x1軸に対して前記直線部位α’がなす各Θ、および/または、前記y1軸に対して前記直線部位γ’がなす各Θは、
利用者が、
前記着磁対象物の前記平面A3と前記平面A1とを接した状態、かつ、
前記複数個の垂直指標のうちの所望長Lに対応する垂直指標が前記y3軸の方向と略垂直となるように、および/または、前記複数個の平行指標のうちの所望長Lに対応する平行指標が前記y3軸の方向と略平行となるように、把持した状態で、前記着磁対象物に対して相対的に移動させることが可能である着磁器。
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